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特開2023-8181サービス提供装置、端末装置、サービス提供方法、および、サービス提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008181
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】サービス提供装置、端末装置、サービス提供方法、および、サービス提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20230112BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111533
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】521296111
【氏名又は名称】牧野 ちあき
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧野 ちあき
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB68
(57)【要約】
【課題】販売物を入れる容器を複数の利用者の間でシェアしやすいサービスを提供する。
【解決手段】サービス提供装置100の情報設定部110は、容器の利用権を購入した利用権購入者の利用者識別子と、利用権購入者に渡された容器の容器識別番号とを利用者端末装置または店舗端末装置から受信し、利用者識別子と容器識別番号とを利用者データベース143に設定する。履歴設定部120は、複数の店舗のいずれかの店舗において、利用権購入者により持参された空の容器と交換することを条件に、空の容器とは別の容器に入れられた販売物が購入されると、別の容器の容器識別番号を含む販売物の購入履歴を利用者端末装置または店舗端末装置から受信する。履歴設定部120は、受信した販売物の購入履歴を利用者データベース143に設定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗の各店舗により複数の利用者の各利用者に販売される販売物を入れる容器を、前記複数の利用者の間でシェアするサービスを提供するサービス提供装置であって、前記複数の利用者の各利用者が利用する利用者端末装置と前記複数の店舗の各店舗が利用する店舗端末装置との少なくともいずれかの端末装置と通信するサービス提供装置において、
前記複数の利用者のいずれかの利用者により容器の利用権が購入されると、前記利用権を購入した利用者を利用権購入者として識別する利用者識別子と、前記利用権購入者に渡された容器を識別する容器識別番号とを前記端末装置から受信し、前記利用者識別子と前記容器識別番号とを利用者データベースに設定する情報設定部と、
前記複数の店舗のいずれかの店舗において、前記利用権購入者により持参された空の容器と交換することを条件に、前記利用権購入者により持参された空の容器とは別の容器に入れられた販売物が購入されると、前記別の容器の容器識別番号を含む前記販売物の購入履歴を前記末装置から受信し、受信した前記販売物の購入履歴を前記利用者データベースに設定する履歴設定部と
を備えるサービス提供装置。
【請求項2】
前記履歴設定部は、
前記販売物の購入に応じて前記利用権購入者に付加価値を付与するための付加価値ポイントを前記利用者データベースに設定し、
前記サービス提供装置は、
前記付加価値ポイントの付与の通知を前記端末装置に送信する通知部を備える請求項1に記載のサービス提供装置。
【請求項3】
前記通知部は、
前記販売物の購入履歴を前記端末装置から受信すると、前記利用者データベースに基づいて前記利用権購入者の前記販売物の購入回数を算出し、算出した前記販売物の購入回数を用いて前記利用権購入者による省エネルギーに対する貢献度を表す貢献度情報を生成し、前記貢献度情報を前記端末装置に送信する請求項2に記載のサービス提供装置。
【請求項4】
前記サービス提供装置は、
容器が保管された店舗の履歴を記憶する容器データベースを備え、
前記通知部は、
前記端末装置から、容器が保管された店舗の履歴を要求する容器履歴要求を取得すると、前記容器データベースから前記容器が保管された店舗の履歴を抽出し、抽出した前記容器が保管された店舗の履歴を前記端末装置に送信する請求項2または請求項3に記載のサービス提供装置。
【請求項5】
前記容器データベースは、容器が店舗と利用権購入者とのいずれに保管されているかを表す保管情報を記憶し、
前記通知部は、
前記容器データベースに基づいて前記複数の店舗の各店舗における在庫数を算出し、累積在庫数が閾値以上である場合に、累積在庫数が閾値以上であることを示す通知を出力する請求項4に記載のサービス提供装置。
【請求項6】
前記情報設定部は、
前記利用権購入者から飲食に対する嗜好を含む嗜好情報を取得し、前記嗜好情報を前記利用者データベースに設定し、
前記サービス提供装置は、
前記複数の店舗の各店舗が販売する販売物の特徴を含む店舗の特徴を設定した店舗データベースを備え、
前記通知部は、
前記利用者データベースに設定された前記嗜好情報に基づいて、前記店舗データベースから前記利用権購入者に推奨する店舗の情報を抽出し、抽出した店舗の情報を前記端末装置に送信する請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のサービス提供装置。
【請求項7】
複数の店舗の各店舗により複数の利用者の各利用者に販売される販売物を入れる容器を、前記複数の利用者の間でシェアするサービスを提供するサービス提供装置と通信する端末装置において、
前記利用者により容器の利用権が購入されると、前記利用者を利用権購入者として識別する利用者識別子と、前記利用権購入者に渡された前記容器を識別する容器識別番号とを前記サービス提供装置に送信する初期情報送信部と、
前記複数の店舗のいずれかの店舗において、前記利用権購入者により持参された空の容器と交換することを条件に、前記利用権購入者により持参された空の容器とは別の容器に入れられた販売物が購入されると、前記別の容器の容器識別番号を含む前記販売物の購入履歴を前記サービス提供装置に送信する購入履歴送信部と
を備える端末装置。
【請求項8】
前記端末装置は、
前記サービス提供装置から、前記販売物の購入に応じて前記利用権購入者に付加価値を付与するための付加価値ポイントの付与の通知を受信し、前記付加価値ポイントが付与されたことを通知するポイント付与の通知を表示機器に表示する表示部を備える請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記表示部は、
前記サービス提供装置から、前記販売物の購入による省エネルギーに対する貢献度を表す貢献度情報を受信し、前記貢献度情報を前記表示機器に表示する請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記端末装置は、
前記利用権購入者が利用した容器が保管された店舗の履歴を要求する容器履歴要求を前記サービス提供装置に送信する要求部を備え、
前記表示部は、
前記サービス提供装置から、前記容器履歴要求に対する応答として前記容器が保管された店舗の履歴を受信し、前記容器が保管された店舗の履歴を前記表示機器に表示する請求項8または請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
前記初期情報送信部は、
前記利用権購入者から飲食に対する嗜好を含む嗜好情報を取得し、前記嗜好情報を前記サービス提供装置に送信し、
前記表示部は、
前記サービス提供装置から、前記利用権購入者に推奨する店舗の情報を受信し、受信した店舗の情報を前記表示機器に表示する請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項12】
前記端末装置は、前記複数の利用者の各利用者が利用する利用者端末装置と前記複数の店舗の各店舗が利用する店舗端末装置との少なくともいずれかである請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項13】
複数の店舗の各店舗により複数の利用者の各利用者に販売される販売物を入れる容器を、前記複数の利用者の間でシェアするサービスを提供するサービス提供装置であって、前記複数の利用者の各利用者が利用する利用者端末装置と前記複数の店舗の各店舗が利用する店舗端末装置との少なくともいずれかの端末装置と通信するサービス提供装置に用いられるサービス提供方法において、
コンピュータが、前記複数の利用者のいずれかの利用者により容器の利用権が購入されると、前記利用権を購入した利用者を利用権購入者として識別する利用者識別子と、前記利用権購入者に渡された容器を識別する容器識別番号とを前記端末装置から受信し、前記利用者識別子と前記容器識別番号とを利用者データベースに設定し、
