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特開2023-81209加硫ゴムのオゾン劣化評価システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081209
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】加硫ゴムのオゾン劣化評価システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 17/00 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
G01N17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194972
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】長尾 知彦
【テーマコード(参考)】
2G050
【Fターム(参考)】
2G050BA04
2G050BA12
2G050DA01
2G050EA03
2G050EA06
2G050EB07
2G050EC01
2G050EC07
(57)【要約】
【課題】オゾン劣化の評価を精度良く、より効率的に行うことができる加硫ゴムのオゾン劣化評価システムおよび方法を提供する。
【解決手段】保持部2Aによって多数の試験サンプルSを伸長状態で保持し、移動機構4の動きを制御部5によって制御することで、保持部2Aおよびカメラ装置3の少なくとも一方を相対移動させて、保持部2Aに保持されている各試験サンプルSまたはカメラ装置3を、予め設定された経過時間毎に所定の撮影位置に順次位置決めし、所定の撮影位置で各試験サンプルSの表面Sfの正面視の画像データMを、照明手段7よって光を照射しつつつ、背面板8を背面側に配置した状態でカメラ装置3により取得し、画像データMを演算装置6により画像処理した結果に基づいて各試験サンプルSのオゾン劣化具合を評価する評価指標Dxを演算装置6により算出する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加硫ゴムの試験サンプルを伸長状態で保持する保持機構と、前記試験サンプルの表面の画像データを取得するカメラ装置と、前記画像データの画像処理を行う演算装置とを備えて、前記画像処理の結果に基づいて前記試験サンプルのオゾン劣化具合を評価する評価指標が前記演算装置により算出される加硫ゴムのオゾン劣化評価システムにおいて、
前記保持機構は多数の前記試験サンプルを保持する保持部を有し、
前記保持機構および前記カメラ装置の少なくとも一方を相対移動させる移動機構と、この移動機構を制御する制御部とを有し、
前記移動機構により前記保持機構および前記カメラ装置の少なくとも一方を相対移動させることにより、前記保持機構に保持されているそれぞれの前記試験サンプルまたは前記カメラ装置が、予め設定された経過時間毎に所定の撮影位置に順次位置決めされ、前記所定の撮影位置でそれぞれの前記試験サンプルの表面の正面視の前記画像データが前記カメラ装置により取得される加硫ゴムのオゾン劣化評価システム。
【請求項2】
前記所定の撮影位置でそれぞれの前記試験サンプルの表面に光を照射する照明手段を有し、前記光の光軸方向と前記試験サンプルの表面の延在方向とのなす角度が10°以上80°以下である請求項1に記載の加硫ゴムのオゾン劣化評価システム。
【請求項3】
前記所定の撮影位置でそれぞれの前記試験サンプルの背面側に配置される背面板を有し、前記画像データにおけるそれぞれの前記試験サンプルの表面の色と前記背面板の表面の色との彩度の差が20以上である請求項1または2に記載の加硫ゴムのオゾン劣化評価システム。
【請求項4】
前記所定の撮影位置でそれぞれの前記試験サンプルの背面側に配置される背面板を有し、前記画像データにおけるそれぞれの前記試験サンプルの表面の色と前記背面板の表面の色との明度の差が20以上である請求項1~3のいずれかに記載の加硫ゴムのオゾン劣化評価システム。
【請求項5】
前記背面板の表面の反射率が50%以下である請求項1~4のいずれかに記載の加硫ゴムのオゾン劣化評価システム。
【請求項6】
前記保持機構が内設される試験槽を有し、前記保持機構に保持されているそれぞれの前記試験サンプルが前記試験槽の内部で所望のオゾン濃度の雰囲気下に配置される請求項1~5のいずれかに記載の加硫ゴムのオゾン劣化評価システム。
【請求項7】
前記評価指標として、それぞれの前記試験サンプルの表面に発生したオゾンクラックの数、長さ、輪郭長さの少なくとも1種類が算出される請求項1~6のいずれかに記載の加硫ゴムのオゾン劣化評価システム。
