(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081232
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】電解ガス再結合装置
(51)【国際特許分類】
F23C 13/00 20060101AFI20230602BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20230602BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20230602BHJP
B01D 59/40 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
F23C13/00
C25B9/00 A
C25B1/04
B01D59/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195008
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】504131459
【氏名又は名称】エフシー開発株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591234307
【氏名又は名称】ジャパンウェイスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 泰行
【テーマコード(参考)】
3K065
4K021
【Fターム(参考)】
3K065TA18
3K065TD05
3K065TE06
3K065TK02
3K065TM02
3K065TM05
4K021AA01
4K021BA02
(57)【要約】
【課題】電解ガスの燃焼に伴う触媒の過熱を防止できる電解ガス再結合装置を提供すること。
【解決手段】電気分解によって発生した2種類の電解ガスを燃焼触媒と接触させて前記電解ガスを再結合する電解ガス再結合装置であって、
前記燃焼触媒で発生した燃焼熱を外部に排出する放熱手段と、該放熱手段に接して設けられた熱伝導性部材と、該熱伝導性部材に接して設けられた燃焼触媒層と、を有する電解ガス再結合装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気分解によって発生した2種類の電解ガスを燃焼触媒と接触させて前記電解ガスを再結合する電解ガス再結合装置であって、
前記燃焼触媒で発生した燃焼熱を外部に排出する放熱手段と、該放熱手段に接して設けられた熱伝導性部材と、該熱伝導性部材に接して設けられた燃焼触媒層と、を有する電解ガス再結合装置。
【請求項2】
請求項1に記載された前記電解ガス再結合装置、
前記電解ガス再結合装置に供給する電解ガスを電気分解によって生成する電解ユニット、および
前記電解ガス再結合装置で生成された再結合物を捕集する捕集ユニット、
を有する水素同位体分離装置。
【請求項3】
前記燃焼触媒の温度は110℃以上、200℃以下である請求項2に記載の水素同位体分離装置を用いた水電解型水素同位体の分離方法。
【請求項4】
前記捕集ユニットの出口側を開放状態にして前記水素同位体分離装置を運転するものである請求項3に記載の水電解型水素同位体の分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解ガス再結合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒燃焼器は一般に、燃えにくい燃料を触媒の力を借りて燃えやすくする装置である。触媒燃焼器は例えば電解ガス再結合器として重水の濃縮に利用されている。重水を含む水を電解すると軽水がより多く電解されてガスとなって排出され、残された水の重水濃度は電解が進むにつれて高くなる。一方、電気分解で生じた2種類の電解ガスを電解ガス再結合装置で再結合させると低濃度の重水が得られる。
【0003】
従来の触媒燃焼器は燃焼反応を活発化させるため、特許文献1に示すように予熱ガスを供給して触媒温度を高めることなどが行われていた。しかしながら電解ガスは極めて燃えやすいため、電解ガスの燃焼反応に伴う触媒の過熱を防止する必要がある。
【0004】
触媒の過熱防止手段として例えば特許文献2には、多量の空気と共に電解して得られた水素と酸素を電解ガス再結合装置に供給することで燃焼熱を空気で持ち去る技術が提案されている。しかしながら空気に含まれる水分が再結合水に混入し重水濃度を低下させるため、電解ガス再結合装置には適さない。またガスの流量が小さいと燃焼熱を排出することが十分にできず、触媒が過熱して操業停止原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61-141522号公報
