(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081755
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】放熱フィン一体型基板及び電子装置
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20230606BHJP
H05K 1/05 20060101ALI20230606BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20230606BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
H05K1/02 F
H05K1/02 R
H05K1/05 B
H01L23/12 J
H01L23/36 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195727
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳田 聡司
【テーマコード(参考)】
5E315
5E338
5F136
【Fターム(参考)】
5E315AA05
5E315BB03
5E315BB04
5E315BB05
5E315BB15
5E315CC01
5E315DD25
5E315GG01
5E315GG20
5E315GG22
5E338AA02
5E338AA18
5E338BB71
5E338BB75
5E338CC08
5E338DD12
5E338DD32
5E338EE02
5E338EE32
5F136BA03
5F136BB01
5F136FA02
5F136FA03
5F136GA11
(57)【要約】
【課題】電子部品の搭載スペースの効率化を図ることができる放熱フィン一体型基板及びこれを用いた電子装置を得る。
【解決手段】電子装置1の備える放熱フィン一体型基板10は、第1金属板部12A及び第2金属板部12Bと、第1及び第2金属板部12A,12Bと一体に形成され、第1金属板部12Aと第2金属板部12Bとを連結する複数の放熱フィン14と、第1金属板部12Aの表面に絶縁層16を介して配置され、エッチング加工を施して回路パターンが形成された第1金属層18と、第2金属板部12Bの表面に絶縁層16を介して配置され、エッチング加工を施して回路パターンが形成された第2金属層18と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属板部及び第2金属板部と、
前記第1金属板部及び前記第2金属板部と一体に形成され、前記第1金属板部と前記第2金属板部とを連結する複数の放熱フィンと、
前記第1金属板部の表面に絶縁層を介して配置され、エッチング加工を施して回路パターンが形成された第1金属層と、
前記第2金属板部の表面に絶縁層を介して配置され、エッチング加工を施して回路パターンが形成された第2金属層と、を備える放熱フィン一体型基板。
【請求項2】
前記第1金属板部及び前記第2金属板部は、一体に形成された複数の放熱フィンと共に一つのブロック体を成し、
前記第1金属層及び前記第2金属層は前記ブロック体の表面に配置されている請求項1に記載の放熱フィン一体型基板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の放熱フィン一体型基板と、
前記第1金属層及び前記第2金属層にそれぞれ実装される電子部品と、
前記電子部品を覆うように前記放熱フィン一体型基板に接合されるカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記絶縁層を介して前記放熱フィン一体型基板に接合されている電子装置。
【請求項4】
前記絶縁層は、前記金属層が接合される回路接合部と、前記回路接合部より外周側に形成されるカバー接合部とを有し、
前記カバー接合部には、基板認識マークが付されている請求項3に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱フィン一体型基板及びこれを用いた電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヒートシンクのベース板の片面に放熱フィンを形成し、ベース板において、放熱フィンとは反対側の面にインバータ回路を構成するパワー半導体モジュールが搭載されたパワー半導体装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された技術のように、電子部品が搭載される金属板の片面に放熱フィンを形成すると金属板の一面にしか電子部品を搭載できないため、電子部品の搭載スペースの効率化を図ることができないという課題がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、電子部品の搭載スペースの効率化を図ることができる放熱フィン一体型基板及びこれを用いた電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る放熱フィン一体型基板は、第1金属板部及び第2金属板部と、前記第1金属板部及び前記第2金属板部と一体に形成され、前記第1金属板部と前記第2金属板部とを連結する複数の放熱フィンと、前記第1金属板部の表面に絶縁層を介して配置され、エッチング加工を施して回路パターンが形成された第1金属層と、前記第2金属板部の表面に絶縁層を介して配置され、エッチング加工を施して回路パターンが形成された第2金属層と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る放熱フィン一体型基板では、第1金属板部と第2基板部から成る二つの金属板部が、一体に形成された複数の放熱フィンによって連結されている。