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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081409
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】架空地線取設構造及び送電鉄塔
(51)【国際特許分類】
   E04H 12/10 20060101AFI20230606BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20230606BHJP
   H02G 7/00 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
E04H12/10 Z
H02G1/02
H02G7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195050
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】西村 青空
(72)【発明者】
【氏名】加藤 宏樹
【テーマコード(参考)】
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
5G352AD04
5G352AL01
5G367AA01
5G367AD13
5G367BB10
(57)【要約】
【課題】送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて建設することができ、かつ送電鉄塔の尖り頂部の最上部の劣化を遅延させることができる架空地線取設構造を提供する。
【解決手段】送電鉄塔2の尖り頂部Pの最上部に設けられる架空地線14の取設構造であって、平板材を断面コ字状に折曲してなり、尖り頂部Pを構成する主柱材2cの鉛直上方端面T側に配される天部7aと、この天部7aを挟んでそれぞれの側縁Sに延設され送電鉄塔2の側面Uに配される側部7bと、を有する頂板7と、尖り頂部Pにおいて、頂板7の側部7bが配されない送電鉄塔2の側面Uにそれぞれ設けられる側板9と、頂板7の天部7aに取設され、架空地線14が接続される耐張プレート13と、を備え、頂板7の天部7aは、平面視した際に耐張プレート13と重ならない領域に通気及び通水用の切欠き8を備えてなる架空地線取設構造1Aによる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電鉄塔の尖り頂部の最上部に設けられる架空地線の取設構造であって、
平板材を断面コ字状に折曲してなり、前記尖り頂部を構成する主柱材の鉛直上方端面側に配される天部と、前記天部を挟んでそれぞれの側縁に延設され前記送電鉄塔の側面に配される側部と、を有する頂板と、
前記尖り頂部において、前記頂板の前記側部が配されない前記送電鉄塔の前記側面にそれぞれ設けられる側板と、
前記頂板の前記天部に取設され、前記架空地線が接続される耐張プレートと、を備え、
前記頂板の前記天部は、平面視した際に前記耐張プレートと重ならない領域に通気及び通水用の切欠きを備えていることを特徴とする架空地線取設構造。
【請求項2】
前記頂板の前記天部を平面視した際に、前記天部の幅Wと前記耐張プレートの幅Wは一致していることを特徴とする請求項1に記載の架空地線取設構造。
【請求項3】
前記頂板の前記天部は、前記切欠きに代えて前記天部の厚み方向を貫通してなる複数の孔を備えていることを特徴とする請求項1に記載の架空地線取設構造。
【請求項4】
前記尖り頂部に前記側板を取設した状態で側面視した際に、前記頂板の前記天部と前記側板の上縁の間は空隙を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の架空地線取設構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の架空地線取設構造を有する尖り頂部を備えていることを特徴とする送電鉄塔。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて建設することができ、かつ送電鉄塔の尖り頂部の最上部の劣化を遅延させることができる架空地線取設構造及びそれを備えた送電鉄塔に関する。
【0002】
はじめに、従来の架空地線取設構造を備えた送電鉄塔と、このような送電鉄塔において生じる課題について、図4乃至図7を参照しながら説明する。
まず、図4を参照しながら送電鉄塔の構造の概要について説明する。
図4(a)は送電鉄塔の側面図であり、(b)は送電鉄塔の上部の斜視図である。
図4(a),(b)に示すように、一般に送電鉄塔2’は、山形鋼材で構成されており、例えば4本の主柱材2a(図4中の二重線部分)と腹材2b(斜材2b及び水平材2b図4中の点線部分)を鉛直上方側に継ぎ足しながら建設される。
