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特開2023-81352ウェアラブル心電図デバイス上の多誘導電極配置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081352
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】ウェアラブル心電図デバイス上の多誘導電極配置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/256 20210101AFI20230602BHJP
   A61B 5/26 20210101ALI20230602BHJP
【FI】
A61B5/256 220
A61B5/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022190287
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】17/539,164
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512318556
【氏名又は名称】アライヴコア・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブルース・サッチウェル
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・コーエン
(72)【発明者】
【氏名】シヴァ・ソマヤジュラ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ジラルディ
(72)【発明者】
【氏名】アニル・ヘバー
(72)【発明者】
【氏名】シェシュ・シェノイ
(72)【発明者】
【氏名】アフマド・エヌ・サーレハ
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB03
4C127LL13
(57)【要約】
【課題】本発明は、モニタリングデバイスを提供する。
【解決手段】本発明の実施形態は、6誘導ECGを獲得することができ、電極のための接着剤の使用が要求されない、ほぼ即時的にユーザにECGデータを提供し、ユーザがその場で6誘導ECGをとるための容易で非侵襲的な方法を提供する、6誘導心電図(ECG)モニタリングデバイスを提供する。ECG監視デバイスは誘導リードI、II、及びIIIを獲得することができる。ECG監視デバイスは増高四肢誘導を導出して6誘導ECGを生成することができ、続いて完全な12誘導ECGを生成することができる。ECG監視デバイスは6誘導の読み又は12誘導セットに基づいて1つ又は複数の診断を生成することができる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンドと、
複数の電極であって、複数の前記電極それぞれが、前記バンドがユーザに結合されている場合にユーザの身体の所定の場所に接触し、複数の前記電極それぞれが、前記バンドの非ユーザ面側又はユーザ面側に搭載されている、複数の前記電極と、
前記バンドに搭載されているメモリと、
前記バンドに搭載されていると共に、複数の前記電極及び前記メモリに動作可能に結合されている処理デバイスであって、複数の前記電極を用いて前記ユーザの6誘導心電図(ECG)をとる前記処理デバイスと、
を備えている装置。
【請求項2】
複数の前記電極のうち第1の電極が、ユーザの第1の場所に接触するように前記バンドの前記非ユーザ面側に位置決めされており、
複数の前記電極のうち2つ以上の電極が、前記ユーザの2つ以上の場所に接触するように前記バンドの前記ユーザ面側に位置決めされている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
複数の前記電極それぞれが、複数の前記電極のうち別の電極が接触している前記ユーザの前記身体の場所から隔離されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記バンドが、複数の前記電極それぞれから前記処理デバイスへ信号を送るための導電性チャネルを提供するフレキシブルプリント回路を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記バンドが、弾性材料から成り、これにより前記バンドの周囲が、前記ユーザの大きさに基づいて調整される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記ユーザの前記第1の場所が、前記ユーザの左腕又は前記ユーザの右腕に対応しており、
前記ユーザの前記2つ以上の場所それぞれが、前記ユーザの左脚、前記ユーザの右脚、前記ユーザの左手、前記ユーザの右手、又は前記ユーザの胸に対応している、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
複数の前記電極のうち第1の電極が、前記ユーザの前記身体との持続的な接触を維持しており、
前記処理デバイスが、複数の前記電極のうち第2の電極及び第3の電極が前記ユーザの前記身体と接触したとの判定に応答して、前記ユーザの6誘導ECGをとる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、
前記バンドに搭載されていると共に、前記メモリに動作可能に結合されているディスプレイと、
前記ユーザの運動及び前記ユーザの位置を検出するための1つ又は複数の光センサであって、前記バンドに搭載されていると共に、前記メモリ及び前記処理デバイスに動作可能に結合されている1つ又は複数の前記光センサと、
を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記バンドが、複数の前記電極のうち一の電極として機能する導電性布を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記処理デバイスが、6誘導ECGによって生成される一組のECG波形に基づいて1つ又は複数の診断を決定するように、且つ、トランシーバを介して、1つ又は複数の前記診断を計算デバイスに伝送するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
バンドと、
複数の電極であって、複数の前記電極それぞれが、前記バンドがユーザに結合されている場合にユーザの身体の所定の場所に接触し、複数の前記電極それぞれが、前記バンドの非ユーザ面側又はユーザ面側に搭載されている、複数の前記電極と、
前記バンドに搭載されているメモリと、
前記バンドに搭載されていると共に、複数の前記電極及び前記メモリに動作可能に結合されている処理デバイスであって、複数の前記電極を用いて前記ユーザの6誘導ECGをとる前記処理デバイスと、
を備えているシステム。
【請求項12】
複数の前記電極のうち第1の電極が、ユーザの第1の場所に接触するように前記バンドの前記非ユーザ面側に位置決めされており、
複数の前記電極のうち2つ以上の電極が、前記ユーザの2つ以上の場所に接触するように前記バンドの前記ユーザ面側に位置決めされている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
複数の前記電極それぞれが、複数の前記電極のうち別の電極が接触している前記ユーザの前記身体の場所から隔離されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記バンドが、複数の前記電極それぞれから前記処理デバイスへ信号を送るための導電性チャネルを提供するフレキシブルプリント回路を備えている、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記バンドが、弾性材料から成り、これにより前記バンドの周囲が、前記ユーザの大きさに基づいて調整される、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記ユーザの前記第1の場所が、前記ユーザの左腕又は前記ユーザの右腕に対応しており、