【特許文献2】特開2007-59212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされた発明であって、その目的は電解ガスの燃焼に伴う触媒の過熱を防止できる電解ガス再結合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]電気分解によって発生した2種類の電解ガスを燃焼触媒と接触させて前記電解ガスを再結合する電解ガス再結合装置であって、
前記燃焼触媒で発生した燃焼熱を外部に排出する放熱手段と、該放熱手段に接して設けられた熱伝導性部材と、該熱伝導性部材に接して設けられた燃焼触媒層と、を有する電解ガス再結合装置。
【0008】
[2]上記[1]に記載された前記電解ガス再結合装置、
前記電解ガス再結合装置に供給する電解ガスを電気分解によって生成する電解ユニット、および
前記電解ガス再結合装置で生成された再結合物を捕集する捕集ユニット、
を有する水素同位体分離装置。
【0009】
[3]前記燃焼触媒の温度は110℃以上、200℃以下である上記[2]に記載の水素同位体分離装置を用いた水電解型水素同位体の分離方法。
【0010】
[4]前記捕集ユニットの出口側を開放状態にして前記水素同位体分離装置を運転するものである上記[3]に記載の水電解型水素同位体の分離方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電解ガス再結合装置によれば、熱伝導により触媒の温度上昇を抑制できるため電解ガスの燃焼熱による触媒の過熱を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施態様であり、(a)はヒートシンク型電解ガス再結合装置の側面図、(b)はフランジの斜面図、(c)は燃焼触媒層と伝熱板との積層体の斜視図、(d)はガスケットの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施態様であり、(a)はヒートシンク型電解ガス再結合装置の側面図、(b)はA-A線断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施態様であり、(a)はヒートシンク型電解ガス再結合装置の側面図、(b)は伝熱板の上面の平面図、(c)、(e)は燃焼触媒層の平面図、(d)はスペーサーの平面図、(f)は伝熱板の下面の平面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施態様であり、ヒートシンク型電解ガス再結合装置の側面図である。
【
図4B】
図4Bは、
図4Aの構成部品であり、(a)は伝熱板の上面の平面図、(b)、(d)、(f)、(h)は燃焼触媒層の平面図、(e)は他の伝熱板の上下面図、(i)は別の伝熱板の上面図、(c)、(g)はスペーサーの平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施態様であり、(a)はヒートシンク型電解ガス再結合装置の側面図、(b)、(d)は伝熱板(ハウジング内側)の平面図、(c)は燃焼触媒層の平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施態様であり、(a)はヒートシンク型電解ガス再結合装置の側面図、(b)はフランジ(燃焼触媒層側)の平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施態様であり、(a)、(b)はヒートシンク型電解ガス再結合装置を用いた水素同位体分離装置の系統図を示す。
【
図8】
図8は、本発明の実施例における電解ガスの燃焼率を表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、電気分解によって発生した2種類の電解ガスを燃焼触媒と接触させて該電解ガスを再結合する電解ガス再結合装置であって、該燃焼触媒で発生した燃焼熱を外部に排出する放熱手段と、該放熱手段に接して設けられた熱伝導性部材と、該熱伝導性部材に接して設けられた燃焼触媒層と、を有する。
本発明の上記構成によれば放熱手段と熱伝導性部材とによって熱を効率的に外部に放出できるため触媒の過熱を防止できる。
【0014】
以下、本発明の電解ガス再結合装置について、好適な実施態様を示す図面を参照しながら説明する。なお、本発明の電解ガス再結合装置は図示例の構成に限定されず、構成は適宜変更可能である。
【0015】
本発明の電解ガス再結合装置1は、ハウジング内部に燃焼触媒層3が保持されていると共に燃焼触媒層3に接するように電解ガスの流路が設けられている。電解ガス流路は電解ガスが燃焼触媒層3と接触する構成であれば特に限定されず、蛇行型単溝、並列平行溝、格子状溝など各種公知の構造を採用でき、また所定の燃焼率を達成できるように適宜流路長さを設定すればよい。