【請求項8】
保持機構によって伸長状態で保持している加硫ゴムの試験サンプルの表面の画像データをカメラ装置により取得し、この取得した前記画像データを演算装置により画像処理した結果に基づいて前記試験サンプルのオゾン劣化具合を評価する評価指標を前記演算装置により算出する加硫ゴムのオゾン劣化評価方法において、
前記保持機構には多数の前記試験サンプルを保持し、前記保持機構および前記カメラ装置の少なくとも一方を相対移動させる制御をして、前記保持機構に保持されているそれぞれの前記試験サンプルまたは前記カメラ装置を、予め設定された経過時間毎に所定の撮影位置に順次位置決めし、前記所定の撮影位置でそれぞれの前記試験サンプルの正面視の前記画像データを前記カメラ装置により取得する加硫ゴムのオゾン劣化評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加硫ゴムのオゾン劣化評価システムおよび方法に関し、さらに詳しくは、オゾン劣化の評価を精度良く、より効率的に行うことができる加硫ゴムのオゾン劣化評価システムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加硫ゴムのオゾン劣化を評価する方法として、JIS K 6259-1:2015「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-耐オゾン性の求め方」に規定されている静的オゾン劣化試験が広く知られている。この試験方法では、試験担当者が所定時間毎に劣化状態を記録する必要があるので相応の作業工数を要する。また、試験担当者の判断の相違に起因して評価結果にばらつきが生じる。
【0003】
加硫ゴムのオゾン劣化を定量的に評価するために、加硫ゴムの試験サンプルを撮影した画像データを使用する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。これら提案されている評価方法では、画像データを解析することでオゾンクラックの面積など算出して評価指標にしている。このような評価指標を用いることで、人的な判断に起因する評価結果のばらつきを排除することができる。
【0004】
ところで、同じ仕様の試験サンプルであってもオゾン劣化の程度には多少の個体差があるため、各仕様の試験サンプルのオゾン劣化をより高精度で評価するには各仕様の試験サンプルを多数用いて試験することが望ましい。また、仕様などが異なる試験サンプルどうしのオゾン劣化の程度を比較するには、同時期に各試験サンプルを用いて試験することが望ましい。しかしながら、従来提案されている種々の評価方法では、多数の試験サンプルを試験するには、試験サンプルを保持部に順次交換して取り付ける必要があるので、効率的に評価を行うには不利になる。それ故、加硫ゴムのオゾン劣化の評価を精度良く、より効率的に行うには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-45142号公報
【特許文献2】特開2020-118462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、オゾン劣化の評価を精度良く、より効率的に行うことができる加硫ゴムのオゾン劣化評価システムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の加硫ゴムのオゾン劣化評価システムは、加硫ゴムの試験サンプルを伸長状態で保持する保持機構と、前記試験サンプルの表面の画像データを取得するカメラ装置と、前記画像データの画像処理を行う演算装置とを備えて、前記画像処理の結果に基づいて前記試験サンプルのオゾン劣化具合を評価する評価指標が前記演算装置により算出される加硫ゴムのオゾン劣化評価システムにおいて、前記保持機構は多数の前記試験サンプルを保持する保持部を有し、前記保持機構および前記カメラ装置の少なくとも一方を相対移動させる移動機構と、この移動機構を制御する制御部とを有し、前記移動機構により前記保持機構および前記カメラ装置の少なくとも一方を相対移動させることにより、前記保持機構に保持されているそれぞれの前記試験サンプルまたは前記カメラ装置が、予め設定された経過時間毎に所定の撮影位置に順次位置決めされ、前記所定の撮影位置でそれぞれの前記試験サンプルの表面の正面視の前記画像データが前記カメラ装置により取得されることを特徴とする。
【0008】