このような送電鉄塔2’では、図4(a),(b)に示すように、その側面から水平方向に向かって電力線用腕金3(図4中の実線部分)が突設されており、この電力線用腕金3の先端部に碍子6を介して電力線4が取設される。
さらに、上述のような送電鉄塔2’は、上記電力線4の他に耐雷対策を目的とした架空地線14を備えている。この架空地線14は、電力線4の電圧階級によっても異なるが、例えば図4(a),(b)に示すように、架空地線14が1条である場合は、送電鉄塔2’は、脚部P及び胴部Pの上方側に尖り頂部Pを有する頂部尖り型の構造とするのが一般的である。
【0003】
次に、尖り頂部Pの最上部に設けられる従来の架空地線取設構造について図5及び図6を参照しながら説明する。
図5は送電鉄塔の尖り頂部の最上部に設けられる従来技術に係る架空地線取設構造の斜視図である。また、図6(a)は従来技術に係る架空地線取設構造を構成する頂板の展開図及び側板の平面図であり、(b)は従来技術に係る架空地線取設構造を構成する頂板と側板を送電鉄塔の尖り頂部の最上部に取設した状態の側面図である。なお、図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
従来技術に係る架空地線取設構造20は主に、図5に示される送電鉄塔2’とこの送電鉄塔2’から隔離配置される図示されない他の送電鉄塔との間に架設される架空地線14と、この架空地線14の端部同士を接続する耐張プレート13と、この耐張プレート13を送電鉄塔2’の尖り頂部Pの最上部に固定しておくための固定手段により構成されている。
【0004】
また、上述のような耐張プレート13の固定手段は、例えば図6(a)に示す矩形状の平板材からなる頂板21と、同じく図6(a)に示す台形状の2枚の側板22を備えている。
さらに、上記頂板21は断面コ字状に折曲されて送電鉄塔2’の尖り頂部Pの最上部に位置する四本の主柱材2cの上端Tを被覆するように配設されるとともに(図6(b)を参照)、2枚の側板22はそれぞれ尖り頂部Pの最上部において、頂板21の側部21bが配されない側の側面Uに配され(図5及び図6(b)を参照)、頂板21及び側板22はともに主柱材2cにボルト11・ナット12により固定される(図5を参照)。
つまり、送電鉄塔2’の尖り頂部Pの最上部では、頂板21と側板22からなる容器状の物体が、頂板21の天部21aを鉛直上方側に向けた状態で主柱材2cの上端側に固設される。
そして、上述のような頂板21を構成する天部21aの上面中央に耐張プレート13がボルト11・ナット12により固定される(図5を参照)。
さらに、従来技術に係る架空地線取設構造20では、図5に示すように、耐張プレート13の端部13aにおいて左右に配される各接続部材17に、夫々クランプ15を介して架空地線14の端部が固定される。また、各架空地線14同士の電気的接続は、一本のジャンパー線16の両端部を夫々各クランプ15により固定することにより行われる。
そして、従来技術に係る架空地線取設構造20では、図5に示すように、ジャンパー線16の余長部分16aが風によって揺れることを防止するために、その長さ中央部を耐張プレート13上に設けられる懸垂クランプ18により耐張プレート13上に固定するとともに、余長部分16aを押圧変形させて略m字状に湾曲させた状態としている。
なお、図5及び図6(a)に示す従来技術に係る架空地線取設構造20は、送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて建設される。
【0005】
ここで、従来技術に係る架空地線取設構造20の課題について図5図6(b)及び図7を参照しながら説明する。
図7は従来技術に係る架空地線取設構造を尖り頂部の内側から見た画像である。
従来技術に係る架空地線取設構造20は、送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて建設することができるものの、図5及び図6(b)から明らかなように、尖り頂部Pの最上部が閉じた状態になる。
この場合、尖り頂部Pの最上部の内側では湿気が滞留しやすい上、雨水に触れないので頂板21や側板22の内側(裏側)に付着する塩分等の不純物(腐食促進物質)を雨水により洗い流すことができない。このため、図7に示すように、尖り頂部Pの最上部の内側において発錆、並びにそれに伴う金属の腐食及び劣化が起き易いという課題があった。
そして、先の図5及び図6(b)に示すような従来技術に係る架空地線取設構造20の頂板21や側板22、並びにその取設対象である主柱材2cに腐食がおきて劣化した場合は、架空地線14を安全に架設しておくことができず、先の図4に示す電力線4による送電に支障をきたすおそれがあった。
上述のような課題に対処するため、本願発明の出願人は過去に例えば以下に示すような先願を出願している。
【0006】
