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特開2023-81822配送方法、およびアロケーションサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081822
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】配送方法、およびアロケーションサーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230606BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
B65G61/00 550
B65G61/00 546
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112664
(22)【出願日】2022-07-13
(62)【分割の表示】P 2021195688の分割
【原出願日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】521222349
【氏名又は名称】株式会社Nice Eze
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松浦 学
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】宅配ボックスが備えられた集合住宅の居住者に荷物を配送するための方法、およびこの方法を実現するためのシステムとサーバを提供すること。
【解決手段】配送方法は、アロケーションサーバにおいて、集合住宅に備えられる少なくとも一つの宅配ボックスが有する複数のロッカーの使用状況に関するロッカー使用情報を取得すること、アロケーションサーバ上において、集合住宅の居住者へ配送される少なくとも一つの荷物に複数のロッカーの一つを割り当てること、および割り当てられたロッカーへ荷物を収容する前に、荷物の配送を管理する配送管理サーバに対し、割り当てられたロッカーを特定するためのロッカー識別子をアロケーションサーバから送信することを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アロケーションサーバにおいて、集合住宅に備えられる少なくとも一つの宅配ボックスが有する複数のロッカーの使用状況に関するロッカー使用情報を取得すること、
前記アロケーションサーバ上において、前記集合住宅の居住者へ配送される少なくとも一つの荷物に前記複数のロッカーの一つを割り当てること、および
前記割り当てられたロッカーへ前記荷物を収容する前に、前記荷物の配送を管理する配送管理サーバに対し、前記割り当てられたロッカーを特定するためのロッカー識別子を前記アロケーションサーバから送信することを含む、配送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の一つは、荷物を配送するための配送方法、配送システム、およびこの配送方法を実現するためのアロケーションサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物をユーザへ配送する際、ユーザが不在の場合がある。この場合、例えば荷物を宅配ボックスに搬入し、荷物の搬入をユーザに通知することで、ユーザは任意の時間に荷物を宅配ボックスから取り出すことができる。これにより、再度配送するための負担とコストが軽減されるとともに、ユーザも配送のために待機する必要がなくなるため、時間的な制約から解放される。また、荷物の盗難や、個人情報の流出も防止することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-64072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の一つは、荷物をユーザへ配送するための新規な方法、およびこの方法を実現するためのシステムとサーバを提供することを課題の一つとする。あるいは、本発明の実施形態の一つは、宅配ボックスが備えられた集合住宅の居住者に荷物を配送するための方法、およびこの方法を実現するためのシステムとサーバを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の一つは、荷物の配送方法である。この配送方法は、アロケーションサーバにおいて、集合住宅に備えられる少なくとも一つの宅配ボックスが有する複数のロッカーの使用状況に関するロッカー使用情報を取得すること、アロケーションサーバ上において、集合住宅の居住者へ配送される少なくとも一つの荷物に複数のロッカーの一つを割り当てること、および割り当てられたロッカーへ荷物を収容する前に、荷物の配送を管理する配送管理サーバに対し、割り当てられたロッカーを特定するためのロッカー識別子をアロケーションサーバから送信することを含む。
【0006】
本発明の実施形態の一つは、アロケーションサーバである。このアロケーションサーバは、集合住宅に備えられる少なくとも一つの宅配ボックスが有する複数のロッカーの使用状況に関するロッカー使用情報を取得すること、集合住宅の居住者へ配送される少なくとも一つの荷物に複数のロッカーの一つを割り当てること、および割り当てられたロッカーへ荷物を収容する前に、荷物の配送を管理する配送管理サーバに対し、割り当てられたロッカーを特定するためロッカー識別子を送信することを実行するように構成される。
【0007】
