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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081429
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】魚の骨除去装置
(51)【国際特許分類】
   A22C 25/16 20060101AFI20230606BHJP
【FI】
A22C25/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195107
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】521525332
【氏名又は名称】有限会社THエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100191204
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 春彦
(72)【発明者】
【氏名】林田 照代
【テーマコード(参考)】
4B011
【Fターム(参考)】
4B011KA02
4B011KE09
(57)【要約】
【課題】効率的かつ確実に骨除去ができる魚の骨除去装置を提供する。
【解決手段】互いの円周端部が下端で当接又は近接してV字状を形成し、V字状を形成した状態で回転する一対の円盤10a,10bを具備する骨除去手段12を備えている魚の骨除去装置1である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの円周端部が下端で当接又は近接してV字状を形成し、該V字状を形成した状態で回転する一対の円盤を具備する骨除去手段を備えていることを特徴とする魚の骨除去装置。
【請求項2】
前記骨除去手段の一対の円盤が、連続回転することを特徴とする請求項1記載の魚の骨除去装置。
【請求項3】
前記骨除去手段の一対の円盤の対向する面の円周端部にそれぞれ傾斜面が形成され、一対の円盤が互いに当接又は近接する下端において、互いに当接又は近接する垂直部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の魚の骨除去装置。
【請求項4】
前記垂直部の長さが5mm以上であることを特徴とする請求項3記載の魚の骨除去装置。
【請求項5】
前記骨除去手段の円盤の直径が40~140mmであることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の魚の骨除去装置。
【請求項6】
前記骨除去手段の一対の円盤のV字を形成する配置角度が15°~30°であることを特徴とする請求項1~5のいずれか記載の魚の骨除去装置。
【請求項7】
前記骨除去手段が、前記一対の円盤の下方に設けられ、該一対の円盤の円周端部が突出する溝又は開口が形成された魚押え板を具備していることを特徴とする請求項1~6のいずれか記載の魚の骨除去装置。
【請求項8】
さらに、前記骨除去手段を吊下状態で支持する骨除去手段支持台と、
前記骨除去手段の下方に設けられ、魚を載置する魚載置台と、
を備えていることを特徴とする請求項1~7のいずれか記載の魚の骨除去装置。
【請求項9】
前記魚載置台が水平方向に移動可能な移動式であることを特徴とする請求項8記載の魚の骨除去装置。
【請求項10】
前記魚載置台が、複数のボールキャスター及び魚載置板を具備していることを特徴とする請求項9記載の魚の骨除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚の骨除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚の切り身などの骨除去作業は、ピンセット式(毛抜き式)やペンチ式の骨除去用の工具を用いて、人の手で骨を一本一本抜いていくものであり、作業者への負担が大きく、膨大な手間と時間がかかるものであった。したがって、作業者の負担が小さく、効率的に骨除去可能な魚の骨除去装置が望まれており、このような魚の骨除去装置に関して、様々な提案がなされている。
【0003】
例えば、魚類のフィレーを搬送するベルトコンベアと、フィレーのピンボーンを除去するピンボーン除去手段とを有する魚の骨除去装置であって、ベルトコンベアのベルトの裏面に接して配置されかつピンボーン除去手段の下方でベルトをピンボーン除去手段側に押し上げ山高状に変形させるベルトを案内支持するベルト案内部材と、ピンボーン除去手段を支持しベルトコンベア上に載置されたフィレーの表面に押しつけられるピンボーン除去手段支持機構とを有する魚の骨除去装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の魚の骨除去装置は、小さな骨が折れて残存してしまうなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-61404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、効率的かつ確実に骨除去ができる魚の骨除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、一対の円盤の円周端部を下端で当接又は近接してV字状を形成し、このV字状態で一対の円盤を回転させて、下端のV字状部位で骨を除去することにより、効率的かつ確実に魚の骨除去ができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]互いの円周端部が下端で当接又は近接してV字状を形成し、該V字状を形成した状態で回転する一対の円盤を具備する骨除去手段を備えていることを特徴とする魚の骨除去装置。