特許文献1には「送電鉄塔頂部の防錆構造」という名称で、送電鉄塔頂部を覆う頂部プレートの内面に発生し易い錆を効果的に防止することができる送電鉄塔頂部の防錆構造に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される送電鉄塔頂部の防錆構造は、同文献中の図3に記載される符号を用いて説明すると、最上部に位置する各主柱材15の最上端部を覆った状態で固定される頂部プレート30を有した送電鉄塔であって、頂部プレートは、各最上部主柱材の最上端部間に形成される略四角形の上部開放面17の一部を覆う天板31と、各最上部主柱材間に形成される四つの開放側面を覆うために各最上部主柱材にボルト・ナットにより固定される側板35と、を備え、天板は、上部開放面の対向する二辺に跨って配置され、且つ該二辺と対応する二枚の側板35a、35bと一体化された細幅の部材であり、該天板の幅方向両端縁と他の二枚の側板35c、35dとの間には通気用の開口部40が形成されていることを特徴とするものである。
上述のような特許文献1に開示される発明によれば、送電鉄塔頂部に固定されて架空地線を支持する耐張プレートを設置する頂部プレートの凹状の下面に塩分等の不純物が堆積して内部を発錆させることを効果的に防止することができる。
【0007】
特許文献2には「送電鉄塔頂部構造」という名称で、送電鉄塔の頂部を補強しつつ送電鉄塔間に架設される架空地線を固定する送電鉄塔頂部構造に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示される送電鉄塔頂部構造は、同文献中の図1に示す符号をそのまま用いて説明すると、送電鉄塔の頂部100には、天面の全面が開放された天面開放構造である開放部18が形成され、頂部100の側部には、対向する一対の上部側板12-1及び12-2、一対の上部側板12-1及び12-2の下方に変位した下部側板16-1及び16-2を備え、頂板14が一対の上部側板12-1及び12-2の間に開放部18を確保した状態で架設されることを特徴とするものである。
上述のような特許文献2に開示される発明によれば、頂部100の上下方向及び水平方向から空気が流入して、頂部100に設けられた部材に付着した水滴を速やかに乾燥させて湿気の発生を抑制し、頂板14の下方が発錆することを防止して送電鉄塔頂部構造10の劣化を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013-141381号公報
【特許文献2】特開2012-50214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の特許文献1,2に開示されるそれぞれの発明によれば、鉄塔上部の通気性及び通水性を改善することができるので、鉄塔上部における発錆、並びにそれに伴う金属の腐食及び劣化の進行を抑制できると考えられる。
その一方で、特許文献1,2に開示される発明はいずれも、送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づくものでない。つまり、送電鉄塔の尖り頂部の最上部に耐張プレート13を用いて架空地線14を固定することができないため、発明として成立しても安全基準等の観点から現場で実際に施工することができないという課題を有している。なお、その根拠は以下に示す通りである。
【0010】
特許文献1の明細書段落0015には「天板31を細幅な形状に構成した場合には、図7に示した如き大型の耐張プレート120(先の図5に示す耐張プレート13と同じ)を天板上に固定することができなくなるが、」の記載がある。
したがって、特許文献1に開示される発明の場合は、送電鉄塔の尖り頂部の最上部に図5に示すような耐張プレート13を用いて架空地線14を固定することができない。
また、特許文献2に開示される開示される鉄塔の頂部構造を採用する場合で、かつこの頂部構造に先の図5に示す耐張プレート13を用いて架空地線を取り付けようとすると、特許文献2の図1(b)及び図2乃至図5に示される頂板の長手方向に対して交差するように耐張プレート13を配設する必要があると考えられる。この場合、特許文献2の頂板と耐張プレート13の重なる領域が狭くなってしまい、先の図5に示すようにこれらをボルト及びナットで強固に固設することができない。
つまり、特許文献2に開示される発明の場合も、送電鉄塔の尖り頂部の最上部に図5に示すような耐張プレート13を用いて架空地線14を固定することができない。
【0011】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて建設することができ、かつ送電鉄塔の尖り頂部の最上部の劣化を遅延させることができる架空地線取設構造及びそれを備えた送電鉄塔を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための第1の発明である架空地線取設構造は、送電鉄塔の尖り頂部の最上部に設けられる架空地線の取設構造であって、平板材を断面コ字状に折曲してなり、尖り頂部を構成する主柱材の鉛直上方端面側に配される天部と、この天部を挟んでそれぞれの側縁に延設され送電鉄塔の側面に配される側部と、を有する頂板と、尖り頂部において、頂板の側部が配されない送電鉄塔の側面にそれぞれ設けられる側板と、頂板の天部に取設され、架空地線が接続される耐張プレートと、を備え、頂板の天部は、平面視した際に耐張プレートと重ならない領域に通気及び通水用の切欠きを備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において、頂板の天部は、送電鉄塔の尖り頂部の最上部に耐張プレートを固設する際の支持板として作用する。また、頂板の側部は、同じく頂板の天部を、尖り頂部を構成する主柱材に取設するための支持板として作用する。