本発明の実施形態の一つは、荷物を配送するためのシステムである。このシステムは、互いにネットワークによって接続されるアロケーションサーバ、荷物の配送を管理する配送管理サーバ、および集合住宅に備えられる宅配ボックスを含む。アロケーションサーバは、集合住宅に備えられる少なくとも一つの宅配ボックスが有する複数のロッカーの使用状況に関するロッカー使用情報を取得すること、集合住宅の居住者へ配送される少なくとも一つの荷物に複数のロッカーの一つを割り当てること、および割り当てられたロッカーへ荷物を収容する前に、荷物の配送を管理する配送管理サーバに対し、割り当てられたロッカーを特定するためロッカー識別子を送信することを実行するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る配送方法と配送システムの概念図。
図2】本発明の実施形態に係る配送方法が利用される集合住宅の見取り図の一例。
図3】本発明の実施形態に係る配送システムの宅配ボックスの模式的正面図。
図4】本発明の実施形態に係る配送システムの宅配ボックス、および宅配ボックスのロッカーに収容されるように構成されるコンテナの模式的斜視図。
図5】本発明の実施形態に係る配送システムの宅配ボックスのロッカーに収容されるように構成されるコンテナの模式的上面図。
図6】本発明の実施形態に係る配送方法を説明するためのフローチャート。
図7】本発明の実施形態に係る配送方法を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、図面などを参照しつつ説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0010】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。同一、あるいは類似する複数の構造を総じて表す際にはこの符号が用いられ、これらを個々に表す際には符号の後にハイフンと自然数が加えられる。また、一つの構造の一部を示す際には、符号の後に小文字のアルファベットを付すことがある。
【0011】
<第1実施形態>
本実施形態では、本発明の実施形態の一つに係る配送方法の概要、およびこの配送方法を実現するための配送システム100の構成とその機能について説明する。
【0012】
1.配送方法の概要
配送システム100を利用する配送方法の概念図を図1(A)に模式的に示す。この配送方法は、マンションなどの集合住宅に荷物を配送するための方法であり、荷物は集合住宅の住民またはその代理人(以下、これらを総じて居住者102と言う。)宛に配送される。荷物には何ら制約はなく、居住者102が自ら発注した商品を含んでもよく、あるいは一般個人が居住者102へ発送する品物を含んでもよい。例えば、荷物は、居住者102がネットワーク120、あるいは電話やファックスなどの通信回線を介して発注した商品、または役務の結果物(以下、商品と役務の結果物を総じて商品と記す。)を含んでもよく、居住者102が対面式商取引を介して発注した商品を含んでもよい。したがって、荷物に含まれる商品は電子商取引された商品に限られず、スーパーマーケットやデパートなどの総合小売店、酒屋、クリーニング店、レストランや喫茶店、ファーストフードなどの飲食店、書店、文房具店、化粧品や薬品などを扱うドラッグストアなど、あらゆる業界に属する実店舗で取引される商品も含まれる。また、商品はレンタル品(レンタルシューズ、レンタル衣装、レンタルバッグなど)でもよく、試供品(試供化粧品や試供食品など)でもよい。ここで、ネットワーク120とはインターネットやワイドエリアネットワークなどの通信ネットワークであり、各種通信端末やサーバ間の通信を媒介する。
【0013】
荷物を発送する主体である発送人104には、荷物として発送する商品の取引先(以下、売主と言う。)が含まれると同時に、品物を居住者102に対して発送する個人も含まれる。
【0014】
荷物を配送する主体(配送人)にも制約はなく、居住者102が発注した商品の売主でもよく、品物を居住者102に発送する個人でもよい。この場合、発送人が配送人を兼ねることがある。あるいは、配送人は、発送人から配送を依頼される、配送を業務の一つとして行う配送事業者106であってもよい。
【0015】
ここで、配送される荷物は全て集合住宅に備え付けられた宅配ボックス130に留め置かれる。すなわち、荷物は宅配ボックス130に備えられるロッカーに直接収容され、居住者102それぞれの住戸へ配送されない。したがって、配送人は、荷物を各住戸へ運搬する必要は無く、さらには居住者102が在宅か不在かを確認する必要もない。このため、本配送方法では、配送人に対する負担が極めて小さく、かつ、配送に必要な時間やコストを大幅に削減し、配送人の人的資源を有効活用することが可能である。
【0016】
本配送方法ではさらに、荷物が配送される前に、荷物を収容するための宅配ボックス130とそのロッカーが各荷物に割り当てされる。より具体的には、荷物の配送人は、荷物を配送する前に、ネットワーク120を介し、ロッカーの割り当てサービスを提供する事業者(以下、アロケーション事業者108と言う。)から宅配ボックス130、および配送する荷物に適したロッカーの指定を受ける。このため、荷物を配送する前に予め荷物を収容するためのロッカーを確実に確保することができるため、再配送という負担を強いられることが無い。なお、アロケーション事業者108は、ネットワーク120を介し、宅配ボックス130から直接、または宅配ボックス130を管理する事業者(以下、ボックス管理事業者110)から各宅配ボックス130のロッカーの使用状況に関する情報(以下、ロッカー使用情報と言う。)を定期的にまたは随時提供を受ける。このため、配送人の要求に適宜応答して適切なロッカーを迅速に割り当てることができる。
【0017】
なお、本配送システムでは、アロケーション事業者108が配送事業者106を兼ねてもよい。すなわち、アロケーション事業者108がロッカーの割り当てを行うとともに、荷物の集荷や配送を行ってもよい。
【0018】
2.配送システムの構成と機能
