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特開2023-81758熱電変換ユニット、熱電発電システム及びそれらに用いられる放熱器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081758
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】熱電変換ユニット、熱電発電システム及びそれらに用いられる放熱器
(51)【国際特許分類】
   H10N 10/13 20230101AFI20230606BHJP
   H02N 11/00 20060101ALI20230606BHJP
   H02K 9/02 20060101ALI20230606BHJP
   H02K 5/18 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
H01L35/30
H02N11/00 A
H02K9/02 Z
H02K5/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195731
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】391039601
【氏名又は名称】中村製作所株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 敬一
(72)【発明者】
【氏名】荒井 和人
【テーマコード(参考)】
5H605
5H609
【Fターム(参考)】
5H605AA01
5H605DD12
5H609QQ02
5H609RR63
5H609RR65
5H609RR67
(57)【要約】
【課題】移動体に適した熱電変換ユニットを提供すること。
【解決手段】
移動体100の発熱体110の曲面112に装着される熱電変換ユニットであって、熱電変換素子11が実装され、第1主面15及び第2主面16が湾曲可能となっている熱電回路モジュール10と、金属板材からなり、表側26に基部21と一体に起立形成された板状の複数の放熱フィン22を有し、基部21が湾曲可能となっており、裏面25が熱電回路モジュール10の第2主面に密着するようにして熱電回路モジュール10に積層された放熱器20と、を備える。複数の放熱フィン22は、基端21におけるピッチが1.0mm~2.5mmの範囲内の所定の値をもって配置されている。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体の曲面に装着される熱電変換ユニットであって、
熱電変換素子が実装され、第1主面及び該第1主面の反対側の面である第2主面が湾曲可能となっている熱電回路モジュールと、
金属板材からなり、表側に基部と一体に起立形成された板状の複数の放熱フィンを有し、前記基部が湾曲可能となっており、裏面が前記熱電回路モジュールの前記第2主面に密着するようにして前記熱電回路モジュールに積層された放熱器と、を備え、
当該熱電変換ユニットは、移動体に付随した前記発熱体に装着されるものであり、
前記複数の放熱フィンは、基端におけるピッチが1.0mm~2.5mmの範囲内の所定の値をもって配置されている、
ことを特徴とする熱電変換ユニット。
【請求項2】
発熱体の曲面に装着される熱電変換ユニットであって、
熱電変換素子が実装され、第1主面及び該第1主面の反対側の面である第2主面が湾曲可能となっている熱電回路モジュールと、
金属板材からなり、表側に基部と一体に起立形成された板状の複数の放熱フィンを有し、前記基部が湾曲可能となっており、裏面が前記熱電回路モジュールの前記第2主面に密着するようにして前記熱電回路モジュールに積層された放熱器と、を備え、
当該熱電変換ユニットは、移動体に付随した前記発熱体に装着されるものであり、
当該熱電変換ユニットは、所与の発熱体の曲面に装着されたときに、互いに隣り合う前記複数の放熱フィンの先端が1.1mm~1.8mmの範囲内の所定の値をもって間隔が保たれるよう構成されている、
ことを特徴とする熱電変換ユニット。
【請求項3】
当該熱電変換ユニットは、前記放熱フィンの長手方向が当該移動体の進行方向と略一致するように配置されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱電変換ユニット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の熱電変換ユニットにおいて、
前記放熱器は、金属板材の表面を切削工具の刃部により堀り起こすことにより、板状の複数の前記放熱フィンが前記基部と一体に起立形成されたものであることを特徴とする熱電変換ユニット。
【請求項5】
実施形態1~4のいずれかに記載の熱電変換ユニットにおいて、
前記放熱フィンは、該放熱フィンの長手方向において上流放熱フィンと下流放熱フィンとに分割されており、前記上流放熱フィン及び前記下流放熱フィンの間に隙間が設けられていることを特徴とする熱電変換ユニット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の熱電変換ユニットにおいて、