【0016】
実施態様の好ましい一例である
図1、2では電解ガス再結合装置1のハウジングは伝熱板9とフランジ2とで構成されており、燃焼触媒層3は伝熱板9とフランジ2とに挟持されている。また燃焼触媒層3の外周は額縁状のガスケット17などのシール部材に囲まれており、ガスケット17を伝熱板9とフランジ2との間に挟むことで伝熱板9とフランジ2の間に燃焼触媒層3の厚み分の隙間が生じないようにしている。燃焼触媒層3と相対するフランジ2の面にはリブ溝6によって電解ガスの折り返し流路(蛇行型単溝)が設けられており、該リブ溝6が電解ガスの流路として機能する。なお、フランジ2、ガスケット17、伝熱板9はボルト14等の接合手段によって接合されているが任意の手段で接合できる。
【0017】
他の実施態様の好ましい一例として
図3(a)、4Aでは電解ガス再結合装置1のハウジングは伝熱板(
図3(a)は9;
図4Aは9-1~9-4)とシール部材15とで構成されており、各燃焼触媒層の間には板状のスペーサー18が設けられている。板状のスペーサー18には複数の平行するスリット状の空隙が形成されており、該空隙がガス流路19cとして機能する。
図3(a)のガス流路19cのように並列流路にすると、電解ガス総流量が多くても各ガス流路当たりの電解ガス流量を抑制できる。
図4Aのガス流路19d、19eのように折り返し流路にすると、総流路長を長くできるため電解セルの積層厚みは若干増えるが装置面積を小さくでき、電解セルを小型化できる。また
図3(a)、
図4Aでは、積層段数は適宜設定でき、段数が多くなるほど、大きな電解ガス量でも燃焼率を向上できる。
【0018】
図3(a)に示す電解ガス再結合装置1では燃焼触媒層3bに接している伝熱板9の上面9aには電解ガス導入管4から供給された電解ガスが燃焼触媒層3a、3bの間のガス流路19cに供給されるように
図3(b)に示すような電解ガスを縦方向に供給する電解ガス導入管4と連通して面方向に電解ガスを供給するリブ溝6aが設けられている。
また燃焼触媒層3aに接している伝熱板9の下面9bには、水蒸気排出管8と連通して面方向に形成されたリブ溝6bが設けられている。なお、伝熱板9の内部には冷媒管13が設けられている。
【0019】
燃焼触媒層3bには燃焼触媒層3bと同じ厚みの額縁状のガスケット17が外周側に設けられている。また
図3(c)に示すように燃焼触媒層3bとガスケット17の間にはリブ溝6aと連通して電解ガスが流通するように設けられたスリット状の空隙が形成されており、該空隙がリブ溝6aと接続するガス流路19aとなる。
燃焼触媒層3aも同様に外周側にガスケット17が設けられている。また
図3(e)に示すように燃焼触媒層3aとガスケット17の間にはスリット状の空隙(水蒸気流路19b)が形成されており、該空隙がガス通路乃至水蒸気流路となり、リブ溝6bを経由して水蒸気排出管8へガスを排出する。
【0020】
燃焼触媒層3aと燃焼触媒層3bの間には、板状のスペーサー18が設けられている。スペーサー18にはスリット状の空隙が設けられており、該空隙が燃焼触媒層の両側に設けられたガス流路19aと水蒸気流路19bとを接続するガス流路9cとなる。
【0021】
図4Aに示す電解ガス再結合装置1では各燃焼触媒層は伝熱板に接して設けられており、各燃焼触媒層の間に設けられた板状のスペーサー18でガス流路19d(
図4B(c))、とガス流路19e(
図4B(g))が形成されている。
燃焼触媒層3c、3d、3e、3fは夫々
図4B(b)、(d)、(f)、(h)に示すように外周側に額縁状のガスケット17が設けられている。燃焼触媒層3c、3d、3e、3fとガスケット17の間にはリブ溝6a、またはガス流路19e、またはリブ溝6bと連通して電解ガスが流通するように設けられたスリット状の空隙が形成されており、該空隙がガス流路19c、19d、19f、19hとなる。
【0022】
図4B(a)の電解ガス導入管4から供給された電解ガスは、リブ溝6a、
図4B(b)のガス流路19c、
図4B(c)のガス流路19d、
図4B(d)ガス流路19d、
図4B(e)のスリット状のガス流路19e、
図4B(f)のガス流路19f、
図4B(g)のガス流路19e、
図4B(h)の水蒸気流路19h、
図4B(f)のリブ溝6bを経由して水蒸気排出管8から排出される。
図4Aのガス流路は4段であり、
図4Bは2段分の部品図である。この部品を重ねることで、任意の段数の装置にすることができる。
各伝熱板の内部には冷媒管13が設けられている。
【0023】
他の実施態様の好ましい一例である