本発明の加硫ゴムのオゾン劣化評価方法は、保持機構によって伸長状態で保持している加硫ゴムの試験サンプルの表面の画像データをカメラ装置により取得し、この取得した前記画像データを演算装置により画像処理した結果に基づいて前記試験サンプルのオゾン劣化具合を評価する評価指標を前記演算装置により算出する加硫ゴムのオゾン劣化評価方法において、前記保持機構には多数の前記試験サンプルを保持し、前記保持機構および前記カメラ装置の少なくとも一方を相対移動させる制御をして、前記保持機構に保持されているそれぞれの前記試験サンプルまたは前記カメラ装置を、予め設定された経過時間毎に所定の撮影位置に順次位置決めし、前記所定の撮影位置でそれぞれの前記試験サンプルの正面視の前記画像データを前記カメラ装置により取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、それぞれの前記試験サンプルの表面の前記画像データを前記演算装置により画像処理した結果に基づいて前記評価指標を算出するので、前記評価指標を使用してそれぞれの前記試験サンプルのオゾン劣化具合を客観的に評価できる。そして、前記保持機構には多数の前記試験サンプルが保持されて、予め設定された経過時間毎に前記所定の撮影位置でそれぞれの前記試験サンプルの正面視の前記画像データが前記カメラ装置により順次取得するように制御される。そのため、それぞれの前記試験サンプルのオゾン劣化の評価を精度良く、より効率的に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の加硫ゴムのオゾン劣化評価システムを、試験槽の内部を縦断面視にして例示する説明図である。
図2図1の試験槽の内部および外部を平面視で例示する説明図である。
図3図1の一部拡大図である。
図4図3の試験サンプルを正面視で例示する説明図である。
図5】カメラ装置により取得された試験サンプルの正面視の画像データを例示する説明図である。
図6図5の画像データの分析範囲の彩度の分布状態を例示するグラフ図である。
図7図5の画像データの分析範囲の明度の分布状態を例示するグラフ図である。
図8図5の画像データの分析範囲を画像処理して抽出された試験サンプルの画像データを例示する説明図である。
図9図8の画像データを画像処理してオゾンクラック領域と他の領域とが分離された画像データを例示する説明図である。
図10】画像データのオゾンクラック領域に外接長方形をフィッティングさせた状態を例示する説明図である。
図11】評価システムの別の実施形態の試験槽の内部および外部を平面視で例示する説明図である。
図12】評価システムのさらに別の実施形態を、試験槽の内部を縦断面視にして例示する説明図である。
図13図12の試験槽の内部および外部を平面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の加硫ゴムのオゾン劣化評価システムおよび方法を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0012】
図1図4に例示する加硫ゴムのオゾン劣化評価システム1(以下、評価システム1という)は、加硫ゴムの多数の試験サンプルSの正面視の画像データMを順次、連続的に取得することが可能になっている。そのために評価システム1は、多数のそれぞれの試験サンプルSを伸長状態で保持する保持機構2と、それぞれの試験サンプルSの表面Sfの画像データMを取得するカメラ装置3と、それぞれの画像データMの画像処理を行う演算装置6と、保持機構2およびカメラ装置3の少なくとも一方を相対移動させる移動機構4と、この移動機構4を制御する制御部5と、モニタ9とを備えている。
【0013】
この評価システム1の実施形態はさらに、照明手段7と、背面板8と、試験槽10およびオゾン注入器11とを備えている。照明手段7、背面板8、試験槽10、オゾン注入器11は任意で備えることができる。
【0014】
試験サンプルSとしては、例えばJISで規定されている各種ダンベル形状のサンプルを用いることができる。或いは、実際のゴム製品のカットサンプルや、ゴム製品を模した近似サンプル等、所望の試験サンプルSを用いることができる。それぞれの試験サンプルSは同じ仕様であっても異なる仕様であってもよい。また、伸長状態(引張歪みの大きさ)を異ならせた試験サンプルSを混在させることもできる。
【0015】
保持機構2は複数の保持部2Aを有している。それぞれの保持部2Aには1本または複数本の試験サンプルSが伸長状態で保持される。この実施形態では、12基の保持部2Aが備わり、それぞれの保持部2Aに5本の試験サンプルSが保持されていて、保持機構2によって合計60本の試験サンプルSが保持されている。保持機構2によって保持可能な試験サンプルSの数は例えば10本以上であり、20本以上であることがより好ましい。保持機構2によって保持可能な試験サンプルSの数の上限は、主に設置スペースによって制約されるが例えば200本、或いは300本程度である。