配送システム100の構成の一例を図1(B)に示す。配送システム100は、アロケーション事業者108によって管理されるアロケーションサーバ109、少なくとも一つの宅配ボックス130、荷物の発送人104が管理する発送サーバ105、配送事業者106が管理する配送管理サーバ107などを含む。少なくとも一つの宅配ボックス130は複数の宅配ボックス130を含んでもよい。配送システム100はさらに、ボックス管理事業者110が管理するボックス管理サーバ111を含んでもよい。また、配送システム100は、居住者102が管理する通信端末であるユーザ端末103を含んでもよい。これらの構成は、互いにネットワーク120を介して通信可能なように接続される。
【0019】
なお、アロケーション事業者108が配送事業者106を兼ねる場合には、アロケーションサーバ109と配送管理サーバ107は、同一の事業者によって管理されてもよく、あるいはこれら二つのサーバが統合された一つのサーバとして機能してもよい。
【0020】
2-1.アロケーションサーバ
(1)構成
アロケーションサーバ109は、ネットワーク120を介して宅配ボックス130と接続される。アロケーションサーバ109に接続される記憶装置(図示しない)には、各宅配ボックス130を特定するためのボックス識別子(ボックスID)、予め登録された居住者102を特定するためのユーザ識別子(ユーザID)、各宅配ボックス130が有する複数のロッカーをそれぞれ特定するためのロッカー識別子(ロッカーID)が格納される。各ボックスIDには、該当する宅配ボックス130の名称や設置された集合住宅の住所、名称、アクセス制限(後述)の有無やその内容などを関連付けてもよく、これらは記憶装置に格納される。ユーザIDには、居住者102の氏名、居住する集合住宅の住所と名称、居住階、住戸番号、ユーザ端末103と通信するためのアドレス、ユーザスコア(後述)などを関連付けてもよく、これらも記憶装置に格納される。ロッカーIDには、該当するロッカーの番号、大きさ(例えば、幅、奥行き、高さ、容積など)、宅配ボックス130における位置などを関連付けてもよく、これらも記憶装置に格納される。さらに、配送人を特定するための配送人識別子(配送人ID)を記憶装置に格納してもよい。配送人IDには、配送人の名称、住所、配送人スコア(後述)、通信のためのアドレスなどを関連付けてもよく、これらも記憶装置に格納される。
【0021】
(2)機能
ア ロッカー使用情報の取得
アロケーションサーバ109は、定期的に、あるいはアロケーションサーバ109からの要求ごとに各宅配ボックス130からロッカー使用情報を含む信号を受信するように構成される。ロッカー使用情報には、各ロッカーにおける荷物の存否が含まれる。あるいは、アロケーションサーバ109は、ボックス管理サーバ111からロッカー使用情報を含む信号を受信するように構成されてもよい。これにより、アロケーションサーバ109は、ロッカー使用情報を取得する。
【0022】
イ ロッカーの割り当て
アロケーションサーバ109は、発送サーバ105および/または配送管理サーバ107から送信されるロッカー割り当て要求を含む信号を受信することで当該要求を受け取るように構成される。ロッカー割り当て要求には、荷物の宛先である居住者102のユーザIDが含まれ、さらに発送人ID、配送人ID、配送人ID、荷物の配送希望日時、荷物の大きさ(例えば、幅、奥行き、高さ、容積など)、荷物の居住者102による受け取り期限、配送人による荷物の回収日時などが含まれてもよい。
【0023】
ロッカー割り当て要求を受け取ると、アロケーションサーバ109は、まず、居住者102のユーザIDから宅配ボックス130を特定する。居住者102が居住する集合住宅に設けられる宅配ボックス130が一つの場合には、その宅配ボックス130が自動的に特定される。一方、集合住宅に複数の宅配ボックス130が設けられる場合には、いずれの宅配ボックス130を選択してもよい。
【0024】
しかしながら、同一の集合住宅に設置される複数の宅配ボックス130に対するアクセス制限が異なる場合がある。例えば、集合住宅のエントランスの模式的平面図(図2)に示すように、居住者102および居住者102に予め許容された者(以下、特定人と言う。)だけが入ることができるドア146によって占有エリア142と共有エリア140が区画され、さらに、特定の時間帯(制限時間帯)には特定人以外の非特定人が入ることを禁止するドア144が設置される集合住宅では、二種類の宅配ボックス130-1、130-2が設けられることがある。宅配ボックス130-1はドア144よりも内側(準共有エリア140-1)に設置されているため、制限時間帯に非特定人である配送人はアクセスすることができず、制限時間帯以外の時間(非制限時間帯)においてのみアクセスすることができる。一方、宅配ボックス130-2は、時間に関係なく誰でも入ることができるエリア(完全共有エリア)140-2と準共有エリア140-1を区切り、かつ、準共有エリア140-1と完全共有エリア140-2の両側からアクセス可能なように設けられる。このようにアクセス制限が異なる宅配ボックス130が複数設けられている場合には、配送人がアクセスしにくい宅配ボックス130(すなわち、アクセス制限のより高い宅配ボックス130-1)を優先的に特定するようにアロケーションサーバ109を構成することが好ましい。このような構成を採用することで、配送人が常時アクセス可能な宅配ボックス130-2のロッカーを確保することが容易になる。逆に、荷物の配送希望日時または配送予定日時に配送人がアクセスできない宅配ボックス130がある場合には、配送人がアクセス可能な宅配ボックス(図2の例では、宅配ボックス130-2)が特定される。
【0025】
