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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081411
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】切開装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 69/00 20060101AFI20230606BHJP
【FI】
B65B69/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195055
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】592209755
【氏名又は名称】金城機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100216736
【弁理士】
【氏名又は名称】竹井 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 克彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】長野 光宏
(72)【発明者】
【氏名】山内 哉
(72)【発明者】
【氏名】長谷山 和幸
(72)【発明者】
【氏名】松下 忍
【テーマコード(参考)】
3E058
【Fターム(参考)】
3E058AA04
3E058BA12
3E058CA01
3E058CB07
3E058DA01
3E058DA02
3E058DA04
3E058EA01
3E058FA05
3E058GA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】缶蓋列を包む袋をより確実に切開できる装置を提供する。
【解決手段】袋T1に包まれた柱状の対象物Tの袋を切開する切開装置1であって、対象物を長手方向に沿って移送する移送部2と、対象物が移送される経路である移送経路に位置し、対象物の袋を吸引する袋吸引部3と、袋吸引部の後方に連続して位置し、吸引された袋を切開する刃部5と、を備える。また、袋吸引部は対象物を臨む吸引面を有し、吸引面における、対象物の移送方向と直交する方向の断面は、対象物から遠ざかる方向に凸となる断面円弧状であり、吸引面は袋を吸引する、複数の吸引孔を含み、刃部は、吸引面の後端、かつ吸引面の断面円弧状の頂点に対応する位置、に設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋に包まれた柱状の対象物の該袋を切開する切開装置であって、
前記対象物を長手方向に沿って移送する移送部と、
前記対象物が移送される経路である移送経路に位置し、前記対象物の前記袋を吸引する袋吸引部と、
前記袋吸引部の後方に連続して位置し、吸引された前記袋を切開する刃部と、を備える、
切開装置。
【請求項2】
前記袋吸引部は前記対象物を臨む吸引面を有し、
前記吸引面における、前記対象物の移送方向と直交する方向の断面は、前記対象物から遠ざかる方向に凸となる断面円弧状であり、
前記吸引面は前記袋を吸引する、複数の吸引孔を含み、
前記刃部は、前記吸引面の後端、かつ前記吸引面の断面円弧状の頂点に対応する位置、に設けられている、
請求項1に記載の切開装置。
【請求項3】
複数の前記吸引孔のうちの、前記吸引面の断面円弧状の頂点部に設けられ、かつ最も前記刃部に近接する刃部近接吸引孔は、他の前記吸引孔より、開口面積が大きい、
請求項2に記載の切開装置。
【請求項4】
前記袋吸引部は、前記対象物を前記吸引面の直下に導入させるガイド部を有し、
前記ガイド部は、
前記吸引面の両側に位置しており、
前記吸引面より前記対象物側に位置する、前記対象物を臨む一対のガイド面を含み、
前記ガイド面は前記対象物に当接可能な位置に設けられている、
請求項2又は請求項3に記載の切開装置。
【請求項5】
前記対象物が導入される前記ガイド面における前端はR面取された形状である、
請求項4に記載の切開装置。
【請求項6】
前記刃部の後方における前記移送経路に位置し、前記袋を切開することで生じる屑を吸引する屑吸引部をさらに備える、
請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の切開装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切開装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、公開特許公報 平11-43122号公報(特許文献1)がある。この公報には、「積層された缶蓋が筒状の袋に充填された包装体から袋を除去する缶蓋解袋機」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】公開特許公報 平11-43122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
略円盤状の缶蓋が互いに平行に密着して円柱状に延びる缶蓋列を包む袋を確実に切開できないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
