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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081635
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/06 20060101AFI20230606BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
A61B1/06 531
G02B23/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195497
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】西尾 潤二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 伶
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040CA03
4C161AA01
4C161BB04
4C161DD03
4C161FF40
4C161HH24
4C161JJ11
4C161QQ06
(57)【要約】
【課題】発光素子の配光方向がずれることを防止できる内視鏡を提供する。
【解決手段】はんだ付けによってLED基板112に実装されたLED素子111を備える内視鏡において、LED基板112の実装面112aには、はんだ付けの際に発生するフラックスがLED素子111と対応する位置に停留することを防ぐ溝113aが形成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだ付けによって基板に実装された発光素子を備える内視鏡において、
前記基板の実装面には、はんだ付けの際に発生するフラックスが前記発光素子と対応する位置に停留することを防ぐ停留防止機構が形成されている内視鏡。
【請求項2】
前記基板に設けられ、前記発光素子に電源を供給する端子部を備え、
前記停留防止機構は、前記端子部の近傍に形成された凹部を含む請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記端子部は複数であり、
前記停留防止機構は、前記端子部同士の間に形成された溝を含む請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記停留防止機構は、前記端子部の外側を囲んで形成された溝を含む請求項2又は3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記溝は、前記実装面の縁まで延びており、少なくとも一端が開口している請求項3又は4に記載の内視鏡。
【請求項6】
1つの前記発光素子に対して一対の端子部が設けられており、
前記停留防止機構は、前記一対の端子部の外側を囲んで形成された切り欠きを含む請求項3に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記溝は前記切り欠きに連通している請求項6に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光源としてLEDのような発光素子を先端部に備えた内視鏡が広く普及している。
【0003】
例えば、特許文献1には、LEDと、該LEDを電力テーブルに繋ぐ導通パターンを有する基板とを備える内視鏡であって、前記基板に形成されて前記導通パターンを露出させる切欠部を覆う補強部材を設けることによって、前記切欠部に外力が与えられ、前記基板が破損することを防止した内視鏡が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/061838号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、LED(発光素子)を基板に電気的に接続させる場合、はんだ付けの手法が用いられる。はんだは種類によってフラックスを含むものがあり、フラックスを含むはんだは、はんだ付け時に、熱によって、液状のフラックスが流れ出る。該液状のフラックスが、発光素子と基板との間に停留する場合、液状のフラックスの表面張力によって発光素子が基板側に引っ張られる。
【0006】
しかし、液状のフラックスが発光素子の縁部の一部に偏在する場合は、前記表面張力が発光素子の前記縁部の一部にのみ作用するので、前記縁部の一部を除く他部分が基板から浮いてしまい、発光素子の配光方向がずれる問題が発生する。
【0007】