さらに、側板は尖り頂部の最上部において、隣り合う主柱材であり、かつ頂板の側部が固設されてない側の主柱材同士を連結して一体化するという作用を有する。これにより、尖り頂部の最上部の剛性及び強度が高まる。
また、耐張プレートは、架空地線の端部が連結され、かつその胴部がボルト及びナット等の固定具により頂板の天部に一体に固設されることで、架空地線の端部を送電鉄塔の尖り頂部の最上部に間接的に固定するという作用を有する。
さらに、頂板の天部に形成される切欠きは、尖り頂部の最上部において、その内外の通気性及び通水性を改善させるという作用を有する。
この場合、尖り頂部の最上部において、湿気がこもり難くなると共に、同最上部の内側に付着した塩分等の不純物(腐食促進物質)を雨水により効率良く洗い流すことが可能になる。これにより、送電鉄塔の尖り頂部の最上部内側の発錆、並びにそれに伴う金属の腐食及び劣化が進行するのを好適に抑制するという作用を有する。
また、第1の発明では、送電鉄塔の尖り頂部の最上部に架空地線を送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて固定することができる。つまり、第1の発明は現行の基準を満たすので現場で実施可能である。
【0013】
第2の発明である架空地線取設構造は、上述の第1の発明であって、頂板の天部を平面視した際に、天部の幅Wと耐張プレートの幅Wは一致していることを特徴とするものである。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第2の発明において頂板の天部を平面視した際に、天部の幅Wを耐張プレートの幅Wと同じにすることで、天部において耐張プレートとの接続領域を十分に確保しつつ、天部における切欠きの面積を最大にするという作用を有する。
この場合、頂板の天部に形成される切欠き(開口)における通気性及び通水性を極めて良好にできる。
【0014】
第3の発明である架空地線取設構造は、上述の第1の発明であって、頂板の天部は、切欠きに代えて天部の厚み方向を貫通してなる複数の孔を備えていることを特徴とする。
上記構成の第3の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第3の発明において、天部を平面視した際に耐張プレートと重ならない領域に穿設される複数の孔は、尖り頂部の最上部において、切欠きと同様にその内外の通気性及び通水性を改善させるという作用を有する。
【0015】
第4の発明である架空地線取設構造は、上述の第1乃至第3のいずれかの発明であって、尖り頂部に側板を取設した状態で側面視した際に、頂板の天部と側板の上縁の間は空隙を有していることを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、上述の第1乃至第3のそれぞれの発明による作用と同じ作用を有する。また、上述の第4の発明では、尖り頂部の最上部がその天面側に加えて、側板側にもその内外の通気性及び通水性を改善させる空隙を形成することができる。
よって、第3の発明によれば、送電鉄塔の尖り頂部の最上部の内側における発錆、並びにそれに伴う金属の腐食及び劣化の進行を一層確実に抑制するという作用を有する。
【0016】
第5の発明である送電鉄塔は、上述の第1乃至第4のいずれかの発明である架空地線取設構造を有する尖り頂部を備えていることを特徴とするものである。
第5の発明は、上述の第1乃至第4のいずれかの発明である架空地線取設構造を有する尖り頂部を備えた送電鉄塔を発明として特定したものであり、その作用は、上述の第1乃至第4のそれぞれの作用と同じである。
【発明の効果】
【0017】
上述のような第1の発明によれば、送電鉄塔の尖り頂部における最上部を構成するパーツの発錆、並びにそれに伴う金属の腐食及び劣化の進行を確実に遅延させることができる。
この場合、尖り頂部を有する送電鉄塔の耐久性を向上させることができる。また、第1の発明によれば、先の図5及び図6(b)に示すような架空地線取設構造20を備えた送電鉄塔を用いる場合に比べて、そのメンテナンスや建て替えに要するコストを削減できる。
