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2023-8123情報処理システム、運動支援システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008123
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】情報処理システム、運動支援システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 22/06 20060101AFI20230112BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20230112BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20230112BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230112BHJP
   A61H 1/02 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
A63B22/06 M
A63B71/06 J
A63B69/00 C
G06F3/01 510
A61H1/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111424
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 勉
(72)【発明者】
【氏名】三谷 悠貴
【テーマコード(参考)】
4C046
5E555
【Fターム(参考)】
4C046AA22
4C046AA33
4C046AA49
4C046BB07
4C046CC01
4C046DD08
4C046DD33
4C046DD42
4C046EE05
4C046EE24
4C046EE32
4C046EE33
4C046EE37
4C046FF02
4C046FF12
5E555AA76
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC01
5E555BE17
5E555CB68
5E555DA01
5E555DB53
5E555DC84
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザの運動を支援する情報処理システムを手軽に利用可能にすること。
【解決手段】本発明の一態様に係る情報処理システムは、ユーザの運動を支援する情報処理システムであって、所定の被加圧領域を含むシート状部材と、前記シート状部材に身体を乗せた前記ユーザが踏むことによって前記被加圧領域に加えられる圧力を検出する圧力検出部と、前記圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザの歩行状態情報に応じて変更される画像を出力する出力部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの運動を支援する情報処理システムであって、
所定の被加圧領域を含むシート状部材と、
前記シート状部材に身体を乗せた前記ユーザが踏むことによって前記被加圧領域に加えられる圧力を検出する圧力検出部と、
前記圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザの歩行状態情報に応じて変更される画像を出力する出力部と、を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記圧力検出部は、前記ユーザが繰り返し踏むことによって前記被加圧領域に繰り返して加えられる圧力を検出する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記被加圧領域は、第1の被加圧領域と、第2の被加圧領域と、を含み、
前記圧力検出部は、
前記第1の被加圧領域に加えられる圧力を検出する第1の圧力検出部と、
前記第2の被加圧領域に加えられる圧力を検出する第2の圧力検出部と、を含み、
前記出力部は、前記第1の圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザが前進することに対応する前記歩行状態情報、又は前記第2の圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザが後退することに対応する前記歩行状態情報の少なくとも1つに応じて変更される前記画像を出力する請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記シート状部材は、所定の方向被加圧領域をさらに含み、
前記ユーザが踏むことによって前記方向被加圧領域に加えられる圧力を検出する方向圧力検出部をさらに有し、
前記出力部は、前記歩行状態情報と、前記方向圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザの視線方向に対応する視線方向情報と、に応じて変更される前記画像を出力する請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記画像は、全天球画像の一部である部分画像を含み、
前記出力部は、前記歩行状態情報と、前記視線方向情報と、に応じて変更される前記部分画像を出力する請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記出力部は、前記歩行状態情報に応じて変更される音をさらに出力する請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記出力部は、前記ユーザが歩行を停止した停止状態を前記歩行状態情報が示す場合には、前記停止状態になる直前に出力した前記音を継続して出力する請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記出力部は、前記歩行状態情報に基づいて取得される前記ユーザの運動量情報をさらに出力する請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記出力部は、前記ユーザの前記運動量情報と、他の前記情報処理システムを利用する他のユーザの前記運動量情報と、を併せた併合情報をさらに出力する請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記出力部は、予め定められた前記ユーザの運動量に関連する情報、又は前記ユーザの生体情報の少なくとも一方に基づいて取得される警告情報をさらに出力する請求項1乃至9の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
ユーザの運動を支援する運動支援システムであって、
所定の被加圧領域を含むシート状部材と、
前記シート状部材に身体を乗せた前記ユーザが踏むことによって前記被加圧領域に加えられる圧力を検出する圧力検出部と、
前記圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザの歩行状態情報に応じて変更される画像を出力する出力部と、を有する運動支援システム。
【請求項12】
ユーザの運動を支援する情報処理システムによる情報処理方法であって、前記情報処理システムが、
圧力検出部により、所定の被加圧領域を含むシート状部材に身体を乗せた前記ユーザが踏むことによって前記被加圧領域に加えられる圧力を検出し、
出力部により、前記圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザの歩行状態情報に応じて変更される画像を出力する情報処理方法。
【請求項13】
ユーザの運動を支援する情報処理システムに実行させるプログラムであって、
圧力検出部により、所定の被加圧領域を含むシート状部材に身体を乗せた前記ユーザが踏むことによって前記被加圧領域に加えられる圧力を検出し、
出力部により、前記圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザの歩行状態情報に応じて変更される画像を出力する
処理を、前記情報処理システムに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、運動支援システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オンラインで取得される画像を用いて、オンライン上で旅を楽しんだり、ゲームを行ったりすることができる体感型の情報処理システムが知られている。
【0003】