宅配ボックス130を特定した後、アロケーションサーバ109はさらに空のロッカーの一つを各荷物に割り当てる。ロッカーの割り当ては、複数の空のロッカーの一つをランダムにまたは任意に選択することで行ってもよく、あるいは居住者102のスコアに応じて選択してもよい。例えば、スコアの高い居住者102宛の荷物であれば、荷物が取り出しやすい位置のロッカーを優先的に選択する。あるいは、荷物の大きさや形状に適したロッカーを割り当てるようにアロケーションサーバ109を構成してもよい。この場合、例えば、荷物が収容可能であり、かつ、ロッカーの容積に対する荷物の容積の比が最も高い空のロッカーを割り当てればよい。このように、荷物の大きさや形状を考慮してロッカーを割り当てることにより、ロッカーと荷物のミスマッチを防止することができるので、より効率よくロッカーを利用することができる。また、同一の居住者102に配送される複数の荷物に対して複数のロッカーを割り当てる場合には、互いに近く位置する複数のロッカーを割り当てるよう、アロケーションサーバ109を構成してもよい。なお、同一の居住者102に配送される荷物が複数存在する場合には、複数の荷物が同梱可能なロッカーを割り当ててもよい。
【0026】
アロケーションサーバ109は、ロッカーを割り当てた後、ロッカー割り当て要求を送信した発送サーバ105および/または配送管理サーバ107への応答として、ボックスIDとロッカーID含む情報(割り当て情報)を送信する。この割り当て情報には、ボックスIDやロッカーIDに関連付けられる上述した各種情報が含まれてもよい。割り当て情報を取得することで、配送人は荷物の配送前にロッカーを確保することができるため、空のロッカーが存在しない、あるいは空のロッカーが存在するものの荷物が収容できない形状または容積であるために利用できないといった理由によって強いられる荷物の再配送を回避することができる。なお、アロケーションサーバ109は、割り当て情報を送信した時刻を記憶装置に格納してもよい。また、ユーザ端末103に対しても割り当て情報を送信してもよい。
【0027】
ウ 配送人、発送人、および居住者への各種通知
配送人が荷物をロッカーに収容すると、各ロッカーに設けられるセンサによって荷物が感知され、荷物が収容されたことを示す通知(収容通知)がボックス管理サーバ111へ送信される。アロケーションサーバ109は、収容通知を宅配ボックス130から直接、あるいはボックス管理サーバ111を介して取得するように構成されてもよい。アロケーションサーバ109は、収容通知に基づいて荷物が収容された時刻を確定し、これを記憶装置に格納するように構成されてもよい。
【0028】
同様に、居住者102が荷物をロッカーから受け取ると、各ロッカーに設けられるセンサによってこれが感知され、荷物が受け取られたことを示す通知(受領通知)がボックス管理サーバ111へ送信される。アロケーションサーバ109は、受領通知を宅配ボックス130から直接、あるいはボックス管理サーバ111から取得するように構成されてもよい。アロケーションサーバ109は、受領通知に基づいて荷物が居住者102によって受け取られた時刻を確定し、これを記憶装置に格納するように構成されてもよい。収容通知と受領通知を利用することで、荷物がロッカーに収容されてから居住者102に取り出されるまでの時間(滞留時間)が算出できる。この滞留時間を用いることで、ユーザスコアを算出することができる。一方、割り当て情報が送信されてから荷物がロッカーに収容された時間(配送時間)も算出でき、これを配送人のスコア算出に利用してもよい。
【0029】
アロケーションサーバ109はさらに、荷物の受け取りを居住者102に促すように構成されてもよい。例えば、荷物の受け取り期限が近づいた時(受け取り期限の24時間前、12時間前、3時間前、1時間前など)、あるいは荷物の受け取り期限を過ぎた時などに、その事実を通知するための信号をユーザ端末103に送信するようにアロケーションサーバ109を構成してもよい。
【0030】
あるいは、アロケーションサーバ109はさらに、居住者102によって受け取られずにロッカーに長期間滞留する荷物の発生を防ぐため、一度収容された荷物を配送人に回収させるための通知(回収通知)を発送サーバ105および/または配送管理サーバ107に送信するように構成してもよい。このような構成を採用することで、ロッカーの利用効率が向上するだけでなく、例えば荷物が食品や食材などの腐敗しやすい品物を含む場合、ロッカー内での腐敗が防止できるので、居住者102に対する製造物責任を担保することができる。
【0031】
エ スコアの算出
上述したように、本配送システム100により、配送人の負担が低減され、配送に必要な時間やコストを大幅に削減することが可能である。また、荷物の再配送というエネルギーの浪費を省くことができ、このことは自然環境への貢献であるとも言える。一方、居住者102は、荷物の配送時に在宅を強いられることがなく、少なくとも受け取り期限までに荷物を受け取ればよいため、荷物の受け取りに伴うストレスから解放され、時間を有効利用することができる。このような利点を有する配送システム100の普及を促進するため、居住者102や配送人の本配送システム100の貢献度をスコアとして算出し、居住者102や配送人へのサービスに利用してもよい。
【0032】
配送人に対するスコアは、例えば配送人が本配送システム100を利用した合計回数または一定期間における利用回数などに基づいて算出してもよい。あるいは、配送時間、すなわち、ロッカーの割り当てから荷物がロッカーに収容されるまでの時間を利用し、この時間が短いほど高いスコアを配送人に付与してもよい。同様に、荷物の回収通知を送信してから荷物が回収されるまでの時間を利用し、この時間が短いほど高いスコアを配送人に付与してもよい。これにより、ロッカーの利用効率を向上させることができる。スコアに応じた配送人へのサービスとしては、ロッカーの割り当てサービスに課せられる料金の低減、荷物が収容しやすいロッカーの優先的割り当てなどが挙げられる。
【0033】
