(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081405
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20230606BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230606BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20230606BHJP
F21V 29/508 20150101ALI20230606BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20230606BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20230606BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230606BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20230606BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230606BHJP
【FI】
F21S9/02 213
F21V23/00 110
F21V23/00 160
F21V29/503
F21V29/508
F21V29/70
F21V23/00 140
F21V33/00 400
F21Y115:10
F21Y115:20
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195045
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹下 理和
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB01
(57)【要約】
【課題】疑似負荷の発熱による影響を抑制し、劣化を防ぐことができる照明器具を得る。
【解決手段】供給される電力により発光する発光体と、商用電源からの電力が供給されないときに発光体に電力供給する蓄電池と、蓄電池の点検時に、発光体の代わりに蓄電池から電力が供給される疑似負荷とを備え、発光体を発光させずに蓄電池の点検を行うことができるものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される電力により発光する発光体と、
外部からの電力が供給されないときに前記発光体に電力供給する蓄電池と、
前記蓄電池の点検時に、前記発光体の代わりに前記蓄電池から電力が供給される点検用負荷と
を備える照明器具。
【請求項2】
前記発光体および前記点検用負荷が発する熱を放熱する放熱部を備える請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記点検用負荷は、前記発光体と同じ実装基板に配置される請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記発光体よりも実装基板の外周側に、複数の前記点検用負荷が分散して配置される請求項2または請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
外部からの前記電力供給があらかじめ定めた点検間隔時間経過すると、前記蓄電池から前記点検用負荷に電力を供給して前記蓄電池の点検を行う制御装置と、
報知信号に基づき、報知する報知部とを備え、
前記制御装置は、前記点検を行った結果に基づく前記報知信号を前記報知部に送る請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記蓄電池から前記点検用負荷に供給する電力は、前記発光体に供給する電力よりも多い請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記点検用負荷は抵抗である請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は、照明器具に係るものである。特に、蓄電池を有する照明器具の点検に関するものである。
【背景技術】
【0002】
外部からの電力供給が断たれたときに、搭載した蓄電池から電力供給を行って発光することができる照明器具がある。このような照明器具においては、照明器具に搭載された蓄電池の点検が行われる。このとき、光源と並列に接続されるダミー負荷とスイッチとを有し、スイッチを切り替えてダミー負荷に電力を供給し、電池の点検を行う照明器具がある(たとえば、特許文献1参照)。ここで、スイッチは電気的スイッチである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ダミー負荷は、電力を消費する際に発熱を伴う。このため、ダミー負荷が発熱することで、光源および周辺部材などに影響を与え、照明器具における劣化の要因となることがあった。
【0005】
そこで、ダミー負荷の発熱による影響を抑制し、劣化を防ぐことができる照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示に係る照明器具は、供給される電力により発光する発光体と、外部からの電力が供給されないときに発光体に電力供給する蓄電池と、蓄電池の点検時に、発光体の代わりに蓄電池から電力が供給される点検用負荷とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