前記放熱フィンは、隣り合う前記放熱フィンの間を通過する空気の摩擦抵抗が上流よりも下流において大きくなるように形成されていることを特徴とする熱電変換ユニット。
【請求項7】
移動体に付随する発熱体から放出される熱を電気エネルギーに変換する熱電発電システムであって、
請求項1~6のいずれかに記載の熱電変換ユニットと、
前記熱電変換ユニットの前記熱電回路モジュールから出力された電力を蓄電する蓄電部と、を少なくとも含む熱電発電システム。
【請求項8】
移動体に付随した発熱体の曲面に装着される熱電変換ユニットに用いられる放熱器であって、
前記放熱器は、熱電変換素子が実装された熱電回路モジュールに密着するようにして積層されて、該熱電回路モジュールと共に熱電変換ユニットを構成するものであり、
前記放熱器は、金属板材からなり、表側に基部と一体に起立形成された板状の複数の放熱フィンを有し、
前記放熱器の前記基部は湾曲可能となっており、
前記複数の放熱フィンは、基端におけるピッチが1.0mm~2.5mmの範囲内の所定の値をもって配置されている、
ことを特徴とする放熱器。
【請求項9】
移動体に付随した発熱体の曲面に装着される熱電変換ユニットに用いられる放熱器であって、
前記放熱器は、熱電変換素子が実装された熱電回路モジュールに密着するようにして積層されて、該熱電回路モジュールと共に熱電変換ユニットを構成するものであり、
前記放熱器は、金属板材からなり、表側に基部と一体に起立形成された板状の複数の放熱フィンを有し、
前記放熱器の前記基部は湾曲可能となっており、
前記放熱器は、当該熱電変換ユニットが所与の発熱体の曲面に装着されたときに、互いに隣り合う前記複数の放熱フィンの先端が1.1mm~1.8mmの範囲内の所定の値をもって間隔が保たれるよう構成されている、
ことを特徴とする放熱器。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電変換ユニット、熱電発電システム及びそれらに用いられる放熱器に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱体から廃棄される熱を回収し電気エネルギーとして再利用する取り組みがされている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
特許文献1及び2には、ゼーベック素子(熱電変換素子)が実装された熱電回路モジュールの上方にベースプレート又はフレキシブル熱伝導基板を積層させ、その上に放熱フィン列を接合した熱電変換ユニットを準備し、かかる熱電変換ユニットをプラント工場などの排熱パイプ等(発熱体)に装着して熱電発電を行わせることが記載されている。
【0003】
特許文献1及び2に記載された熱電変換ユニットはフレキシブルなものとなっており、排熱パイプ等に装着した際には排熱パイプ等の外表面に密着させることができるため、フレキシブルでない熱電変換ユニット(例えば特許文献3の熱電ユニット1,11,21)を用いる場合に比べて接触面積が増し、排熱パイプ等からの廃熱を効率よく利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-10559号公報
【特許文献2】特開2019-198165号公報
【特許文献3】特開2014―49734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、移動体の一種である4輪車・2輪車等の車両においては、エンジンから排出されたガスの排気系統では高温になると数百度に達する場合もあることから、排気管など排気系統の強制的な冷却システムを配置していることも増えてきている。持続可能な社会づくりに向けた昨今の気運の中では、移動体における熱エネルギーの回収・有効利用についても重要なテーマであると言える。
但し、移動体については、移動に伴うエネルギー効率の向上(例えば、空気抵抗・圧力損失等の低減)や熱電変換ユニットの軽量化なども求められており、熱エネルギーの回収・有効利用と共にこれらを両立した取り組みが今後重要になってくる。
【0006】
特許文献1及び2に記載された熱電変換ユニットにおいては、熱電回路モジュールにベースプレートを介して放熱フィン列(放熱器)を取り付けることは触れられているものの、移動体に適した熱電変換ユニットや放熱器についての考察はない。
【0007】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、移動体に適した熱電変換ユニットを提供することを目的とする。また、そのような熱電変換ユニットに好適な放熱器及び熱電発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者は鋭意研究を重ね、移動体の発熱体に装着させるのに最適な熱電変換ユニットの構成を見出した。本発明の一態様によれば、発熱体の曲面に装着される熱電変換ユニットが提供される。熱電変換ユニットは、熱電変換素子が実装され、第1主面及び該第1主面の反対側の面である第2主面が湾曲可能となっている熱電回路モジュールと、金属板材からなり、表側に基部と一体に起立形成された板状の複数の放熱フィンを有し、基部が湾曲可能となっており、裏面が熱電回路モジュールの第2主面に密着するようにして熱電回路モジュールに積層された放熱器と、を備える。そして、当該熱電変換ユニットは、移動体に付随した発熱体に装着されるものであり、複数の放熱フィンは基端におけるピッチが1.0mm~2.5mmの範囲内の所定の値をもって配置されている。
【0009】
別の一態様によれば、当該熱電変換ユニットは、所与の発熱体の曲面に装着されたときに、互いに隣り合う複数の放熱フィンの先端が1.1mm~1.8mmの範囲内の所定の値をもって間隔が保たれるよう構成されている。
【0010】
また、本発明の熱電発電システムは、移動体に付随する発熱体から放出される熱を電気エネルギーに変換する熱電発電システムであって、上記した熱電変換ユニットと、熱電変換ユニットの熱電回路モジュールから出力された電力を蓄電する蓄電部と、を少なくとも含む。
【0011】
さらに、本発明の放熱器は、移動体に付随した発熱体の曲面に装着される熱電変換ユニットに用いられる放熱器であって、当該放熱器は、熱電変換素子が実装された熱電回路モジュールに密着するようにして積層されて、該熱電回路モジュールと共に熱電変換ユニットを構成するものであり、当該放熱器は、金属板材からなり、表側に基部と一体に起立形成された板状の複数の放熱フィンを有し、放熱器の前記基部は湾曲可能となっている。そして、複数の放熱フィンは、基端におけるピッチが1.0mm~2.5mmの範囲内の所定の値をもって配置されている。
【0012】
別の一態様によれば、放熱器は、当該熱電変換ユニットが所与の発熱体の曲面に装着されたときに、互いに隣り合う複数の放熱フィンの先端が1.1mm~1.8mmの範囲内の所定の値をもって間隔が保たれるよう構成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、移動体に適した熱電変換ユニットを提供することができる。また、そのような熱電変換ユニットに好適な放熱器及び熱電発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1に係る熱電変換ユニット1の製作例及び発熱体110への装着例を示す斜視図である。
図2】実施形態1に係る熱電変換ユニット1の側面図である。
図3】実施形態1に係る熱電変換ユニット1を発熱体110に装着したときの様子を図1(c)の矢印Bに沿って視たときの側面図である。
図4】シミュレーション例における熱解析の結果を示す表及びグラフである。
図5】実施形態2に係る熱電変換ユニット2の一部を示す要部斜視図である。
図6】実施形態3に係る熱電変換ユニット3,3’の一部を示す要部斜視図である。
図7】実施形態4に係る熱電発電システム50を説明するために示す模式図である。
図8】実施形態5に係る放熱器20の応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る熱電変換ユニット、熱電発電システム及びそれらに用いられる放熱器について図を参照しながら説明する。なお、各図に共通する符号については当該符号について既に説明した内容を他の図の説明においても援用できることから、他の図における説明を省略する。各図面は一例を示した模式図であり必ずしも実際の寸法、比率等を厳密に反映したものではない。本明細書における「上」「下」というのは、所定の平面の一方側を上とし他方側を下と仮に定義するものであり、実際に熱電変換ユニットが配置された天地とは直接関係がないものとする。
【0016】
[実施形態1]
1.実施形態1に係る熱電変換ユニット1の構成
(1)熱電変換ユニット1の概要
まず始めに、熱電変換ユニット1の概要について製作例及び発熱体110への装着例を交えて説明する。
図1は、実施形態1に係る熱電変換ユニット1の製作例及び発熱体110への装着例を示す斜視図である。図1(a)は放熱器20を熱電回路モジュール10に積層する前の状態を示し、図1(b)は放熱器20が熱電回路モジュール10に積層されて熱電変換ユニット1が完成した状態を示し、図1(c)は熱電変換ユニット1が排気管210(発熱体110)に装着される場合を想定した状態を示している。
【0017】
図1(a)及び図1(b)に示すように、熱電変換ユニット1は、大きく分けて熱電回路モジュール10と放熱器20とからなり、放熱器20の裏面25が熱電回路モジュール10の第2主面16に密着するようにして積層してなっている(図2も併せて参照)。
熱電回路モジュール10の第1主面15及び該第1主面15の反対側の面である第2主面16は湾曲可能となっている。放熱器20についても、基部21(後述)が湾曲可能となっている。したがって、熱電変換ユニット1全体としても、放熱器20の放熱フィン22(後述)の長手方向LDと略平行な仮想的な軸を中心に湾曲可能となっている。