【0016】
それぞれの保持部2Aは、互いの離間距離が調整可能な一対のクランプ2bを有している。例えば、一対のクランプ2bどうしをボールねじ等で連結して互いの離間距離を調整可能にする。一方のクランプ2bにより試験サンプルSの一端部を把持し、他方のクランプ2bにより試験サンプルSの他端部を把持して、クランプ2bどうしの離間距離を大きくする程、試験サンプルSをより大きく伸長させることができる。図4ではそれぞれの試験サンプルSは上下方向に伸長されている。
【0017】
試験サンプルSの伸長状態(引張歪みの大きさ)は、10%、20%、30%など任意に所望の程度に設定することができる。例えば、JIS K 6259-1:2015の試験方法に準拠して、試験サンプルSに付与する引張歪みを設定するとよい。その試験サンプルSと同仕様の加硫ゴムがゴム製品として実際に使用される時に付与される引張歪みの大きさと同じになるように、試験サンプルSを伸長状態にすることもできる。
【0018】
カメラ装置3は、所定の撮影位置でそれぞれの試験サンプルSの表面Sfの正面視の画像データMを取得する。カメラ装置3は、デジタル静止画像データまたはデジタル動画画像データのいずれかを取得できればよい。カメラ装置3の撮影方向(撮影レンズ部3aの延在方向)と表面Sfの延在方向(伸長されている方向)とのなす角度α1は概ね90°(85°以上90°以下)である。即ち、カメラ装置3の撮影方向は、試験サンプルSの表面Sfに対して概ね直交している。カメラ装置3は、1台に限らず複数台を備えることもできる。
【0019】
移動機構4は、保持機構2およびカメラ装置3の少なくとも一方を相対移動させて、保持機構2に保持されているそれぞれの試験サンプルSまたはカメラ装置3を、予め設定された経過時間T毎に所定の撮影位置に順次位置決めする。この実施形態ではカメラ装置3が所定の撮影位置に固定されていて、移動機構4により保持機構2を移動させる。
【0020】
この実施形態では、移動機構4は、上下に延在する旋回軸4cを中心にして旋回する旋回台4bと、旋回軸4cを中心にして旋回台4bを旋回移動させるサーボモータ4aなどの駆動モータとを有している。旋回台4bにはそれぞれの保持部2Aが立設されている。したがって、移動機構4により旋回台4bを旋回移動させることで保持機構2が移動して、それぞれの試験サンプルSが所定の撮影位置に順次位置決めされる。保持機構2を固定した状態にして移動機構4によりカメラ装置3を移動させる仕様にすることも、保持機構2およびカメラ装置3の両方を移動させる仕様にすることもできる。
【0021】
上述した経過時間Tは例えば、JIS K 6259-1:2015の試験方法に準拠して、試験開始から2、4、8、24、48、72、96時間などに設定される。この経過時間Tは必要に応じて任意に設定することができ、例えば10分毎、1時間毎などに設定することもできる。
【0022】
制御部5は、移動機構4を制御する。この実施形態では、移動機構4を構成するサーボモータ4aの稼働および停止、回転角度などを制御して、それぞれの試験サンプルSを予め設定された経過時間T毎に所定の撮影位置に順次移動させる。制御部5としてはコンピュータが用いられる。
【0023】
演算装置6には、カメラ装置3により取得されたそれぞれの画像データMが入力される。演算装置6にはその他に公知の画像処理プログラムや種々のデータが入力、記憶される。そして、演算装置6は、入力されたそれぞれの画像データMを画像処理して、その画像処理の結果に基づいてそれぞれの試験サンプルSのオゾン劣化具合を評価する評価指標Dxを算出する。演算装置6としては公知の種々のコンピュータを用いることができる。制御部5と演算装置6とを別々に備えてもよいが、演算装置6と制御部5とを共用して演算装置6を制御部5として機能させる仕様にすることもできる。
【0024】
照明手段7は、所定の撮影位置でそれぞれの試験サンプルSの表面Sfに光を照射する。照明手段7としては、白熱灯(電球)、蛍光灯、LEDなど、公知の各種電灯を用いることができる。カメラ装置3の撮影レンズ部3aを取り囲む円環状の電灯を照明手段7として用いることもできる。照明手段7は1台に限らず、複数台を設けることもできる。
【0025】