コンピュータが、前記複数の店舗のいずれかの店舗において、前記利用権購入者により持参された空の容器と交換することを条件に、前記利用権購入者により持参された空の容器とは別の容器に入れられた販売物が購入されると、前記別の容器の容器識別番号を含む前記販売物の購入履歴を前記端末装置から受信し、受信した前記販売物の購入履歴を前記利用者データベースに設定するサービス提供方法。
【請求項14】
複数の店舗の各店舗により複数の利用者の各利用者に販売される販売物を入れる容器を、前記複数の利用者の間でシェアするサービスを提供するサービス提供装置であって、前記複数の利用者の各利用者が利用する利用者端末装置と前記複数の店舗の各店舗が利用する店舗端末装置との少なくともいずれかの端末装置と通信するサービス提供装置に用いられるサービス提供プログラムにおいて、
前記複数の利用者のいずれかの利用者により容器の利用権が購入されると、前記利用権を購入した利用者を利用権購入者として識別する利用者識別子と、前記利用権購入者に渡された容器を識別する容器識別番号とを前記端末装置から受信し、前記利用者識別子と前記容器識別番号とを利用者データベースに設定する情報設定処理と、
前記複数の店舗のいずれかの店舗において、前記利用権購入者により持参された空の容器と交換することを条件に、前記利用権購入者により持参された空の容器とは別の容器に入れられた販売物が購入されると、前記別の容器の容器識別番号を含む前記販売物の購入履歴を前記端末装置から受信し、受信した前記販売物の購入履歴を前記利用者データベースに設定する履歴設定処理と
をコンピュータに実行させるサービス提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サービス提供装置、端末装置、サービス提供方法、および、サービス提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染症の影響により、人々が店舗において飲食物をテイクアウトする機会が急増しており、プラスチック容器ごみの増加が環境問題となっている。
また、飲食店といった店舗においてはテイクアウト販路を定着させることが、店舗存続のためにも必要となっている。
このように、プラスチック容器ごみの削減とテイクアウト販路の定着とを両立させることが急務である。
【0003】
特許文献1には、商品の流通に用いる再利用可能な通い容器を、貸出者からセンターに保管委託し、センターから商品の生産者に通い容器の貸出をし、生産者がセンターに商品を販売する際に通い容器をセンターに返却するレンタルシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-135155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたレンタルシステムでは、生産者が通い容器をセンターに返却するという負担を解消することはできない。
マイボトルあるいはマイタッパーといった容器を客に持参してもらい、持参した容器に飲食物を入れて販売するといった方式を試している自治体あるいは店舗がある。しかし、マイボトルあるいはマイタッパーを利用する方式では、客の所有するマイボトルあるいはマイタッパーに飲食物を入れる必要があるため、客は常に清潔な状態を保ちつつマイボトルあるいはマイタッパーを持ち歩く必要がある。また、店舗において飲食物を容器に入れる際の待ち時間も必要になる。よって、マイボトルあるいはマイタッパーを利用する方式はなかなか定着しない。
また、店舗が容器を購入し、店舗が客である利用者に容器をシェアするという取り組みも試されている。しかし、この取り組みでは、店舗に容器代を負担させることになり、また、利用者による容器の返却の負担を解消することができず、定着が難しい。
【0006】
本開示では、販売物を入れる容器を複数の利用者の間でシェアしやすいサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るサービス提供装置は、複数の店舗の各店舗により複数の利用者の各利用者に販売される販売物を入れる容器を、前記複数の利用者の間でシェアするサービスを提供するサービス提供装置であって、前記複数の利用者の各利用者が利用する利用者端末装置と前記複数の店舗の各店舗が利用する店舗端末装置との少なくともいずれかの端末装置と通信するサービス提供装置において、
前記複数の利用者のいずれかの利用者により容器の利用権が購入されると、前記利用権を購入した利用者を利用権購入者として識別する利用者識別子と、前記利用権購入者に渡された容器を識別する容器識別番号とを前記端末装置から受信し、前記利用者識別子と前記容器識別番号とを利用者データベースに設定する情報設定部と、
前記複数の店舗のいずれかの店舗において、前記利用権購入者により持参された空の容器と交換することを条件に、前記利用権購入者により持参された空の容器とは別の容器に入れられた販売物が購入されると、前記別の容器の容器識別番号を含む前記販売物の購入履歴を前記端末装置から受信し、受信した前記販売物の購入履歴を前記利用者データベースに設定する履歴設定部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るサービス提供装置によれば、店舗側の負担と利用者側の負担とを低減するサービスを提供することができ、ごみの削減といった環境問題にも貢献することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係るサービス提供システムの全体構成例を示す図。
図2】実施の形態1に係るサービス提供装置の構成例を示す図。
図3】実施の形態1に係る利用者端末装置の構成例を示す図。
図4】実施の形態1に係る店舗端末装置の構成例を示す図。
図5】実施の形態1に係る店舗および利用者が容器シェアサービスに初めて登録する際のサービス提供システムの動作を示すシーケンス図。
図6】実施の形態1に係る店舗データベースの構成例を示す図。
図7】実施の形態1に係る容器データベースの構成例を示す図。
図8】実施の形態1に係る利用者データベースの構成例を示す図。
図9】実施の形態1に係る利用権購入者が容器シェアサービスを2回目以降に利用する際のサービス提供システムの動作を示すシーケンス図。
図10】実施の形態1に係る利用権購入者に各種情報を提供する際のサービス提供システムの動作を示すシーケンス図。
図11】実施の形態1に係るサービス提供システムによる容器シェアサービスの利用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。また、以下の図では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向および向きを限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係るサービス提供システム500の全体構成例を示す図である。
サービス提供システム500は、サービス提供装置100と利用者端末装置200と店舗端末装置300を備える。サービス提供装置100と利用者端末装置200と店舗端末装置300とは、互いにネットワーク400を介して通信可能である。
【0012】
サービス提供装置100は、複数の利用者の間で、店舗30において利用者20に販売される販売物60を入れる容器50をシェアするサービスを提供するための装置である。店舗30が販売する販売物60を入れる容器50を複数の利用者の間でシェアするサービスを容器シェアサービスともいう。
サービス提供装置100は、容器シェアサービスを提供するサービス提供会社10により利用されるコンピュータである。
【0013】
店舗30は、例えば、食品を調理して販売する飲食店、調理済みの食品を販売するコンビニエンスストア、あるいは弁当店といった店である。この場合、販売物を、料理、飲食物、食品、あるいは、調理食品等と読み替えてもよい。また、容器50は、シェア容器、シェア専用容器、弁当箱、あるいは、シェアボックス等と読み替えてもよい。
あるいは、店舗30は、食品以外の物を販売する店であってもよい。例えば、店舗30が、販売物として、本、雑貨、衣料品、薬あるいはその他の物品を容器50に入れて販売する店であってもよい。
【0014】
利用者端末装置200は、容器シェアサービスを受ける利用者20により利用されるコンピュータである。具体的には、利用者端末装置200は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、あるいは、携帯型情報端末装置といったコンピュータである。
【0015】