【0018】
しかるに、例えば図1(c)に示す通り、熱電変換ユニット1は、発熱体110の曲面112に装着されるユニットとなっている。特に実施形態1に係る熱電変換ユニット1は、移動体100(図7参照)に付随した発熱体110に装着されるものとして構成されている。例えば、エンジンで駆動する四輪車の排気管210の曲面(管の外周面)に装着されるものとして構成されている。
【0019】
ここでいう「移動体100」とは、四輪車・二輪車・鉄道車両などの陸上移動体、ドローンなど空中移動体、船舶などの水上移動体がこれに含まれる。これら移動体100の駆動源の種類(エンジン、モータ等)は特に限定されずに、実施形態1の適用が可能である。移動体100の標準的な移動速度は概ね30km/h~60km/hであるものと想定して、実施形態1の熱電変換ユニット1は構成されている。
移動体100に付随した発熱体110としては、例えば、エンジン205から排出されたガスを内部に流通させる排気管210などが挙げられる(図7参照)。他にもバッテリー(円筒形など曲線を有するもの)、モータ等の発熱体110も挙げることができる。
【0020】
(2)熱電回路モジュール10
熱電回路モジュール10は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するための電気的な回路が構成されたモジュールである。熱電回路モジュール10には熱電変換素子11が実装されている。熱電変換素子11は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する素子であればいなかるものであってもよく、例えば、ゼーベック効果を生じるゼーベック素子などを採用することができる。
【0021】
熱電回路モジュール10は、例えば、複数の熱電変換素子11が実装されたフレキシブルなプリント基板(図示を省略)、フレキシブルなプリント基板を上下から挟み込むフレキシブルな保護基板等から構成することができる。
熱電回路モジュール10は、平面に正置したとき2つの主面を有する平板状となっている。第1主面15は、発熱体110に密着する吸熱面として用いられ、第2主面16は後述する放熱器20に密着する放熱面として用いられる。熱電回路モジュール10は、第1主面15及び第2主面16が所定の曲率半径を有するように(屈曲もこれに含まれる)弾性変形が可能となっている。なお、熱電回路モジュール10は、放熱器20と合体した後にも、少なくとも、放熱器20の放熱フィン22の長手方向LDと略平行な仮想的な軸を中心に何かしらの弾性変形が可能となっている。
【0022】
(3)放熱器20
次に、放熱器20の説明を行う。
図2は実施形態1に係る熱電変換ユニット1の側面図である。図2(a)は熱電変換ユニット1を図1(b)の矢印Aに沿って視たときの側面図であり、図2(b)は図2(a)の破線Cで囲まれた領域を拡大した要部側面図である。
【0023】
図2(a)に示すように、放熱器20は、表側26に基部21と一体に起立形成された板状の複数の放熱フィン22を有している。放熱フィン22が基部21と「一体に・・形成され」ているというのは、基部21と放熱フィン22とが一体的に連続的に形成されているという意味である。
基部21は裏面(熱電回路モジュール10が配置された面)からの熱を伝導させて放熱フィン22に伝える。基部21は複数の放熱フィン22を放熱フィン22の基端23付近で支持する《図2(b)参照》。放熱フィン22は基部21から伝導してきた熱を、隣り合う放熱フィン22との間の隙間を通過する冷媒《具体的には移動体100の移動に伴う風Wなど(図7参照)》に放熱する。
【0024】
単一の放熱フィン22に着目すると、実施形態1の放熱フィン22は平板状をなしている。放熱フィン22は、その基端23が基部21に接続されたうえで、その先端24が上方に突出し、放熱フィンの長手方向LD(図1参照)に沿って長尺状に延びた突条をなしている。
複数の放熱フィン22は、放熱フィンの長手方向LDに沿って互いに平行になるようにしてそれぞれ配列されている。実施形態1の熱電変換ユニット1は、移動体100に付随した発熱体110に装着され、特に、放熱フィンの長手方向LDが当該移動体100の進行方向MVと略一致するように配置されるものとして構成されている(図7参照)。
したがって、例えば熱電変換ユニット1が排気管210の曲面112に装着されたときには、放熱フィン22は、排気管210の管軸AXに平行な方向に沿って所定の間隔をおいて配置される。
【0025】
図2(b)に示すように、複数の放熱フィン22は、その基端23におけるピッチが所定の値pをもって配置されている。熱電変換ユニット1が平面に正置されたときには、放熱フィン22の先端24におけるピッチもこの値pとほぼ同じ値となる。基部21は厚みT1を有している。実施形態1の放熱フィン22は概略一様な厚みtを有している。放熱フィン22の基端23付近における隣り合う放熱フィン22同士の間には、値gをもって隙間が形成されている。