しかし、特許文献1の内視鏡は、はんだ付け時に発生する液状のフラックスについては言及されておらず、上述した発光素子の配光方向がずれる問題についても工夫がなされていない。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発光素子を基板にはんだ付けする際に発生する液状のフラックスが原因で、発光素子の配光方向がずれることを防止できる内視鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る内視鏡は、はんだ付けによって基板に実装された発光素子を備える内視鏡において、前記基板の実装面には、はんだ付けの際に発生するフラックスが前記発光素子と対応する位置に停留することを防ぐ停留防止機構が形成されている。
【0010】
本発明にあっては、前記基板の実装面における前記発光素子と対応する位置に前記停留防止機構が形成されている。よって、前記発光素子を前記基板にはんだ付けする際、はんだからフラックスが発生しても、前記基板と前記発光素子との間に前記フラックスが停留することはなく、前記フラックスの表面張力によって前記発光素子の配光方向がずれることを防止できる。
【0011】
本発明に係る内視鏡は、前記基板に設けられ、前記発光素子に電源を供給する端子部を備え、前記停留防止機構は、前記端子部の近傍に形成された凹部を含む。
【0012】
本発明にあっては、前記基板の実装面における前記発光素子と対応する位置であって前記端子部の近傍に前記凹部が形成されている。よって、前記発光素子を前記基板にはんだ付けする際、はんだからフラックスが発生しても、斯かるフラックスが前記凹部に流れ込むので、前記基板と前記発光素子との間に前記フラックスが停留することはない。従って、前記基板と前記発光素子との間に介在するフラックスの表面張力によって前記発光素子の配光方向がずれることを防止できる。
【0013】
本発明に係る内視鏡は、前記端子部は複数であり、前記停留防止機構は、前記端子部同士の間に形成された溝を含む。
【0014】
本発明にあっては、前記停留防止機構が前記端子部同士の間に形成された溝を含む。よって、前記発光素子を前記基板にはんだ付けする際、はんだから発生するフラックスは前記溝に流れ込み、前記基板と前記発光素子との間に前記フラックスが停留することはない。よって、前記基板と前記発光素子との間に介在するフラックスの表面張力によって前記発光素子の配光方向がずれることを防止できる。
【0015】
本発明に係る内視鏡は、前記停留防止機構は、前記端子部の外側を囲んで形成された溝を含む。
【0016】
本発明にあっては、前記停留防止機構が前記端子部の外側を囲んで形成された溝を含む。よって、前記発光素子を前記基板にはんだ付けする際、はんだから発生するフラックスは前記溝に流れ込み、前記基板と前記発光素子との間に停留しない。よって、前記基板と前記発光素子との間に介在するフラックスの表面張力によって前記発光素子の配光方向がずれることを防止できる。
【0017】
本発明に係る内視鏡は、前記溝は、前記実装面の縁まで延びており、少なくとも一端が開口している。
【0018】
本発明にあっては、前記溝は少なくとも一端が前記実装面の縁にて開口している。よって、前記発光素子を前記基板にはんだ付けする際、はんだから発生するフラックスは前記溝に流れ込み、前記溝の開口から外側に流れ落ちる。よって、前記フラックスが前記基板と前記発光素子との間に停留せず、前記フラックスの表面張力によって前記発光素子の配光方向がずれることを防止できる。
【0019】
本発明に係る内視鏡は、1つの前記発光素子に対して一対の端子部が設けられており、前記停留防止機構は、前記一対の端子部の外側を囲んで形成された切り欠きを含む。
【0020】
本発明にあっては、前記停留防止機構が前記一対の端子部の外側を囲んで形成された切り欠きを含む。よって、前記発光素子を前記基板にはんだ付けする際、はんだから発生するフラックスは前記切り欠きに流れ、前記基板と前記発光素子との間に停留しない。よって、前記基板と前記発光素子との間に介在するフラックスの表面張力によって前記発光素子の配光方向がずれることを防止できる。
【0021】
本発明に係る内視鏡は、前記溝は前記切り欠きに連通している。
【0022】
本発明にあっては、前記停留防止機構が前記一対の端子部の外側を囲んで形成された切り欠き、及び、前記端子部同士の間に形成された溝を含む。よって、前記発光素子を前記基板にはんだ付けする際、はんだから発生するフラックスは前記切り欠きに流れ、前記溝に流れ込む。よって、前記フラックスが前記基板と前記発光素子との間に停留せず、前記基板と前記発光素子との間に介在するフラックスの表面張力によって前記発光素子の配光方向がずれることを防止できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、発光素子を基板にはんだ付けする際に発生する液状のフラックスが原因で、発光素子の配光方向がずれることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態1に係る内視鏡の外観図である。
図2図1におけるII部分を拡大して示す拡大図である。
図3】実施形態1に係る内視鏡の先端部の部分的断面図である。
図4図3におけるIV部分を拡大して示す拡大図である。
