(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081786
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】スピーカ
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20230606BHJP
H04R 1/30 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
H04R1/02 102Z
H04R1/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195790
(22)【出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】521526409
【氏名又は名称】佐藤 友康
(74)【代理人】
【識別番号】100137822
【弁理士】
【氏名又は名称】香坂 薫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼村 徹
【テーマコード(参考)】
5D017
5D018
【Fターム(参考)】
5D017AE21
5D018AE01
5D018AE20
(57)【要約】
【課題】中低音域の音質を向上できる新たなスピーカを提供する。
【解決手段】複数の樹木板が積層された本体部と、複数の樹木板を接続する接続部と、本体部に設けられ、携帯端末を載置する載置部と、載置部に設けられ、携帯端末から出力される音が流れ込む入口部と、入口部に連なり、音が流れる屈曲した経路部と、経路部に連なり、音が外部に出力される出口部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の樹木板が積層された本体部と、
複数の樹木板を接続する接続部と、
本体部に設けられ、携帯端末を載置する載置部と、
載置部に設けられ、携帯端末から出力される音が流れ込む入口部と、
入口部に連なり、音が流れる屈曲した経路部と、
経路部に連なり、音が外部に出力される出口部と、
を備えるスピーカ。
【請求項2】
樹木板は、出力する音に応じて適宜設計され、高音域を吸収し、高音域と比較して中低音域を多く出力する場合、樹木板として針葉樹が用いられ、高音域の吸収を抑制し、針葉樹を用いる場合と比較して高音域を多く出力する場合、樹木板として広葉樹が用いられる、請求項1に記載のスピーカ。
【請求項3】
接続部は、樹木板の全体に亘って面状に突出した凸部と、凸部に接続される面状に凹んだ凹部と、を有する請求項1又は2に記載のスピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スマートフォン本体下部及び本体上部の音源部から発する音を、スマートフォン本体下部の音源の導音部及び、スマートフォン本体上部の音源の導音部からアコースティックウェーブスピーカー本体に内蔵されている円形の反響板をとおして発生させるバックロードホーン構造と、スマートフォン本体下部の音源部及び、スマートフォン本体上部の音源部から発する音をスマートフォン本体の裏側から反響して前面に発生させるバッフル構造を併用したラウンド・バックロードホーン構造を有するスピーカが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スマートフォンを載置でき、スマートフォンから発する音を増幅するスピーカが知られている(例えば、特許文献1を参照)。例えば、特許文献1に記載の従来技術によれば、コンパクトな筐体で高音質な音の増幅が可能となり、スマートフォンの縦置き、横置きの両方で効果を得ることができる。
【0005】
例えば、特許文献1に記載の従来技術は、スピーカ本体の内部に形成された経路を通過させ主に低音を増幅する所謂バックロードホーン方式(構造)を採用しているが、経路が短く低音を増幅するというバックロードホーン方式の良さを十分に発揮できていない。一方で、本発明者は、所謂バックロードホーン方式のスピーカについて、樹木板を積層して構成することで、樹木板が高音波長を吸収し、中低音波長がバックロードホーンの経路を通過し柔らかい音質とできることを見出した。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑み、中低音域の音質を向上できる新たなスピーカを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、本体内部に屈曲する音の経路を形成し、本体及び経路を複数の樹木板を嵌合して形成ることとした。
【0008】