図5では電解ガス再結合装置1のハウジングは伝熱板9e、9fとシール部材15とで構成されており、内部に燃焼触媒層3gと熱伝導部材である高熱伝導性多孔体16を有する。高熱伝導性多孔体16の両面に接して燃焼触媒層3gが設けられており、燃焼触媒層3gを構成する触媒間の空隙、及び高熱伝導性多孔体16間の空隙がガス流路として機能する。図中の白矢印は電解ガスの流れ方向である。
伝熱板9fの上面には
図5(b)に示すように供給された電解ガスを広範囲に供給するために電解ガス導入管4に連通して面方向には並列平行に形成されたリブ溝6cが設けられている。
また伝熱板9eの下面には
図5(d)に示すように水蒸気排出管8と該水蒸気排出管8に連通して面方向には並列平行に形成されたリブ溝6dが設けられている。
図5の構成では内部に燃焼触媒層3gと高熱伝導性多孔体16の層を複数段設けてもよい。
【0024】
他の実施態様の好ましい一例である
図6(a)は2つのガス導入管4a、4bが設けられている以外は
図1と同じ構成である。なお、
図6(b)中、ボルト穴14aは省略している。
フランジ2aには
図6(b)に示すように電解ガス導入管4a、4bから供給された2種類の電解ガスを混合するためガス混合室24となる窪みが形成されている。ガス流方向を整える整流板25となるようにガス混合室24と同様窪みと、非窪みによって凹凸が形成され、窪み部分にガスが流れる。
また前段燃焼室26となる窪み、ガス流路となるリブ溝6が形成されている。なお、前段燃焼室26には燃焼効率を高めるために窪み部分と非窪み部分を設けて突起状の凹凸によって任意の形状の突起状物26aを形成し、ガス流の障害物を設けてもよい。またリブ溝6の形状は他の実施態様と同様、限定されない。
【0025】
以下、
図1に示した各構成について説明する。なお、
図2~6は
図1と同様の部材を有するため各構成の説明は省略する。
【0026】
燃焼触媒層3は電解ガスの再結合に寄与する触媒であり、電気分解によって発生した2種類の電解ガスが触媒と接触すると燃焼反応によって再結合物を生成させる機能を有する。燃焼触媒層3を構成する燃焼触媒の材料は電解ガスの種類に応じて上記機能を有する公知の触媒から選択すればよく必要に応じて1種または2種以上の各種公知の合金元素が添加されていてもよい。例えば白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、イリジウムなどが高活性触媒であり、これらの元素を含む合金、例えば、白金-金、白金-パラジウム、白金-ロジウム、白金-イリジウム、白金-ニッケル、白金-タングステン、白金-コバルトなどの触媒も高活性であることが知られている。
【0027】
燃焼触媒層3は触媒金属のみで構成されていてもよいが、強度などの耐久性や交換容易性などを考慮すると、基材に触媒を担持させた構成が好ましい。触媒を担持する基材としては燃焼熱によって劣化しない耐熱性を有し、且つ熱伝導性に優れた特性を有する各種公知の基材を使用でき、例えばカーボンペーパーなどの各種公知の多孔質体;SUS箔、ニッケル箔、ステンレス箔などの各種公知の金属箔;各種公知の金属基材;などであるが、上記特性を有する基材であれば特に限定されない。基材に担持する触媒の担持量は所望の電解ガスの燃焼率が得られるように適宜調整すればよい。
【0028】
燃焼触媒層3のサイズは電解ガス再結合装置1内を流通する電解ガスとの接触面積が大きくなるように設けることが好ましい。触媒と電解ガスの接触面積が大きくなる程、及び接触時間が長くなる程、電解ガスの燃焼率を高めることができる。電解ガスの燃焼率は高いほど好ましく、例えば90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上、より更に好ましくは99%以上、最も好ましくは100%である。燃焼触媒層3の面積は供給する電解ガス量を考慮して上記燃焼率を達成できるように適宜調整することが望ましい。電解ガスの燃焼率は、電解電流値から計算した水素ガスと酸素ガスの発生流量の合計(Qin)と電解ガス再結合装置1からの排出ガス流量(Qout)から式[(Qin-Qout)/Qin]に基づいて算出される値である。
【0029】
シール部材15はハウジングの密閉性を確保できる材料であれば限定されず、例えばフッ素ゴムなどの合成ゴム、樹脂など各種公知の材料を使用できる。
【0030】
熱伝導性部材は燃焼触媒で発生した燃焼熱を放熱手段に熱移動させる機能を有する。熱伝導部材としては上記機能を有すればよく各種公知の熱伝導部材を使用でき、例えば銅、銀、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、あるいはこれらの合金などの金属、あるいはカーボン材料などである。合金元素は必要に応じて1種または2種以上の各種公知の合金元素から適宜選択できる。