[2]前記骨除去手段の一対の円盤が、連続回転することを特徴とする上記[1]記載の魚の骨除去装置。
[3]前記骨除去手段の一対の円盤の対向する面の円周端部にそれぞれ傾斜面が形成され、一対の円盤が互いに当接又は近接する下端において、互いに当接又は近接する垂直部が形成されていることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の魚の骨除去装置。
[4]前記垂直部の長さが5mm以上であることを特徴とする上記[3]記載の魚の骨除去装置。
[5]前記骨除去手段の円盤の直径が40~140mmであることを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか記載の魚の骨除去装置。
【0009】
[6]前記骨除去手段の一対の円盤のV字を形成する配置角度が15°~30°であることを特徴とする上記[1]~[5]のいずれか記載の魚の骨除去装置。
[7]前記骨除去手段が、前記一対の円盤の下方に設けられ、該一対の円盤の円周端部が突出する溝又は開口が形成された魚押え板を具備していることを特徴とする上記[1]~[6]のいずれか記載の魚の骨除去装置。
[8]さらに、前記骨除去手段を吊下状態で支持する骨除去手段支持台と、
前記骨除去手段の下方に設けられ、魚を載置する魚載置台と、
を備えていることを特徴とする上記[1]~[7]のいずれか記載の魚の骨除去装置。
[9]前記魚載置台が水平方向に移動可能な移動式であることを特徴とする上記[8]記載の魚の骨除去装置。
[10]前記魚載置台が、複数のボールキャスター及び魚載置板を具備していることを特徴とする上記[9]記載の魚の骨除去装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明の魚の骨除去装置は、効率的かつ確実に魚の骨除去を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る魚の骨除去装置の斜視図である。
図2図1に示す魚の骨除去装置の骨除去手段の概略斜視図である。
図3図1に示す魚の骨除去装置の骨除去手段の概略正面図である。
図4図2及び図3に示す骨除去手段の一対の円盤の説明図であり、(a)は概略側面図を示し、(b)はA-A線断面図を示す。
図5図4に示す一対の円盤の垂直当接部の概略拡大正面図である。
図6図1に示す魚の骨除去装置の魚載置台の説明図であり、(a)は魚載置台の概略斜視図を示し、(b)は魚載置台のボールキャスターの底面図を示し、(c)は魚載置台のボールキャスターの側面図を示す。
図7】本発明の他の実施形態に係る魚の骨除去装置の斜視図である。
図8図1に示す魚の骨除去装置を用いて骨を除去したアジの切り身の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の魚の骨除去装置は、互いの円周端部が下端で当接又は近接してV字状を形成し、V字状を形成した状態で回転する一対の円盤を具備する骨除去手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明の魚の骨除去装置は、魚の切り身に存在する小骨(ピンボーン)を除去するのに好適である。本発明の骨除去装置が適用可能な魚としては、例えば、アジ、サバ、イワシ、サケ等を挙げることができる。
【0014】
本発明の魚の骨除去装置は、一対の円盤の円周端部が下端で当接又は近接してV字状を形成し、一対の円盤がV字状を形成した状態で回転することにより、下端のV字状部位で、魚の骨を確実に捉えて除去することができる。また、円盤の回転により魚の骨を除去するものであるため、作業者の負担が少なく、容易かつ効率的に骨除去を行うことができる。さらに、一対の円盤が連続回転する場合、連続して作業ができ、大量の魚を効率的に処理することができる。
【0015】
まず、本発明の魚の骨除去装置における骨除去手段について説明する。
本発明の骨除去手段は、立設状態で回転する一対(2枚)の円盤を具備しており、かかる一対の円盤は、互いの円周端部が下端で当接又は近接して、円周端部側から見るとV字状に形成されている。すなわち、一対の円盤は、互いの円周端部が当接又は近接する下端で互いの円周端部の間隔が最短となり、この互いの円周端部の間隔が最短となる箇所を基点とし、円周方向に基点から離れるほど互いの円周端部の間隔が離れ、基点から180°の位置で互いの円周端部の間隔が最長となるように構成されている。なお、本発明における互いの円周端部が近接するとは、少なくとも除去する骨の幅よりも短い間隔で配置されることをいう。
【0016】
一対の円盤の対向する面の円周端部には、傾斜面が設けられていることが好ましい。これにより、一対の円盤が互いに当接又は近接するV字状の下端において、互いに当接又は近接する垂直部を形成することができる(図5参照)。具体的に、互いの円周端部が当接する態様では、垂直当接部(垂直当接線)が形成され、互いの円周端部が近接する態様では、互いの円周端部が所定間隔を空けて平行に近接する垂直近接部(垂直近接平行線)が形成される。これにより、回転する一対の円盤を骨に当接させる際に、骨を点ではなく、線で捉えることができ、骨を折ることなく、確実に除去することができる。
