(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081203
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】ぬいぐるみ
(51)【国際特許分類】
A63H 3/02 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
A63H3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194958
(22)【出願日】2021-11-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 刊行物 パンフレット(令和3年4月) 公開者 株式会社リード 発行日 令和3年4月 販売(令和3年4月) 公開者 株式会社リード 発行日 令和3年4月
(71)【出願人】
【識別番号】521524737
【氏名又は名称】株式会社リード
(74)【代理人】
【識別番号】100137822
【弁理士】
【氏名又は名称】香坂 薫
(72)【発明者】
【氏名】塚田 純明
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BC06
2C150CA01
2C150CA02
2C150FB16
2C150FB34
2C150FB46
2C150FD09
(57)【要約】
【課題】胴体部が立つように二本の足で立ち上がった状態を安定して維持できるぬいぐるみを提供する。
【解決手段】頭部、頭部に連なる胴体部、胴体部に連なる前足部、胴体部に連なる後足部、胴体部に連なる尻尾部を含むぬいぐるみであって、ぬいぐるみの外形を形成する外被部と、外被部の内部に充填される詰物部と、を備え、ぬいぐるみが立ち上がった状態において、頭部の後頭部が後足部と尻尾部の分岐部の鉛直上方に位置し、後足部と尻尾部との成す角度が35~80度である、ぬいぐるみ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部、頭部に連なる胴体部、胴体部に連なる前足部、胴体部に連なる後足部、胴体部に連なる尻尾部を含むぬいぐるみであって、
ぬいぐるみの外形を形成する外被部と、
外被部の内部に充填される詰物部と、を備え、
ぬいぐるみが立ち上がった状態において、後足部と尻尾部との成す角度が35~80度である、ぬいぐるみ。
【請求項2】
後足部の内部に設けられ、胴体部を支持する後足部用支持部と、
尻尾部の内部に設けられ、胴体部を支持する尻尾部用支持部と、
両端部に後足部用支持部の基端が連なり、中央部に尻尾部用支持部が接続された接続用支持部と、を更に備える、請求項1に記載のぬいぐるみ。
【請求項3】
ぬいぐるみが立ち上がった状態において、ぬいぐるみを立たせる台座面と接する後足部の先端に設けられた後足部の設置部であって、外被部を縫合する縫合部からなり外被部よりも固く形成された後足部の設置部と、
ぬいぐるみが立ち上がった状態において、ぬいぐるみを立たせる台座面と接する尻尾部の先端に設けられた尻尾部の設置部であって、外被部を縫合する縫合部からなり外被部よりも固く形成された尻尾部の設置部と、を更に備える、請求項1又は2に記載のぬいぐるみ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ぬいぐるみに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、頭部、胴体部、足部等に詰め物が充填されたぬいぐるみ人形が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動物を模ったぬいぐるみに関し、胴体部が横になるように4本の足で胴体部を支持する場合には、安定して立たせることができる。一方で、動物を模ったぬいぐるみでは、胴体部を立てた状態で安定して立たせることができるぬいぐるみが望まれている。例えば、特許文献1に記載のぬいぐるみ人形は、胴体部を立てた状態において、胴体部の下半部に上半部よりも比重の大きい詰め物(砂など)を充填し、更に、二本の足部と尻部との3点で胴体部を支持する。
【0005】
特許文献1に記載のような従来のぬいぐるみは、胴体部を立てた状態で安定して立たせることができる。しかしながら、この従来のぬいぐるみは、胴体部の下半部に上半部よりも比重の大きい詰め物(砂など)を充填することで、所謂おきあがりこぼしのように自立させるものであり、胴体部の過半部を床等と接する形状とする必要がある。そのため、動物が二本の足で立った状態を再現しているとは言えない。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑み、胴体部が立つように二本の足で立ち上がった状態を安定して維持できるぬいぐるみを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、頭部の位置と二本の足と尻尾の分岐部の位置、二本の足と尻尾との角度を調整して、二本の足と尻尾の先端部の3点で自立して立ち上がった状態を安定して維持できるようにした。
