(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081403
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】ブランキング下型盤の製品ガイド部材及びブランキング下型盤
(51)【国際特許分類】
B26F 1/44 20060101AFI20230606BHJP
B26D 7/18 20060101ALI20230606BHJP
B26F 1/40 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
B26F1/44 G
B26D7/18 F
B26F1/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195038
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】515081350
【氏名又は名称】株式会社ティーエスインダストリー
(74)【代理人】
【識別番号】100081466
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 研一
(72)【発明者】
【氏名】冨田 昌嗣
【テーマコード(参考)】
3C021
3C060
【Fターム(参考)】
3C021FD03
3C060AA01
3C060AA04
3C060BA10
3C060BD01
3C060BE07
3C060BG17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ブランキング下型盤自体を薄手状に形成して軽量化及び製作コストを低減することができると共に交換作業や保管作業を簡易化して作業性を向上するブランキング下型盤の製品ガイド部材及びブランキング下型盤を提供する。製品シートの集積に伴って載置台が下降した場合であっても、載置台上における製品シート群の集積姿勢を保つことができるブランキング下型盤の製品ガイド部材及びブランキング下型盤を提供する。運搬時や保管時には製品ガイド部材を簡易に取り外してブランキング下型盤の省スペース化を可能にすると共にブランキング下型盤の破損等を防止するブランキング下型盤の製品ガイド部材及びブランキング下型盤を提供する。
【解決手段】雌型5aの周囲に応じたブランキング下型盤に、上下方向へ伸縮する製品ガイド部材11を着脱可能に取り付け、該製品ガイド部材11により、少なくとも打抜かれた製品シート3aの落下姿勢を保持可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の雄型が設けられたブランキング上型盤と、上記雄型に対応して雌型が設けられたブランキング下型盤とを備え、ブランキング上型盤及びブランキング下型盤の協働により一部に繋ぎ部を残して製品形状に応じて打抜かれた半製品シートから製品シートを打抜くブランキング装置において、
雌型の周囲に応じたブランキング下型盤の下面に設けられ、少なくとも打抜かれた製品シートの落下姿勢を保持可能にする製品ガイド部材は、
製品シートの打抜き方向が所定の長さの少なくとも1つのガイドスリーブ及び該ガイドスリーブ内にて上記打抜き方向へ移動可能で、かつ抜止め可能に状態で支持される少なくとも1つのガイドロッドと、上記ガイドスリーブ及びガイドロッドのいずれか一方を上記雌型の周囲に応じたブランキング下型盤に対して着脱可能に取り付ける着脱手段と、
を備えたブランキング下型盤の製品ガイド部材。
【請求項2】
請求項1において、
上記ガイドスリーブの一方端部には、上記着脱手段の一方が設けられると共に上記雌型の周囲に応じたブランキング下型盤には、着脱手段の他方が設けられるブランキング下型盤の製品ガイド部材。
【請求項3】
請求項2において、
上記ガイドスリーブは、複数個のスリーブを軸線方向へ伸縮する構造とすると共に下端側に位置するガイドスリーブにガイドロッドを軸線方向へ移動可能に支持したブランキング下型盤の製品ガイド部材。
【請求項4】
請求項1において、
