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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081922
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】腎臓損傷の治療及び予防
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/706 20060101AFI20230606BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 31/09 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
A61K31/706
A61P13/12
A61K31/09
A61K9/20
A61K9/48
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023030792
(22)【出願日】2023-03-01
(62)【分割の表示】P 2020507509の分割
【原出願日】2018-04-23
(31)【優先権主張番号】62/489,095
(32)【優先日】2017-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519379248
【氏名又は名称】エリシウム ヘルス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルコトゥーリ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】アルミナナ,ダン
(72)【発明者】
【氏名】デリンガー,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】モーリス,マーク
(72)【発明者】
【氏名】パーシング ガレンテ,レオナルド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】腎臓関連疾患及び障害を治療及び/又は予防する方法を提供する。
【解決手段】ニコチンアミドリボシド及び/又はプテロスチルベンを含む組成物を対象に投与する(例えば、対象に経口的に投与する)ことによる、腎臓関連疾患及び障害の治療及び/又は予防、急性腎臓傷害の治療及び/又は予防に関連する、並びに対象における腎臓の健康を改善する方法及び組成物が、本明細書において提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における腎臓損傷を治療する又は予防する方法であって、前記対象に、ニコチンアミドリボシドを含む組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記組成物が、プテロスチルベンをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記腎臓損傷が、腎臓への血液流入の減少、腎臓における尿の逆流、敗血症、外傷、自己免疫疾患、がん、薬物誘発性腎毒性又は重度の脱水の結果である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記腎臓損傷が、急性腎臓傷害によって引き起こされるものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
急性腎臓傷害を治療する又は予防する方法であって、対象に、ニコチンアミドリボシドを含む組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項6】
前記組成物が、プテロスチルベンをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記急性腎臓傷害が、腎臓への血流量の減少の結果である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
血流量の減少が、低血圧、失血、重度の下痢、心臓発作、心不全、心機能の低下、臓器不全、薬物誘発性腎毒性、外傷又は手術の結果である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記薬物誘発性腎毒性が、NSAID誘発性腎毒性である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記急性腎臓傷害が、がん、敗血症、血管炎、間質性腎炎、強皮症、細尿管壊死、糸球体腎炎又は血栓性微小血管症の結果である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項11】
前記がんが、多発性骨髄腫である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記急性腎臓傷害が、尿路の閉塞の結果である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項13】
前記閉塞が、神経因性膀胱、後腹膜線維症、膀胱がん、前立腺がん、子宮頸がん、前立腺肥大、腎臓結石、血栓又は腫瘍によって引き起こされるものである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
対象における腎臓病を治療する方法であって、前記対象に、ニコチンアミドリボシドを含む組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項15】
前記組成物が、プテロスチルベンをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記腎臓病が、糖尿病又は高血圧症の結果である、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記腎臓病が、全身性疾患、ウイルス性疾患、尿路感染症、多発性嚢胞腎、又は糸球体の炎症をもたらす状態の結果である、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項18】
前記全身性疾患が、ループスである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
腎臓への血流量を増大させる方法であって、対象に、ニコチンアミドリボシドを含む組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項20】
前記対象が、急性腎臓傷害、腎臓損傷又は腎臓病を有する、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物が、プテロスチルベンをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物の前記投与が、1以上の用量の前記組成物を投与するステップを含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物の各用量が、少なくとも200mgのニコチンアミドリボシドを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物の各用量が、少なくとも250mgのニコチンアミドリボシドを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記組成物の各用量が、少なくとも300mgのニコチンアミドリボシドを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物の各用量が、少なくとも350mgのニコチンアミドリボシドを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記組成物の各用量が、少なくとも400mgのニコチンアミドリボシドを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記組成物の各用量が、少なくとも450mgのニコチンアミドリボシドを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記組成物の各用量が、少なくとも500mgのニコチンアミドリボシドを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記組成物の各用量が、少なくとも550mgのニコチンアミドリボシドを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記組成物の各用量が、少なくとも15mgのプテロスチルベンを含む、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記組成物の各用量が、少なくとも25mgのプテロスチルベンを含む、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記組成物の各用量が、少なくとも50mgのプテロスチルベンを含む、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記組成物の各用量が、少なくとも75mgのプテロスチルベンを含む、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物の各用量が、少なくとも100mgのプテロスチルベンを含む、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記組成物の各用量が、少なくとも125mgのプテロスチルベンを含む、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物の各用量が、少なくとも150mgのプテロスチルベンを含む、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
2以上の用量の前記組成物が投与される、請求項22から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
30以上の用量の前記組成物が投与される、請求項22から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
50以上の用量の前記組成物が投与される、請求項22から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
100以上の用量の前記組成物が投与される、請求項22から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記用量の前記組成物が、少なくとも週に1回投与される、請求項22から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記用量が、少なくとも週に2回投与される、請求項22から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記用量が、少なくとも週に3回投与される、請求項22から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記用量が、少なくとも1日1回投与される、請求項22から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記用量が、少なくとも1日2回投与される、請求項22から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記用量が、少なくとも7日間にわたって投与される、請求項42から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記用量が、少なくとも30日間にわたって投与される、請求項42から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記用量が、少なくとも60日間にわたって投与される、請求項42から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記用量が、少なくとも90日間にわたって投与される、請求項42から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記組成物が、丸剤、錠剤又はカプセル剤として製剤化される、請求項1から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物が、経口的に投与される、請求項1から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記組成物が、自己投与される、請求項1から52のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年4月24日に出願された、米国仮特許出願第62/489095号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
腎不全又は腎機能障害としても公知の腎臓不全は、腎臓が血液から代謝廃棄物を的確に濾過することができない、腎臓機能の異常の病状である。腎臓損傷又は不全は、若干数の急性(例えば、急性腎臓傷害の結果として)及び慢性(例えば、腎臓病の結果として)臨床状態において出現する。腎臓不全は、米国において毎年数千人の死亡を引き起こしている。したがって、腎臓不全及びその根本原因の治療及び予防のための新たな組成物及び方法が大いに必要である。
【発明の概要】
【0003】
式I若しくは式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)及び/又は式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を含む組成物を対象に投与する(例えば、対象に経口的に投与する)ことによる、腎臓傷害、腎臓関連疾患又は障害の治療及び/又は予防に関連する、並びに対象における腎臓の健康を改善する方法及び組成物が、本明細書において提供される。
【0004】
ある特定の態様において、本明細書において提供される方法及び組成物は、式I若しくは式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)及び/又は式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を含む組成物を対象に投与する(例えば、対象に経口的に投与する)ことによる、対象における腎臓損傷の治療及び/又は予防に関する。ある特定の実施形態において、腎臓損傷は、がん、腎臓への血液流入の減少(すなわち、虚血)、腎臓における尿の逆流(back up of urine)、敗血症、外傷、自己免疫疾患、薬物誘発性毒性(例えば、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)誘発性腎毒性)、鉛中毒及び/又は重度の脱水の結果である。
【0005】
ある特定の態様において、本明細書において提供される方法及び組成物は、式I若しくは式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)及び/又は式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を含む組成物を対象に投与する(例えば、対象に経口的に投与する)ことによる、対象における急性腎臓傷害の治療及び/又は予防に関する。一部の実施形態において、急性腎臓傷害は、腎臓への血流量の減少(すなわち、虚血性傷害)の結果である。腎臓への血流量の減少は、低血圧、失血、重度の下痢、心臓発作、心不全、心機能の低下、臓器不全、薬物誘発性腎毒性(例えば、NSAID誘発性腎毒性)、アレルギー反応、熱傷、外傷(例えば、鈍的外傷)及び/又は手術の結果であり得る。一部の実施形態において、急性腎臓傷害は、がん(例えば、多発性骨髄腫)、敗血症、血管炎、間質性腎炎、強皮症、細尿管壊死、糸球体腎炎又は血栓性微小血管症の結果である。一部の実施形態において、急性腎臓傷害は、尿路の閉塞の結果である。尿路の閉塞は、膀胱がん、前立腺がん、子宮頸がん、前立腺肥大、腎臓結石又は尿中の血栓によって引き起こされ得る。ある特定の態様において、式I若しくは式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)及び/又は式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を含む組成物を対象に投与する(例えば、対象に経口的に投与する)ことによって、対象における腎臓病(例えば、慢性腎臓病)を治療する方法が、本明細書において提供される。一部の実施形態において、慢性腎臓病は、免疫系疾患(例えば、ループス)、長期ウイルス性疾患(例えば、HIV/AIDS、B型肝炎又はC型肝炎)、尿路感染症、多発性嚢胞腎及び/又は糸球体の炎症の結果である。