【0026】
放熱器20は、金属板材からなっている。金属板材の素材としては、例えば、純アルミニウム(A1050)などのアルミニウム材、銅材などを採用することができる。
【0027】
放熱器20の基部21の厚みT1は、実施形態1の作用・効果を奏する程度に弾性変形が可能であり、かつ、強度的にも十分に放熱器20の形状・機能を保つことができる値に設定されている。
【0028】
図3は、実施形態1に係る熱電変換ユニット1を発熱体110に装着したときの様子を図1(c)の矢印Bに沿って視たときの側面図である。図3(a)は熱電変換ユニット1及び発熱体110を図1(c)の矢印Bに沿って視たときの側面図であり、図3(b)は図3(a)の破線Dで囲まれた領域を拡大した要部側面図である。
【0029】
図3に示すように、熱電変換ユニット1の全体が湾曲して発熱体110の曲面112に装着されたとき、放熱フィン22は径方向に向かって放射状に拡がり、放熱フィン22の先端24付近における隙間は基端23付近における隙間gよりも大きくなる。
熱電変換ユニット1が発熱体110の曲面112に装着されたときにおいて、互いに隣り合う放熱フィン22の先端同士の間隔(開口幅)をOPとする《図3(b)参照》。
【0030】
実施形態1の一実施例では、放熱器20は、金属板材の表面を切削工具の刃部により堀り起こすことにより、板状の複数の放熱フィン22が基部21と一体に起立形成されたものである。このような放熱器20の構成の仕方については、例えば、同一出願人による特開2014-212290号公報に記載された放熱フィンの製造技術に関する記載を本明細書の記載内容としてそのまま援用することができる。
【0031】
また、実施形態1の一実施例としては、pを2.0mm、tを1.0mm、gを1.0mm、T1を5.0mm、OPを1.47mmに設定して構成することもできる。
【0032】
2.シミュレーション例
発明者は、シミュレーションによって熱解析を行い、移動体に装着される熱電変換ユニットとして最適な放熱器の在り方についての新たな知見を得たので、以下説明する。
図4は、シミュレーション例における熱解析の結果を示す表及びグラフである。
【0033】
(1)シミュレーション条件
(a)試料
試料としては、実施形態1に係る熱電変換ユニット1を準備した。但し、熱電回路モジュール10は固定のものとし、便宜的に、発熱体110からの熱がそのまま熱電回路モジュール10を通過して放熱器20に伝達されるものと仮定し、シミュレーターに対しては放熱器20の裏面25より直接的に所定の熱量が供給されるものとして設定を行った。
【0034】
各試料(後述)に共通する仕様として、放熱器20を平面に正置したときの幅を400mm《図1(b)では紙面幅方向》、奥行を200mm(放熱フィン22の長手方向LDの長さもこれに等しい)とした。また、基部21の厚みT1を5mm、放熱フィン22の基端23から先端24までの高さを25mmと設定した。放熱器20の材質は純アルミニウムとする(A1050)とした。
【0035】
(b)発熱及び放熱の条件
シミュレーションに当たって放熱器20は湾曲された状態を想定し、放熱器20の幅400mmをもって管軸AXを中心に360度一周するように円を描くものとした。具体的には、図1(c)に示すような円筒形状を形成するものとした。参考までにこのときの放熱器20の裏面25による円の直径は約127.3mmとなる。
熱量2000Wの1つの熱源を、放熱器20の裏面25全体(400mm×200mm)に接触するようにして配置し、裏面25底面に対し均一に熱を与えるものとした。なお、熱電変換ユニット1の実施場面では、発熱体110と放熱器20との間には熱電回路モジュール10が介在しているが、上述したように便宜上、熱電回路モジュール10の第1主面15及び第2主面16は発熱体110の表面温度と同一の温度になっている仮定の下でシミュレーションを行った。
一方、放熱条件については、冷却媒体は60℃の空気とし、かかる冷却媒体を、放熱フィン22の側面から《図1(c)の風Wの矢印の方向も参照》60km/hの速度で放熱器20の全体に対し均一に送ったものとした。
【0036】
(c)シミュレーション
上記(a),(b)の共通仕様の下、放熱フィン22の基端23付近における配置ピッチpを入力変数とし、pの値として6水準(p=0.5mm,1.0mm,1.5mm,2.0mm,2.5mm,3.0mm)を振って熱解析を行った(図4の表の第2行を参照)。なお、放熱フィンの厚みtは放熱フィン22の配置ピッチpの1/2とし、基部付近における隣り合う放熱フィン同士の隙間gも配置ピッチpの1/2と設定した(図4の表の参考と示された行を参照)。
また、上記したように放熱器20の全幅で360度一周するような円筒を形成する前提であるため、基端23付近における放熱フィン22の配置ピッチpが決まると、放熱フィン22の先端の間隔(開口)OPも定まる(図4の表の第2行を参照)。
【0037】