【0031】
熱伝導性部材の形状は特に限定されず、
図1に示す伝熱板9などの板状、
図5に示す高熱伝導性多孔体16などの粒状などが例示される。また高熱伝導性多孔体16表面の孔の有無は問わない。
燃焼触媒層3と熱伝導部材は、燃焼触媒層3の燃焼熱を熱伝導部材に熱移動できればよく、燃焼触媒層3と伝熱部材との接触状態は限定されない。例えば熱伝導部材は燃焼触媒層3の一方の面に接して設けられていればよい。熱伝導部材と燃焼触媒層3との接触面積は特に限定されないが、燃焼触媒層3と接している熱伝導部材の面積が大きいほど熱伝導性が高くなる。接触面にある触媒に電解ガスを供給するのが困難になるため、燃焼触媒層の基材がカーボンペーパーのような多孔質体の場合は、接触面積は50%程度、残り50%はガス溝に露出する構造にするのが望ましい。燃焼触媒層3の基材が金属箔の場合は、接触する溝付き熱伝導板を多孔質体とするか接触面積を50%以下にすることが望ましい。
例えば
図1、2では燃焼触媒層3の一方の面の半分(接触面積50%)が伝熱板9に接して設けられている。
【0032】
放熱手段は燃焼触媒で発生した燃焼熱を外部に放出する機能を有する。本発明では電解ガスの再結合により燃焼触媒層3で発生した燃焼熱を熱伝導によって外部に放出して燃焼触媒層3の過熱を防止している。具体的には放熱手段と、該放熱手段に接して設けられた熱伝導部材とで燃焼熱を外部に放出している。本発明では放熱部材と熱伝導部材は燃焼熱を燃焼触媒層3から除去するヒートシンクとして機能する(以下、放熱部材と熱伝導部材とをあわせてヒートシンクということがある)。
放熱手段としては上記燃焼熱の放出機能を有すればよく特に限定されない。例えば
図1に示すような放熱フィン10、
図2に示すような熱伝導部材に内在させた冷媒管13、図示しないが、作動液体の蒸発・凝集を利用して熱移動を行う各種公知のヒートパイプなどがあげられる。熱伝導するために放熱手段と熱伝導部材は接していればよく、例えば熱伝導部材の外部に放熱手段を接続して排熱してもよいし、熱伝導部材の内部に放熱手段を設けて排熱してもよい。また例えば
図3(a)、
図4A、
図5(a)のガス流路中に触媒で被覆された冷媒管を配置してもよい。冷媒管の管部分が熱伝導性部材、内部を流通する冷媒が放熱手段として機能する。
【0033】
例えば
図1では熱伝導部材である伝熱板9の外表面に放熱手段である放熱フィン10を接続することで燃焼触媒層3から伝熱板9、更に該伝熱板9から放熱フィン10に熱が移動して排熱される。必要に応じて空冷ファン11を設けることで放熱フィン10の排熱効率を高めることができる。
また例えば
図2では熱伝導部材である伝熱板9の内部に冷媒管を設けて、放熱手段である冷媒管13内を流通する冷媒によって排熱する。具体的には燃焼触媒層3から伝熱板9、更に該伝熱板9から冷媒管13、冷媒に熱が移動し、冷媒管13内を流通する冷媒によって外部に排熱される。なお、必要に応じてラジエーター(図示しない)など冷媒の熱を除去する手段を設けて冷媒を循環させてもよい。冷媒管13は直管、蛇管のいずれでもよいが蛇管にすることで冷却効果をより一層高めることができる。冷媒は液体、気体のいずれでもよく、各種公知の冷媒を使用できる。
【0034】
放熱手段には必要に応じて冷却促進手段を設けてもよい。冷却促進手段は放熱手段の燃焼熱放出効率をより一層高める機能を有する。冷却促進手段としては上記冷却機能を有していればよく、例えば、ファンなどが例示され、各種公知の冷却促進手段を使用できる。また冷却促進手段は必要に応じて1又は2以上を組み合わせて使用してもよい。
例えば
図1の空冷ファン11は必要に応じて任意に設けられる冷却促進手段の一例である。空冷ファン11は放熱フィン10の端部に接して設けられており、空冷ファン11のファンの回転による空気流により放熱フィン10の温度冷却効果を高めることができる。
冷却促進手段は放熱手段の温度低下効果を奏すれば設置位置は特に限定されず、また冷却手段は放熱手段に接するように設けてもよいし、接しないように設けてもよい。
【0035】
本発明の電解ガス再結合装置1は必要に応じて触媒を加熱する手段(以下、触媒加熱手段という)を設けてもよい。触媒加熱手段を設けると電解ガス再結合装置1の運転時に触媒を予熱でき、触媒の温度が所定の温度に達するまでの時間を短縮できる。触媒加熱手段としては各種公知のヒーターを用いることができる。また触媒加熱手段の設置位置は燃焼触媒層3を加熱できれば特に限定されない。例えば
図1ではフランジ2の外側にヒーター11が設定されているが、これに限定されず、伝熱板9の任意の側面や、空冷ファン11が設けられていない放熱フィン10の任意の側面であってもよい。あるいは伝熱板9にヒーター11を内包させてもよい。
