(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081393
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】レバーハンドルの回転で銃弾の装填と薬莢の排出を行う銃
(51)【国際特許分類】
F41A 9/47 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
F41A9/47
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023067466
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】591184596
【氏名又は名称】欠田 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】欠田 俊幸
(57)【要約】
【課題】銃を把持する片手だけで遊底を揺動して銃弾の装填と薬莢の排出を行うことができる銃を提供する。
【解決手段】銃尾に配された遊底を銃身軸方向に揺動することで、薬室に銃弾を装填し、薬室から薬莢を排出する方式の銃において、銃把の側面にレバーハンドルを備え、レバーハンドルの回転が遊底の揺動と連動することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銃尾に配された遊底を、銃身軸方向に揺動することで、薬室に銃弾を装填し、薬室から薬莢を排出する方式の銃において、銃把の側面にレバーハンドルを備え、前記レバーハンドルの回転が前記遊底の揺動と連動することを特徴とする、レバーハンドルの回転で銃弾の装填と薬莢の排出を行う銃。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銃の遊底に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊底自体を、又は遊底と一体化したレバーやトグルアクションと呼ばれるリンクを手で操作して遊底を銃身軸方向に揺動する方式があったが、いずれも銃を把持する手とは別の手で操作する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
銃を把持する片手だけで遊底を銃身軸方向に揺動して、銃弾の装填と薬莢の排出を行うことができる銃を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達する為、レバーハンドルの回転で銃弾の装填と薬莢の排出を行う銃は、銃尾に配された遊底を銃身軸方向に揺動することで、薬室に銃弾を装填し、薬室から薬莢を排出する方式の銃において、銃把の側面にレバーハンドルを備え、レバーハンドルの回転が遊底の揺動と連動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
銃把の側面に備えたレバーハンドルを、銃を把持する手の親指で押し下げて一定角度回転させ、親指を離し、付勢によって元の位置に戻すことによって、連動する遊底を銃身軸方向に揺動させ、銃を把持する片手だけで銃弾の装填と薬莢の排出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
図は本装置の特徴であるレバーハンドルの回転に連動して遊底が揺動し、銃弾を装填し、薬莢を排出する構造だけを説明用に単純化したものであり、撃発機構や遊底とレバーハンドルを元の位置に戻すよう付勢するバネ等、既知の技術は省略している。
レバーハンドルの回転と遊底の揺動は連動すればよく、図はリンク構造となっているが、ピニオンラック等でもよく、リンク構造には限定しない。
【0008】
レバーハンドルとは、梃子の原理で軸を回転させるため、回転軸にバーの一端を固定し、バーの他端を回転軸に直交する面上で回転軸から遠ざかる方向に延長した形状の取っ手である。
本装置では、レバーハンドルの回転軸を銃の左右方向に向けて、銃把の片側の側面の上部に配置し、その回転軸から銃把の同側面の前方上方に向けてバーを延長している。
レバーハンドルの回転軸は、銃を把持する手の親指の付け根の下付近に位置し、レバーハンドルは、その親指の下に平行するよう配置されている。
レバーハンドルと遊底は、遊底が後退するようバネで付勢されている。
【0009】
図2のレバーハンドルを親指で押し下げて一定角度回転させると、リンクabcを介して連動する遊底が前進して弾倉の銃弾を薬室に装填し、
図1の状態となる。
この時、
図1のようにピンジョイントリンクが直線となって死点を構成する、又はストッパーが働く等の機構で、遊底が後退しないようにその位置を固定した後、銃を把持する同じ手の人差し指でトリガーを引いて撃発する。
さらには、レバーハンドルを押し下げ、前進した遊底の位置が固定された状態でのみトリガーを引くことができるインターロック機構とすることもできる。
さらには、トリガーの引き始めの初期移動で、レバーハンドルを押し下げた位置でロックし、撃発時にレバーハンドルの位置を固定するインターロック機構とすることもできる。撃発後、人差し指を戻すとトリガーが戻り、レバーハンドルの位置ロックが解除され、親指を上げると付勢によってレバーハンドルが戻り、連動する遊底が後退して、薬室の薬莢を排出して次の銃弾を装填できる
図2の状態となる。
付勢の力だけで戻らない場合は、レバーハンドルを押し上げることで、薬莢を強制排出することもできる。
【0010】
本装置の特徴としては、従来の方式に比べて片手だけで操作できる。
銃を目標物に向けて把持したまま親指を動かすだけで銃弾の装填、薬莢の排出ができる。撃発時の後退圧力を利用したオートマチックに比べて、速射性では劣るが、装填、排莢での動作不良が少なく、不発でも片手だけの操作で強制排莢、再装填ができる。
実際にはレバーハンドルが押し下げられ、遊底が前進した位置の形状で銃がホルスターに嵌合する、またはその状態を保持する機構を設けて、ホルスターから抜く、又は保持機構を解除することで遊底が後退し、銃を目標物に向ける過程あるいは向けてからレバーハンドルを押し下げて銃弾を装填すれば、携行時に暴発の危険がない。
銃を目標に向けて、トリガーに指を掛けていても、意図的にレバーハンドルを押し下げて銃弾を装填しない限り暴発の危険がない。
親指でレバーハンドルを押し下げて銃弾を装填する動作はオートマチックの銃を構えて、もう一方の手で遊底を引いて銃弾を装填する動作より早い。
銃把を握る手の親指は、横方向に抑える力は弱いが、下方向に抑える力は強い。
回転が完了したレバーハンドルを、最も力が強い親指で強く押さえつけることで、従来の銃に比べて、撃発時に銃をより安定して保持することができる。
リコイルがなく、構造が単純で、銃身軸が低く、銃身が固定され、動作不良が少ない、小型、廉価、軽量、かつ暴発の危険が少ない安全な銃となる。
一方で、火薬量が多く、オートマチックに適さないとされる大型の銃弾に適用すれば、動作不良が少なく、リボルバーより装弾数が多く、弾倉を素早く交換できる大型銃となる。
【符号の説明】
【0011】
1 銃身
2 遊底
3 リンクa
4 リンクb
5 リンクc
6 レバーハンドルの回転軸
7 レバーハンドル
8 トリガー
9 銃弾