(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081425
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】ルーバー
(51)【国際特許分類】
F04D 29/44 20060101AFI20230606BHJP
F04D 29/42 20060101ALI20230606BHJP
F24F 9/00 20060101ALN20230606BHJP
【FI】
F04D29/44 Q
F04D29/42 M
F04D29/44 W
F24F9/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195094
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】澤井 英範
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB60
3H130AC11
3H130BA95J
3H130BA97J
3H130CA08
3H130CA21
3H130DG03X
3H130DJ01X
(57)【要約】
【課題】ルーバーにおける寸法管理の厳密さを緩和するとともに、ルーバーの組付けの作業性を向上する技術を提供する。
【解決手段】気流誘導部500は、第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200とを風路310内部から外部に向かって付勢して、第1アウタールーバー100の開口下側端部134と第2アウタールーバー200の開口下側端部234の距離を一定に保持することによって、第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200とにより吹出開口400を形成させる。隔壁クリップ600は、気流誘導部500を略V字形状の内部から外部に向かって付勢するとともに、第1アウタールーバー100の開口下側端部134と第2アウタールーバー200の開口下側端部234とが近付く方向に付勢する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
短手方向の断面視にして略C字形状を有するとともに、前記略C字形状の開口が長手方向に沿って延びる第1アウタールーバーと、
短手方向の断面視にして略逆C字形状を有するとともに、前記略逆C字形状の開口が長手方向に沿って延びる第2アウタールーバーと、
前記第1アウタールーバーの開口端部と前記第2アウタールーバーの開口端部とを近接対向させることによって形成される中空空間に配置される風路と、
前記第1アウタールーバーの前記開口端部のうちの下側端部と前記第2アウタールーバーの前記開口端部のうちの下側端部とを対向させることによって形成される吹出開口と、
短手方向の断面視にして略V字形状を有して前記風路内部に長手方向に沿って設けられ、前記略V字形状の先端部に前記風路内部の空気を前記吹出開口に導く誘導開口を有する気流誘導部と、
前記気流誘導部内を長手方向に複数に分割し、前記第1アウタールーバーと前記第2アウタールーバーと前記気流誘導部とを保持する複数の隔壁クリップと、を備え、
前記気流誘導部は、前記第1アウタールーバーと前記第2アウタールーバーとを前記風路内部から外部に向かって付勢して、前記第1アウタールーバーの前記開口端部と前記第2アウタールーバーの前記開口端部の距離を一定に保持することによって、前記第1アウタールーバーと前記第2アウタールーバーとにより前記吹出開口を形成させ、
前記複数の隔壁クリップのそれぞれは、前記気流誘導部を前記略V字形状の内部から外部に向かって付勢するとともに、前記第1アウタールーバーの前記下側端部と前記第2アウタールーバーの前記下側端部とが近付く方向に付勢するルーバー。
【請求項2】
前記気流誘導部は、前記隔壁クリップの一部が貫通するスリットを有し、
前記隔壁クリップは、前記スリットを貫通する場合に前記スリットを塞ぐカバー部を有し、
前記カバー部は、前記気流誘導部における前記略V字形状の角度を維持する請求項1に記載のルーバー。
【請求項3】
前記気流誘導部は、前記誘導開口の周囲に平面部を有し、
前記第1アウタールーバーは、前記下側端部において前記吹出開口を形成する第1吹出面を有し、
前記第1アウタールーバーは、前記第1吹出面の上側端部から延び、前記平面部と接触する第1平面部を有し、
前記第2アウタールーバーは、前記下側端部において前記吹出開口を形成する第2吹出面を有し、
前記第2アウタールーバーは、前記第2吹出面の上側端部から延び、前記平面部と接触する第2平面部を有する請求項1または2に記載のルーバー。
【請求項4】
前記気流誘導部は、金属製の板に、前記誘導開口と曲げ部を設けた構成である請求項1から3のいずれか1項に記載のルーバー。
【請求項5】