前記ユーザの前記2つ以上の場所それぞれが、前記ユーザの左脚、前記ユーザの右脚、前記ユーザの左手、前記ユーザの右手、又は前記ユーザの胸に対応している、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
複数の前記電極のうち第1の電極が、前記ユーザの前記身体との持続的な接触を維持しており、
前記処理デバイスが、複数の前記電極のうち第2の電極及び第3の電極が前記ユーザの前記身体と接触したとの判定に応答して、前記ユーザの6誘導ECGをとる、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムが、
前記バンドに搭載されていると共に、前記メモリに動作可能に結合されているディスプレイと、
前記ユーザの運動及び前記ユーザの位置を検出するための1つ又は複数の光センサであって、前記バンドに搭載されていると共に、前記メモリ及び前記処理デバイスに動作可能に結合されている1つ又は複数の前記光センサと、
を備えている、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記バンドが、複数の前記電極のうち一の電極として機能する導電性布を備えている、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記処理デバイスが、前記6誘導ECGによって生成される一組のECG波形に基づいて1つ又は複数の診断を決定するように、且つ、トランシーバを介して、1つ又は複数の前記診断を計算デバイスに伝送するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年11月30日に出願された「MULTI-LEAD ELECTRODE PLACEMENT ON A WEARABLE ELECTROCARDIOGRAM DEVICE」という名称の米国特許出願第17/539,164号の利益を主張するものであり、その開示を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、医療デバイス、システム、及び方法に、そして特に、心電図(ECG)モニタリングを提供するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
循環器疾患は世界中で主な死因である。2008年において、世界全体の死亡の30%が心血管疾患に起因するものであった。2030年までに、2300万を超える人々が毎年心血管疾患で死ぬであろうことも見積もられている。心血管疾患は先進諸国及び第三世界諸国の人口全体で同様にまん延しており、社会経済状況にかかわらず人々に影響を与えている。
【0004】
不整脈は、心臓の電気的活動が不規則である、又は通常より速い(頻脈)又は遅い(徐脈)心臓の状態である。多くの不整脈は命にかかわらないが、いくつかは心停止及び突然の心臓死さえ引き起こすことがある。実際、心不整脈は、病院に行くときの最もよくある死因の1つである。心房細動(A-fib)は最もよくある心不整脈である。A-fibにおいて、心臓の心室を通る電気伝導は不規則で乱れている。A-fibは、症状を引き起こさないかもしれないが、しばしば動悸、呼吸困難、失神、胸痛又はうっ血性心不全に関連し、脳卒中のリスクも増大させる。A-fibは通常、対象の心電図(ECG)をとることによって診断される。A-fibを治療するため、患者は、心拍を遅くする又は心臓のリズムを修正する薬を飲むことができる。患者は、脳卒中を防ぐ抗凝固薬を飲むこともでき、又はA-fibを治療する心臓アブレーションを含む外科的介入を受けることさえできる。別の一例において、心筋梗塞(MI)及び虚血を含む、様々なリズム及び形態の状態を解釈することによって、ECGは急性冠症候群(ACS)についての決定サポートを提供することができる。
【0005】
しばしば、A-fib(又は他のタイプの不整脈)の患者は、病気を管理するため長時間監視される。例えば、ホルターモニタ又は他の携行式心電図デバイスを患者に提供して心臓血管系の電気的活動を例えば、少なくとも24時間継続的に監視することができる。このようなモニタリングは、とりわけ急性冠症候群(ACS)のような状態を検出する際に決定的になり得る。
【0006】
入院前ECGは、症状があるとき、ACSの可能性がある患者の治療までの時間を大きく減らすことが分かってきており、より良好な生存率を示している。最初のECGまでの時間は非常に重要であるので、これは幾つかの規制機関によって監視される品質及び性能測定基準である。2015年の国の健康統計によれば、700万を超える人々が胸痛又は関連するACSの症状の主な病気で合衆国(米国)の救急科(ED)を訪問した。米国において、ED訪問は毎年3.2%の割合で増加しており、米国外でED訪問は、毎年3%から7%で増加している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態及び実装形態は、以下に与えられた詳細な説明から、そして本発明の様々な態様及び実装形態の添付の図面から、より完全に理解されるであろう。しかしながら、これらは、本発明を具体的な実施形態又は実装形態に限定するようにとられるべきではなく、説明及び理解のためのみのものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の幾つかの実施形態による、心電図(ECG)波形を示す図である。
図1B】本発明の幾つかの実施形態による、6軸系上に表された12誘導セットを備えた単一の双極心臓モデルを示す図である。
図2A】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスを示す。
図2B】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスを示す。
図2C】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスを示す。
図2D】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスを示す。
図3】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスを示す。
図4】本発明の幾つかの実施形態によるECG監視デバイスのハードウェアブロック図である。
図5】本発明の幾つかの実施形態による、ユーザに取り付けられたECG監視デバイスを示す図である。
図6A】本発明の幾つかの実施形態による、動作中のECG監視デバイスを示す図である。
図6B】本発明の幾つかの実施形態による、動作中のECG監視デバイスを示す図である。
図6C】本発明の幾つかの実施形態による、動作中のECG監視デバイスを示す図である。
図7】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスを用いることによって6誘導ECGを実行するためのフロー図である。
図8】本発明の幾つかの実施形態による、本明細書に記載の動作の1つ又は複数を実行することができる一例の計算デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明はその適用において、次の説明に規定された、構造、実験、例示的なデータ、及び/又は構成要素の配置の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明の実施形態は、他の実施形態の、又は様々な方法で実践又は実行される可能性がある。また、本明細書で使用される用語は説明を目的としており、限定すると見なされるべきではないことが理解されるべきである。
【0010】
本発明の実施形態の次の詳細な説明において、多数の具体的な詳細が、本発明のより完全な理解を提供するために規定されている。しかしながら、本発明内の概念はこれらの具体的な詳細なしで実践することができるということは当業者に明らかであろう。他の例において、不必要に説明を複雑にするのを避けるため、よく知られている特徴は詳細に説明していない。