図5】実施形態1に係る内視鏡のLED素子及びLED基板を示す図である。
図6図5のVI-VI線による断面図である。
図7】LED素子を取り外した状態のLED基板の実装面を示す図である。
図8】実施形態2に係る内視鏡における、LED基板の実装面を示す図である。
図9図8のIX-IX線による断面図である。
図10】実施形態3に係る内視鏡における、LED基板の実装面を示す図である。
図11図10のXI-XI線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の実施形態に係る内視鏡を図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る内視鏡10の外観図である。本実施の形態の内視鏡10は、十二指腸向けの軟性鏡である。内視鏡10は、挿入部20、操作部40、ユニバーサルコード59及びコネクタ部50を有する。操作部40は、湾曲ノブ41及びチャンネル入口42を有する。
【0026】
挿入部20は長尺であり、一端が折止部26を介して操作部40に接続されている。挿入部20は、操作部40側から順に軟性部21、湾曲部22及び先端部23を有する。湾曲部22は、湾曲ノブ41の操作に応じて湾曲する。
【0027】
チャンネル入口42から先端部23まで、挿入部20を貫通するチャンネルが設けられている。チャンネル入口42には、処置具等を挿入する挿入口を有する鉗子栓43が取り付けられている。
【0028】
ユニバーサルコード59は長尺であり、一端が操作部40に、他端がコネクタ部50にそれぞれ接続されている。コネクタ部50は、電気コネクタ51を有する。電気コネクタ51は、図示を省略する内視鏡用プロセッサに接続される。
【0029】
図2は、図1におけるII部分を拡大して示す拡大図である。図2に示すように、先端部23の側面に、照明窓60と観察窓27とが配置されている。本実施の形態の内視鏡10は、観察窓27の視野方向が挿入部20の長さ方向に対して略垂直である、いわゆる側視型である。挿入部20の先端には、着脱可能な内視鏡用キャップ24が取り付けられている。
【0030】
図3は、実施形態1に係る内視鏡10の先端部23の部分的断面図であり、図4は、図3におけるIV部分を拡大して示す拡大図である。
【0031】
先端部23の側面に設けられた照明孔31に、照明カバー61が水密及び気密に固定されている。照明カバー61の裏側に、LED素子111(発光素子)が搭載されたLED基板112が配置されている。照明孔31に照明枠64が内嵌しており、照明枠64内にLED素子111及びLED基板112が配置されている。照明枠64及び照明孔31の間には第2絶縁シート622が介在している。
【0032】
LED基板112は、実装面112aを有し、実装面112aにLED素子111を実装するための後述のパッド部115を有する。LED基板112の側面は、第1絶縁シート621を介して筒状の照明枠64で囲まれている。照明枠64は、観察窓27側の面に円形貫通孔である治具孔641を有する。
なお、照明ケーブル芯線659はパッド部115に半田付け等により実装されている。照明ケーブル芯線659はLED素子111に電源を供給する。
【0033】
図5は、実施形態1に係る内視鏡10のLED素子111及びLED基板112を示す図である。LED基板112の実装面112aにはLED素子111が実装されている。
【0034】
図6は、図5のVI-VI線による断面図であり、図7は、LED素子111を取り外した状態のLED基板112の実装面112aを示す図である。説明の便宜上、図7は、実装面112aにおいて、LED素子111に対応する領域を二点鎖線にて示している。即ち、実装面112aにおいて二点鎖線にて囲まれた領域はLED素子111と対向する部分である。以下では、斯かる領域をLED対応領域と称し、LED素子111と同じ符号を付する。
【0035】
LED素子111は矩形の板形状であり、発光面と反対側の裏面の中央部には、LED基板112のパッド部115と接続する為の接続端子(図示せず)が設けられている。LED素子111の接続端子ははんだ部117を介してパッド部115に接続されている。即ち、LED素子111はLED基板112のパッド部115にはんだ付けされている。
【0036】
LED基板112はブロック形状であり、セラミック又はガラスからなる。LED基板112の実装面112aは、LED素子111よりも広い矩形の扁平面である。実装面112aは、LED素子111の前記裏面と略平行である。実装面112aの中央部には、LED素子111に電力を供給する為の一対のパッド部115(端子部)が埋設されている。実装面112aにおいて、パッド部115の位置は、LED対応領域111内である。
【0037】
各パッド部115は、導電性の金属板からなり、長方形の形状を有している。各パッド部115は、実装面112aの対向する2つの辺縁の対応方向に延びている。また、各パッド部115は、前記対向方向と直交する方向に、所定間隔を隔てて設けられている。