袋に包まれた柱状の対象物の該袋を切開する切開装置であって、
前記対象物を長手方向に沿って移送する移送部と、
前記対象物が移送される経路である移送経路に位置し、前記対象物の前記袋を吸引する袋吸引部と、
前記袋吸引部の後方に連続して位置し、吸引された前記袋を切開する刃部と、を備える、切開装置。
【0006】
前記袋吸引部は前記対象物を臨む吸引面を有し、
前記吸引面における、前記対象物の移送方向と直交する方向の断面は、前記対象物から遠ざかる方向に凸となる断面円弧状であり、
前記吸引面は前記袋を吸引する、複数の吸引孔を含み、
前記刃部は、前記吸引面の後端、かつ前記吸引面の断面円弧状の頂点に対応する位置、に設けられている、切開装置。
【0007】
複数の前記吸引孔のうちの、前記吸引面の断面円弧状の頂点部に設けられ、かつ最も前記刃部に近接する刃部近接吸引孔は、他の前記吸引孔より、開口面積が大きい、切開装置。
【0008】
前記袋吸引部は、前記対象物を前記吸引面の直下に導入させるガイド部を有し、
前記ガイド部は、
前記吸引面の両側に位置しており、
前記吸引面より前記対象物側に位置する、前記対象物を臨む一対のガイド面を含み、
前記ガイド面は前記対象物に当接可能な位置に設けられている、切開装置。
【0009】
前記対象物が導入される前記ガイド面における前端はR面取された形状である、切開装置。
【0010】
前記刃部の後方における前記移送経路に位置し、前記袋を切開することで生じる屑を吸引する屑吸引部をさらに備える、切開装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、缶蓋列を包む袋をより確実に切開できる装置を提供できる。
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】切開装置の正面図であり、切開装置の作用を説明する第1図である。
図2】切開装置の側面図であり、切開装置の作用を説明する第1図である。
図3】切開装置の正面図であり、切開装置の作用を説明する第2図である。
図4】切開装置の側面図であり、切開装置の作用を説明する第2図である。
図5】切開装置の正面図であり、切開装置の作用を説明する第3図である。
図6】切開装置における袋吸引部の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至図6により切開装置の一例(実施形態)を説明する。
図1図3及び図5は切開装置の正面図である。
図2及び図4は切開装置の側面図である。
【0014】
切開装置1は、袋T1に包まれた柱状の対象物Tの該袋T1を切開する装置である。
本実施形態における対象物Tは、紙製の袋T1に包まれた、略円盤状の缶蓋が互いに平行に密着して円柱状に(図1乃至図6におけるx軸方向に)延びる缶蓋列(袋T1の内側に図示する破線部)である。
切開装置1は、移送部2、袋吸引部3、ガイド部4、刃部5及び屑吸引部6を備える。
【0015】
移送部2は移送台21及び押出部材22を有する。
移送台21は対象物Tを移送するための台である。移送台21は対象物Tの移送方向(図1乃至図6におけるx軸方向)に延びる部材である。
押出部材22は、移送台21に載置された対象物Tを、当該対象物Tの長手方向に沿って押し出すことにより、移送する部材である。
【0016】
袋吸引部3は、対象物Tが移送される経路(以下、移送経路とする場合がある。)の上方に位置し、対象物Tの袋T1を吸引するためのものである。
なお、「上」とは図1乃至図5のy軸方向における上を意味しており、「下」とは図1乃至図5のy軸方向における下を意味している。
【0017】
袋吸引部3は、移送される対象物Tを臨む(下方を臨む)面である吸引面31を有する。
吸引面31は、開口部である吸引孔31Aを複数個含む。
吸引面31は対象物Tの移送方向に沿って延びる面である。
袋吸引部3は、バキュームポンプ(図示せず)に接続されており、当該バキュームポンプを稼動することにより、吸引面31の吸引孔31A近傍に吸引力が生じる。
【0018】
ガイド部4は、対象物Tを袋吸引部3の吸引面31の直下に導入させるためのものである。
ガイド部4は、吸引面31の両側に位置している。言い換えれば、ガイド部4は、2つの部材を有し、当該2つの部材の間に袋吸引部3が位置している。
ガイド部4は、対象物Tの移送方向に沿って延びる長尺形状を有している。
【0019】
刃部5は、対象物Tの袋T1を切開するためのものである。
刃部5は、袋吸引部3の後方に連続して位置する。
刃部5の先端部が袋吸引部3の吸引面31より下方に突出して位置するように、当該刃部5は袋吸引部3の後方に固定されている。
なお、「後」とは、対象物Tの移送方向における下流側であり、図1図3及び図5のx軸方向における左側を意味しており、「前」とは、対象物Tの移送方向における上流側であり、図1図3及び図5のx軸方向における右側を意味している。
【0020】
屑吸引部6は、刃部5の後方における移送経路の上方に位置し、袋T1を切開することで生じる屑を吸引するためのものである。
屑吸引部6は、移送される対象物Tを臨む(下方を臨む)屑吸引口61を有する。
屑吸引部6は、バキュームポンプ(図示せず)に接続されており、当該バキュームポンプを稼動することにより、屑吸引口61近傍に吸引力が生じる。
【0021】