【0011】
心電図(ECG)は、人の心臓の電気的活動を表す幾つかのECG波形を提供する。ECG監視デバイスは、患者の心臓のECG波形を記録する(本明細書では「ECGをとる」ともいう)ための一組の電極を含むことができる。患者の皮膚は複数の場所で一組の電極と接触することができ、一組の電極における各電極対間で記録された電気信号を誘導と呼ぶことができる。様々な数の誘導を用いてECGをとることができ、異なる数及び組み合わせの電極を用いて様々な誘導を形成することができる。ECGをとるために用いられる誘導の例の数は、1、2、6、及び12誘導である。
【0012】
ECG監視デバイスによって記録されたECG波形(それぞれ1つがECGの1誘導に対応している)は、その人の心臓の電気的活動に対応するデータを含むことができる。典型的な心拍は電位の幾つかの変化を含むことができ、これらは、当該技術において知られているように、とりわけ、P波、QRS群、T波、及びU波を含む、波及び群に分類することができる。異なる言い方をすると、各ECG波は、当該技術において知られているように、とりわけ、P波、QRS群、T波、及びU波を含むことができる。これらの波の形状及び持続時間は、その人の心房の大きさ(例えば、心房拡大を示す)などその人の心臓の様々な特性に関係していることがあり、ある人に特有の心拍特性の第1の源であり得る。心不整脈の検出及び特性評価のような、心臓の事象又は状況を検出するのに有用な様々な指標について(通常は信号の標準的フィルタリング及び「クリーニング」の後)ECG波形を分析することができる。このような指標は、例えば、ECG波形振幅及び形態(例えば、QRS群振幅及び形態)、R波-ST部分及びT波振幅分析、ならびに心拍数変動(HRV)を含むことができる。
【0013】
上記のとおり、ECG波形は、複数の誘導を測定することから生成され(各誘導は異なる電極対によって形成されている)、それぞれの異なる電極対/誘導から得られるECG波形は異なる/独特であり得る(例えば、異なる形態/振幅を有することができる)。これは、様々な誘導が同じ電気的事象を分析することができるが、それぞれ1つが異なる角度からそうすることができるからである。図1Aは、3誘導ECGがとられたとき3誘導(I、II、及びIII)のそれぞれによって検出されたECG波の図105、ならびにQRS群を示す誘導リードIIIによって測定されたECG波形の分解図110を示す。図示のように、誘導リードI~IIIからとられたECG波形の振幅及び形態はすべて異なり、誘導リードIIIによってリード測定されたECG波形が最大振幅を有し、誘導リードIによって測定されたECG波形が最小振幅を有する。
【0014】
電極が患者と接触することができるところについて、異なる「標準」構成がある。例えば、右腕に接触している電極をRAと呼ぶことができる。左腕に接触している電極はLAと呼ぶことができる。RA及びLA電極は、左及び右腕の、好ましくは幾つかの実施形態において手首の近くの同じ場所に接触することができる。脚電極は右脚についてRL及び左脚についてLLと呼ぶことができる。RL及びLL電極は、左及び右脚の、好ましくは幾つかの実施形態において足首の近くの同じ場所に接触することができる。誘導リードIは通常は左腕(LA)と右腕(RA)との間の電圧、例えばI=LA-RAである。誘導リードIIは通常は左脚(LL)と右腕(RA)との間の電圧、例えばII=LL-RAである。誘導リードIIIは通常は左脚(LL)と左腕(LA)との間の電圧、例えばIII=LL-LAである。増高四肢誘導も、RA、RL、LL、及びLAから決定することができる。増高ベクトル右(aVR)誘導はRA-(LA+LL)/2又は-(I+II)/2に等しい。増高ベクトル左(aVL)誘導はLA-(RA+LL)/2又はI-II/2に等しい。増高ベクトル足(aVF)誘導はLL-(RA+LA)/2又はII-I/2に等しい。このように、3つ以上の電極を用いて3つの電圧差(誘導リードI、II、及びIII)を測定し、図4でさらに論ずるように、3つの増高ベクトル(aVR、aVL、及びaVF)を導出することによって、標準電極構成の下で6誘導ECGを得ることができる。
【0015】
一組の3つ以上の誘導を変形して、完全な、12誘導ECGを生成することができるということが留意されるべきである。このような変形は、機械学習モデル(例えば、ニューラルネットワーク、ディープラーニング技術など)を用いて実行することができる。機械学習モデルは、個人の集団に対応する12誘導ECGデータを用いて訓練することができる。データは、機械学習モデルに入力される前に、用途に適した方法でデータをフィルタするように前処理することができる。例えば、1つ又は複数の機械学習モデルを訓練するために用いられる前に、身長、性別、体重、国籍などによってデータを分類し、結果のもの又はモデルが個人の特定のタイプに微調整されるようにすることができる。さらなる一実施形態において、ユーザ自身のECGデータに基づいて機械学習モデルをさらに訓練し、このモデルを微調整及び個人化して、いかなる残存する合成エラーをもさらに減少させることができる。
【0016】
図1Bは、I、II、III、aVR、aVL、aVF、V1、V2、V3、V4、V5、及びV6誘導を含む12誘導セットを備えた単一の双極心臓モデル115を示しており、すべて6軸系上に表されている。心臓モデル115は、サイクル時間で大きさ及び方向を変えるのみである全方向の均一心臓領域を想定する。図1Bに示すように、2つの直交する平面、前頭面及び水平面がある。各平面の内側に、平面全体をカバーする幾つかの誘導がある。前頭面において、2つの独立誘導リードI及びII、及び4つの他の導出誘導リードIII、aVR、aVL、及びaVFがあり、それぞれ30度離れている。前頭面が2つの独立誘導を有する理由は、これらが遠距離場誘導であるということであり、これらのそれぞれはより広い観点をカバーするが、広角カメラレンズのように、詳細はあまり提供しない。水平面において、すべて四肢誘導より心臓に近く、近接場誘導と呼ぶことができる、通常6つの独立誘導がある。同じようにカメラに例えると、近接場誘導は、カバーする視野は少ないが、虚血及び梗塞のような局所的活動により正確に向かうズームレンズのように振る舞うことができる。2つの直交する平面は、ウィルソン中心電極(WCT)と呼ばれる、誘導I&IIによって形成される合成基準点を用いることによって関連させる。これはRA+LA+RL/3と定義されるが、RAの電圧をゼロと見なすことができるように、誘導リードI及びIIの両方がRAを参照して記録されるとすると、WCT(VW)は、RAを誘導リードI&IIの両方について基準として用いて(したがって、これがゼロ電位を有すると仮定する)次のように計算することができる。
誘導リードI+誘導リードII/3
【0017】
本明細書で論ずるように、入院前ECGは治療までの時間を大きく減らすことが分かってきており、より良好な生存率を示しているため、症状があるとき、ACSの可能性がある患者のために可能な限り早く6誘導ECGを獲得することができる。加えて、ホルターモニタのような現在の携行式ECGデバイスは通常大きく、対象が医療関係者の支援なしに取り扱うことが難しい。例えば、ホルターモニタを用いることには、患者が自分の胸の上に大きなデバイスを装着し、複数の電極誘導を自分の胸の上の正確な場所に正確に置くことが要求される。これらの要件により、入浴及びシャワーのような自然の動きを含む、対象の活動が妨げられる。ECGがこのようなデバイスによってとられると、ECGは対象の主治医に送られ、主治医は次いでECG波形を分析して診断及び他の勧告を提供する。現在、このプロセスはしばしば病院管理者及び健康管理組織を通して実行され、多くの患者が適切な方法でフィードバックを受け取っていない。
【0018】
