(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081277
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】超音波渦流エネルギー投入装置
(51)【国際特許分類】
A61H 23/02 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
A61H23/02 341
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123597
(22)【出願日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0167836
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522308978
【氏名又は名称】モセ メディー インク.
【氏名又は名称原語表記】Mose Medi Inc.
【住所又は居所原語表記】#402 G-Tower 253 Sanhodae-ro, Gumi-Si Gyeongsangbuk-Do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ジョ デヒ
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074BB01
4C074BB05
4C074CC03
4C074DD05
4C074EE01
4C074GG01
(57)【要約】
【課題】 超音波渦流エネルギー投入装置を提供する。
【解決手段】 本発明は超音波渦流エネルギー投入装置に関するもので、より詳しくは、身体と接する領域に対して超音波を集束させずに分散させるとともに、超音波が伝達される身体と対向する領域の周方向(時計回り方向または反時計回り方向)に沿って隔設される多数の圧電素子に対して身体と接する領域の周方向に沿って渦流状の刺激が加えられるように構成した超音波渦流エネルギー投入装置に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央が穿孔された真空孔(110a)が形成されたドーナツ状の超音波トランスデューサー(110)と、前記超音波トランスデューサー(110)の真空孔(110a)の外周面の周りから上方へと突出して下方が開かれた真空溝(120a)が形成され、突出した上部の外周面の周りの一方の側には前記真空溝(120a)の内部と連通されるコネクター接続孔(120b)が形成される喇叭状の真空部(120)と、からなる下ハウジング(100)と、
前記真空部(120)の真空溝(120a)が形成された領域のうちの下部の領域は下端に向かって進むにつれてその周りが次第に大きくなる形状の傾斜領域(210)が形成され、前記傾斜領域(210)の外周の周方向に沿って等間隔にて配置される三つ以上の圧電素子(200)と、
前記下ハウジング(100)の超音波トランスデューサー(110)の外周面の周りに結合されるが、上端の外周面の一方の側にはコネクター嵌合孔(300a)が形成される上ハウジング(300)と、
前記コネクター嵌合孔(300a)を貫通して前記コネクター接続孔(120b)に連通される中心部(410)と、前記圧電素子(200)に電気的に接続される超音波発生器のケーブルが前記中心部(410)の外周面の周りに配備される周縁部(420)と、からなるコネクター(400)と、
前記コネクター(400)の中心部(410)とホースを介して接続されて設けられる真空発生器(510)と、前記コネクター(400)の周縁部(420)に配備される超音波発生器のケーブルと電気的に接続されて設けられる超音波発生器(520)と、を内部に収容し、前記真空発生器(510)及び超音波発生器(520)の動作を制御する制御ユニット(500)と、
を備える、超音波渦流エネルギー投入装置。
【請求項2】
前記制御ユニット(500)は、いずれか一つの圧電素子(200-1)を基準として時計回り方向に順番に離れた位置に配置される圧電素子(200-2)、圧電素子(200-3)、圧電素子(200-3+N)...に対して(ここで、Nは、1,2,3...)、
前記超音波発生器(520)の周波数(MHz)、圧力(w/cm2)、ボルト(V)、リレータイム(Relay Time)のうちのいずれか一つのみを独立変数として投入されるエネルギーが圧電素子(200-1)>圧電素子(200-2)>圧電素子(200-3)>圧電素子(200-3+N...)を満たすように制御することを特徴とする、請求項1に記載の超音波渦流エネルギー投入装置。
【請求項3】