【0006】
本明細書において提供される組成物及び方法のある特定の実施形態において、組成物は、式I又は式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)(例えば、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも175mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、少なくとも300mg、少なくとも325mg、少なくとも350mg、少なくとも375mg、少なくとも400mg、少なくとも425mg、少なくとも450mg、少なくとも475mg、少なくとも500mg、少なくとも525mg、少なくとも550mg、少なくとも575mg又は少なくとも600mgの式I又は式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド))を含む。一部の実施形態において、組成物は、式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)(例えば、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg又は少なくとも150mgの式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン))を含む。ある特定の実施形態において、組成物は、式I又は式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)(例えば、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも175mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、少なくとも300mg、少なくとも325mg、少なくとも350mg、少なくとも375mg、少なくとも400mg、少なくとも425mg、少なくとも450mg、少なくとも475mg、少なくとも500mg、少なくとも525mg、少なくとも550mg、少なくとも575mg又は少なくとも600mgの式I又は式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド))及び式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)(例えば、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg又は少なくとも150mgの式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン))の両方を含む。
【0007】
ある特定の実施形態において、方法は、複数用量の組成物を投与するステップを含む。一部の実施形態において、少なくとも7用量の組成物が投与される。一部の実施形態において、少なくとも30用量の組成物が投与される。一部の実施形態において、少なくとも60以上の用量の組成物が投与される。一部の実施形態において、各用量は、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも175mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、少なくとも300mg、少なくとも325mg、少なくとも350mg、少なくとも375mg、少なくとも400mg、少なくとも425mg、少なくとも450mg、少なくとも475mg、少なくとも500mg、少なくとも525mg、少なくとも550mg、少なくとも575mg又は少なくとも600mgの式I又は式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)を含む。一部の実施形態において、各用量は、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg又は少なくとも150mgの式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を含む。ある特定の実施形態において、各用量は、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも175mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、少なくとも300mg、少なくとも325mg、少なくとも350mg、少なくとも375mg、少なくとも400mg、少なくとも425mg、少なくとも450mg、少なくとも475mg、少なくとも500mg、少なくとも525mg、少なくとも550mg、少なくとも575mg又は少なくとも600mgの式I又は式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg又は少なくとも150mgの式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を含む。
【0008】
ある特定の実施形態において、ある用量の組成物は、一定の間隔である期間にわたって投与される。一部の実施形態において、ある用量の組成物は、少なくとも週に1回投与される。一部の実施形態において、ある用量の組成物は、少なくとも週に2回投与される。ある特定の実施形態において、ある用量の組成物は、少なくとも週に3回投与される。一部の実施形態において、ある用量の組成物は、少なくとも1日1回投与される。一部の実施形態において、ある用量の組成物は、少なくとも1日2回投与される。一部の実施形態において、ある用量の組成物は、少なくとも1週間にわたって、少なくとも2週間にわたって、少なくとも3週間にわたって、少なくとも4週間にわたって、少なくとも1か月間にわたって、少なくとも2か月間にわたって、少なくとも3か月間にわたって、少なくとも4か月間にわたって、少なくとも5か月間にわたって、少なくとも6か月間にわたって又は少なくとも1年間にわたって投与される。
【0009】
ある特定の実施形態において、組成物は、経口送達のために製剤化される。一部の実施形態において、組成物は、丸剤、錠剤又はカプセル剤として製剤化される。一部の実施形態において、組成物は、経口的に投与される。ある特定の実施形態において、組成物は、自己投与される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
概要
式I若しくは式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)及び/又は式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を含む組成物を対象に投与する(例えば、対象に経口的に投与する)ことによる、腎臓傷害の治療及び/又は予防、腎臓関連疾患及び障害の治療及び/又は予防に関連する、並びに対象における腎臓の健康を改善する方法及び組成物が、本明細書において提供される。ある特定の態様において、腎臓損傷及び/又は急性腎臓傷害の治療及び/又は予防に関連する、方法及び組成物が、本明細書において提供される。一部の態様において、腎臓への血流量を増大させる方法及び組成物が、本明細書において提供される。
【0011】
定義
便宜上、明細書、例及び添付の特許請求の範囲において用いられるある特定の用語をここに集める。
【0012】
冠詞「a」及び「an」は、本明細書において、該冠詞の1つ又は1つを超える(すなわち、少なくとも1つの)文法的目的語を指すために使用される。例として、「要素」は、1つの要素又は1つを超える要素を意味する。
【0013】