上記ガイドロッドの一方端部には、上記着脱手段の一方が設けられると共に上記雌型の周囲に応じたブランキング下型盤に着脱手段の他方が設けられるブランキング下型盤の製品ガイド部材。
【請求項5】
請求項4において、
上記ガイドロッドの他端部には、複数個のガイドスリーブを軸線方向へ伸縮するテレスコーピック構造のガイドスリーブを軸線方向へ移動可能に支持したブランキング下型盤の製品ガイド部材。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
着脱手段の一方は、ねじからなると共に他方は、上記雌型の周囲に応じたブランキング下型盤に埋設され、上記ねじに螺合されるナットからなるブランキング下型盤の製品ガイド部材。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
着脱手段の一方は、端部に係止凹部が形成された軸部材からなると共に他方は、上記雌型の周囲に応じたブランキング下型盤に埋設され、弾性部材により係止凹部側へ付勢された係止ボールからなるブランキング下型盤の製品ガイド部材。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
着脱手段の一方は、端部に係止凹部が形成された軸部材からなると共に他方は、上記雌型の周囲に応じたブランキング下型盤に埋設され、弾性力により係止凹部に係止する係止凸部が先端部に設けられたばね挟持部材からなるブランキング下型盤の製品ガイド部材。
【請求項9】
少なくとも1個の雄型が設けられたブランキング上型盤と、上記雄型に対応して雌型が設けられたブランキング下型盤とを備え、ブランキング上型盤及びブランキング下型盤の協働により一部に繋ぎ部を残して製品形状に応じて打抜かれた半製品シートから製品シートを打抜くブランキング装置のブランキング下型盤は、
雌型の周囲に応じた外枠及び仕切り枠の下面における上記雌型に対する非干渉箇所に、打抜かれた製品シートの落下方向に軸線を有して伸縮可能な製品ガイド部材を着脱可能に設け、
上記製品ガイド部材は、落下する製品シートの外周縁側に位置して落下姿勢を一定に保つことを可能にするブランキング下型盤。
【請求項10】
請求項9において、
雌型の周囲に応じたブランキング下型には請求項1乃至8のいずれかに記載の製品ガイド部材を設けたブランキング下型盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランキング下型盤の製品ガイド部材及び該製品ガイド部材が着脱可能に設けられるブランキング下型盤に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール紙、クラフト紙、合成樹脂シート(フィルム)等の各種シート材を打抜き刃及び罫線刃が設けられた打抜き型により予め小幅な繋ぎ部を残して所望の製品形状に打抜かれた半製品シートをブランキング装置により更に型抜きして製品シート(ブランク)と抜きカスシート(スケルトン)とに分離している。
【0003】
このブランキング装置は、製品シートの外周寸法よりも若干大きい外形寸法を有し、製品シートに一致する形状の雄型を有するブランキング上型盤を、そのブランキング上型盤の各型が嵌合する雌型としての抜き型がそれぞれ形成され、上面に半製品シートが位置決め状態で載置されたブランキング下型盤の各抜き型内に突入して半製品シートから製品シートを切断して製品シートカスから分離させた後に各製品シートを各抜き型の下方に配置されたスタック装置上に落下させて積載している。
【0004】
そしてブランキング下型盤に対して半製品シートを所定のピッチ(半製品シートにおける次位の製品シートがブランキング下型盤の抜き型上に位置する間隔)で順送りしながらブランキング下型盤の各抜き型内に対してブランキング上型盤の各型を突入する動作を繰り返してスタック装置上に多数の製品シートを集積させている。
【0005】
上記スタック装置上に多数の製品シートを集積する際には、スタック装置上に落下して集積される製品シートが互いに位置ずれし易く、位置ずれした状態で集積されると、集積された製品シート群の集積状態が崩れてバラバラになり易く、一定の集積姿勢で集積することが困難であった。
【0006】
