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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081507
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】車両の室内構造
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/72 20170101AFI20230606BHJP
   B60Q 3/76 20170101ALI20230606BHJP
   B60Q 3/60 20170101ALI20230606BHJP
【FI】
B60Q3/72
B60Q3/76
B60Q3/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195267
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000251060
【氏名又は名称】林テレンプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 翔一
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕介
(72)【発明者】
【氏名】三島 拓也
(72)【発明者】
【氏名】山崎 亮太
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040BA04
3K040EA01
3K040GA04
3K040GB01
3K040GC01
(57)【要約】
【課題】 車両の後席用ランプの照明光が運転の邪魔になるのを抑制することができる、車両の室内構造を提供する。
【解決手段】 車両の室内構造101は、車両1の後席領域2を照らす後席用ランプ10と、運転者が車両後方を視認するためのインナーミラー20と、後席用ランプ10とインナーミラー20との間に設けられた映り込み抑制部としての内装部材30と、を備え、内装部材30は、後席用ランプ10の照明光Lがインナーミラー20に映り込むのを抑制するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後席領域を照らす後席用ランプと、
運転者が車両後方を視認するためのインナーミラーと、
上記後席用ランプと上記インナーミラーとの間に設けられた映り込み抑制部と、
を備え、
上記映り込み抑制部は、上記後席用ランプの照明光が上記インナーミラーに映り込むのを抑制するように構成されている、車両の室内構造。
【請求項2】
上記映り込み抑制部は、上記後席用ランプの光源に対向して設けられる光反射部と上記インナーミラーとを直線的に結ぶ映り込み経路上に介在する遮光部を有する、請求項1に記載の、車両の室内構造。
【請求項3】
上記遮光部は、上記車両の天井部材に沿って設けられる、請求項2に記載の、車両の室内構造。
【請求項4】
上記映り込み抑制部は、上記後席用ランプの外枠を構成する内装部材からなり、上記内装部材は、上記光源の直線光が通過する光通過面よりも車両前方側に上記遮光部を備える、請求項2または3に記載の、車両の室内構造。
【請求項5】
上記内装部材は、上記光通過面よりも上記光源側に設けられた上記光反射部と、上記光源の直接光が当たらないように上記光反射部から後斜め下方に延びる光反射回避部と、を備え、上記光反射回避部が上記映り込み経路よりも下方に配置されるように構成されている、請求項4に記載の、車両の室内構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の室内構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両の室内に設けられる車両用室内ランプの組付構造が開示されている。この種の室内ランプとして、運転者が乗車する前席領域を照らす前席用ランプや、後席領域を照らす後席用ランプなどが挙げられる。これらのランプは、一般的に、切替スイッチに操作によって点灯状態と消灯状態のいずれかに設定されたり、ドアの開閉に連動して一時的に点灯状態に設定されたりするように構成されている。