IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 西本 一也の特許一覧 ▶ 株式会社デジタルアセットマーケッツの特許一覧

<>
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図1
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図2
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図3
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図4
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図5
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図6
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図7
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図8
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図9
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図10
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図11
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図12
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図13
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図14
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図15
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図16
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図17
  • 特開-NFT取引サービス提供システム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081753
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】NFT取引サービス提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20230606BHJP
【FI】
G06Q20/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195722
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】313004816
【氏名又は名称】西本 一也
(71)【出願人】
【識別番号】519249262
【氏名又は名称】株式会社デジタルアセットマーケッツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001405
【氏名又は名称】弁理士法人篠原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100065824
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100104983
【弁理士】
【氏名又は名称】藤中 雅之
(74)【代理人】
【識別番号】100166394
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和弘
(72)【発明者】
【氏名】西本 一也
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA71
(57)【要約】      (修正有)
【課題】顧客自らの任意操作でNFTの財産的価値を直接的に把握可能にし、NFT売却で容易に現金化可能にするNFT取引サービス提供システムを提供する。
【解決手段】NFT取引サービス提供システムにおいて、注文入出力手段11でNFT交換対象として入力された暗号資産の法定通貨単位の時価を暗号資産取引サービス提供の場40からリアルタイム取得するスマコン12、取得した時価を手段11に表示可能なスマコン13、手段11を介した内容に基づく売りと買いの注文をマッチングし対当する注文同士のNFTと暗号資産とを交換するスマコン16、手段11にて現金化アルゴリズム注文要が選択された場合、対当する注文同士のNFTと暗号資産との交換完了をトリガーとして、交換された暗号資産の売り注文を成行的に暗号資産取引サービス提供の場40へ発注し約定させ暗号資産と交換された法定通貨をNFT売り方50Aへ移動するスマコン17、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンなどの分散技術を用いて、モノやサービスがブロックチェーン上で作成され管理されるデータとして示されたNFT(Non-Fungible Token:代替不可能なトークン)と称される、商品やサービスなどの資産をデジタル化した電子データ(トークン)であって、基本的に決済力を持たないが価値を持ち、決済力を持つ暗号資産を交換対象とする、デジタル資産で表現されるものの総称の取引を行うNFT取引サービス提供システムであって、
画面上に、NFTの売却・購入の選択項目、売却または購入を所望する、NFTの銘柄及び数量の入力項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、価格を安定させる性質を有する暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目、を少なくとも備えたNFT注文入出力手段と、
前記NFT注文入出力手段において、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無について“有”が選択されたときに、前記NFT注文入出力手段を介して、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を、当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場からリアルタイムで取得する機能を有する暗号資産時価取得用スマートコントラクトと、
前記暗号資産時価取得用スマートコントラクトがリアルタイムで取得した当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を参考値としてNFT注文入出力手段に表示する機能を有する参考値表示用スマートコントラクトと、
前記NFT注文入出力手段を介して入力、表示及び選択された内容に基づく、売り注文と買い注文とのマッチングを行い、対当する注文同士における当該銘柄及び数量のNFTと当該銘柄及び数量の前記暗号資産との交換を行う機能を有するNFT取引用スマートコントラクトと、
前記NFT注文入出力手段において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトにより対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の前記暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、当該売り注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方の口座へ移動する機能を少なくとも有するNFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトと、
を少なくとも備えたことを特徴とするNFT取引サービス提供システム。
【請求項2】
暗号資産と法定通貨との取引サービスを提供する場において、売り注文と買い注文とのマッチングを行い、対当する注文同士における暗号資産と法定通貨との交換を行う機能を有する暗号資産取引用スマートコントラクトをさらに有し、
前記NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記NFT注文入出力手段において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトにより対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の前記暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、前記暗号資産取引用スマートコントラクトを介して当該売り注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方の口座へ移動する機能を有することを特徴とする請求項1に記載のNFT取引サービス提供システム。
【請求項3】
前記参考値表示用スマートコントラクトにより前記NFT注文入出力手段に表示されている当該参考値を固定する機能を有する参考値固定用スマートコントラクトと、
前記参考値固定用スマートコントラクトが固定した当該参考値と、当該参考値が固定された後に前記暗号資産時価取得用スマートコントラクトによりリアルタイムで取得される当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価との比率から、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄の前記暗号資産の数量を定期的に更新する機能と、更新した当該銘柄の前記暗号資産の数量を前記NFT注文入出力手段に自動更新表示する機能を有する暗号資産数量変更表示用スマートコントラクトと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のNFT取引サービス提供システム。
【請求項4】
前記NFT注文入出力手段は、NFT現金購入アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目をさらに有し、
前記NFT注文入出力手段において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトによりNFTの売り注文における指値である前記暗号資産の数量と、NFTの買い注文における現金の参考値に対応する前記暗号資産の数量とが対当したとき、当該NFT取引用スマートコントラクトが当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行う直前に、瞬間的に、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の買い注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、当該買い注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に、前記NFT取引用スマートコントラクトを介して当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行わせる機能を少なくとも有するNFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトをさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項1に従属する請求項3に記載のNFT取引サービス提供システム。
【請求項5】
前記NFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記NFT注文入出力手段において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトによりNFTの売り注文における指値である前記暗号資産の数量と、NFTの買い注文における現金の参考値に対応する前記暗号資産の数量とが対当したとき、当該NFT取引用スマートコントラクトが当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行う直前に、瞬間的に、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の買い注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、前記暗号資産取引用スマートコントラクトを介して当該買い注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に、前記NFT取引用スマートコントラクトを介して当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行わせる機能を有することを特徴とする請求項2に従属する請求項3に記載のNFT取引サービス提供システム。
【請求項6】
前記NFT注文入出力手段は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、前記暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目が、複数の銘柄を指定できるとともに、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目が、前記複数の銘柄数分設けられ、
前記NFT注文入出力手段において、複数の銘柄の前記暗号資産が指定された場合、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクト、前記参考値表示用スマートコントラクト、前記参考値固定用スマートコントラクト、前記暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト、前記NFT取引用スマートコントラクト、前記NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記暗号資産の銘柄ごとに作動することを特徴とする請求項1に従属する請求項3に記載のNFT取引サービス提供システム。