また、ユーザの身体を乗せることが可能な入力装置から出力されたデータに基づいて該入力装置に加わる荷重の重心位置を繰り返し取得し、該重心位置から算出されるユーザ方向に応じて、所定の処理を行う情報処理システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歩行等の軽い運動が健康増進にとって効果的であることが証明されており、ユーザの運動意欲を向上させてユーザの運動を支援可能な情報処理システムが求められている。しかしながら、特許文献1等に開示された情報処理システムでは、機器の接続や設定が複雑であるため、導入のために時間や手間がかかる。特に高齢者等のユーザにとっては導入に対する障壁が高くなりやすい。そのため、より簡単に導入でき、手軽に利用可能な情報処理システムが求められている。
【0005】
本発明は、ユーザの運動を支援する情報処理システムを手軽に利用可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、ユーザの運動を支援する情報処理システムであって、所定の被加圧領域を含むシート状部材と、前記シート状部材に身体を乗せた前記ユーザが踏むことによって前記被加圧領域に加えられる圧力を検出する圧力検出部と、前記圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザの歩行状態情報に応じて変更される画像を出力する出力部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの運動を支援する情報処理システムを手軽に利用可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る運動支援システムの全体構成を例示する図である。
図2】実施形態に係る歩行マットの構成を例示する図である。
図3図2のA-A切断線に沿った断面図である。
図4】実施形態に係る圧力センサの第1例を示す図である。
図5】実施形態に係る圧力センサの第2例を示す図である。
図6】実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
図7】第1実施形態に係るコントローラ等の機能構成を例示する図である。
図8】実施形態に係るコントローラによる処理を例示するフロー図である。
図9】全天球画像に基づく再生画像を例示する図である。
図10】実施形態に係る運動支援システムによる表示画像例の図である。
図11】実施形態に係る運動支援システムによる音出力の一例の図である。
図12】実施形態に係る運動支援システムによる音出力の他の例の図である。
図13】第2実施形態に係る運動支援システムにおける周辺機器との接続例を示すブロック図である。
図14】第2実施形態に係るコントローラ等の機能構成を例示する図である。
図15】第3実施形態に係る運動支援システムにおける周辺機器との接続例を示すブロック図である。
図16】第3実施形態に係る再生ユニットの機能構成を例示する図である。
図17】併合情報を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について詳細に説明する。各図面において、同一構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0010】
以下、ユーザの運動を支援する運動支援システムを情報処理システムの一例として実施形態を説明する。なお、実施形態の用語における画像は、静止画及び動画を含む。動画は映像と同義であるとする。
【0011】
<運動支援システム1の構成例>
図1及び図2を参照して、実施形態に係る運動支援システム1の構成について説明する。図1は、運動支援システム1の全体構成を例示する図である。図2は、運動支援システム1が備える歩行マット10の構成を例示する図である。
【0012】
図1に示すように、運動支援システム1は、歩行マット10と、コントローラ20と、再生ユニット30と、を備えている。歩行マット10は、所定の被加圧領域に対応する歩行検出パッド11と、所定の方向被加圧領域に対応する方向検出パッド12と、を含むシート状部材の一例である。
【0013】
運動支援システム1を利用するユーザ100は、部屋の床等に敷いた歩行マット10の上に自身の身体を乗せ、歩行検出パッド11上で足踏みをすることにより、運動支援システム1を利用して歩行運動を行うことができる。
【0014】
歩行マット10は、コントローラ20及び再生ユニット30を介してテレビ受像機40に接続している。運動支援システム1は、歩行マット10を介して取得されるユーザ100の歩行状態情報に応じて、予め録画された画像を再生した再生画像Imをテレビ受像機40に表示させる。この再生画像Imは、ユーザの歩行状態情報に応じて変更される画像に対応する。
【0015】
ユーザ100の歩行状態情報は、ユーザ100の歩行状態に対応する情報を意味する。例えば、ユーザ100の歩行状態情報は、ユーザ100が歩いていること、歩くことを止めて停止していること、ユーザ100が前進すること、ユーザ100が後進すること、足踏みのリズムを示す情報、或いはこれらに関連する情報等を含む。
【0016】
運動支援システム1は、例えば、観光地における景色を表示する再生画像Imをユーザ100の歩行状態情報に応じてテレビ受像機40に表示させる。これにより、ユーザ100は、あたかも観光地を散歩しているかのような感覚で歩行運動を行うことができる。
【0017】
また運動支援システム1は、方向検出パッド12をユーザ100が足で踏むことにより、歩行マット10を介して取得されるユーザ100の視線方向情報に応じて変更される再生画像Imをテレビ受像機40に表示させる。このことから再生画像Imは、ユーザの視線方向情報に応じて変更される画像にも対応する。
【0018】
ユーザ100の視線方向情報は、ユーザ100の視線方向に対応する情報を意味する。例えば、ユーザ100の視線方向情報は、ユーザ100が上方、下方、左方又は右方の何れかに視線を向けていること等を示す情報、或いはこれらに関連する情報等を含む。
【0019】
ユーザ100は、景色を視る方向を変更するために方向検出パッド12を足で踏むことによって、足や身体を動かす運動を行うことができる。
【0020】
歩行検出パッド11は、左前パッド11aと、右前パッド11bと、左後パッド11cと、右後パッド11dと、を含んでいる。方向検出パッド12は、上方パッド12aと、左方パッド12bと、下方パッド12cと、右方パッド12dと、を含んでいる。
【0021】
左前パッド11a及び右前パッド11bの各々は、第1の被加圧領域の一例である。左後パッド11c及び右後パッド11dの各々は、第2の被加圧領域の一例である。
【0022】
左前パッド11aは、ユーザ100が前進方向13に沿って前進する際に左足で踏むパッドであり、右前パッド11bは、この際に右足で踏むパッドである。左後パッド11cは、ユーザ100が後進方向14に沿って後進する際に左足で踏むパッドであり、右後パッド11dは、この際に右足で踏むパッドである。
【0023】
上方パッド12aは、上方に視線を変更する際にユーザ100が踏むパッドである。左方パッド12bは、左方に視線を変更する際にユーザ100が踏むパッドである。下方パッド12cは、下方に視線を変更する際にユーザ100が踏むパッドである。右方パッド12dは、右方に視線を変更する際にユーザ100が踏むパッドである。
【0024】
図2に示すように、歩行マット10は、歩行検出パッド11に含まれている4つのパッドの各々に対応する領域に歩行圧力センサ61を備えている。また歩行マット10は、方向検出パッド12に含まれている4つのパッドの各々に対応する領域に方向圧力センサ62を備えている。パッドに対応する領域とは、ユーザ100がパッドを踏んだ際に、該パッドに加えられる圧力を検出可能な領域を意味する。
【0025】
歩行マット10は、左前パッド11aに対応する領域に左前センサ61aを、右前パッド11bに対応する領域に右前センサ61bを、左後パッド11cに対応する領域に左後センサ61cを、右後パッド11dに対応する領域に右後センサ61dを、各々備えている。
【0026】
歩行圧力センサ61及び方向圧力センサ62の各々は、歩行マット10に身体を乗せたユーザ100が踏むことによって歩行検出パッド11及び方向検出パッド12に加えられる圧力を検出する圧力検出部の一例である。特に、歩行圧力センサ61は、ユーザ100が足踏みを行う際に繰り返し踏むことによって歩行検出パッド11に繰り返して加えられる圧力を検出することができる。なお、以降の説明においては、歩行圧力センサ61及び方向圧力センサ62を圧力センサ60と総称する場合がある。
【0027】