また、後席用ランプとして夜間に常時点灯状態で使用されるものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-63460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両走行時に後席用ランプが点灯していると、運転者が車両後方を視認するためのインナーミラーにこの後席用ランプの照明光が映り込むことがあり、運転者の後方視界に影響を及ぼすことが懸念される。このため、後席用ランプの照明光が運転の邪魔になるという問題がある。例えば、夜間に常時点灯させて使用するようなランプの場合には、このような問題に対処するのが難しい。また、ランプの点灯状態と消灯状態を切替スイッチで切り替えることができる構造であっても、車両走行時にランプが点灯状態の設定のままだと切替スイッチの消灯操作が必要になり面倒である。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、車両の後席用ランプの照明光が運転の邪魔になるのを抑制することができる、車両の室内構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
車両の後席領域を照らす後席用ランプと、
運転者が車両後方を視認するためのインナーミラーと、
上記後席用ランプと上記インナーミラーとの間に設けられた映り込み抑制部と、
を備え、
上記映り込み抑制部は、上記後席用ランプの照明光が上記インナーミラーに映り込むのを抑制するように構成されている、車両の室内構造、
にある。
【発明の効果】
【0007】
上述の態様の、車両の室内構造は、後席用ランプと、インナーミラーと、映り込み抑制部と、を備える。後席用ランプは、車両の後席領域を照らすランプである。インナーミラーは、運転者が車両後方を視認するためのものである。映り込み抑制部は、後席用ランプとインナーミラーとの間に設けられて、後席用ランプの照明光がインナーミラーに映り込むのを抑制する機能を果たす。この映り込み抑制部によれば、運転者が運転中にインナーミラーで車両後方を視認するとき、インナーミラーに映り込んだ照明光によって後方視界が阻害されるのを防ぐことができる。特に夜間の運転時に、後席用ランプが常時点灯されている場合であっても、インナーミラーで所望の後方視界を確保するのに有効である。
【0008】
以上のごとく、上述の態様によれば、車両の後席用ランプの照明光が運転の邪魔になるのを抑制することができる、車両の室内構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1の、車両の室内構造を側方から見た図。
図2図1中の内装部材の平面図。
図3図2の内装部材の斜視図。
図4図1のIV-IV線矢視断面図。
図5図4において後席用ランプの照明光がインナーミラーに映り込むのを抑制する様子を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述の態様の好ましい実施形態について以下に説明する。
【0011】
上述の態様の、車両の室内構造において、上記映り込み抑制部は、上記後席用ランプの光源に対向して設けられる光反射部と上記インナーミラーとを直線的に結ぶ映り込み経路上に介在する遮光部を有するのが好ましい。
【0012】
この室内構造によれば、映り込み抑制部の遮光部が、後席用ランプの光源に対向して設けられる光反射部とインナーミラーとを直線的に結ぶ映り込み経路上に介在する。このため、遮光部を利用して、後席用ランプの照明光がインナーミラーに映り込むのを抑制することが可能になる。
【0013】
上述の態様の、車両の室内構造において、上記遮光部は、上記車両の天井部材に沿って設けられるのが好ましい。
【0014】
この室内構造によれば、遮光部を車両の天井部材に沿って目立ちにくいように配置することができ、意匠性が低下するのを防ぐことが可能になる。
【0015】
上述の態様の、車両の室内構造において、上記映り込み抑制部は、上記後席用ランプの外枠を構成する内装部材からなり、上記内装部材は、上記光源の直線光が通過する光通過面よりも車両前方側に上記遮光部を備えるのが好ましい。
【0016】
この室内構造によれば、後席用ランプの外枠を構成する内装部材のうち、光源の直線光が通過する光通過面よりも車両前方側に設けられた遮光部を利用して、後席用ランプの照明光がインナーミラーに映り込むのを抑制することが可能になる。このため、後席用ランプの照明光を遮るための専用の部品を準備する必要がなく、部品点数と製品コストを低く抑えることができる。
【0017】