【請求項7】
前記NFT注文入出力手段は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、前記暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目が、複数の銘柄を指定できるとともに、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目が、前記複数の銘柄数分設けられ、
前記NFT注文入出力手段において、複数の銘柄の前記暗号資産が指定された場合、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクト、前記参考値表示用スマートコントラクト、前記参考値固定用スマートコントラクト、前記暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト、前記NFT取引用スマートコントラクト、前記暗号資産取引用スマートコントラクト、前記NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記暗号資産の銘柄ごとに作動することを特徴とする請求項2に従属する請求項3に記載のNFT取引サービス提供システム。
【請求項8】
前記NFT注文入出力手段は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、前記暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目が、一つの銘柄のみを指定でき、
NFTの売り注文と買い注文とで、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として指定された前記暗号資産の銘柄が異なる場合、NFTの買い注文において指定された第2の銘柄の前記暗号資産の数量を、NFTの売り注文において指定された第1の銘柄の前記暗号資産を基準とした数量に換算する機能を有する暗号資産数量換算用スマートコントラクトと、
前記暗号資産数量換算用スマートコントラクトが換算した数量と、NFT売り注文において指定された第1の銘柄の前記暗号資産の数量とが対当するとき、NFTの売り注文と対当する第1の銘柄の前記暗号資産の数量が指定されたNFTの買い注文を自動発注してNFTの売り注文と約定し、NFTと当該数量の第1の銘柄の前記暗号資産とを交換して、当該数量の第1の銘柄の前記暗号資産を当該NFTの売り方の口座へ移動しNFTを受け取ると同時に、NFTの買い注文と対当する第2の銘柄の前記暗号資産の数量が指定されたNFTの売り注文を自動発注してNFTの買い注文と約定し、NFTと当該数量の第2の銘柄の前記暗号資産とを交換して、NFTを当該NFTの買い方の口座へ移動し当該数量の第2の銘柄の前記暗号資産を受け取る機能を有する暗号資産変換取引用スマートコントラクトをさらに備えることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のNFT取引サービス提供システム。
【請求項9】
前記NFT注文入出力手段は、法定通貨の単位の指定項目をさらに有し、
前記暗号資産時価取得用スマートコントラクトは、前記NFT注文入出力手段を介して指定された法定通貨の単位を基準とした時価を取得することを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のNFT取引サービス提供システム。
【請求項10】
前記価格を安定させる性質を有する暗号資産がデジタルゴールドコインであることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のNFT取引サービス提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NFT(Non-Fungible Token:代替不可能なトークン)と称される、商品やサービスなどの資産をデジタル化した電子データ(トークン)であって、基本的に決済力を持たないが価値を持ち、決済力を持つ暗号資産を交換対象とする、デジタル資産で表現されるものの総称の取引を行うNFT取引サービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界的なキャッシュレス化の流れに伴い、資産として価値のあるものをデジタル変換したデジタル資産に注目が集まっている。
デジタル資産で用いるトークンには、例えば、法定通貨を基準とした前払い支払い手段である電子マネーやステーブルコイン等、通貨をデジタル化し、それ自体に価値があり決済に使えるもの、証券をデジタル化したSTO型トークン(STO:Security Tokens)、モノやサービスをデジタル化したICO型トークン(ICO:Initial Coin Offering、新規暗号資産公開)があるが、これらのトークンの他に、NFT(Non-Fungible Token:代替不可能なトークン)と称される、商品やサービスなどの資産をデジタル化した電子データ(トークン)がある。
【0003】
NFTは、ブロックチェーンなどの分散技術上で発行された、代替が不可能な送信権が入った唯一無二の価値を有する物であることを証明する偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータであり、美術品や貴重品、例えば宝石や絵画、ビンテージカー、高額ワインの権利の分割販売、芸能やスポーツなどのファン向け募金のような形態、ゲームコインなどとしてのアイテムの購入やルール変更の投票権利などの価値の証明に活用される。
【0004】
NFTは、プライマリーマーケットにおいてNFTの発行者から現金(実際には電子マネーやクレジットカードなど)や暗号資産(仮想通貨)で購入可能であるが、購入したNFTをセカンダリーマーケットにおいて売却するときは、基本的に暗号資産のみが受け取り可能となり、換金はできない。
【0005】
現在、例えば、日本において、暗号資産交換業者により提供されているNFT取引サービスとしては、非特許文献1に開示のものがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】『 Coincheck NFT(β版)とは?使い方や取扱い商品を解説』、Coincheck、https://coincheck.com/ja/article/458、[ONLINE]、検索日:2021/11/02
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、例えば、日本では、NFTを明示的に規制する法枠が無いことから自由度があるが、非特許文献1に開示のNFT取引サービスは、あくまで、例えば日本におけるメルカリやヤフオクのような個人売買が前提となり、個人間でのNFTと暗号資産(仮想通貨)との交換による清算が基本となる。
【0008】
非特許文献1に開示のNFT取引サービスでは、NFT取引サービスを提供する暗号資産交換業者の扱うNFTを所有している顧客が、暗号資産交換業者に口座を開設している場合に、顧客は、所有しているNFTを暗号資産交換業者の提供するNFT個人売買サービスにて売りに出すことができる。
【0009】
顧客は、NFTの売却を所望するときに、NFTとの交換対象として受け取りを所望する暗号資産(仮想通貨)(例えば、イーサやビットコインなど)を指定するとともに、暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量を設定する。そして、この暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量が売買画面に希望売値(NFTの売りにおける暗号資産での指値)として表示される。
しかし、この暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量は、法定通貨の単位(例えば、日本では¥)を基準とする価格を表記した値ではない。このため、顧客は、NFTとの交換対象として指定された暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量における財産的価値を直接的に把握することは難しい。
【0010】
ところで、法定通貨と交換できるものは暗号資産(仮想通貨)に該当する。
一方、NFTは法定通貨と交換できず暗号資産(仮想通貨)ではない。また、NFT取引サービスを提供する暗号資産交換業者は、顧客に対し、NFTの法定通貨(例えば、日本では¥)への換金を勧めるようなことはできない。
【0011】
このため、顧客は、NFTの売却により暗号資産を受け取った後、暗号資産の現金化を所望する場合、所有する暗号資産を、NFT取引サービスとは別のサービスである、暗号資産取引サービスを利用して、売却する必要がある。
【0012】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、顧客自らの任意の操作で、NFTの財産的価値を直接的に把握可能にし、NFTの売却により容易に現金化可能にする、NFT取引サービス提供システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明によるNFT取引サービス提供システムは、ブロックチェーンなどの分散技術を用いて、モノやサービスがブロックチェーン上で作成され管理されるデータとして示されたNFT(Non-Fungible Token:代替不可能なトークン)と称される、商品やサービスなどの資産をデジタル化した電子データ(トークン)であって、基本的に決済力を持たないが価値を持ち、決済力を持つ暗号資産を交換対象とする、デジタル資産で表現されるものの総称の取引を行うNFT取引サービス提供システムであって、画面上に、NFTの売却・購入の選択項目、売却または購入を所望する、NFTの銘柄及び数量の入力項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、価格を安定させる性質を有する暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目、を少なくとも備えたNFT注文入出力手段と、前記NFT注文入出力手段において、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無について“有”が選択されたときに、前記NFT注文入出力手段を介して、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を、当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場からリアルタイムで取得する機能を有する暗号資産時価取得用スマートコントラクトと、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクトがリアルタイムで取得した当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を参考値としてNFT注文入出力手段に表示する機能を有する参考値表示用スマートコントラクトと、前記NFT注文入出力手段を介して入力、表示及び選択された内容に基づく、売り注文と買い注文とのマッチングを行い、対当する注文同士における当該銘柄及び数量のNFTと当該銘柄及び数量の前記暗号資産との交換を行う機能を有するNFT取引用スマートコントラクトと、前記NFT注文入出力手段において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトにより対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の前記暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、当該売り注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方の口座へ移動する機能を少なくとも有するNFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトと、を少なくとも備えたことを特徴としている。
なお、本願明細書における「スマートコントラクト」とは、ブロックチェーン上で稼働する、処理を自動化するプログラムである。
【0014】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、暗号資産と法定通貨との取引サービスを提供する場において、売り注文と買い注文とのマッチングを行い、対当する注文同士における暗号資産と法定通貨との交換を行う機能を有する暗号資産取引用スマートコントラクトをさらに有し、前記NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記NFT注文入出力手段において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトにより対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の前記暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、前記暗号資産取引用スマートコントラクトを介して当該売り注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方の口座へ移動する機能を有するのが好ましい。
【0015】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、前記参考値表示用スマートコントラクトにより前記NFT注文入出力手段に表示されている当該参考値を固定する機能を有する参考値固定用スマートコントラクトと、前記参考値固定用スマートコントラクトが固定した当該参考値と、当該参考値が固定された後に前記暗号資産時価取得用スマートコントラクトによりリアルタイムで取得される当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価との比率から、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄の前記暗号資産の数量を定期的に更新する機能と、更新した当該銘柄の前記暗号資産の数量を前記NFT注文入出力手段に自動更新表示する機能を有する暗号資産数量変更表示用スマートコントラクトと、をさらに備えるのが好ましい。