ECGを記録するために既存の移動通信デバイス(例えば、スマートフォン)を用いることができるように、これらを適合させることができるデバイスを含む、幾つかの手持ちECG測定デバイスが知られている。しかしながら、このようなデバイスは、外部(例えば、プラグイン)電極の使用が要求されるか、又は適切に保持して体に適用することが難しい電極をハウジングに含むかのいずれかである。多くのECGモニタはまた(例えば、大きさ及び他の制約のため)四肢誘導を獲得することに限定されている。しかしながら、年をとるにつれて、QRS及びT波ベクトルは次第に前頭面から水平面に移動する可能性があり、したがって水平面誘導からデータを獲得する重要性が増す。
【0019】
本発明の実施形態は、3つの標準ECG誘導を獲得するとともに3つの増高誘導を導出することができるが、電極のための接着剤の使用が要求されない6誘導ECG監視デバイス(以降ECG監視デバイスという)を提供することによって、上記及び他の問題に対処する。ECG監視デバイスは、ユーザ/患者によって用いることができ、ほぼ即時的にユーザにECGデータを提供する。例えば、ECG監視デバイスは、誘導リードI、II、及びIIIを獲得し、誘導aVR、aVL、及びaVFを導出することができる。しかしながら、誘導の任意の他の組み合わせが可能である。ECG監視デバイスは続いて、3つの測定された誘導を用いて12誘導ECGを生成することができる。
【0020】
本明細書で論ずるように、心筋梗塞(MI)及び虚血を含む、ACSを患っている可能性のある患者は、診断までの時間及び治療までの時間を減らすために可能な限り早くECGをとるべきである。本発明の実施形態によるECG監視デバイスは、患者自身の家からACSについて医師に決定サポートを提供することができ、特に医師がACSを疑えば、患者の健康を管理するために必要な頻度で医師がECGテストを命じ、報告書を見るのに便利な方法を提供する。加えて、本発明の実施形態によるECG監視デバイスは、患者が診療所を訪問する不便及び混乱を被るのを防止することができるとともに、医師の診療所でECG技術者を利用するコスト及び時間を節約することができる。
【0021】
図2A及び図2Bは、本発明の幾つかの実施形態によるECG監視デバイス200を示す。ECG監視デバイス200は、ハウジング202(図3にさらに示すような)、バンド205、及びハウジング202及びバンド205の1つ又は複数に搭載された一組の電極210A~210Dを含むことができる。ハウジング202は、ハウジング202の構成要素(本明細書でさらに詳細に論ずる)が、本明細書でさらに詳細に論ずるように、電極210及びバンド205に動作可能に結合されるように、任意の適切な方法でバンド205に搭載することができる。図2A及び図2Bの例において、電極210Aはユーザの第1の場所に接触するようにハウジング202の非ユーザ面側204(ユーザに面していない側)に搭載することができ、電極210Bはユーザの第2の場所に接触するようにハウジング202のユーザ面側203(ユーザに面している側)に搭載することができ、電極210Cはユーザの第3の場所に接触するようにバンド205のユーザ面側203に搭載することができ、そして電極210Dはバンド205のユーザ面側203に搭載することができ、基準電極として作用することができる。図2A及び図2Bは例示的であり、各電極210が、別の電極210が接触しているユーザの体の一部から隔離されている限り、バンド205及び/又はハウジング202のユーザ面203又は非ユーザ面側204の任意の適切な場所に電極210のそれぞれを配置することができるということが留意されるべきである。図2A及び図2Bの例において、電極210Aは左腕(LA)電極とすることができ、電極210Bは右腕(RA)電極とすることができ、電極210Cは左脚(LL)電極とすることができ、そして電極210Dは基準電極とすることができる。幾つかの実施形態において、電極210Aは左腕(LA)電極とすることができ、電極210Bは右腕(RA)電極とすることができ、そして電極210C及び210Dのいずれか又は両方を左脚(LL)電極又は右脚(RL)電極とすることができる。
【0022】
図2Aに示すように、ハウジング202は縁が湾曲した矩形の形状にすることができるが、これは単に例であり、ハウジング202は、任意の適切な形状で、そして任意の適切な材料を用いて実装又は実現することができる。ECG監視デバイス200の電極210のそれぞれは、ステンレス鋼又は任意の他の適切な材料で作製し、任意の適切な形状で実現することができる。また、窒化チタンのような、1つ又は複数のセラミックコーティングを電極210のそれぞれに実装して、耐食性及び耐摩耗性の両方をサポートすることによって電極210をより持続的にすることに加えて、見た目上の目的のために電極を同じ又は異なる色にすることができる。例えば、電極210A、210Bをスチールブルーカラーで見ることができ、電極210C、210Dをライトグリーンカラーで見ることができる。例示及び説明を容易にするために4つの電極210A、210B、210C、及び210Dで例示するが、本発明の実施形態はこのように限定されず、(任意の適切な数の誘導を形成する)任意の適切な数の電極を利用することができる。ハウジング202及び/又はバンド205のユーザ面側203又は非ユーザ面側204のいずれかに追加の電極を搭載することができる。例えば、時計ベゼル又は時計クラウンなどの形状をとりながら、ハウジング202上に電極をさらに搭載することができる。別の一実施形態において、ECG監視デバイス200は、継続的なECGモニタリングを容易にする又は便宜上のための1つ又は複数の追加の電極(例えば胸ストラップを介した)のための1つ又は複数の外部コネクタを受けるプラグイン(図示せず)を含むことができる。
【0023】
図2Cは、ハウジング202が、ハウジング202のユーザ面側203に搭載された電極210Bと、両方ともハウジング202の非ユーザ面側204に搭載された電極210A1及び電極210A2と、を含む3つの電極を含む、本発明の幾つかの実施形態によるECG監視デバイス200を示す。本明細書で上記論じたように、バンド205のユーザ面側203に電極210Cを搭載することができる。
【0024】
図2Dは、本発明の幾つかの実施形態によるECG監視デバイス200を示す。ECG監視デバイス200は、ハウジング202のユーザ面側203に搭載された電極210B、ハウジング202の非ユーザ面側204に搭載された電極210A、及びバンド205のユーザ面側203に搭載された電極210Cを含む、3つの電極を含むことができる。図2Dの例において、電極210Aは左腕(LA)電極とすることができ、電極210Bは右腕(RA)電極とすることができ、電極210Cは左脚(LL)電極とすることができる。幾つかの実施形態において、電極210Cは、非標準構成ECGをとるように胸(例えば、V2)電極とすることができる。
【0025】
図3は、ハウジング202の分解図及びバンド205の内部図でECG監視デバイス200を示す。図3に見られるように、バンド205は、一組の電極210のそれぞれによって生成されるアナログ信号をハウジング202に送ることができる導電性チャネルを提供する、例えば、熱可塑性ポリウレタン材料又は任意の他の適切な材料を含むオーバーモールド(図示せず)を備えたフレキシブルプリント回路206を含むことができる。フレキシブルプリント回路206は、バンド205内に(例えば、バンド205の内側の空洞に)配置することができ、バンド205及びハウジング202に搭載されている電極210のそれぞれに結合する(及びこれによってこれらの間の導電経路を形成する)ことができる。バンド205は、バンド205に搭載されている電極210によって生成されるアナログ信号のために適切な遮蔽を提供するであろう任意の適切な材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、バンド205は、様々な異なる大きさのユーザに合うようにバンド205の周囲を調整することが可能になる弾性特性も有する材料を含むことができる。バンド205の周囲は、例えば、ユーザの手首、二頭筋、足首、腿、胸、胸部、額などを含むデバイス200の幾つかの取り付け場所のいずれかに対応することができる。このように、バンド205は、柔軟でありながら、依然として電極210によって生成されるアナログ信号のために十分な遮蔽を備えた電気経路/導電性チャネルを提供することができる。例示的な目的のために特定の方法で示されているが、バンド205は、任意の適切な形状又は色で、そして任意の適切な材料を用いて実装又は実現することができるということが留意されるべきである。
