(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081674
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】自我の移植における自己同一性の確保方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/02 20060101AFI20230606BHJP
【FI】
A61F2/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195579
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】596012951
【氏名又は名称】榎本 一仁
(72)【発明者】
【氏名】榎本 一仁
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA30
4C097BB01
4C097DD15
(57)【要約】
【課題】寿命の延長。寿命による自我の消失を克服するために、自我の移植を可能にし、その際に人格の情報を複製しただけの別人にならないよう、対象者の自我の同一性を保つ。
【解決手段】寿命の近づいた脳について、新しい脳を用意して、それぞれの脳を修復技術の応用等で接着することで、データの交流を促す。新しい方の脳にクローンを利用することで、新しい脳への人格および記憶の伝達率を高め、結果として得られるであろう「2つの脳それぞれに自我を共有させた状態」を保ち、そののちその状態のまま、旧身体の死を迎えることで、新しい脳に古いほうの自我を残し、同一性を失わない自我の移植を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新旧2つの脳を接着し、古い自分の自我が2つの脳で共有されている状態で古いほうの身体の死を迎えることにより、新しい身体に自我を移植する際、自我の同一性を確保ことを可能にする方法。
【請求項2】
請求項1において、脳の接着にiPS細胞を用いる手法。
【請求項3】
請求項1において、脳内自我が循環するように入出力を直列につなぐ技法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自分以外に自我を移植する際の移植方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
記憶が移植可能という趣旨の文献はあるが、自分以外に自我を移植する手段は現時点で実用化されていない。
【0003】
理由のひとつとして考えられるのが、移植の際に自我の同一性を保てず、同一情報で構成された別人格ができあがる問題があり、それが未解決であることがあげられる。
【0004】
また、移植手段についても実用は動物実験の範囲までにとどまっている。
【0005】
架空文献内においては自我を若い身体に複製移植したり、機械のデータとしてコピーしたりといった手段が描かれているが、それらの方法で得られるのは同一データの別人格であり、元の人格は古い身体に残っているか、または複製の後に消されている可能性が非常に高く、実用に適さない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】理化学研究所 「海馬から大脳皮質への記憶の転送の新しい仕組みの発見」研究成果プレリリース 2017年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、自我の移植を可能とする手段と、移植の際に自我の同一性を保つ手段が不確かな点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、新旧2つの脳を脳修復と同種の技法、たとえばiPS細胞などによる接着などで1つにつなげ、それら2つの脳がお互いの自我を共有データとして扱っている状態で片方の臨終を迎えることによって、いわゆる1人の人間のひとつの脳が、半分死んだのと同様の状態を得ることで、古い方の身体の自我を新しい身体の自我として、同一性を保ったまま移植することを可能にするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、寿命による死で消失するはずの自我を新しい身体に移植し継続させる効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は移植の際、リンク状態にあるであろう2つの脳の状態を示した想像図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
新しい方の身体に自身のクローンを使うことで、新しい脳に自我が認識されない可能性を狭め、また、その際に自我の芽生えていない幼体を使うことで、2つの意識が競合する確率を下げられると予想する。
【実施例0012】
図1は、本発明技法の1実施例の断面図であって、意識の入出力が直列つなぎになるように接着することで、自我の共有確率を高めている。