前記制御ユニット(500)は、いずれか一つの圧電素子(200-1)を基準として反時計回り方向に順番に離れた位置に配置される圧電素子(200-3+N)、圧電素子(200-3)、圧電素子(200-2)...に対して(ここで、Nは、1,2,3...)、
前記超音波発生器(520)の周波数(MHz)、圧力(w/cm2)、ボルト(V)、リレータイム(Relay Time)のうちのいずれか一つのみを独立変数として投入されるエネルギーが圧電素子(200-3+N...)>圧電素子(200-3)>圧電素子(200-2)>圧電素子(200-1)を満たすように制御することを特徴とする、請求項1に記載の超音波渦流エネルギー投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波渦流エネルギー投入装置に係り、さらに詳しくは、身体と接する領域に対して超音波を集束させずに分散させるとともに、超音波が伝達される身体と対向する領域の周方向(時計回り方向または反時計回り方向)に沿って隔設される多数の圧電素子に対して身体と接する領域の周方向に沿って渦流状の刺激が加えられるように構成した超音波渦流エネルギー投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
肌のシワを除去したり癌を治療したりするために、高強度集束超音波(HIFU:High Intensity Focused Ultrasound)、低強度集束超音波(LIFU;Low Intensity Focused Ultrasound)、低強度パルス超音波(LIPUS:Low Intensity Pulse Ultrasound)が広く用いられている。
【0003】
このような高強度集束超音波は、超音波を集束させて人体の内部において温度を概ね70℃まで瞬時に上昇させてターゲット部分の組織や細胞を壊死させる方式であって、ターゲットに相当する皮下脂肪層と筋肉層との間に存在するSAMA層に熱を集束させる場合にコラーゲンの変性が起こりながら小じわを減少させ、ターゲットに相当する腫瘍に高強度集束超音波を加えて強い熱を生じさせて組織に対するキャビテーション(Cavitation)と波動を用いて腫瘍を融削させたりもする。しかしながら、従来の高強度集束超音波は、ターゲットの中心部に強力なエネルギーを集束・照射する方式であるが故に、やけどなどの副作用があった。このとき、照射される熱エネルギーは、病変の中心部に集まって蓄熱現象を引き起こす。このため、熱暴走現象が起こる。中心部が過熱される熱島現象のため、被施術者は、過剰な灼熱感に耐えられず、治療に要される時間の間に治療を行うことができなかった。
【0004】
このような現象を熱平衡状態と呼ぶが、このとき、内部に投入された熱が抜け出る通路を設けることを余儀なくされるが、既存の方法ではこの問題を解決することができなかった。このような問題を解決するために提案されたものが超音波渦流投入装置であり、超音波渦流誘導装置は、投入される熱を圧電素子の内外部から分散、循環させる。また、ドーナツ状の超音波トランスデューサーが微細なエネルギーを分散・重畳させて熱暴走現象を防ぎ、病変の周りに対する熱投入の平衡状態を破って超音波渦流を誘導することにより、過剰な灼熱感なしに所要の時間の間にエネルギーを投入可能な技術の開発が切望されているのが現状である。
【0005】
また、既存の超音波がターゲットに正確に達せない場合には、正常組織に対する損傷のリスクがあるため、1回につき1個のポイントしか治療することができないという不都合があった、
【0006】
さらに、従来の高強度集束超音波は、ターゲットの周辺部の熱的平衡状態となってターゲットの周りの毛細血管において酸素が移動し難くなって酸素の欠乏が起こるなどの不都合があった。
【0007】
このように、超音波が照射される中心部に対する熱平衡状態と熱暴走現象を解決するために、照射される波動と熱を分散させる必要があり、圧電素子から熱が抜け出られるようにする技術の開発が望まれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1514401号公報(2015年04月16日付け登録)
【特許文献2】日本国公開特許第10-234734号公報(1998年09月08日付け公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、超音波渦流エネルギー投入装置に係り、さらに詳しくは、身体と接する領域に対して超音波を集束させずに分散させるとともに、超音波が伝達される身体と対向する領域の周方向(時計回り方向または反時計回り方向)に沿って隔設される多数の圧電素子に対して身体と接する領域の周方向に沿って渦流状の刺激が加えられるように構成した超音波渦流エネルギー投入装置を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、超音波渦流エネルギー投入装置に係