【0016】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、前記NFT注文入出力手段は、NFT現金購入アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目をさらに有し、前記NFT注文入出力手段において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトによりNFTの売り注文における指値である前記暗号資産の数量と、NFTの買い注文における現金の参考値に対応する前記暗号資産の数量とが対当したとき、当該NFT取引用スマートコントラクトが当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行う直前に、瞬間的に、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の買い注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、当該買い注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に、前記NFT取引用スマートコントラクトを介して当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行わせる機能を少なくとも有するNFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトをさらに備えるのが好ましい。
【0017】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、前記NFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記NFT注文入出力手段において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトによりNFTの売り注文における指値である前記暗号資産の数量と、NFTの買い注文における現金の参考値に対応する前記暗号資産の数量とが対当したとき、当該NFT取引用スマートコントラクトが当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行う直前に、瞬間的に、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の買い注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、前記暗号資産取引用スマートコントラクトを介して当該買い注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に、前記NFT取引用スマートコントラクトを介して当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行わせる機能を有するのが好ましい。
【0018】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、前記NFT注文入出力手段は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、前記暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目が、複数の銘柄を指定できるとともに、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目が、前記複数の銘柄数分設けられ、前記NFT注文入出力手段において、複数の銘柄の前記暗号資産が指定された場合、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクト、前記参考値表示用スマートコントラクト、前記参考値固定用スマートコントラクト、前記暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト、前記NFT取引用スマートコントラクト、前記NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記暗号資産の銘柄ごとに作動するのが好ましい。
【0019】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、前記NFT注文入出力手段は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、前記暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目が、複数の銘柄を指定できるとともに、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目が、前記複数の銘柄数分設けられ、前記NFT注文入出力手段において、複数の銘柄の前記暗号資産が指定された場合、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクト、前記参考値表示用スマートコントラクト、前記参考値固定用スマートコントラクト、前記暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト、前記NFT取引用スマートコントラクト、前記暗号資産取引用スマートコントラクト、前記NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記暗号資産の銘柄ごとに作動するのが好ましい。
【0020】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、前記NFT注文入出力手段は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、前記暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目が、一つの銘柄のみを指定でき、NFTの売り注文と買い注文とで、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として指定された前記暗号資産の銘柄が異なる場合、NFTの買い注文において指定された第2の銘柄の前記暗号資産の数量を、NFTの売り注文において指定された第1の銘柄の前記暗号資産を基準とした数量に換算する機能を有する暗号資産数量換算用スマートコントラクトと、前記暗号資産数量換算用スマートコントラクトが換算した数量と、NFT売り注文において指定された第1の銘柄の前記暗号資産の数量とが対当するとき、NFTの売り注文と対当する第1の銘柄の前記暗号資産の数量が指定されたNFTの買い注文を自動発注してNFTの売り注文と約定し、NFTと当該数量の第1の銘柄の前記暗号資産とを交換して、当該数量の第1の銘柄の前記暗号資産を当該NFTの売り方の口座へ移動しNFTを受け取ると同時に、NFTの買い注文と対当する第2の銘柄の前記暗号資産の数量が指定されたNFTの売り注文を自動発注してNFTの買い注文と約定し、NFTと当該数量の第2の銘柄の前記暗号資産とを交換して、NFTを当該NFTの買い方の口座へ移動し当該数量の第2の銘柄の前記暗号資産を受け取る機能を有する暗号資産変換取引用スマートコントラクトをさらに備えるのが好ましい。
【0021】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、前記NFT注文入出力手段は、法定通貨の単位の指定項目をさらに有し、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクトは、前記NFT注文入出力手段を介して指定された法定通貨の単位を基準とした時価を取得するのが好ましい。
【0022】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、前記価格を安定させる性質を有する暗号資産がデジタルゴールドコインであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、顧客自らの任意操作で、NFTの財産的価値を直接的に把握可能にし、NFTの売却により容易に現金化可能にする、NFT取引サービス提供システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムの構成を概念的に示すブロック図である。
図2】本実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムにおけるNFT注文入出力手段の構成を概略的に示す説明図である。
図3】本実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムにおける暗号資産時価取得用スマートコントラクトに備わる機能の概要を示す説明図である。
図4】本実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムにおける参考値表示用スマートコントラクトに備わる機能の概要を示す説明図である。
図5】本実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムにおける参考値固定用スマートコントラクトに備わる機能の概要を示す説明図である。
図6】本実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムにおける暗号資産数量変更表示用スマートコントラクトに備わる機能の概要を示す説明図である。
図7】本実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムにおけるNFT取引用スマートコントラクトに備わる機能の概要を示す説明図である。
図8】本実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムにおける暗号資産取引用スマートコントラクトに備わる機能の概要を示す説明図である。
図9】本実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムにおけるNFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトに備わる機能の概要を示す説明図である。
図10】本実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムにおけるNFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトに備わる機能の概要を示す説明図である。
図11】本実施形態の一変形例にかかるNFT取引サービス提供システムの構成を概念的に示すブロック図である。
図12図11に示すNFT取引サービス提供システムにおける暗号資産数量換算用スマートコントラクトに備わる機能の概要を示す説明図である。
図13図11に示すNFT取引サービス提供システムにおける暗号資産変換取引用スマートコントラクトに備わる機能の概要を示す説明図である。
図14】本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムを用いたNFTの売り方、買い方それぞれの注文内容の画面入力操作の流れを示す説明図である。
図15】本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムを用いた注文内容の画面入力操作後の処理の流れの一部を示す説明図である。
図16】本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムを用いた注文内容の画面入力操作後の処理の流れの図15に続く部分を示す説明図である。
図17】本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムを用いたNFTの売り注文発注後の処理の流れを示す説明図である。
図18】本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムを用いたNFTの買い注文発注後の処理の流れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施形態の説明に先立ち、本発明を導出するに至った経緯及び本発明の作用効果について説明する。
上述のように、非特許文献1に開示のNFT取引サービスでは、顧客は、NFTの売却を所望するときに、NFTとの交換対象として受け取りを所望する暗号資産(仮想通貨)(例えば、イーサやビットコインなど)を指定するとともに、暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量を設定する。そして、この暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量が売買画面に希望売値(NFTの売りにおける暗号資産での指値)として表示される。しかし、この暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量は、法定通貨の単位(例えば、日本では¥)を基準とする価格を表記した値ではない。このため、顧客は、NFTとの交換対象として指定された暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量における財産的価値を直接的に把握することは難しい。
ところで、法定通貨と交換できるものは暗号資産(仮想通貨)に該当する。一方、NFTは法定通貨と交換できず暗号資産(仮想通貨)ではない。また、NFT取引サービスを提供する暗号資産交換業者は、顧客に対し、NFTの法定通貨(例えば、日本では¥)への換金を勧めるようなことはできない。
顧客は、NFTの売却により暗号資産を受け取った後、暗号資産の現金化を所望する場合、所有する暗号資産を、NFT取引サービスとは別のサービスである、暗号資産取引サービスを利用して、売却する必要がある。