照明手段7から照射される光の光軸方向と表面Sfの延在方向とのなす角度α2は10°以上80°以下であり、50°以上70°以下であることがより好ましい。即ち、照明手段7の光軸方向は試験サンプルSの表面Sfに対して直交する向きに近いとよいが直交する向きに近づき過ぎると画像データM上でオゾンクラックCrを識別し難くなる。照明手段7はこの実施形態のように、試験槽10の内壁面に対して首振り可能(チルト可能)に取り付けて、光軸方向を所望の向きに容易に変更可能な仕様にするとよい。尚、角度α1の上限は90°、角度α2の上限は80°である。
【0026】
背面板8は、所定の撮影位置でそれぞれの試験サンプルSの背面側に配置される。背面板8は、それぞれの試験サンプルSの撮影範囲よりも面積が大きくて、それぞれの試験サンプルS側からの視野では背面板8の領域内に試験サンプルSの撮影範囲のすべてが配置された状態になる。
【0027】
この実施形態では、それぞれの保持部2Aの背面側に円筒状の背面板8が配置されている。円筒状の外周面が背面板8の表面8aになる。この背面板8はそれぞれの保持部2Aに係止されていて旋回台4bが旋回することで、それぞれの保持部2Aとともに旋回移動する。
【0028】
背面板8は、所定の撮影位置のみでそれぞれ試験サンプルSの背面側に配置されていればよいので、この実施形態ではカメラ装置3と対向する位置だけに背面板8を配置して、背面板8とカメラ装置3との間に、所定の撮影位置に位置決めされた試験サンプルSが存在するようにしてもよい。1本の試験サンプルS毎に1つの背面板8を備えてもよく、複数の試験サンプルS毎に1つの背面板8を備えてもよい。
【0029】
背面板8の表面8aは、試験サンプルSの表面Sfの色とは異なる色(識別し易い色)にして単色であることが好ましい。それ故、画像データMにおけるそれぞれの試験サンプルSの表面Sfの色と背面板8の表面8aの色との彩度の差は20以上または明度の差が20以上であることが好ましく、彩度の差が20以上かつ明度の差が20以上であることがより好ましい。この彩度、明度のそれぞれの数値は、国際照明委員会(CIE)で規格化されているL*a*b*色空間(L*a*b*の色調図)での彩度(C*={(a*)2+(b*)21/2)、明度(L*)である。試験サンプルSの表面Sfが黒色の場合は、背面板8の表面8aは例えば緑、赤、青色などにする。試験サンプルSの表面Sfが非黒色の場合は、背面板8の表面8aを黒色などにする。
【0030】
背面板8の表面8aの反射率は50%以下が好ましい。この反射率は、JIS Z 8741における鏡面反射率の測定に準拠して測定される値である。即ち、背面板8の表面8aは、反射し難い色にすることが好ましい。背面板8は例えば、樹脂、紙、木材、表面8aに艶消し処理を施した金属などで形成される。
【0031】
モニタ9は演算装置6と通信可能に接続されている。モニタ9にはカメラ装置3により取得されたそれぞれの画像データMや演算装置6による演算結果などが表示される。
【0032】
試験槽10は内部を密閉できる容器であり、オゾン注入器11からオゾンZが供給されて試験槽10の中のオゾン濃度は所望濃度に設定可能になっている。例えば、オゾンZを供給する循環路にオゾン注入器11が設置されて、その循環路には排気浄化フィルタや開閉弁11aを介して排気管等が備わる。試験槽10の壁面のうち、カメラ装置3の撮影レンズ部3aと対向する範囲(カメラ装置3が試験サンプルSの表面Sfを撮影するために必要な範囲)には透明な樹脂やガラスが採用される。
【0033】
試験槽10の中は所定のオゾン濃度に維持される。維持されるオゾン濃度は例えば、JIS K 6259-1:2015の試験方法に準拠して、500±50ppb(50±5pphm)や250±50ppb(25±5pphm)、1000±100ppb(100±10pphm)、2000±200ppb(200±20pphm)に設定する。ゴム製品が実際に使用される条件に近似したオゾン濃度に設定することもできる。試験槽10を使用しない場合は、それぞれの試験サンプルSは大気下の条件に配置される。
【0034】
試験槽10の内部温度や内部湿度は、適宜の所望範囲に設定される。これらの条件は、JIS K 6259-1:2015の試験方法に準拠するとよい。したがって、試験槽10の内部は40±2℃、内部温度における相対湿度は65%以下にするとよいが、ゴム製品が実際に使用される条件に近似した内部温度、内部湿度に設定することもできる。
【0035】
次に、本発明のオゾン劣化評価方法の手順の一例を説明する。
【0036】
図1図3に例示するように、所定のオゾン濃度の試験槽10の中にそれぞれの試験サンプルSを予め設定された配置条件で配置する。試験槽10の中は所定のオゾン濃度に維持され、照明手段7により照射される光の明るさや角度α2が適切に設定される。内部温度や内部湿度は、適宜の所望範囲に設定される。それぞれの試験サンプルSは新品を用いることも、例えば所定の試験(動的な伸び歪を繰り返し付与する試験など)を行った後の試験サンプルSを用いることもできる。