居住者102に対するスコアも同様に、例えば居住者102が本配送システム100を利用した合計回数または一定期間における利用回数などに基づいて算出してもよい。あるいは、荷物の滞留時間、すなわち、収容通知がアロケーションサーバ109に受信されてから受領通知がアロケーションサーバ109に受信されるまでの時間を利用し、この時間が短いほど高いスコアを居住者102に付与してもよい。逆に、受け取り期限を超過した場合には、受け取り期限を超過した時間に応じてスコアを減じてもよい。これにより、ロッカーの利用効率を向上させることができる。あるいは、居住者102の居住階をスコアに反映さえてもよい。配送人が各住戸に荷物を運搬する場合、配送先が高層階であるほどその負担が大きい。したがって、高層階に居住する居住者102に対して本配送システム100の利用をより強く促進することで、配送コストをより効果的に低減することが可能となる。スコアに応じた居住者102へのサービスとしては、配送事業者106を介しての配送料の低額、無料配送サービスの提供、居住者が使用しやすいロッカーの優先的割り当てなどが挙げられる。
【0034】
2-2.宅配ボックス
上述したように、宅配ボックス130は集合住宅に設けられる。宅配ボックス130としては、公知の宅配ボックスを用いることも可能である。例えば、図3(A)に示すように、異なる大きさを有する複数のロッカー132が設けられた宅配ボックス130を用いることができる。宅配ボックス130には、荷物の収容状況や宅配ボックス130の操作方法を説明するためのモニター134や、居住者102や配送人がロッカーを解錠するために用いるためのカードリーダ136、操作盤138などを備えてもよい。図示しないが、カードリーダ136に替えて、またはカードリーダ136とともに、QRコード(登録商標)やバーコードを読み取ることができる光学式のスキャナや短距離無線通信を利用するリーダ(RFリーダ)が設けられてもよい。各ロッカー132には、荷物の有無を検知するためのセンサが設けられる。宅配ボックス130は、センサから得られる信号に基づき、各ロッカーにおける荷物の存否、すなわち、各ロッカーが利用可能であるか否かを情報としてアロケーションサーバ109および/またはボックス管理サーバ111に送信するように構成される。
【0035】
あるいは図3(B)に示すように、全てのロッカー132が同一の大きさを有する宅配ボックス130を本配送システム100に用いてもよい。この場合、ロッカー132の奥行きは、150mm以上600mm以下、200mm以上500mm以下、または200mm以上400mm以下が好ましく、例えばA4サイズに対応する長さ(297mm)が好ましい。ロッカー132の幅は、100mm以上500mm以下、150mm以上400mm以下、または200mm以上300mm以下が好ましく、例えばA4サイズに対応する幅(210mm)が好ましい。ロッカー132の高さは、50mm以上20mm以下、75mm以上150mm以下、あるいは90mm以上125mm以下がこのましく、例えば100mmが好ましい。流通の分野では、配送される大部分の荷物の大きさは、上述した範囲以下であるため、上記パラメータを満足するようにロッカー132を構成することで、配送される荷物のほとんどを収容することができる。
【0036】
同一の大きさのロッカー132を備える宅配ボックス130を利用する場合には、各ロッカー132は、同一の大きさと形状を有する専用のコンテナ150を収容可能なように構成してもよい。例えば、図4(B)に示すコンテナ150を用いることができる。コンテナ150は、基本的な構成として、荷物を格納する空間を提供する筐体152、および当該空間を閉鎖するための蓋154を備え、任意の構成としてロック156や把手158などを有してもよい。蓋154は、筐体152上に固定される固定部152b、および開閉可能な可動部152aを有し、蓋154の一部だけが開くように構成される。コンテナ150は、ロッカー132の容積のほぼ全て(例えば、各ロッカーの容積の75%以上100%以下、80%以上100%以下、90%以上100%以下、または95%以上100%以下)の大きさになるように構成される。
【0037】
配送人は、荷物がコンテナ150に格納された状態で宅配ボックス130まで運び、コンテナ150をロッカー132に挿入する(図4(A))。一方、居住者102は、コンテナ150をロッカー132から引き出し、蓋154を開けて荷物を取り出し、再度コンテナ150をロッカー132に戻す。荷物が取り出されて空になったコンテナ150は、配送人が他のコンテナ150をロッカー132に収容する際に回収される。このため、配送人は、配送する荷物の種類や形状が異なっても全て同じ大きさと形状のコンテナ150を配送する。このことは、配送の際、規格化された同一の形状と大きさの荷物のみを取り扱うことを意味しており、配送効率の向上に大きく寄与する。また、荷物はコンテナ150に格納された状態で配送されるので、段ボールなど、配送のために一時的に形状を維持するための包装部材を使用する必要がない。このことは、配送コストの低減のみならず、包装部材の消費低減を通じた自然環境の保護にも寄与すると言える。
【0038】
なお、コンテナ150を利用して配送を行う場合、コンテナ150が居住者102によって抜き取られないように宅配ボックス130およびコンテナ150を構成することが好ましい。例えば、図5の模式的上面図に示すように、コンテナ150にストッパ160を設け、各ロッカー132にストッパ160と当接可能な排出防止機構162を設けてもよい。排出防止機構162は、コンテナ150の抜き取りを許容する第1のモードおよびコンテナ150の抜き取りを禁止する第2のモードを取ることができ、第2のモードにおいてストッパ160と当接し、第1のモードでストッパ160と当接しないように構成すればよい。排出防止機構162は、第2のモードでコンテナ150を最大限ロッカー132から引き出した際、蓋154の可動部152aの全体と固定部152bの一部がロッカー132から露出し、固定部の他の一部がロッカー132内に位置する状態でストッパ160と当接するように構成することが好ましい。このような構成により、居住者102は蓋154を開けて荷物を回収できるとともに、居住者102によるコンテナ150の抜き取りを防止することができる。
【0039】
2-3.ボックス管理サーバ