【0017】
垂直当接部又は垂直近接部の長さ(傾斜面の長さ)としては、3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上がさらに好ましい。垂直当接部又は垂直近接部の長さが所定長さ以上であることにより、円盤が骨に当たる際の衝撃や骨を除去する際にかかる負荷を低減することができ、骨を折ることなく確実に除去することができる。また、傾斜面の上限側の長さとしては、処理する魚の種類や切り身の厚さにもよるが、15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。この上限側の長さの範囲であることにより、骨と共に、魚の身を必要以上に除去することを防止することができる。
【0018】
円盤の直径は、特に制限されるものではなく、例えば、20~300mmが好ましく、30~200mmがより好ましく、40~140mmがさらに好ましい。また、本発明の魚の骨除去装置が設置スペースを考慮しなくてよい卓上型の場合、直径100~200mm程度の比較的大きいものが好ましく、把持型の場合、より軽量となるよう、直径40~100mm程度の比較的小さいものが好ましい。
【0019】
一対の円盤のV字を形成する配置角度(V字角度)は、特に制限されるものではなく、例えば、10°~45°が好ましく、12°~35°がより好ましく、15°~30°がさらに好ましい。一対の円盤の配置角度がこの範囲であることにより、垂直当接部又は垂直近接部の所望の長さを確保できると共に、上方の円盤の間から魚の骨の位置を容易に確認することができる。なお、この一対の円盤の配置角度を考慮して、円盤の円周端部の傾斜面の傾斜角度を設定することにより、下端のV字状部位での垂直部を形成する。
【0020】
一対の円盤は、V字状態を保持して、それぞれが、同一方向に、好ましくは同一回転速度で回転するものである。具体的に、例えば、一対の円盤が、それぞれの動力で回転する態様や、円盤同士が固定され、いずれか一方の円盤に働く動力に連動して他方の円盤を回転させる態様等を挙げることができる。
【0021】
一対の円盤の回転の速度は、骨を除去できる速さであれば特に制限されるものではなく、50~250rpmが好ましく、80~200rpmがより好ましく、120~180rpmがさらに好ましい。なお、一対の円盤は、電源がONの状態で、断続的に回転するものであってもよいが、連続して回転するものであることが好ましい。
【0022】
一対の円盤の回転方向は、いずれの回転方向であっても骨を除去することができるが、円盤と魚が接触する部位(下端)において、(円盤との相対的な)魚の移動方向に対して、同一方向に回転移動する向きが好ましい。これにより、魚をスムーズに進行させながら、骨を除去することができる。具体的に、魚を骨除去手段の手前側から魚を骨除去手段へ導入し、魚を骨除去手段の遠方側へ排出する場合、円盤の手前側で下方向へ回転する方向が好ましい。
【0023】
この回転により、一対の円盤の垂直部を備えたV字状端部で、骨を除去することができる。この際、骨周辺の身ごと連続的に直線状に除去されるため、直線上に存在する小骨を確実に除去することができる。なお、除去される身の量は極めて少なく、歩留まりが低下することはない。
【0024】
本発明の魚の骨除去装置は、一対の円盤の下方に設けられた魚押え板を具備していることが好ましい。この魚押え板には、一対の円盤の円周端部を突出させるための溝又は開口が形成されている。一対の円盤の円周端部(V字状部位)の突出量は、処理する魚の種類や切り身の厚さにもよるが、魚押え板の下方に2~10mm程度であることが好ましく、3~8mm程度であることがより好ましい。なお、魚押え板の少なくとも魚導入側端部には、魚がよりスムーズに導入されるよう、上方へ湾曲した返し部が設けられていることが好ましい。
【0025】
魚押え板を設けることにより、骨周辺の魚の身をその下面で押さえて魚が大きく移動することを抑制でき、骨の存在する直線上にV字状部が位置するよう、より容易かつ正確にコントロールすることが可能となり、より確実に魚の骨を除去することができる。
【0026】
本発明の魚の骨除去装置は、手に把持して操作する把持型であってもよいが、テーブルや床面に設置する設置型であることが好ましい。具体的に例えば、本発明の魚の骨除去装置が設置型の場合、骨除去手段を吊下状態で支持する骨除去手段支持台と、骨除去手段の下方に設けられ、魚を載置する魚載置台とを備えている態様を挙げることができる(図1参照)。
【0027】
設置型の場合、骨除去手段のV字状部位をより容易に魚の骨の存在する部分に位置合わせができるように、骨除去手段及び/又は魚載置台が水平方向に移動可能な移動式であることが好ましい。より簡易に製造できることから、魚載置台が移動式であることが好ましい。具体的には、魚載置台が、複数のボールキャスター及び魚載置板(まな板)を具備している態様を挙げることができる。また、骨除去手段が移動式である場合、例えば、魚を搬送するコンベアと、骨検知手段を備え、移送される魚の骨の位置を検知して、骨除去手段が横方向(移送方向に対する直角方向)に移動する構成とすることもできる。
【0028】
次に、本発明の魚の骨除去装置の使用方法(動作)の一例を説明する。