開示に係る照明器具によれば、点検時において、発光体の代わりに電力消費を行う点検用負荷を備えることで、発光体を発光させずに蓄電池の点検を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具1の外観を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具1の分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具1における光源部20の構成を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具1の構成の概略を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具1において実行可能なモードについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態に係る照明器具などについて、図面などを参照しながら説明する。以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。特に、構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の外観を示す図である。また、
図2は、実施の形態1に係る照明器具1の分解斜視図である。特に限定するものではないが、実施の形態1における照明器具1は、非常時(停電時)に点灯する非常用照明器具であるものとして説明する。
【0011】
図1に示すように、実施の形態1における照明器具1は、本体2、枠3、レンズ4、点検スイッチ5、報知部6、受光部7、天井取付バネ8を有する。本体2は、照明器具1が有する機器を収容する。本体2内に収容される機器については後述する。枠3は、本体2の開口部分を覆うパネルであり、照明器具1において室内に露出する部分である。ここで、枠3は、本体2に収容されているレンズ4、点検スイッチ5、報知部6および受光部7を室内に露出させる開口穴を有する。レンズ4は、光源部20に取付けられ、後述する発光体13が発する光を、集光または拡散させる。
【0012】
点検スイッチ5は、照明器具1の利用者が、後述する蓄電池11の電池残量を点検する際に操作する1または複数個のスイッチである。点検スイッチ5は、照明器具1の操作装置となる。照明器具1は、点検スイッチ5が操作されると、後述するように、各種点検モードによる動作を行う。報知部6は、後述する制御装置10からの報知信号に基づいて報知を行う。実施の形態1における報知部6は、LED(発光ダイオード)を有し、LEDが発光することにより報知を行う。ただし、これに限定するものではない。特に、実施の形態1における報知部6は、報知信号に基づいて点検動作の結果を報知する。
【0013】
受光部7は、リモートコントローラ(図示せず)から無線で送られる操作信号を受信する。天井取付バネ8は、照明器具1を天井などの被取付部に取付けるための取付部材である。天井取付バネ8は、たとえば、曲面を有する形状の板金で形成されている。
【0014】
また、
図2に示すように、実施の形態1における照明器具1は、本体2内に、電源端子台9、制御装置10、蓄電池11、放熱部12、発光体13および疑似負荷14を有する。電源端子台9は、たとえば、外部から引き込まれた電源線が接続され、後述する商用電源100からの電力を、照明器具1の各機器へ供給する接続器である。蓄電池11は、電力を貯め、商用電源100からの電力が供給されないときに、バックアップ用電源となって、照明器具1の各機器へ電力を供給する。ここで、蓄電池11は、Ni-MH蓄電池とするが、これに限定するものではない。蓄電池11が、たとえば、Ni-Cd蓄電池またはLi-Ion電池などの2次電池としてもよい。
【0015】
図3は、実施の形態1に係る照明器具1における光源部20の構成を示す図である。実施の形態1における光源部20は、発光体13、疑似負荷14、実装基板15および放熱部12を有する。
図3では、光源部20のうち、発光体13、疑似負荷14および実装基板15を示している。実施の形態1における照明器具1は、実装基板15に発光体13および疑似負荷14を実装する構成である。なお、発光体13と疑似負荷14は別の実装基板としてもよい。
【0016】
発光体13は、光源となって発光し、照明器具1を点灯させる。前述したように、実施の形態1における照明器具1は、非常用照明器具であるので、発光体13は、非常時に点灯する非常用光源となる。また、発光体13は、LEDを有するものとして説明するが、これに限定するものではない。発光体13は、たとえば、有機EL、レーザーダイオードなどでもよい。
【0017】
疑似負荷14は、各種点検モードによる点検時の動作のように、発光体13を発光させずに電力を消費させる場合に、発光体13の代わりとする点検用負荷となる。ここでは、疑似負荷14は、たとえば、可視光を発さないなど、発光体13の発光との誤認をせずに電力を消費する負荷となるものであればよい。実施の形態1の照明器具1では、疑似負荷14は、抵抗とする。このため、疑似負荷14は、消費した電力を熱に変換し、疑似負荷14および疑似負荷14周辺の温度を上昇させることになる。
【0018】
放熱部12は、発光体13および疑似負荷14が実装された実装基板15と接触し、発光体13および疑似負荷14が電力を消費して発する熱を放熱するヒートシンクである。放熱部12は、基本的には、発光体13の発熱量に応じて決定された放熱能力に係る容量を有する。ただし、これに限定するものではなく、放熱部12の容量は、たとえば、点検モードによる点検動作における疑似負荷14の発熱量に応じた容量としてもよい。疑似負荷14の発熱量は、供給される電力、疑似負荷14の設置数および配置のレイアウトなどに左右される。また、発光体13および疑似負荷14を別体とした場合においては、放熱部12に隣接して配置してもよい。
【0019】
ここで、