左前センサ61aは、左前パッド11aに加えられる圧力を検出する第1の圧力検出部の一例である。右前センサ61bは、右前パッド11bに加えられる圧力を検出する第1の圧力検出部の一例である。左後センサ61cは、左後パッド11cに加えられる圧力を検出する第2の圧力検出部の一例である。右後センサ61dは、右後パッド11dに加えられる圧力を検出する第2の圧力検出部の一例である。
【0028】
また歩行マット10は、上方パッド12aに対応する領域に上方センサ62aを、左方パッド12bに対応する領域に左方センサ62bを、下方パッド12cに対応する領域に下方センサ62cを、右方パッド12dに対応する領域に右方センサ62dを、各々備えている。
【0029】
上方センサ62a、左方センサ62b、下方センサ62c及び右方センサ62dの各々は、ユーザ100が踏むことによって方向検出パッド12に加えられる圧力を検出する方向圧力検出部の一例である。
【0030】
圧力センサ60は、接続回路16及びケーブル10aを介し、信号又はデータをコントローラ20へ通信可能に接続している。圧力センサ60は、歩行マット10に身体を乗せたユーザ100が踏むことによって歩行検出パッド11及び方向検出パッドに加えられる圧力を検出し、検出結果をコントローラ20に出力する。本実施形態では、ケーブル10aを用いて有線接続しているが、近距離無線通信等により無線接続する構成であってもよい。
【0031】
コントローラ20は、歩行圧力センサ61による検出結果を入力し、該検出結果に基づいてユーザ100の歩行状態情報を取得する。またコントローラ20は、方向圧力センサ62による検出結果を入力し、該検出結果に基づいてユーザ100の視線方向情報を取得する。コントローラ20は、取得した歩行状態情報及び視線方向情報を再生ユニット30に出力する。本実施形態では、コントローラ20と再生ユニット30とはUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介して有線接続しているが、近距離無線通信等により無線接続する構成であってもよい。
【0032】
再生ユニット30は、コントローラ20から入力した歩行状態情報及び視線方向情報に応じて再生画像Imをテレビ受像機40に出力することにより、テレビ受像機40に表示させる。
【0033】
再生ユニット30は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルを介してテレビ受像機40に接続している。なお、HDMIは登録商標である。また再生ユニット30は、予め録画された画像である複数の画像コンテンツを格納部に予め格納している。
【0034】
再生ユニット30は、コントローラ20から入力した歩行状態情報及び視線方向情報に応じて再生画像Imを格納部から読み出してテレビ受像機40に出力することにより、テレビ受像機40に表示させることができる。
【0035】
歩行状態情報に応じた再生画像Imは、例えばユーザ100による足踏みのリズムに応じて再生速度が異なる動画や、ユーザ100による前進に応じて順再生される動画、ユーザ100による後進に応じて逆再生される動画等を含む。また視線方向情報に応じた再生画像Imは、例えばユーザ100の視線方向の変化に応じ、景色内において異なる領域の画像等を含む。
【0036】
再生ユニット30が再生画像Imを表示させる対象機器は、テレビ受像機40に限定されるものではなく、任意の表示装置であってもよいし、HDMIケーブル以外のケーブルを介して接続する構成であってもよい。但し、テレビ受像機40は多くの家庭で広く使用されているため、HDMIケーブル等を介して接続したテレビ受像機40に再生画像Imを表示可能にすると、ユーザ100は運動支援システム1を利用するために新たに表示装置を用意する必要がない。そのため、運動支援システム1を手軽に利用可能にする観点では、再生画像Imをテレビ受像機40に表示させることがより好ましい。但し、表示装置はテレビ受像機に限定されるものではない。例えば、介護のデイサービス事業者等においては、壁に映し出すプロジェクター等の画像投射装置が表示装置として活用される場合もある。
【0037】
またコントローラ20は、スピーカー201を備えており、テレビ受像機40に表示させる再生画像Imに基づき、再生ユニット30から入力した再生画像Imに合わせた音をスピーカー201により出力することができる。
【0038】
再生ユニット30から入力した再生画像Imに合わせた音は、例えば足音や周囲状況に応じた効果音等である。具体的には、ユーザ100が砂利道を歩いているかのような再生画像Imをテレビ受像機40が表示する場合には、スピーカー201は、歩行によって砂利が踏まれる音を出力する。また落ち葉が積もった道をユーザ100が歩いているかのような再生画像Imをテレビ受像機40が表示する場合には、スピーカー201は、落ち葉を踏む音を出力する。或いは、ユーザ100が雑踏や市場の中を歩いているかのような再生画像Imをテレビ受像機40が表示する場合には、スピーカー201は、雑踏における騒音や市場の店先において響く店員の声等を出力する。
【0039】
運動支援システム1は、再生画像Imに応じた音を出力することによって、よりリアルな散歩感覚等をユーザ100に体感させながら、ユーザ100に歩行運動をさせることができる。
【0040】
図1における掴り平行棒50は、ユーザ100が歩行マット10上において足踏みする際に、倒れたり、バランスを崩したりしないようにユーザ100が自身の手により把持可能な部材である。掴り平行棒50は、ユーザ100が高齢者等である場合等には、ユーザ100の歩行を補助するために設置されることが好ましい。
【0041】
図3は、図2のA-A切断線に沿った断面図であり、歩行マット10の構成をより詳細に説明する図である。図3に示すように、歩行マット10は、ユーザ100の足が接触する側に配置される表層10bと、ユーザ100の足が接触する側とは反対側に配置される弾性層10cと、を含む2層構造からなる。また歩行マット10は、弾性層10cに内部に埋め込まれるように圧力センサ60を備えている。
【0042】
本実施形態では、歩行圧力センサ61及び方向圧力センサ62は、検出される圧力の用途のみが異なり、構成は同じである。但しこれに限定されるものではなく、歩行圧力センサ61と方向圧力センサ62とが異なる構成であってもよい。
【0043】
表層10bと弾性層10cの材質は特に制限はされないが、樹脂や布、繊維、紙、皮革等の柔らかく軽い材質であることが好ましい。特に弾性層10cは歩行時の衝撃を吸収できるように弾力性が高いものであることが好ましい。柔らかく軽い材質により表層10b及び弾性層10cを構成することによって、歩行マット10は折り畳まれたり、巻かれたりすることにより小型化できるため、持ち運びが容易になる。
【0044】
図4及び図5は、歩行マット10に含まれている圧力センサ60を示す図である。図4は第1例である圧力センサ60aを、図5は第2例である圧力センサ60bを各々示している。
【0045】
圧力センサ60a及び60bは、感圧面を有し、感圧面に対する接触の圧力によって変化する抵抗値に基づいて、圧力を検出する感圧式のセンサである。圧力センサ60aは感圧面の平面視形状が正方形状のものであり、圧力センサ60bは感圧面の平面視形状が長方形状のものである。本実施形態では、圧力センサ60a及び60bの何れを用いてもよいし、これ以外にも感圧面の平面視が円形状、楕円形状又は多角形状等のものを使用することもできる。また、圧力センサ60a及び60bは、該圧力センサを踏んだユーザが足裏に刺激を感じる突起等を少なくとも一部に備えてもよい。圧力センサ60a及び60bがこのような突起等を備えることにより、ユーザは、圧力センサの位置を足により認識しながら歩行を行うことができる。またユーザは、突起等により足裏のツボを刺激されることによって、マッサージ効果を得ることもできる。
【0046】
<コントローラ20及び再生ユニット30の構成例>
(ハードウェア構成)
図6は、コントローラ20及び再生ユニット30の各々を構築するコンピュータ5のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。本実施形態では、コントローラ20及び再生ユニット30を別構成とし、各々をコンピュータにより構築する構成を例示する。但し、これに限定はされず、コントローラ20及び再生ユニット30を一体として1つのコンピュータにより構築してもよい。
【0047】
図6に示すように、コンピュータ5は、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、HDD(Hard Disk Drive)55と、外部機器接続I/F(Interface)55と、通信I/F56と、を備えている。
【0048】