【0008】
詳細には、本発明は、頭部、頭部に連なる胴体部、胴体部に連なる前足部、胴体部に連なる後足部、胴体部に連なる尻尾部を含むぬいぐるみであって、ぬいぐるみの外形を形成する外被部と、外被部の内部に充填される詰物部と、を備え、ぬいぐるみが立ち上がった状態において、後足部と尻尾部との成す角度が35~80度である、ぬいぐるみである。
【0009】
本発明に係るぬいぐるみは、胴体部が立つように二本の足で立ち上がった状態を安定して維持することができる。特に、ぬいぐるみが立ち上がった状態において、後足部と尻尾部との成す角度を35~80度とすることで、後足部(二本の足)で立ち上がった状態を安定して維持することができる。
【0010】
ぬいぐるみは、猫、犬、ライオンなどの動物の他、人や動物をモチーフにした野菜、ロボットなどでもよい。ぬいぐるみは、頭部、胴体部、前足部、後足部、尻尾部に対応する部位を有していれば架空上のものでもよい。外被部は、上記動物の形状になるように型抜きされた型布により構成される。詰物部には、綿、布、ビーズ、発泡スチロール、発泡ウレタン等が例示される。後足部と尻尾部との成す角度とは、後足部の後面と尻尾部の前面との成す角度、換言すると、ぬいぐるみを側面視した場合における、後足部の尻尾部側の面と尻尾部の後足部側の面との成す角度である。なお、頭部と胴体部との接続部の後面が後足部と尻尾部との分岐部の鉛直上方に位置するようにしてもよい。これにより、後足部(二本の足)で立ち上がった状態をより安定して維持することができる。頭部と胴体部との接続部の後面は、換言すると首部の後面(背中側の面)を意味する。
【0011】
ここで、本発明に係るぬいぐるみは、後足部の内部に設けられ、胴体部を支持する後足部用支持部と、尻尾部の内部に設けられ、胴体部を支持する尻尾部用支持部と、両端部に後足部用支持部の基端が連なり、中央部に尻尾部用支持部が接続された接続用支持部と、を更に備える構成としてもよい。
【0012】
後足部用支持部、尻尾部用支持部、接続用支持部を備えることで、胴体部が立つように二本の足で立ち上がった状態をより安定して維持することができる。後足部用支持部、尻尾部用支持部、接続用支持部は、以下、総称して単に支持部ともいう。尻尾部用支持部は、接続用支持部に対して回動自在に接続してもよく、また、固定してもよい。回動自在に接続することで、後足部と尻尾部との成す角度を調整することができる。固定することで、胴体部が立つように二本の足で立ち上がった状態をより安定して維持することができる。後足部用支持部、尻尾部用支持部、接続用支持部は、詰物部を充填することで、外被部の内部における位置を固定することができる。なお、後足部用支持部、尻尾部用支持部、接続用支持部は、一部を外被部に接続するようにしてもよい。これにより、後足部用支持部、尻尾部用支持部、接続用支持部は、外被部の内部における位置をより安定して固定することができる。後足部用支持部、尻尾部用支持部、接続用支持部は、針金などの金属部材で構成することができる。また、後足部用支持部、尻尾部用支持部、接続用支持部は、端部に所謂ボールジョイントを有する金属部材又は樹脂部材によって構成してもよい。
【0013】
また、本発明に係るぬいぐるみは、ぬいぐるみが立ち上がった状態において、ぬいぐるみを立たせる台座面と接する後足部の先端に設けられた後足部の設置部であって、外被部を縫合する縫合部からなり外被部よりも固く形成された後足部の設置部と、ぬいぐるみが立ち上がった状態において、ぬいぐるみを立たせる台座面と接する尻尾部の先端に設けられた尻尾部の設置部であって、外被部を縫合する縫合部からなり外被部よりも固く形成された尻尾部の設置部と、を更に備える構成としてもよい。
【0014】
ぬいぐるみにおいて、台座面と接する部分、すなわち、後足部の設置部と尻尾部の設置部について、縫合部を利用して外被部よりも固く形成することで、胴体部が立つように二本の足で立ち上がった状態をより安定して維持することができる。
【0015】