これを防止するため、下方に集積された製品シートに対して新たに打抜かれた製品シートを落下して集積する際には、集積姿勢が一定になるように保ちながら集積すると共に集積された製品シート群が崩れたりしないように必要がある。
【0007】
これを実現するため、例えば特許文献1の
図2乃至
図4に示すようにブランキング上型盤の各型が嵌合する複数の孔が設けられた合板を複数毎積層して形成されたブランキング下型盤における抜き型の周囲に応じたブランキング下型盤の外枠や仕切り枠の下面に、製品シートの落下方向と一致する方向に軸線を有し、該軸線方向へ延びる長尺状のガイドピン(製品ガイド部材)を固定し、これらガイドピンにより打抜かれた製品シートが落下する際の姿勢を一定に保つようにしている。
【0008】
しかし、特許文献1に示すガイドピンにあっては、ブランキング下型盤に対して直接固定されるため、ブランキング下型盤に対する固定強度を得るには、合板の積層枚数を多くしてブランキング下型盤自体を厚手状にする必要がある。その結果、ブランキング下型盤が重量化したり、高コスト化したりする問題を有している。特に、ブランキング下型盤が重量化する場合には、その交換作業や保管作業に手間と時間がかかり、作業性が悪くなる要因になっている。
【0009】
また、上記ガイドピンにあっては、軸線方向長さが一定であるため、製品シートの集積に伴ってスタック装置の載置台が下降した際には、該載置台上に集積された製品シート群の側面から離脱して集積状態を保つことができなかった。
【0010】
更に、ブランキング下型盤にガイドピンが固定されて取り外しができないため、ブランキング下型盤の保管時や運搬時にはガイドピンにより多くのスペースを必要とすると共に邪魔になってブランキング下型盤を破損させたりする恐れを有している。
【0011】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
解決しようとする問題点は、ブランキング下型盤に対するガイドピンの固定強度を得るにはブランキング下型盤自体を厚手状にする必要があり、ブランキング下型盤が重量化したり、高コスト化したりする点にある。特に、ブランキング下型盤が重量化する場合には、その交換作業や保管作業に手間と時間がかかり、作業性が悪くなる点にある。
【0013】
また、ガイドピンの軸線長さが一定であるため、スタック装置に対する製品シートの集積に伴って載置台が下降した際には、載置台上に集積された製品シート群の集積姿勢を保つことができず、製品シート群が崩れ易くなる点にある。
【0014】
更に、ガイドピンが固定されたままの状態でブランキング下型盤を運搬したり保管したりする際には、ガイドピンにより多くのスペースを必要とすると共に邪魔になってブランキング下型盤を破損させたりする恐れがある点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に係るブランキング下型盤の製品ガイド部材は、少なくとも1個の雄型が設けられたブランキング上型盤と、上記雄型に対応して雌型が設けられたブランキング下型盤とを備え、ブランキング上型盤及びブランキング下型盤の協働により一部に繋ぎ部を残して製品形状に応じて打抜かれた半製品シートから製品シートを打抜くブランキング装置において、雌型の周囲に応じたブランキング下型盤の下面に設けられ、少なくとも打抜かれた製品シートの落下姿勢を保持可能にする製品ガイド部材は、製品シートの打抜き方向が所定の長さの少なくとも1つのガイドスリーブ及び該ガイドスリーブ内にて上記打抜き方向へ移動可能で、かつ抜止め可能に状態で支持される少なくとも1つのガイドロッドと、上記ガイドスリーブ及びガイドロッドのいずれか一方を上記雌型の周囲に応じたブランキング下型盤に対して着脱可能に取り付ける着脱手段と、を備えたことを最も主要な特徴とする。
【0016】