ボックス管理サーバ111は、ネットワーク120を介して宅配ボックス130と通信可能なように接続されるサーバまたは端末である。ボックス管理サーバ111は、各ロッカーに設けられるセンサからの信号に基づき、各宅配ボックス130のロッカー使用情報を取得するように構成される。アロケーションサーバ109がロッカー使用情報を宅配ボックス130から取得しない場合には、ボックス管理サーバ111は、定期的にまたはアロケーションサーバ109からの要求に対する応答として、ロッカー使用情報をアロケーションサーバ109に送信するように構成される。
【0040】
2-4.発送サーバ
発送サーバ105は、居住者102の商品の発注先である売主、または居住者102に品物を発送する個人が管理するサーバまたは端末である。発送サーバ105は、据え付け型(デスクトップ型)コンピュータ、ノート型コンピュータ、あるいは携帯電話やタブレット、スマートフォンなどの携帯通信端末でもよい。
【0041】
発送人が荷物の発送を配送事業者106に依頼する場合には、発送サーバ105は、配送要求を配送管理サーバ107に送信するように構成されてもよい。配送要求には、本配送システム100を居住者102が選択した事実とともに、ユーザIDや居住者102の住所、氏名が含まれ、さらに、荷物の内容や形状、大きさ、配送希望日時、荷物の受け取り期限、荷物の回収日時などが含まれてもよい。
【0042】
一方、売主自身が商品を荷物として配送する場合、あるいは個人が品物を荷物として配送する場合には、アロケーションサーバ109に対してロッカー割り当て要求を送信し、その応答としてアロケーションサーバ109から送信される割り当て情報を受信するように発送サーバ105を構成してもよい。発送サーバ105はさらに、配送する荷物の管理、荷物の配送のための配車などを行うように構成されてもよい。発送サーバ105はさらに、割り当て情報を受信した後、ユーザ端末103に対し、荷物が収容される宅配ボックス130のボックスID、住所、名称、ロッカーID、ロッカーの番号、配送予定日時、受け取り期限、回収日時の一部または全てを含む情報を送信するように構成されてもよい。
【0043】
2-5.配送管理サーバ
配送管理サーバ107は、配送事業者106が管理するサーバであり、配送事業を遂行する上で必要な機能が備えられるとともに、発送サーバ105から配送要求を受信する機能を有する。配送管理サーバ107は、配送要求を受信した後にロッカー割り当て要求をアロケーションサーバ109に送信し、これに対する応答としてアロケーションサーバ109から送信される割り当て情報を受信するように構成される。割り当て情報に含まれるボックスIDとロッカーIDは、配送管理サーバ107上で荷物に付される識別子と関連付けられる。配送管理サーバ107はさらに、荷物の配送予定日時、配送先の宅配ボックス130やそのロッカー132の番号、荷物の受け取り期限、回収日時などを含む情報を発送サーバ105および/またはユーザ端末103に送信するように構成されてもよい。
【0044】
2-6.ユーザ端末
ユーザ端末103は、居住者102が操作可能な通信機能を備える端末であり、据え付け型(デスクトップ型)コンピュータ、ノート型コンピュータ、あるいは携帯電話やタブレット、スマートフォンなどの携帯通信端末などが例示される。居住者102は、ユーザ端末103を利用し、電子商取引を介して商品を発注することができ、その際、本配送システム100を利用するか否かを売主、すなわち、商品を含む荷物の発送人に通知することができる。また、ユーザ端末103は、アロケーションサーバ109、発送サーバ105、および/または配送管理サーバ107から送信される種々の通知を受信できるように構成される。この機能により、居住者102は、荷物の配送日時、荷物が配送される宅配ボックス130とそのロッカー132、荷物の受け取り期限や回収日時などを把握することができる。
【0045】
なお、居住者102は、予め、または本配送システム100を初めて利用する際、アロケーション事業者108に登録を行う。登録によりユーザIDが発行され、ユーザIDに居住者102やユーザ端末103に関する上述した各種情報が関連付けられる。
【0046】
上述したように、本配送システム100を利用する配送方法では、配送人は宅配ボックス130とそのロッカー132を確保し、その後荷物の配送を行い、荷物を当該ロッカー132に収容する。このとき、荷物を居住者102それぞれの住戸へ配送する必要は無く、居住者102の在宅を確認する必要もない。このため、本配送方法では、配送人に対する負担が極めて小さく、かつ、配送に必要な時間やコストを大幅に削減することができる。また、居住者102は荷物の配送のために待機するストレスから解放され、時間を有効に活用することができる。
【0047】
また、本配送方法では、配送を請け負う配送事業者106や宅配ボックス130を管理するボックス管理事業者110から独立したアロケーションサーバ109によってロッカー132の割り当てが行われる。このため、複数の配送事業者106と複数のボックス管理事業者110によって成立する配送業界においても、機種や仕様の異なる宅配ボックス130のロッカー132の使用状況を一元的に把握することができるため、様々な発送人104が異なる集合住宅に居住する居住者102に対して異なる配送事業者106を利用して荷物を発送する状況下においても、効率良くロッカー132を割り当てることができ、配送業界全体に対して業務効率の改善や人材資源の有効利用が可能となる。
【0048】
<第2実施形態>
本実施形態では、配送システム100を利用して荷物を配送する方法について図6に示したフローチャートを用いて具体的に説明する。ここでは、一つの例として、居住者102が電子商取引を介して商品を売主へ発注し、その商品を含む荷物を売主が発送人として配送事業者に配送を依頼するケースについて説明する。したがって、荷物の発送は配送事業者が請け負う。第1実施形態で述べた構成と同一または類似する構成については説明を割愛することがある。
【0049】