前記複数の隔壁クリップのそれぞれの色は、黒色系である請求項1から4のいずれかに記載のルーバー。
【請求項6】
前記気流誘導部の色は、黒色系である請求項1から5のいずれかに記載のルーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ファンからの気流を排出するルーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ファンからの気流を排出するための送風シリンダ(ルーバー)は、筒型形状のエアシリンダとノズルとを含む。送風シリンダは長手方向に延びる開口部を有し、開口部にノズルが埋め込まれる。送風シリンダの内部を流れる気流は、ノズルの送風スロットから排出される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ノズルをエアシリンダに組み付ける場合、長手方向に延びる開口部に沿ってノズルが挿入される。このような構造では、開口部とノズルとの寸法管理が厳密になるとともに、組付けの作業性が低下する。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、ルーバーにおける寸法管理の厳密さを緩和するとともに、ルーバーの組付けの作業性を向上する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様のルーバーは、短手方向の断面視にして略C字形状を有するとともに、略C字形状の開口が長手方向に沿って延びる第1アウタールーバーと、短手方向の断面視にして略逆C字形状を有するとともに、略逆C字形状の開口が長手方向に沿って延びる第2アウタールーバーと、第1アウタールーバーの開口端部と第2アウタールーバーの開口端部とを近接対向させることによって形成される中空空間に配置される風路と、第1アウタールーバーの開口端部のうちの下側端部と第2アウタールーバーの開口端部のうちの下側端部とを対向させることによって形成される吹出開口と、短手方向の断面視にして略V字形状を有して風路内部に長手方向に沿って設けられ、略V字形状の先端部に風路内部の空気を吹出開口に導く誘導開口を有する気流誘導部と、気流誘導部内を長手方向に複数に分割し、第1アウタールーバーと第2アウタールーバーと気流誘導部とを保持する複数の隔壁クリップと、を備える。気流誘導部は、第1アウタールーバーと第2アウタールーバーとを風路内部から外部に向かって付勢して、第1アウタールーバーの開口端部と第2アウタールーバーの開口端部の距離を一定に保持することによって、第1アウタールーバーと第2アウタールーバーとにより吹出開口を形成させ、複数の隔壁クリップのそれぞれは、気流誘導部を略V字形状の内部から外部に向かって付勢するとともに、第1アウタールーバーの下側端部と第2アウタールーバーの下側端部とが近付く方向に付勢する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ルーバーにおける寸法管理の厳密さを緩和するとともに、ルーバーの組付けの作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1(a)-(b)は、実施例の比較対象となるルーバーの構造を示す図である。
【
図2】
図2(a)-(b)は、実施例に係るルーバーの構造を示す図である。
【
図3】
図3(a)-(b)は、
図2(a)-(b)のルーバーの構造を示す図である。
【
図4】
図4(a)-(b)は、
図3(a)の第1アウタールーバー、コネクト部の構造を示す図である。
【
図5】
図5(a)-(d)は、
図3(a)-(b)の気流誘導部、隔壁クリップの構造を示す図である。
【
図6】
図6(a)-(b)は、実施例に係るルーバーの構造を示す図である。
【
図7】
図2(a)-(b)のルーバーにおける気流の経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、ファンに接続され、ファンからの気流を線上に排出するルーバーに関する。長手方向に延びるルーバーは、中空構造を有するとともに、下側面に吹出開口を有する。ルーバー内部には、短手方向の断面視にして略V字形状を有し、かつ長手方向に延びる気流誘導部が配置される。気流誘導部は、ルーバー内部を長手方向に沿って流れる空気をV字形状の先端部に誘導するとともに、先端部に設けられた誘導開口と吹出開口とを介して、誘導した空気を外部に排出する。ルーバー内部のレールと、気流誘導部のガイド受け部とが長手方向に延び、かつレールに沿ってガイド受け部をスライドさせることによって気流誘導部がルーバー内部に組み付けられる場合、レールとガイド受け部の寸法管理が厳密になるとともに、組付けの作業性が低下する。
【0010】