詳細には、本発明は、複数の樹木板が積層された本体部と、複数の樹木板を接続する接続部と、本体部に設けられ、携帯端末を載置する載置部と、載置部に設けられ、携帯端末から出力される音が流れ込む入口部と、入口部に連なる音が流れる屈曲した経路部であって、複数の樹木板が積層されることで形成されたれる経路部と、経路部に連なり、音が外部に出力される出口部と、を備えるスピーカである。
【0009】
本発明に係るスピーカによれば、屈曲した経路部を備えることで、バックロードホーン方式のスピーカのように、携帯端末から出力された音、特に中低音域を増幅することができる。また、樹木板を積層して構成することで、樹木板が高音波長を吸収し、中低音波長が経路部を通過し柔らかい音質とすることができる。屈曲には、経路同士が直角に曲がる屈曲部、緩やかに曲がる屈曲部(R状に曲がる屈曲部)が含まれる。
【0010】
ここで、樹木板は、出力する音に応じて適宜設計され、高音域を吸収し、高音域と比較して中低音域を多く出力する場合、樹木板として針葉樹が用いられ、高音域の吸収を抑制し、針葉樹を用いる場合と比較して高音域を多く出力する場合、樹木板として広葉樹が用いられるようにしてもよい。
【0011】
発明者は、誠意研究を重ね、樹木板として、針葉樹を用いた場合と広葉樹を用いた場合では、音質に差があることを確認した。例えば、針葉樹では、木板の夏目と冬目の硬さ差が明確となる。夏目域は、冬目域と比較して面積が広く、また柔らかいため、音を吸収しやすい。また、冬目域は、夏目域と比較して硬く音を吸収しにくい。広葉樹の場合、夏目と冬目の硬さ差が少なく、夏目と冬目の領域が曖昧であり、全体に木質繊維密度がつまった状況であり、針葉樹と比較して全体的に硬い。その結果、音の吸収が少ないので、高音域も経路を通過しやすくなる。また、例えば、針葉樹の場合、硬軟の差があるために音に影響が生じやすい。また、針葉樹は、広葉樹と比較して柔らかく、音を吸収しやすい。なお、針葉樹でも、例えば、杉とヒノキでは、音質が異なることが確認できた。また、広葉樹でも、木種類が異なると音質が異なることが確認できた。音質が異なる理由として、木質繊維密度の違いが考えられる。なお、例えば、針葉樹と広葉樹を組み合わせて本体部を形成してもよい。また、経路部の位置に応じて、針葉樹と広葉樹を使い分けするようにしてもよい。
【0012】
接続部は、樹木板に設けられた凸部と、凸部に接続される凹部を有する構成とすることができる。これにより、複数の樹木板をより確実に接続できる。接続部は、樹木板の全体に亘って面状に突出した凸部と、凸部に接続される面状に凹んだ凹部と、を有する構成とすることができる。凸部、凹部を面状に構成することで、より安定的に接続することができる。なお、接着剤を用いて、より強固に接続するようにしてもよい。また、接続部を平面で構成し、接着剤を用いて接続するようにしてもよい。
【0013】
載置部は、携帯端末の大きさや携帯端末のスピーカに応じて、適宜設計される。入口部は、載置部に設けられ、携帯端末のスピーカの位置に応じて適宜設計される。経路部の長さは、本体部の大きさ、出力する音に応じて適宜設計される。例えば、経路部を長くすることで、より高音域を吸収し、高音域と比較して中低音域を多く出力することができる。経路部において屈曲する屈曲部は、本体部の大きさ、出力する音、経路部の長さ、に応じて適宜設計される。屈曲部は、R状とすることができる。これにより音がより滑らかに伝わるようになる。経路部は、入口部側から出口部側に向けて、断面積が徐々に大きくなるよう形成することができる。これにより中低音域をより増幅して、迫力のある中低音域の音を出力することができる。出口部の大きさは、出力する音に応じて適宜設計される。例えば、出口部を大きくすることで、出力する音を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、中低音域の音質を向上できる新たなスピーカを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るスピーカの斜視図を示す。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るスピーカの正面図を示す。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るスピーカの背面図を示す。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るスピーカの左側側面図を示す。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るスピーカの右側側面図を示す。