まず、居住者102は、ユーザ端末103を利用し、売主に対して商品を発注する。商品の発注は、ネットワーク120を介して売主の発送サーバ105に直接行ってもよく、第三者(プラットフォーム提供者)から提供された電子商取引プラットフォームを通じて行ってもよい。前者は自社サイト型の電子商取引、後者はモール型の電子商取引と呼ばれる。以下、自社サイト型の電子商取引を主な例として説明を行うが、モール型の電子商取引においても本配送システム100を適用することができる。
【0050】
具体的には、居住者102はユーザ端末103を操作し、ネットワーク120を介して発送サーバ105にアクセスする(S100)。これにより、居住者102は発送サーバ105上で所望の商品を選び、発注することができる。発注が確定すると、売主は、発送サーバ105を用いて配送管理サーバ107にアクセスし、配送要求を送信する(S102)。上述したように、配送要求には、ユーザIDや居住者102の住所や氏名が含まれ、さらに、荷物の内容や形状、大きさ、配送希望日時、荷物の受け取り期限、荷物の回収日時などが含まれてもよい。
【0051】
その後、配送先である居住者102の集合住宅の宅配ボックス130が有するロッカー132の空き状況が配送管理サーバ107上で確認される。具体的には、配送管理サーバ107は、ロッカー割り当て要求をアロケーションサーバ109に送信する(S104)。ロッカー割り当て要求を受信したアロケーションサーバ109は、宅配ボックス130またはボックス管理サーバ111から定期的に取得するロッカー使用情報に基づき、荷物を収容するロッカー132を割り当てる。ロッカー使用情報を定期的に取得しない場合には、アロケーションサーバ109は、ロッカー使用情報を要求する信号を宅配ボックス130またはボックス管理サーバ111に送信する(S106、S108)。宅配ボックス130とボックス管理サーバ111は、ロッカー使用情報を要求する信号に対する応答として、空のロッカー132のロッカーIDをアロケーションサーバ109へ送信する(S110、S112)。このとき、空のロッカー132が複数ある場合には、全ての空のロッカー132のロッカーIDがアロケーションサーバ109に送信されることが好ましい。なお、荷物の配送希望日時や配送予定日時において配送人がアクセスできない宅配ボックス130が存在する場合には、配送人がアクセス可能な宅配ボックス130がアロケーションサーバ109によって選択される。
【0052】
アロケーションサーバ109はさらに、ロッカー使用情報に基づいてロッカー132を荷物に割り当てる。このとき、上述したように、荷物の大きさや形状に適したロッカー132を割り当ててもよい。例えば、荷物が収容可能であり、かつ、ロッカー132の容積に対する荷物の容積の比が最大となるロッカー132を割り当ててもよい。また、同一の居住者102に配送される荷物が複数存在する場合には、複数の荷物が同梱可能なロッカー132を割り当ててもよい。また、居住者102のスコアに応じてロッカー132を割り当ててもよい。
【0053】
ロッカー132の割り当てが完了した後、アロケーションサーバ109は配送管理サーバ107に対して割り当て情報を送信する(S114)。割り当て情報を受信すると、配送管理サーバ107は、割り当て情報に含まれる宅配ボックス130の名称とロッカー132の番号とともに、配送予定時刻、受け取り期限、荷物の回収日時などの全てまたは一部を含む情報をユーザ端末103に送信する(S106)。配送管理サーバ107は、これらの情報の全てまたは一部を発送サーバ105に送信してもよい(S108)。その際、居住者102は、配送予定時刻を配送事業者106の許容範囲において変更するための信号をユーザ端末103から配送管理サーバ107に送信してもよい。この信号を受信すると、配送管理サーバ107は配送予定時刻の変更を許容するか否かの判断を行い、許容する場合には、変更後の配送希望日時を考慮してロッカー132を割り当てる時刻を変更する。
【0054】
居住者102に配送する商品は、発送人104から配送事業者106へ輸送されてもよく、あるいは配送事業者106が集荷を行ってもよい。あるいは、商品が配送事業者106が管理する物流倉庫などに保管されている場合には、配送事業者106が商品をピックアップしてから配送を行えばよい。アロケーション事業者108が配送事業者106を兼ねる場合には、配送される荷物がアロケーション事業者108の下に集荷され、それぞれの荷物に対してロッカー132が割り当てられ、その後荷物がアロケーション事業者108によって配送される。
【0055】
荷物が配送人によってロッカーに収容されると、各ロッカーに設けられるセンサからの信号に基づいて収容通知がボックス管理サーバ111へ送信される(S110)。収容通知は、宅配ボックス130から直接アロケーションサーバ109に送信されてもよい(S112)。また、配送管理サーバ107は、荷物の配送が完了したことを居住者102に知らせるための通知(配送完了通知)をユーザ端末103に送信する(S114)。配送完了通知は発送サーバ105に通知してもよい(S116)。配送完了通知は、荷物が収容された事実とともに、宅配ボックス130の名称とロッカー132の番号を含む。配送完了通知にはさらに、受け取り期限や荷物の回収日時が含まれてもよい。なお、図示しないが、荷物の受け取り期限が近付いた場合、または受け取り期限までに居住者102が荷物を受け取らない場合には、受け取りを促すための通知をアロケーションサーバ109からユーザ端末103に送信してもよい。また、受け取り期限から一定の期間が経過した場合には、回収通知をアロケーションサーバ109から配送管理サーバ107へ送信し、荷物の回収後、荷物が回収されたことを知らせる通知をユーザ端末103に送信してもよい。さらに、ロッカー132の割り当てから一定時間経過後において荷物が配送されない場合(例えば、割り当て情報を送信した時刻からなお、割り当て情報を送信した時刻から一定時間経過後においても収容通知が送信されない場合)、アロケーションサーバ109において割り当てをキャンセルしてもよい。