【0026】
ここで、本件発明者は、顧客がNFTを売却する際に、NFTの希望売値としてNFTとの交換対象となる暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量を指定する場合、顧客からの求めに応じて指定された暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量における法定通貨の単位(例えば、日本では¥)で表記することが出来るようにすれば、顧客は、NFTとの交換対象として指定された暗号資産(仮想通貨)の最低取引数量における財産的価値を直接的に把握し易くなると考えた。
【0027】
基本的には、NFT取引は物々交換であるが、本件発明者は、NFT取引に金融の技術を組み込み、顧客がNFTとの交換対象として指定した暗号資産(仮想通貨)での指値(NFTの売り方は最低取引数量、NFTの買い方は最高取引数量)における法定通貨の単位(例えば、日本では¥)を基準とする価値を認識しながらNFTの取引をすることができるようにすることを考えた。
【0028】
そして、本件発明者は、顧客の要望に応じてNFTの財産的価値を直接的に把握可能にし、NFTの売却により容易に現金化可能にするための方策について、考察・検討を重ねた。
【0029】
詳しくは、本件発明者は、NFT取引サービスを提供する場において、顧客がNFTの売り注文を発注するとき、例えばデジタルゴールドコインを清算対象の暗号資産の銘柄として指定し、約定によりデジタルゴールドコインを受け取ると同時に、暗号資産取引サービスを提供する場でデジタルゴールドコインを自動売却し、法定通貨(例えば、日本では¥)を受け取るようにアルゴリズムが組み込まれた特殊条件注文を、顧客が任意に設定できるようにすることを考えた。
デジタルゴールドコインは、価格が比較的に安定しているゴールドの価格に連動し、準通貨的な価値を持つ、本質的に中央銀行に依存しない暗号資産である。
デジタルゴールドコインは、ゴールドの持つ絶対的な価値にデジタル技術を組み込んだものであり、少額から取引ができ、保有コストがかからない。デジタルゴールドコインをブロックチェーンサービスに実装することにより、価値のデジタル移動が実現でき、売り決済に用いても価格変動が小さく、少額デジタル決済に好適と考えられる。また、デジタルゴールドコインは、将来的に地金との交換も可能であり強い担保力を有することや、デジタル的に組み込まれた決済等の機能によりマネーロンダリングを規制できる。
このようなことから、本件発明者は、NFTの取引において、NFTの交換対象として用いる、価格を安定させる性質を有する暗号資産としてデジタルゴールドコインを用いることで、唯一無二でコピーができず、流通量の少ないNFTの取引において、流動性を維持し易くなると考えた。
【0030】
また、本件発明者は、顧客がデジタルゴールドコインをNFTとの清算対象の暗号資産の銘柄として指定し、デジタルゴールドコインの最低取引数量を指値(NFTの希望売却額)として指定する際に、顧客からの求めに応じて、参考値としてデジタルゴールドコインの最低取引数量における法定通貨の単位(例えば、日本では¥)を基準とする価格を表示することを考えた。
【0031】
また、本件発明者は、顧客から売却希望額の参考値の表示の求めがなく、指値としてデジタルゴールドコインの最低取引数量のみが指定された場合であっても、最終的には自動的に法定通貨の単位(例えば、日本では¥)を基準とする価格に換算することができる指定を顧客が任意に設定できるようにすることを考えた。
【0032】
また、本件発明者は、NFTの売り方・買い方が、指値指定において、参考値の表示の有・無を選択した場合、参考値の表示の“有”または“無”に応じて2つの価格(デジタルゴールドコインの指値(NFTの売り方は最低取引数量、NFTの買い方は最高取引数量)と、参考値(デジタルゴールドコインの指値における法定通貨の単位(例えば、日本では¥)を基準とする価格))のうちの一方を固定することを考えた。
【0033】
詳しくは、NFTの売り方が参考値の表示“有”を選択した場合、法定通貨の単位(例えば、日本では¥)を基準とする価格を固定し、デジタルゴールドコインでの指値(最低取引数量)を定期的に自動更新することを考えた。
NFTの売り方が参考値の表示“無”を選択した場合、デジタルゴールドコインでの指値(最低取引数量)を固定することを考えた。
【0034】
また、NFTの買い方も参考値の表示“有”を選択した場合、法定通貨の単位(例えば、日本では¥)を基準とする価格を固定し、デジタルゴールドコインでの指値(最高取引数量)を定期的に自動更新することを考えた。
NFTの買い方が参考値の表示“無”を選択した場合、デジタルゴールドコインでの指値(最高取引数量)を固定することを考えた。
【0035】
なお、NFTの売り方、NFTの買い方が参考値の表示“有”を選択した場合における、固定されていないデジタルゴールドコインでの指値(NFTの売り方は最低取引数量、NFTの買い方は最高取引数量)は、基本的にはデジタルゴールドコイン取引サービスを提供する場のASK(買い)/BID(売り)の値をリアルタイムに取り込んで更新することを考えた。
【0036】
また、本件発明者は、NFTの売り方と買い方の取引条件が合致した場合に約定することを考えた。
【0037】
また、本件発明者は、NFT取引と暗号資産取引を、同一口座、もしくは口座を分けて対処することが可能であるが、NFT取引(NFTと暗号資産との交換)がスマートコントラクトによるDeFi(Decentralized Finance:分散型金融)処理で、暗号資産取引(暗号資産と法定通貨との交換)が暗号資産交換業者の取引サービスになり、あるいは、暗号資産取引もスマートコントラクトで処理することになることから、NFT取引スマートコントラクトと暗号資産取引スマートコントラクトとの間で、アルゴリズム注文の処理(いずれかのスマートコントラクトに実装するか、専用のアルゴリズムスマートコントラクトで対処する)が実行されるようにすることを考えた。
【0038】
例えば、NFT取引と暗号資産取引を、NFT取引サービスを提供する場に開設された同一の総合口座内におけるNFT取引口座と暗号資産取引口座とで対処する場合、NFTが約定となったときに、NFTの売り方のNFT取引口座のNFTがNFTの買い方のNFT取引口座に移動すると同時にNFTの買い方のNFT取引口座の暗号資産がNFTの売り方のNFT取引口座に移動する。アルゴリズム注文処理用スマートコントラクトは、NFT取引サービスを提供する場に開設されたNFTの売り方とNFTの買い方の口座のNFTと暗号資産との移動が完了したことをトリガーとして、NFTの売り方のNFT取引口座に移動した暗号資産を、総合口座のアルゴリズムを経由して、暗号資産取引口座に移動させて、即座に暗号資産取引スマートコントラクト、もしくは暗号資産交換所にて成行的に売り注文を発注し、約定させる。約定により、暗号資産と交換された現金をNFTの売り方の暗号資産取引口座または総合口座に移動させる。
【0039】
結果的に、暗号資産取引サービスを提供する場における¥とデジタルゴールドコインとの取引価格が変化するごとに、NFT取引サービスにおいてNFTの売り方及び買い方が指値指定したときのデジタルゴールドコインの指値(NFTの売り方は最低取引数量、NFTの買い方は最高取引数量)は自動的に更新される。
【0040】
清算方法は、NFTの約定となったとき、NFTと暗号資産とを瞬時に交換することを考えた。
【0041】
また、本件発明者は、NFTと暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、登録されているアルゴリズムにより、受け取った暗号資産について、即座に暗号資産取引スマートコントラクト、もしくは暗号資産交換所にて成行的に売り注文を発注し、現金化することを考えた。
【0042】
なお、上記は、NFTの売却希望者が、NFTを売却して現金化することを所望する場合について、本件発明者が考察・検討した処理手順であるが、本件発明者は、さらに、NFTの購入希望者が現金でNFTを購入することを所望する場合の処理手順についても、考察・検討した。
【0043】
NFTの購入希望者がNFTを現金で購入することを所望する場合、NFTの購入希望者は、一旦、現金で暗号資産を購入し、購入した暗号資産をNFTと交換する必要がある。
そこで、本件発明者は、一旦、現金で暗号資産を瞬間的に購入し、購入した暗号資産をNFTと交換するロジックを備えたアルゴリズムによる複数の取引を組み合わせる処理を次のように考えた。
【0044】
アルゴリズム注文において、NFTの購入希望者は、法定通貨の単位(例えば、日本では¥)を基準とする価格を指定する。しかし、NFT購入時には、現金を暗号資産に交換して支払うことになる。このため、NFTの売り注文における指値(暗号資産の数量a)と、NFTの買い注文における現金の指値に対応する暗号資産の数量bについて、a=bとなる場合に、暗号資産の取引サービスを提供する場を介して、現金で暗号資産を購入すると同時にNFTの注文処理を行うために、NFTの注文処理において、NFTの売買を行う前に、瞬間的に、暗号資産の価格を固定して暗号資産の取引サービスを提供する場で暗号資産の買い注文を現金で発注し、暗号資産を購入できたときに、NFTの売買の約定処理を行い、購入した暗号資産を売り方の顧客のNFTと交換するとともに、交換したNFTを買い方の顧客の現金と交換するアルゴリズム注文の処理を、顧客自らの任意操作により、NFTの注文処理に実装させることができるようにする。
【0045】
また、本件発明者は、NFTの取引において指値として指定する暗号資産に関し、NFTの買い方より、銘柄の異なる暗号資産が指定された場合の処理について、次のように考察・検討した。
【0046】
基本的には、NFTの売り方が参考値として価格を固定する法定通貨の銘柄を指定するとともに、その法定通貨の単位を基準とする価格に対して数量が連動する暗号資産の銘柄を複数指定できるようにする。
また、NFTの買い方も参考値として価格を固定する法定通貨の銘柄を指定するとともに、その法定通貨の単位を基準とする価格に対して数量が連動する暗号資産の銘柄を複数指定できるようにする。
そして、NFTの売り方と買い方の注文について、同一銘柄の暗号資産を同一銘柄のNFTで取り纏めて、クロッシング処理を行うようにする。
【0047】
他の方法として、NFTの売り方が参考値として価格を固定する法定通貨の銘柄を指定するとともに、その法定通貨の単位を基準とする価格に対して数量が連動する暗号資産の銘柄を一つ指定できるようにする。
また、NFTの買い方も参考値として価格を固定する法定通貨の銘柄を指定するとともに、その法定通貨の単位を基準とする価格に対して数量が連動する暗号資産の銘柄を一つ指定できるようにする。
NFTの売り方と買い方の注文について、参考値として価格を固定する法定通貨の単位を基準とする価格に対して数量が連動する暗号資産の銘柄が異なる場合は、売りと買いの同一銘柄のNFTに対して、決済の暗号資産の銘柄が異なることになる。そこで、売りと買いの決済の暗号資産の銘柄に対して、NFT取引サービスを提供する暗号資産交換業者が自己として間に入り、NFTの買い方の暗号資産の銘柄をNFTの売り方の指定する暗号資産の銘柄に変換してNFTの売り方に渡して、流動性を繋げるようにする。
【0048】
より詳しくは、NFTの売り方の参考値として価格を固定する法定通貨に対して数量が連動する第1の銘柄の暗号資産、NFTの買い方の参考値として価格を固定する法定通貨に対して数量が連動する第2の銘柄の暗号資産がある場合、NFT取引サービスを提供する暗号資産交換業者が、NFTの買い方の連動する第2の銘柄の暗号資産に対して、第2の銘柄の暗号資産を第1の銘柄の暗号資産にコンバートする処理を施して、売り方のNFTを約定後に、NFTの買い方を約定させて、第2の銘柄の暗号資産を受け取る。このとき、暗号資産交換業者が、第1の銘柄の暗号資産と第2の銘柄の暗号資産とを自己が介在して交換しているので、第1の銘柄の暗号資産をNFTの売り方に渡して、NFTの売り方からNFTを受け取り、受け取ったNFTをNFTの買い方に渡す。なお、暗号資産同士を変換する際には、暗号資産交換業者の手数料に相当するマークアップを組み込んで、取引処理をする。
【0049】
本件発明者は、このような考察・検討を重ねた末に、本発明のNFT取引サービス提供システムを導出するに至った。
【0050】
本発明のNFT取引サービス提供システムは、ブロックチェーンなどの分散技術を用いて、モノやサービスがブロックチェーン上で作成され管理されるデータとして示されたNFT(Non-Fungible Token:代替不可能なトークン)と称される、商品やサービスなどの資産をデジタル化した電子データ(トークン)であって、基本的に決済力を持たないが価値を持ち、決済力を持つ暗号資産を交換対象とする、デジタル資産で表現されるものの総称の取引を行うNFT取引サービス提供システムであって、画面上に、NFTの売却・購入の選択項目、売却または購入を所望する、NFTの銘柄及び数量の入力項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、価格を安定させる性質を有する暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目、を少なくとも備えたNFT注文入出力手段と、前記NFT注文入出力手段において、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無について“有”が選択されたときに、前記NFT注文入出力手段を介して、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を、当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場からリアルタイムで取得する機能を有する暗号資産時価取得用スマートコントラクトと、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクトがリアルタイムで取得した当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を参考値としてNFT注文入出力手段に表示する機能を有する参考値表示用スマートコントラクトと、前記NFT注文入出力手段を介して入力、表示及び選択された内容に基づく、売り注文と買い注文とのマッチングを行い、対当する注文同士における当該銘柄及び数量のNFTと当該銘柄及び数量の前記暗号資産との交換を行う機能を有するNFT取引用スマートコントラクトと、前記NFT注文入出力手段において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、NFT取引用スマートコントラクトにより対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の前記暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、当該売り注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方の口座へ移動する機能を少なくとも有するNFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトと、を少なくとも備えている。