CPU51は、各種の演算処理を含む制御処理を実行する。ROM52は、CPU51を駆動するために用いられるIPL(Initial Program Loader)等のプログラムを記憶する。RAM53は、CPU51のワークエリアとして使用される。HDD54は、プログラム等の各種データを記憶する。HDD54は、SSD(Solid State Drive)であってもよい。
【0049】
外部機器接続I/F55は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。コントローラ20における外部機器は、圧力センサ60、再生ユニット30、及びコントローラ20が備えるスピーカー201等の機器である。再生ユニット30における外部機器は、コントローラ20、テレビ受像機40、USBメモリ又は操作入力器等の機器である。このUSBメモリは、例えばテレビ受像機40に表示させる画像コンテンツを格納するものである。
【0050】
通信I/F56は、インターネット等のネットワーク又は近距離無線通信機器等を介して、他の機器との間でデータ通信をするためのインターフェースである。例えば、コントローラ20は、圧力センサ60による検出結果や歩行状態情報等を通信I/F56を介して送信する。再生ユニット30は、通信I/F56を介して、テレビ受像機40に表示させる画像コンテンツを外部サーバ等から受信する。或いは、運動支援システム1がユーザ100の生体情報を検出するバイタルセンサ等を備える場合には、再生ユニット30は、バイタルセンサにより検出されたユーザ100の生体情報を、通信I/F56を介してスマートフォン等の外部端末に送信できる。
【0051】
[第1実施形態]
(機能構成)
第1実施形態に係るコントローラ20及び再生ユニット30の機能構成について説明する。図7は、コントローラ20及び再生ユニット30の機能構成の一例を示すブロック図である。コントローラ20は、圧力データ入力部21と、歩行状態情報取得部22と、視線方向情報取得部23と、情報出力部24と、音声制御部25と、を備える。再生ユニット30は、入力部31と、画像処理部32と、画像格納部33と、音処理部34と、音格納部35と、出力部36と、を備える。
【0052】
歩行状態情報取得部22、視線方向情報取得部23、画像処理部32及び音処理部34の各機能は、図6のCPU51がROM52又はHDD54に記憶された所定のプログラムを実行すること等により実現される。圧力データ入力部21、情報出力部24、入力部31及び出力部36の各機能は、図6の外部機器接続I/F55又は通信I/F56等により実現される。画像格納部33及び音格納部35の各機能は図6のHDD54等により実現される。
【0053】
コントローラ20は、圧力データ入力部21を介して入力された圧力センサ60による検出結果に基づいて、歩行状態情報取得部22により歩行状態情報Wsを取得し、視線方向情報取得部23により視線方向情報Edを取得する。コントローラ20は、取得した歩行状態情報Ws及び視線方向情報Edの各々を、情報出力部24を介して再生ユニット30に出力する。
【0054】
再生ユニット30は、画像格納部33により、様々な画像コンテンツを予め格納し、音格納部35により、様々な音コンテンツを予め格納している。画像格納部33は、例えば、画像格納部33は、国内又は外国の様々な観光地を歩行した際に歩行に応じて変化して視認される景色(風景)の再生画像Imを、観光地ごとで異なる画像パッケージとして格納している。音格納部35は、画像パッケージに対応付けられた音パッケージごとにおいて、再生画像Imに含まれる情報に応じた音を格納している。なお、画像格納部33と音格納部35が1つの格納部に一体に格納されていてもよい。
【0055】
運動支援システム1は、例えば市販されている観光地のビデオ映像を画像格納部33に再生画像Imとして格納し、該ビデオ映像の音声データ(可聴信号データ)を音格納部35に格納する。或いは、ツアーコンダクターが観光地を案内中にビデオカメラ等を用いて録画したビデオ映像を旅行業者から供給されることにより、運動支援システム1は、該ビデオ映像とその音声データを画像格納部33及び音格納部35に格納することもできる。
【0056】
画像処理部32は、入力部31を介して受け付けたユーザ100による操作入力等に応じて、画像格納部33に格納されている再生画像Imのパッケージを選択する。画像処理部32は、入力部31を介して入力された歩行状態情報Ws及び視線方向情報Edに応じて、画像格納部33から読み出した再生画像Imを、出力部36を介してテレビ受像機40に出力する。
【0057】
再生画像Imのパッケージは、再生画像Imにおける観光地の見どころや周辺店舗等の関連情報を含み、画像処理部32は、再生画像Imと共に関連情報をテレビ受像機40に出力してもよい。また画像処理部32は、画像格納部33から読み出した再生画像Imに対して拡大又は縮小等の画像処理を適宜行った後、テレビ受像機40に出力してもよい。
【0058】
音処理部34は、入力部31を介して受け付けたユーザ100による操作入力等に応じて、音格納部35に格納されている音パッケージを選択する。音処理部34は、入力部31を介して入力した歩行状態情報Ws及び視線方向情報Edに応じて、音格納部35から読み出した音Sdを、出力部36を介してコントローラ20に出力する。コントローラ20は、音声制御部25の制御下においてスピーカー201により音Sdを出力する。音処理部34は、音格納部35から読み出した音Sdに対して増幅又は減衰等の処理を適宜行った後、コントローラ20に出力してもよい。また音処理部34は、音Sdをテレビ受像機40に出力し、テレビ受像機40が備えるスピーカーにより音Sdを出力させてもよい。
【0059】
出力部36は、圧力センサ60による検出結果に基づいて取得されるユーザ100の歩行状態情報及び視線方向情報に応じて再生画像Imを出力することができる。
【0060】
<運動支援システム1による動作例>
(コントローラ20による処理例)
図8は、運動支援システム1におけるコントローラ20による処理を例示するフローチャートである。図8は、歩行マット10が床に敷かれた後、歩行マット10に設けられた圧力センサ60、コントローラ20及び再生ユニット30の各々の電源がオンされた状態をトリガにしたコントローラ20による処理を示している。なお、テレビ受像機40等の運動支援システム1の周辺の機器においても電源がオンされている。
【0061】
まず、ステップS81において、コントローラ20は、圧力データ入力部21を介して入力した圧力センサ60による検出結果に応じて、歩行状態情報取得部22により、ユーザ100が右前センサ61bを踏んでいるか否かを判定する。
【0062】
ステップS81において、踏んでいると判定された場合には(ステップS81、Yes)、ステップS82において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、右前センサ61bのカウンタをインクリメントする。一方、踏んでいないと判定された場合には(ステップS81、No)、ステップS83において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、右前センサ61bのカウンタは0より大きいか否かを判定する。
【0063】
ステップS83において、右前センサ61bのカウンタは0であると判定された場合には(ステップS83、No)、コントローラ20は、処理をステップS86に移行させる。一方、右前センサ61bのカウンタは0より大きいと判定された場合には(ステップS83、Yes)、ステップS84において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、右前センサ61bのカウンタをクリアする。
【0064】
続いて、ステップS85において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、再生ユニット30にユーザ100の前進に応じた再生画像Imを出力させるための前進フラグをオンにする。その後、コントローラ20は、処理をステップS86に移行させる。
【0065】
続いて、ステップS86において、コントローラ20は、圧力データ入力部21を介して入力した圧力センサ60による検出結果に応じて、歩行状態情報取得部22により、ユーザ100が左前センサ61aを踏んでいるか否かを判定する。
【0066】
ステップS86において、踏んでいると判定された場合には(ステップS86、Yes)、ステップS87において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、左前センサ61aのカウンタをインクリメントする。一方、踏んでいないと判定された場合には(ステップS86、No)、ステップS88において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、左前センサ61aのカウンタは0より大きいか否かを判定する。