また、後足部用支持部の先端を後足部の設置部と接続し、尻尾部用支持部の先端を尻尾部の設置部と接続するようにしてもよい。これにより、後足部用支持部、尻尾部用支持部、接続用支持部は、外被部の内部における位置をより安定して固定することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、胴体部が立つように二本の足で立ち上がった状態を安定して維持できるぬいぐるみを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るぬいぐるみの斜視図の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るぬいぐるみの正面図を示す。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るぬいぐるみの側面図を示す。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るぬいぐるみの部分透視図を示す。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るぬいぐるみの支持部の一例を示す。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るぬいぐるみにおいて、支持部と外被部との接続例を示す。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るぬいぐるみの下面を示す。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係るぬいぐるみの支持部の他の例を示す。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係るぬいぐるみの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明は例示であり、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0019】
<第1実施形態>
<ぬいぐるみの構成>
第1実施形態に係るぬいぐるみ1は、頭部11、頭部に連なる胴体部12、胴体部に連なる前足部13、胴体部に連なる後足部14、胴体部に連なる尻尾部15を含む。また、ぬいぐるみ1は、ぬいぐるみの外形を形成する外被部3、外被部3の内部に充填される詰物部4、胴体部を支持する支持部2によって構成されている。ぬいぐるみ1は、ぬいぐるみ1が立ち上がった状態において、頭部11と胴体部12の接続部16の後面が後足部と尻尾部15の分岐部17の鉛直上方に位置し、後足部14と尻尾部15との成す角度が35~80度に設計されている。分岐部17は、例えば、尻尾部15の太さ程度の幅を持たせることができる(
図3において平行する点線で示す)。
【0020】
第1実施形態に係るぬいぐるみ1は、猫、犬、ライオンなどの動物の他、人や動物をモチーフにした野菜、ロボットなどでもよい。ぬいぐるみ1は、頭部11、胴体部12、前足部13、後足部14、尻尾部15に対応する部位を有していれば架空上のものでもよい。外被部3は、上記動物の形状になるように型抜きされた型布により構成される。詰物部4には、綿、布、ビーズ、発泡スチロール、発泡ウレタン等が例示される。第1実施形態に係るぬいぐるみ1は、頭部11の顔側に顔を模った発泡スチロールが詰物部4として充填され、顔以外の部分に綿が充填されている。また、前足部13、胴体部12、後足部14、尻尾部15には、綿が充填されている。頭部11と胴体部12の接続部16の後面は、換言すると首部の後面(背中側の面)を意味する。後足部14と尻尾部15との成す角度(
図3においてαで示す)とは、後足部の後面18と尻尾部の前面19との成す角度、換言すると、ぬいぐるみを側面視した場合における、後足部の尻尾部側の面と尻尾部の後足部側の面との成す角度である。
【0021】
支持部2は、胴体部12を支持する。支持部2は、胴体部12を支持する後足部用支持部23と、尻尾部15の内部に設けられ、胴体部12を支持する尻尾部用支持部25と、両端部に後足部用支持部23の基端が連なり、中央部に尻尾部用支持部25が接続された接続用支持部21を備える。第1実施形態に係る支持部2は、折り曲げ可能な棒状の金属部材で構成されている。後足部用支持部23と接続用支持部21は、一本の棒状の金属部材を折り曲げることで形成されている。後足部用支持部23の先端部24は、フック状に折り曲げられるとともに後足部の設置部14aと接続可能に構成されている(
図6参照)。また、接続用支持部21の中央部22は、接続される尻尾部用支持部25の移動を規制するため両側よりも低くなるように凹んだ形状となっている。尻尾部用支持部25は、基端部26がフック状に折り曲げられて接続用支持部21の中央部22に回動自在に接続され、他端部27がフック状に折り曲げられるとともにと接続可能に構成されている。また、尻尾部用支持部25の先端側は、ぬいぐるみ1を立たせる台座面に対して斜めに伸びる尻尾部用支持部25が台座面と直交するように折り曲げられている。これにより、胴体部12が立つように二本の足で立ち上がった状態を安定して維持することができる。