これに対応するために、本実施例では、気流誘導部を長手方向に複数に分割する複数の隔壁クリップが気流誘導部に取り付けられる。また、各隔壁クリップにガイド受け部が設けられるので、ガイド受け部は、隔壁クリップが取り付けられる間隔で離散的に配置される。また、各ガイド受け部の長手方向の長さはレールの長手方向の長さよりも短くされる。そのため、レールとガイド受け部の寸法管理の厳密さが緩和されるとともに、組付けの作業性が向上する。
【0011】
以下に説明する実施例は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示す。よって、以下の実施例で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、並びに、ステップ(工程)およびステップの順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。したがって、以下の実施例における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。以下の説明において、「平行」、「直交」は、完全な平行、直交だけではなく、誤差の範囲で平行、直交からずれている場合も含む。また、「略」は、おおよその範囲で同一であるという意味である。
【0012】
以下、本開示を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。ここでは、本実施例の比較対象をまず説明する。
図1(a)-(b)は、実施例の比較対象となるルーバー10の構造を示す。
図1(a)は、ルーバー10の斜視図であり、
図1(b)は、ルーバー10の拡大斜視図である。
図1(a)-(b)に示すように、x軸、y軸、z軸を含む直交座標系が規定される。x軸、y軸は互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、ルーバー10の上下方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、
図1(a)-(b)における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。ここでは、x軸の正方向を「前方」、「前側」、x軸の負方向を「後方」、「後側」、y軸の正方向を「右方」、「右側」、y軸の負方向を「左方」、「左側」、z軸の正方向を「上方」、「上側」、z軸の負方向を「下方」、「下側」ということもある。そのため、x軸は前後方向に延び、y軸は左右方向に延び、z軸は上下方向に延びるといえる。また、x軸が長手方向に相当し、y軸とz軸の少なくとも1つが短手方向に相当する。このような直交座標系は本実施例においても規定される。
【0013】
ルーバー10は、第1アウタールーバー20、第2アウタールーバー30、気流誘導部40を含む。第1アウタールーバー20と第2アウタールーバー30は左右方向から組合せ可能である。第1アウタールーバー20と第2アウタールーバー30の組合せは、前後方向に延びる四角柱形状を有するとともに、内部に中空空間を有する。また、第1アウタールーバー20と第2アウタールーバー30の組合せにおける前側のy-z面は開口する。第1アウタールーバー20と第2アウタールーバー30の組合せの開口から中空空間内に、前後方向に延びる気流誘導部40が挿入される。気流誘導部40は、y-z面の断面視にて略V字形状を有するとともに、下側に第1ガイド受け部42と第2ガイド受け部44を備える。第1ガイド受け部42と第2ガイド受け部44との組合せは、前後方向に延びるガイド受け部であり、中空区間の下側面に備えられたレール(図示せず)をスライドする。その結果、第1アウタールーバー20と第2アウタールーバー30の組合せの内部に気流誘導部40が組み付けられる。これにより、前述のごとく、レールと第1ガイド受け部42と第2ガイド受け部44の寸法管理が厳密になるとともに、組付けの作業性が低下する。
【0014】
図2(a)-(b)は、ルーバー1000の構造を示す。
図2(a)は、ルーバー1000の構造を示す斜視図であり、
図2(b)は、
図2(a)のルーバー1000から第2アウタールーバー200を取り外した構造を示す斜視図である。
図3(a)-(b)は、ルーバー1000の構造を示す。
図3(a)は、
図2(a)のルーバー1000の分解斜視図であり、
図3(b)は、
図2(a)のルーバー1000のA-A’断面図である。
図4(a)-(b)は、第1アウタールーバー100、コネクト部700の構造を示す。
図4(a)は、第1アウタールーバー100の構造を示す斜視図であり、
図4(b)は、コネクト部700の構造を示す斜視図である。
【0015】
第1アウタールーバー100は、前後方向および左右方向に広がる板形形状の上面110と、上面110の左側端部の下側から前後方向および上下方向に広がる板形形状の側面112、側面112の下側端部の右側から前後方向および左右方向に広がる下面114を含む。また、下面114の右側端部の上側から前後方向および上下方向に広がる板形形状の第1吹出面120と、第1吹出面120の上側端部の左側から前後方向および左右方向に広がる板形形状の第1平面部122も第1アウタールーバー100に含まれる。そのため、第1アウタールーバー100は、y-z平面の断面視にして略C字形状を有するとともに、略C字形状の開口130が前後方向に沿って延びる。開口130は、上面110における右側の端部である開口上側端部132と、下面114における右側の端部である開口下側端部134との間に形成される。