本明細書において使用される場合、用語「投与すること」は、医薬品又は組成物を対象に提供することを意味し、医療専門家及び自己投与によって投与することを含むがこれらに限定されない。対象への、物質、化合物又は作用物質の投与は、当業者に公知の様々な方法の1つを使用して行うことができる。例えば、化合物又は作用物質は、静脈内に、動脈内に、皮内に、筋肉内に、腹腔内に、皮下に、眼内に、舌下に、経口的に(摂取によって)、鼻腔内に(吸入によって)、髄腔内に、脳内に及び経皮的に(吸収によって、例えば、皮膚管を通して)、投与することができる。化合物又は作用物質は、再荷電可能若しくは生分解性ポリマーデバイス、又は他のデバイス、例えばパッチ及びポンプ、又は、化合物若しくは作用物質の、長時間、緩徐若しくは制御放出を提供する製剤によって、適切に導入することもできる。投与は、例えば、1回、複数回及び/又は1つ以上の長期間にわたって、実施することもできる。
【0014】
物質、化合物又は作用物質を対象に投与する適切な方法は、例えば、対象の年齢及び/又は身体状態並びに化合物又は作用物質の化学的及び生物学的特性(例えば、溶解度、消化性、バイオアベイラビリティ、安定性及び毒性)にも依存することになる。一部の実施形態において、化合物又は作用物質は、例えば対象に摂取によって経口的に投与される。一部の実施形態において、経口的に投与される化合物又は作用物質は、長時間放出若しくは緩徐放出製剤であるか、又はそのような緩徐若しくは長時間放出のためのデバイスを使用して投与される。
【0015】
語句「薬学的に許容される担体」は、本明細書において使用される場合、薬学的に許容される材料、組成物又はビヒクル、例えば、液体若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、又は溶媒カプセル化材料を意味する。
【0016】
本明細書において使用される場合、用語「対象」は、治療又は療法のために選択されるヒト又は非ヒト動物を意味する。
【0017】
語句「治療有効量」及び「有効量」は、本明細書において使用される場合、あらゆる医療に適用可能な合理的なベネフィット/リスク比で、対象の細胞の少なくとも亜集団において所望の治療効果を生成するために有効な、作用物質の量を意味する。
【0018】
対象における疾患を「治療すること」又は疾患を有する対象を「治療すること」は、対象を、該疾患の少なくとも1つの症状を減少させる又は悪化を予防するような、薬学的治療、例えば、薬物の投与に供することを指す。
【0019】
本明細書において使用される場合、障害又は状態を「予防する」治療薬は、障害又は状態の発症前に統計的試料に投与された場合、未治療対照試料と比べて、治療試料における障害又は状態の出現を低減させる、或いは未治療対照試料と比べて、障害又は状態の1つ以上の症状の発症を遅延させる又は重症度を低減させる、化合物を指す。
【0020】
組成物
式I若しくは式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)及び/又は式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を含む医薬組成物が、本明細書において提供される。
【0021】
ニコチンアミドリボシドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)への前駆体として働く、ナイアシン(すなわち、ビタミンB3)のピリジン-ヌクレオシド形態である。本明細書において使用される場合、「ニコチンアミドリボシド」は、ニコチンアミドリボシドクロリド等のニコチンアミドリボシド塩も含む。ニコチンアミドリボシドの化学構造を以下に提供する。
【0022】
【化1】
【0023】
一部の実施形態において、式(I)によって表される化合物又は薬学的に許容されるその塩:
【0024】
【化2】
[式中、それぞれの出現について独立して、
R1、R2及びR3は、水素、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR14、-N(R14)m、-R13、置換又は非置換(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択され、
R4及びR5は、水素、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR14、-N(R14)m、置換又は非置換(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択され、
R6、R8、R11及びR12は、水素、(C1~C6)アルキル、-((C1~C6)アルキレン)N(R14)m、-C(O)((C1~C6)アルキレン)N(R14)m、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、-OR14及び-N(R14)mから選択され、
R7、R9及びR10は、-((C1~C6)アルキレン)N(R14)m、-OR14及び-N(R14)mから選択され、
R13は、-OR14、-N(R14)m、-C(O)(R14)、-C(O)(OR14)、-C(O)N(R14)m、-S(O)2(OR14)、-S(O)OR14及び-S(O)2N(R14)mから選択され、
R14は、水素、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択され、
Xは、O、S又はN(R14)であり、
mは、2又は3であり、
但し、R1、R2及びR3の少なくとも1つは、R13である]
を含む、医薬組成物が、本明細書において提供される。
【0025】
一部の実施形態において、R1は、R13である。一部の実施形態において、R2は、R13である。一部の実施形態において、R3は、R13である。
【0026】
一部の実施形態において、R13は、-OR14、-N(R14)m、-C(O)(R14)、-C(O)(OR14)及び-C(O)N(R14)mから選択される。一部の実施形態において、R13は、-C(O)(R14)、-C(O)(OR14)及び-C(O)N(R14)mから選択される。一部の実施形態において、R13は、-C(O)N(R14)mである。
【0027】
一部の実施形態において、R7、R9及びR10は、それぞれ独立して、-OR14又は-N(R14)mである。一部の実施形態において、R7、R9及びR10は、-OR14である。
【0028】
一部の実施形態において、式(I)の化合物は、式(II)によって表される、又は薬学的に許容されるその塩:
【0029】
【化3】
[式中、それぞれの出現について独立して、
R2及びR3は、水素、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR14、-N(R14)m、-R13、置換又は非置換(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択され、
R4及びR5は、水素、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR14、-N(R14)m、置換又は非置換(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択され、
R6、R8、R11及びR12は、水素、-OR14、-N(R14)m、置換又は非置換(C1~C6)アルキル、-((C1~C6)アルキレン)N(R14)m、-C(O)((C1~C6)アルキレン)N(R14)m、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択され、
R13は、-OR14、-N(R14)m、-C(O)(R14)、-C(O)(OR14)、-C(O)N(R14)m、-S(O)2(OR14)、-S(O)OR14及び-S(O)2N(R14)mから選択され、
R14は、水素、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択され、
mは、2又は3である]
である。
【0030】