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るスピーカの平面図を示す。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るスピーカの底面図を示す。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係るスピーカの正面透視図を示す。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係るA-A断面図を示す。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る樹木板の一例の正面図を示す。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係る樹木板の一例の平面図を示す。
【
図15】
図15は、第1実施形態に係る樹木板を接続する状態の一例を示す。
【
図16】
図16は、第1実施形態に係るスピーカの使用状態の一例を示す。
【
図17】
図17は、第2実施形態に係るスピーカの正面図を示す。
【
図18】
図18は、第2実施形態に係るスピーカの背面図を示す。
【
図19】
図19は、第2実施形態に係るスピーカの左側側面図を示す。
【
図20】
図20は、第2実施形態に係るスピーカの右側側面図を示す。
【
図21】
図21は、第2実施形態に係るスピーカの平面図を示す。
【
図22】
図22は、第2実施形態に係るスピーカの底面図を示す。
【
図23】
図9は、第2実施形態に係るA-A断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明は例示であり、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0017】
<第1実施形態>
<本体部の構成>
第1実施形態に係るスピーカ1は、本体部2、載置部3、入口部4、経路部5、出口部6、ケーブル収容部7を主な構成とする。第1実施形態に係るスピーカ1は、載置部3に載置されたスマートフォンM(本発明の携帯端末の一例)から出力される音が入口部4から流れ込み、湾曲する経路部5で音を増幅して、出口部6から音を外部に出力する。スマートフォンMは、本発明の携帯端末の一例である。携帯端末は、スマートフォンMに代えて、携帯電話機、タブレット、携帯音楽プレーヤーなど、音を出力するものであればよい。
【0018】
本体部2は、正面視において、横長の長方形の面を有する直方体であり、複数の樹木板8が接続部9で接続され、積層することで構成されている。第1実施形態では、12枚の樹木板8が積層されることで、スピーカ1が構成されている。樹木板8の数は、適宜変更することができる。第1実施形態に係る本体部2は、左側が半円形状である。なお、本体部2の左側についても、右側と同じく、直線状としてもよい。本体部2には、全面に亘って、外方向に突出した板状の鍔部21が設けられている。
【0019】
載置部3は、スマートフォンMを載置する。載置部3は、スマートフォンMの厚みよりも大きく形成された幅と、スマートフォンMを支持可能な深さを有する凹部で形成されている。載置部3の幅や深さは、スマートフォンMやスマートフォンMに代わる携帯端末に応じて、適宜設計される。
【0020】
入口部4は、載置部3に設けられ、スマートフォンMから出力される音が流れ込む。入口部4は、スマートフォンMのスピーカの位置に合わせて設けられている。入口部4は、経路部5に連なっている。
【0021】
経路部5は、入口部4に連なり、内部を音が流れる。
図10等に示すように、経路部5は、入口部4に連なり垂直、かつ下向きに延びる第1経路51、第1経路51から水平、かつ背面方向に延びる第2経路52、第2経路52から水平、かつ左側面方向に延びる第3経路53、第3経路53から水平、かつ正面側に延びる第4経路54によって構成されている。第3経路53は、第2経路52側(右側側面)から第4経路54(左側側面)に向けて、経路の断面が徐々に大きくなるように形成されている。各経路の接続部分としての屈曲部は、本実施形態では直角に連なっているが、R状に連なるようにしてもよい。R状とすることで、音がより滑らかに伝わるようになる。入口部4と反対側に位置する経路部5の端部には、出口部6が連なっている。
【0022】
出口部6は、音を外部(スピーカの外部)に出力する。出口部6は、背面側から正面側に向けて、断面が徐々に大きくなるように形成され、外部に開放している。換言すると、出口部6は、換言するとラッパ形状である。
【0023】