【0038】
実装面112aにおいて、一対のパッド部115の間には、パッド部115の延び方向に沿って溝113a(停留防止機構)が凹設されている。溝113aの幅は一対のパッド部115間の間隔よりも少し小さく、溝113aの長さは対向する前記2つの辺縁間の距離と同じである。即ち、溝113aの両端は前記2つの辺縁まで延びており、該2つの辺縁に係るLED基板112の側面にて開口している。
なお、溝113aの深さは、はんだ部117の厚みよりも深く、パッド部115の厚みよりも深い。
【0039】
一方、はんだは種類によってフラックスを含むものがある。このようにフラックスを含むはんだを使う場合は、はんだ付け時に、熱によって、フラックスが流れ出る。LED基板112にLED素子111をはんだ付けする場合、はんだから流れ出るフラックスは、LED素子111の配光方向がずれる問題を引き起こす。
【0040】
即ち、LED素子111をLED基板112にはんだ付けする場合、はんだから流れ出る液状のフラックスが、LED素子111の前記裏面とLED基板112の実装面112aとの間であって、LED素子111のいずれか一の縁部近傍に停留していることが生じ得る。この場合、フラックスの表面張力によって前記一の縁部が実装面112a側に引っ張られる。これが原因で、LED素子111の中央部のはんだ部117が支点となり、てこの原理によって、前記一の縁部と対向側の縁部が実装面112aから浮くので、LED素子111は実装面112aに対して斜めになる。この状態のままはんだ部117が固まるとLED素子111の配光方向が意図した方向(例えば、実装面112aに対して垂直方向)からずれてしまう。
【0041】
以上の構成を有する本実施形態の内視鏡10は、このように配光方向がずれる問題に対応できる。
上述の如く、内視鏡10は、一対のパッド部115のパッド部115同士間には、実装面112aの辺縁まで延びる溝113aが形成されており、溝113aの両端はLED基板112の側面にて開口している。
【0042】
従って、LED素子111をLED基板112にはんだ付けする際、はんだから流れ出る液状のフラックスは、溝113aに流れ込み、溝113aに沿って流れる。溝113aを流れるフラックスは、溝113aの両端にてLED基板112の外側に流れ落ちる。よって、LED素子111をLED基板112にはんだ付けする際、はんだから流れ出る液状のフラックスが実装面112a上におけるLED素子111と対応する位置に停留することが無くなり、上述した配光方向がずれる問題を未然に防止できる。
【0043】
以上の記載においては、溝113aの両端がLED基板112の側面にて開口している場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。溝113aの両端のうちいずれか一方がLED基板112の側面にて開口するように構成しても良い。
【0044】
以上の記載においては、実装面112aにおいて、一対のパッド部115の間にのみ溝113aが凹設されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一対のパッド部115の外側に、溝113aと交差する方向、即ち、パッド部115の延び方向と交差する方向に延びる別の溝を、溝113aと共に又は溝113aの代わりに凹設しても良い。
【0045】
また、本実施形態においては、一対のパッド部115のパッド部115同士間に溝113aが形成されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。パッド部115同士間に例えば、複数の有底穴のような凹部を設けても良い。この場合、はんだ付けの際に発生するフラックスが前記凹部に流れ込み、上述したような、配光方向がずれる問題を防止できる。
【0046】
(実施形態2)
図8は、実施形態2に係る内視鏡10における、LED基板112の実装面112aを示す図であり、図9は、図8のIX-IX線による断面図である。説明の便宜上、図8では、LED対応領域を二点鎖線にて示し、LED素子111と同じ符号を付しており、図9では、LED素子111及びはんだ部117を二点鎖線にて示している。
【0047】
LED基板112は、実施形態1と同様、実装面112aの対向する2つの辺縁の対応方向に延びる一対のパッド部115を有しており、各パッド部115は、前記対向方向と直交する方向に、所定間隔を隔てて埋設されている。
【0048】
実装面112aにおいて、一対のパッド部115のパッド部115同士間には、パッド部115の延び方向に沿って溝113a(停留防止機構)が凹設されている。溝113aの幅は一対のパッド部115間の間隔よりも少し小さく、溝113aの長さは対向する前記2つの辺縁間の距離と同じである。即ち、溝113aの両端は前記2つの辺縁まで延びており、該2つの辺縁に係るLED基板112の側面にて開口している。
【0049】