【0067】
ステップS88において、左前センサ61aのカウンタは0であると判定された場合には(ステップS88、No)、コントローラ20は、処理をステップS91に移行させる。一方、左前センサ61aのカウンタは0より大きいと判定された場合には(ステップS88、Yes)、ステップS89において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、左前センサ61aのカウンタをクリアする。
【0068】
続いて、ステップS90において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、前進フラグをオンにする。その後、コントローラ20は、処理をステップS91に移行させる。
【0069】
続いて、ステップS91において、コントローラ20は、圧力データ入力部21を介して入力した圧力センサ60による検出結果に応じて、歩行状態情報取得部22により、ユーザ100が右後センサ61dを踏んでいるか否かを判定する。
【0070】
ステップS91において、踏んでいると判定された場合には(ステップS91、Yes)、ステップS92において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、右後センサ61dのカウンタをインクリメントする。一方、踏んでいないと判定された場合には(ステップS91、No)、ステップS93において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、右後センサ61dのカウンタは0より大きいか否かを判定する。
【0071】
ステップS93において、右後センサ61dのカウンタは0であると判定された場合には(ステップS93、No)、コントローラ20は、処理をステップS96に移行させる。一方、右後センサ61dのカウンタは0より大きいと判定された場合には(ステップS93、Yes)、ステップS94において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、右後センサ61dのカウンタをクリアする。
【0072】
続いて、ステップS95において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、再生ユニット30にユーザ100の後進に応じた再生画像Imを出力させるための後進フラグをオンにする。その後、コントローラ20は、処理をステップS96に移行させる。
【0073】
続いて、ステップS96において、コントローラ20は、圧力データ入力部21を介して入力した圧力センサ60による検出結果に応じて、歩行状態情報取得部22により、ユーザ100が左後センサ61cを踏んでいるか否かを判定する。
【0074】
ステップS96において、踏んでいると判定された場合には(ステップS96、Yes)、ステップS97において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、左後センサ61cのカウンタをインクリメントする。一方、踏んでいないと判定された場合には(ステップS96、No)、ステップS98において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、左後センサ61cのカウンタは0より大きいか否かを判定する。
【0075】
ステップS98において、左後センサ61cのカウンタは0であると判定された場合には(ステップS98、No)、コントローラ20は、処理をステップS101に移行させる。一方、左後センサ61cのカウンタは0より大きいと判定された場合には(ステップS98、Yes)、ステップS99において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、左後センサ61cのカウンタをクリアする。
【0076】
続いて、ステップS100において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、後進フラグをオンにする。その後、コントローラ20は、処理をステップS101に移行させる。
【0077】
本実施形態では、右前センサ61b、左前センサ61a、右後センサ61d及び左後センサ61cの順に、ユーザ100が踏んでいるか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行う例を示したが、これに限定されるものではない。ユーザ100が踏んでいるか否かを判定する圧力センサ60の順番は適宜変更可能であり、コントローラ20は各判定処理を並行して行ってもよい。ユーザにより圧力センサが踏まれているか否かは、圧力センサにおいて予め定められた閾値との比較により判定されるが、ユーザの体重に応じて閾値を可変にすると、より正確に判定を行うことができるため、より好適である。
【0078】
続いて、ステップS101において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、前進フラグがオンであるか否かを判定する。
【0079】
ステップS101において、前進フラグがオンであると判定された場合には(ステップS101、Yes)、ステップS102において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、情報出力部24を介して再生ユニット30に前進コマンドを出力する。前進コマンドは、再生ユニット30にユーザ100の前進に応じた再生画像Imを出力させる指令であり、歩行状態情報Wsの一例である。
【0080】
一方、ステップS101において、前進フラグがオンでないと判定された場合には(ステップS101、No)、ステップS103において、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、後進フラグがオンであるか否かを判定する。
【0081】
ステップS103において、後進フラグがオンであると判定された場合には(ステップS103、Yes)、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、情報出力部24を介して再生ユニット30に後進コマンドを出力する。後進コマンドは、再生ユニット30にユーザ100の後進に応じた再生画像Imを出力させる指令であり、歩行状態情報Wsの一例である。
【0082】
一方、後進フラグがオンでないと判定された場合には(ステップS103、No)、コントローラ20は、歩行状態情報取得部22により、情報出力部24を介して再生ユニット30に停止コマンドを出力する。停止コマンドは、再生ユニット30にユーザ100の停止に応じた再生画像Imを出力させる指令であり、歩行状態情報Wsの一例である。その後、コントローラ20は、処理をステップ106に移行させる。なお、前進フラグ又は後進フラグがオンであるか否かの判定処理は、どちらを先に行ってもよい。
【0083】
続いて、ステップS106において、コントローラ20は、視線方向情報取得部23により、ユーザ100が上方センサ62aを踏んでいるか否かを判定する。ステップS106において、踏んでいると判定された場合には(ステップS106、Yes)、ステップS107において、コントローラ20は、視線方向情報取得部23により、情報出力部24を介して再生ユニット30に上方コマンドを出力する。上方コマンドは、再生ユニット30にユーザ100の視線方向が上方であることに応じた再生画像Imを出力させる指令であり、視線方向情報Edの一例である。
【0084】
一方、ステップS106において、踏んでいないと判定された場合には(ステップS106、No)、ステップS108において、コントローラ20は、視線方向情報取得部23により、ユーザ100が下方センサ62cを踏んでいるか否かを判定する。
【0085】
ステップS108において、踏んでいると判定された場合には(ステップS108、Yes)、ステップS109において、コントローラ20は、視線方向情報取得部23により、情報出力部24を介して再生ユニット30に下方コマンドを出力する。下方コマンドは、再生ユニット30にユーザ100の視線方向が下方であることに応じた再生画像Imを出力させる指令であり、視線方向情報Edの一例である。
【0086】
一方、ステップS108において、踏んでいないと判定された場合には(ステップS108、No)、ステップS110において、コントローラ20は、視線方向情報取得部23により、ユーザ100が右方センサ62dを踏んでいるか否かを判定する。
【0087】
ステップS110において、踏んでいると判定された場合には(ステップS110、Yes)、ステップS111において、コントローラ20は、視線方向情報取得部23により、情報出力部24を介して再生ユニット30に右方コマンドを出力する。右方コマンドは、再生ユニット30にユーザ100の視線方向が右方であることに応じた再生画像Imを出力させる指令であり、視線方向情報Edの一例である。