店舗端末装置300は、容器シェアサービスを受ける店舗30により利用されるコンピュータである。具体的には、店舗端末装置300は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、あるいは、携帯型情報端末といったコンピュータである。
【0016】
サービス提供システム500において、容器シェアサービスは、サービス提供システム500に加盟店登録した店舗30と、容器の利用権52を購入した利用者20である利用権購入者21に対して提供される。
【0017】
サービス提供システム500が提供する容器シェアサービスを実現する際の、サービス提供装置100と利用者端末装置200と店舗端末装置300との各装置の機能および動作については、後で詳しく説明する。なお、サービス提供装置100と利用者端末装置200と店舗端末装置300との各装置をサービス提供システム500の各装置と呼ぶ場合がある。また、利用者端末装置200と店舗端末装置300とを単に端末装置と呼ぶ場合がある。
【0018】
次に、サービス提供システム500の各装置の構成について説明する。
【0019】
図2は、本実施の形態に係るサービス提供装置100の構成例を示す図である。
サービス提供装置100は、コンピュータである。サービス提供装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0020】
サービス提供装置100は、機能要素として、情報設定部110と履歴設定部120と通知部130と記憶部140を備える。記憶部140には、店舗データベース141と容器データベース142と利用者データベース143が記憶される。
【0021】
情報設定部110と履歴設定部120と通知部130の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部140は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部140は、補助記憶装置922に備えられていてもよい。
【0022】
プロセッサ910は、サービス提供プログラムを実行する装置である。サービス提供プログラムは、情報設定部110と履歴設定部120と通知部130の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0023】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0024】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。Bluetooth(登録商標)といった無線機器による入力インタフェース接続も含まれる。
【0025】
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器941のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
【0026】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、LAN、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。
【0027】
サービス提供プログラムは、サービス提供装置100において実行される。サービス提供プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、サービス提供プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、サービス提供プログラムを実行する。サービス提供プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されているサービス提供プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、サービス提供プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0028】
サービス提供プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0029】
情報設定部110と履歴設定部120と通知部130の各部の「部」を「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、あるいは「サーキットリー」に読み替えてもよい。サービス提供プログラムは、情報設定処理と履歴設定処理と通知処理を、コンピュータに実行させる。情報設定処理と履歴設定処理と通知処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」、または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。
サービス提供プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、サービス提供プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。また、サービス提供プログラムは、ダウンロード可能なアプリケーションとして提供されてもよい。
【0030】
図3は、本実施の形態に係る利用者端末装置200の構成例を示す図である。
図4は、本実施の形態に係る店舗端末装置300の構成例を示す図である。
利用者端末装置200は、機能要素として、初期情報送信部210と購入履歴送信部220と要求部230と表示部240と記憶部250を備える。初期情報送信部210と購入履歴送信部220と要求部230と表示部240の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部250は、メモリ921、あるいは、補助記憶装置922に備えられる。
また、店舗端末装置300は、機能要素として、販売管理部310と店舗送信部320と記憶部330を備える。販売管理部310と店舗送信部320の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部330は、メモリ921、あるいは、補助記憶装置922に備えられる。
利用者端末装置200および店舗端末装置300の各々のハードウェアの構成および機能は、サービス提供装置100と同様である。
【0031】
***動作の説明***
次に、図5から図10を用いて、本実施の形態に係るサービス提供システム500の各装置の動作について説明する。サービス提供システム500の各装置の動作手順は、サービス提供処理あるいはサービス提供方法に相当する。また、サービス提供システム500の各装置の動作を実現するプログラムは、サービス提供プログラムに相当する。
【0032】
上述したように、サービス提供装置100は、複数の店舗の各店舗により複数の利用者の各利用者に販売される販売物を入れる容器を、複数の利用者の間でシェアする容器シェアサービスを提供する。サービス提供装置100は、サービス提供会社10により利用される。
また、利用者端末装置200は、複数の利用者の各利用者により利用される。
また、店舗端末装置300は、複数の店舗の各店舗により利用される。
【0033】
図5は、本実施の形態に係る店舗30および利用者20が容器シェアサービスに初めて登録する際のサービス提供システム500の動作を示すシーケンス図である。
【0034】
<加盟店登録処理>
ステップS11からステップS14では、店舗30がサービス提供システム500に加盟店登録する際におけるサービス提供システム500の各装置の動作を示す。
店舗端末装置300には、サービス提供会社10が店舗向けに提供するアプリケーションがダウンロードされる。店舗端末装置300は、ダウンロードされた店舗向けのアプリケーションを用いて、店舗端末装置300の機能を実現する。あるいは、店舗端末装置300は、WEBベースで提供される店舗向けのアプリケーションを用いて、店舗端末装置300の機能を実現してもよい。
【0035】
ステップS11において、店舗端末装置300の店舗送信部320は、サービス提供装置100に対して、容器シェアサービスに加盟店として登録することを要求する加盟店登録要求を送信する。
店舗送信部320は、店名、住所、連絡先、および、店舗の特徴といった情報を加盟店登録要求に含めてサービス提供装置100に送信する。
具体的には、店舗送信部320は、店舗30の管理者から店名、住所、連絡先、および、店舗の特徴といった情報の入力を受け付け、加盟店登録要求に含めてサービス提供装置100に送信する。
【0036】
ステップS12において、サービス提供装置100の情報設定部110は、店舗端末装置300から加盟店登録要求を受信し、加盟店登録要求に基づいて店舗30に関する情報を店舗データベース141に設定する。
【0037】
図6は、本実施の形態に係る店舗データベース141の構成例を示す図である。