【0026】
幾つかの実施形態において、バンド205は、バンド205が一組の電極210の1つ又は複数(例えば、電極210C又は210D)又は追加の電極として機能することが可能になる導電性布を含むことができる。一例において、バンド205全体が、ユーザ面側203及び非ユーザ面側204の両方で導電性であることができ(例えば、電極210A又は電極210C及び210Dとして、例えば機能する導電性布を含むことができ)、これにより、バンド205のユーザ面側203及び非ユーザ面側204の1つ又は複数を電極として作用させることができる。これらの実施形態において、バンド205は、バンド205に搭載されている電極210のいずれ(例えば、210C及び210D)からも適切な隔離/分離を維持する追加の遮蔽を含むことができる。このように、ECG監視デバイス200が装着されている間、電極との接触が常に作製され、ECG監視デバイス200は、他の電極210のいずれかが接触されたことを検出したことに応答して記録を開始することができる。
【0027】
図3において、ハウジング202は、本明細書で説明する機能のいくつかを実行するハウジング202内の構成要素を示すために分解図で示されている。図3の例において、ハウジング202は、図4にさらに説明するように、ディスプレイユニット410、処理デバイス406、メモリ407、トランシーバ408、及び電極210A及び210Bのようなハードウェアを含むことができる。
【0028】
図4は、処理デバイス406(例えば、プロセッサ、中央処理ユニット(CPU))、メモリ407(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ストレージデバイス(例えば、ハードディスクドライブ(HDD))、ソリッドステートドライブ(SSD)など)、及び他のハードウェアデバイス(例えば、アナログデジタル変換器(ADC)など)のようなハードウェアを含むことができるハウジング202のハードウェアブロック図を示す。ストレージデバイスは、データを格納することができる永続ストレージを含むことができる。永続ストレージはローカルストレージユニット又はリモートストレージユニットとすることができる。永続ストレージは、磁気ストレージユニット、光ストレージユニット、ソリッドステートストレージユニット、電子ストレージユニット(メインメモリ)、又は同様のストレージユニットとすることができる。永続ストレージはモノリシック/単一デバイス又は一組の分散型デバイスとすることもできる。幾つかの実施形態において、処理デバイス406は、組み込み誘導オフ検出を提供する専用のECG波形処理及び分析チップを含むことができる。ハウジング202は、処理デバイス406による処理のため、一組の電極210によって測定されたアナログ信号をデジタル信号に正確に変換するために十分高いサンプリング周波数を有するADC(図示せず)(例えば、500Hz以上で動作する24bitのADC)を含むことができる。
【0029】
メモリ407は、誘導合成ソフトウェアモジュール407A(以降モジュール407Aという)及びECG波形解釈ソフトウェアモジュール407B(以降モジュール407Bという)を含むことができる。処理デバイス406は、本明細書でさらに詳細に論ずるように、ECG監視デバイス200の電極によって測定されなかった誘導に対応するECG波形を合成するようにモジュール407Aを実行することができる。処理デバイス406は、本明細書でさらに詳細に論ずるように、測定及び合成されたECG波形に基づいて診断解釈を生成するようにモジュール407Bを実行することができる。
【0030】
ハウジング202は、ディスプレイユニット410(例えば、他の情報の中でもECGデータを表示するとともに、ECGがとられるべき、又はとられているとき、ユーザに通知するLCDタッチスクリーン又はAMOLEDディスプレイ)、及び1つ又は複数のローカル及び/又はリモート計算デバイス(図示せず)にワイヤレスでECGデータを伝送するために任意の適切なプロトコルを実装することができるトランシーバ408をさらに含むことができる。例えば、トランシーバ408は、Bluetooth(商標)を介してローカル計算デバイス(例えば、ユーザのラップトップ又はスマートフォン)にECGデータを伝送するためのBluetoothチップを含むことができる。他の実施形態において、トランシーバ408は、リモート計算デバイス(例えば、医師又は医療従事者の計算デバイス)及び/又はローカル計算デバイスにECGデータを伝送するため、セルラーデータネットワーク(例えば、GSM、GSMプラスEDGE、CDMA、クアッドバンド、又は他のセルラープロトコルを用いた)又はWiFi(例えば、802.11プロトコル)ネットワークと接続するように構成されたネットワークインターフェイスデバイス(図示せず)を含む(又はこれに結合する)ことができる。
【0031】
図4は、電極210A、210B、210Cによって形成される3つの誘導リードI、II、及びIIIを示しており、誘導リードI、II、及びIIIは、ECGをとるとき、それぞれ電極210Aと210B、210Aと210C、及び210Bと210Cとの間で測定される電気信号に対応している。図4は、また、処理デバイス406(モジュール407Aを実行する)によって導出される3つの誘導、すなわち、RA-(LA+LL)/2又は-(I+II)/2に等しい増高ベクトル右(aVR)誘導、LA-(RA+LL)/2又はI-II/2に等しい増高ベクトル左(aVL)誘導、及びLL-(RA+LA)/2又はII-I/2に等しい増高ベクトル足(aVF)誘導を示す。例示及び説明を容易にするため、aVR、aVL、aVFという3つの導出誘導で示しているが、本発明の実施形態はこのように限定されず、モジュール407Aを実行することによって任意の適切な数の誘導(例えば、任意の適切な数のV誘導/胸部誘導)を、測定された誘導から導出することができる。
【0032】
図5は、本発明の幾つかの実施形態によるユーザの左手首に取り付けられたECG監視デバイス200を示す。ECG監視デバイス200がユーザに取り付けられている間、これは、ハウジング202又はバンド205に配置された加速度計(図示せず)の使用を通してユーザの体の位置及び運動を絶えず検出及び記録するとともに、パルスオキシメトリセンサ(図示せず)の使用を通してユーザの脱酸化及び酸化ヘモグロビンを測定及び記録することができる。ECG監視デバイス200がユーザに取り付けられている間、例えば血液循環の容積変動を測定するフォトプレチィスモグラフィ(PPG)を用いて、心拍データを測定及び記録するように、ハウジング202又はバンド205に配置された光センサ(図示せず)を実装することもできる。ECG監視デバイス200は、例えば、不整脈を検出すると、ハウジング202を介して振動を提供すること、又はディスプレイ410上の映像を介してもしくは音を介してユーザに警告することによって、ECGをとるようユーザに促すこともできる。幾つかの実施形態において、ECG監視デバイス200は防水とすることができる。
【0033】
図6Aは、ECG監視デバイス200(例えば、図2A又は図2Dに描かれたような)が3誘導するECG(誘導リードI、II、及びIII)をとり、続いて処理デバイス406(モジュール407Aを実行する)によって導出誘導aVR、aVL、aVFを生成することができる標準構成を用いて動作中のECG監視デバイス200を示す。ECGをとるため、ユーザはユーザの右手の指を電極210B(RA電極)に置きながら同時に電極210Cをユーザの左脚(LL電極)に接触させることができる。図6Aに描かれるようにECG監視デバイス200を装着することによって、ユーザはすでに電極210A(LA電極)をユーザの左手首と接触させている。電極210Dは基準電極として機能することができ、ユーザが接触する必要はないが(この画像に描かれるように)、アクセス性がより容易であれば、ユーザは、電極210C(LL電極)がユーザの左脚に接触している間、ユーザの右脚(RL)を電極210D(RL電極)に対して置いて非標準構成を追求することを決めることができる。別の一実施形態において、電極210Dを用いるよりむしろ、ECG監視デバイス200は、1つ又は複数の外部電極(ユーザの胸又は右脚に対するような)のための1つ又は複数の外部コネクタを受けるプラグインを含むことができる。