【0051】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、好ましくは、暗号資産と法定通貨との取引サービスを提供する場において、売り注文と買い注文とのマッチングを行い、対当する注文同士における暗号資産と法定通貨との交換を行う機能を有する暗号資産取引用スマートコントラクトをさらに有し、前記NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記NFT注文入出力手段において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトにより対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の前記暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、前記暗号資産取引用スマートコントラクトを介して当該売り注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方の口座へ移動する機能を有する。
【0052】
本発明のNFT取引サービス提供システムのように、NFT注文入出力手段において、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無について“有”が選択されたときに、前記NFT注文入出力手段を介して、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)を、当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場からリアルタイムで取得する機能を有する暗号資産時価取得用スマートコントラクトと、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクトがリアルタイムで取得した当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)をNFT注文入出力手段に表示する機能を有する参考値表示用スマートコントラクトを備えた構成とすれば、NFTの売り方、買い方である顧客は、自らの任意操作で、NFTの財産的価値を直接的に把握することが可能となる。
【0053】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムのように、NFT注文入出力手段において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、NFT取引用スマートコントラクトにより対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の前記暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の前記暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、(好ましくは、暗号資産取引用スマートコントラクトを介して)当該売り注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方の口座へ移動する機能を有するNFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトを備えた構成とすれば、NFTの売り方である顧客は、自らの任意操作で、NFTの売却により容易に現金化することが可能となる。
【0054】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記参考値表示用スマートコントラクトにより前記NFT注文入出力手段に表示されている当該参考値を固定する機能を有する参考値固定用スマートコントラクトと、当該参考値が固定された後に前記参考値固定用スマートコントラクトが固定した当該参考値と、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクトによりリアルタイムで取得される当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価との比率から、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄の前記暗号資産の数量を定期的に更新する機能と、更新した当該銘柄の前記暗号資産の数量を前記NFT注文入出力手段に自動更新表示する機能を有する暗号資産数量変更表示用スマートコントラクトと、をさらに備える。
このようにすれば、NFTの売り方の顧客は、固定された参考値である法定通貨の単位を基準とした時価での現金をNFTの売却により得るために必要な暗号資産の数量を、認識することが可能となる。
【0055】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記NFT注文入出力手段は、NFT現金購入アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目をさらに有し、前記NFT注文入出力手段において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトによりNFTの売り注文における指値である前記暗号資産の数量と、NFTの買い注文における現金の参考値に対応する前記暗号資産の数量とが対当したとき、当該NFT取引用スマートコントラクトが当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行う直前に、瞬間的に、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の買い注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、当該買い注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に、前記NFT取引用スマートコントラクトを介して当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行わせる機能を少なくとも有するNFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトをさらに備える。
または、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記NFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記NFT注文入出力手段において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、前記NFT取引用スマートコントラクトによりNFTの売り注文における指値である前記暗号資産の数量と、NFTの買い注文における現金の参考値に対応する前記暗号資産の数量とが対当したとき、当該NFT取引用スマートコントラクトが当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行う直前に、瞬間的に、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の買い注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場へ発注し、前記暗号資産取引用スマートコントラクトを介して当該買い注文を当該取引サービスを提供する場で約定させ、約定後に、前記NFT取引用スマートコントラクトを介して当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行わせる機能を有する。
このようにすれば、NFTの買い方である顧客は、自らの任意操作で、容易に現金を用いてNFTを購入することが可能となる。
【0056】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記NFT注文入出力手段は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、前記暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目が、複数の銘柄を指定できるとともに、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目が、前記複数の銘柄数分設けられ、前記NFT注文入出力手段において、複数の銘柄の前記暗号資産が指定された場合、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクト、前記参考値表示用スマートコントラクト、前記参考値固定用スマートコントラクト、前記暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト、前記NFT取引用スマートコントラクト、前記NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記暗号資産の銘柄ごとに作動する。
または、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記NFT注文入出力手段は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、前記暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目が、複数の銘柄を指定できるとともに、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の前記暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目が、前記複数の銘柄数分設けられ、前記NFT注文入出力手段において、複数の銘柄の前記暗号資産が指定された場合、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクト、前記参考値表示用スマートコントラクト、前記参考値固定用スマートコントラクト、前記暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト、前記NFT取引用スマートコントラクト、前記暗号資産取引用スマートコントラクト、前記NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクトは、前記暗号資産の銘柄ごとに作動する。
このようにすれば、NFTの売り方、買い方がNFTとの交換を所望する暗号資産の銘柄を複数指定してNFTの売買を行うことが可能となる。
【0057】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記NFT注文入出力手段は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、前記暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目が、一つの銘柄のみを指定でき、NFTの売り注文と買い注文とで、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として指定された前記暗号資産の銘柄が異なる場合、NFTの買い注文において指定された第2の銘柄の前記暗号資産の数量を、NFTの売り注文において指定された第1の銘柄の前記暗号資産を基準とした数量に換算する機能を有する暗号資産数量換算用スマートコントラクトと、前記暗号資産数量換算用スマートコントラクトが換算した数量と、NFT売り注文において指定された第1の銘柄の前記暗号資産の数量とが対当するとき、NFTの売り注文と対当する第1の銘柄の前記暗号資産の数量が指定されたNFTの買い注文を自動発注してNFTの売り注文と約定し、NFTと当該数量の第1の銘柄の前記暗号資産とを交換して、当該数量の第1の銘柄の前記暗号資産を当該NFTの売り方の口座へ移動しNFTを受け取ると同時に、NFTの買い注文と対当する第2の銘柄の前記暗号資産の数量が指定されたNFTの売り注文を自動発注してNFTの買い注文と約定し、NFTと当該数量の第2の銘柄の前記暗号資産とを交換して、NFTを当該NFTの買い方の口座へ移動し当該数量の第2の銘柄の前記暗号資産を受け取る機能を有する暗号資産変換取引用スマートコントラクトをさらに備える。
このようにすれば、NFTの売り方と買い方とで、NFTとの交換を所望する暗号資産の銘柄が異なっていても、NFTの売買を行うことができ、NFT取引の流動性を維持することが可能となる。
【0058】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記NFT注文入出力手段は、法定通貨の単位の指定項目をさらに有し、前記暗号資産時価取得用スマートコントラクトは、前記NFT注文入出力手段を介して指定された法定通貨の単位を基準とした時価を取得する。
このようにすれば、顧客は所望の法定通貨によるNFTの売買取引を行うことが可能となる。
【0059】