店舗データベース141には、店舗30を識別する店舗識別子411、店名412、住所および連絡先413、ならびに、店舗の特徴414といった情報が設定される。店舗の特徴414には、店舗が販売する販売物の特徴、あるいは、店舗がアピールしたいキャンペーンといった情報が含まれる。例えば、レストランであれば、料理のジャンル、おすすめの料理、あるいは、価格帯といった情報が、店舗の特徴414に設定される。
また、後述するが、店舗データベース141には、加盟店登録の際に店舗30に対して販売された容器の販売個数415が設定される。
【0038】
図7は、本実施の形態に係る容器データベース142の構成例を示す図である。
サービス提供会社10は、容器製造業者に容器50の製造を発注し、製造された容器50を複数保管している。容器50には、QRコード(登録商標)またはバーコードといった2次元コード、あるいは、ICチップが付与される。容器50に付与された2次元コード、あるいは、ICチップには、容器50を識別する容器識別番号51が含まれる。容器識別番号51は、サービス提供システム500の各装置が備える読み取り装置で読み取れる形式により、容器50に付与されていればよい。
本実施の形態では、容器50に容器識別番号51を含むQRコード(登録商標)が付与されているものとする。
【0039】
サービス提供装置100は、サービス提供会社10により保管された容器50の容器識別番号の一覧が設定された容器データベース142を備える。
なお、本実施の形態では、番号で容器を識別しているが、容器を識別できる識別子であれば番号でなくてもよい。
【0040】
図7に示すように、容器データベース142には、容器識別番号421、および、容器が保管された店舗の履歴422が設定されている。店舗の履歴422には、容器50が店舗に所属した日にち221、店舗を識別する店舗識別子222、および、保管情報223が設定される。
【0041】
保管情報223は、容器50が店舗30と利用権購入者21とのいずれに保管されているかを表す情報である。図7では、容器が店舗30に保管されている場合は、保管情報223に1が設定され、容器が利用権購入者21に保管されている場合は、保管情報223に0が設定される。保管情報223は、容器50が店舗30と利用権購入者21とのいずれに保管されているかを表す情報であれば、どのような形式の情報でも構わない。
【0042】
図7において、容器識別番号「1001」の容器の最新の店舗の履歴は、日にち「2021/01/20」、店舗識別子「TT0003」、保管情報「0」である。この最新の履歴により、容器識別番号「1001」の容器は、「2021/01/20」に店舗「TT0003」で販売物が販売された際に、その販売物が入れられて利用権購入者21に渡され、利用権購入者21に保管されている状態であることがわかる。
また、容器識別番号「1002」の容器の最新の店舗の履歴は、日にち「2021/02/03」、店舗識別子「TT0001」、保管情報「1」である。この最新の履歴により、容器識別番号「1002」の容器は、「2021/02/03」に店舗「TT0001」で販売物を販売した際に利用権購入者21により持参されて店舗「TT0001」に保管されている状態であることがわかる。
容器データベース142の保管情報223は店舗の容器の在庫数を算出するために用いられるため、保管情報223に利用権購入者21の利用者識別子を設定する必要はない。
【0043】
ステップS13において、サービス提供会社10により、加盟店登録した店舗30に対して、容器50が販売される。
ステップS14において、サービス提供装置100の情報設定部110は、店舗30に対して販売した容器50の販売個数を店舗データベース141に設定する。
また、情報設定部110は、店舗30に対して販売した容器50の各々について、店舗の履歴を容器データベース142に設定する。例えば、容器識別番号「1001」から「1010」の10個の容器50が店舗識別子TT0002のBすし店に販売された場合、情報設定部110は、店舗30に対して販売した10個の容器の各々について、容器データベース142に店舗の履歴を設定する。
【0044】
<初回販売物購入処理>
ステップS21からステップS26では、利用者20が容器シェアサービスに登録し、初めて店舗30から販売物を購入する際のサービス提供システム500の各装置の動作を示す。
利用者端末装置200には、サービス提供会社10が利用者向けに提供するアプリケーションがダウンロードされる。利用者端末装置200は、利用者向けのアプリケーションを用いて、利用者登録要求および購入履歴をサービス提供装置100に送信する。あるいは、利用者端末装置200は、WEBベースで提供される利用者向けのアプリケーションを用いて、利用者登録要求および購入履歴をサービス提供装置100に送信してもよい。
利用者向けのアプリケーションにより、利用者端末装置200の機能が実現される。
【0045】
例えば、利用者端末装置200は、容器50に付与されたQRコード(登録商標)を読み取ることで、利用者向けのアプリケーションを取得してもよい。利用者端末装置200は、容器50に付与されたQRコード(登録商標)から利用者向けのアプリケーションを取得することで、容器50の容器識別番号51を自動的に取得することができる。
【0046】
ステップS21において、容器シェアサービスの提供を希望する利用者20により、店舗30において容器の利用権52が購入されるとともに店舗30から販売物60が購入される。
例えば、利用者20は、店舗30で販売物を購入する際、容器シェアサービスの提供を希望する。店舗30は、利用者20に容器の利用権52の代金と販売物60の代金とを請求する。利用者20により代金が支払われると、店舗30は、利用者20を容器の利用権52を購入した利用権購入者21として、容器50に入れた販売物60を渡す。
利用者登録の際、利用者端末装置200は以下のように動作する。
【0047】
利用者20により容器の利用権が購入されると、ステップS22において、利用者端末装置200の初期情報送信部210は、利用者20を利用権購入者21として識別する利用者識別子と、利用権購入者21に渡された容器50を識別する容器識別番号とをサービス提供装置100に送信する。
具体的には、初期情報送信部210は、利用者識別子を含む利用者登録要求と、容器識別番号を含む初回の購入履歴をサービス提供装置100に送信する。なお、容器のみを購入する場合もある。
【0048】
初期情報送信部210は、利用権購入者21により入力される、氏名、年齢、住所、連絡先、および、嗜好情報といった情報を受け付け、利用者登録要求としてサービス提供装置100に送信する。嗜好情報とは、例えば、利用権購入者21における飲食に対する嗜好の情報である。
初期情報送信部210は、利用者登録要求を送信する利用権購入者21に対して、利用者識別子を自動付与し、利用者識別子を利用者登録要求に含めて送信する。あるいは、氏名、年齢、住所、あるいは連絡先といった個人情報の組み合わせにより構成された情報を、利用権購入者21を識別する利用者識別子としてもよい。
初期情報送信部210は、利用者登録を要求する利用者登録要求をサービス提供装置100に送信する。
【0049】
さらに、初期情報送信部210は、利用権購入者21により初回に購入された販売物の情報を販売物の購入履歴として、サービス提供装置100に送信する。販売物の購入履歴には、購入日時、購入した店舗の店舗識別子、販売物が入れられた容器50の容器識別番号、および、販売物を示す情報が含まれる。
【0050】
ステップS23において、サービス提供装置100の情報設定部110は、利用者識別子と容器識別番号とを利用者端末装置200から受信し、利用者識別子と容器識別番号とを利用者データベース143に設定する。
情報設定部110は、利用者登録情報と初回の購入履歴とを利用者端末装置200から受信し、利用者登録情報と初回の購入履歴に設定されている情報を利用者データベース143に設定する。例えば、情報設定部110は、利用者登録情報に含まれる嗜好情報を取得し、嗜好情報を利用者データベース143に設定する。
【0051】
図8は、本実施の形態に係る利用者データベース143の構成例を示す図である。
利用者データベース143には、利用者識別子431、氏名432、年齢433、嗜好情報434、累積ポイント435、および、購入履歴436が設定される。
購入履歴436には、購入日時361、店舗識別子362、容器識別番号363、販売物364、および、付加価値ポイント365が設定される。
累積ポイント435は、購入履歴436に設定されている付加価値ポイント365の合計である。
嗜好情報434は、例えば、利用権購入者の飲食に対する嗜好に関する情報である。なお、店舗30が飲食店以外の場合、店舗30で販売する販売物に関する利用権購入者21の嗜好が設定される。例えば、販売物が本であれば、利用権購入者21の好きな本のジャンルといった嗜好が設定される。