また、第1の発明は、尖り頂部形の送電鉄塔を建設する際の基準である送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて建設することができる。このため、第1の発明は、特許文献1や特許文献2に開示される発明のように、これらの発明を備えた送電鉄塔が安全基準を満たしているか否かを確認するための検査や試験を別途行う必要がなく、直ちに現場において実施することができる。
よって、第1の発明によれば、送電鉄塔の尖り頂部の最上部の劣化を好適に遅延させることができ、かつ現行の送電用山形鋼鉄塔製作基準を満たす架空地線取設構造を提供することができる。
【0018】
第2の発明は、上述の第1の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第2の発明によれば、頂板の天部に形成される切欠きの面積を最大にすることができる。
よって、第2の発明によれば、尖り頂部の最上部における通気性及び通水性の改善効果が最大になる。
したがって、第2の発明によれば、第1の発明と比較して尖り頂部の最上部の耐久性が優れた送電鉄塔を提供することができる。
【0019】
第3の発明は、上述の第1の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第3の発明によれば、第1の発明における切欠きに対応する構成として、頂板の天部の厚み方向を貫通する複数の孔を備えていることで、第1の発明に比べ天部の欠損領域を相対的に小さくできる。
よって、第3の発明によれば、上述の第1の発明と比較して頂板の強度が相対的に高い架空地線取設構造を提供できる。
したがって、第3の発明によれば、送電鉄塔の設置場所が、恒常的に風が強い等の理由により、耐張プレートを支持する頂板に強度が要求される場合に、尖り頂部の最上部における通気性及び通水性を損なうことなく、その要求を満たした架空地線取設構造を提供することができる。
【0020】
第4の発明は、上述の第1乃至第3のそれぞれの発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第4の発明によれば、尖り頂部の最上部の側面側、つまり側板が取設される側の内外の通気性及び通水性を改善させることができる。
これにより、尖り頂部の最上部がその内外の通気性及び通水性を改善するために切欠き又は複数の貫通孔のみを備えている場合に比べて、尖り頂部の最上部の内側の発錆、並びにそれに伴う金属の腐食及び劣化の進行を一層確実に遅延させることができる。
よって、第4の発明によれば、第1乃至第3のそれぞれの発明と比較してより耐久性に優れた架空地線取設構造を提供することができる。
この結果、送電鉄塔が尖り頂部の最上部に第4の発明を備えることで、送電鉄塔自体の耐久性も向上させることができる。
【0021】
第5の発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明である架空地線取設構造を備えた送電鉄塔を物の発明として特定したものである。
よって、第5の発明は、第1乃至第4のそれぞれの発明による効果と同じ効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る架空地線取設構造の斜視図である。
図2】(a)本発明の実施形態に係る架空地線取設構造を構成する頂板の展開図及び側板の平面図であり、(b)本発明の実施形態に係る架空地線取設構造を構成する頂板と側板を送電鉄塔の尖り頂部の最上部に取設した状態の側面図である。
図3】(a)本実施形態の変形例に係る架空地線取設構造を構成する頂板の展開図及び側板の平面図であり、(b)本実施形態の変形例に係る架空地線取設構造を構成する頂板と側板を送電鉄塔の尖り頂部の最上部に取設した状態の側面図である。
図4】(a)送電鉄塔の側面図であり、(b)送電鉄塔の上部の斜視図である。
図5】送電鉄塔の尖り頂部の最上部に設けられる従来技術に係る架空地線取設構造の斜視図である。
図6】(a)従来技術に係る架空地線取設構造を構成する頂板の展開図及び側板の平面図であり、(b)従来技術に係る架空地線取設構造を構成する頂板と側板を送電鉄塔の尖り頂部の最上部に取設した状態の側面図である。
図7】従来技術に係る架空地線取設構造を尖り頂部の内側から見た画像である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態に係る架空地線取設構造及びそれを備えた送電鉄塔について図1乃至図3を参照しながら説明する。
【0024】
[1-1;本発明の基本構成について]
本発明の実施形態に係る架空地線取設構造は、先の図4に示す送電鉄塔2’の尖り頂部Pの最上部に設けられる従来技術に係る架空地線取設構造20の代替構造である。
したがって、本実施形態に係る送電鉄塔は、先の図4に示す送電鉄塔2’において従来技術に係る架空地線取設構造20以外の送電鉄塔の構造(構成)が、先の図4に示す送電鉄塔2’と同じである。このため、ここでは本実施形態に係る送電鉄塔における架空地線取設構造以外の構成の詳細な説明については省略する。