請求項9に係るブランキング下型盤は、少なくとも1個の雄型が設けられたブランキング上型盤と、上記雄型に対応して雌型が設けられたブランキング下型盤とを備え、ブランキング上型盤及びブランキング下型盤の協働により一部に繋ぎ部を残して製品形状に応じて打抜かれた半製品シートから製品シートを打抜くブランキング装置のブランキング下型盤は、雌型の周囲に応じた外枠及び仕切り枠の下面における上記雌型に対する非干渉箇所に、打抜かれた製品シートの落下方向に軸線を有して伸縮可能な製品ガイド部材を着脱可能に設け、上記製品ガイド部材は、少なくとも落下する製品シートの外周縁側に位置して落下姿勢を一定に保つことを可能にすることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、ブランキング下型盤自体を薄手状に形成することができ、ブランキング下型盤を軽量化したり、その製作コストを低減したりすることができる。特に、ブランキング下型盤の軽量化によりその交換作業や保管作業を簡易化して作業性を向上することができる。
【0018】
また、製品シートの集積が進展してスタック装置の載置台が下降した場合であっても、載置台上に集積された製品シート群の集積姿勢を保ち、崩れるのを防止することができる。
【0019】
更に、ブランキング下型盤から製品ガイド部材を簡易に取り外すことができるため、運搬時や保管時においては、省スペース化すると共にブランキング下型盤の破損等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ブランキング上型盤及びブランキング下型盤を備えたブランキング装置の要部縦断面図である。
【
図6】ブランキング初期時における製品ガイド部材の案内状態を示す説明図である。
【
図7】製品ガイド部材による製品シート群の案内状態を示す説明図である。
【
図8】製品ガイド部材の変更例を示す断面説明図である。
【
図9】製品ガイド部材の変更例を示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
雌型の周囲に応じたブランキング下型盤に、上下方向へ伸縮する製品ガイド部材を着脱可能に取り付け、該製品ガイド部材により、少なくとも打抜かれた製品シートの落下姿勢を保持可能にすることを最良の実施形態とする。
【実施例0022】
以下、本発明の一実施例を示す図に従って説明する。
図1に示すように、ブランキング装置1は、段ボール紙、クラフト紙、合成樹脂シート(フィルム)等の各種シート材から予め小幅な繋ぎ部(図示せず)を残して所望の製品形状に打抜かれた半製品シート3に打抜くシート打抜き装置(図示せず)の排出側に配置され、型抜き(ブランキング)により製品シート3aと抜きカスシート3bとに分離し、打抜かれた製品シート3aは、後述するスタッカ装置9の載置台9a上に移載されて集積される。
【0023】
上記ブランキング装置1は、半製品シート3の搬送ラインの上方位置に配置され、下面に複数個の雄型5aが設けられたブランキング上型盤5と、該ブランキング上型盤5に相対する下方位置に配置され、各雄型5aに相対して雌型としての打抜き型7aが設けられたブランキング下型盤7とを備え、上記ブランキング上型盤5は、昇降部材(図示せず)の作動により雄型5aがブランキング下型盤7の抜き型7a内に突入する下方位置と、ブランキング下型盤7から上方に離間した上方位置の間で昇降される。
【0024】
なお、上記ブランキング上型盤5は、例えば特許文献1に記載されたように周知の構造であるため、その詳細な説明を省略する。また、上記ブランキング下型盤7の下方には半製品シート3から打抜かれた製品シート3aを集積するためのスタック装置9が配置され、該スタック装置9は、製品シート3aが積載される載置台9aをブランキング下型盤7の下面に近づく上昇位置へ移動した後に製品シート3aの集積に伴って最上段に位置する製品シート3aが常に一定の高さ位置になるように順次、下降制御され、一定枚数の製品シート3aを集積させる。
【0025】
図2及び
図3に示すように、上記ブランキング下型盤7は、製品形状に対応し、ブランキング上型盤5の雄型5aが挿嵌可能な複数個の孔が形成された多数の合板を積層接着したもので、積層された合板の連続する孔により上下方向に貫通する抜き型7aが形成されている。
【0026】