図3に示すように、実施の形態1における光源部20は、たとえば、実装基板15の中心となる部分に発光体13を配置する。そして、光源部20は、発光体13を中心とし、発光体13よりも実装基板15の外周側に複数の疑似負荷14を分散して配置し、実装するレイアウトとする。これにより、発光体13と同等以上の電力を疑似負荷14に供給する場合でも、疑似負荷14の発熱部分が広い範囲に分散する。このため、疑似負荷14の発熱による温度上昇を抑制することができる。また、発光体13が中心の部分に配置されるレイアウトであるため、レンズ4などによる配光制御を容易にすることができる。たとえば、発光体13の発光面の面積を小さくすることで、レンズ4を小型化することができる。
【0020】
図4は、実施の形態1に係る照明器具1の構成の概略を示す図である。
図4において、制御装置10は、照明器具1における点灯などの動作を制御する装置である。制御装置10は、ハードウェアとしては、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などの処理装置を有するマイクロコンピュータなどで構成されているものとする。制御装置10は、上述した機能を実現するため、
図4に示すように、点灯回路部10A、充電回路部10B、点検処理部10Cおよび計時部10Dを有する。点灯回路部10Aは、発光体13の点灯または消灯に関する点灯制御を行う。点灯回路部10Aは、主として、後述する機能(3)を行う。充電回路部10Bは、商用電源100から供給される電力を蓄電池11に充電する際の充電制御を行う。充電回路部10Bは、主として、後述する機能(1)を行う。点検処理部10Cは、後述する各種点検機能を実行する際の点検制御に係る処理を行う。点検処理部10Cは、主として、後述する機能(4)~機能(8)を行う。計時部10Dは、タイマーを有し、計時を行う。計時部10Dが計時した時間などは、点検処理部10Cなどが制御を行う際に用いる。計時部10Dは、主として、後述する機能(2)を行う。
【0021】
実施の形態1の制御装置10は、次の(1)~(8)に示す機能を有し、照明器具1の点灯または消灯、蓄電池11の充電および蓄電池11に関する点検などを行う。
(1)商用電源100からの電力供給を受け、蓄電池11を通常充電する通常充電機能。ここで、通常充電は、微少な電流を蓄電池11に供給して充電するトリクル充電で行われる。
(2)商用電源100からの電力供給を受けた経過時間を計時するタイマー機能
(3)商用電源100からの電力供給が断たれた場合、蓄電池11からの電力供給に切り替えて発光体13を発光させ、照明器具1を点灯させる機能
(4)照明器具1が、蓄電池11によって、規定時間(20分、30分または60分)点灯可能かおよび蓄電池11の劣化状況を確認する点検機能。ここで、機能(4)は、発光体13を発光させて点検機能を実現する場合と、疑似負荷14に電力消費させて点検機能を実現する場合との2種類の機能を有する。
(5)点検スイッチ5が操作されると、蓄電池11により発光体13を発光させて、機能(4)の点検を実行する自動点検機能
(6)機能(2)のタイマー機能により、あらかじめ定めた設定時間となる点検間隔時間経過後に、蓄電池11により疑似負荷14に電力を供給して、点検スイッチ5の操作によらず、機能(4)の点検を自動的に実行する定期自動点検機能
(7)点検スイッチ5を操作中のみ、蓄電池11により発光体13を発光させ、照明器具1が点灯可能かどうかを確認する手動点検機能
(8)機能(4)~機能(6)に基づいて実行した点検結果を報知部6に報知させる機能
【0022】
図5は、実施の形態1に係る照明器具1において実行可能なモードについて説明する図である。実施の形態1における照明器具1は、たとえば、(a)常用点灯モード、(b)非常用点灯モード、(c)手動点検モードおよび(d)自動点検モードの4つのモードを実行することができる。
【0023】
(a)の常用点灯モードは、通常の状態におけるモードである。制御装置10の点灯回路部10Aは、発光体13を発光させるとともに、制御装置10の充電回路部10Bが、機能(1)を実行して蓄電池11を充電させる。(b)の非常用点灯モードは、非常時におけるモードである。制御装置10の点灯回路部10Aは、機能(3)を実行して、発光体13を発光させて照明器具1を点灯させる。このとき、発光体13が負荷となり、蓄電池11は放電する。
【0024】
また、(c)の手動点検モードは、利用者による点検スイッチ5の操作を点検開始条件として点検を行うモードである。手動点検モードは、機能(5)の自動点検機能または機能(7)の手動点検機能を実行し、機能(8)の報知を行う。
【0025】
(d)の自動点検モードは、後述するように、点検間隔時間の経過点検開始条件として自動的に点検を行うモードである。次に、自動点検モードについて説明する。
【0026】
たとえば、内蔵する蓄電池11を充電しておき、商用電源100からの電源が断たれた停電時の場合、充電しておいた蓄電池11による電力供給で光源を点灯させる照明機器として、消防法で規定される誘導灯と建築基準法により規定される非常用照明器具とがある。
【0027】
誘導灯および非常用照明器具は通常時は充電を行いながら、光源(発光体13)を発光させるものや、発光体13とは別の通常時用光源を発光させるものがある。そのうち、非常用照明器具では、商用電源100からの電力供給されている通常時は、蓄電池11の充電のみを行い、停電時のみ、蓄電池11から電力供給を行って光源(発光体13)を発光させる機能を有するものがある。
【0028】
ここで、誘導灯および非常用照明器具のいずれにおいても、蓄電池11による点灯継続時間が規定されており、停電時は、規定された点灯継続時間以上、点灯を継続できるようにしておく必要がある。ここで、規定される点灯継続時間は、誘導灯は20分または60分であり、非常用照明器具は30分または60分である。
【0029】