はじめに、本発明の実施形態に係る架空地線取設構造について図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係る架空地線取設構造の斜視図である。また、図2(a)は本発明の実施形態に係る架空地線取設構造を構成する頂板の展開図及び側板の平面図であり、(b)は本発明の実施形態に係る架空地線取設構造を構成する頂板と側板を送電鉄塔の尖り頂部の最上部に取設した状態の側面図である。なお、図4乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、図2(a)では、送電鉄塔2の尖り頂部Pを構成する主柱材2c等と頂板7の位置関係が理解され易いよう、主柱材2c及び側板9の輪郭を破線で示した。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aは、送電鉄塔2の尖り頂部Pの最上部に設けられ、架空地線14の端部をつなぎ留めておくための頂部構造である。
このような本実施形態に係る架空地線取設構造1Aは主に、尖り頂部Pを構成する主柱材2cの鉛直上方端部T側に設けられる頂板7と、この頂板7が取設されない側の尖り頂部Pの側面Uに設けられる2枚の側板9と、頂板7の最上面(天部7a)に取設されて架空地線14の端部を保持する耐張プレート13と、を備えてなるものである。
また、上述のような本実施形態に係る架空地線取設構造1Aにおける頂板7は、図2(a)に示すような平板材を、図1及び図2(b)に示すように断面コ字状に折曲してなるものである。
上述のような頂板7は、送電鉄塔2の尖り頂部Pを構成する主柱材2cの鉛直上方端面T側に配される天部7aと、この天部7aを挟んでそれぞれの側縁Sに延設されるとともに、送電鉄塔2の側面Uに配される側部7bを備えてなり、天部7aは側縁Sでない端縁に一対の切欠き8を備えている。
より具体的には、上述のような頂板7を送電鉄塔2の尖り頂部の最上部に取設した状態で、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aを平面視した際に、一対の切欠き8,8は、図1に示すように、頂板7の天部7aに取設される耐張プレート13と重ならない領域に形成されている。
さらに、上述のような頂板7及び側板9はともに、送電鉄塔2の尖り頂部Pにボルト11及びナット12を用いて固定するためのボルト挿通孔10を備えている(図2(a)を参照)。
【0026】
さらに、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aでは、頂板7を構成する天部7aの上面中央に耐張プレート13がボルト11・ナット12により固定されている。
そして、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aでは、耐張プレート13の端部13aにおいて左右に配される各接続部材17に、夫々クランプ15を介して架空地線14の端部が固定される。また、各架空地線14同士の電気的接続は、一本のジャンパー線16の両端部を夫々各クランプ15により固定することにより行われている。
加えて、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aでは、ジャンパー線16の余長部分16aが風によって揺れることを防止するために、その長さ中央部を耐張プレート13上に設けられる懸垂クランプ18により耐張プレート13上に固定するとともに、余長部分16aを押圧変形させて略m字状に湾曲させた状態としている。
なお、図1に示す本実施形態に係る架空地線取設構造1Aにおける頂板7の天部7aに対する架空地線14の固定構造は、先の図5に示す従来技術に係る架空地線取設構造20における頂板21の天部21aに対する架空地線14の固定構造と同じである。
【0027】
[1-2;本発明の作用・効果について]
図1及び図2に示す本実施形態に係る架空地線取設構造1Aでは、先の図5に示す従来技術に係る架空地線取設構造20と同様に、耐張プレート13を頂板7に固設し、この耐張プレート13に架空地線14を引き留めることで、送電鉄塔2に対して架空地線14を固定することができる。
また、架空地線14同士の電気的接続を行うジャンパー線16の頂板7への取設も、従来技術に係る架空地線取設構造20と同様に、懸垂クランプ18を用いて行うことができる。
したがって、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aは、従来技術に係る架空地線取設構造20と同様に、送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて施工することができるので、現場における実施に何ら支障がない。
他方、先の特許文献1や特許文献2に開示される発明の場合は、送電鉄塔の尖り頂部の最上部に架空地線14を固定するにあたり、送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づく固定構造である耐張プレート13を用いることができない。
