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特開2023-81657筒状未加硫ゴム部材及びその製造方法並びにゴムホースの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081657
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】筒状未加硫ゴム部材及びその製造方法並びにゴムホースの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29D 23/00 20060101AFI20230606BHJP
   F16L 11/08 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
B29D23/00
F16L11/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195540
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】517413605
【氏名又は名称】ニッタ化工品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003465
【氏名又は名称】弁理士法人OHSHIMA&ASSOCIATES
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【弁理士】
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 仁
【テーマコード(参考)】
3H111
4F213
【Fターム(参考)】
3H111AA02
3H111BA11
3H111CA03
3H111CB03
3H111CB04
3H111CB11
3H111CB14
3H111CC03
3H111EA12
3H111EA17
4F213AA45
4F213AG03
4F213AG08
4F213AR07
4F213WA03
4F213WA06
4F213WA43
4F213WA87
(57)【要約】
【課題】 内面ベアの発生を抑制可能な筒状未加硫ゴム部材及びその製造方法並びにゴムホースの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の筒状未加硫ゴム部材1の製造方法は、マンドレルBの外周面に、未加硫ゴムテープの第1側面8がマンドレルBの外周面に当接し、未加硫ゴムテープの第2側面9が内面ゴム層2の外周面を構成するように螺旋状に巻き付けることにより、外周面に螺旋状の凹部11を有する筒状の内面ゴム層2を形成する内面ゴム層形成工程と、内面ゴム層2の外周面に未加硫ゴムで被覆されたコードを螺旋状に巻き付けて補強ゴム層3を形成する補強ゴム層形成工程とを備え、補強ゴム層形成工程後に、内面ゴム層2の外周面に、凹部11と補強ゴム層3とで囲まれた空間部14が形成されるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面ゴム層と、前記内面ゴム層の外周面に形成された補強ゴム層とを備えた筒状未加硫ゴム部材の製造方法であって、
前記内面ゴム層を構成する未加硫ゴムを押出装置に供給し、回転するマンドレルの外周面に前記押出装置から押し出された未加硫ゴムテープを、前記未加硫ゴムテープの第1側面が前記マンドレルの外周面に当接し、前記未加硫ゴムテープの第2側面が前記内面ゴム層の外周面を構成するように螺旋状に巻き付けることにより、筒状でその外周面に螺旋状の凹部を有する内面ゴム層を形成する内面ゴム層形成工程と、
前記内面ゴム層の外周面に未加硫ゴムで被覆されたコードを螺旋状に巻き付けて補強ゴム層を形成する補強ゴム層形成工程とを備え、
前記補強ゴム層形成工程後に、前記内面ゴム層の外周面に、前記凹部と前記補強ゴム層とで囲まれた空間部が形成される筒状未加硫ゴム部材の製造方法。
【請求項2】
前記未加硫ゴムテープの第2側面は、外側に膨出する湾曲面である請求項1に記載の筒状未加硫ゴム部材の製造方法。
【請求項3】
前記補強ゴム層は、前記未加硫ゴムで被覆されたコードからなるゴム被覆コード層が複数積層されてなり、隣接するゴム被覆コード層同士は、前記コードの傾斜角度が前記マンドレルの軸線方向に対して対称に交差するように配された請求項1又は2に記載の筒状未加硫ゴム部材の製造方法。
【請求項4】
前記補強ゴム層形成工程後に、前記補強ゴム層の外周面に未加硫ゴムからなる外面ゴム層を形成する外面ゴム層形成工程を備えた請求項1~3のいずれか1項に記載の筒状未加硫ゴム部材の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の筒状未加硫ゴム部材の製造方法によって得られた筒状未加硫ゴム部材を加硫する加硫工程を備え、前記空間部は、前記加硫工程における前記内層ゴム層の膨張によって消滅するゴムホースの製造方法。