上記パラメーターを振りながら、出力変数として放熱器20の裏面25における最高温度Tw[℃]、放熱器20の熱抵抗R[K/W]、放熱器20付近を空気が通過する際の圧力損失PL[Pa]の値を取得した。なお、熱抵抗Rは、R=(Tw-T∞)/Qとして導いた(但し、R[℃/W]は熱抵抗、Q[W]は熱量、Tw[℃]は放熱フィンの裏面25の最高温度、T∞[℃]は冷却媒体の温度とする)。
シミュレーションに用いるソフトウェアは「Thermo-Calc(R)」とした。
【0038】
(2)シミュレーション結果
図4のグラフに示すように、放熱フィン22の配置ピッチpが大きくなるにつれて、最高温度Twも高くなり、また熱抵抗Rも大きくなり、放熱特性が悪くなっていくことが確認された。逆に配置ピッチpが小さい領域では放熱特性が比較的良好であった。
一方、流体力学的な特性については、放熱フィン22の配置ピッチpが大きくなるにつれて圧力損失PLが小さくなり良好であった。逆に放熱フィン22の配置ピッチpが小さい領域では、圧力損失PLが悪化し、特に水準2(p=1.0mm)で悪化が始まり、さらに水準1(p=0.5)では急激に悪化していた。
【0039】
(3)考察
放熱フィン22の配置ピッチpが大きくなると、フィン数が少なくなり且つ先端24の間隔OPも大きくなるため、ある程度の粘性を持っている空気であっても、放熱フィン22と隣の放熱フィン22との間の隙間に入り込み易くなり(風通しが良くなる)、熱を帯びた空気を排出しやすくなる。その一方で、フィン数が少なくなることから空気との接触面積が減少し、かえって放熱が減退し放熱特性が悪化する傾向となる。また、放熱フィン22の厚みtが大きくなるように設定しているので、熱電変換ユニット1の軽量化のためには不利となる。
逆に、放熱フィン22の配置ピッチpが小さいと、放熱フィン22と隣の放熱フィン22との間の隙間が小さくなり、流れる空気と放熱フィン22との間の空気抵抗も増し、またグラフのように圧力損失PLについても悪化し、移動体100にとって流体力学的に不利な傾向となる。また、放熱フィン22の厚みtが小さくなるように設定しているので、基部21から伝導してきた熱のキャパシティが小さくなり放熱のためには不利な方向ともなる。
このように配置ピッチp(先端の間隔OP)を大小させるのに伴い、放熱特性と流体力学的な特性との間ではトレードオフの関係が生じている。
【0040】
以上のシミュレーション結果から、水準3,水準4,水準5においては放熱特性と流体力学的な特性とのバランスが良く、水準4については特にバランスが良いことが判った。
したがって、実施形態1の放熱器20を構成するに当たっては、複数の放熱フィンは、基端における配置ピッチpが1.0mm~2.5mmの範囲内の所定の値(一定値として設定した所望の値。以下同様)をもって配置されているのが好ましいことが明らかになった(水準3~水準5)。また、発明者が更に実験を行ったところ、基端における配置ピッチpが1.8mm~2.2mmの範囲内の所定の値をもって放熱フィンが配置されているのがより好ましいことが判明した。さらには、基端における配置ピッチpが2mmで配置されているのがより一層好ましいことが判明した。
【0041】
使用時における放熱フィン22の先端24の間隔OPについても、同様に、互いに隣り合う複数の放熱フィン22の先端24が1.1mm~1.8mmの範囲内の所定の値をもって間隔が保たれるよう構成されているのが好ましいことが明らかになった。また、放熱フィン22の先端24が1.2mm~1.6mmの範囲内の所定の値で間隔が保たれるよう構成されているのがより好ましく、更には1.47mm前後であればより一層好ましいことが判明した。
【0042】
3.実施形態1に係る熱電変換ユニット1の効果
実施形態1に係る熱電変換ユニット1においては、放熱器20は、金属板材からなり、表側26に基部21と一体に起立形成された板状の複数の放熱フィン22を有し、基部21が湾曲可能となっており、裏面25が熱電回路モジュール10の第2主面16に密着するようにして熱電回路モジュール10に積層されている。そして、複数の放熱フィン22は、基端23におけるピッチpが1.0mm~2.5mmの範囲内の所定の値をもって配置されている。あるいは、熱電変換ユニット1は、所与の発熱体110の曲面に装着されたときに、互いに隣り合う複数の放熱フィン22の先端24が1.1mm~1.8mmの範囲内の所定の値OPをもって間隔が保たれるよう構成されている。
【0043】
このため、実施形態1に係る熱電変換ユニット1によれば、移動体に用いられる熱電変換ユニットとして求められる放熱特性と流体力学的な特性とを両立することができ、移動体(凡そ時速30~60km/hで移動する)に適した熱電変換ユニットとなる。
そうすると、流体力学的に不利にならないようにしながらも、例えば車両のエンジン(内燃機関)の排気サイクルで廃棄している熱を効率的に再利用することができる。
【0044】
なお、上記した各パラメーターの数値については、設計上の微差・加工上の誤差など、実施形態1の作用・効果を阻害しない範囲内であれば、そのような差があったとしても実施形態1に係る熱電変換ユニット1に含まれるものとする。