【0022】
また、
図7に示すように、ぬいぐるみ1は、ぬいぐるみ1が立ち上がった状態において、ぬいぐるみ1を立たせる台座面と接する後足部14の先端に設けられた後足部の設置部14aであって、外被部3を縫合する縫合部Nからなり外被部3よりも固く形成された後足部の設置部14aと、ぬいぐるみ1が立ち上がった状態において、ぬいぐるみ1を立たせる台座面と接する尻尾部15の先端に設けられた尻尾部の設置部15aであって、外被部3を縫合する縫合部Nからなり外被部3よりも固く形成された尻尾部の設置部15aが形成されている。
【0023】
また、
図6に示すように、後足部用支持部23の先端は、後足部の設置部14aと接続され、尻尾部用支持部25の先端は、尻尾部の設置部15aと接続されている。
【0024】
<効果>
第1実施形態に係るぬいぐるみ1は、胴体部12が立つように二本の足で立ち上がった状態を安定して維持することができる。特に、ぬいぐるみ1が立ち上がった状態において、頭部11と胴体部12の接続部16の後面が後足部14と尻尾部15の分岐部17の鉛直上方に位置し、後足部14と尻尾部15との成す角度を35~80度とすることで、後足部14(二本の足)で立ち上がった状態を安定して維持することができる。
【0025】
また、後足部用支持部23、尻尾部用支持部25、接続用支持部21を備え、後足部用支持部23の先端は、後足部の設置部14aと接続され、尻尾部用支持部25の先端は、尻尾部の設置部15aと接続されていることから、胴体部12が立つように二本の足で立ち上がった状態をより安定して維持することができる。
【0026】
また、ぬいぐるみ1において、台座面と接する部分、すなわち、後足部の設置部14aと尻尾部の設置部15aについて、縫合部を利用して外被部よりも固く形成することで、胴体部12が立つように二本の足で立ち上がった状態をより安定して維持することができる。
【0027】
<第1実施形態の変形例>
図8は、第1実施形態に係るぬいぐるみの支持部の他の例を示す。変形例では、支持部2がボールジョイントJを含む構成である。詳細には、胴体部12を支持する後足部用支持部33は、二本の足の軸部33a,33bがボールジョイントJを介して接続されることで構成されている。後足部用支持部33の基端は、ボールジョイントJを介して接続用支持部31の両端部に接続される。後足部用支持部33の先端には、台座面と面接触する面状の足端面が形成されている。胴体部12を支持する尻尾部用支持部35は、二本の尻尾の軸部35a,35bがボールジョイントJを介して接続されることで構成されている。尻尾部用支持部35の基端は、フック状に形成され、接続用支持部31の中央部32に接続される。尻尾部用支持部35の先端には、台座面と面接触する面状の尻尾端面が形成されている。接続用支持部31は、両端部に設けられたボールジョイントJを介して、後足部用支持部33の基端が接続される。また、中央部32には、尻尾部用支持部35が接続される。変形例では、支持部2が樹脂によって構成されているが、金属製としてもよい。樹脂製とすることで、軽量化することができる。金属製とすることで、強度を向上することができる。
【0028】
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態に係るぬいぐるみの斜視図を示す。第2実施形態に係るぬいぐるみ1aは、第1実施形態に係るぬいぐるみ1よりも小型であり、また、支持部2を有さない点で第1実施形態に係るぬいぐるみ1と異なる。その他の点に関しては、第1実施形態に係るぬいぐるみ1と同じであることから説明を割愛する。
【0029】
第2実施形態に係るぬいぐるみ1は、胴体部12が立つように二本の足で立ち上がった状態を安定して維持することができる。特に、ぬいぐるみ1が立ち上がった状態において、頭部11と胴体部12の接続部16の後面が後足部14と尻尾部15の分岐部17の鉛直上方に位置し、後足部14と尻尾部15との成す角度が40~90度とすることで、後足部14(二本の足)で立ち上がった状態を安定して維持することができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明に係るぬいぐるみは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1実施形態に係るぬいぐるみ1や第2実施形態に係るぬいぐるみ1の前足部13を先に説明したものよりも長く形成し、頭部11の頂点と前足部13の3点で自立するように、前足部13の長さ等を調整してもよい。
【符号の説明】
【0031】
1・・・ぬいぐるみ、11・・・頭部、12・・・胴体部、13・・・前足部、14・・・後足部、15・・・尻尾部、