また、本発明のNFT取引サービス提供システムにおいては、好ましくは、前記価格を安定させる性質を有する暗号資産がデジタルゴールドコインである。
デジタルゴールドコインは、価格が比較的に安定しているゴールドの価格に連動し、準通貨的な価値を持つ、本質的に中央銀行に依存しない暗号資産であり、ゴールドの持つ絶対的な価値にデジタル技術を組み込んだものであり、少額から取引ができ、保有コストがかからない。デジタルゴールドコインをブロックチェーンサービスに実装することにより、価値のデジタル移動が実現でき、売り決済に用いても価格変動が小さく、将来的に地金との交換も可能であり強い担保力を有し、デジタル的に組み込まれた決済等の機能によりマネーロンダリングを規制できる。
このため、本発明のようにNFTの取引において、NFTの交換対象として用いる、価格を安定させる性質を有する暗号資産としてデジタルゴールドコインを用いれば、唯一無二でコピーができず、流通量の少ないNFTの取引において、流動性を維持することが可能となる。
【0060】
従って、本発明によれば、顧客自らの任意操作で、NFTの財産的価値を直接的に把握可能にし、NFTの売却により容易に現金化可能にする、NFT取引サービス提供システムが得られる。
【0061】
実施形態
以下、本発明の実施形態について、適宜、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるNFT取引サービス提供システムの構成を概念的に示すブロック図である。
図1のNFT取引サービス提供システムは、ブロックチェーンなどの分散技術を用いて、モノやサービスがブロックチェーン上で作成され管理されるデータとして示されたNFT(Non-Fungible Token:代替不可能なトークン)と称される、商品やサービスなどの資産をデジタル化した電子データ(トークン)であって、基本的に決済力を持たないが価値を持ち、決済力を持つ暗号資産を交換対象とする、デジタル資産で表現されるものの総称の取引を行うNFT取引サービス提供システムであって、NFT注文入出力手段11と、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12と、参考値表示用スマートコントラクト13と、参考値固定用スマートコントラクト14と、暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト15と、NFT取引用スマートコントラクト16と、NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト17と、NFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト18と、暗号資産取引用スマートコントラクト22を有して構成されている。図1中、30はNFT取引サービスを提供する場、40は暗号資産と法定通貨との取引サービスを提供する場、50AはNFTの売り方(顧客)、50BはNFTの買い方(顧客)である。
【0062】
NFT注文入出力手段11は、例えば、コンピュータの端末や、携帯情報端末等の他の電子機器の画面表示部と入力部を介して、NFTの取引についての注文(交換対象を暗号資産とする売り注文、買い注文)を入力することができるように構成されており、図2に示すように、画面上に、NFTの売却・購入の選択項目(NFTの売買区分)11a、売却または購入を所望する、NFTの銘柄及び数量の入力項目11b、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、価格を安定させる性質を有する暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目11c、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目11d、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目11e、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目11f、NFT現金購入アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目11g、法定通貨の単位の指定項目11hを有して構成されている。
なお、NFT注文入出力手段11は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目11cが、複数の銘柄を指定できるとともに、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目11d、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目11e、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目11fが、複数の銘柄数分設けられている。
また、価格を安定させる性質を有する暗号資産としては、例えば、デジタルゴールドコインが挙げられる。
【0063】
暗号資産時価取得用スマートコントラクト12は、図3に示すように、NFT注文入出力手段11(の選択項目11d)において、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無について“有”が選択されたときに、NFT注文入出力手段11を介して、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を、当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40からリアルタイムで取得する機能を有するように構成されている。
本実施形態では、「所定の法定通貨の単位」は、ディフォルトとして¥が初期設定されている。
なお、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12は、NFT注文入出力手段11を介して指定項目11hに、法定通貨の単位が指定入力された場合、指定入力された法定通貨の単位を基準とした時価を取得する。
【0064】
参考値表示用スマートコントラクト13は、図4に示すように、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12がリアルタイムで取得した当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を参考値としてNFT注文入出力手段11(の表示項目11e)に表示する機能を有するように構成されている。
【0065】
参考値固定用スマートコントラクト14は、図5に示すように、参考値表示用スマートコントラクト13によりNFT注文入出力手段11(の表示項目11e)に表示されている当該参考値を固定する機能を有するように構成されている。
【0066】
暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト15は、図6に示すように、参考値固定用スマートンコトラクト14が固定した当該参考値と、当該参考値が固定された後に暗号資産時価取得用スマートコントラクト12によりリアルタイムで取得される当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価との比率から、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄の暗号資産の数量を定期的に更新する機能と、更新した当該銘柄の暗号資産の数量をNFT注文入出力手段11(の入力表示項目11c)に自動更新表示する機能を有するように構成されている。
暗号資産の数量を更新する定期的な間隔としては、ヒトが処理できる時間的な間隔が基本となることから、2秒~10秒程度が好適である。勿論、それ以下やそれ以上の時間的な間隔であってもよい。
なお、更新する間隔を長くとる場合は、それに伴う価格変動リスクを吸収するために、価格に反映させる上乗せ金額を算出するためのマークアップ率を大きくするのが望ましい。
【0067】
NFT取引用スマートコントラクト16は、図7に示すように、NFT注文入出力手段11を介して入力、表示及び選択された内容に基づく、売り注文と買い注文とのマッチングを行い、対当する注文同士における当該銘柄及び数量のNFTと当該銘柄及び数量の暗号資産との交換を行う機能を有するように構成されている。
【0068】
暗号資産取引用スマートコントラクト22は、図8に示すように、暗号資産と法定通貨との取引サービスを提供する場40において、売り注文と買い注文とのマッチングを行い、対当する注文同士における暗号資産と法定通貨との交換を行う機能を有するように構成されている。
【0069】
NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト17は、図9に示すように、NFT注文入出力手段11(の選択項目11f)において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、NFT取引用スマートコントラクト16により対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40へ発注し、暗号資産取引用スマートコントラクト22を介して当該売り注文を当該取引サービスを提供する場40で約定させ、約定後に当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方50Aの口座へ移動する機能を有するように構成されている。
【0070】
NFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト18は、図10に示すように、NFT注文入出力手段11(の選択項目11g)において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、NFT取引用スマートコントラクト16によりNFTの売り注文における指値である暗号資産の数量と、NFTの買い注文における現金の参考値に対応する暗号資産の数量とが対当したとき、NFT取引用スマートコントラクト16が当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行う直前に、瞬間的に、当該銘柄及び数量の暗号資産の買い注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40へ発注し、暗号資産取引用スマートコントラクト22を介して当該買い注文を当該取引サービスを提供する場40で約定させ、約定後に、NFT取引用スマートコントラクト16を介して当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行わせる機能を有するように構成されている。
【0071】
そして、本実施形態のNFT取引サービス提供システムでは、NFT注文入出力手段11(の入力表示項目11c)において、複数の銘柄の暗号資産が指定された場合、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12、参考値表示用スマートコントラクト13、参考値固定用スマートコントラクト14、暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト15、NFT取引用スマートコントラクト16、暗号資産取引用スマートコントラクト22、NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト17は、暗号資産の銘柄ごとに作動するように構成されている、
【0072】
その他、本実施形態のNFT取引サービス提供システムは、注文管理用スマートコントラクト21を有している。
注文管理用スマートコントラクト21は、NFTの売り方50A、NFTの買い方50BによりNFT注文入出力手段11を介して入力された注文データを分散型台帳に記録・保存する機能を有するように構成されている。
【0073】
実施形態の変形例
図11は本実施形態の一変形例にかかるNFT取引サービス提供システムの構成を概念的に示すブロック図である。
本変形例のNFT取引サービス提供システムは、図1に示すNFT取引サービス提供システムの構成に加えて、暗号資産数量換算用スマートコントラクト19と、暗号資産変換取引用スマートコントラクト20を有している。
また、本変形例のNFT取引サービス提供システムでは、NFT注文入出力手段11は、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目11cが、一つの銘柄のみを指定できるように構成されている。
【0074】
暗号資産数量換算用スマートコントラクト19は、図12に示すように、NFTの売り注文と買い注文とで、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として指定された暗号資産の銘柄が異なる場合、NFTの買い注文において指定された第2の銘柄の暗号資産の数量を、NFTの売り注文において指定された第1の銘柄の暗号資産を基準とした数量に換算する機能を有するように構成されている。
【0075】
暗号資産変換取引用スマートコントラクト20は、図13に示すように、暗号資産数量換算用スマートコントラクト19が換算した数量と、NFT売り注文において指定された第1の銘柄の暗号資産の数量とが対当するとき、NFTの売り注文と対当する第1の銘柄の暗号資産の数量が指定されたNFTの買い注文を自動発注してNFTの売り注文と約定し、NFTと当該数量の第1の銘柄の暗号資産とを交換して、当該数量の第1の銘柄の暗号資産を当該NFTの売り方の口座へ移動しNFTを受け取ると同時に、NFTの買い注文と対当する第2の銘柄の暗号資産の数量が指定されたNFTの売り注文を自動発注してNFTの買い注文と約定し、NFTと当該数量の第2の銘柄の暗号資産とを交換して、NFTを当該NFTの買い方の口座へ移動し当該数量の第2の銘柄の暗号資産を受け取る機能を有するように構成されている。
その他の構成は、図1に示したNFT取引サービス提供システムと略同じである。
【0076】
なお、図1図11に示したNFT取引サービス提供システムでは、暗号資産取引用スマートコントラクト22を備えた構成としたが、暗号資産取引用スマートコントラクト22を備えないで構成しても良い。