式(I)又は(II)の化合物の一部の実施形態において、R1、R2及びR3は、存在する場合、水素、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR14、-N(R14)m、-R13及び置換又は非置換(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態において、R1、R2及びR3は、存在する場合、水素、-OR14、-N(R14)m及び非置換(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態において、R1、R2及びR3は、存在する場合、置換又は非置換(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態において、R1、R2及びR3は、存在する場合、それぞれ独立して、水素である。
【0031】
式(I)又は(II)の化合物の一部の実施形態において、R4及びR5は、水素、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR14、-N(R14)m及び置換又は非置換(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態において、R4及びR5は、水素、-OR14、-N(R14)m及び非置換(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態において、R4及びR5は、置換又は非置換(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態において、R4及びR5は、それぞれ水素である。
【0032】
式(I)又は(II)の化合物の一部の実施形態において、R6、R8、R11及びR12は、水素、-OR14、-N(R14)m、非置換(C1~C6)アルキル、-((C1~C6)アルキレン)N(R14)m、-C(O)((C1~C6)アルキレン)N(R14)m、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択される。一部の実施形態において、R6、R8、R11及びR12は、水素、-OR14、-N(R14)m、非置換(C1~C6)アルキル、-((C1~C6)アルキレン)N(R14)m及び-C(O)((C1~C6)アルキレン)N(R14)mからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態において、R6、R8、R11及びR12は、水素、-OR14及び-N(R14)mからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態において、R6、R8、R11及びR12は、非置換(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態において、R6、R8、R11及びR12は、それぞれ水素である。
【0033】
一部の実施形態において、R7、R9及びR10は、それぞれ独立して、-OR14又は-N(R14)mである。一部の実施形態において、R7、R9及びR10は、それぞれ-OR14である。一部の実施形態において、R7、R9及びR10は、それぞれ-OHである。
【0034】
式(I)又は(II)の化合物の一部の実施形態において、R14は、水素又は(C1~C6)アルキルである。
【0035】
式(I)又は(II)の化合物の一部の実施形態において、Xは、O又はN(R14)である。一部の実施形態において、Xは、Oである。
【0036】
式(I)又は(II)の化合物の一部の実施形態において、化合物は、
【0037】
【化4】
である。
【0038】
プテロスチルベンは、スチルベノイドであり、親油性及び経口吸収の増大、並びに酸化の低減によるより長い半減期を有することを可能にする2つのメトキシ基の存在によってより良好なバイオアベイラビリティを有する、ポリフェノールレスベラトロール(reservatrol)の類似体である。プテロスチルベンの化学構造を以下に提供する。
【0039】
【化5】
【0040】
一部の実施形態において、式(III)によって表される化合物、又は薬学的に許容されるその塩:
【0041】
【化6】
[式中、それぞれの出現について独立して、
R15は、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR16、-N(R16)p、-S(O)2(OR16)、-S(O)OR16、置換又は非置換(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択され、
R16は、水素、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択され、
nは、0から5までの整数であり、
pは、2又は3であり、
但し、少なくとも1つのnは、1であり、少なくとも1つのR15は、-OR16である]
を含む医薬組成物が、本明細書において提供され、
但し、式(III)の化合物は、
【0042】
【化7】
ではない。
【0043】
式(III)の化合物の一部の実施形態において、R15は、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR16、-N(R16)p及び置換又は非置換(C1~C6)アルキルから選択される。一部の実施形態において、R15は、-OR16、-N(R16)p及び非置換(C1~C6)アルキルから選択される。一部の実施形態において、R15は、置換又は非置換(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルから選択される。一部の実施形態において、R15は、-OR16である。一部の実施形態において、R15は、-OR16であり、R16は、水素又は(C1~C6)アルキルである。一部の実施形態において、R15は、-OR16であり、R16は、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル及びヘテロアラルキルである。一部の実施形態において、R15は、-OR16であり、R16は、(C1~C6)アルキルである。一部の実施形態において、R15は、-OR16であり、R16は、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルである。
【0044】
一部の実施形態において、nは、1、2又は3である。一部の実施形態において、nは、1又は2である。
【0045】
一部の実施形態において、pは、2である。一部の実施形態において、pは、3である。
【0046】
一態様において、1つ以上の薬学的に許容される担体(添加物)及び/又は希釈剤と一緒に製剤化された、治療有効量の本明細書において記述されている化合物の1つ以上(例えば、ニコチンアミドリボシド及び/又はプテロスチルベン)を含む、薬学的に許容される組成物が、本明細書において提供される。別の態様において、本明細書において記述されている作用物質は、そのまま投与するか、又は薬学的に許容される担体との混合物で投与することができ、他の作用物質と併せて投与することもできる。故に、併用療法は、1つ以上の本発明の化合物の、順次、同時及び別個、又は共投与を含み、ここで、最初に投与したものの治療効果は、その後の化合物が投与された際に完全には消失していない。
【0047】
以下で詳細に記述される通り、本明細書において記述されている医薬組成物は、下記に適応しているものを含む固体又は液体形態での投与のために特別に製剤化されてよい:(1)経口投与、例えば、飲薬(水性又は非水性液剤又は懸濁剤)、錠剤、例えば、口腔内、舌下及び全身吸収を標的としたもの、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、舌への塗布用のペースト剤、(2)例えば、滅菌液剤若しくは懸濁剤又は持続放出製剤としての、例えば、皮下、筋肉内、静脈内又は硬膜外注射による、非経口投与、或いは(3)舌下に。
【0048】
一部の実施形態において、組成物は、追加の作用物質を含む。例えば、組成物は、酸化防止剤等の栄養剤を含んでよい。薬学的に許容される酸化防止剤の例は、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性酸化防止剤、(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロール等の油溶性酸化防止剤、並びに(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤を含む。
【0049】