このため、先の特許文献1や特許文献2に開示される発明を現場で実際に実施しようとすると、その安全性等を確認するための検査や試験を行う必要があったり、新たな施工基準を設けたりする必要があり、直ちに実施することができない。
よって、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aによれば、現行の基準を満たして直ちに実施可能な技術を提供することができる。
【0028】
また、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aでは、図1及び図2(a)に示すように、頂板7を構成する天部7aが、架空地線取設構造1Aを平面視した際に耐張プレート13と重ならない領域に切欠き8を備えていることで、送電鉄塔2の尖り頂部Pの最上部の内外の通気性及び通水性を良好にできる。
この場合、送電鉄塔2の尖り頂部Pの最上部の内側、つまり尖り頂部Pを構成する主柱材2cに頂板7を固設した場合にその内側に湿気が溜まるのを防止できる。
さらに、頂板7の天部7aに形成される切欠き8から雨水が、送電鉄塔2の尖り頂部Pの最上部の内側に浸入して、この内側に付着した塩分等の不純物(腐食促進物質)を洗い流すことができる。
よって、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aによれば、送電鉄塔2の尖り頂部Pの最上部の内側における発錆、並びにそれに伴う金属の腐食及び劣化の進行を確実に遅延させることができる。
【0029】
したがって、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aを採用する場合は、本実施形態に係る送電鉄塔2を送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて建設することができるだけでなく、尖り頂部Pの最上部の劣化を好適に抑制することができる。
この場合、先の図5に示す従来技術に係る架空地線取設構造20を採用する場合に比べて、本実施形態に係る架空地線取設構造1A及びそれを用いてなる送電鉄塔2の耐久性を向上させることができる。
この結果、本実施形態に係る送電鉄塔2に対するメンテナンスや修理の手間を削減でき、さらに送電鉄塔2の建て替えの頻度も低減できる。
したがって、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aによれば、送電鉄塔2の維持管理に要するコストを削減することができる。
【0030】
[1-3;本発明の細部構造について]
ここで、図1及び図2を参照しながら本実施形態に係る架空地線取設構造1Aの細部構造について説明する。
本実施形態に係る架空地線取設構造1Aでは、この架空地線取設構造1Aを平面視した際に、頂板7の天部7aの幅W図2(a)を参照)を、耐張プレート13の幅Wと一致(略一致の概念も含む)させておいてもよい(任意選択構成要素)。
より具体的には、頂板7の天部7aの幅Wは、図2(a)に示すように、頂板7の展開図において切欠き8,8間の最短距離である。
また、耐張プレート13の幅Wは、図1に示すように、架空地線14の配設方向に対して直交する方向の耐張プレート13の長さである。
そして、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aにおいて、天部7aの幅Wと耐張プレート13の幅Wが一致(略一致の概念も含む)する場合は、天部7aに形成される切欠き8の面積を最大にすることができる。この場合は当然に、尖り頂部の最上部における通気性及び通水性の改善効果も最大になる。
そして、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aでは、この場合でも天部7aは、耐張プレート13の幅Wと同じ幅Wを有するため、天部7aに耐張プレート13固設する際のボルト11及びナット12の取付けには何ら支障が生じない。
この結果、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aによれば、尖り頂部の最上部の内側における発錆、並びにそれに伴う金属の腐食及び劣化を最大限抑制しつつ、送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて架空地線14を尖り頂部の最上部に固定することができるという効果を奏する。
【0031】
さらに、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aは、図2(b)に示すように、送電鉄塔2の尖り頂部Pに側板9を取設した状態で側面視した際に、頂板7の天部7aの下面と側板9の上縁9aの間に空隙Dを有していてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aは、尖り頂部Pの最上部の天部7a形成される切欠き8に加えて、側面Uにおける頂板7と側板9の間に空隙Dを備えていることで、通気性及び通水性のさらなる改善効果が期待できる。