【0034】
ECG監視デバイス200はユーザの標準構成で3誘導ECGをとることができる(処理デバイス406を利用して、電極210によって生成された信号を測定すると同時に誘導リードI、II、及びIIIを記録することによって)。処理デバイス406は続いて、本明細書の上で論じたようにモジュール407Aを実行することによって任意の数の追加の誘導を導出することができる。例えば、モジュール407Aの実行により、処理デバイス406に、aVR、aVL、及びaVF誘導を、そして次いでV1、V2、V3、V4、V5、及びV6誘導を、I、II、III、aVR、aVL、及びaVF誘導に基づいて、誘導変換MLモデル(例えば、状態空間モデル変形又はニューラルネットワーク)を用いて合成させて、標準12誘導ECGを再構築することができる。ユーザに絶えず電極210Aとの接触を維持してもらうことによって、他の電極がユーザと接触するとき、処理デバイス406は記録を時間整列させることができる。幾つかの実施形態において、処理デバイス406(又はメモリ407)は、誘導リードI、II、及びIIIを記録すると自動的にaVR、aVL、及びaVF誘導を導出するファームウェア/ロジックを含むことができ、任意選択でモジュール407Aを実行して任意の適切な数のV誘導を合成することができる。
【0035】
処理デバイス406は次いで、完全な12誘導ECG波形セットを分析してこれに基づいて解釈MLモデルを用いて1つ又は複数の解釈(本明細書では診断ともいう)を生成するためにモジュール207Bを実行することができる。解釈MLモデルは任意の適切なアルゴリズム、例えばGE(商標)のEK12アルゴリズムに基づくものとすることができる。処理デバイス406は、とりわけ、心筋虚血(前壁又は側壁虚血)、MI(前壁又は側壁MI)、左及び右脚ブロック、及び右/左室肥大のような状態を検出(及びこれらを示す解釈を生成)することができる。
【0036】
図6Bは、バンド205が電極として機能する(例えば、図3に描かれるように)本発明の幾つかの実施形態による、標準構成を用いて動作中のECG監視デバイス200を示す。ECG監視デバイス200は3誘導ECG(誘導リードI、II、及びIII)をとり、続いて処理デバイス406(モジュール407Aを実行する)によって導出誘導aVR、aVL、aVFを生成することができる。ECGをとるため、ユーザはユーザの右手の指を電極210B(RA電極)に置きながら同時にバンド205をユーザの左脚(LL電極)と接触させることができる。図6Bに描かれるようにECG監視デバイス200を装着することによって、ユーザはすでに電極210A(LA電極)をユーザの左手首と接触させている。別の一実施形態において、ユーザはユーザの右手首にECG監視デバイス200を装着することができ、結果ユーザは電極210A(RA電極)をユーザの右手首と接触させている。ユーザは続いてユーザの左手の指を電極210B(LA電極)に置きながら同時にバンド205をユーザの左脚(LL電極)又は非標準構成ではユーザの右脚(RL電極)に置くことができる。
【0037】
ECG監視デバイス200はユーザの標準構成で3誘導ECGをとることができる(処理デバイス406を利用して、電極210及びバンド205によって生成された信号を測定すると同時に誘導リードI、II、及びIIIを記録することによって)。処理デバイス406は続いて、本明細書の上で論じたようにモジュール407Aを実行することによって任意の数の追加の誘導を導出することができる。例えば、モジュール407Aの実行により、処理デバイス406に、aVR、aVL、及びaVF誘導を、そして次いでV1、V2、V3、V4、V5、及びV6誘導を、I、II、III、aVR、aVL、及びaVF誘導に基づいて、誘導変換MLモデル(例えば、状態空間モデル変形又はニューラルネットワーク)を用いて合成させて、標準12誘導ECGを再構築することができる。ユーザに絶えず電極210Aとの接触を維持してもらうことによって、他の電極がユーザと接触するとき、処理デバイス406は記録を時間整列させることができる。幾つかの実施形態において、処理デバイス406(又はメモリ407)は、誘導リードI、II、及びIIIを記録すると自動的にaVR、aVL、及びaVF誘導を導出するファームウェア/ロジックを含むことができ、任意選択でモジュール407Aを実行して任意の適切な数のV誘導を合成することができる。
【0038】
処理デバイス406は次いで、完全な12誘導ECG波形セットを分析してこれに基づいて解釈MLモデルを用いて1つ又は複数の解釈(本明細書では診断ともいう)を生成するためにモジュール207Bを実行することができる。解釈MLモデルは任意の適切なアルゴリズム、例えばGEのEK12アルゴリズムに基づくものとすることができる。処理デバイス406は、とりわけ、心筋虚血(前壁又は側壁虚血)、MI(前壁又は側壁MI)、左及び右脚ブロック、及び右/左室肥大のような状態を検出(及びこれらを示す解釈を生成)することができる。
【0039】
図6Cは、ユーザの非標準構成を用いて動作中のECG監視デバイス200を示す。ECG監視デバイス200(例えば、図2A又は図2Dに描かれたような)は3誘導ECGをとることができる(処理デバイス406を利用して、電極210によって生成された信号を測定すると同時に誘導リードI、II、及びV2を記録することによって)。処理デバイス406は続いて、本明細書の上で論じたようにモジュール407Aを実行することによって、誘導III、aVR、aVL、aVFを導出することができる。ECGをとるため、ユーザはユーザの右手の指を電極210B(RA電極)に置きながら同時に、図1Bに描かれるように、電極210DがV2位置と接触するようにユーザの胸にECG監視デバイス200を押しつけることができる。電極210Dは、ECG監視デバイス200が誘導リードV2を記録することを促進するようにユーザの胸のV2位置に接触することができる。しかしながら、ECG監視デバイス200をユーザの胸の他の場所に置いて、誘導リードV2を記録するのみであることとは対照的に、異なるV誘導を記録することを促進することができる。電極210Cは基準電極として機能することができ、ユーザが接触する必要はないが(この画像に描かれるように)、ユーザは「標準」構成のためにユーザの左脚を電極210C(LL電極)に対して、又は非標準構成のためにユーザの右脚を電極210C(RL電極)に対して置くことを決めることができる。図6Cに描かれるようにECG監視デバイス200を装着することによって、ユーザはすでに電極210A(LA電極)をユーザの左手首と接触させている。別の一実施形態において、電極210Cを用いるよりむしろ、ECG監視デバイス200は、1つ又は複数の外部電極(ユーザの左脚又は右脚に対するような)のための1つ又は複数の外部コネクタを受けるプラグインを含むことができる。
【0040】
ECG監視デバイス200はユーザの非標準構成で3誘導ECGをとることができる(処理デバイス406を利用して、電極210によって生成された信号を測定すると同時に誘導リードI、II、V2を記録することによって)。処理デバイス406は続いて、本明細書の上で論じたようにモジュール407Aを実行することによって任意の数の追加の誘導を導出することができる。例えば、モジュール407Aの実行により、処理デバイス406に、aVR、aVL、及びaVF誘導を、そして次いでV1、V2、V3、V4、V5、及びV6誘導を、I、II、III、aVR、aVL、及びaVF誘導に基づいて、誘導変換MLモデル(例えば、状態空間モデル変形又はニューラルネットワーク)を用いて合成させて、標準12誘導ECGを再構築することができる。ユーザに絶えず電極210Aとの接触を維持してもらうことによって、他の電極がユーザと接触するとき、処理デバイス406は記録を時間整列させることができる。幾つかの実施形態において、処理デバイス406(又はメモリ407)は、誘導リードI、II、及びIIIを記録すると自動的にaVR、aVL、及びaVF誘導を導出するファームウェア/ロジックを含むことができ、任意選択でモジュール407Aを実行して任意の適切な数のV誘導を合成することができる。