本明細書において記述されている化合物の製剤は、単位剤形で提示されてよく、薬学分野において周知の任意の方法によって調製されてよい。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる有効成分の量は、治療されている宿主及び特定の投与モードに応じて変動することになる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる有効成分の量は、概して、治療効果を生成する作用物質の量となる。
【0050】
ある特定の実施形態において、本明細書において記述されている製剤は、シクロデキストリン、リポソーム、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、及び高分子担体、例えば、ポリエステル及びポリ無水物を含むがこれらに限定されない賦形剤、並びに本発明の作用物質を含む。一部の実施形態において、前述の製剤は、本発明の作用物質を、経口バイオアベイラブルにする。これらの製剤又は組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、担体及び場合により1つ以上の副成分と会合させるステップを含んでよい。
【0051】
本明細書において提供される製剤の経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、マイクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤を含む。有効成分に加えて、液体剤形は、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物を含有してよい。
【0052】
不活性希釈剤のほかに、経口組成物は、補助剤、例えば、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、着香剤及び保存剤も含み得る。
【0053】
懸濁剤は、活性化合物に加えて、懸濁化剤を、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタ水酸化物、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにそれらの混合物として含有してよい。
【0054】
経口投与に好適な本明細書において提供される製剤は、それぞれが所定量の本発明の化合物を有効成分として含有する、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、キャンディー剤(香味基剤、通常スクロース及びアカシア又はトラガカントを使用)、散剤、顆粒剤の形態、又は水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として、又は水中油型若しくは油中水型液体エマルションとして、又はエリキシル剤若しくはシロップ剤として、又はパステル剤として(不活性基剤、例えば、ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアを使用)並びに/或いは洗口剤としてのもの等であってよい。本発明の化合物は、ボーラス剤、舐剤又はペースト剤として投与されてもよい。
【0055】
経口投与のための本発明の固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤等)において、有効成分は、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム等の1つ以上の薬学的に許容される担体、並びに/或いは下記のいずれかと混合される:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及び/又はケイ酸等の充填剤又は増量剤、(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及び/又はアカシア等のバインダー、(3)グリセロール等の保湿剤、(4)寒天、炭酸カルシウム、バレイショ又はタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケート及び炭酸ナトリウム等の崩壊剤、(5)パラフィン等の溶液遅延剤、(6)第四級アンモニウム化合物等の吸収加速剤、(7)例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート及び非イオン性界面活性剤等の湿潤剤、(8)カオリン及びベントナイト粘土等の吸収剤、(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの混合物等の滑沢剤、並びに(10)着色剤。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、医薬組成物は、緩衝剤も含んでよい。同様の種類の固体組成物は、ラクトース又は乳糖等の賦形剤、及び高分子量ポリエチレングリコール等を使用して、軟及び硬殻ゼラチンカプセル剤における充填剤として用いられてもよい。
【0056】
錠剤は、場合により1つ以上の副成分とともに、圧縮又は成形によって作製されてよい。圧縮錠は、バインダー(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤又は分散剤を使用して調製されてよい。成形錠剤は、好適な機械内、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末状化合物の混合物を成形することによって作製され得る。
【0057】
本明細書において記述されている医薬組成物の錠剤及び他の固体剤形、例えば、糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤は、場合により切り込み線が入れられているか、又はコーティング及び外殻、例えば、腸溶コーティング及び医薬製剤分野において周知である他のコーティングを用いて調製されていてもよい。それらは、例えば、所望の放出プロファイルを提供するための可変割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソーム及び/又はマイクロスフェアを使用して、その中の有効成分の緩徐又は制御放出を提供するように製剤化されてもよい。本明細書において記述されている組成物は、急速放出のために製剤化、例えば、フリーズドライされてもよい。それらは、例えば、細菌保持フィルターに通す濾過によって、又は滅菌水若しくは何らかの他の滅菌注射用媒質に使用直前に溶解され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌されてよい。これらの組成物は、乳白剤を場合により含有してもよく、有効成分のみを、又は優先的に、胃腸管のある特定の一部で、場合により、遅延様式で放出する組成物であってよい。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー性物質及びワックスを含む。有効成分は、適切ならば、上述した賦形剤の1つ以上を加えた、マイクロカプセル化形態であってもよい。
【0058】
非経口投与に好適な本明細書において提供される医薬組成物は、1つ以上の本発明の化合物を、1つ以上の薬学的に許容される滅菌等張水性若しくは非水性溶液、分散液、懸濁液若しくはエマルション、又は使用直前に滅菌注射溶液若しくは分散液に再構成され得る滅菌粉末と組み合わせて含み、これらは、砂糖、アルコール、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤、製剤を意図されているレシピエントの血液と等張にする溶質、又は懸濁化剤若しくは増粘剤を含有してよい。
【0059】
本発明の医薬組成物において用いられてよい好適な水性及び非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)及びそれらの好適な混合物、オリーブ油等の植物油、並びにオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルを含む。適正な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング材料の使用によって、分散液の場合は必要とされる粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。