図2も同様に、ヒーターは任意の位置に設置でき、例えば伝熱板9にヒーターと冷媒管13を内包させてもよい。
【0036】
本発明の電解ガス再結合装置1に供給する電解ガスの導入管は、任意の箇所に設ければよく特に限定されない。また電気分解によって発生した2種類の電解ガスは、電解ガス再結合装置1に供給する前に混合してから該混合ガスを電解ガス再結合装置1に導入してもよいし、2種類の電解ガスを電解ガス再結合装置1内で混合してもよい。また電解ガス再結合装置1内で生成された電解ガスの再結合物も任意の箇所に排出管を設けて取り出せばよい。
図1~
図5は事前に電解ガスを混合し、該混合ガスを電解ガス導入管4から電解ガス再結合装置1に供給されている。また電解ガス再結合装置1内で生成された再結合物は排出管8から排出される。
図6では2種類の電解ガスが夫々電解ガス導入管4a、4bから電解ガス再結合装置1に供給されている。また電解ガス再結合装置1内で生成された再結合物は排出管8から排出される。
【0037】
次に本発明の電解ガス再結合装置を備えた一実施態様である水素同位体分離装置について説明する。
本発明の水素同位体分離装置は、本発明の電解ガス再結合装置と、該電解ガス再結合装置に供給する電解ガスを電気分解によって生成する電解ユニット、および該電解ガス再結合装置で生成された再結合物を捕集する捕集ユニット、を有する。
【0038】
以下、本発明の水素同位体分離装置について、好適な一実施態様を示す図面を参照しながら説明する。なお、本発明の電解ガス再結合装置は図示例の構成に限定されず、構成は適宜変更可能である。
図7(a)、7(b)は本発明の水素同位体分離装置の概略図である。図示例では電解ガスのみを電解ガス再結合装置に供給しているが、本発明はこれに限定する趣旨ではなく、電解ガスには窒素やヘリウムなどの不活性ガス、空気や酸素などの酸素含有ガスが含まれていてもよい。なお、空気を用いる場合は予め空気を乾燥させて水分を除去してから使用することが好ましい。
図中1は既に説明した本発明の電解ガス再結合装置1である。
【0039】
電解ユニット20は電解ガス再結合装置1に供給する電解ガスを電気分解によって生成する装置である。電解ユニット20の構成は特に限定されず、各種公知の電解ユニットを使用できる。図示例では水素イオン伝導性がある電解質膜の両側にそれぞれ陽極と陰極を接合した膜電極接合体22と、該膜電極接合体22によって分けられた陽極側の陽極室21と陰極側の陰極室23とで構成されている。
膜電極接合体22などのように分離膜を利用した電気分解は、分離膜がないアルカリ電解槽を用いる場合と比べるとヘリウムなどによる希釈が不要であり、また装置構成を簡易化できる。そのため生成された水素と酸素は希釈せずに電解ガス再結合装置1に供給して燃焼させることができるため、装置の小型化に寄与する。すなわち、希釈ガスは電解ガスの触媒との接触の妨げになるため、燃焼触媒層の面積を大きくする必要があるが、希釈ガスが不要な本発明では燃焼触媒層の面積を小さくできるため装置を小型化できる。またアルカリ電解のように電解液を追加する必要がなく、したがって添加した電解液を除去するための蒸留装置も不要であり、装置を簡素化できる。
膜電極接合体22を構成する電解質膜は特に限定されず、水電解によって酸素と水素を発生するものであれば、いずれも使用できる。膜電極接合体22は例えば固体電解質としてナフィオン膜、陽極としてイリジウム系触媒、陰極として白金系触媒が好ましい。
【0040】
酸素側気液分離器30は電気分解前の原料水、具体的に任意の濃度の重水と、電解ユニット20における電気分解で生成した電解ガス、具体的には酸素を貯留するタンクである。酸素側気液分離器30は各種公知の分離器を使用できる。また酸素側気液分離器30の代わりに原料水タンクと電解ガスタンクを夫々設けてもよい。
【0041】
水素側気液分離器31は電解ユニット20における電気分解で生じた濃縮水と、電気分解で生成した電解ガス、具体的には水素を貯留するタンクである。水素側気液分離器31は各種公知の分離器を使用できる。また水素側気液分離器31の代わりに濃縮水タンクと電解ガスタンクを夫々設けてもよい。
【0042】
酸素側原料水循環用ポンプ32は原料水を電解ユニット20の陽極室21に供給する手段である。酸素側原料水循環用ポンプ32は各種公知のポンプ等の供給手段を使用できる。
【0043】
酸素側気液分離器30と水素側気液分離器31には内部の電解ガスを電解ガス再結合装置1に供給するための陰極室側ガス供給管と陽極室側ガス供給管が設けられている。
図示例では電解ガス再結合装置1の手前で陰極室側ガス供給管と陽極室側ガス供給管を接続し(ガス誘導管結合T字管)、該ガス誘導管結合T字管と電解ガス再結合装置1とを電解ガス導入管4で接続している。なお、陰極室側ガス供給管と陽極室側ガス供給管は上記したように電解ガス再結合装置1に夫々接続してもよい(