【0016】
第2アウタールーバー200は、前後方向および左右方向に広がる板形形状の上面210と、上面210の右側端部の下側から前後方向および上下方向に広がる板形形状の側面212、側面212の下側端部の左側から前後方向および左右方向に広がる下面214を含む。また、下面214の左側端部の上側から前後方向および上下方向に広がる板形形状の第2吹出面220と、第2吹出面220の上側端部の右側から前後方向および左右方向に広がる板形形状の第2平面部222も第2アウタールーバー200に含まれる。そのため、第2アウタールーバー200は、y-z平面の断面視にして略逆C字形状を有するとともに、略逆C字形状の開口230が前後方向に沿って延びる。開口230は、上面210における左側の端部である開口上側端部232と、下面214における左側の端部である開口下側端部234との間に形成される。第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200とは、同一形状である。
【0017】
第1アウタールーバー100の開口上側端部132と第2アウタールーバー200の開口上側端部232とを近接させ、第1アウタールーバー100の開口下側端部134と第2アウタールーバー200の開口下側端部234とを近接させることによって、第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200とが組み合わされる。第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200との組合せは、前後方向に延びる四角柱形状を有する。当該組合せの内部には、中空空間300が形成される。
【0018】
第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200とが組み合わされた状態において、上面110の開口上側端部132と上面210の開口上側端部232は、コネクト部700により固定される。また、第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200とが組み合わされた状態において、第1吹出面120と第2吹出面220とが離間して配置されることによって、吹出開口400が形成される。つまり、吹出開口400は、第1アウタールーバー100の開口下側端部134と第2アウタールーバー200の開口下側端部234とを対向させることによって形成され、下面114と下面214との間に配置される。
【0019】
また、第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200の組合せにおける前側のy-z面は開口するとともに、後側のy-z面は板形形状のトッププレート800により封鎖される。第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200の組合せにおける前側の開口は、ファン(図示せず)に接続され、ファンからの気流が中空空間300内に進入する。そのため、中空空間300には、吹出開口400に続く風路310が配置される。
【0020】
気流誘導部500は、y-z平面の断面視にして略V字形状を有し、前後方向に延びる。気流誘導部500は、略V字形状の先端部を下側に向けて、風路310内部に前後方向に沿って設けられる。気流誘導部500の略V字形状の先端部には、誘導開口520が設けられる。誘導開口520は、風路310内部の空気を吹出開口400に導く。気流誘導部500内は、複数の隔壁クリップ600によって前後方向に複数に分割される。複数の隔壁クリップ600は、第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200と気流誘導部500とを保持する。気流誘導部500と隔壁クリップ600の構造の詳細は後述する。ここで、気流誘導部500の色と、複数の隔壁クリップ600のそれぞれの色は、例えば黒色系である。
【0021】
図5(a)-(d)は、気流誘導部500、隔壁クリップ600の構造を示す。
図5(a)-(b)は、気流誘導部500の構造を示す斜視図である。
図5(a)と
図5(b)とでは、気流誘導部500の角度が異なる。気流誘導部500は金属製の板であり、気流誘導部500の略V字形状の先端部には、前後方向および左右方向に広がる板形形状の平面部510が配置される。平面部510に誘導開口520が設けられる。平面部510の左側端部と右側端部とには、上側に向かうと略V字形状に広がる曲げ部512が設けられる。曲げ部512には、上下方向に延びるスリット530が複数設けられる。気流誘導部500には、隔壁クリップ600の一部が貫通可能である。