【0037】
同じ仕様の複数の試験サンプルSを同じ伸長状態で設置することも、同じ仕様の複数の試験サンプルSを異なる伸長状態で設置することもできる。或いは、異なる仕様の複数の試験サンプルSを同じ伸長状態で設置することも、異なる仕様の複数の試験サンプルSを異なる伸長状態で設置することもできる。
【0038】
そして、移動機構4を稼働させて、図4に例示するように、それぞれの試験サンプルSを、予め設定された経過時間T毎に所定の撮影位置(カメラ装置3の撮影レンズ部3aと対向する位置)に位置決めする。次いで、所定位置の撮影位置でそれぞれの試験サンプルSの表面Sfを正面視で、カメラ装置3により定点撮影して画像データMを取得する。
【0039】
試験サンプルSのゴム分子の化学結合がオゾンZによって切断されることに起因して、試験サンプルSの表面Sfには経時的にオゾンクラックCr(以下、クラックCrという)が発生する。このクラックCrは経時的に成長するのでその長さや面積が徐々に増大する。クラックCrは、試験サンプルSが伸長される方向(図4では上下方向)とは直交する方向(図4では左右方向)に成長して延在する傾向がある。
【0040】
図4に例示するように、この実施形態では1基の保持部2Aに並列に保持されている5本の試験サンプルSの内の左右方向真中の1本の試験サンプルSが所定の撮影位置に位置決めされている。この1本の試験サンプルSの表面Sfの正面視の画像データMを取得した後に、旋回台4bを旋回させて左隣りの1本の試験サンプルSを所定の撮影位置に位置決めしてこの試験サンプルSの表面Sfの正面視の画像データMを取得する。以後同様に順次、それぞれの試験サンプルSを所定の撮影位置に位置決めして、表面Sfを正面視でカメラ装置3により定点撮影して画像データMを取得する。
【0041】
或いは、所定の撮影位置で、1基の保持部2Aに保持されている複数(例えば5本すべて)の試験サンプルSの表面Sfの正面視の画像データMを取得できるのであれば、そのように画像データを取得してもよい。一度に複数の試験サンプルSの画像データMを取得する方法にすると、すべての試験サンプルSの画像データMを取得するために、旋回台4bを小さな旋回角度で数多く旋回させる必要がなくなる。一方で、試験サンプルSを1本ずつ所定の撮影位置に位置決めして画像データMを取得する方法では、それぞれの画像データMに対する撮影環境に起因するバラつきを抑制するには有利になる。
【0042】
図5に例示するようにカメラ装置3により取得された画像データMは、演算装置6に逐次、入力されて記憶される。演算装置6に入力された画像データMはモニタ9に表示される。
【0043】
この実施形態では、取得したそれぞれの試験サンプルSの画像データMが演算装置6により画像処理される。その画像処理の結果に基づいて、それぞれの試験サンプルSのオゾン劣化具合を評価する評価指標Dxが演算装置6により算出される。
【0044】
以下、画像処理および評価指標Dxの算出の手順について詳述する。
【0045】
この実施形態では、所定の撮影位置でそれぞれの試験サンプルSの背面側に背面板8が配置された状態になる。そのため図5に例示するように、取得された画像データMには、試験サンプルSの表面Sfの正面視の画像データともに背面板8の表面8aの画像データが含まれている。
【0046】
そこで、図5に例示する画像データMの分析範囲R(四角枠内の範囲)に対して画像処理を行って、試験サンプルSの表面Sfと背面板8の表面8aとを識別分離する。この識別分離する際に画像データMにおける試験サンプルSの表面Sfの色と背面板8の表面8aの色との彩度の差が20以上、または、彩度の差が20以上かつ明度の差が20以上であると、精度よく識別分離がし易くなる。この精度を向上させるには背面板8の表面8aは単色であることがより好ましい。
【0047】
図6図7にそれぞれ、図5の画像データMにおける彩度のヒストグラム、明度のヒストグラムを例示する。図6図7は、表面Sfの色が通常の加硫ゴムのような黒色、表面8aの色が緑色、表面8aの反射率が30%の場合のデータである。
【0048】
図6では彩度が10~70程度の範囲が試験サンプルSの表面Sf、彩度が130~200程度の範囲が背面板8の表面8aに該当する。図7では明度が90~140程度の範囲が試験サンプルSの表面Sf、明度が120~230程度の範囲が背面板8の表面8aに該当する。
【0049】