図6)。
【0044】
捕集ユニット33は電解ガス再結合装置で生成された再結合物を捕集する手段である。捕集ユニット33は上記機能を有していればよく、各種公知の捕集ユニットを使用できる。捕集ユニット33としては例えばコールドトラップが好適である。捕集ユニット33には排ガス管を設けて捕集ユニット33から排ガスを適宜排出することが好ましい。
【0045】
窒素パージ用窒素ボンベ34は、水電解型水素同位体分離装置内の雰囲気を窒素置換するための窒素ガスボンベである。水電解型水素同位体分離装置の運転前後に弁41、42、43、44を開閉して窒素ボンベ34から窒素ガスを水電解型水素同位体分離装置内に供給することで系内のガスを排気して窒素置換できる。
【0046】
以下、本発明の水電解型水素同位体分離装置を用いた水電解型水素同位体の分離方法について、好適な一実施態様である
図7(a)を参照しながら説明する。なお、本発明の水電解型水素同位体の分離方法は図示例の構成、および下記条件に限定されず、これらは適宜変更可能である。
図7(b)は電解ガスを予め混合せずに、電解ガス再結合装置1に供給する場合の系統図であり、電解ガスを予めT字管で混合せずにガス導入管4a、4bから別々に電解ガス再結合装置1に導入するように変更した以外は
図7(a)と同じである。
【0047】
装置の運転開始前に弁41、42、43、44を開閉して窒素ボンベ34から窒素ガスを供給し、系内のガスを排気して窒素置換することが好ましい。
また運転開始前に電解ガス再結合装置1に設けたヒーター12をONにして予め触媒の温度を所定の温度、例えば結露が生じない温度が好ましく、105℃程度まで予備加熱することが好ましい。なお、所定の予備加熱温度に達したらヒーター12をOFFにすることが好ましい。
またコールドトラップ33の下流(出口側)の弁42を開状態にして運転中は電解ガス再結合装置1内の圧力を大気圧に保持することが好ましい。なお、弁42を開状態にして運転することで、操業中に問題が生じても装置内の電解ガスや再結合物は排ガスとして大気中に放出されるため、操業の安全性を高めることができる。
【0048】
酸素側気液分離器30内に予め任意の濃度に調整した重水(以下、原料水)が供給されており、ポンプ32を稼働すると、酸素側気液分離器30内に貯留している原料水が電解ユニット20の陽極室21に供給される。
電解ユニット20に直流電流を流すと陽極室22内の原料重水が電解されて酸素気泡が発生すると共に、陰極室23には重水素を含む水素と膜電極接合体22を透過するプロトンが同伴する重水が流入する。
電気分解により発生した陽極室21の酸素ガスは酸素側気液分離器30に送られ、発生した陰極室23の重水素濃度が高い高濃度重水と、重水素濃度が低い電解ガス(水素)とは水素側気液分離器31に送られる。
酸素側気液分離器30内の酸素、及び水素側気液分離器31内の重水素を含む水素は、電解ガス再結合装置1の手前のT字管で混合され、導入管4を介して電解ガス再結合装置1に送られる。
混合ガスは電解ガス再結合装置1内で触媒と接触すると再結合して重水を含む水蒸気となり、排出管8から排出されてコールドトラップ33で液化回収される。
【0049】
本発明の電解ガス再結合装置1を用いると、燃焼熱は外部に放出できるため燃焼触媒は過熱することがない。なお、運転中の触媒の温度は110℃以上、200℃以下に維持されることが望ましい。触媒温度が低過ぎると燃焼によって生じた再結合物(液体)が触媒を覆ってしまい、再結合反応を阻害することがある。また触媒温度が高すぎると電解ガス再結合装置に用いているシール材料が劣化する恐れがある。触媒温度は例えば必要に応じて電解ガス再結合装置1に空冷ファン11を設けてON/OFFを制御して温度調整することが望ましい。
電気分解を継続すると酸素側気液分離器30内の原料水量が減少し、水素側気液分離器31内の濃縮重水量が増大するので、例えば弁40を開くことにより、水素側気液分離器31内の濃縮重水を酸素側気液分離器30に戻すことができ、当初の原料重水よりも高濃度の重水を原料として再電解できる。またコールドトラップ33で回収される重水素の重水濃度は、原料重水の重水濃度より低いが原料タンクに戻し、再電解を繰り返すことで高濃度の重水を回収できる。
運転終了後、弁41、42、43、44を開閉して窒素ボンベ34から窒素ガスを供給し、系内のガスを排気して窒素置換することが好ましい。
【実施例0050】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0051】
図1の電解ガス再結合装置1を備えた
図7(a)に示す水素同位体分離装置を用いて重水濃縮を行った。
電解ユニット20は電極面積25cm