【請求項6】
筒状でその外周面に螺旋状の凹部を有し、未加硫ゴムからなる内面ゴム層と、前記内面ゴム層の外周面に形成された、未加硫ゴムで被覆されたコードからなる補強ゴム層とを備え、前記内面ゴム層の凹部と、前記補強ゴム層とで囲まれた空間部が形成された筒状未加硫ゴム部材。
【請求項7】
前記凹部は略V字形とされ、前記凹部の内面のうちの一面が前記空間部側に膨出する湾曲面とされた請求項6に記載の筒状未加硫ゴム部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば生コンクリートの圧送に使用されるポンピングチューブなどのゴムホースを加硫する前の筒状未加硫ゴム部材及びその製造方法並びにゴムホースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンピングチューブなどのゴムホースは、筒状未加硫ゴム部材を加硫することで製造される。筒状未加硫ゴム部材を加硫する方法としては、マンドレルの外周面に筒状未加硫ゴム部材を形成し、この筒状未加硫ゴム部材の外周を布締めして直接蒸気加硫する布巻き方式の加硫成形を採用することが多い。ただ、布巻き方式の加硫成形を採用する場合、ゴムホースの生産性が低く、製品の表面に布巻き跡が残ることで美観が低下するという問題があった。
【0003】
上記問題を解消するゴムホースの加硫成形方法として、特許文献1に示すように、外バッグ方式の加硫成形が知られている。外バッグ方式には加硫缶が使用される。図9は加硫缶を用いた外バッグ方式により筒状未加硫ゴム部材を加硫する一態様を示す半断面図である。図示のごとく、マンドレルBの外周面に、内面ゴム層22と、補強ゴム層23と、外面ゴム層24とがこの順に積層され、これにより、マンドレルBの外周面に筒状未加硫ゴム部材21が形成される。加硫缶Dの内側には筒状のゴムバッグEが配されており、外周面に筒状未加硫ゴム部材21が形成されたマンドレルBをゴムバッグE内に挿入し、ゴムバッグEと加硫缶Dの間に蒸気又は温水を供給して加圧しつつ加熱することで加硫が行われる。
【0004】
このように、加硫缶Dを用いた外バッグ方式を用いることで、ゴムホースの外周面を平滑にすることができるとともに、生産性及び寸法精度を向上させることができる。特に、長尺かつ大口径で一定長さの筒状未加硫ゴム部材を加硫してゴムホースを量産する場合に、好適な加硫成形方法とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-142948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、外バッグ方式によって筒状未加硫ゴム部材を加硫成形する場合、加硫の過程で未加硫ゴムが膨張することで、場合によっては、図10に示すように、局所的にゴムバッグEに抗してゴムホース25が半径方向に膨らみ、それに伴ってゴムホース25の内面に内面ベア26と呼ばれる凹みが発生するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明では、加硫缶を用いた外バッグ方式による加硫方法を採用した場合に、内面ベアの発生を抑制可能な筒状未加硫ゴム部材及びその製造方法並びにゴムホースの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、内面ゴム層の外周面に空間部を形成することで加硫工程における内面ゴム層の膨張を空間部で吸収させることができ、加硫工程が終了した時点で内面ベアを抑制しつつ空間部が消滅したゴムホースを得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明の一態様は、内面ゴム層と、前記内面ゴム層の外周面に形成された補強ゴム層とを備えた筒状未加硫ゴム部材の製造方法であって、
前記内面ゴム層を構成する未加硫ゴムを押出装置に供給し、回転するマンドレルの外周面に前記押出装置から押し出された未加硫ゴムテープを、前記未加硫ゴムテープの第1側面が前記マンドレルの外周面に当接し、前記未加硫ゴムテープの第2側面が前記内面ゴム層の外周面を構成するように螺旋状に巻き付けることにより、筒状でその外周面に螺旋状の凹部を有する内面ゴム層を形成する内面ゴム層形成工程と、
前記内面ゴム層の外周面に未加硫ゴムで被覆されたコードを螺旋状に巻き付けて補強ゴム層を形成する補強ゴム層形成工程とを備え、
前記補強ゴム層形成工程後に、前記内面ゴム層の外周面に、前記凹部と前記補強ゴム層とで囲まれた空間部が形成される。