【0060】
治療方法
本明細書において開示される組成物(すなわち、式I若しくは式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)及び/又は式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を含む組成物)を対象(例えば、それを必要とする対象)に投与することによって、対象における、腎臓損傷を予防する若しくは治療する、腎臓傷害(例えば、急性腎臓傷害)を予防する若しくは治療する、及び/又は腎臓への血流量を増大させる方法が、本明細書において提供される。対象は、腎臓損傷、急性腎臓傷害及び/又は腎臓病を有してよい。
【0061】
本明細書において使用される場合、腎臓損傷は、腎臓が血液から代謝廃棄物を的確に濾過することができない、腎臓機能の異常の病状を指す場合がある。一部の実施形態において、腎臓損傷は、腎臓不全を示すものでもある。腎臓損傷を引き起こし得る状態の例は、腎臓への血液流入の減少、腎臓における尿の逆流、敗血症、外傷(例えば、鈍的外傷等)、自己免疫疾患、薬物誘発性腎毒性(例えば、NSIAD誘発性腎毒性)、重金属中毒(例えば、鉛中毒)又は重度の脱水を含むがこれらに限定されない。
【0062】
一部の態様において、急性腎臓傷害(すなわち、それを必要とする対象における)を治療する又は予防する方法が、本明細書において提供される。一部の実施形態において、急性腎臓傷害は、数時間又は数日以内に起こる腎臓不全又は腎臓損傷のエピソードである。急性腎臓傷害は、本明細書において使用される場合、腎臓機能における急激な劣化を特徴とし得る。一部の実施形態において、対象は、急性腎臓傷害を有し、急性腎臓傷害は、尿量の減少を伴う又は伴わない血清クレアチニンレベルの増大によって現れ得る。一部の実施形態において、対象は、血清クレアチニンレベルの増大を有する。一部の実施形態において、対象は、尿量の減少を有し得る。一部の実施形態において、対象は、急性腎臓傷害を有し、急性腎臓傷害は、腎前(例えば、腎血流量の減少によって引き起こされる)、内因性腎(例えば、腎臓内でのプロセスによって引き起こされる)又は腎後(例えば、腎臓より遠位の尿の不十分な排水によって引き起こされる)であってよい。
【0063】
急性腎臓傷害又は腎臓損傷は、NSAID、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、シクロスポリン、利尿薬、タクロリムス、ペニシリン類似体、セファロスポリン、スルホンアミド、シプロフロキサシン、アシクロビル、リファンピン、フェニトイン、インターフェロン又はプロトンポンプ阻害剤等の薬剤の使用(例えば、過剰使用)の結果であり得る。急性腎臓傷害及び腎臓損傷の他の原因は、心腎症候群、肝腎症候群、腹部コンパートメント症候群、高カルシウム血症、敗血症、神経原性ショック、腎実質の感染症、糸球体腎炎、ウイルス感染症(エプスタイン・バーウイルス感染症又はサイトメガロウイルス感染症等)、細菌感染症(例えば、連鎖球菌(Streptococcus)又はレジオネラ属菌(Legionella)種の細菌によって引き起こされる細菌感染症)又は真菌感染症(例えば、カンジダ症又はヒストプラズマ症によって引き起こされる真菌感染症)を含む。一部の実施形態において、急性腎傷害及び/又は腎臓損傷は、サルコイドーシス又はループス等の全身性疾患によって引き起こされる。
【0064】
急性腎臓傷害及び腎臓損傷を引き起こす状態の追加の例は、がん(例えば、多発性骨髄腫)、長期にわたる低血圧、腎静脈血栓症、悪性高血圧症、強皮症腎クリーゼ、腎アテローム塞栓症、腎梗塞血管炎、間質性腎炎、強皮症、並びに又は、細尿管壊死、糸球体腎炎又は血栓性微小血管症等の腎臓尿細管の炎症若しくは腎臓尿細管への損傷を引き起こす状態を含む。
【0065】
一部の実施形態において、急性腎臓傷害及び/又は腎臓損傷は、腎臓への血流量の減少によって引き起こされる。腎臓への血流量の減少を引き起こし得る状態は、例えば、失血、重度の下痢、心臓発作、心不全、心機能の低下、臓器不全、アレルギー反応、熱傷及び/又は外傷を含む。一部の実施形態において、対象は、手術を受けており、対象の血管は固定されており、腎臓への血流量の減少につながる。一部の実施形態において、急性腎臓傷害又は腎臓損傷は、尿路の閉塞の結果である。尿路の閉塞は、例えば、神経因性膀胱、後腹膜線維症、膀胱がん、前立腺がん、子宮頸がん、前立腺肥大、腎臓結石、血栓又は腫瘍の結果であり得る。
【0066】
一部の実施形態において、対象は、腎臓病を有する。腎臓病は、血液中から化合物を濾過する、血液中からの余分な水を濾過する、及び/又は血圧を制御するのを助ける腎臓の能力に影響するあらゆる状態である。腎臓病は、糖尿病、高血圧症、全身性疾患(例えば、ループス)、ウイルス性疾患(例えば、HIV/AIDS、B型肝炎又はC型肝炎)、尿路感染症、遺伝性疾患、例えば、多発性嚢胞腎、又は腎臓糸球体の炎症をもたらす任意の状態によって引き起こされ得る。
【0067】
一部の実施形態において、対象の腎臓機能は、本明細書において開示される組成物の投与の前、最中又は後に測定されてよい。腎臓機能は、糸球体濾過率、尿量、又はクレアチニン、尿素、窒素、リン若しくはカリウム等の腎臓の健康の他の生物医学的マーカーのレベルの関数として評価されてよい。クレアチニン、尿素、窒素、リン又はカリウム等のマーカーは、尿中で又は血液試験を通して測定されてよい。
【0068】
本明細書において開示される組成物の実際の投薬量レベル及び投与レジメンは、特定の患者、組成物及び投与モードについて、患者に毒性となることなく所望の治療応答を実現するために有効な量の式I若しくは式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)及び/又は式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を取得するように、変動し得る。
【0069】
一部の実施形態において、組成物の投与は、1以上の用量での組成物の投与を含む。一部の実施形態において、組成物の投与は、1以上、5以上、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、100以上、又は1000以上の用量での組成物の投与を含む。一部の実施形態において、用量は、少なくとも25mg、少なくとも50mg、少なくとも75mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、少なくとも300mg、少なくとも325mg、少なくとも350mg、少なくとも375mg、少なくとも400mg、少なくとも425mg、少なくとも450mg、少なくとも475mg、少なくとも500mg、少なくとも550mg、少なくとも600mg、少なくとも650mg、少なくとも700mg、少なくとも750mg、少なくとも800mg又は少なくとも850mgの式I又は式IIの化合物(例えば、ニコチンアミドリボシド)を含む。一部の実施形態において、用量は、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、少なくとも100mg、少なくとも110mg、少なくとも120mg、少なくとも130mg、少なくとも140mg、少なくとも150mg、少なくとも160mg、少なくとも170mg、少なくとも180mg、少なくとも190mg、少なくとも200mg又は少なくとも250mgの式IIIの化合物(例えば、プテロスチルベン)を含む。
【0070】
本明細書において開示される組成物は、特定の患者、組成物及び投与モードについて、患者に毒性となることなく所望の治療応答を実現するために有効な任意の期間にわたって投与されてよい。期間は、少なくとも1日間、少なくとも10日間、少なくとも20日間、少なくとも30日間、少なくとも60日間、少なくとも3か月間、少なくとも6か月間、少なくとも1年間、少なくとも3年間、少なくとも5年間、又は少なくとも10年間であってよい。用量は、必要な場合に、散発的に又は一定の間隔で、投与されてよい。例えば、用量は、毎月、毎週、2週間毎に、3週間毎に、1日1回又は1日2回、投与されてよい。
【0071】
参照による組み込み