なお、上記ブランキング下型盤7の各隅部には、該ブランキング下型盤7が取付けられる定盤に立設された位置決め用のパイロットピンが挿嵌されるパイロット孔(いずれも図示せず)が形成されている。また、ブランキング下型盤7における各抜き型7aの周囲には外枠7b及び各抜き型7a間に位置する仕切り枠7c(ドブとも称する。)が設けられている。
【0027】
図4及び
図5に示すように、上記各抜き型7aの内周面側に応じた外枠7b及び仕切り枠7cの下面には、複数個の製品ガイド部材11が着脱可能で、かつ対応する抜き型7aの空洞部に対して非干渉になる位置に設けられる。
【0028】
各製品ガイド部材11は、軸線方向が所定の長さのガイドスリーブ11aと、該ガイドスリーブ11a内に軸線方向へ移動可能で、かつ図示する上端部が抜け止めされた状態で挿入され、軸線方向が所定の長さのガイドロッド11bと、上記ガイドスリーブ11aの上端部に設けられる着脱手段の一部を構成するねじ部11cとから構成される。
【0029】
上記ガイドスリーブ11a及びガイドロッド11bの軸線長さは、少なくともブランキング下型盤7の下面と上方位置に上昇したスタック装置9の載置台9aの上面との間隔に応じた長さで、かつ載置可能に最大集積高さの約1/2に設定される。また、各製品ガイド部材11が取付けられるブランキング下型盤7の外枠7b及び仕切り枠7cの下面には上下方向へ延びるねじ孔7dがそれぞれ形成され、各ねじ孔7dの上部に応じた外枠7b及び仕切り枠7c内には、ねじ部11cが螺合される着脱手段の一部を構成するナット11dが埋設される。
【0030】
なお、上記スタック装置9は、例えばパンタグラフ機構により載置台9aを昇降する構造、上下フレームに昇降可能に支持された載置台9aを、電動モータに連結された送りねじにより昇降可能にする機構等、従来公知の構造であり、その詳細については省略する。
【0031】
なお、ガイドスリーブ11aに対するガイドロッド11bの抜け止め構造としては、ガイドスリーブ11aの軸線方向下端部にガイドロッド11bが挿通可能な貫通孔を有した小径部を形成すると共にガイドロッド11bの軸線方向上端部に上記小径部に係止可能な大径部をそれぞれ形成して抜け止め可能に構成する。
【0032】
また、ガイドロッド11bとしては、下端が閉鎖されたスリーブとしてもよく、また、少なくともガイドスリーブ11a内に圧縮ばね(図示せず)を装着し、該圧縮ばねの弾性力によりガイドスリーブ11aに対してガイドロッド11bを、常には伸長する方向へ付勢するようにしてもよい。
【0033】
次に、上記のように構成されたブランキング装置による製品シート3aの打抜き作用を説明すると、先ずブランキング下型盤7における外枠7b及び仕切り枠7cのねじ孔7dに対して製品ガイド部材11のねじ部11cを挿入してナット11dにねじ止めした後に、該ブランキング下型盤7をブランキング上型盤5と共にブランキング装置1にセットすると共にスタック装置9を駆動制御して載置台9aをブランキング下型盤7の下面に近づく上昇位置へ移動させる。
【0034】
この時、製品ガイド部材11のガイドロッド11bは、上昇した載置台9aの上面に対する当接によりガイドスリーブ11a内に収容されて製品ガイド部材11の軸線長さを縮小させる。
【0035】
上記状態にて打抜き装置から搬出された半製品シート3が、その各製品シート3aが対応する抜き型7aに一致する位置へ搬送されると、
図6に示すように下降するブランキング上型盤5の雄型5aをブランキング下型盤7の抜き型7a内に挿嵌して半製品シート3から製品シート3aを型抜きし、載置台9a上に落下して載置させる。
【0036】
製品シート3aが載置台9a上へ落下する際に、製品シート3aは抜き型7aの周囲に応じた外枠7b及び仕切り枠7cに取付けられた製品ガイド部材11により案内されて落下姿勢を保ちながら載置台9a上に載置される。
【0037】
そして上記した半製品シート3からの製品シート3aの打抜き作業の進展に伴って載置台9a上に集積される製品シート群3cの集積高さが増大すると、スタック装置9は載置台9a上に集積された最上段に位置する製品シート3aが常に一定の高さになるように載置台9aを下降制御する。
【0038】
この時、