【0010】
前記未加硫ゴムテープの第2側面は、外側に膨出する湾曲面としてもよい。
【0011】
前記補強ゴム層は、前記未加硫ゴムで被覆されたコードからなるゴム被覆コード層が複数積層されてなり、隣接するゴム被覆コード層同士は、前記コードの傾斜角度が前記マンドレルの軸線方向に対して対称に交差するように配された構成としてもよい。
【0012】
前記補強ゴム層形成工程後に、前記補強ゴム層の外周面に未加硫ゴムからなる外面ゴム層を形成する外面ゴム層形成工程を備えてもよい。
【0013】
上述の筒状未加硫ゴム部材の製造方法は、さらに筒状未加硫ゴム部材を加硫する加硫工程を備え、前記空間部は、前記加硫工程における前記内層ゴム層の膨張によって消滅するゴムホースの製造方法としてもよい。
【0014】
筒状未加硫ゴム部材は、筒状でその外周面に螺旋状の凹部を有し、未加硫ゴムからなる内面ゴム層と、前記内面ゴム層の外周面に形成された、未加硫ゴムで被覆されたコードからなる補強ゴム層とを備え、前記内面ゴム層の凹部と、前記補強ゴム層とで囲まれた空間部が形成された構成とされる。
【0015】
前記筒状未加硫ゴム部材の内面ゴム層の凹部は、略V字形とされ、前記凹部の内面のうちの一面が前記空間部側に膨出する湾曲面としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様に係る筒状未加硫ゴム部材の製造方法によれば、補強ゴム層形成工程後に、前記内面ゴム層の外周面に、前記凹部と前記補強ゴム層とで囲まれた空間部が形成されるため、筒状未加硫ゴム部材を加硫したときに内面ゴム層の膨張を空間部で吸収させることができ、加硫工程が終了した時点で内面ベアを抑制しつつ空間部が消滅したゴムホースを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の筒状未加硫ゴム部材を示す半断面図
図2図1の枠Aで囲まれた部分の拡大図
図3図1の内面ゴム層を形成する方法の一態様を示す斜視図
図4図3に示す内面ゴム層の一部断面図
図5図1の内面ゴム層を構成する未加硫ゴムテープの断面図
図6】従来の未加硫ゴムテープの断面図
図7】本発明の筒状未加硫ゴム部材を加硫缶に挿入した状態を示す半断面図
図8】本発明の筒状未加硫ゴム部材を加硫缶で加硫した後の状態を示す半断面図
図9】従来の筒状未加硫ゴム部材を加硫缶で加硫する状態を示す半断面図
図10】従来のゴムホースにおける内面ベアを示す半断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を基に説明する。図1は、マンドレルの外周面上に形成された本発明の筒状未加硫ゴム部材の半断面図を、図2図1の枠Aで囲まれた部分の拡大図を、図3図1の内面ゴム層を形成する方法の一態様を示す斜視図を、図4図3に示す内面ゴム層の一部断面図を、図5図1の内面ゴム層を構成する未加硫ゴムテープの断面図をそれぞれ示す。なお、便宜上、図1図2図4及び図5における内面ゴム層の断面のハッチングは省略する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の筒状未加硫ゴム部材1は、マンドレルBの外周面に形成される。筒状未加硫ゴム部材1は、内面ゴム層2と、内面ゴム層2の外周面に形成された補強ゴム層3と、外面ゴム層4とを備える。以下、筒状未加硫ゴム部材1の製造方法について説明する。
【0020】
内面ゴム層2,補強ゴム層3及び外面ゴム層4で用いられる未加硫ゴムのベース配合としては特に限定は無く、従来からこの分野において公知の配合であればいずれも使用可能であり、例えば、耐摩耗性、耐水性、加工性において優れる天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)或いはNRとシス-1,4-ポリブタジエンゴム(BR)及び/又はSBRとのブレンド配合組成物等を挙げることができる。
【0021】
図3及び図4に示すように、内面ゴム層2を構成する未加硫ゴムを押出装置Cに供給し、回転するマンドレルBの外周面に押出装置Cから押し出された未加硫ゴムテープ5を螺旋状に巻き付けて内面ゴム層2が形成される(内面ゴム層形成工程)。内面ゴム層形成工程について詳しく説明すると、未加硫ゴムテープ5は、図5に示すように、テープ幅方向Wに平行に延びる第1表面6及び第2表面7と、第1表面6及び第2表面7の間を接続する第1側面8及び第2側面9を備える。第1側面8は、第1表面6及び第2表面7に対して傾斜する傾斜面とされる。第2側面9は、テープ幅方向外側に膨出する湾曲面とされ、その断面形状は図5に示すように略円弧状とされる。
【0022】