更に、実装面112aにおいて、一対のパッド部115の外側には、中空矩形に溝113b(停留防止機構)が凹設されている。溝113bは、一対のパッド部115の外側を取り囲むように形成されている。溝113bの幅は、例えば溝113aよりも大きく、溝113aはLED対応領域111内に形成されている。溝113bは溝113aと連通している。また、溝113a及び溝113bの深さは、はんだ部117の厚みよりも深く、パッド部115の厚みよりも深い。
【0050】
上述の如く、実施形態2では、一対のパッド部115のパッド部115同士間に溝113aが形成され、一対のパッド部115の外側を取り囲むように溝113bが形成されており、溝113aの両端はLED基板112の側面にて開口している。
【0051】
従って、LED素子111をLED基板112にはんだ付けする際、はんだから流れ出る液状のフラックスは、溝113aに加えて溝113bにも流れ込み、溝113a及び溝113bに沿って流れる。溝113a及び溝113bを流れるフラックスは、溝113aの両端にてLED基板112の外側に流れ落ちる。よって、LED素子111をLED基板112にはんだ付けする際、はんだから流れ出る液状のフラックスが実装面112a上に停留することが無くなり、上述した配光方向がずれる問題を未然に防止できる。
【0052】
また、本実施形態においては、一対のパッド部115のパッド部115同士間に溝113aが形成され、一対のパッド部115の外側を取り囲むように溝113bが形成されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。パッド部115同士間、及び、一対のパッド部115の外側に、例えば、複数の有底穴のような凹部を設けても良い。この場合、はんだ付けの際に発生するフラックスが前記有底穴に流れ込み、上述したような、配光方向がずれる問題を防止できる。
【0053】
実施形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0054】
(実施形態3)
図10は、実施形態3に係る内視鏡10における、LED基板112の実装面112aを示す図であり、図11は、図10のXI-XI線による断面図である。説明の便宜上、図10では、LED対応領域を二点鎖線にて示し、LED素子111と同じ符号を付しており、図11では、LED素子111及びはんだ部117を二点鎖線にて示している。
【0055】
LED基板112は、実施形態1と同様、実装面112aの対向する2つの辺縁の対応方向に延びる一対のパッド部115を有しており、各パッド部115は、前記対向方向と直交する方向に、所定間隔を隔てて埋設されている。
【0056】
実装面112aにおいて、一対のパッド部115の外側には、中空矩形に切り欠き116(停留防止機構)が形成されている。切り欠き116は、一対のパッド部115の外側を取り囲むように形成されている。換言すれば、実装面112aにおいて、一対のパッド部115及びパッド部115同士間の部分を除く全範囲が、均一な厚みにて切り欠かれている。従って、切り欠き116はLED対応領域111を超えて形成されている。
【0057】
更に、実装面112aにおいて、一対のパッド部115のパッド部115同士間には、パッド部115の延び方向に沿って溝113c(停留防止機構)が凹設されている。溝113cの幅は一対のパッド部115間の間隔よりも少し小さく、溝113cの長さはパッド部115の長さよりも少し長い。溝113cは切り欠き116と連通している。溝113cの深さは、はんだ部117の厚みよりも深く、パッド部115の厚みよりも深い。
【0058】
上述の如く、実施形態3では、一対のパッド部115のパッド部115同士間に溝113cが形成され、一対のパッド部115の外側を取り囲むように切り欠き116が形成されており、切り欠き116は、一対のパッド部115及びパッド部115同士間の部分を除く実装面112aの全範囲に亘って形成されている。
【0059】
従って、LED素子111をLED基板112にはんだ付けする際、はんだから流れ出る液状のフラックスは、溝113c及び切り欠き116に流れ込む。また、溝113cに流れ込んだ液状のフラックスは溝113cを流れて切り欠き116に流れ出る。よって、LED素子111をLED基板112にはんだ付けする際、はんだから流れ出る液状のフラックスが実装面112a上に停留することが無くなり、上述した配光方向がずれる問題を未然に防止できる。
【0060】
実施形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【符号の説明】
【0061】
10 内視鏡
111 LED素子(発光素子)
112 LED基板
112a 実装面
113a、113b、113c 溝(停留防止機構)
115 パッド部(端子部)
116 切り欠き(停留防止機構)
117 はんだ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11