ケーブル収容部7は、入口部4の近傍に設けられ、スマートフォンMに接続するケーブルを収容する。ケーブル収容部7は、垂直方向に延びる貫通孔によって形成されている。ケーブル収容部7は、中央付近から底面に向けて、断面が徐々に大きくなるように形成されている(
図8等を参照)。ケーブル収容部7は、スマートフォンMのコネクタ(ケーブル接続部)位置に合わせて設けられている。
【0024】
<樹木板の構成>
図13は、第1実施形態に係る樹木板の一例の正面図を示す。
図14は、第1実施形態に係る樹木板の一例の平面図を示す。
図13、
図14に示す樹木板8は、載置部3を構成する対向する樹木板8のうち背面側の樹木板8を示す。樹木板8は、正面視において長方形であり、左側が半円形状に形成されている。樹木板8の外周部分は、板状の鍔部21として機能する。樹木板8には、面状に突出した突出部81が形成されている。突出部81の上面82は、載置部3の載置面として機能する。突出部81には、上面82から下方に向けて短く切りかかれた経路部用の切り欠き83と、上面82から下方に向けて長く切りかかれたケーブル収容部用の切り欠き84が形成されている。経路部用の切り欠き83は、経路部5の第1経路51の形状に対応しており、対向する正面側の樹木板8と接続されることで経路部の第1経路51を形成する。ケーブル収容部用の切り欠き84は、ケーブル収容部7の形状に対応しており、対向する正面側の樹木板8と接続されることでケーブル収容部7を形成する。また、突出部81には、3か所、凹部85が設けられている。凹部85は、対向する正面側の樹木板8の凸部86と嵌合可能である。凹部85と凸部86は、本発明の接続部の一例である。また、樹木板8の背面側には、背面側に接続される、樹木板8に形成された面状の凸部87と嵌合する、面状の凹部88が形成されている。面状の凹部88、及び面状の凸部87も、本発明の接続部の一例である。
【0025】
図15は、第1実施形態に係る樹木板を接続する状態の一例を示す。
図15では、載置部3を構成する対向する樹木板8と、載置部3を構成する対向する樹木板に接続される樹木板8を示す。載置部3を構成する対向する樹木板8は、突出部81の面同士を接するようにし、背面側の樹木板8の凹部85と正面側の樹木板8の凸部86を嵌合することで接続される。載置部3を構成する樹木板8と隣接する樹木板8は、載置部3を構成する樹木板8の面状の凹部88と隣接する樹木板8の面状の凸部87を嵌合することで接続される。面状の凹部88は、面状の凸部87の一部が収容される深さを有している。図示を省略するが、樹木板8には、入口部4、経路部5、出口部6に対応する切り欠き、又は貫通孔が適宜形成されており、全ての樹木板8を接続することで、入口部4、経路部5、出口部6を有するスピーカ1となる。樹木板8の加工は、例えば、CNCルーターで行うことができる。
【0026】
樹木板8は、出力する音に応じて適宜設計され、高音域を吸収し、高音域と比較して中低音域を多く出力する場合、樹木板8として針葉樹を用い、高音域の吸収を抑制し、針葉樹を用いる場合と比較して高音域を多く出力する場合、樹木板8として広葉樹を用いることができる。例えば、針葉樹では、木板の夏目と冬目の硬さ差が明確となる。夏目域は、冬目域と比較して面積が広く、また柔らかいため、音を吸収しやすい。また、冬目域は、夏目域と比較して硬く音を吸収しにくい。広葉樹の場合、夏目と冬目の硬さ差が少なく、夏目と冬目の領域が曖昧であり、全体に木質繊維密度がつまった状況であり、針葉樹と比較して全体的に硬い。その結果、音の吸収が少ないので、高音域も経路を通過しやすくなる。また、例えば、針葉樹の場合、硬軟の差があるために音に影響が生じやすい。また、針葉樹は、広葉樹と比較して柔らかく、音を吸収しやすい。なお、針葉樹でも、例えば、杉とヒノキでは、音質が異なることが確認できた。また、広葉樹でも、木種類が異なると音質が異なることが確認できた。音質が異なる理由として、木質繊維密度の違いが考えられる。なお、例えば、針葉樹と広葉樹を組み合わせて本体部を形成してもよい。また、経路部5の位置に応じて、針葉樹と広葉樹を使い分けするようにしてもよい。
【0027】
<使用方法>
図16は、第1実施形態に係るスピーカの使用状態の一例を示す。スピーカ1は、スマートフォンMを載置部3に載置して使用する(
図16では図示せず)。その際、スマートフォンMのスピーカが入口部4(
図16では図示せず)に位置するようにして使用する。ケーブル収容部7にスマートフォンMに接続されるケーブルを通して使用してもよい。
図16は、スマートフォンMを横置きしているが、スピーカ1を
図1のように横長になるように配置し、載置部3にスマートフォンMを載置し、スマートフォンMを縦置きしてもよい。
【0028】
<作用効果>