この場合は、本実施形態に係る架空地線取設構造1Aが頂板7の天部7aに切欠き8のみを備えている場合に比べて、架空地線取設構造1Aにおける発錆、並びにそれに伴う金属の腐食及び劣化を抑制する効果を一層向上させることができる。
よって、図2(b)に示すように、尖り頂部Pの最上部において頂板7が配設されない側の側面Uに空隙Dを備えた本実施形態に係る架空地線取設構造1Aによれば、より一層耐久性に優れた架空地線取設構造及び送電鉄塔を提供することができる。
【0032】
[2;本発明の変形例について]
続いて、図3を参照しながら本実施形態の変形例に係る架空地線取設構造について説明する。
図3(a)は本実施形態の変形例に係る架空地線取設構造を構成する頂板の展開図及び側板の平面図であり、(b)は本実施形態の変形例に係る架空地線取設構造を構成する頂板と側板を送電鉄塔の尖り頂部の最上部に取設した状態の側面図である。なお、図1,2及び図4乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
先の本実施形態に係る架空地線取設構造1Aでは、尖り頂部の最上部の内外の通気性及び通水性を良好にするための開口として、頂板7の天部7aに矩形状の切欠き8を設ける場合を例に挙げて説明しているが、通気性及び通水性を改善するための開口の形態は図1及び図2(a)に示す切欠き8以外の形態でもよい。
【0033】
より具体的には、図3(a),(b)に示すように、本実施形態の変形例係る架空地線取設構造1Bでは、この架空地線取設構造1Bを平面視した際に、耐張プレート13と重ならない領域Eに、頂板7’の天部7aの厚み方向を貫通する複数の孔(例えばパンチング孔19等)を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、先の本実施形態に係る架空地線取設構造1Aと比較して、尖り頂部の最上部の内外における通気性及び通水性はやや低下するものの、頂板7’の天部7aにおける欠損領域を相対的に少なくできる。
この場合、先の架空地線取設構造1Aと比較して、頂板7’の天部7aの強度を高くすることができる。
この結果、送電鉄塔2の建設場所が恒常的に風が強い等の理由で、耐張プレート13の支持板である頂板7の天部7aに十分な強度が必要とされる場合でも、天部7aに形成されるパンチング孔19のサイズや総数を適宜調整することで、頂板7’の強度を所望に調整することができる。
よって、本実施形態の変形例に係る架空地線取設構造1Bによれば、先の架空地線取設構造1Aに比べて、頂板7’の強度がより高い架空地線取設構造及び送電鉄塔を提供することができる。
【0034】
さらに、本実施形態の変形例係る架空地線取設構造1Bは、先の架空地線取設構造1Aと同様に、送電鉄塔2の尖り頂部Pに側板9を取設した状態で側面視した際に、頂板7’の天部7aの下面と側板9の上縁9aの間に空隙Dを有していてもよい(図3(b)を参照、任意選択構成要素)。
この場合、本実施形態の変形例に係る架空地線取設構造1Bが頂板7’の天部7aの領域Eに複数の貫通孔(例えばパンチング孔19等)のみを備えている場合に比べて、架空地線取設構造1Bにおける発錆、並びにそれに伴う金属の腐食及び劣化を抑制する効果を一層向上させることができる。
よって、図3(b)に示すように、尖り頂部Pの最上部において頂板7’の側部7bが配設されない側の側面Uに、空隙Dを備えた本実施形態の変形例に係る架空地線取設構造1Bによれば、天部7aの強度がより高く、かつ一層耐久性に優れた架空地線取設構造及び送電鉄塔を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上説明したように本発明は、送電用山形鋼鉄塔製作基準に基づいて建設することができ、かつ送電鉄塔の尖り頂部の最上部の劣化を遅延させることができる架空地線取設構造及びそれを備えた送電鉄塔であり、送電設備に関する技術分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1A,1B…架空地線取設構造 2,2’…送電鉄塔 2a…主柱材 2b…腹材 2b…斜材 2b…水平材 2c…主柱材 3…電力線用腕金 4…電力線 6…碍子 7,7’…頂板 7a…天部 7b…側部 8…切欠き 9…側板 9a…上縁 10…ボルト挿通孔 11…ボルト 12…ナット 13…耐張プレート 13a…端部 14…架空地線 15…クランプ 16…ジャンパー線 16a…余長部分 17…接続部材 18…懸垂クランプ 19…パンチング孔 20…架空地線取設構造(従来技術) 21…頂板 21a…天部 21b…側部 22…側板 D…空隙 S…側縁 T…端面 U…側面 P…尖り頂部 P…胴部 P…脚部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7