その場合、NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト17は、NFT注文入出力手段11(の選択項目11f)において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、NFT取引用スマートコントラクト16により対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40としての暗号資産取引所へ発注し、当該売り注文を当該取引サービスを提供する場40(暗号資産取引所)で約定させ、約定後に当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方50Aの口座へ移動する機能を有するように構成する。
また、NFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト18は、図10に示すように、NFT注文入出力手段11(の選択項目11g)において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、NFT取引用スマートコントラクト16によりNFTの売り注文における指値である暗号資産の数量と、NFTの買い注文における現金の参考値に対応する暗号資産の数量とが対当したとき、NFT取引用スマートコントラクト16が当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行う直前に、瞬間的に、当該銘柄及び数量の暗号資産の買い注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40としての暗号資産取引所へ発注し、当該買い注文を当該取引サービスを提供する場40(暗号資産取引所)で約定させ、約定後に、NFT取引用スマートコントラクト16を介して当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行わせる機能を有するように構成する。
また、NFT注文入出力手段11(の入力表示項目11c)において、複数の銘柄の暗号資産が指定された場合、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12、参考値表示用スマートコントラクト13、参考値固定用スマートコントラクト14、暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト15、NFT取引用スマートコントラクト16、NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト17が、暗号資産の銘柄ごとに作動するように構成する。
【0077】
このように構成された本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムを用いた処理の流れを図14図18を用いて説明する。なお、説明の便宜上、ここでは、暗号資産取引用スマートコントラクト22を備えた構成のNFT取引サービス提供システムを用いることとする。
【0078】
(1)NFTの注文の発注
(1-1)売り注文の内容の画面入力
NFTの売り方50Aは、図14に示すように、NFT注文入出力手段11において、選択項目11aにて、“売却”を選択入力し、入力項目11bにて、売却を所望するNFTの銘柄及び数量を入力する。また、入力表示項目11cにて、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、価格を安定させる性質を有する暗号資産の銘柄及び数量を入力する。また、選択項目11dにて、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無を選択入力する。また、選択項目11fにて、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否を選択入力する。また、必要に応じて、指定項目11hにて、法定通貨の単位を指定入力する。
【0079】
(1-2)買い注文の内容の画面入力
NFTの買い方50Bは、図14に示すように、NFT注文入出力手段11において、選択項目11aにて、“購入”を選択入力し、入力項目11bにて、購入を所望するNFTの銘柄及び数量を入力する。また、入力表示項目11cにて、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、価格を安定させる性質を有する暗号資産の銘柄及び数量を入力する。また、選択項目11dにて、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無を選択入力する。また、選択項目11gにて、NFT現金購入アルゴリズム注文の設定の要・否を選択入力する。また、必要に応じて、指定項目11hにて、法定通貨の単位を指定入力する。
【0080】
(1-3)時価(参考値)の表示“有”を選択した場合
ここで、NFTの売り方50A、買い方50Bが、NFT注文入出力手段11において、選択項目11dにて、“有”を選択したとき、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12が、図15に示すように、NFT注文入出力手段11を介して、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位(ディフォルトは¥)を基準とした時価を、当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40からリアルタイムで取得する。なお、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12は、NFT注文入出力手段11を介して指定項目11hに、¥とは異なる別の法定通貨の単位が指定入力された場合、指定入力された法定通貨の単位を基準とした時価を取得する。
次に、参考値表示用スマートコントラクト13が、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12がリアルタイムで取得した当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を参考値としてNFT注文入出力手段11(の表示項目11e)に表示する。
次に、図16に示すように、参考値固定用スマートコントラクト14が、参考値表示用スマートコントラクト13によりNFT注文入出力手段11(の表示項目11e)に表示されている当該参考値を固定する。
次に、暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト15が、参考値固定用スマートンコトラクト14が固定した当該参考値と、当該参考値が固定された後に暗号資産時価取得用スマートコントラクト12によりリアルタイムで取得される当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価との比率から、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄の暗号資産の数量を定期的に更新し、更新した当該銘柄の暗号資産の数量をNFT注文入出力手段11(の入力表示項目11c)に自動更新表示する。
【0081】
(1-4)時価(参考値)の表示“無”を選択した場合
一方、NFTの売り方50A、買い方50Bが、NFT注文入出力手段11において、選択項目11dにて、“無”を選択したとき、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12、参考値表示用スマートコントラクト13、参考値固定用スマートコントラクト14、暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト15は作動せず、図15に示すように、NFT注文入出力手段11(の入力表示項目11c)に入力された、当該銘柄の暗号資産の数量がそのまま固定される。
【0082】
(1-5)発注操作の完了
次に、NFTの売り方50A、買い方50Bは、図16に示すように、NFT注文入出力手段11に表示された内容を確認し、表示された内容での発注を所望する場合、図示しない確認ボタンを押下する。これにより、NFTの売り注文、買い注文の発注操作が完了する。
【0083】
(2)NFTの注文発注後の処理
(2-1)売り注文と買い注文とのマッチング
NFTの売り注文、買い注文の発注操作が完了すると、NFT取引用スマートコントラクト16が、NFT注文入出力手段11を介して入力、表示及び選択された内容に基づく、売り注文と買い注文とのマッチングを行い、対当する注文同士における当該銘柄及び数量のNFTと当該銘柄及び数量の暗号資産との交換を行う(図17図18参照)。
【0084】
(2-2)NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合
なお、図17に示すように、NFTの売り注文に関し、NFT注文入出力手段11(の選択項目11f)において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト17が、NFT取引用スマートコントラクト16により対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40へ発注し、暗号資産取引用スマートコントラクト22を介して当該売り注文を当該取引サービスを提供する場40で約定させ、約定後に当該暗号資産を当該法定通貨と交換し、当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方50Aの口座へ移動する。
これにより、NFTの注文発注後の処理が終了する。NFTの売り方50Aは、NFTの売却により、暗号資産の交換処理を介在して現金が得られる。
なお、NFTの売り注文に関し、NFT注文入出力手段11(の選択項目11f)において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“否”(不要)が選択された場合、NFT取引用スマートコントラクト16による、対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の暗号資産との交換の完了により、NFTの注文発注後の処理が終了する。
【0085】
(2-3)NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合
また、図18に示すように、NFTの買い注文に関し、NFT注文入出力手段11(の選択項目11g)において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、NFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト18は、NFT取引用スマートコントラクト16によりNFTの売り注文における指値である暗号資産の数量と、NFTの買い注文における現金の参考値に対応する暗号資産の数量とが対当したとき、NFT取引用スマートコントラクト16が当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行う直前に、瞬間的に、当該銘柄及び数量の暗号資産の買い注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40へ発注し、暗号資産取引用スマートコントラクト22を介して当該買い注文を当該取引サービスを提供する場40で約定させ、約定後に当該法定通貨を当該暗号資産と交換し、NFT取引用スマートコントラクト16を介して当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行わせる。そして、約定後に当該NFTと当該暗号資産とを交換し、当該NFTと交換された当該暗号資産を当該NFTの売り方50Aの口座へ移動するとともに、当該NFTを当該NFTの買い方の口座へ移動する。
これにより、NFTの注文発注後の処理が終了する。NFTの買い方は、暗号資産との交換を介在した現金での購入により、NFTが得られる。
なお、NFTの買い注文に関し、NFT注文入出力手段11(の選択項目11g)において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“否”(不要)が選択された場合、NFT取引用スマートコントラクト16による、対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方の当該銘柄及び数量の暗号資産との交換の完了により、NFTの注文発注後の処理が終了する。
【0086】
(3)NFTの売り注文と買い注文とで、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として指定された暗号資産の銘柄が異なる場合の処理
(3-1)NFT注文入出力手段11において、複数の銘柄が指定された場合
なお、図1図9に示した本実施形態のNFT取引サービス提供システムでは、NFT注文入出力手段11(の入力表示項目11c)において、複数の銘柄の暗号資産が指定された場合、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12、参考値表示用スマートコントラクト13、参考値固定用スマートコントラクト14、暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト15、NFT取引用スマートコントラクト16、暗号資産取引用スマートコントラクト22、NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト17は、暗号資産の銘柄ごとに作動する。これにより、同じ銘柄の暗号資産はまとめて、マッチング処理が行われ、最も早く当該NFTと対当した銘柄の暗号資産がNFTと約定し、さらには、(NFTの売り方50Aが現金化を所望する場合に)法定通貨との交換がなされる。
【0087】
(3-2)NFT注文入出力手段11において、一つの銘柄のみを指定できる場合