そこで、表面Sfと表面8aとの彩度や明度の差異を利用した公知の画像処理プログラムを演算装置6にインストールしておき、このプログラムを実行して画像処理を行うことによって、画像データMで表面Sfと表面8aとを識別分離する。この画像処理によって、図8に例示する画像データMを得ることができる。図8の画像データMは、彩度および明度のそれぞれに閾値を設定して画像処理することで、表面Sfと表面8aとを識別分離している。表面Sfと表面8aとを識別分離するには、その他に公知の様々な画像処理を用いることができる。
【0050】
彩度の差のみ、または、明度の差のみを利用して図5に例示する画像データMを画像処理してもよいが、彩度および明度の差を利用した画像処理を採用すると、表面Sfと表面8aとを精度よく識別分離するには有利になる。また、表面8aの反射率が高過ぎると両者を精度よく識別分離し難くなるので反射率は50%以下、より好ましくは30%以下にする。
【0051】
次いで、図8の画像データMに対して画像処理を行って、試験サンプルSの表面SfにおけるクラックCrの領域とその他(表面Sfの素地)の領域とを識別分離して二値化する。この二値化画像処理の前に、必要に応じて、この画像データMに対して、ノイズの除去処理を行う。ノイズの除去処理には、ノイズ除去フィルタ(ガウシアンフィルタなど)などの公知の種々のノイズ処理手法を用いることができる。
【0052】
図8の画像データMに対して行う二値化画像処理は、公知の種々の手法を用いることができ、特に手法は限定されない。例えば、閾値を設定して二値化する手法、機械学習により生成した領域分離モデルを用いて二値化する手法などを例示できる。
する
【0053】
この二値化画像処理によって、図9に例示する画像データMを得ることができる。図9の画像データMではクラックCrの領域が白色で表示され、その他(表面Sfの素地)の領域が黒色で表示されている。
【0054】
クラックCrの縁は、試験サンプルSの表面Sfから若干盛り上がる傾向がある。そのため、試験サンプルSの表面Sfに対する照明手段7から照射される光の光軸方向とのなす角度α2が10°未満であると、クラックCrの縁が表面Sfに明確な影を形成し、この影をクラックCrと誤認するリスクが高くなる。そのため、クラックCrの領域とその他(表面Sfの素地)の領域とを精度良く識別分離するには、角度α2は10°以上に設定し、より好ましくは50°以上、さらに好ましくは60°以上に設定し、80°以下に設定する。
【0055】
次いで、図9の画像データMを用いて評価指標Dxが算出される。評価指標Dxとしては例えば、それぞれの試験サンプルSの表面Sfに発生したクラックCrの数、長さL、輪郭長さ、面積の少なくとも1種類が演算装置6により算出される。クラックCrの長さLは、図10に例示するように、クラックCrの領域に外接長方形Sq(図10では破線で表示)をフィッティングさせ、その外接長方形Sq長辺の長さをとして算出する。クラックCrの領域に対する外接長方形Sqのフィッティングには、公知のフィッティングプログラムを用いればよい。
【0056】
同じ仕様の多数の試験サンプルSについて、クラックCrの数、長さL、輪郭長さ、面積などの評価指標Dxが得られるので、同じ仕様の試験サンプルS毎に、これらの評価指標Dxの平均値、中央値、分散の値などを単位面積当たりで算出する。それぞれの仕様の試験サンプルSのオゾン劣化を評価する際には、単位面積当たりの少なくとも1種類の評価指標Dxの平均値、中央値、分散の値などの大きさを用いる。複数種類の評価指標Dxを用いることで、試験サンプルSのオゾン劣化具合を多面的に評価することができる。
【0057】
上述したように、評価指標Dxはそれぞれの試験サンプルSの表面Sfの画像データMを演算装置6により画像処理した結果に基づいて算出される。それ故、算出した評価指標Dxを使用することで、それぞれの試験サンプルSのオゾン劣化具合を客観的に評価することができ、人的な判断に起因する評価結果のばらつきが排除される。
【0058】
保持機構2には多数の試験サンプルSが保持されて、予め設定された経過時間毎に所定の撮影位置でそれぞれの試験サンプルSの正面視の画像データMが順次取得されるので、オゾン劣化の評価をより効率的に行うことが可能になる。また、単数または複数の仕様の試験サンプルSを多数用いて同時期に評価試験をすることができるので、試験条件のばらつきが小さくなり、試験サンプルSのオゾン劣化の評価を精度良く行うには益々有利になる。
【0059】
カメラ装置3と試験サンプルSの間に試験槽10の壁面が介在していると、この壁面で光が反射する等に起因して、画像データMにノイズが入る可能性がある。そこで、試験槽10に形成した貫通孔にカメラ装置3の少なくとも撮影レンズ部3aを試験槽10の外側から内側に挿入させることもできる。撮影レンズ部3aの外周面と貫通孔とのすき間はシール材によりシールする。