照明器具1における点灯継続時間は、蓄電池11の充電量および蓄電池11の劣化状況に左右される。誘導灯および非常用照明器具は、充電方式として主にトリクル充電を用いており、通常時には、蓄電池11の電力が常に満充電状態となるように制御している。しかし、照明器具1の蓄電池11が劣化すると、満充電状態であっても、時間経過とともに点灯継続時間が短くなる傾向にある。
【0030】
このため、照明器具1が規定時間点灯可能か否かを定期的に点検することで、蓄電池11の劣化状態を確認し、蓄電池11の劣化が認められた場合は、蓄電池11を交換することにより、照明器具1が規定時間点灯可能な状態に維持管理する必要がある。
【0031】
維持管理は、一般的に、管理者の操作により点検が行われ、点検結果の確認がなされる。ただし、このような確認を行う場合、照明器具1の管理は、管理者による点検頻度に依存する。このため、点検頻度(間隔)が長い場合は、適正交換時期に蓄電池11が交換されない場合が懸念される。
【0032】
実施の形態1の照明器具1では、制御装置10は、上述した機能(4)および機能(6)の定期自動点検機能を有する。そこで、制御装置10は、自動点検モードにおいて、機能(2)のタイマー機能により、商用電源100からの電力供給を受けてから点検間隔時間経過後、点検スイッチ5が操作されなくても、自動的に点検を実行する。
【0033】
ここで、上述した点検間隔時間は、特に規定するものではないが、たとえば、6ヵ月、1年などとする。点検間隔時間は、他の任意の時間としてもよい。
【0034】
制御装置10が、定期自動点検機能で点検を行う場合、非常用照明器具のうち、通常は蓄電池11を充電するのみで発光体13が点灯していない器具において、一般的な点検手法では、非常点灯状態に切り替えて点灯することとなる。このため、点検時に発光体13が発光することで、突然、照明器具1が点灯することが設置場所に存在する人に認知されてしまい、停電や、何らかの異常と誤認されるおそれがある。
【0035】
そこで、実施の形態1の照明器具1は、制御装置10が定期自動点検機能を行う際、発光体13の代わりに、疑似負荷14を用いて、蓄電池11の劣化状況を点検する。このように、点検時において発光体13が発光しないので、停電または何らかの異常などと誤認されるおそれはない。
【0036】
また、疑似負荷14には、非常点灯状態で消費する電力以上の電力を供給することも可能である。疑似負荷14に蓄電池11の電力を消費させることで、点検の時間を短縮することができる。このとき、疑似負荷14から発生する熱量は多くなるが、放熱部12から効率よく放熱させることができる。
【0037】
制御装置10は、蓄電池11が規定時間点灯可能か否かを判定する方法については、特に規定しない。たとえば、制御装置10は、蓄電池11に対する規定時間による判定を行ってもよい。また、制御装置10は、設定時間後の蓄電池11に係る電圧に基づいて判定してもよい。ここで、設定時間とは、たとえば、30分が規定時間である場合に、非常点灯時に供給する2倍の電力を疑似負荷14に供給する場合は、その1/2の15分などとする。そして、蓄電池11の寿命と相関のとれる他の閾値を設定しておき、制御装置10は、設定された閾値に基づいて判定してもよい。
【0038】
制御装置10は、上述した(8)の機能により、判定による点検結果に基づく報知信号を報知部6に送る。報知部6は、報知信号に基づいて表示を行い、利用者に報知する。
【0039】
以上のように、実施の形態1における照明器具1によれば、実装基板15に、発光体13と点検用負荷となる疑似負荷14とを配置する。このため、発光体13だけでなく、疑似負荷14から発する熱についても、放熱部12により放熱させることができる。したがって、機器の劣化を防ぐことができる照明器具1を得ることができる。また、実施の形態1の照明器具1は、発光体13を中心に、その周辺に分散して疑似負荷14を配置するようにした。このため、疑似負荷14が発する熱を広域に分散して放熱させることができる。
【0040】
また、実施の形態1における照明器具1によれば、制御装置10の点検処理部10Cが、自動点検モードに基づき、設定時間毎に、蓄電池11から疑似負荷14に電力供給し、蓄電池11の点検を行う定期自動点検機能を行う。制御装置10は、点検の結果に基づく報知信号を報知部6に送り、報知部6が報知することで、発光体13を発光させることなく、点検を行い、結果を報知することができる。また、点検において、蓄電池11から疑似負荷14に供給する電力が、発光体13に供給する電力よりも多くなるようにし、蓄電池11の電力消費を早めることで、短時間で点検を行うことができる。
【0041】
実施の形態2.
上述した実施の形態1の照明器具1は、点検スイッチ5を備え、点検スイッチ5が操作されると点検機能を実行するものであったが、これに限定するものではない。照明器具1は、たとえば、リモートコントローラ(図示せず)からの無線で送られた操作信号を点検開始条件として点検機能を行うようにしてもよい。このとき、受光部7が、リモートコントローラからの操作信号を受信する。
【0042】
また、上述した実施の形態1では、報知部6は、LEDを有し、発光色、点滅などにより点検結果を報知するものであったが、これに限定するものではない。報知部6の表示が、たとえば、セグメント表示であってもよい。また、報知部6は、液晶モニタなどを有し、文字、絵などで表示してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 照明器具、2 本体、3 枠、4 レンズ、5 点検スイッチ、6 報知部、7 受光部、8 天井取付バネ、9 電源端子台、10 制御装置、10A 点灯回路部、10B 充電回路部、10C 点検処理部、10D 計時部、11 蓄電池、12 放熱部、13 発光体、14 疑似負荷、15 実装基板、20 光源部、100 商用電源。