【0052】
情報設定部110は、利用者端末装置200から送信された利用者識別子と容器識別番号とを受信し、利用者識別子と容器識別番号とを利用者データベース143に設定する。
具体的には、情報設定部110は、利用者端末装置200から送信された利用者登録要求に含まれる利用者識別子、氏名、年齢、および嗜好情報といった各種の情報を利用者データベース143に設定する。
また、情報設定部110は、利用者端末装置200から送信された初回の購入履歴に含まれる購入日時、店舗識別子、容器識別番号、および販売物といった各種の情報を利用者データベース143に設定する。
【0053】
ステップS24において、情報設定部110は、初回の購入履歴に基づいて、容器データベース142の店舗の履歴422を設定する。具体的には、情報設定部110は、利用権購入者21が購入した販売物が入れられた容器50の店舗の履歴422の欄に、購入履歴に対応する日にち、店舗識別子、および保管情報を設定する。例えば、「2021/01/17」に、店舗識別子「TT0002」の店舗にて、販売物が容器識別番号「1002」の容器に入れられて販売されたという購入履歴を受信したとする。このとき、情報設定部110は、容器データベース142の店舗の履歴422に、日にち「2021/01/17」、店舗識別子「TT0002」、容器が利用権購入者21により保管されていることを示す保管情報「0」を設定する。
【0054】
ステップS25において、サービス提供装置100は、各種の通知を利用者端末装置200に送信する。
ステップS26において、利用者端末装置200は、サービス提供装置100から送信された各種の通知を表示機器に表示する。
なお、各種の通知については、後で詳しく説明する。
【0055】
図9は、本実施の形態に係る利用権購入者21が容器シェアサービスを2回目以降に利用する際のサービス提供システム500の動作を示すシーケンス図である。
【0056】
<2回目以降販売物購入処理>
ステップS31からステップS39では、利用者20が初回購入をした後、利用権購入者21として2回目以降に店舗から販売物を購入する際におけるサービス提供システム500の各装置の動作を示す。
このとき、本実施の形態に係る容器シェアサービスでは、利用権購入者21は、前回販売物を購入した店舗とは別の店舗から販売物を購入することが可能である。
【0057】
ステップS31において、利用権購入者21は、前回、店舗で販売物を購入した際に渡された容器を持参して、今回販売物を購入する店舗30に来店する。
ステップS32において、店舗30は、利用権購入者21により持参された空の容器と交換することを条件に、販売物を利用権購入者21に販売する。このとき、店舗30は、利用権購入者21により持参された空の容器とは別の容器に販売物を入れて、利用権購入者21に渡す。
なお、持参した容器に販売物を入れても構わない。このとき、同じ容器識別番号の容器に交換と捉えれば本実施の形態を適用可能である。利用者の待ち時間が長くなる場合もあるが、自分専用の容器を使い続けたい利用者がいる場合に有効である。
【0058】
ステップS33において、利用者端末装置200の購入履歴送信部220は、利用権購入者21により持参された空の容器とは別の容器の容器識別番号を含む販売物の購入履歴をサービス提供装置100に送信する。
具体的には、店舗から利用権購入者21により持参された空の容器とは別の容器に入れられた販売物が利用権購入者21に渡されると、利用者端末装置200の利用者用アプリケーションが起動される。例えば、利用権購入者21が、店舗から渡された容器に付与されているQRコード(登録商標)を読み取ることで、利用者用アプリケーションが起動され、購入履歴送信部220は、購入日時、および、容器識別番号を自動的に取得する。
【0059】
購入履歴送信部220は、利用権購入者21から、店舗識別子と販売物を示す情報とを取得し、購入日時、店舗識別子、容器識別番号、および、販売物を示す情報を含む購入履歴をサービス提供装置100に送信する。購入履歴送信部220は、店舗30に置いてある2次元コードを読み取ることで店舗識別子を取得してもよい。あるいは、購入履歴送信部220は、店舗の一覧を利用者端末装置200の表示機器に表示し、利用権購入者21に店舗を選択させてもよい。また、購入履歴送信部220は、販売物のジャンルの一覧を表示機器に表示し、利用権購入者21に購入した販売物を含むジャンルを選択させてもよい。
【0060】
ステップS34において、サービス提供装置100の履歴設定部120は、販売物の購入履歴を利用者端末装置200から受信し、受信した販売物の購入履歴に含まれる情報を利用者データベース143に設定する。
また、情報設定部110は、購入履歴に基づいて、容器データベース142の店舗の履歴422を設定する。
【0061】
ステップS35において、履歴設定部120は、販売物の購入に応じて利用権購入者21に付加価値を付与するための付加価値ポイントを利用者データベース143に設定する。
サービス提供装置100の通知部130は、利用権購入者21に付加価値ポイントが付与されたことを示すポイント付与の通知71を利用者端末装置200に送信する。
【0062】
ステップS36において、利用者端末装置200の表示部240は、サービス提供装置100から、ポイント付与の通知71を受信し、ポイント付与の通知71を表示機器に表示する。
【0063】
<貢献度情報表示処理>
ステップS37からステップS39では、利用権購入者21に貢献度情報72を提供する際のサービス提供システム500の動作を示す。
【0064】
ステップS37において、サービス提供装置100の通知部130は、販売物の購入履歴を利用者端末装置200から受信すると、利用者データベース143に基づいて利用権購入者21の販売物の購入回数を算出する。通知部130は、販売物の購入回数を用いて利用権購入者21による省エネルギーに対する貢献度を表す貢献度情報72を生成する。
【0065】
ステップS38において、通知部130は、貢献度情報72を利用者端末装置200に送信する。
【0066】
ステップS39において、利用者端末装置200の表示部240は、サービス提供装置100から貢献度情報72を受信し、貢献度情報72を表示機器に表示する。
なお、サービス提供装置100は、利用権購入者21からの貢献度情報の通知要求を受信した場合のみ、貢献度情報72を生成する構成としてもよい。あるいは、利用権購入者21が、利用者登録時に、貢献度情報72を受け取るか否かを選択する構成でもよい。
【0067】
貢献度が実感できる貢献度情報72の表示例を、以下に示す。
通知部130は、「現在、レジ袋〇枚分の貢献です」、あるいは、「現在、プラスチック容器〇個分の貢献です」といった貢献度情報72を生成する。この貢献度情報72は、予め1回の購入で節約できるレジ袋あるいはプラスチック容器の量(1回の節約量)を取得しておき、累積購入回数に1回の節約量を乗算することにより生成することができる。
また、通知部130は、1回の購入ごとに、1回の節約量を貢献度情報72として利用者端末装置200に送信してもよい。
【0068】
また、通知部130は、「前月比〇%プラスチック容器減りました!」といった貢献度情報72を生成してもよい。この貢献度情報72は、毎月の累積購入回数に1回の節約量を乗算することで毎月の節約量を算出し、月末に前月の節約量との比を算出することにより生成することができる。
【0069】
また、通知部130は、「CO2排出量を~抑えました」といった貢献度情報72を生成してもよい。この貢献度情報72についても、予め1回の購入で抑制できるCO2排出量を取得しておき、上述した方法と同様の方法により生成することが可能である。
なお、上述した貢献度情報以外でも、利用権購入者21が貢献度を実感できる情報であればどのような情報であってもよい。
【0070】
図10は、本実施の形態に係る利用権購入者21あるいは店舗30に各種情報を提供する際のサービス提供システム500の動作を示すシーケンス図である。
【0071】
<容器足跡情報表示処理>
ステップS41からステップS44では、利用権購入者21に容器足跡情報73を提供する際のサービス提供システム500の動作を示す。
【0072】
ステップS41において、利用者端末装置200の要求部230は、利用権購入者21により利用された容器が保管された店舗の履歴を要求する容器履歴要求70をサービス提供装置100に送信する。
具体的には、要求部230は、利用権購入者21からの容器識別番号の指定を受け付け、指定された容器識別番号を含む容器履歴要求70をサービス提供装置100に送信する。利用権購入者21は、過去の購入履歴等から容器識別番号を選択してもよい。
【0073】