【0088】
一方、ステップS110において、踏んでいないと判定された場合には(ステップS110、No)、ステップS112において、コントローラ20は、視線方向情報取得部23により、ユーザ100が左方センサ62bを踏んでいるか否かを判定する。
【0089】
ステップS112において、踏んでいると判定された場合には(ステップS112、Yes)、ステップS113において、コントローラ20は、視線方向情報取得部23により、情報出力部24を介して再生ユニット30に左方コマンドを出力する。左方コマンドは、再生ユニット30にユーザ100の視線方向が左方であることに応じた再生画像Imを出力させる指令であり、視線方向情報Edの一例である。
【0090】
本実施形態では、上方センサ62a、下方センサ62c、右方センサ62d及び左方センサ62bの順に、ユーザ100が踏んでいるか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行う例を示したが、これに限定されるものではない。ユーザ100が踏んでいるか否かを判定する圧力センサ60の順番は適宜変更可能であり、コントローラ20は各判定処理を並行して行ってもよい。
【0091】
続いて、ステップS114において、コントローラ20は、処理を終了するか否かを判定する。コントローラ20は、ユーザ100によるコントローラ20の処理終了を示す操作入力や、ユーザ100によるコントローラ20の電源をオフする操作入力に応じて、この判定を行うことができる。
【0092】
ステップS114において終了すると判定された場合には(ステップS114、Yes)、コントローラ20は処理を終了し、終了しないと判定された場合には(ステップS114、No)、コントローラ20は、ステップS81以降の処理を再度行う。
【0093】
このようにして、コントローラ20は、圧力センサ60による検出結果に基づいて取得した歩行状態情報及び視線方向情報を再生ユニット30に出力することができる。再生ユニット30は、コントローラ20から出力されたコマンドに応じて再生画像Imをテレビ受像機40に出力し、表示させることができる。
【0094】
(視線方向情報に応じた再生画像例)
本実施形態では、画像格納部33は、画像コンテンツとして全天球画像400を格納している。出力部36は、歩行状態情報Wsと、視線方向情報Edと、に応じた再生画像Imとして、全天球画像の一部である部分画像を出力する。全天球画像400は、360度全方位を撮影した画像である。部分画像は、全天球画像400に含まれる360度全方位のうちの一部の方位に対応する画像である。
【0095】
図9は、このような全天球画像400に基づく再生画像Imを例示する図である。全天球画像400は、前方部分画像401と、左方部分画像402と、上方部分画像403と、右方部分画像404と、下方部分画像405と、を含んでいる。
【0096】
前方部分画像401は、全天球画像400のうち、ユーザ100の前方に対応する一部の方位画像である。左方部分画像402は、全天球画像400のうち、ユーザ100の左方に対応する一部の方位画像である。上方部分画像403は、全天球画像400のうち、ユーザ100の上方に対応する一部の方位画像である。右方部分画像404は、全天球画像400のうち、ユーザ100の右方に対応する一部の方位画像である。下方部分画像405は、全天球画像400のうち、ユーザ100の下方に対応する一部の方位画像である。これらの一部の方位画像は、何れも部分画像の一例である。
【0097】
コントローラ20が視線方向情報Edとして左方コマンドを出力した場合は、再生ユニット30は左方部分画像402をテレビ受像機40に出力する。コントローラ20が視線方向情報Edとして上方コマンドを出力した場合は、再生ユニット30は上方部分画像403をテレビ受像機40に出力する。コントローラ20が視線方向情報Edとして右方コマンドを出力した場合は、再生ユニット30は右方部分画像404をテレビ受像機40に出力する。コントローラ20が視線方向情報Edとして下方コマンドを出力した場合は、再生ユニット30は下方部分画像405をテレビ受像機40に出力する。
【0098】
運動支援システム1が画像格納部33により画像コンテンツとして格納する画像は、全天球画像400に限定されるものではない。運動支援システム1は、画像格納部33により画像コンテンツとして各種の画像を格納し、利用することができる。
【0099】
(運動支援システム1による表示画像例)
運動支援システム1は、テレビ受像機40に表示させる表示画像として、景色等の再生画像Imの他、メッセージや任意の図形を含んで生成された画像、又は表示状態を示すマークを表示する画像等を併せて用いることができる。
【0100】
図10は、運動支援システム1によりテレビ受像機40に表示させる表示画像を例示する図である。図10に示す表において、1行目は歩行状態を、2行目は歩行状態を表すマークを、3行目は表示画像を各々示している。また図10の表における1列目は歩行を開始する状態を、2列目は歩行中である状態を、3列目は歩行を停止している状態を、4列目は休憩している状態を、5列目は歩行を再開した状態を各々示している。
【0101】
運動支援システム1は、歩行を開始する状態では、ユーザ100に歩行マット10に乗ることを促すメッセージ画像と、停止中を表すマークと、を表示させる。マークは、再生画像Im等に並べて表示されてもよいし、再生画像Im等に重ねて表示されてもよい。運動支援システム1は、歩行する観光地等を示す場所情報や歩行にかかる所要時間情報や消費カロリー情報等を表示させることもできる。
【0102】
運動支援システム1は、歩行中である状態では、再生画像Imと、歩行中を表すマークと、を表示させる。運動支援システム1は、再生画像Imの再生進行状況(例えば残り再生時間)や歩数、経過時間等を表示させることもできる。
【0103】
運動支援システム1は、歩行を停止している状態では、一時停止を表す図形画像と、一時停止を表すマークと、を表示させる。運動支援システム1は、所定の停止期間以上、ユーザ100が停止し続けた時には、予め定めた休憩中用の画像や、再生画像Imの残り再生時間、歩行を終了する場合の操作等を表示させたりすることもできる。
【0104】
運動支援システム1は、休憩している状態では、休憩中を表す図形画像と、一時停止を表すマークと、を表示させる。運動支援システム1は、ユーザ100による連続歩行時間が所定の歩行時間を超えた場合には、休憩中を表す図形を表示させることにより、歩行停止をユーザ100に促すこともできる。
【0105】
運動支援システム1は、歩行を再開した状態では、ユーザ100の歩行に応じた再生画像Imと、歩行再開を表すマークを表示させる。運動支援システム1は、所定の停止期間を過ぎると、再開するかどうかをユーザ100に判断させるための画像を表示させることもできる。
【0106】
(運動支援システム1による音出力例)
図11は、運動支援システム1による音出力を例示する図である。
【0107】
図11において、時刻t0は、ユーザ100が歩行を開始する時刻を示し、時刻t1は、ユーザ100が歩行を一時停止した後、再開する時刻を示している。
【0108】
期間T1は、落ち葉が積もっている歩道をユーザ100が歩行する期間を示し、期間T2は、石畳からなる歩道をユーザ100が歩行する期間を示している。期間T3は、雪道をユーザ100が歩行する期間を示し、期間T4は、歩行開始時にユーザ100がゆっくり歩く期間を示している。期間T5は、ユーザ100が予め設定されたリズムで歩く期間を示し、期間T6は、歩行再開時にユーザ100がゆっくり歩く期間を示し、期間T7は、ユーザ100が予め設定されたリズムで歩く期間を示している。
【0109】
ユーザ100は、時刻t0から歩行を開始し、期間T4ではゆっくりしたリズムで足踏みを行う。この期間には、テレビ受像機40は、歩行状態情報に対応する足踏みのリズムに応じてゆっくりした速度で再生される再生画像Imを表示する。その後、期間T5に入ると、ユーザ100は予め設定されたリズムに足踏みのリズムを上げ、この足踏みのリズムに応じて再生画像Imの再生速度が速くなる。
【0110】
ユーザ100は、時刻t1で一時停止した後、期間T4ではゆっくりしたリズムで足踏みを行う。同様に期間T4には、テレビ受像機40は、ゆっくりした速度で再生される再生画像Imを表示する。その後、期間T5に入ると、ユーザ100は足踏みのリズムを上げ、この足踏みのリズムに応じて再生画像Imの再生速度が速くなる。
【0111】