【0041】
処理デバイス406は次いで、完全な12誘導ECG波形セットを分析してこれに基づいて解釈MLモデルを用いて1つ又は複数の解釈(本明細書では診断ともいう)を生成するためにモジュール207Bを実行することができる。解釈MLモデルは任意の適切なアルゴリズム、例えばGEのEK12アルゴリズムに基づくものとすることができる。処理デバイス406は、とりわけ、心筋虚血(前壁又は側壁虚血)、MI(前壁又は側壁MI)、左及び右脚ブロック、及び右/左室肥大のような状態を検出(及びこれらを示す解釈を生成)することができる。
【0042】
図7は、本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイス200を用いてユーザのECGをとるための方法700のフロー図である。方法700は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、プロセッサ、処理デバイス、中央処理ユニット(CPU)、「システムオンチップ」(SoC)など)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で実行/実施される命令)、ファームウェア(例えば、マイクロコード)、又はこれらの組み合わせを含むことができるロジックを処理することによって実行することができる。方法700はECG監視デバイス200によって実行することができる(例えば、処理デバイス406を利用して、電極210によって生成された信号を測定すると同時に誘導を記録することによって)。
【0043】
ブロック705で、ECG監視デバイス200の複数の電極の第1の電極がユーザの体との持続的な接触を維持することができる。一例として、電極210Aはユーザの左手首(LA)又は右手首(RA)のいずれかとの持続的な接触を維持することができる。
【0044】
ブロック710で、ECG監視デバイス200の複数の電極の第2及び第3の電極又はECG監視デバイス200の複数の電極の第2、第3、及び第4の電極が、ユーザの体に接触する。例えば、図6A図6C及び対応する説明を参照されたい。1つ又は複数の追加の電極のための1つ又は複数の外部コネクタにより、ECG監視デバイス200は、プラグインを介して、電極によって生成されたアナログ信号を受け取ることが可能になり、継続的なECGモニタリングを促進することができる。
【0045】
ブロック715で、ECG監視デバイス200の処理デバイス406は、複数の電極のそれぞれが、複数の電極の別の電極が接触しているユーザの体の場所から隔離されていることを判定することができる。
【0046】
ブロック720で、ECG監視デバイス200の処理デバイス406は、電極210によって生成された信号を測定すると同時に誘導リードI、II、及びIIIを記録することによって、ユーザのECGを実行することができる。処理デバイス406は続いて、本明細書の上で論じたようにモジュール407Aを実行することによって、誘導aVR、aVL、aVFを導出することができる。増高ベクトル右(aVR)誘導はRA-(LA+LL)/2又は-(I+II)/2に等しく、増高ベクトル左(aVL)誘導はLA-(RA+LL)/2又はI-II/2に等しく、そして増高ベクトル足(aVF)誘導はLL-(RA+LA)/2又はII-I/2に等しい。また、処理デバイス406は次いでモジュール407Aを実行して、I、II、III、aVR、aVL、及びaVF誘導に基づいて、誘導変換MLモデル(例えば、状態空間モデル変形又はニューラルネットワーク)を用いて、V1、V2、V3、V4、V5、及びV6誘導を合成して、標準12誘導ECGを再構築することができる。処理デバイス406は次いで、完全な12誘導ECG波形セットを分析してこれらに基づいて解釈MLモデルを用いて1つ又は複数の解釈(本明細書では診断ともいう)を生成するためにモジュール207Bを実行することができる。解釈MLモデルは任意の適切なアルゴリズム、例えばGEのEK12アルゴリズムに基づくものとすることができる。処理デバイス406は、とりわけ、心筋虚血(前壁又は側壁虚血)、MI(前壁又は側壁MI)、左及び右脚ブロック、及び右/左室肥大のような状態を検出(及びこれらを示す解釈を生成)することができる。ECG監視デバイス200は次いで、ECGによって生成された一組のECG波形に基づいて1つ又は複数の診断を決定し、トランシーバ408を介して、1つ又は複数の診断をユーザ又は医師の検討のために計算デバイスに伝送することができる。
【0047】
図8は、コンピュータシステム800という例の形態の機械の図表示を示し、この中に、ユーザの6誘導ECGをとるための本明細書で論じた方法論の任意の1つ又は複数をこの機械に実行させるための命令がある。
【0048】
代替の実施形態において、この機械は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットで他の機械に接続する(例えば、ネットワークで)ことができる。この機械は、クライアントサーバネットワーク環境でサーバ又はクライアントマシンの容量で、又はピアツーピア(又は分散型)ネットワーク環境でピアマシンとして動作することができる。この機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、ハブ、アクセスポイント、ネットワークアクセス制御デバイス、又はその機械によってとられるべき行動を指定する一組の命令(連続的又は他の方法)を実行することができる任意の機械とすることができる。さらに、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語は、本明細書で論ずる方法論の任意の1つ又は複数を実行する一組(又は複数組)の命令を個々に又は共同で実行する機械の任意の集合を含むようにもとられるべきである。一実施形態において、コンピュータシステム800はサーバを表すことができる。
【0049】
例示的なコンピュータシステム800は、処理デバイス802、メインメモリ804(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、スタティックメモリ806(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及びデータストレージデバイス818を含み、これらはバス830を介して互いに通信する。本明細書に記載の様々なバスにわたって提供される信号のいずれも、他の信号と時間多重化して1つ又は複数の共通のバスにわたって提供することができる。加えて、回路部品又はブロック間の相互接続はバスとして又は単一信号線として示すことができる。バスのそれぞれは、代替的に1つ又は複数の単一信号線とすることができ、単一信号線のそれぞれは、代替的にバスとすることができる。
【0050】
計算デバイス800は、ネットワーク820と通信することができるネットワークインターフェイスデバイス808をさらに含むことができる。計算デバイス800はまた、ビデオディスプレイユニット810(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス812(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス814(例えば、マウス)及び信号生成デバイス815(例えば、スピーカ)を含むことができる。一実施形態において、ビデオディスプレイユニット810、英数字入力デバイス812、及びカーソル制御デバイス814は、単一のコンポーネント又はデバイス(例えば、LCDタッチスクリーン)へと組み合わせることができる。