まず、骨除去手段の一対の円盤を、円盤の手前側で下方向へ回転する方向に連続回転させる。この回転状態で、骨除去手段の一対の円盤の下端のV字状部位に、魚の切り身の骨の存在する部位を手前側から当接させて、遠方側へ徐々に移動させる。この際、魚の切り身の骨は、骨除去手段のV字状部位で、周囲の身と共に除去される。
【0029】
以下、図面を用いて本発明の魚の骨除去装置の実施形態を具体的に説明するが、本発明は本実施形態に制限されるものではない。
【0030】
ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る魚の骨除去装置の斜視図である。図2は、図1に示す魚の骨除去装置の骨除去手段の概略斜視図である。図3は、図1に示す魚の骨除去装置の骨除去手段の概略正面図である。図4は、図2及び図3に示す骨除去手段の一対の円盤の説明図であり、(a)は概略側面図を示し、(b)はA-A線断面図を示す。図5は、図4に示す一対の円盤の垂直当接部の概略拡大正面図である。図6は、図1に示す魚の骨除去装置の魚載置台の説明図であり、(a)は魚載置台の概略斜視図を示し、(b)は魚載置台のボールキャスターの底面図を示し、(c)は魚載置台のボールキャスターの側面図を示す。図7は、本発明の他の実施形態に係る魚の骨除去装置の斜視図である。図8は、図1に示す魚の骨除去装置を用いて骨を除去したアジの切り身の写真である。
【0031】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る骨除去装置1は、魚の切り身2の骨3を除去するものである。
【0032】
図1に示すように、骨除去装置1は、一対の円盤10a,10bと、円盤10a,10bの動力20とを具備する骨除去手段12を備えている。円盤10a,10bは、回転軸を連結するユニバーサルジョイント等の連結部材(不図示)により連結され、円盤10a,10bは、手前側で、下方向の回転方向で、同一回転速度で回転する。
【0033】
また、骨除去装置1は、骨除去手段12を吊下状態で支持する骨除去手段支持台14と、骨除去手段12の下方に設けられ、魚2を載置する魚載置台16を備えている。骨除去手段支持台14は、骨除去手段12の上下方向の調整を可能とする長さ可変の支持棒18を備えている。
【0034】
図2及び図3に示すように、円盤10a,10bは、互いの円周端部22a,22bが1箇所で当接して正面視でV字状に形成され、V字状を形成する立設状態で回転可能に構成されている。また、円盤10a,10bの下方には、魚押え板26が設けられており、魚押え板26には、一対の円盤10a,10bの円周端部22a,22bのV字状部位を突出させる溝24が形成されている。魚押え板26の手前側及び奥側の端部には、返し部28が設けられている。
【0035】
図4(a)に示すように、円盤10a,10bは、それぞれ外径(D)114mm程度であり、幅(d)が7mm程度の傾斜面30が設けられている。傾斜面30を互いに当接させることにより、図4(b)及び図5に示すように、長さ(X)7mm程度の垂直当接部32が形成される。また、円盤10a,10bの配置角度(θ)は、25°である。
【0036】
図6に示すように、魚載置台16は、テーブル(不図示)上に配置され、その下面に複数のボールキャスター34が設けられたまな板36を具備しており、まな板36に魚を載せた状態で自由に移動可能な移動式に構成されている。
【0037】
次に、本発明の他の実施形態に係る魚の骨除去装置について説明する。なお、上記骨除去装置1と同様の構成の部材については、同一符号を付して説明を省略する。本実施形態においては、把持式に構成されている点で上記一実施形態と異なる。
【0038】
図7に示すように、他の実施形態に係る骨除去装置4は、骨除去手段12を支持する骨除去手段把持部材38を備えており、骨除去手段把持部材38を手で把持して手作業で骨の除去が可能なように構成されている。本実施形態に係る骨除去装置4の円盤40a,40bは、それぞれ外径(D)60mm程度、幅(d)が5mm程度、垂直当接部32の長さ(X)5mm程度の大きさに形成されている。
【0039】
本発明の一実施形態に係る骨除去装置1を用いて、骨除去作業を行った。
マアジを3枚に下ろしたアジの切り身(厚さ約1.2cm)を用いた。円盤の回転速度を160rpmに設定して、アジの切り身を手前側から遠方側へ切り身を通過させて骨除去を行った。
図8に示すように、アジの切り身小骨が存在する部位を直線状にスムーズに除去し、存在する小骨をすべて除去することができた。なお、アジの身部分は、過度に削り取られていなかった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の骨除去装置は、魚の骨除去に利用できるものであることから、産業上有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 骨除去装置(一実施形態に係る骨除去装置)
2 魚の切り身(魚)
3 骨
4 骨除去装置(他の実施形態に係る骨除去装置)
10 円盤
12 骨除去手段
14 骨除去手段支持台
16 魚載置台
18 支持棒
20 動力
22 円周端部
24 溝
26 魚押え板
28 返し部
30 傾斜面
32 垂直当接部
34 ボールキャスター
36 まな板
38 骨除去手段把持部材
40 円盤

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8