り、さらに詳しくは、身体と接する領域に対して超音波を集束させずに分散させるとともに、超音波が伝達される身体と対向する領域の周方向(時計回り方向または反時計回り方向)に沿って隔設される多数の圧電素子に対して身体と接する領域の周方向に沿って渦流状の刺激が加えられるように構成した超音波渦流エネルギー投入装置に関するものであり、中央が穿孔された真空孔110aが形成されたドーナツ状の超音波トランスデューサー110と、前記超音波トランスデューサー110の真空孔110aの外周面の周りから上方へと突出して下方が開かれた真空溝120aが形成され、突出した上部の外周面の周りの一方の側には前記真空溝120aの内部と連通されるコネクター接続孔120bが形成される喇叭状の真空部120と、からなる下ハウジング100と、前記真空部120の真空溝120aが形成された領域のうちの下部の領域は下端に向かって進むにつれてその周りが次第に大きくなる形状の傾斜領域210が形成され、前記傾斜領域210の外周の周方向に沿って等間隔にて配置される三つ以上の圧電素子200と、前記下ハウジング100の超音波トランスデューサー110の外周面の周りに結合されるが、上端の外周面の一方の側にはコネクター嵌合孔300aが形成される上ハウジング300と、前記コネクター嵌合孔300aを貫通して前記コネクター接続孔120bに連通される中心部410と、前記圧電素子200に電気的に接続される超音波発生器のケーブルが前記中心部410の外周面の周りに配備される周縁部420と、からなるコネクター400と、前記コネクター400の中心部410とホースを介して接続されて設けられる真空発生器510と、前記コネクター400の周縁部420に配備される超音波発生器のケーブルと電気的に接続されて設けられる超音波発生器520と、を内部に収容し、前記真空発生器510及び超音波発生器520の動作を制御する制御ユニット500と、を備える。
【0011】
特に、前記制御ユニット500は、いずれか一つの圧電素子200-1を基準として時計回り方向に順番に離れた位置に配置される圧電素子200-2、圧電素子200-3、圧電素子200-3+N...に対して(ここで、Nは、1,2,3...)、前記超音波発生器520の周波数(MHz)、圧力(w/cm2)、ボルト(V)、リレータイム(Relay Time)のうちのいずれか一つのみを独立変数として投入されるエネルギーが圧電素子200-1>圧電素子200-2>圧電素子200-3>圧電素子200-3+N...を満たすように制御することにより、投入されるエネルギーと比例する蓄熱エネルギーの差分により、圧電素子200-3+N...から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-3から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-2から超音波を伝達された身体領域→圧電素子200-1から超音波を伝達された身体領域に向かって順次にかつ連続して反時計回り方向に超音波渦流が形成されることが可能になる。
【0012】
そして、前記制御ユニット500は、いずれか一つの圧電素子200-1を基準として反時計回り方向に順番に離れた位置に配置される圧電素子200-3+N、圧電素子200-3、圧電素子200-2...に対して(ここで、Nは、1,2,3...)、
前記超音波発生器520の周波数(MHz)、圧力(w/cm2)、ボルト(V)、リレータイム(Relay Time)のうちのいずれか一つのみを独立変数として投入されるエネルギーが圧電素子200-3+N...>圧電素子200-3>圧電素子200-2>圧電素子200-1を満たすように制御することにより、投入されるエネルギーと比例する蓄熱エネルギーの差分により、圧電素子200-3+N...から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-3から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-2から超音波を伝達された身体領域→圧電素子200-1から超音波を伝達された身体領域に向かって順次にかつ連続して反時計回り方向に超音波渦流が形成されることが可能になる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の超音波渦流エネルギー投入装置は、下ハウジングの真空部の外側の周りに形成された傾斜領域の周方向に沿って三つ以上の圧電素子が等間隔にて隔設されて超音波を分散させて投入することが可能になることにより、各圧電素子から伝達される超音波同士の間の重畳/回折現象によりさらに有効な刺激及び治療が行えるということはもとより、従来の超音波集束による熱島現象を未然に防ぐことができるというメリットがある。
【0014】