ステップS42において、通知部130は、利用者端末装置200から容器履歴要求70を取得すると、容器データベース142から容器履歴要求70に含まれる容器識別番号の容器が保管された店舗の履歴を抽出する。
具体的には、通知部130は、容器履歴要求70に含まれる容器識別番号を基に、容器データベース142を参照する。通知部130は、容器履歴要求70に含まれる容器識別番号に対応する店舗の履歴を抽出し、容器が保管された店舗の履歴を示す容器足跡情報73を生成する。
【0074】
ステップS43において、通知部130は、容器足跡情報73を利用者端末装置200に送信する。
ステップS44において、利用者端末装置200の表示部240は、サービス提供装置100から、容器履歴要求70に対する応答として容器足跡情報73を受信し、容器足跡情報73を表示機器に表示する。
【0075】
利用権購入者21に容器足跡情報73を提示することにより、利用権購入者21は、自分が利用した容器がどんな店舗をめぐっているのか、また、その後どんな店舗により利用されているのかを知ることができる。すなわち、利用権購入者21は、容器が旅した足跡を知ることができる。
このように、利用権購入者21に容器が旅した足跡を見てもらうことで、「環境問題の貢献に活躍しているなあ」と思ってもらうことができる。また、利用権購入者21自身も履歴を残したことで、利用権購入者21に環境問題に貢献した実感を得てもらうことができる。また、容器が旅した足跡を見てもらうことで、「この店も行ってみよう」と思ってもらうことができ、販売促進につなげることができる。
自分だけの貢献度だけでなく、活動に参加している他の人、店舗の総貢献度も表現することにより、仲間意識、チームとしての取り組みとしての一体感を醸成することができる。
また、容器を「使いまわし」ている、あるいは、容器が「中古」であるというイメージを、ポジティブなイメージに変えることができる。
【0076】
<在庫数通知処理>
ステップS51からステップS53では、サービス提供会社10、店舗30、あるいは利用権購入者21に対し、容器の在庫数に基づく情報を提示する際のサービス提供システム500の動作を示す。
【0077】
ステップS51において、通知部130は、容器データベース142に基づいて複数の店舗の各店舗における在庫数を算出する。
具体的には、通知部130は、容器データベース142における店舗の履歴の最新履歴から、各店舗に保管されている容器の在庫数を計数する。
【0078】
また、通知部130は、各店舗の容器の在庫数の合計値を累積在庫数として算出する。通知部130は、累積在庫数が予め定められた閾値以上である場合に、累積在庫数が閾値以上であることを示す通知を表示機器に表示する。累積在庫数は、店舗がサービス提供者から仕入れた容器の個数のうち、店舗の在庫として存在する個数の総個数である。
【0079】
また、通知部130は、各店舗の容器の在庫数に基づいて、各店舗向けの販売促進情報74を店舗端末装置300に送信してもよい(ステップS52)。
例えば、通知部130は、各店舗の容器の在庫数が予め定められた閾値以上の場合に、お店独自のプレゼントキャンペーンあるいは割引クーポンの発行といった販売促進に関する情報を販売促進情報74として店舗端末装置300に送信する。販売促進情報74には、ステッカー、あるいは、POP(Point Of Purchas)といった販促物配布に関する情報も含まれる。各店舗の容器の在庫数が閾値以上とは、容器の売れ行き(初回購入者)が良くない状況を表しているため、販売促進情報74が有効となる。
【0080】
また、累積在庫数が予め定められた閾値以上の場合に、通知部130は、販売促進のために容器シェアサービス全体として実施するアクションに関する情報をお得情報75として利用者端末装置200に送信してもよい(ステップS53)。お得情報75としては、ポイント割り増しキャンペーン、加盟店であればどの店舗でも利用できるクーポンの発行、あるいは、店舗を巡るスタンプラリーの実施といった情報である。
【0081】
<おすすめ情報通知処理>
ステップS61からステップS63では、利用権購入者21の嗜好に基づくおすすめ情報76を利用者端末装置200に通知する際のサービス提供システム500の動作を示す。
【0082】
ステップS61において、通知部130は、利用者データベース143に設定された嗜好情報に基づいて、店舗データベース141から利用権購入者21に推奨する店舗の情報を抽出する。
ステップS62において、通知部130は、利用権購入者21に推奨する店舗の情報をおすすめ情報76として利用者端末装置200に送信する。
ステップS63において、利用者端末装置200の表示部240は、サービス提供装置100からおすすめ情報76を受信し、受信したおすすめ情報76を表示機器に表示する。
また、ダイエットしたい、アスリート用など、1店舗で実現できない、1週間のメニューをどの店を回ればよいかといった情報を、おすすめ情報76として提供してもよい。
【0083】
***他の構成***
<変形例1>
本実施の形態で説明した、利用者端末装置200の一部または全部の機能を、店舗端末装置300が実行してもよい。
例えば、店舗端末装置300が、販売物の購入履歴をサービス提供装置100に送信するとしてもよい。
【0084】
例えば、複数の店舗のいずれかの店舗がサービス提供会社10から購入した容器の利用権を複数の利用者のいずれかの利用者に販売すると、店舗端末装置300が、初回の販売物の購入履歴をサービス提供装置100に送信する。
具体的には、店舗端末装置300の店舗送信部320は、店舗識別子と、利用権購入者に渡された容器の容器識別番号とを含む販売物の購入履歴をサービス提供装置100に送信する。
【0085】
また、利用権購入者が2回目以降に販売物を購入する場合にも、店舗端末装置300が、販売物の購入履歴をサービス提供装置100に送信するとしてもよい。
具体的には、店舗送信部320は、利用権購入者21により持参された空の容器と交換することを条件に、利用権購入者により持参された空の容器とは別の容器に入れられた販売物を販売すると、別の容器の容器識別番号を含む販売物の購入履歴をサービス提供装置100に送信してもよい。
【0086】
このように、店舗が利用者の代わりに店舗端末装置300を利用して利用者端末装置200と同じ操作をすることにより、利用者端末装置200を有していない利用者または利用者端末装置200を使いこなせない利用者に対して、このサービスを提供することができる。
また、店舗端末装置300においてサービス提供装置100から利用者端末装置200にどのような情報が配信されているかを知ることができる。
【0087】
また、利用者の貢献度だけでなく、店舗の貢献度(シェア容器での提供回数から算出)も算出し、利用者が参照する店舗情報に店舗の貢献度情報を反映させてもよい。これにより、店舗のイメージアップ、および、活動に対する意欲向上が期待できる。
【0088】
<変形例2>
本実施の形態では、容器50に付加されたQRコード(登録商標)(あるいは半導体チップ等)を読み取ることで取得できるアプリケーションにより、利用権購入者が以下のようなサービスを受けることについて説明した。
・各種クーポン発行
・各店舗のキャンペーン情報
【0089】
その他にも、以下のサービスを受けることができるようにしてもよい。
・サービス提供装置100による予約注文専用ページの利用
サービス提供装置100は、予約注文専用ウェブページを利用者端末装置200に提供する。
サービス提供装置100は、予約注文専用ウェブページにより利用者端末装置200から予約注文を受け付けると、店舗端末装置300に予約注文を転送する。
その際、サービス提供装置100は、利用者端末装置200との間で、電子マネーにより決済を済ませておく。サービス提供装置100は、店舗端末装置300に決済済みを知らせ、利用者端末装置200との間で、電子マネーにより決済を済ませる。
・店舗端末装置300による予約注文専用ページの利用
店舗端末装置300は、予約注文専用ウェブページを利用者端末装置200に提供する。
店舗端末装置300は、予約注文専用ウェブページにより利用者端末装置200から予約注文を受け付けると、サービス提供装置100に予約注文を転送する。
その際、店舗端末装置300は、利用者端末装置200との間で、電子マネーにより決済を済ませておく。
・シェアサービス特有のキャンペーン情報
以下のような、容器のシェアサービスに特有のキャンペーン情報を配信する。
1.期間ごとの加盟店舗全体での販売件数による割り引き情報
1日、1週間、または、1か月の加盟店舗全体での販売件数が所定の件数を超えた場合、割り引き情報を配信する。
2.地域ごとの加盟店舗全体での販売件数による割り引き情報
1丁目の加盟店舗全体、2丁目の加盟店舗全体、3丁目の加盟店舗全体などの各地域の加盟店舗全体での販売件数が所定の件数を超えた場合、割り引き情報を配信する。