【0060】
それぞれの画像データMや評価指標Dxは、試験槽10やカメラ装置3から離れた管理事務所などに設置された演算装置6に、インターネット回線等を通じて、逐次、入力、記憶することができる。そのため、管理事務所等において、試験サンプルSの表面のオゾン劣化の経時変化を把握できる。
【0061】
多数の試験サンプルSは、旋回台4bによる旋回によって所定の撮影位置に順次位置決めされる構成に限らず、その他の種々の構成を採用することができる。例えば、評価システム1に、1基または複数基の保持部2Aが取り付けられたパネル体を複数枚装備する。そして、流体シリンダなどの移動機構4を用いて、順次、パネル体を移動させてそれぞれの試験サンプルSを所定の撮影場所に順次位置決めして、画像データMを取得する構成にすることもできる。
【0062】
上述の実施形態では、平面視で円形の旋回台4bが使用されているが、それぞれの試験サンプルSを順次移動させるには、その他に様々な形態を採用することができる。図11に例示するように、それぞれの試験サンプルSの移動経路を平面視でオーバル形状にした移動機構4を採用することもできる。この実施形態では例えば、チェーン体4dなどをオーバル形状のガイドレールによってガイドし、サーボモータ4aによってチェーン体4dを回転駆動する。これにより、チェーン体4dに接続されているそれぞれの保持部2Aを移動させて、それぞれの試験サンプルSをオーバル形状の移動経路に沿って移動させる。この実施形態では、それぞれの保持部2Aに備わる背面板8が、それぞれの保持部2Aとともに移動する。
【0063】
そして、それぞれの試験サンプルS(保持部2A)が、予め設定された経過時間毎に所定の撮影位置(カメラ装置3が配置されている位置)に順次位置決めされる。所定の撮影位置では、それぞれの試験サンプルSの表面Sfの正面視の画像データMがカメラ装置3により取得される。この実施形態では、平面視で直線の移動経路の部分に所定の撮影位置を設定するとよい。これにより、カメラ装置3により取得される試験サンプルSの表面Sfの画像データにノイズ等が入ることを抑制し易くなる。
【0064】
図12図13に例示する評価システム1の実施形態は、保持機構2を固定した状態にして移動機構4によりカメラ装置3を移動させる仕様になっている。その他の仕様は先の実施形態と実質的に同じである。
【0065】
この評価システム1は、カメラ装置3が旋回台4bの上に載置されている。試験槽10は筒状(円筒状)であり、カメラ装置3は試験槽10の平面視の中央部(試験槽10の外部空間)に配置されている。旋回台4bが旋回軸4cを中心にして旋回するとともにカメラ装置3も旋回移動する。照明手段7は、試験槽10の内側筒状面の外周面に設置されている(即ち、試験槽10の内部空間に配置されている)。例えば、試験槽10の内側筒状面の外周面を周方向に延在するレールを取付けて、このレールに沿って照明手段7をカメラ装置3の旋回移動に同期させて移動させるとよい。
【0066】
保持機構2および背面板8は試験槽10の円環状に形成された内部空間に配置されている。詳述すると、この実施形態では、24基の保持部2Aが平面視で旋回軸4cを中心にして環状に配列されている。それぞれの保持部2Aに1本の試験サンプルSが保持されていて、保持機構2によって合計20本の試験サンプルSが保持されている。円筒状の背面板8は、それぞれの保持部2Aの外周側に配置されている。
【0067】
移動機構4によりカメラ装置3を移動させることによりカメラ装置3が、予め設定された経過時間毎に所定の撮影位置(それぞれの試験サンプルSが配置されている位置)に順次位置決めされる。所定の撮影位置では、それぞれの試験サンプルSの表面Sfの正面視の画像データMがカメラ装置3により取得される。
【0068】
それぞれの試験サンプルSのオゾン劣化を評価する手順は、先の実施形態と同様である。この実施形態では、それぞれの試験サンプルSが移動しないので、試験サンプルSに不要な振動(刺激)を与えることがないというメリットがある。
【符号の説明】
【0069】
1 評価システム
2 保持機構
2A 保持部
2b クランプ
3 カメラ装置
3a 撮影レンズ部
4 移動機構
4a サーボモータ
4b 旋回台
4c 旋回軸
4d チェーン体
5 制御部
6 演算装置
7 照明手段
8 背面板
8a 表面
9 モニタ
10 試験槽
11 オゾン注入器
11a 開閉弁
M 画像データ
S 試験サンプル
Sf 表面
Cr クラック
Dx 評価指標
Z オゾン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13