上述の態様の、車両の室内構造において、上記内装部材は、上記光通過面よりも上記光源側に設けられた上記光反射部と、上記光源の直接光が当たらないように上記光反射部から後斜め下方に延びる光反射回避部と、を備え、上記光反射回避部が上記映り込み経路よりも下方に配置されるように構成されているのが好ましい。
【0018】
この室内構造によれば、内装部材が光反射部と光反射回避部を備えている。内装部材は、光通過面よりも光源側に設けられた光反射部を利用することで、後席領域を照らす方向や光量を制御することができる。また、この内装部材に光反射部から後斜め下方に延びる光反射回避部を設けることによって、光源の直接光が光反射回避部で反射しないようにすることができる。このため、光反射部による機能と光反射回避部による機能を1つの内装部材で両立することが可能になる。
【0019】
以下、車両の室内構造の実施形態の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
この実施形態の説明のための図面において、特に断わらない限り、車両前方を矢印FRで示し、車両上方を矢印UPで示し、車両内方を矢印INで示すものとする。
【0021】
(実施形態1)
図1に示されるように、実施形態1に係る車両1は、前席と2列の後席とをするワンボックスカーである。この車両1には、前席用ランプ4と、後席用ランプ10,10Aと、インナーミラー20と、が設けられている。なお、この車両1におけるシートの配列構造はあくまで例示的なものであって、図1のものに限定されるものではない。後席は2列以外であってもよい。
【0022】
前席用ランプ4は、前席領域3の上方に設けられており、この前席領域3を照明光Lで照らすための照明装置である。前席用ランプ4は、乗員によるスイッチの切り替え操作によって、或いは乗降用ドアの開閉に連動して、消灯状態と点灯状態が切り替えられるように構成されている。
【0023】
後席用ランプ10,10Aはいずれも、後席領域5の上方に設けられており、この後席領域5を照明光Lで照らすための照明装置である。一方の後席用ランプ10は、後席用のテーブル、床面(図示省略)に向けて配置されており、夜間に常時点灯するように構成されている。他方の後席用ランプ10Aは、前席用ランプ4と同様に、乗員によるスイッチの切り替え操作によって、或いは乗降用ドアの開閉に連動して、消灯状態と点灯状態が切り替えられるように構成されている。この後席用ランプ10Aは、後席用ランプ10よりも車両後方に設けられている。
【0024】
インナーミラー20は、運転者が車両後方を視認するためのミラーである。このインナーミラー20は、前席用ランプ4よりも車両前方に設けられている。
【0025】
なお、前席用ランプ4及び後席用ランプ10,10Aの具体的なシステム構成や制御については、特に説明しないが、例えば、特開2016-135647号公報に記載されたものを使用することができる。
【0026】
実施形態1の、車両の室内構造101は、後席用ランプ10と、インナーミラー20と、映り込み抑制部30と、を備えている。映り込み抑制部30は、後席用ランプ10の照明光Lがインナーミラーに映り込むのを抑制するように構成されている。この映り込み抑制部30は、後席用ランプ10とインナーミラー20との間において、後席用ランプ10に対して設けられる内装部材からなる。以下の説明では、この内装部材を、映り込み抑制部30と同一の符号を付した内装部材30として説明する。
【0027】
図2及び図3に示されるように、内装部材30は、後席用ランプ10の外枠を構成するものであり、車両1の天井部材6に沿って設けられる。この内装部材30は、一般的には「ベゼル」とも称される。この内装部材30は、複数の取付片30aを介して天井に取り付けられる。なお、内装部材30の材質は特に限定されないが、典型的には、天井部材6と同色系の樹脂材料からなるのが好ましい。
【0028】
内装部材30は、左右方向(車幅方向)及び前後方向(車長方向)の両方について対称形状をなすように構成されている。本構成によれば、内装部材30を、通常の配置位置から180°回転させた回転位置においても天井に取り付けることもできる。このため、内装部材30の取付作業が簡単になる。
【0029】
図2及び3に示されるように、内装部材30は、内枠部31と、中間枠部32と、外枠部33と、を有する。
【0030】