3.近所の利用者による割り引き情報
利用者から予約を受けた場合、「ご近所様が予約されましたので、併せてご予約をいただければ10%割り引きます」などの、近所の利用者による割り引き情報を配信する。
・環境あるいはごみに関する情報(市のごみの量の状況等)の受信
【0090】
<変形例3>
店舗では、サービス提供会社から容器を仕入れて、容器の利用権を利用者に販売する。このとき、店舗が利用者から販売手数料をいただき販売手数料を売上としてもよい。これにより、容器の利用権を利用者に販売することによる売り上げを確保することができる。
【0091】
<変形例4>
サービス提供会社10が、利用権購入者21から戻された容器を店舗から回収し、洗浄し、配送するサービスを行ってもよい。その場合、サービス提供装置100は、回収および洗浄中の容器については、容器データベースにおいて回収および洗浄中の保管情報を設定できるものとする。これにより、容器が常に清潔であることをアピールすることができる。
また、どのように洗浄されているか不安に思う利用者には、自分でセットして洗浄できるコンパクトな洗浄機を設置してもよい。例えば、眼鏡店に設置してある眼鏡の超音波洗浄器のような、食器を清潔に洗浄できる洗浄機を設置してもよい。
【0092】
<変形例5>
本実施の形態では、店舗データベース141と容器データベース142を別に用意しているが、2つのデータベースを統合したデータベースを用いてもよい。
サービス提供装置100は、データベースを用いて、各店舗における利用者数、容器の販売個数、および、容器の在庫数といった情報を管理してもよい。
また、サービス提供装置100は、データベースに各容器の使用期間あるいは使用回数を設定することで、容器の取り換え時期を管理してもよい。また、休眠容器あるいは破損容器の予測を行ってもよい。休眠容器が増えていると予測したときには店舗利用を促すキャンペーンを行うなどで活性化させる。
【0093】
また、サービス提供装置100は、加盟店向けのWEBサイトを提供し、各種の情報を加盟店で共有してもよい。サービス提供装置100は、加盟店向けのWEBサイトを用いて、販売促進情報を各店舗に提示してもよい。
店舗も足跡情報を参照し、分析することで、顧客の嗜好や、他店差別化を検討することができる。店舗が容器識別番号と利用者識別子の関連を知ることができれば、店独自の販促活動を展開することも可能となる。
【0094】
<変形例6>
サービス提供装置100は、加盟店向けの注文予約システムを提供してもよい。
加盟店向けのデータ共有、加盟店向けのWEBサイト、あるいは、加盟店向けの注文予約システムといったサービスを提供するにあたり、サービス提供会社10は、加盟店から管理費用として月会費をとってもよい。
【0095】
<変形例7>
サービス提供装置100は、在庫管理システムを提供してもよい。
サービス提供装置100は、在庫管理システムにより、各店舗の容器の購入数、販売数、交換回数を把握する。サービス提供装置100は、在庫管理システムにより店舗間での偏りを判定する。店舗間で偏りが出た場合、サービス提供会社10は、容器の回収あるいは容器の配送等を行い、店舗間のバランスを保つようにする。破損、老朽容器回収時、新品容器に足跡情報を引き継ぐことも可能とする。
【0096】
<変形例8>
サービス提供システム500を、出前システムに適用してもよい。
利用者20は、容器50により出前が配達された場合、2回目以降であれば空の容器50を配達者に渡す。配達者は容器50を店舗に戻す。
近隣の複数の利用者A,Bから、店舗Xに出前の注文がある場合、1回の出前で配達することができる。
近隣の複数の利用者A,Bから近隣の店舗Xと店舗Yとに個別の出前の注文がある場合も、1回の出前で配達することができる。
利用者Aから店舗Xに出前の注文がある場合、近隣の店舗Yは利用者Aの近隣の利用者B,C,Dに割引情報を送ることができる。
【0097】
<変形例9>
サービス提供システム500を、包装して販売する物品に適用してもよい。
スーパーマーケットは、米、肉、魚、野菜、果物などの包装して販売する物品を容器50に入れて販売する。利用者が、空の容器50を持参している場合は、定価通りに販売する。利用者が、空の容器50を持参していない場合は、容器50の利用権の料金を加算して販売する。
【0098】
<変形例10>
サービス提供システム500を、段ボール箱を利用している通信販売システム及び宅配システムに適用してもよい。
利用者20を通信販売利用者と考え、店舗30を通信販売業者と考え、段ボール箱を容器50にすれば、サービス提供システム500を通信販売システム及び宅配システムに適用することができる。
通信販売利用者は、容器50により購入物が宅配された場合、2回目以降であれば空の容器50を宅配業者に渡す。宅配業者は、容器50を通信販売業者に返送する。
【0099】
<変形例11>
容器50は、複数の店舗が共通して使用できるものがよい。
容器50は、料理・食物・液体を入れる場合は、蓋がある密閉可能な容器が好ましい。
容器50は、手提げ袋、手提げ鞄、リュックサックなどでもよい。
容器50は、異業種の店舗がシェアしてもよい。
容器50は、折り畳みできることが好ましい。
容器50は、軽く、壊れにくく、傷がつきにくく、洗浄しやすいものがよい。
容器50は、プラスチック製、アルミニウム製、セラミック製が好ましい。
容器50には、複数のサイズがあってもよい。
容器50には、複数種類の形状があってもよい。
【0100】
<変形例12>
本実施の形態では、サービス提供システム500の各装置の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、サービス提供システム500の各装置の機能がハードウェアで実現されてもよい。
具体的には、サービス提供装置100は、プロセッサ910に替えて電子回路を備える。
【0101】
電子回路は、サービス提供システム500の各装置の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
【0102】
サービス提供システム500の各装置の機能は、各装置に具備された1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
【0103】
別の変形例として、サービス提供システム500の各装置の機能の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。また、サービス提供システム500の各装置の機能の一部またはすべての機能がファームウェアで実現されてもよい。
【0104】
利用権とは、容器50を使用することができる権利である。
利用権とは、他人と容器50を共有して使用する権利である。
1個の利用権は、容器50を1個だけ使用ことができる権利である。
利用権の購入代金は、利用回数により相殺してもよい。利用者データベース143には、利用権の未払い金額と利用回数を記録し、所定の利用回数以上になった場合に利用権の未払い金額を0円とする。あるいは、利用者データベース143の利用回数の増加とともに未払い金額を減少させてもよい。
利用者は、複数の利用権を購入することができ、利用者データベース143には、利用権の個数と利用権毎の情報を記録する。
利用権は、転居しても使用することができる。利用者データベース143に、利用者の住所を記録している場合は住所を書き換える。
利用権は、他人に譲渡することができる。譲渡する場合、利用者データベース143の利用者の情報を書き換える。
利用権は、解約することができる。解約に当たり、購入料金を返還すれば、利用権の購入に躊躇がなくなる。
利用権は、利用権を他人に貸すことができる。例えば、利用権を購入していない近所の知人に空の容器50を貸し渡し、知人が空の容器50を持参して店舗30から新たな容器50に包装された販売物を購入することができる。利用権を購入していない近所の知人は、お試し体験をすることができる。利用権が他人により使用された場合、容器識別番号51を参照することにより、その容器50の利用権購入者21を判別することができ、利用権が他人により使用された場合でも、利用権購入者21の使用とみなして利用権購入者21の使用履歴を更新する。
利用権は、複数の利用者でシェアすることができる。1利用権を複数人でシェアする場合、利用者データベース143に複数の利用者の情報を記録すればよい。
利用権は、サービス提供会社10が店舗30に対して設定してもよい。店舗30が、サービス提供会社10から容器を購入してもよいし、サービス提供会社10から容器を利用する権利を購入してもよい。利用権は、サービス提供会社10が利用者20に対して設定してもよい。利用者20がサービス提供会社10から容器を利用する利用権を購入してもよい。容器データベース142には、容器50の所有者を記録しておけばよい。
利用権の使用の基本思想は、顧客を囲い込むことではない。