【0022】
図5(c)は、隔壁クリップ600の構造を示す斜視図である。隔壁クリップ600における土台部630は、前後方向および左右方向に広がる板形形状を有する。土台部630の前後方向の長さは、気流誘導部500の前後方向の長さに比べて短い。土台部630の上側には、気流誘導部500の略V字形状と同様の形状を有する2つのカバー部610が設けられる。また、土台部630の上側には、2つのカバー部610との間を繋ぎ、かつ上下方向および左右方向に広がる壁部640も設けられる。土台部630の下側における左側端部には第1ガイド受け部620が設けられ、右側端部には第2ガイド受け部622が設けられる。第1ガイド受け部620と第2ガイド受け部622との組合せは、前後方向に延びるガイド受け部である。
【0023】
図5(d)のように、気流誘導部500の上側から隔壁クリップ600が挿入され、第1ガイド受け部620と第2ガイド受け部622とがスリット530を貫通してから、土台部630の下側面が平面部510に接触する。このような状態において、隔壁クリップ600が気流誘導部500に取り付けられ、隔壁クリップ600はスリット530を塞ぐ。カバー部610は、気流誘導部500における略V字形状の内側から外側に向かう力を付勢することによって、略V字形状の角度を維持する。
【0024】
図3の第1吹出面120と第1平面部122と第2吹出面220と第2平面部222は、レールを構成する。このようなレールに、各隔壁クリップ600の第1ガイド受け部620と第2ガイド受け部622が前側から後側にスライドすることによって、第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200との組合せに気流誘導部500が組み付けられる。その際、第1アウタールーバー100の第1平面部122と第2アウタールーバー200の第2平面部222は、気流誘導部500の平面部510と接触する。
【0025】
気流誘導部500は、第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200とを風路310内部から外部に向かって付勢して、第1アウタールーバー100の開口下側端部134と第2アウタールーバー200の開口下側端部234の距離を一定に保持する。その結果、気流誘導部500は、第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200とにより吹出開口400を形成させる。また、複数の隔壁クリップ600のそれぞれは、気流誘導部500を略V字形状の内部から外部に向かって付勢するとともに、第1アウタールーバー100の開口下側端部134と第2アウタールーバー200の開口下側端部234とが近付く方向に付勢する。
【0026】
図6(a)-(b)は、ルーバー1000の構造を示す。
図6(a)は、ルーバー1000の斜視図であり、
図6(b)は、ルーバー1000の拡大斜視図である。これらは
図1(a)-(b)と同様に示される。気流誘導部500には、複数の隔壁クリップ600が前後方向に離散的に配置される。また、各隔壁クリップ600に第1ガイド受け部620と第2ガイド受け部622が備えられ、第1ガイド受け部620と第2ガイド受け部622がレール(図示せず)をスライドする。第1ガイド受け部620と第2ガイド受け部622の前後方向の長さは、隔壁クリップ600の前後方向の長さよりも短いので、レールと第1ガイド受け部620と第2ガイド受け部622の寸法管理の厳密さが緩和されるとともに、ルーバー1000の組付けの作業性が向上する。
【0027】
図7は、ルーバー1000における気流の経路を示す。前述のごとく、ファン(図示せず)からの気流は前側から後側に向かって進む。気流誘導部500により、気流が上側から下側に向かうとともに、壁部640によって気流は誘導開口520に導かれる。また、気流は、誘導開口520、吹出開口400を介して外部に排出される。
【0028】
本実施例によれば、気流誘導部500に複数の隔壁クリップ600が取り付けられ、複数の隔壁クリップ600が第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200に組み付けられるので、嵌め合い部分を分割できる。また、嵌め合い部分が分割されるので、寸法管理の厳密さを緩和できる。また、嵌め合い部分が分割されるので、組付け作業性を向上できる。また、隔壁クリップ600のカバー部610が気流誘導部500のスリット530を塞ぐので、気流の漏れを抑制できる。また、カバー部610は、気流誘導部500における略V字形状の角度を維持するので、中空空間300の風路310から安定した気流を吹き出させることができる。
【0029】