スピーカー201は、期間T1では、落ち葉が積もっている歩道の再生画像Im1に合わせて落ち葉を踏む音Sdを出力し、期間T2では、石畳からなる歩道の再生画像Im1に合わせて石畳を歩く音Sdを出力する。スピーカー201は、期間T3では、雪道の再生画像Im1に合わせて雪を踏んで歩く音Sdを出力する。
【0112】
ここで、再生画像Imに応じて自然の中での自然音や雑踏における騒音等の音Sdが効果音としてスピーカー201から出力されている際に、ユーザ100が足踏みを停止すると、音Sdが急に途絶え、臨場感が低下する場合がある。そのため、本実施形態では、ユーザ100が歩行を一時停止した場合には、出力部36は停止状態になる直前に出力した音Sdを継続して出力することにより、音Sdが急に途絶えることを防ぎ、臨場感の低下を回避する。
【0113】
図12は、このような運動支援システム1による音出力の他の例を示す図である。図12において、ユーザ100は、時刻t3から足踏みを開始し、期間T7ではゆっくりしたリズムで足踏みを行った後、期間T8からは予め設定されたリズムに足踏みのリズムを上げる。その間、テレビ受像機40は、足踏みのリズムに応じた再生速度により再生画像Imを表示し、スピーカー201は再生画像Imに応じた音Sdを出力する。
【0114】
その後、時刻t4においてユーザ100が足踏みを一時停止すると、再生画像Imは足踏みの停止に応じて表示されなくなるが、出力部36は、停止状態になる直前に出力した音Sdを、予め定められた期間、例えば10秒間継続して出力する。その後、ユーザ100が足踏みを再開すると、テレビ受像機40は再生画像Imの表示を再開し、スピーカー201は音Sdの出力を再開する。これにより、運動支援システム1は、ユーザ100が足踏みを一時停止してもスピーカー201から出力される音Sdが途絶えることを回避できる。
【0115】
<運動支援システム1の作用効果>
以上説明したように、運動支援システム1(情報処理システム)は、歩行検出パッド11(所定の被加圧領域)を含む歩行マット10(シート状部材)と、歩行マット10に身体を乗せたユーザ100が踏むことによって歩行検出パッド11に加えられる圧力を検出する歩行圧力センサ61(圧力検出部)と、を有する。また運動支援システム1は、歩行圧力センサ61による検出結果に基づいて取得されるユーザ100の歩行状態情報Wsに応じて変更される再生画像Im(画像)を出力する出力部36を有する。
【0116】
運動支援システム1は、ユーザ100の足踏み等の歩行状態情報Wsに応じて、テレビ受像機40に表示される景色等の再生画像Imの再生速度等を変更するため、ユーザ100はあたかも景色の中で歩いているかのような感覚で歩行運動を行うことができる。これにより、運動支援システム1は、ユーザ100の運動意欲を向上させつつ、ユーザ100の運動を支援することができる。
【0117】
歩行マット10は、折り畳んだり、巻いたりして持ち運びしやすく、床に敷くだけでよいため、簡単に設置可能である。ユーザ100の歩行状態情報Wsは、歩行圧力センサ61による検出結果をカウントする等の簡単で処理により取得できるため、処理を実行するコントローラ20は簡単且つ小型に構成可能である。再生画像Imは、予め録画された画像を再生するという簡単な処理により表示可能であるため、再生ユニット30も簡単且つ小型に構成可能である。そのため、機器の複雑な接続や設定が不要となり、運動支援システム1は容易に導入可能となる。以上より、本実施形態は、ユーザ100の運動を支援する運動支援システム1を手軽に利用可能にすることができる。
【0118】
再生ユニット30を家庭で一般に使用されているテレビ受像機40に接続し、テレビ受像機40に再生画像Imを表示させるようにすると、運動支援システム1は、家庭で一般に使用されている既存のテレビ受像機40を表示装置として利用できる。これにより、運動支援システム1の導入がより簡単になり、運動支援システム1をより手軽に利用することができる。
【0119】
また本実施形態では、歩行検出パッド11は、左前パッド11a及び右前パッド11b(第1の被加圧領域)と、左後パッド11c及び右後パッド11d(第2の被加圧領域)と、を含む。歩行圧力センサ61は、左前パッド11a及び右前パッド11bに加えられる圧力を検出する左前センサ61a及び右前センサ61b(第1の圧力検出部)と、左後パッド11c及び右後パッド11dに加えられる圧力を検出する左後センサ61c及び右後センサ61d(第2の圧力検出部)と、を含む。出力部36は、左前センサ61a及び右前センサ61bによる検出結果に基づいて取得されるユーザ100が前進することに対応する歩行状態情報Ws、又は左後センサ61c及び右後センサ61dによる検出結果に基づいて取得されるユーザ100が後退することに対応する歩行状態情報Wsの少なくとも1つに応じて変更される再生画像Imを出力する。これにより、ユーザ100の前進方向及び後進方向に応じた再生画像Imの表示が可能になる。運動支援システム1は、より多様な再生画像Imを表示させることにより、ユーザ100の運動意欲をより向上させつつ、ユーザ100の運動を支援することができる。
【0120】
また本実施形態では、歩行マット10は、方向検出パッド12(所定の方向被加圧領域)をさらに含み、ユーザ100が踏むことによって方向検出パッド12に加えられる圧力を検出する方向圧力センサ62(方向圧力検出部)をさらに有する。出力部36は、歩行状態情報Wsと、方向圧力センサ62による検出結果に基づいて取得されるユーザ100の視線方向に対応する視線方向情報Edと、に応じて変更される再生画像Imを出力する。この構成により、ユーザ100は、景色を視る方向を変更するために方向検出パッド12を足で踏むことにより、足や身体を動かす運動を行うことができる。運動支援システム1は、ユーザ100により多様な運動をさせることができる。
【0121】
また本実施形態では、再生画像Imは、全天球画像400の一部である前方部分画像401、左方部分画像402、上方部分画像403、右方部分画像404及び下方部分画像405(部分画像)を含む。出力部36は、歩行状態情報Wsと、視線方向情報Edと、に応じて変更される前方部分画像401、左方部分画像402、上方部分画像403、右方部分画像404及び下方部分画像405を出力する。この構成により、運動支援システム1は、ユーザ100の足踏みに応じて変更される360度全方位の画像を表示させることができ、ユーザ100を飽きさせることなくユーザ100の運動意欲をより向上させて、ユーザ100の運動を支援することができる。
【0122】
また本実施形態では、出力部36は、再生画像Imに基づいて変更される音Sdをさらに出力する。これにより、運動支援システム1は、より臨場感がある散歩感覚等をユーザ100に体感させることができるため、ユーザ100の運動意欲をより向上させて、ユーザ100の運動を支援することができる。
【0123】
また本実施形態では、出力部36は、ユーザ100が歩行を停止した停止状態を歩行状態情報Wsが示す場合には、停止状態になる直前に出力した音Sdを継続して出力する。これにより、運動支援システム1は、ユーザ100が歩行を停止した場合に音Sdが急に途切れることを防ぎ、臨場感の低下を回避することができる。
【0124】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る運動支援システム1aについて説明する。なお、第1実施形態と同じ構成部には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。この点は、以降に示す実施形態においても同様とする。
【0125】
図13は、運動支援システム1aにおける周辺機器との接続の一例を示すブロック図である。図13に示すように、運動支援システム1aは、バイタルセンサ2と通信可能に接続している。また運動支援システム1aは、インターネット等のネットワークNを介して、外部サーバ3と、外部端末4と、通信可能に接続している。
【0126】
外部サーバ3は、様々な再生画像Imを含む画像コンテンツを格納している。運動支援システム1aは、ネットワークNを介して外部サーバ3から再生画像Imを読み出したり、外部サーバ3からダウンロードした画像コンテンツを画像格納部33及び音格納部35に格納後、利用したりすることができる。画像コンテンツは、家族や、ケアマネ―ジャー、かかりつけの医師、デイサービス事業者等により撮影されたものであってもよい。
【0127】
外部端末4は、スマートフォン又はPC(Personal Computer)等である。運動支援システム1aは、ユーザ100の歩行状態情報Wsから取得されるユーザ100の運動量情報や、バイタルセンサ2により検出されるユーザ100の生体情報を、ネットワークNを介して外部端末4に送信することができる。
【0128】