第1実施形態に係るスピーカ1によれば、屈曲した経路部5を備えることで、バックロードホーン方式のスピーカのように、スマートフォンMをから出力された音、特に中低音域を増幅することができる。より詳細には、スマートフォンMの下部に設けられたスピーカから出力された音は、入口部4に流れ込み、入口部に連なる経路部5、すなわち、第1経路51,第二経路、第3経路53,第4経路54を通り、第4経路54に連なる出口部6から外部に出力される。第1経路51,第二経路、第3経路53,第4経路54の接続部分は、屈曲しており、また、第3経路53は、断面が徐々に大きくなるように形成されている。これにより本体部2の内部に屈曲した経路部5が形成され、バックロードホーン方式のスピーカのように、スマートフォンMをから出力された音、特に中低音域を増幅することができる。
【0029】
また、樹木板8を積層して構成することで、樹木板8が高音波長を吸収し、中低音波長が経路部5を通過し柔らかい音質とすることができる。その結果、スマートフォンMから出力されるデジタル音をアナログ音に近い音質とすることができる。樹木板8は、出力する音に応じて適宜設計することができ、例えば、針葉樹の場合、広葉樹と比較して柔らかく、音を吸収しやすいことから、より中低音域を大きく出力することができる。例えば、広葉樹の場合、音の吸収が少ないので、高音域も経路を通過しやすくなる。そのため、針葉樹の場合と比較して、高音域も大きく出力することができる。なお、樹木板8には、間伐材を用いることができ、間伐材の有効活用を図ることができる。
【0030】
また、接続部9を備えることで、複数の樹木板をより確実に接続できる。特に、樹木板8の全体に亘って面状に突出した面状の凸部87と、面状の凸部87に接続される面状に凹んだ面状の凹部88とを有することで、より安定的に接続することができる。なお、接着剤を用いて、より強固に接続するようにしてもよい。
【0031】
また、本体部2の外面に顎部21を備えることで、スピーカ1を横置き、縦置きした場合のいずれにおいても、スピーカ1と当該スピーカ1を置くデスクなどの平面とが面接触せずに、点接触となる。そのため、スマートフォンMから出力された音がより効率よく経路部5を通過して増幅される。
【0032】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るスピーカ1は、キューブ状に形成され、第1実施形態に係るスピーカ1よりもコンパクトに設計されている。基本的な機能は、第1実施形態に係るスピーカ1と同様である。第1実施形態に係るスピーカ1と同様の構成については、同一符号を付し、説明を割愛する。
【0033】
第2実施形態に係るスピーカ1は、本体部2、載置部3、入口部4、経路部5、出口部6、ケーブル収容部7を主な構成とする。本体部2は、第1実施形態と異なり、正面視において正方形である。経路部5は、第1実施形態に係るスピーカ1よりも短く形成されているが、入口部4に連なり垂直、かつ下向きに延びる第1経路51、第一経路から水平、かつ背面方向に延びる第2経路52、第2経路52から水平、かつ左側面方向に延びる第3経路53、第3経路53から水平、かつ正面側に延びる第4経路54によって構成されている。第3経路53は、第2経路52側(右側側面)から第4経路54(左側側面)に向けて、経路の断面が徐々に大きくなるように形成されている。樹木板8は、正面視において正方形である点で、第1実施形態に係るスピーカ1と異なるが、基本的な構成は、第1実施形態に係るスピーカ1と同様である。
【0034】
第2実施形態に係るスピーカ1は、第1実施形態に係るスピーカ1よりもコンパクトに構成されているが、基本的に第1実施形態に係るスピーカ1と同様の効果を得ることができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明に係るスピーカは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、スマートフォンMにスピーカ1が2つ設けられている場合、各スピーカに対応する入口部4,経路部5、出口部6を設けるようにしてもよい。これにより、スピーカ1をステレオスピーカとして機能させることができる。なお、実施形態では、本発明に係るスピーカを樹木材によって構成する例を説明したが、本発明に係るスピーカは、樹脂、発砲スチロール、金属によって構成してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1・・・スピーカ、2・・・本体部、3・・・載置部、4・・・入口部、5・・・経路部、6・・・出口部、7・・・ケーブル収容部、8・・・樹木板、9・・・接続部、M・・・スマートフォン