また、隔壁クリップ600と第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200とが平面で接触しているので、気流誘導部500と第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200との間を空気が通りにくくできる。また、気流誘導部500と第1アウタールーバー100と第2アウタールーバー200との間を空気が通りにくくなるので、異音の発生を抑制できる。また、気流誘導部500は、金属製の板に誘導開口520と曲げ部512を設けた構成であるので、気流誘導部500を容易に作成できる。
【0030】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様のルーバー(1000)は、短手方向の断面視にして略C字形状を有するとともに、略C字形状の開口が長手方向に沿って延びる第1アウタールーバー(100)と、短手方向の断面視にして略逆C字形状を有するとともに、略逆C字形状の開口が長手方向に沿って延びる第2アウタールーバー(200)と、第1アウタールーバー(100)の開口端部と第2アウタールーバー(200)の開口端部とを近接対向させることによって形成される中空空間(300)に配置される風路(310)と、第1アウタールーバー(100)の開口端部のうちの下側端部と第2アウタールーバー(200)の開口端部のうちの下側端部とを対向させることによって形成される吹出開口(400)と、短手方向の断面視にして略V字形状を有して風路(310)内部に長手方向に沿って設けられ、略V字形状の先端部に風路(310)内部の空気を吹出開口(400)に導く誘導開口(520)を有する気流誘導部(500)と、気流誘導部(500)内を長手方向に複数に分割し、第1アウタールーバー(100)と第2アウタールーバー(200)と気流誘導部(500)とを保持する複数の隔壁クリップ(600)と、を備える。気流誘導部(500)は、第1アウタールーバー(100)と第2アウタールーバー(200)とを風路(310)内部から外部に向かって付勢して、第1アウタールーバー(100)の開口端部と第2アウタールーバー(200)の開口端部の距離を一定に保持することによって、第1アウタールーバー(100)と第2アウタールーバー(200)とにより吹出開口(400)を形成させ、複数の隔壁クリップ(600)のそれぞれは、気流誘導部(500)を略V字形状の内部から外部に向かって付勢するとともに、第1アウタールーバー(100)の下側端部と第2アウタールーバー(200)の下側端部とが近付く方向に付勢する。
【0031】
気流誘導部(500)は、隔壁クリップ(600)の一部が貫通するスリット(530)を有してもよい。隔壁クリップ(600)は、スリット(530)を貫通する場合にスリット(530)を塞ぐカバー部(610)を有してもよい。カバー部(610)は、気流誘導部(500)における略V字形状の角度を維持してもよい。
【0032】
気流誘導部(500)は、誘導開口(520)の周囲に平面部(510)を有してもよい。第1アウタールーバー(100)は、下側端部において吹出開口(400)を形成する第1吹出面(120)を有してもよい。第1アウタールーバー(100)は、第1吹出面(120)の上側端部から延び、平面部(510)と接触する第1平面部(122)を有してもよい。第2アウタールーバー(200)は、下側端部において吹出開口(400)を形成する第2吹出面(220)を有してもよい。第2アウタールーバー(200)は、第2吹出面(220)の上側端部から延び、平面部(510)と接触する第2平面部(222)を有してもよい。
【0033】
気流誘導部(500)は、金属製の板に、誘導開口(520)と曲げ部(512)を設けた構成であってもよい。
【0034】
複数の隔壁クリップ(600)のそれぞれの色は、黒色系であってもよい。
【0035】
気流誘導部(500)の色は、黒色系であってもよい。
【0036】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0037】
100 第1アウタールーバー、 110 上面、 112 側面、 114 下面、 120 第1吹出面、 122 第1平面部、 130 開口、 132 開口上側端部、 134 開口下側端部、 200 第2アウタールーバー、 210 上面、 212 側面、 214 下面、 220 第2吹出面、 222 第2平面部、 230 開口、 232 開口上側端部、 234 開口下側端部、 300 中空空間、 310 風路、 400 吹出開口、 500 気流誘導部、 510 平面部、 512 曲げ部、 520 誘導開口、 530 スリット、 600 隔壁クリップ、 610 カバー部、 620 第1ガイド受け部、 622 第2ガイド受け部、 630 土台部、 640 壁部、 700 コネクト部、 800 トッププレート、 1000 ルーバー。