図7に示すように載置台9a上面との当接によりガイドスリーブ11a内に収容されていたガイドロッド11bは、載置台9aの下降に伴ってガイドスリーブ11a内を徐々に下降してガイドスリーブ11aと共に集積された多数の製品シート群3cの側面に位置し、打抜きに伴って落下する製品シート3aの落下姿勢が乱れるのを防止して一定の姿勢で集積することを可能にすると共に集積された製品シート群3cが崩れてバラバラになるのを防止する。
【0039】
次に、別の製品シート3aを打抜いて集積する際には、ブランキング上型盤5及びブランキング下型盤7を交換し、取り外された各型5、7を保管する必要がある。特にブランキング下型盤7を保管する際には、従来のブランキング下型盤にあってはガイドピンが固着されているため、運搬作業や保管時にガイドピンが邪魔になると共に多くのスペース(運搬スペース及び保管スペース)を必要としている。
【0040】
本実施例にあっては、ブランキング下型盤7のナット11dにねじ止めされた製品ガイド部材11を簡易に取り外すことができ、運搬時や保管時においては作業を効率的に行うことができると共に省スペース化を可能にしている。
【0041】
本実施例は、半製品シート3から打抜かれた製品シート3aが落下して載置台9a上に積載される際に、ガイドスリーブ11aにより製品シート3aの落下姿勢が乱れるのを防止し、常に一定の姿勢で積載させることができる。また、打抜きの進展に伴って載置台9aに多数枚の製品シート3aが集積された際には、集積された製品シート群3cの側面に位置するガイドスリーブ11a及び該ガイドスリーブ11aから伸長するガイドロッド11bにより集積姿勢が乱れるのを防止し、製品シート群3cが崩れてバラバラになるのを防止し、製品シート群3cの取出しを容易化することができる。
【0042】
また、別の製品シート3aを打ち抜くためにブランキング上型盤5及びブランキング下型盤7を交換する際には、ブランキング下型盤7から製品ガイド部材11を簡易に取り外すことができ、運搬作業時に製品ガイド部材11が邪魔になったり、保管時に保管スペースが増大したりするのを防止することができ、作業性を向上することができる。
【0043】
上記説明においては、製品ガイド部材11の着脱手段をねじ部11c及びナット11dにより構成したが、ガイドスリーブ11aの上部に、上端部に係止凹所が形成された取付けロッドを設けると共にねじ孔7dの上部に応じたブランキング下型盤7の外枠7b及び仕切り枠7cに従来周知のボールラッチ(圧縮ばねの弾性力よりボールを付勢して上記凹所に係止可能にする構造)を埋設(固着)する構成としてもよい。
【0044】
また、上記着脱手段としては、ガイドスリーブの上部に、先端部に係止凹部が形成されたロッドを設けると共にねじ孔に差し込まれたロッドの上部に対応する箇所の外枠及び仕切り枠に、先端部に係止凸部が形成され、互いに近づく方向へ付勢された一対のばね片を有したばね挟持部材を固着し、ロッドの先端部をばね片間に進入させてその弾性力により固定可能とすると共にばね片の弾性力に抗してロッドの先端部を離脱させることにより固定解除を可能とする構成であってもよい。
【0045】
上記説明は、ガイドスリーブ11a内にガイドロッド11bを軸線方向へ移動可能で、抜け止め可能に収容して製品ガイド部材11を構成したが、
図8に示すように実施例とは反対に上端部がブランキング下型盤に着脱可能に取り付けられるガイドロッドに対してガイドスリーブを軸線方向へ移動可能で、抜け止め可能に支持した構成としてもよい。
【0046】
上記説明は、1個のガイドスリーブ11a内に1個のガイドロッド11bを軸線方向へ移動可能で、かつ抜止め可能に収容する構成としたが、載置台9a上に集積される製品シート群3cの集積高さがある場合には、
図9に示すように複数個のガイドスリーブ11a、11a‘--(
図9は三段構成を示す。)を軸線方向へ移動可能で、抜止めされた状態で収容して伸縮可能なテレスコーピック構造(「テレスコ」は、登録商標である。)とすると共に最終段のガイドスリーブ内にガイドロッドを軸線方向へ移動可能で、抜け止め状態で収容した構成としてもよい。本例にあっては、載置台9a上に集積される製品シート群3cの高さに応じて伸縮長さを可変させることができる。