また、本発明の超音波渦流エネルギー投入装置は、下ハウジングの真空部の外側の周りに形成された傾斜領域の周方向に沿って配置される三つ以上の圧電素子に対して超音波発生器から投入されるエネルギーが圧電素子200-1>圧電素子200-2>圧電素子200-3>圧電素子200-3+N...を満たすように制御することにより、投入されるエネルギーと比例する蓄熱エネルギーの差分により、圧電素子200-1から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-2から超音波を伝達された身体領域→圧電素子200-3から超音波を伝達された身体領域→圧電素子200-3+Nから超音波を伝達された身体領域に向かって順次にかつ連続して時計回り方向に超音波渦流が形成されることが可能になり、圧電素子200-3+N...>圧電素子200-3>圧電素子200-2>圧電素子200-1>を満たすように制御することにより、投入されるエネルギーと比例する蓄熱エネルギーの差分により、圧電素子200-3+N...から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-3から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-2から超音波を伝達された身体領域→圧電素子200-1から超音波を伝達された身体領域に向かって順次にかつ連続して反時計回り方向に超音波渦流が形成されることが可能になるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る超音波渦流エネルギー投入装置の分解された状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る超音波渦流エネルギー投入装置の分解された状態を示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る超音波渦流エネルギー投入装置のコネクターの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化される筈である。これらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものである。図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波渦流エネルギー投入装置の分解された状態を示す斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る超音波渦流エネルギー投入装置の分解された状態を示す断面図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係る超音波渦流エネルギー投入装置のコネクターの平面図である。
【0018】
図1から
図3に示すように、本発明は、超音波渦流エネルギー投入装置に係り、さらに詳しくは、身体と接する領域に対して超音波を集束させずに分散させるとともに、超音波が伝達される身体と対向する領域の周方向(時計回り方向または反時計回り方向)に沿って隔設される多数の圧電素子に対して身体と接する領域の周方向に沿って渦流状の刺激が加えられるように構成した超音波渦流エネルギー投入装置に関するものであって、中央が穿孔された真空孔110aが形成されたドーナツ状の超音波トランスデューサー110と、前記超音波トランスデューサー110の真空孔110aから上方へと突出して延設される真空溝120aが形成される喇叭状の真空部120と、からなる下ハウジング100と、前記真空部120の真空溝120aが形成された領域のうち、その周りが次第に大きくなる形状に形成される傾斜領域121の外周の周りに配置される圧電素子200と、前記下ハウジング100に結合される上ハウジング300と、前記上ハウジング300を貫通して真空溝120a及び圧電素子200と接続されるコネクター400と、前記コネクター400と接続されて真空溝120aの内部空間に負圧を形成し、前記圧電素子200から超音波が発せられるように制御する制御ユニット500と、を備える。
【0019】
前記下ハウジング100は、使用者の身体のうち、刺激しようとする領域の外周面の周りと当接して負圧の状態にする内部空間を形成する手段であって、中央が穿孔された真空孔110aが形成されたドーナツ状の超音波トランスデューサー110と、前記超音波トランスデューサー110の真空孔110aの外周面の周りから上方へと突出して下方が開かれた真空溝120aが形成され、突出した上部の外周面の周りの一方の側には前記真空溝120aの内部と連通されるコネクター接続孔120bが形成される真空部120と、からなる。
【0020】