【0056】
居住者102によって荷物が受け取られると、各ロッカーに設けられるセンサからの信号に基づき、受領通知が宅配ボックス130からボックス管理サーバ111へ送信される(S118)。この通知は、宅配ボックス130からアロケーションサーバ109に送信されてもよい(S120)。これにより、空になったロッカー132は、再びアロケーションサーバ109上における割り当てに利用することができる。
【0057】
この配送方法は、居住者102が対面式商取引で商品を発注し、それを配送する場合にも適用することができる。この場合には、S100のステップの少なくとも一部は口頭または書面で行われ、居住者102は配送先である宅配ボックス130、すなわち、居住する集合住宅を発送人である売主に対して指定すればよい。また、個人が配送事業者106に荷物の発送を依頼する場合にも本配送方法を適用することができる。この場合には、発送人である個人が発送サーバ105を介して配送要求を配送事業者106に送信する(S102)。このとき、配送先である居住者102に関する情報(氏名、住所、集合住宅名、住戸番号、ユーザ端末103のアドレスなど)を配送要求に含ませればよい。
【0058】
上述したように、本実施形態で述べた配送方法では、配送人である配送事業者は、予め荷物が収容されるロッカー132を確保した後に荷物を配送する。このため、居住者102が在宅しているか不在であるかに関わらず、荷物を確実にロッカー132に収容することができ、再配送の手間を完全に排除することができる。このため、配送のためのコストを大幅に削減し、配送人の人的資源を有効に活用することが可能となる。
【0059】
<第3実施形態>
本実施形態では、居住者102と商取引を行う売主が商品を含む荷物を配送する例を用い、本配送方法を具体的に説明する。この例では、売主が発送人と配送人を兼ねる。第1、第2実施形態で述べた構成と同一または類似する構成については説明を割愛することがある。
【0060】
図7に本配送方法のフローチャートを示す。まず、居住者102はユーザ端末103を用いて売主の発送サーバ105にアクセスし、商品を発注する(S130)。第2実施形態と同様、商品の発注は対面式商取引で行ってもよく、この場合、本ステップの少なくとも一部は口頭または書面で行われることになる。その後、売主は商品を含む荷物を宅配ボックス130へ配送するために、発送サーバ105を介してロッカー割り当て要求をアロケーションサーバ109へ送信する(S132)。第2実施形態と同様、ロッカー割り当て要求を受信したアロケーションサーバ109は、宅配ボックス130またはボックス管理サーバ111へアクセスし(S134、S136)、ロッカー使用情報を受け取る(S138、S140)。ロッカー使用情報が定期的に宅配ボックス130またはボックス管理サーバ111から送信される場合には、ステップS134、S136は実行しなくてもよい。
【0061】
第2実施形態と同様、アロケーションサーバ109はロッカー使用情報に基づいて宅配ボックス130とそのロッカー132を割り当て、割り当て情報を生成して発送サーバ105へ送信する(S142)。割り当て情報に含まれる宅配ボックス130の名称とロッカー132の番号により、配送人である売主は、荷物を収容すべき宅配ボックス130とそのロッカー132を確保することができる。この後、発送サーバ105を介し、配送予定時刻、受け取り期限、荷物の回収日時などを含む情報をユーザ端末103に送信してもよい(S144)。
【0062】
荷物の配送が完了すると、収容通知が宅配ボックス130からボックス管理サーバ111へ送信される(S146)。第2実施形態と同様、収容通知はアロケーションサーバ109に送信されてもよい(S148)。また、売主は、発送サーバ105を介し、発送完了通知をユーザ端末103に送信してもよい(S150)。その後、居住者102によって荷物が受け取られると、宅配ボックス130からボックス管理サーバ111へ受領通知が送信される(S154)。受領通知は宅配ボックス130からアロケーションサーバ109に送信されてもよい(S156)。
【0063】
本実施形態で述べた配送方法においても、配送人と発送人を兼ねる売主自身も予め荷物が収容されるロッカー132を確保した後に荷物を配送する。このため、居住者102が在宅しているか不在であるかに関わらず、荷物を確実にロッカー132に収容することができ、再配送の手間を完全に排除することができる。さらに、配送のためのコストを大幅に削減することが可能となる上、ロッカー132内に荷物が滞留する時間を削減できる。その結果、荷物量に対するロッカー132の台数の増大を抑制しつつ、居住者102の満足度を向上させることも可能となる。
【0064】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0065】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0066】
100:配送システム、102:常時居住者、102:居住者、103:ユーザ端末、104:発送人、105:発送サーバ、106:配送事業者、107:配送管理サーバ、108:アロケーション事業者、109:アロケーションサーバ、110:ボックス管理事業者、111:ボックス管理サーバ、120:ネットワーク、130:宅配ボックス、130-1:宅配ボックス、130-2:宅配ボックス、132:ロッカー、134:モニター、136:カードリーダ、138:操作盤、140:共有エリア、140-1:準共有エリア、140-2:完全共有エリア、142:占有エリア、144:ドア、146:ドア、150:コンテナ、152:筐体、152a:可動部、152b:固定部、154:蓋、156:ロック、158:把手、160:ストッパ、162:排出防止機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7