【0045】
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係る熱電変換ユニット2の一部を示す要部斜視図である。
実施形態2に係る熱電変換ユニット2は、基本的には実施形態1に係る熱電変換ユニット1と同様の構成を有するが、放熱フィン22aの構成において実施形態1に係る熱電変換ユニット1と異なる。
【0046】
図5に示すように、熱電変換ユニット2において、放熱フィン22aは、放熱フィンの長手方向LDにおいて上流放熱フィン27と下流放熱フィン28とに分割されており、上流放熱フィン27及び下流放熱フィン28の間に隙間29が設けられている。
このような構成となっているため、空気の流れを隙間29の位置で掻き混ぜるような形で一旦リセットすることができる。すると、下流で温度が上がった空気をより冷却しやすいものとなる。
【0047】
なお、ここでは放熱フィン22aが2分割される場合を例示したが、これに限られず3分割以上してもよい。
実施形態2に係る熱電変換ユニット2は、放熱フィン22aの構成以外の点においては、実施形態1に係る熱電変換ユニット1と基本的に同様の構成を有する。そのため、実施形態1に係る熱電変換ユニット1が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
【0048】
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係る熱電変換ユニット3,3’の一部を示す要部斜視図である。図6(a)は実施形態3に係る熱電変換ユニット3の一部を示す要部斜視図である。図6(b)は実施形態3に係る熱電変換ユニット3’の一部を示す要部斜視図である。
【0049】
実施形態2に係る熱電変換ユニット3,3’は、基本的には実施形態1に係る熱電変換ユニット1と同様の構成を有するが、放熱フィン22b,22cの構成において実施形態1に係る熱電変換ユニット1と異なる。
【0050】
図5に示すように、放熱フィン22b,22cは、隣り合う放熱フィン22b,22cの間を通過する空気の摩擦抵抗が上流よりも下流において大きくなるように形成されている。具体的には、例えば図6(a)に示すように、放熱フィン22bの下流に相当する部分の面粗さを上流に相当する部分のそれよりも大きくしてもよい。また、例えば図6(b)に示すように、放熱フィンの上流に相当する部分は平板状としつつ、下流に相当する部分の外径を波打つように形成してもよい。
一般に、フィン表面の空気の温度は下流の方が上流よりも高温となるが、実施形態3の放熱フィンは上記した構成となっているため、下流に相当する部分の方が上流よりも冷却媒体と触れる機会が増え、比較的高温となっている下流で効率的に放熱を行うことができる。
【0051】
なお、熱電変換ユニット3,3’は実施形態2に係る熱電変換ユニット2のように上流放熱フィンと下流放熱フィンとに分割して構成してもよい。
実施形態3に係る熱電変換ユニット3,3’は、放熱フィン22b,22cの構成以外の点においては、実施形態1に係る熱電変換ユニット1と基本的に同様の構成を有する。そのため、実施形態1に係る熱電変換ユニット1が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
【0052】
[実施形態4]
図7は、実施形態4に係る熱電発電システム50を説明するために示す模式図である。
実施形態4は、移動体に付随する発熱体から放出される熱を電気エネルギーに変換する熱電発電システムを提供するものである。
【0053】
図7に示すように、実施形態4に係る熱電発電システム50は、実施形態1に係る熱電変換ユニット1と、熱電変換ユニット1の熱電回路モジュール(図示を省略)から出力された電力を蓄電する蓄電部30とを少なくとも含むシステムである。蓄電部30としては、キャパシタ、バッテリーなどを適用することができる。熱電回路モジュール(図示を省略)と蓄電部30との間は、電気的接続線32によって電気的に接続されている。なお、熱電回路モジュール(図示を省略)と蓄電部30との間に昇圧回路・安定回路等を有していてもよい。
【0054】
図7における符号200は車両、符号205はエンジン、符号210は排気管、符号220は小運気、符号225は排気口である。熱電変換ユニット1は、放熱フィンの長手方向LDが移動体の進行方向MVと略一致するように配置されている。これにより移動に伴い、熱電変換ユニット1には風Wが入り込んでくる。
熱電発電システム50は、上記の通り移動体に適した熱電変換ユニット1を適用しているので、圧力損失等の流体力学的な特性を落とすことなく、効率的に熱電発電を行うことができる。
【0055】
なお、ここでは熱電変換ユニットとして実施形態1に係る熱電変換ユニット1を適用した例で説明したが、実施形態2,3に係る熱電変換ユニット2,3,3’を適用してもよい。
【0056】
[実施形態5]
図8は、実施形態5に係る放熱器20の応用例を示す図である。
【0057】