利用権の使用の基本思想は、容器をシェアすることにより、地球資源を節約することである。したがって、利用権の使用及び容器の使用は、閉鎖的なものではなく、自由開放的なものである。
【0105】
***本実施の形態の特徴の説明***
本実施の形態に係るサービス提供システムでは、容器のシェアサービスにおける店舗側の負担と利用者側の負担とを低減することで、テイクアウト販路の定着を促進するとともに、プラスチック容器ごみの削減といった環境問題にも貢献する。
本実施の形態に係るサービス提供システムでは、利用者により容器の利用権が購入されると、利用者識別子と容器識別番号とが利用者データベースに設定される。そして、いずれかの店舗において、利用権購入者により持参された空の容器と交換することを条件に、空の容器とは別の容器に入れられた販売物が購入されると、別の容器の容器識別番号を含む販売物の購入履歴が利用者データベースに設定される。
本実施の形態に係るサービス提供システムが提供するサービスは、サービスに登録している店舗であればどこでも、利用権購入者は、空の容器と交換することを条件に別の容器に入れられた販売物を購入できる。また、本開示に係るサービス提供装置が提供するサービスは、利用者が容器の利用権を購入することで店舗の負担を少なくする。また、本開示に係るサービス提供装置が提供するサービスは、販売物を購入する際に、店舗において購入した販売物と空の容器を交換すればよく、利用者における返却の負担が低減する。また、販売物を購入する際に、持参した空の容器とは別の容器に販売物が入れられるため、容器の洗浄のための待ち時間の負担も少なくする。
本実施の形態に係るサービス提供システムは、店舗側の負担と利用者側の負担とを低減するサービスを提供することができ、テイクアウト販路の定着を促進するとともに、プラスチック容器ごみの削減といった環境問題にも貢献する。
【0106】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係るサービス提供システムによれば、利用権購入者は、サービスに登録している店舗であればどこでも、空の容器と交換することで、別の容器に入れられた販売物を購入することができる。利用者は、販売物を購入する際に、店舗において購入した販売物と空の容器を交換すればよく、容器を渡された店舗に容器を返却しなければならないという利用者の負担が低減される。また、販売物を購入する際に、持参した空の容器とは別の容器に販売物が入れられるため、容器の洗浄のための待ち時間の負担も少なくすることができる。
また、本実施の形態に係るサービス提供システムによれば、利用者が容器の利用権を購入することで、店舗における容器のコストの負担を少なくすることができる。
【0107】
このように、本実施の形態に係るサービス提供システムによれば、利用者による容器の管理、容器の返却、あるいは、購入時の待ち時間といった負担、および、店舗による容器に関する負担を低減することができ、テイクアウト販路の定着を促進することができる。また、本実施の形態に係るサービス提供システムによれば、利用者および店舗の両者が、プラスチック容器ごみの削減といった環境問題に貢献することができ、よりテイクアウト販路の定着を促進することができる。
【0108】
図11は、本実施の形態に係るサービス提供システムによる容器シェアサービスの利用例を示す図である。
(1)容器の利用権を購入した利用権購入者が、初めて容器シェアサービスにより、Aレストランでピザを購入するものとする。Aレストランでは、サービス提供会社10から購入した複数の容器が保管されている。Aレストランでは、保管してある容器1にピザを入れて利用者20に販売する。このとき、Aレストランには、利用者から容器の利用権の代金が支払われるので、容器の代金を負担しなくてもよいことになる。
(2)利用権購入者は、容器1に入れられたピザを自宅等に持ち帰り、自宅等で食べ終わる。利用権購入者は、ピザを食べた後は、容器1を自宅で洗浄し、保管しておく。利用権購入者は、容器1を弁当箱あるいはタッパーとして自宅で使用してもよい。利用者20は、容器1をAレストランに返却する必要はない。
(3)利用権購入者は、次に、C和食店で天ぷら定食をテイクアウトしたいと考えたとする。このとき、利用権購入者は、空の容器1をC和食店に持参し、天ぷら定食をテイクアウトで注文する。
(4)C和食店は、空の容器1と交換に、容器1とは別の容器3に天ぷら定食を入れて利用権購入者に販売する。このとき、空の容器1と交換に、別の容器3に入れられた天ぷら定食が渡されるので、利用権購入者はすぐに天ぷら定食を受けとることができる。利用権購入者にとっては、別の容器3に天ぷら定食が入れられるので、容器1を清潔に保管して持ち歩くといった負担が少なくなる。また、予約しておけば、C和食店は、利用権購入者が到着する前に容器3に天ぷら定食を盛り付けることができるので、利用権購入者により早く天ぷら定食を渡すことができる。
(5)C和食店において、使用済みの容器1を洗浄して保管してもよい。あるいは、容器シェアサービスには、使用済みの容器1を回収して洗浄するサービスが含まれていてもよい。
【0109】
本実施の形態に係るサービス提供システム500によれば、利用者にとって以下のようなメリットがある。
・容器シェアサービスを使用することで、付加価値ポイントがたまり、購入時の割り引き等が受けられる。
・次回購入まで、容器を持ちっぱなしできる。容器の普段使いも可能である。
・加盟店であればどの店舗でも購入と引き換えに容器を返却できる。よって、自分のタイミングでいずれかの加盟店で容器を返却できる。
【0110】
また、本実施の形態に係るサービス提供システム500によれば、店舗にとって以下のようなメリットがある。
・容器にかけるコストを低減できる。
・利用者による飲食あるいは購入と交換する形で容器が返却されるので、返却ばかりになることがなく安心である。
・プラスチック容器ごみの削減といった環境問題に貢献しているというイメージアップにつながる。
・常連客を確保できる。
【0111】
このように、本実施の形態に係るサービス提供システム500によれば、店舗および利用者の両者の負担を大幅に低減することができ、環境問題への取り組みとテイクアウト販路の定着の両立を実現することができる。
【0112】
以上の実施の形態1では、サービス提供システムの各装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、サービス提供システムの各装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。サービス提供システムの各装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、サービス提供システムの各装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されてもよい。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、実施の形態の部分の自由な組み合わせ、あるいは実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0113】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
10 サービス提供会社、20 利用者、21 利用権購入者、30 店舗、50 容器、51 容器識別番号、52 容器の利用権、60,364 販売物、100 サービス提供装置、110 情報設定部、120 履歴設定部、130 通知部、140,250,330 記憶部、141 店舗データベース、142 容器データベース、143 利用者データベース、200 利用者端末装置、210 初期情報送信部、220 購入履歴送信部、230 要求部、240 表示部、300 店舗端末装置、310 販売管理部、320 店舗送信部、70 容器履歴要求、71 ポイント付与の通知、72 貢献度情報、73 容器足跡情報、74 販売促進情報、75 お得情報、76 おすすめ情報、362,411 店舗識別子、412 店名、413 住所および連絡先、414 店舗の特徴、415 容器の販売個数、363,421 容器識別番号、422 店舗の履歴、221 日にち、222 店舗識別子、223 保管情報、431 利用者識別子、432 氏名、433 年齢、434 嗜好情報、435 累積ポイント、436 購入履歴、361 購入日時、365 付加価値ポイント、400 ネットワーク、500 サービス提供システム、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、941 表示機器、950 通信装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11