NFTの売り注文と買い注文とで、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として指定された暗号資産の銘柄が異なる場合、暗号資産数量換算用スマートコントラクト19が、NFTの売り注文と買い注文とで、NFTの買い注文において指定された第2の銘柄の暗号資産の数量を、NFTの売り注文において指定された第1の銘柄の暗号資産を基準とした数量に換算する。
そして、暗号資産変換取引用スマートコントラクト20が、暗号資産数量換算用スマートコントラクト19が換算した数量と、NFT売り注文において指定された第1の銘柄の暗号資産の数量とが対当するとき、NFTの売り注文と対当する第1の銘柄の暗号資産の数量が指定されたNFTの買い注文を自動発注してNFTの売り注文と約定し、NFTと当該数量の第1の銘柄の暗号資産とを交換して、当該数量の第1の銘柄の暗号資産を当該NFTの売り方の口座へ移動しNFTを受け取ると同時に、NFTの買い注文と対当する第2の銘柄の暗号資産の数量が指定されたNFTの売り注文を自動発注してNFTの買い注文と約定し、NFTと当該数量の第2の銘柄の暗号資産とを交換して、NFTを当該NFTの買い方の口座へ移動し当該数量の第2の銘柄の暗号資産を受け取る。
【0088】
本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムの効果
本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムによれば、NFT注文入出力手段11(の選択項目11d)において、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無について“有”が選択されたときに、NFT注文入出力手段11(の入力表示項目11c)を介して、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を、当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40からリアルタイムで取得する機能を有する暗号資産時価取得用スマートコントラクト12と、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12がリアルタイムで取得した当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価を参考値としてNFT注文入出力手段11(の表示項目11e)に表示する機能を有する参考値表示用スマートコントラクト13を備えた構成としたので、NFTの売り方、買い方である顧客50A、50Bは、自らの任意操作で、NFTの財産的価値を直接的に把握することが可能となる。
【0089】
また、本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムによれば、NFT注文入出力手段11(の選択項目11f)において、NFT売却現金化アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、NFT取引用スマートコントラクト16により対当する注文同士における売り方の当該銘柄及び数量のNFTと当該NFTの買い方50Bの当該銘柄及び数量の暗号資産との交換が完了したことをトリガーとして、NFTと交換された当該銘柄及び数量の暗号資産の売り注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40へ発注し、(好ましくは、暗号資産取引用スマートコントラクト22を介して)当該売り注文を当該取引サービスを提供する場40で約定させ、約定後に当該暗号資産と交換された当該法定通貨を当該NFTの売り方50Aの口座へ移動する機能を有するNFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト17を備えた構成としたので、買い方である顧客50Aは、自らの任意操作で、NFTの売却により容易に現金化することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムによれば、参考値表示用スマートコントラクト13によりNFT注文入出力手段11(の表示項目11e)に表示されている当該参考値を固定する機能を有する参考値固定用スマートコントラクト14と、参考値固定用スマートンコトラクト14が固定した当該参考値と、当該参考値が固定された後に暗号資産時価取得用スマートコントラクト12によりリアルタイムで取得される当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価との比率から、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として入力された当該銘柄の暗号資産の数量を定期的に更新する機能と、更新した当該銘柄の暗号資産の数量をNFT注文入出力手段11(の入力表示項目11c)に自動更新表示する機能を有する暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト15と、をさらに備えた構成としたので、NFTの売り方の顧客50Aは、固定された参考値である法定通貨の単位を基準とした時価での現金をNFTの売却により得るために必要な暗号資産の数量を、認識することが可能となる。
【0091】
また、本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムによれば、NFT注文入出力手段11が、NFT現金購入アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目11gをさらに有し、NFT注文入出力手段11(の選択項目11g)において、NFT現金購入アルゴリズム注文の要・否について“要”が選択された場合、NFT取引用スマートコントラクト16によりNFTの売り注文における指値である暗号資産の数量と、NFTの買い注文における現金の参考値に対応する暗号資産の数量とが対当したとき、NFT取引用スマートコントラクト16が当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行う直前に、瞬間的に、当該銘柄及び数量の暗号資産の買い注文を成行的に当該暗号資産と当該法定通貨との取引サービスを提供する場40へ発注し、(好ましくは、暗号資産取引用スマートコントラクト22を介して)当該買い注文を当該取引サービスを提供する場40で約定させ、約定後に、NFT取引用スマートコントラクト16を介して当該NFTの売り注文と買い注文との約定処理を行わせる機能を有するNFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト18をさらに備えた構成としたので、NFTの買い方である顧客50Bは、自らの任意操作で、容易に現金を用いてNFTを購入することが可能となる。
【0092】
また、本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムによれば、NFT注文入出力手段11が、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目11cが、複数の銘柄を指定できるとともに、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目11d、当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目11e、NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目11fが、複数の銘柄数分設けられ、NFT注文入出力手段11(の入力表示項目11c、選択項目11d、表示項目11e、選択項目11f)において、複数の銘柄の暗号資産が指定された場合、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12、参考値表示用スマートコントラクト13、参考値固定用スマートコントラクト14、暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト15、NFT取引用スマートコントラクト16、(好ましくは、暗号資産取引用スマートコントラクト22)、NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト17が、暗号資産の銘柄ごとに作動する構成としたので、NFTの売り方50A、買い方50BがNFTとの交換を所望する暗号資産の銘柄を複数指定してNFTの売買を行うことが可能となる。
【0093】
また、本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムによれば、NFT注文入出力手段11が、当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目11cが、一つの銘柄のみを指定でき、NFTの売り注文と買い注文とで、当該銘柄及び数量のNFTの交換対象として指定された暗号資産の銘柄が異なる場合、NFTの買い注文において指定された第2の銘柄の暗号資産の数量を、NFTの売り注文において指定された第1の銘柄の暗号資産を基準とした数量に換算する機能を有する暗号資産数量換算用スマートコントラクト19と、暗号資産数量換算用スマートコントラクト19が換算した数量と、NFT売り注文において指定された第1の銘柄の暗号資産の数量とが対当するとき、NFTの売り注文と対当する第1の銘柄の暗号資産の数量が指定されたNFTの買い注文を自動発注してNFTの売り注文と約定し、NFTと当該数量の第1の銘柄の暗号資産とを交換して、当該数量の第1の銘柄の暗号資産を当該NFTの売り方50Aの口座へ移動しNFTを受け取ると同時に、NFTの買い注文と対当する第2の銘柄の暗号資産の数量が指定されたNFTの売り注文を自動発注してNFTの買い注文と約定し、NFTと当該数量の第2の銘柄の暗号資産とを交換して、NFTを当該NFTの買い方50Bの口座へ移動し当該数量の第2の銘柄の暗号資産を受け取る機能を有する暗号資産変換取引用スマートコントラクト20をさらに備えた構成としたので、NFTの売り方50Aと買い方50Bとで、NFTとの交換を所望する暗号資産の銘柄が異なっていても、NFTの売買を行うことができ、NFT取引の流動性を維持することが可能となる。
【0094】
また、本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムによれば、NFT注文入出力手段11は、法定通貨の単位の指定項目をさらに有し、暗号資産時価取得用スマートコントラクト12は、NFT注文入出力手段11を介して指定された法定通貨の単位を基準とした時価を取得する構成としたので、顧客50A、50Bは所望の法定通貨によるNFTの売買取引を行うことが可能となる。
【0095】
また、本実施形態及び本実施形態の変形例のNFT取引サービス提供システムによれば、価格を安定させる性質を有する暗号資産がデジタルゴールドコインであるようにしたので、唯一無二でコピーができず、流通量の少ないNFTの取引において、流動性を維持することが可能となる。
デジタルゴールドコインは、価格が比較的に安定しているゴールドの価格に連動し、準通貨的な価値を持つ、本質的に中央銀行に依存しない暗号資産であり、ゴールドの持つ絶対的な価値にデジタル技術を組み込んだものであり、少額から取引ができ、保有コストがかからない。デジタルゴールドコインをブロックチェーンサービスに実装することにより、価値のデジタル移動が実現でき、売り決済に用いても価格変動が小さく、将来的に地金との交換も可能であり強い担保力を有し、デジタル的に組み込まれた決済等の機能によりマネーロンダリングを規制できる。
【0096】
従って、本実施形態及び本実施形態の変形例によれば、顧客自らの任意操作で、NFTの財産的価値を直接的に把握可能にし、NFTの売却により容易に現金化可能にする、NFT取引サービス提供システムが得られる。
【0097】
以上、本発明のNFT取引サービス提供システムについて実施形態を用いて説明したが、本発明のNFT取引サービス提供システムは、上記実施形態で説明した構成に限られるものではなく、本発明の請求項の範囲内でどのような形態にも構成可能である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明のNFT取引サービス提供システムは、NFTの取引が必要とされる分野に有用である。
【符号の説明】
【0099】
11 NFT注文入出力手段
11a NFTの売却・購入の選択項目(NFTの売買区分)
11b 売却または購入を所望する、NFTの銘柄及び数量の入力項目
11c 当該銘柄及び数量のNFTとの交換を所望する、価格を安定させる性質を有する暗号資産の銘柄及び数量の入力表示項目
11d 当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示の有・無の選択項目
11e 当該銘柄及び数量のNFTとの交換対象となる、当該銘柄及び数量の暗号資産の価値を示す所定の法定通貨の単位を基準とした時価(参考値)の表示項目
11f NFT売却現金化アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目
11g NFT現金購入アルゴリズム注文の設定の要・否の選択項目
11h 法定通貨の単位の指定項目
12 暗号資産時価取得用スマートコントラクト
13 参考値表示用スマートコントラクト
14 参考値固定用スマートコントラクト
15 暗号資産数量変更表示用スマートコントラクト
16 NFT取引用スマートコントラクト
17 NFT売却現金化アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト
18 NFT現金購入アルゴリズム注文取引用スマートコントラクト
19 暗号資産数量換算用スマートコントラクト
20 暗号資産変換取引用スマートコントラクト
21 注文管理用スマートコントラクト
22 暗号資産取引用スマートコントラクト
30 NFT取引サービスを提供する場
40 暗号資産と法定通貨との取引サービスを提供する場
50A NFTの売り方(顧客)
50B NFTの買い方(顧客)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18