【0051】
処理デバイス802は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなどのような1つ又は複数の汎用の処理デバイスを表す。より具体的には、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサとすることができる。処理デバイス802はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどのような1つ又は複数の専用目的処理デバイスとすることができる。処理デバイス802は、本明細書で論ずる動作及びステップを実行するため、6誘導ECG命令822を実行するように構成されている。
【0052】
データストレージデバイス818は機械可読記憶媒体828を含むことができ、これに、本明細書に記載の機能の方法論の任意の1つ又は複数を具現化している1つ又は複数組の6誘導ECG命令822(例えば、ソフトウェア)が格納されている。6誘導ECG命令822は、コンピュータシステム800によるその実行中、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ804内又は処理デバイス802内にあることもでき、メインメモリ804及び処理デバイス802も機械可読記憶媒体を構成している。6誘導ECG命令822はネットワークインターフェイスデバイス808を介してネットワーク820にわたってさらに送信又は受信することができる。
【0053】
機械可読記憶媒体828を例示的な一実施形態において単一の媒体であるように示しているが、「機械可読記憶媒体」という用語は、1つ又は複数組の命令を格納する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むようにとられるべきである。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を格納するための任意の機構を含む。機械可読媒体は、磁気記憶媒体(例えば、フロッピーディスク)、光記憶媒体(例えば、CD-ROM)、光磁気記憶媒体、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラム可能メモリ(例えば、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリ、又は電子的命令を格納するのに適切な別のタイプの媒体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0054】
先の説明は、本発明の幾つかの実施形態の良好な理解を提供するため、具体的なシステム、構成要素、方法などの例のような多数の具体的な詳細を規定している。しかしながら、本発明の少なくとも幾つかの実施形態はこれらの具体的な詳細なしで実践することができるということが、当業者に明らかであろう。他の例において、不必要に本発明を不明瞭にするのを避けるため、よく知られている構成要素又は方法は詳細に説明されず、又は単純なブロック図形式で提示されている。このように、規定された具体的な詳細は単なる例示である。特定の実施形態がこれらの例示的な詳細から異なることがあるが、依然として本発明の範囲内にあると考えられる。
【0055】
加えて、幾つかの実施形態は、機械可読媒体が複数のコンピュータシステムに格納され及び又はこれによって実行される分散型コンピューティング環境で実践することができる。加えて、コンピュータシステム間で転送される情報を、コンピュータシステムを接続している通信媒体を横切って引く又は押すことができる。
【0056】
特許請求された主題の実施形態は、本明細書に記載の様々な動作を含むが、これらに限定されない。これらの動作は、ハードウェアコンポーネント、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実行することができる。
【0057】
本明細書の方法の動作を特定の順番で図示及び説明しているが、幾つかの動作を逆の順番で実行することができるように、又は特定の動作を、少なくとも部分的に、他の動作と同時に実行することができるように、各方法の動作の順番を変えることができる。別の一実施形態において、別個の動作の命令又はサブ動作を断続的又は交互にすることができる。
【0058】
要約書に記載されているものを含む、本発明の例示された実装形態の上記説明は、網羅的であること、又は開示された正確な形態に本発明を限定することを意図されていない。本発明の具体的な実装形態、及び例が例示の目的で本明細書に記載されているが、関連技術における当業者が認識するであろうように、様々な等価の修正が本発明の範囲内で可能である。「例」又は「例示的」という単語は本明細書で、例、事例、又は例示として機能することを意味するために用いられている。「例」又は「例示的」として本明細書に記載されたいかなる態様又は設計も必ずしも、他の態様又は設計に対して好ましい又は有利であるとして解釈されるべきではない。むしろ、「例」又は「例示的」という単語の使用は、具体的なやり方で概念を提示するように意図されている。本出願で用いられるとき、「or」という用語は、排他的な「or」というよりむしろ包括的な「or」を意味するように意図されている。すなわち、他に指定されない、又は文脈から明らかでない限り、「XはA又はBを含む」は、自然の包括的な順列のいずれをも意味するように意図されている。すなわち、XがAを含む、XがBを含む、又はXがA及びBの両方を含む場合、「XはA又はBを含む」は前述の例のいずれの下でも満たされている。加えて、本出願及び添付の請求項で用いられるような「a」及び「an」という冠詞は概して、他に指定されない、又は単数形を指すことが文脈から明らかでない限り、「1つ又は複数」を意味すると解釈されるべきである。また、全体を通しての「ある実施形態」又は「一実施形態」又は「ある実装形態」又は「一実装形態」という用語の使用は、そのように記載されない限り、同じ実施形態又は実装形態を意味するように意図されていない。さらに、本明細書で用いられるような用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などは、異なる要素間で区別する標識として意味されており、必ずしもその数の指定による序数の意味を有するとは限らない。
【0059】
上記開示された及び他の特徴及び機能の変形例、又はその代替例を、他の多くの異なるシステム又は用途へと組み合わせることができるということが理解されるであろう。様々な現在予見されない又は予測されない代替例、修正例、変形例、又はその改良が、続いて当業者によってなされる可能性があり、これらも次の請求項によって包含されるように意図されている。請求項は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせにおいて実施形態を包含することができる。
【符号の説明】
【0060】
115 単一の双極心臓モデル
200 ECG監視デバイス
202 ハウジング
203 ユーザ面側
204 非ユーザ面側
205 バンド
206 フレキシブルプリント回路
210 電極
406 処理デバイス
407 メモリ
407A 誘導合成ソフトウェアモジュール
407B ECG波形解釈ソフトウェアモジュール
408 トランシーバ
410 ディスプレイユニット
800 コンピュータシステム、計算デバイス
802 処理デバイス
804 メインメモリ
806 スタティックメモリ
808 ネットワークインターフェイスデバイス
810 ビデオディスプレイユニット
812 英数字入力デバイス
814 カーソル制御デバイス
815 信号生成デバイス
818 データストレージデバイス
820 ネットワーク
822 6誘導ECG命令
828 機械可読記憶媒体
830 バス
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
【外国語明細書】