特に、前記真空部120の真空溝120aが形成された領域の外周面の周りが下方に向かって進むにつれて次第に大きくなる喇叭状に形成される。
【0021】
前記圧電素子200は、電気振動を機械振動に変換して、この変換された機械振動を使用者の身体のうちの刺激しようとする領域に伝達するための手段であって、前記超音波トランスデューサー110において、真空溝120aが形成された領域のうちの下部の領域は下端に向かって進むにつれてその周りが次第に大きくなる形状に傾斜領域121が形成され、前記傾斜領域121の外周の周方向に沿って等間隔にて配置される。
【0022】
特に、本発明の圧電素子200は、傾斜領域121の外周の周方向に沿って三つ以上の等間隔にて配置される。
【0023】
これにより、多数の圧電素子200において発生する機械振動は、相互間の重畳/回折現象により刺激しようとする領域に向かって伝達することができて、従来における超音波集束による熱暴走現象を防ぐことができる。
【0024】
前記上ハウジング300は、前記下ハウジング100を覆うカバーであって、内部が中空状であり、かつ、下面が開かれた円筒状に形成され、前記下ハウジング100の超音波トランスデューサー110の外周面の周りに着脱自在に結合され、上端の外周面の一方の側にはコネクター嵌合孔300aが形成される。
【0025】
前記コネクター400は、前記コネクター嵌合孔300aを貫通して前記コネクター接続孔120bに連通される中心部410と、前記圧電素子200に電気的に接続される超音波発生器のケーブルが前記中心部410の外周面の周りに配備される周縁部420と、からなる。
【0026】
前記中心部410は、前記真空溝120aの内部の領域に負圧を形成するために真空発生器510と電気的に接続されて設けられ、前記周縁部420の周方向に沿って配備されるケーブルの一方の端は超音波発生器520と電気的に接続されて設けられ、ケーブルの他方の端は前記圧電素子200とそれぞれ接続されて設けられる。
【0027】
前記制御ユニット500は、前記真空発生器510及び超音波発生器520の動作を制御するための手段であって、前記コネクター400の中心部410とホースを介して接続されて設けられる真空発生器510と、前記コネクター400の周縁部420に配備される超音波発生器のケーブルと電気的に接続されて設けられる超音波発生器520と、を内部に収容する。
【0028】
特に、前記制御ユニット500は、前記真空発生器510の動作をオン(ON)/オフ(OFF)にする電源ボタン511と、前記真空発生器510のパルス値を調節する真空調節ボタン512と、前記超音波発生器520の動作をオン(ON)/オフ(OFF)にする電源ボタン521と、前記超音波発生器520の超音波周波数及び圧力を調節する超音波調節ボタン522と、左/右トーション設定ボタン530と、を備える。
【0029】
前記超音波発生器520において発生する超音波の周波数は0.5~1.5(Mhz)、圧力は0.5~3(W/cm2)、リレータイムは10~20mSec(ON)/1~2mSec(OFF)であることが好ましい。
【0030】
前記左/右トーション設定ボタン530は、一回押下するときに左トーション、連続して2回押下するときに右トーションとなるように設定されてもよく、設定されたトーション動作は、少なくとも3分以上続くことが好ましい。
【0031】
特に、前記制御ユニット500は、いずれか一つの圧電素子200-1を基準として時計回り方向に順番に離れた位置に配置される圧電素子200-2、圧電素子200-3、圧電素子200-3+N...に対して(ここで、Nは、1,2,3...)、前記超音波発生器520の周波数(MHz)、圧力(w/cm2)、ボルト(V)、リレータイム(Relay Time)のうちのいずれか一つのみを独立変数として投入されるエネルギーが圧電素子200-1>圧電素子200-2>圧電素子200-3>圧電素子200-3+N...を満たすように制御することにより、投入されるエネルギーと比例する蓄熱エネルギーの差分により、圧電素子200-1から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-2から超音波を伝達された身体領域→圧電素子200-3から超音波を伝達された身体領域に向かって順次にかつ連続して時計回り方向超音波渦流が形成されることが可能になる。
【0032】
下記表1は、周波数を独立変数として時計回り方向への超音波渦流を形成した実施例であり、表2は、圧力を独立変数として時計回り方向への超音波渦流を形成した実施例であり、表3は、ボルトを独立変数として時計回り方向への超音波渦流を形成した実施例であり、表4は、リレータイムを独立変数として時計回り方向への超音波渦流を形成した実施例である。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