第1及び第2金属板部の表面には、絶縁層を介して第1金属層と第2金属層がそれぞれ配置されており、これらの金属層にエッチング加工を施して回路パターンが形成されている。従って、二つの金属板部の表面に回路パターンに実装される電子部品の搭載スペースを確保すると共に二つの金属板部の間で放熱フィンを共用し、基板全体の小型化を図ることができる。これにより、電子部品の搭載スペースの効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る放熱フィン一体型基板を備える電子装置を一部分解して示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る放熱フィン一体型基板を
図1のII-II線に沿って切断した切断面を示す断面図である。
【
図3】本実施形態に係る放熱フィン一体型基板を
図1の上方側からみた平面図である。
【
図4】本実施形態に係る放熱フィン一体型基板の第1の変形例を示す
図2に対応する断面図である。
【
図5】本実施形態に係る放熱フィン一体型基板の第2の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図3を参照して本発明の第1実施形態に係る放熱フィン一体型基板10を用いた電子装置1について説明する。本実施形態では、説明の便宜上、各図中に適宜示す上下、左右及び前後の矢印で示す方向を、それぞれ電子装置の上下方向、左右方向及び前後方向と定義して説明する。各図中においては、図面を見易くするため、一部の符号を省略している場合がある。
【0010】
図1~
図3に示されるように、電子装置1は、ブロック体を成す放熱フィン一体型基板10と、放熱フィン一体型基板10の表面(
図1では上面と下面)に接合されたカバー部材40と、を備えている。
【0011】
放熱フィン一体型基板10は、矩形板状の第1金属板部12Aと、第1金属板部12Aの下方側に配置された矩形板状の第2金属板部12Bとを有している。第1金属板部12Aと第2金属板部12Bは上下方向に対向して配置され、板状の複数の放熱フィン14によって連結されている。第1及び第2金属板部12A,12Bの左右両側の端部同士を繋ぐ放熱フィン14は、第1及び第2金属板部12A,12Bと共に放熱フィン一体型基板10の外周部を構成している。このように、放熱フィン一体型基板10は、第1及び第2金属板部12A,12Bと複数の放熱フィン14とが一体となって角筒状の一つのブロック体を成し、例えばアルミニウム合金の押し出し成型によって製造されたものである。放熱フィン一体型基板10は、押出方向の両端に開口部30を有している。複数の放熱フィン14は、開口部30の内側にも形成され、第1及び第2金属板部12A,12Bを上下に連結するように一体形成されている。なお、放熱フィン一体型基板10の材料は、アルミニウム合金に限らず、アルミニウム、銅、銅合金など、熱伝導性が高い材料であればよい。
【0012】
第1及び第2金属板部12A,12Bの表面にはそれぞれ、絶縁層16と、金属層18とが設けられている。絶縁層16は、例えば絶縁性接着剤からなる層であり、第1金属板部12Aの上面(表面)と第2金属板部12Bの下面(表面)にそれぞれ設けられている。絶縁層16の材料である絶縁性接着剤としては、エポキシ系接着剤やセラミック系接着剤などが挙げられる。この絶縁性接着剤は、電気的絶縁性を有し、かつ熱抵抗が小さい(熱伝導性が優れる)ものが好ましい。
【0013】
図3には、第1金属板部12Aを上面側から見た平面図が示されている。この図に示されるように、絶縁層16は、第1金属板部12Aの上面の全体に設けられており、金属層18が接合される回路接合部16Pと、回路接合部16Pより外周側に形成されるカバー接合部16Qとを有している。本実施形態では、絶縁層16の外周部のうち、第1金属板部12Aの上面の左端部側、右端部側及び後端部側に設けられた部分がカバー接合部16Qとされており、カバー部材40との接合面になっている。このカバー接合部16Qには、第1金属板部12Aの四隅に対応する位置に基板認識マーク20が設けられている。
【0014】
この基板認識マーク20は、金属層18に電子部品24(
図1及び
図3参照)を実装する際に、電子部品24の実装機(チップマウンタ)による基板位置の認識に用いられる。基板認識マーク20に基づく基板位置の認識は公知の技術であるため、詳細な説明は割愛するが、二つ以上の基板認識マーク20の相対的な位置関係に基づいて行われる。従って、第1金属板部12Aの表面には、少なくとも二つの基板認識マーク20が付されている。また、基板位置の認識精度は、基板が小型化されるなどして基板認識マーク20間の距離が小さく設定された場合に限界がある。そこで、本実施形態では、第1金属板部12Aの四隅に対応する位置に基板認識マーク20を付して基板認識マーク20間の距離を確保し、基板位置の認識精度の向上を図っている。なお、カバー接合部16Qには、基板認識マーク20の他に、基板の種類を識別するための個体識別情報を付してもよい。
【0015】
以上、第1金属板部12Aの上面に設けられた絶縁層16について説明した。図示はしないが、第2金属板部12Bの下面に設けられた絶縁層16も、同様の構成となっている。