上記構成の未加硫ゴムテープ5を、未加硫ゴムテープ5の第1側面8がマンドレルBの外周面に当接し、未加硫ゴムテープ5の第2側面9が内面ゴム層2の外周面を構成するようにマンドレルBの外周面に螺旋状に巻き付ける。これにより、図1に示すように、未加硫ゴムテープ5はその幅方向がマンドレルBの軸方向に対して角度α傾斜した状態で積層され、最終的に、筒状で内周面は平滑で、かつ外周面に螺旋状の凹部11を有する内面ゴム層2を形成することができる。
【0023】
内面ゴム層形成工程後に、内面ゴム層2の外周面に未加硫ゴムで被覆されたコードを螺旋状に巻き付けることで補強ゴム層3が形成される(補強ゴム層形成工程)。補強ゴム層形成工程について詳しく説明すると、補強ゴム層3は、繊維からなるすだれ織布(コード12)に公知の未加硫ゴムをトッピング処理したシート状物からなるゴム被覆コード層13が偶数層積層されてなる。コードに使用される繊維としては、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アラミド、カーボンなどの有機繊維及びガラス、スチールなどの無機、金属繊維などが挙げられる。
【0024】
本実施形態ではゴム被覆コード層13は2層積層され、隣接するゴム被覆コード層13、13同士は、コード12の傾斜角度がマンドレルBの軸線方向に対して対称に交差するように配される。補強ゴム層形成工程後に、補強ゴム層3の外周面に未加硫ゴムからなる外面ゴム層4が形成される(外面ゴム層形成工程)。なお、外面ゴム層4の形成は必ずしも必要ではないものの、補強ゴム層3を保護してゴムホースの耐久性を向上させるとともに、美観に優れるという効果を奏する。
【0025】
このようにして得られた筒状未加硫ゴム部材1は、筒状でその外周面に螺旋状の凹部11を有し、未加硫ゴムからなる内面ゴム層2と、内面ゴム層2の外周面に形成された、未加硫ゴムで被覆されたコードからなる補強ゴム層3とを備え、図2に示すように、内面ゴム層の凹部11と、補強ゴム層3とで囲まれた空間部14が形成される。凹部11は、断面が略V字形とされ、凹部11の内面のうちの一面が空間部14側に膨出する湾曲面9とされる。
【0026】
なお、未加硫ゴムテープ5の形状について、従来は、図6に示すように、第2側面29は外側に突出した断面V字形に形成されていた。これにより、図9に示すように、内面ゴム層22の外周面に補強ゴム層23が形成される際に、第2側面29の部分が倒れこんで内面ゴム層22の外周面が平滑化され、内面ゴム層22と補強ゴム層23との密着性を高めるようにしていた。
【0027】
これに対して、本発明では、図5に示すように、未加硫ゴムテープ5の第2側面9は湾曲して形成される。これにより、図2に示すように、補強ゴム層3は、未加硫ゴムテープ5の第2側面9の湾曲面に接する。従って、補強ゴム層3を内面ゴム層2に圧接したときに、凹部11は第2側面9の湾曲形状によって押しつぶされることなく保持される。
【0028】
以上のようにして得られた筒状未加硫ゴム部材1は、図7に示すように、マンドレルBごと加硫缶D内に挿入する。そして、ゴムバッグEと加硫缶Dの間に蒸気又は温水を供給して加圧しつつ加熱することで加硫が行われる。このとき、内面ゴム層2の外周面に、凹部11と補強ゴム層3とで囲まれた空間部14が形成されるため、筒状未加硫ゴム部材1を加硫したときに内面ゴム層2の膨張を空間部14で吸収させることができる。これにより、図8に示すように、加硫工程が終了した時点で内面ベアを抑制しつつ空間部14が消滅したゴムホース15を得ることができる。
【0029】
未加硫ゴムテープ5の厚みTは、強度及び適正な容積の空間部を形成する観点から1.0mm以上であればよく、1.5mm以上とするのが好ましく、2.0mm以上とするのがより好ましい。また、未加硫ゴムテープ5の厚みTは、取扱性及び過剰な容積の空間部の形成を抑制する観点から、4.0mm以下であればよく、3.5mm以下とするのが好ましく、3.0mm以下とするのがより好ましい。
【0030】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。具体的に、本実施形態では補強ゴム層3の外面に外面ゴム層4を備えているが、外面ゴム層4を備えていなくてもよい。また、本実施形態に開示されている構成要件は互いに組合せ可能であり、組合せることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 筒状未加硫ゴム部材
2 内面ゴム層
3 補強ゴム層
4 外面ゴム層
5 未加硫ゴムテープ
6 第1表面
7 第2表面
8 第1側面
9 第2側面
11 凹部
12 コード
13 ゴム被覆コード層
14 空間部
15 ゴムホース
B マンドレル
C 押出装置
D 加硫缶
E ゴムバッグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10