実施例1~4から明らかなように、超音波発生器520において周波数、圧力、ボルト、リレータイムのうちのいずれか一つを独立変数として各圧電素子200に投入されるエネルギーが圧電素子200-1>圧電素子200-2>圧電素子200-3を満たすように制御する場合、投入されるエネルギーと比例する蓄熱エネルギーの差分により、圧電素子200-1から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-2から超音波を伝達された身体領域→圧電素子200-3から超音波を伝達された身体領域に向かって順次にかつ連続して時計回り方向超音波渦流が形成されるのである。
【0038】
そして、前記制御ユニット500は、いずれか一つの圧電素子200-1を基準として反時計回り方向に順番に離れた位置に配置される圧電素子200-3+N、圧電素子200-3、圧電素子200-2...に対して(ここで、Nは、1,2,3...)、前記超音波発生器520の周波数(MHz)、圧力(w/cm2)、ボルト(V)、リレータイム(Relay Time)のうちのいずれか一つのみを独立変数として投入されるエネルギーが圧電素子200-3>圧電素子200-2>圧電素子200-1を満たすように制御することにより、投入されるエネルギーと比例する蓄熱エネルギーの差分により、圧電素子200-3から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-2から超音波を伝達された身体領域→圧電素子200-1から超音波を伝達された身体領域に向かって順次にかつ連続して反時計回り方向超音波渦流が形成されることが可能になる。
【0039】
下記表5は、周波数を独立変数として時計回り方向への超音波渦流を形成した実施例であり、表6は、圧力を独立変数として時計回り方向への超音波渦流を形成した実施例であり、表7は、ボルトを独立変数として時計回り方向への超音波渦流を形成した実施例であり、表8は、リレータイムを独立変数として時計回り方向への超音波渦流を形成した実施例である。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
実施例5~8から明らかなように、超音波発生器520において周波数、圧力、ボルト、リレータイムのうちのいずれか一つを独立変数として各圧電素子200に投入されるエネルギーが圧電素子200-3>圧電素子200-2>圧電素子200-1を満たすように制御する場合、投入されるエネルギーと比例する蓄熱エネルギーの差分により、圧電素子200-1から超音波を伝達される身体領域→圧電素子200-2から超音波を伝達された身体領域→圧電素子200-3から超音波を伝達された身体領域に向かって順次にかつ連続して時計回り方向に超音波渦流が形成されることが可能になる。
【0045】
すなわち、本発明の超音波渦流エネルギー投入装置は、下ハウジングの真空部の外側の周りに形成された傾斜領域の周方向に沿って配置される三つ以上の圧電素子に対して超音波発生器から投入されるエネルギーが圧電素子200-1>圧電素子200-2>圧電素子200-3>圧電素子200-3+N...、または圧電素子200-1>圧電素子200-3+N...>圧電素子200-3>圧電素子200-2を満たすように制御できるように構成されることにより、高いエネルギーが投入される圧電素子により高いエネルギーが蓄電された領域から相対的に低いエネルギーレベルが蓄電された圧電素子によりエネルギーを伝達される領域へと順次に伝達することができるというメリットがある。
【0046】
一方、本発明の実施例において、リレータイムを独立変数とする場合に、リレータイムのONの持続状態を独立変数としたが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、リレータイムのOFFの持続状態を独立変数としてもよい。
【0047】
本発明については、添付図面と前述した好適な実施形態を参考にして説明したが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲により限定される。よって、この技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲の技術的思想から逸脱しない範囲内において本発明を種々に変形及び修正することができる。
【符号の説明】
【0048】
100 下ハウジング
110 超音波トランスデューサー
110a 真空孔
120 真空部
120a 真空溝
120b コネクター接続孔
121 傾斜領域
200,200-1,200-2,200-3 圧電素子
300 上ハウジング
300a コネクター嵌合孔
400 コネクター
410 中心部
420 周縁部
500 制御ユニット
510 真空発生器
520 超音波発生器