【0016】
金属層18は、例えば銅箔からなる層であり、絶縁層16を介して第1及び第2金属板部12A,12Bの表面に設けられている。この金属層18は、
図1~
図3では矩形平板状になっているが、実際にはエッチング加工を施して回路パターンが形成されている。この金属層18には、半導体素子等の電子部品24と、入出力用のコネクタ26の端子28が実装されている。電子部品24は、例えば、はんだ等の導電性接合材を介して金属層18に接合されることにより実装されている。この金属層18の材料は、銅に限らず、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金など、電気伝導率が高い材料であればよい。
【0017】
上記構成の放熱フィン一体型基板10を製造する際には、第1及び第2金属板部12A,12Bが複数の放熱フィン14と共に一つのブロック体を成すように結合された状態に押出成型され、当該押出成型品の表面に対して絶縁層16の材料である絶縁性接着剤を用いて金属層18が接合される。この段階の金属層18は、回路パターン形状に形成される前の矩形平板状となっており、回路パターンとして残す部分に印刷等の手段でエッチングレジストが塗布される。
【0018】
押出成型品は、その外周部を構成する第1及び第2金属板部12A,12Bと第1及び第2金属板部12A,12Bの左右両端部同士を繋ぐ放熱フィン14とによって矩形の閉じ断面を形成しており、押出方向の両端に開口部30を有している。複数の放熱フィン14は、外周部の内側にも形成され、第1及び第2金属板部12A,12Bを上下に連結している。
【0019】
押出成形品は、両端の開口部30をエッチング液に耐性を有するフィルム等の閉塞部材で塞がれて、その全体がエッチング液に浸される。これにより、表面の金属層18にエッチング加工が施される。このエッチング加工では、各金属層18のうち、エッチングレジストが塗布されていない部分が溶解され、所定の回路パターンが形成される。エッチング加工が完了すると、開口部30を塞ぐ閉塞部材が除去されて、押出成形品を押出方向に沿って所定の長さに切断することにより放熱フィン一体型基板10が完成する。
【0020】
カバー部材40は、第1金属板部12Aの上面に接合される第1カバー部材40Aと、第2金属板部12Bの下面に接合される第2カバー部材40Bとを有している。本実施形態において第1及び第2カバー部材40A,40Bは同一材料から成り、同一の形状を有しているため、以下では、第1カバー部材40Aを中心に説明する。
【0021】
第1カバー部材40Aは、金属層18に実装された電子部品24を覆うように第1金属板部12Aの上面に接合される。第1カバー部材40Aは、例えば鋼板にプレス加工を施して製造され、金属層18と対向する部分に形成される凹部42と、凹部42の外周側で第1金属板部12Aの上面に接合される外周部44とを有している。凹部42は、第1金属板部12Aと第1カバー部材40Aとの間に前方側に開口した空間部を形成し、その内側に、金属層18に実装された電子部品24とコネクタ26を収容可能となっている。電子装置1の最終製品形態では、凹部42内にポッティング樹脂32(
図1参照)が充填され、硬化したポッティング樹脂32により、金属層18に実装された電子部品24とコネクタ26の位置が保持されている。外周部44は、第1カバー部材40Aの左端部側、右端部側及び後端部側に形成されている。第1カバー部材40Aは、絶縁層16のカバー接合部16Qに塗布された接着剤を用いて、第1金属板部12Aに接合(接着固定)される。第1金属板部12Aと第1カバー部材40Aとの接合部分には、絶縁層16が介在した状態となる。
【0022】
第2金属板部12Bと第2カバー部材40Bとの接合も、第1カバー部材40Aと同様に、第2金属板部12Bの下面と第2カバー部材40Bの外周部44とを、絶縁層16のカバー接合部16Qに塗布された接着剤を用いて接合(接着固定)することにより行われる。第2金属板部12Bと第2カバー部材40Bとの接合部分にも、絶縁層16が介在した状態となる。このように第1及び第2カバー部材40A,40Bが接合された電子装置1は、図示しないボルトなどの締結具を、第1及び第2カバー部材40A,40Bの外周部44と第1及び第2金属板部12A,12Bの外周部とに形成された取付孔46,48(
図1参照)に挿通し、当該締結具を用いて電子装置1の固定対象物に固定される。
【0023】
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。本実施形態に係る放熱フィン一体型基板10では、第1金属板部12Aと第2金属板部12Bから成る二つの金属板部が、一体に形成された複数の放熱フィン14によって連結されている。第1及び第2金属板部12A,12Bの表面には、絶縁層16を介して第1金属層18と第2金属層18がそれぞれ配置されており、これらの金属層にエッチング加工を施して回路パターンを形成している。従って、二つの金属板部12A,12Bの表面に回路パターンに実装される電子部品24の搭載スペースを確保すると共に二つの金属板部12A,12Bの間で放熱フィン14を共用し、基板全体の小型化を図ることができる。これにより、電子部品24の搭載スペースの効率化を図ることができる。
【0024】
第1及び第2金属板部12A,12Bは、複数の放熱フィン14と共に一つのブロック体を成し、ブロック体の表面にそれぞれ金属層18(第1金属層,第2金属層)を配置している。これにより、放熱フィン一体型基板10をブロック体の押し出し成型等の低廉な加工方法を用いて製造することができるため、生産性に優れる。