各構成部材は、後述する切開装置1の作用をもたらすことができる限り、どのような材料によって構成されていてもよいが、本実施形態においては、移送部2、袋吸引部3、刃部5及び屑吸引部6は金属、特にステンレスによって構成されており、ガイド部4は合成樹脂によって構成されている。
【0022】
切開装置1は対象物Tにおける切開された袋T1を除去する袋除去部(図示せず)を有していてもよい。
袋除去部は、対象物Tの移送経路における、屑吸引部6の後方に位置し、切開された袋T1を除去する。
袋除去部は、対象物Tから袋T1を剥ぎ取る一対の剥ぎ取りローラを有している。当該一対の剥ぎ取りローラの上に対象物Tが載置された状態で、当該一対の剥ぎ取りローラを稼動することで、対象物Tから切開された袋T1が剥ぎ取られることで除去される。
【0023】
切開装置1は、移送部2、袋吸引部3、屑吸引部6及び袋除去部を制御する制御部を有する。
【0024】
図1乃至図5により、切開装置1の作用を説明する。
図1及び図2は、切開装置1の作用を説明する第1図である。
図1及び図2で示す対象物Tは、移送台21に載置された後、押出部材22により移送され、ガイド部4の直下に一部が位置する状態である。なお、対象物Tは袋吸引部3の吸引面31の直下には位置していない。
【0025】
図3及び図4は、切開装置1の作用を説明する第2図である。
図3及び図4で示す対象物Tは、押出部材22により移送され、対象物Tの一部が袋吸引部3の吸引面31の直下に位置する状態である。
図3及び図4で示すように、移送されている対象物Tが吸引面31の直下に位置している場合、対象物Tの袋T1は、吸引孔31Aに吸引され、吸引面31に吸着する。
【0026】
図5は、切開装置1の作用を説明する第3図である。
図5で示す対象物Tは、一部が刃部5を通過した後の状態を示している。
図5で示すように、移送されている対象物Tが刃部5に到達した場合、袋吸引部3に吸引された袋T1が刃部5により切開される。
移送されている対象物Tが屑吸引部6の直下に位置している場合、袋T1が刃部5により切開されたときに生じた屑が屑吸引部6により吸引される。
【0027】
本実施形態における切開装置1によれば、上述のとおり、袋吸引部3に吸引された袋T1を切開する刃部5が、袋吸引部3の後方に連続して位置している。
【0028】
本実施形態における切開装置1によれば、図2及び図4で示すように、吸引面31における、対象物Tの移送方向と直交する方向(図におけるz軸方向)の断面は、対象物Tから遠ざかる方向(上方)に凸となる断面円弧状である。
また、刃部5は、吸引面31の後端、かつ吸引面31の断面円弧状の頂点に対応する位置、に設けられている。
【0029】
図6は切開装置1における袋吸引部3の底面図である。
本実施形態における切開装置1によれば、図6で示すように、複数の吸引孔31Aのうちの、吸引面31の断面円弧状の頂点部に設けられ、かつ最も刃部5に近接する刃部近接吸引孔31APは、他の吸引孔31Aより、開口面積が大きい。
【0030】
これらの各構成によって、対象物Tの袋T1をより確実に袋吸引部3により吸引した状態(対象物の内容物である缶蓋列から袋T1をより確実に引き離した状態)で袋T1を刃部5により切開することができるため、缶蓋列を包む袋T1をより確実に切開できる。
【0031】
本実施形態における切開装置1によれば、図2及び図4で示すように、ガイド部4は、吸引面31より対象物T側(下方)に位置する、対象物Tを臨む一対のガイド面41を含んでいる。
ガイド面41は対象物Tの移送方向に沿って延びている面である。
ガイド面41は対象物Tに当接可能な位置に設けられている。
当該構成により、対象物Tの内容物である缶蓋列と袋吸引部3との所定距離を保ちつつ、対象物Tとガイド部4との摺動性を向上させることができる。
なお、対象物Tとガイド面41とが当接することにより、すなわち、対象物Tの内容物である缶蓋列と、袋吸引部3及び刃部5と、の所定距離が保たれることにより、対象物Tの内容物である缶蓋列が刃部5により損傷することを抑制できる。
【0032】
本実施形態における切開装置1によれば、図1図3及び図5で示すように、対象物Tが導入されるガイド面41における前方の端部である前端はR面取された形状(R面取部41R)となっている。
言い換えれば、ガイド面41は前端から後方に向かうにつれて徐々に対象物Tに近づくように(下方に向かうように)構成されている。
当該構成により、対象物Tを袋吸引部3(吸引面31)及びガイド部4の直下に支障なく導入することができる。
【0033】
本実施形態における切開装置1によれば、図1図3及び図5で示すように、袋吸引部3の前方の端部である前端はC面取された形状(C面取部3C)となっている。
言い換えれば、袋吸引部3は前端から後方に向かうにつれて徐々に対象物Tに近づくように(下方に向かうように)構成されている。
なお、C面取部3Cは吸引孔31Aを有していない。
当該構成により、対象物Tを袋吸引部3(吸引面31)及びガイド部4の直下に支障なく導入することができる。
【0034】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 :切開装置
2 :移送部
21 :移送台
22 :押出部材
3 :袋吸引部
31 :吸引面
31A :吸引孔
31AP :刃部近接吸引孔
4 :ガイド部
41 :ガイド面
41R :R面取部
5 :刃部
6 :屑吸引部
T :対象物

図1
図2
図3
図4
図5
図6