2のセルを4セル積層したスタックとした。陽極にはインジウム系触媒、陰極には白金系触媒、電解質膜にはNafion膜、フロープレートにはチタンを使用した。また冷却水を循環させてセル温度が約25℃となるようにした。電極の総面積は100cm
2とした。
電解ガス再結合装置1は、燃焼触媒(触媒層の面積64cm
2)として白金微粒子を用いた。白金微粒子をカーボンペーパーに担持(白金担持量0.5mg/cm
2)させた燃焼触媒層3を、伝熱板9(無酸素銅)、放熱フィン10(無酸素銅)、及び空冷ファン11で構成されるヒートシンクの伝熱板9に取り付けた。また燃焼触媒層3はフランジ2(SUS材)の蛇行型リブ溝が形成された面と伝熱板9とで挟持し、伝熱板9とフランジ2とをネジ止めして燃焼触媒層3を伝熱板9に密着させた。上記ヒートシンクの熱抵抗は0.1W/℃以下であった。伝熱板9の中心部温度を熱電対で検知し、120℃を保つように空冷ファン11は伝熱板9の温度が125℃でON、120℃でOFFとなるよう設定した。
コールドトラップ33には氷水を入れて0℃とした。
【0052】
上記のような構成を有する水素同位体分離装置を用いて、重水濃度96%の重水2Lを原料重水として酸素側気液分離器20に入れて重水濃縮を行った。
まず、弁41、42、43、44を開状態として水素同位体分離装置内を窒素パージした後、弁41、43、44は閉じたが、弁42は開放状態のまま運転を開始した。
図1に示す電解ガス再結合装置1のフランジ2に取り付けたヒーター12をONとして伝熱板9の温度が105℃に達したらヒーターをOFFにした。
【0053】
酸素側気液分離器30内の原料水はポンプ32により50mL/分で陽極室21に供給した。電解ユニット20に電流50Aを流して電気分解を行って電解ガスを生成した。
電解ユニット20で発生した酸素と、水素同位体を含む水素は、電解ガス再結合装置1の手前のT字管で混合してからフランジ2の混合ガス導入孔5からフランジ2の蛇行型リブ溝6に供給され、リブ溝内を流通する過程で触媒と接触して反応して再結合し、水蒸気となって水蒸気排出孔7から排出され、コールドトラップ33で液化されて回収された。また水蒸気と共に排出された未反応の電解ガスは弁42から排出された。
なお、水素側気液分離器31内の濃縮水は、この分離機内に設置した液面計により弁を自動的に開閉して酸素側気液分離器30に戻した。
【0054】
上記装置の定格電解電流値を50Aとし、50Aの電流を16時間流して重水の濃縮を行った。その結果、96%重水を99.7%まで濃縮できた。また運転中の電解ガス再結合装置1の伝熱板温度は、118~126℃の範囲に保たれており、燃焼熱を安定して外部に放出できたため触媒の過熱を防止できた。本実験では極めて高い燃焼率(99%)を達成できた。
【0055】
実験の結果、本発明の水電解型水素同位体分離装置によれば、従来のように不活性ガスを循環させる必要がないため装置構成が簡易であり、しかも電解ガス再結合装置内に設置した触媒が過熱することがないため安全に運転でき、且つ高い燃焼率が得られた。
【0056】
燃焼率は、測定した排ガス流量を用いて算出した。弁42の下流に排出ガスを水中で捕集し体積を測定する積算流量計を設置し、排ガス流量を測定した。
電流0.5Aを電解ユニット20に供給し、系内の窒素ガスを排出した後、電流を50Aに増やして排ガス流量を測定した。電流供給開始から経時の排ガス流量を測定した結果、以下の通りであった。
電解セルに0.5Aを流し始めると、1分後の排ガス流量は100mL/分、3分後60mL/分、10分後10mL/分、20分後1mL/分、30分後0.5mL/分と排ガス流量は時間と共に急激に低下した。しかし、更に時間をかけても排出ガス流量は0にはならず、一定値に落ち着いた。
【0057】
電流を流し始める際の大きな排出ガス流量は、装置内の窒素が電解ガスによって押し出されるのが原因である。この現象は、窒素ガスパージ後、最初に電流を流し始める際にだけ現れた。
【0058】
電解ガスが触媒燃焼器で完全燃焼すると、排ガス流量は0になるはずである。試験開始後30分以上経過しても検知される排出ガスは、未反応の電解ガスである。
【0059】
電流50Aで16時間運転した後、電流の供給を止めて運転を停止した。運転停止30秒後に各弁を開いて窒素ボンベ34から窒素を供給して窒素パージを行い、装置内の電解ガスを追い出し、装置内を窒素で充満させてから全ての弁を閉じて試験を終了した。
【0060】
図8は運転開始後、電解電流を5Aから徐々に50Aまで徐々に増加させた場合の燃焼率と電解電流の関係を示すグラフである。電解電流を徐々に増加させると運転開始に現れる多量の排ガスを排除できる。またこの図からも明らかなように電解電流50Aでの燃焼率は99%であり、極めて高い燃焼率を示した。