図2に示されるように、内枠部31は、光導入孔34を取り囲むように設けられた筒状の立設壁部である。この内枠部31は、光導入孔34から前斜め下方に延びる前壁31aと、光導入孔34から後斜め下方に延びる後壁31bと、を有する。前壁31aと後壁31bは、前後方向について対称形状をなしている。このため、内枠部31は、車高方向を鉛直方向としたとき、鉛直線と前壁31aのなす傾斜角度が鉛直線と後壁31bのなす傾斜角度と概ね同一になるように構成されている。
【0031】
中間枠部32は、内枠部31と外枠部33の間で連続して延びる筒状の立設壁部である。この中間枠部32は、前壁31aから更に車両前方側に傾斜して延びる前壁32aと、後壁31bから更に車両後方側に傾斜して延びる後壁32bと、を有する。前壁32aと後壁32bは、前後方向について対称形状をなしている。このため、中間枠部32は、鉛直線と前壁32aのなす傾斜角度が鉛直線と後壁32bのなす傾斜角度と概ね同一になるように構成されている。また、鉛直線と前壁32aのなす傾斜角度が鉛直線と前壁31aのなす傾斜角度を上回り、且つ、鉛直線と後壁32bのなす傾斜角度が鉛直線と後壁31bのなす傾斜角度を上回るようになっている。
【0032】
外枠部33は、中間枠部32から天井部材6に沿って外側に延びる水平壁部である。この外枠部33は、中間枠部32の前壁32aから車両前方側に延びる前壁33aと、中間枠部32の後壁32bから車両後方側に延びる後壁33bと、を有する。前壁33aと後壁33bは、前後方向について対称形状をなしている。内装部材30は、この外枠部33の外周縁において天井部材6に密着するように設けられている。
【0033】
図4に示されるように、後席用ランプ10は、光源11と、光源を収容する収容空間12aを有するハウジング12と、を備えている。内装部材30は、内枠部31が天井部材6の貫通穴6aを通じてハウジング12の収容空間12aに突出するように設けられている。内枠部31によって区画された光導入孔34は、後席用ランプ10の光源11の下面に近接した位置に配置される。
【0034】
内装部材30は、内枠部31と中間枠部32との間で傾斜角度が相違しており、中間枠部32の前壁32aと後壁32bとのなす角度θbが、内枠部31の前壁31aと後壁31bとのなす角度θaを上回るように構成されている。
【0035】
図5に示されるように、後席用ランプ10が夜間に常時点灯したとき、光源11の光は、先ず、光導入孔34を通じて内装部材30の内部に導入される。その後、この光は光通過面35及び光導出面36を順次通過し、光導出面36から内装部材30の外部に向けて放射状に導出される。このとき、光通過面35は、内枠部31と中間枠部32との境界部分に形成された開口面である。また、光導出面36は、中間枠部32と外枠部33との境界部分に形成された開口面である。
【0036】
内枠部31の前壁31aと後壁31bはいずれも、光通過面35よりも光源11側においてこの光源11に対向して設けられている。すなわち、光源11の直接光の直線上に前壁31aと後壁31bが配置されている。このため、光源11の直接光は前壁31aと後壁31bのそれぞれの表面に当たることによって反射する。このとき、内枠部31の前壁31aと後壁31bはいずれも、光源11の直接光が当たることによって反射する「光反射部」となる。
【0037】
これに対して、中間枠部32の前壁32aは、光源11の直接光が当たらないように内枠部31の前壁31aから前斜め下方に延びている。また、中間枠部32の後壁32bは、光源11の直接光が当たらないように内枠部31の後壁31bから後斜め下方に延びている。すなわち、前壁32aと後壁32bはいずれも、光源11の直接光の直線上に配置されておらず、光源11の直接光は前壁32aと後壁32bのそれぞれの表面に当たることがない。このため、前壁32aと後壁32bはいずれも、光源11の直接光の反射を回避することができる「光反射回避部」となる。
【0038】
内装部材30の中間枠部32の前壁32aと外枠部33の前壁33aはいずれも、光源11の直線光が通過する光通過面35よりも車両前方側に配置されており、内枠部31の後壁31b(光反射部)とインナーミラー20とを直線的に結ぶ映り込み経路A上に介在している。このため、これらの前壁32a,33aは、光源11の直線光が後壁31bで反射したときの反射光が映り込み経路Aを経てインナーミラー20に映り込むのを抑制する「遮光部」となる。また、光反射回避部である前壁32aと後壁32bはいずれも、映り込み経路Aよりも下方に設けられている。
【0039】
上述の実施形態1によれば、以下のような作用効果が得られる。
【0040】