実施形態5に係る放熱器20は、移動体100に付随した発熱体110の曲面112に装着される熱電変換ユニット1に好適に用いられる放熱器である。また、放熱器20は、実施形態4に係る熱電発電システム50にも好適に用いられる。
放熱器20は、熱電変換素子11が実装された熱電回路モジュール10に密着するようにして積層されて、該熱電回路モジュール10と共に熱電変換ユニット1を構成するものである。放熱器20は、金属板材からなり、表側26に基部21と一体に起立形成された板状の複数の放熱フィン22を有している。放熱器20の基部21は湾曲可能となっている。ここで、複数の放熱フィン22は、基端23におけるピッチが1.0mm~2.5mmの範囲内の所定の値をもって配置されている。あるいは、放熱器20は、当該熱電変換ユニット1が所与の発熱体110の曲面112に装着されたときに、互いに隣り合う複数の放熱フィン22の先端が1.1mm~1.8mmの範囲内の所定の値をもって間隔が保たれるよう構成されている。
【0058】
放熱器20は、図1を用いて説明したように、予め熱電回路モジュール10と合体させて熱電変換ユニット1の組立を済ませたうえで、当該熱電変換ユニット1を発熱体110に装着するような工程で用いられるものであっても良い。
【0059】
その一方で、発熱体110に熱電回路モジュール10が予め装着されており、後ほど、かかる熱電回路モジュール10の外周面(第2主面16)に放熱器20を積層するような工程で用いられるものであっても良い。
例えば、先ず、図8(a)に示すように分割式の熱電回路モジュール10a,10bを排気管210(発熱体110)に装着し、次に、図8(b)示すように熱電回路モジュール10a,10bの周囲に放熱器20を取り付け、それによって、図8(c)に示すような熱電回路モジュール10a,10bの周囲に放熱器20が取り付けられた熱電変換ユニットを得てもよい。このような後付けの使い方をする放熱器についても実施形態5に係る放熱器20に含まれる。
【0060】
なお、ここでは実施形態1に即して放熱器20の説明を行ったが、実施形態2~3で示した態様の放熱器に対しても実施形態4の考え方を適用可能である。
【0061】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0062】
(1)各実施形態においては、排気管210の外周を管軸AXを中心に360度取り囲むように熱電変換ユニット1を巻き付けて装着した例で説明を行った。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。排気管210(発熱体110)の外周面の一部に対して(例えば180度分など)に装着し、残余の部分については排気管210が露出するような装着の方法を採ってもよい。
【0063】
(2)実施形態1で説明した熱電変換ユニット1の製作例では、平面上で互いに平ら(湾曲していない状態)の熱電回路モジュール10及び放熱器20を互いに貼り付けるような形で合体させ、その上で、熱電変換ユニット1ごと発熱体110に装着した(図1参照)。しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。例えば、まず熱電回路モジュール10を発熱体110に巻き付けて、その後、放熱器20を熱電回路モジュール10の外周(第2主面16)に対し密着するようにして合体させるという製作方法をとることもできる。このような製作過程を経て結果的に熱電変換ユニット1を構成する場合についても、本発明の熱電変換ユニット1を構成することと等価である。
【0064】
(3)各実施形態において、放熱フィン22は平板状のものを想定して説明した。しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。放熱フィン22は厳密な平板状のものである必要はなく、本発明の作用・効果を奏する限りにおいて、わずかにカールしたカール状の放熱フィン、基端より先端の厚みがわずかに小さいテーパー状の放熱フィン、基端23から先端24に立ち上がる中途でわずかに段差を有する階段状の放熱フィンなども本発明の放熱フィン22に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0065】
1,2,3…熱電変換ユニット、10,10a,10b…熱電回路モジュール、11…熱電変換素子、15…(熱電回路モジュールの)第1主面、16…(熱電回路モジュールの)第2主面、20…放熱器、21…基部、22,22a,22b,22c…放熱フィン、23…(放熱フィンの)基端、24…(放熱フィンの)先端、25…(放熱器の)裏面、26…(放熱器の)表側、27…上流放熱フィン、28…下流放熱フィン、29…隙間、30…蓄電部、32…電気的接続線、50…熱電発電システム、100…移動体、110…発熱体、112…(発熱体の)曲面、200…車両、205…エンジン、210…排気管、220…消音器、225…排気口

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8