例えばユーザ100が高齢者である場合には、ユーザ100の健康状態を遠隔地に存在する家族又はケアマネージャ等が認識可能になっていることが好ましい。運動支援システム1aは、ユーザ100の運動量情報や生体情報を家族又はケアマネージャ等が所持する外部端末4に送信することにより、これらの情報を提供することができる。また、運動支援システム1aにより提供される情報は、ケアマネージャや、家族、かかりつけの医師、デイサービス業者等によって指定可能であってもよい。
【0129】
図14は、運動支援システム1aが備えるコントローラ20a及び再生ユニット30aの機能構成を例示するブロック図である。図14に示すように、コントローラ20aは、運動量情報取得部26を備える。再生ユニット30aは、生体情報取得部37と、警告情報取得部38と、を備える。
【0130】
運動量情報取得部26は、歩行状態情報取得部22により取得された歩行状態情報Wsに基づいて運動量情報Mmを取得し、情報出力部24を介して運動量情報Mmを再生ユニット30aに出力する。
【0131】
運動量情報Mmは、ユーザ100の運動量を示す情報又は運動量に関連する情報を意味し、例えば足踏みの回数、足踏みのリズム又は足踏み継続時間等から換算された運動量や、カロリー情報等である。
【0132】
生体情報取得部37は、入力部31を介してバイタルセンサ2から入力した生体情報Bdを取得する。生体情報Bdは、例えば、ユーザ100の脈拍数や心拍数、酸素濃度、発汗量、体温等である。
【0133】
警告情報取得部38は、予め定められたユーザ100の運動量情報Mm、又はユーザ100の生体情報Bdの少なくとも一方に基づいて警告情報Arを取得する。警告情報取得部38は、例えば運動量情報Mm及び生体情報Bdの各々に対して予め定められており、HDD54等に記憶されている閾値を超えた場合に、閾値を超えたことや、注意を促すメッセージを警告情報として取得する。この閾値は、ユーザ100自身が決定してもよいし、家族やケアマネージャ等のユーザ100以外の者が決定してもよい。
【0134】
運動支援システム1aは、運動量情報Mm、生体情報Bd及び警告情報Arの各々を、出力部36を介して出力し、ネットワークNを介して遠隔地に存在する家族又はケアマネージャ等に情報提供する。運動支援システム1aによる情報提供のタイミングは、1日1回等の定期的なタイミングであってもよいし、閾値を超えた場合等の随時のタイミングであってもよい。
【0135】
このように、運動支援システム1aは、より多様な情報を活用すると共に外部に提供しながら、ユーザ100の運動意欲をより向上させて、ユーザ100の運動を支援することができる。またユーザ100の運動に関連するリスクを管理し、安全性を確保することができる。なお、これら以外の効果については、第1実施形態で示したものと同様である。
【0136】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る運動支援システム1bについて説明する。
【0137】
運動支援システム1bは、ユーザ100の運動量情報Mmと、他の運動支援システム1b'を利用する他のユーザ100'の運動量情報Mm'と、を併せた併合情報Puをテレビ受像機40やネットワークNに出力することにより、複数のユーザ間で併合情報Puを共有可能にする。
【0138】
図15は、運動支援システム1bにおける周辺機器との接続の一例を示すブロック図である。運動支援システム1bは、他のユーザ100'が利用する他の運動支援システム1b'に、ネットワークNを介して通信可能に接続している。他の運動支援システム1b'は1台であっても複数台であってもよい。運動支援システム1bと運動支援システム1b'は、離れた場所に遠隔設置されている。
【0139】
図16は、運動支援システム1bが備える再生ユニット30bの機能構成を例示するブロック図である。図15に示すように、再生ユニット30bは、併合情報取得部39を有する。
【0140】
併合情報取得部39は、ユーザ100の運動量情報Mmと、他の情報処理システム1bを利用する他のユーザ100'の運動量情報Mm'と、を併せることにより取得した併合情報Puを、出力部36を介してテレビ受像機40やネットワークNに出力することができる。
【0141】
図17は、運動支援システム1bにより取得される併合情報Puの一例を示す図である。図17に示すように併合情報Puは、ユーザ100に対応付けられた運動量情報Mmと、ユーザ100以外のユーザである複数のユーザ100'それぞれに対応付けられた運動量情報Mm'と、を含んでいる。
【0142】
ユーザ100と複数のユーザ100'は、例えば「歩こう会」等のコミュニティを構成するメンバーである。各メンバーは、テレビ受像機40等に表示された併合情報Puを各々視認することにより、メンバー各自の運動量情報を共有することができる。各メンバーは、併合情報Puを利用して意見交換等を活発化することができる。
【0143】
このように、運動支援システム1bは、併合情報Puを出力し、複数のユーザ間で併合情報Puを共有させることにより、各ユーザの運動意欲をより向上させて、各ユーザの運動を支援することができる。なお、これ以外の効果については、第2実施形態で示したものと同様である。
【0144】
以上、実施形態を説明したが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0145】
実施形態に係る情報処理システムは、コントローラ20及び再生ユニット30が備える機能の一部又は全部を、クラウドサーバ等の外部装置により実現する構成であってもよい。また実施形態に係る情報処理システムは、コントローラ20及び再生ユニット30が備える機能を、複数のコンピュータが分散処理することにより実現する構成であってもよい。
【0146】
また、実施形態は、情報処理方法も含む。例えば情報処理方法は、ユーザの運動を支援する情報処理システムによる情報処理方法であって、前記情報処理システムが、圧力検出部により、所定の被加圧領域を含むシート状部材に身体を乗せた前記ユーザが踏むことによって前記被加圧領域に加えられる圧力を検出し、出力部により、前記圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザの歩行状態情報に応じて変更される画像を出力する。このような情報処理方法により、上述した運動支援システムと同様の効果を得ることができる。
【0147】
また、実施形態は、プログラムも含む。例えばプログラムは、ユーザの運動を支援する情報処理システムに実行させるプログラムであって、圧力検出部により、所定の被加圧領域を含むシート状部材に身体を乗せた前記ユーザが踏むことによって前記被加圧領域に加えられる圧力を検出し、出力部により、前記圧力検出部による検出結果に基づいて取得される前記ユーザの歩行状態情報に応じて変更される画像を出力する処理を、前記情報処理システムに実行させる。このようなプログラムにより、上述した運動支援システムと同様の効果を得ることができる。
【0148】
実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係をこれに限定するものではない。
【0149】
実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0150】
1、1a、1b 運動支援システム(情報処理システムの一例)
2 バイタルセンサ
3 外部サーバ
4 外部端末
5 コンピュータ
10 歩行マット(シート状部材の一例)
10a ケーブル
11 歩行検出パッド
12 方向検出パッド
13 前進方向
14 後進方向
16 接続回路
20 コントローラ
21 圧力データ入力部
22 歩行状態情報取得部
23 視線方向情報取得部
24 情報出力部
25 音声制御部
26 運動量情報取得部
201 スピーカー
30 再生ユニット
31 入力部
32 画像処理部
33 画像格納部
34 音処理部
35 音格納部
36 出力部
37 生体情報取得部
38 警告情報取得部
39 併合情報取得部
40 テレビ受像機
50 掴り平行棒
60 圧力センサ
61 歩行圧力センサ
62 方向圧力センサ
400 全天球画像
401 前方部分画像(部分画像の一例)
402 左方部分画像(部分画像の一例)
403 上方部分画像(部分画像の一例)
404 右方部分画像(部分画像の一例)
405 下方部分画像(部分画像の一例)
Im 再生画像(画像の一例)
Ws 歩行状態情報
Ed 視線方向情報
Sd 音
Mm 運動量情報
Bd 生体情報
Ar 警告情報
Pu 併合情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0151】
【特許文献1】特開2013-88838号公報
図1
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