実施形態1の、車両の室内構造101は、後席用ランプ10と、インナーミラー20と、映り込み抑制部としての内装部材30と、を備える。後席用ランプ10は、車両1の後席領域5を照らすランプである。インナーミラー20は、運転者が車両後方を視認するためのものである。内装部材30は、後席用ランプ10とインナーミラー20との間に設けられて、後席用ランプ10の照明光Lがインナーミラー20に映り込むのを抑制する機能を果たす。この内装部材30によれば、運転者が運転中にインナーミラー20で車両後方を視認するとき、インナーミラー20に映り込んだ照明光Lによって後方視界が阻害されるのを防ぐことができる。特に夜間の運転時に、後席用ランプ10が常時点灯されている場合であっても、インナーミラー20で所望の後方視界を確保するのに有効である。
【0041】
したがって、実施形態1によれば、車両1の後席用ランプ10の照明光Lが運転の邪魔になるのを抑制することができる、車両の室内構造101を提供することが可能になる。このため、夜間に常時点灯する後席用ランプ10を車両1に搭載することが可能になる。
【0042】
実施形態1の室内構造101によれば、内装部材30に前壁32a,33aを遮光部として設けて、この遮光部を光反射部である後壁31bとインナーミラー20とを直線的に結ぶ映り込み経路A上に介在させる。このため、内装部材30の前壁32a,33aを利用して、後席用ランプ10の照明光Lがインナーミラー20に映り込むのを抑制することが可能になる
【0043】
実施形態1の室内構造101によれば、内装部材30の前壁32a,33aを車両1の天井部材6に沿って目立ちにくいように配置することができ、意匠性が低下するのを防ぐことが可能になる。
【0044】
実施形態1の室内構造101によれば、後席用ランプ10の外枠を構成する内装部材30のうち、光源11の直線光が通過する光通過面35よりも車両前方側に設けられた前壁32a,33aを遮光部に利用して、後席用ランプ10の照明光Lがインナーミラー20に映り込むのを抑制することが可能になる。このため、後席用ランプ10の照明光Lを遮るための専用の部品を準備する必要がなく、部品点数と製品コストを低く抑えることができる。
【0045】
実施形態1の室内構造101によれば、内装部材30は、光通過面35よりも光源11側に設けられた後壁31bを光反射部に利用することで、後席領域5を照らす方向や光量を制御することができる。また、この内装部材30に後壁31bから後斜め下方に延びる後壁32bを光反射回避部として設けることによって、光源11の直接光が後壁32bで反射しないようにすることができる。このため、光反射部による機能と光反射回避部による機能を1つの内装部材30で両立することが可能になる。
【0046】
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上述の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0047】
上述の実施形態では、後席用ランプ10の照明光Lがインナーミラー20に映り込むのを抑制するのに内装部材30を利用する場合について例示したが、これに代えて、内装部材30とは別部材を利用するようにしてもよい。例えば、不織布や植毛などからなる部材を映り込み経路A上に配置した構造を採用することができる。なお、内装部材30を利用する場合には、内装部材30の外枠部33の前壁33aを下方に突出させてこの突出部を映り込み経路A上に介在させる構造を採用するようにしてもよい。
【0048】
上述の実施形態では、後席用ランプ10の照明光Lがインナーミラーに映り込むのを抑制する構造について例示したが、この構造を後席用ランプ10に代えて或いは加えて後席用ランプ10Aに対して設けるようにしてもよい。これにより、車両走行時に後席用ランプ10Aが点灯状態の設定のままであってもこの後席用ランプ10Aの照明光がインナーミラー20に映り込むのを抑制することができる。また、後席用ランプ10Aを省略した構造や、後席用ランプ10Aを後席用ランプ10よりも車両前方に設ける構造を採用することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 車両
5 後席領域
6 天井部材
10 後席用ランプ
11 光源
20 インナーミラー
30 内装部材(映り込み抑制部)
31b 後壁(光反射部)
32a 前壁(遮光部)
32b 後壁(光反射回避部)
33a 前壁(遮光部)
35 光通過面
101 車両の室内構造
A 映り込み経路
L 照明光
図1
図2
図3
図4
図5