【0025】
第1及び第2金属板部12A,12Bの表面に設けられた絶縁層16は、絶縁性を有する樹脂材料から成る接着剤層によって構成されている。このため、絶縁層が樹脂基板によって構成される場合に比べて回路パターンに実装される電子部品24から放熱フィン14までの熱抵抗を小さくでき、電子部品24の冷却効率を高めることができる。
【0026】
また、本実施形態においては、放熱フィン一体型基板10の表面にカバー部材40が接合され、放熱フィン一体型基板10がカバー部材40と共に一体となり、電子装置1を構成している。これにより、箱型のケースの内部に基板を搭載する構造の電子装置と比べて、部品点数を低減させることができる。
【0027】
カバー部材40は、絶縁層16のカバー接合部16Qに塗布された接着剤によって放熱フィン一体型基板10に接合されているため、放熱フィン一体型基板10とカバー部材40との接触部分には、絶縁層16が確実に介在する状態となる。これにより、放熱フィン一体型基板10とカバー部材40とを異種の金属材料で形成した場合でも、放熱フィン一体型基板10とカバー部材40との接触部分で生じる電食を抑制することができる。
【0028】
更に、絶縁層16は、金属層18が接合される回路接合部16Pより外周側にカバー接合部16Qを有し、カバー接合部16Qには、基板認識マーク20が付されている。従って、回路接合部16Pの領域内に基板認識マークを付すことを要しないため、回路の実装面積を大きく確保することができる。また、カバー接合部16Qを回路接合部16Pの外周側に設け、基板認識マーク20間の距離を大きく設定することができるため、電子部品24の実装機(チップマウンタ)による基板の位置認識精度を向上させることができる。
[補足説明]
【0029】
以上、本実施形態に係る放熱フィン一体型基板10及びこれを用いた電子装置1について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、第1金属板部12Aと第2金属板部12Bとを連結する複数の放熱フィン14の数や配置は適宜変更することができる。
【0030】
(放熱フィン一体型基板の第1の変形例)
図4には、本発明の第1の変形例に係る放熱フィン一体型基板50が断面図にて示されている。この第1の変形例では、第1金属板部12Aと第2金属板部12Bの左右両端部同士を繋ぐ左右一対の放熱フィン14を備えている。左右一対の放熱フィン14の内側には、放熱フィン14よりも短い寸法に設定され、第1及び第2金属板部12A,12Bの対向面の一方側から立設された複数の片側放熱フィン52が形成されている。このように、第1金属板部12Aと第2金属板部12Bの間に設けられた全ての放熱フィンが第1金属板部12Aと第2金属板部12Bとを連結する必要は無い。なお、
図4において、上記実施形態と同一構成部分については、同一番号を付している。
【0031】
(放熱フィン一体型基板の第2の変形例)
図5には、本発明の第1の変形例に係る放熱フィン一体型基板60が斜視図にて示されている。この第2の変形例に係る放熱フィン一体型基板60は、四つの金属板部12(A~D)を角筒状に一体成形してブロック体を成している。各金属板部12(A~D)には、その表面に絶縁層16を介して金属層18が配置されており、金属層18には、エッチング加工を施して回路パターンが形成されている。そして、角筒状の内部には、四つの金属板部12(A~D)同士を連結する断面十字形の放熱フィン62が一体に成形されている。
【0032】
上記構成の放熱フィン一体型基板60においても、基本的な構成は、上記実施形態を踏襲しているため、同様の作用及び効果を奏することができる。また、矩形ブロック体を成す放熱フィン一体型基板60外周側の四面全てに回路パターンを形成することができるため、表面に実装される電子部品24の搭載スペースを効率的に確保することができる。
【0033】
また、当然の如く、四つの金属板部12(A~D)の各表面に上記実施形態と同様にカバー部材40を接合することで、電子装置を形成することも可能である。
【0034】
また、上記実施形態及び各変形例では、放熱フィン一体型基板は角筒状のブロック体を成しているが、本発明はこれに限らない。例えば、互いに対向して配置された第1及び第2金属板部と、第1金属板部と第2金属板部の間を連結する複数の放熱フィンによって梯子形の断面を形成するブロック体によって放熱フィン一体型基板を構成してもよい。
【0035】
また、上記実施形態及び各変形例では、絶縁層16は、金属板部12(A~D)の表面の全体に設けられたが、これに限らず、必要に応じて、絶縁層16を金属板部12の表面の一部に設ける構成としてもよい。また、上記実施形態及び各変形例では、絶縁層16を絶縁性接着剤で構成したが、絶縁性接着剤を樹脂製の基板に代替しても所望の冷却効率を得ることができる場合は、絶縁層を樹脂材料で形成された絶縁性基板で構成してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 電子装置
10 放熱フィン一体型基板
12A 第1金属板部
12B 第2金属板部
14 放熱フィン
16 絶縁層
16P 回路接合部
16Q カバー接合部
18 金属層(第1金属層,第2金属層)
24 電子部品
40 カバー部材
20 基板認識マーク
50 放熱フィン一体型基板
60 放熱フィン一体型基板
62 放熱フィン