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許及び特許出願は、各個々の刊行物、特許又は特許出願が、参照により組み込まれることが具体的に且つ個々に示されているかの如く、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、本明細書におけるあらゆる定義を含む本出願が優先するものとする。
【0072】
均等物
当業者ならば、本明細書において記述されている発明の具体的な実施形態の多くの均等物を認識するであろう、又は日常実験以上のものを使用することなく解明することができるであろう。そのような均等物は、下記の特許請求の範囲によって網羅されることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載される発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
均等物
当業者ならば、本明細書において記述されている発明の具体的な実施形態の多くの均等物を認識するであろう、又は日常実験以上のものを使用することなく解明することができるであろう。そのような均等物は、下記の特許請求の範囲によって網羅されることが意図されている。
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
対象における腎臓損傷を治療する又は予防する方法であって、前記対象に、ニコチンアミドリボシドを含む組成物を投与するステップを含む、方法。
[実施形態2]
前記組成物が、プテロスチルベンをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
前記腎臓損傷が、腎臓への血液流入の減少、腎臓における尿の逆流、敗血症、外傷、自己免疫疾患、がん、薬物誘発性腎毒性又は重度の脱水の結果である、実施形態1又は2に記載の方法。
[実施形態4]
前記腎臓損傷が、急性腎臓傷害によって引き起こされるものである、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
[実施形態5]
急性腎臓傷害を治療する又は予防する方法であって、対象に、ニコチンアミドリボシドを含む組成物を投与するステップを含む、方法。
[実施形態6]
前記組成物が、プテロスチルベンをさらに含む、実施形態5に記載の方法。
[実施形態7]
前記急性腎臓傷害が、腎臓への血流量の減少の結果である、実施形態5又は6に記載の方法。
[実施形態8]
血流量の減少が、低血圧、失血、重度の下痢、心臓発作、心不全、心機能の低下、臓器不全、薬物誘発性腎毒性、外傷又は手術の結果である、実施形態6に記載の方法。
[実施形態9]
前記薬物誘発性腎毒性が、NSAID誘発性腎毒性である、実施形態8に記載の方法。
[実施形態10]
前記急性腎臓傷害が、がん、敗血症、血管炎、間質性腎炎、強皮症、細尿管壊死、糸球体腎炎又は血栓性微小血管症の結果である、実施形態5又は6に記載の方法。
[実施形態11]
前記がんが、多発性骨髄腫である、実施形態10に記載の方法。
[実施形態12]
前記急性腎臓傷害が、尿路の閉塞の結果である、実施形態5又は6に記載の方法。
[実施形態13]
前記閉塞が、神経因性膀胱、後腹膜線維症、膀胱がん、前立腺がん、子宮頸がん、前立腺肥大、腎臓結石、血栓又は腫瘍によって引き起こされるものである、実施形態10に記載の方法。
[実施形態14]
対象における腎臓病を治療する方法であって、前記対象に、ニコチンアミドリボシドを含む組成物を投与するステップを含む、方法。
[実施形態15]
前記組成物が、プテロスチルベンをさらに含む、実施形態14に記載の方法。
[実施形態16]
前記腎臓病が、糖尿病又は高血圧症の結果である、実施形態14又は15に記載の方法。
[実施形態17]
前記腎臓病が、全身性疾患、ウイルス性疾患、尿路感染症、多発性嚢胞腎、又は糸球体の炎症をもたらす状態の結果である、実施形態14又は15に記載の方法。
[実施形態18]
前記全身性疾患が、ループスである、実施形態17に記載の方法。
[実施形態19]
腎臓への血流量を増大させる方法であって、対象に、ニコチンアミドリボシドを含む組成物を投与するステップを含む、方法。
[実施形態20]
前記対象が、急性腎臓傷害、腎臓損傷又は腎臓病を有する、実施形態19又は20に記載の方法。
[実施形態21]
前記組成物が、プテロスチルベンをさらに含む、実施形態16に記載の方法。
[実施形態22]
前記組成物の前記投与が、1以上の用量の前記組成物を投与するステップを含む、実施形態1から21のいずれかに記載の方法。
[実施形態23]
前記組成物の各用量が、少なくとも200mgのニコチンアミドリボシドを含む、実施形態22に記載の方法。
[実施形態24]
前記組成物の各用量が、少なくとも250mgのニコチンアミドリボシドを含む、実施形態22に記載の方法。
[実施形態25]
前記組成物の各用量が、少なくとも300mgのニコチンアミドリボシドを含む、実施形態22に記載の方法。
[実施形態26]
前記組成物の各用量が、少なくとも350mgのニコチンアミドリボシドを含む、実施形態22に記載の方法。
[実施形態27]
前記組成物の各用量が、少なくとも400mgのニコチンアミドリボシドを含む、実施形態22に記載の方法。
[実施形態28]
前記組成物の各用量が、少なくとも450mgのニコチンアミドリボシドを含む、実施形態22に記載の方法。
[実施形態29]
前記組成物の各用量が、少なくとも500mgのニコチンアミドリボシドを含む、実施形態22に記載の方法。
[実施形態30]
前記組成物の各用量が、少なくとも550mgのニコチンアミドリボシドを含む、実施形態22に記載の方法。
[実施形態31]
前記組成物の各用量が、少なくとも15mgのプテロスチルベンを含む、実施形態22から30のいずれかに記載の方法。
[実施形態32]
前記組成物の各用量が、少なくとも25mgのプテロスチルベンを含む、実施形態22から30のいずれかに記載の方法。
[実施形態33]
前記組成物の各用量が、少なくとも50mgのプテロスチルベンを含む、実施形態22から30のいずれかに記載の方法。
[実施形態34]
前記組成物の各用量が、少なくとも75mgのプテロスチルベンを含む、実施形態22から30のいずれかに記載の方法。
[実施形態35]
前記組成物の各用量が、少なくとも100mgのプテロスチルベンを含む、実施形態22から30のいずれかに記載の方法。
[実施形態36]
前記組成物の各用量が、少なくとも125mgのプテロスチルベンを含む、実施形態22から30のいずれかに記載の方法。
[実施形態37]
前記組成物の各用量が、少なくとも150mgのプテロスチルベンを含む、実施形態22から30のいずれかに記載の方法。
[実施形態38]
2以上の用量の前記組成物が投与される、実施形態22から37のいずれかに記載の方法。[実施形態39]
30以上の用量の前記組成物が投与される、実施形態22から38のいずれかに記載の方法。[実施形態40]
50以上の用量の前記組成物が投与される、実施形態22から39のいずれかに記載の方法。[実施形態41]
100以上の用量の前記組成物が投与される、実施形態22から40のいずれかに記載の方法。
[実施形態42]
前記組成物の各用量が、週1回以上投与される、実施形態22から41のいずれかに記載の方法。
[実施形態43]
前記組成物の各用量が、週2回以上投与される、実施形態22から41のいずれかに記載の方法。
[実施形態44]
前記組成物の各用量が、週3回以上投与される、実施形態22から41のいずれかに記載の方法。
[実施形態45]
前記組成物の各用量が、1日1回以上投与される、実施形態22から41のいずれかに記載の方法。
[実施形態46]
前記組成物の各用量が、1日2回以上投与される、実施形態22から41のいずれかに記載の方法。
[実施形態47]
前記用量が、少なくとも7日間にわたって投与される、実施形態42から46のいずれかに記載の方法。
[実施形態48]
前記用量が、少なくとも30日間にわたって投与される、実施形態42から46のいずれかに記載の方法。
[実施形態49]
前記用量が、少なくとも60日間にわたって投与される、実施形態42から46のいずれかに記載の方法。
[実施形態50]
前記用量が、少なくとも90日間にわたって投与される、実施形態42から46のいずれかに記載の方法。
[実施形態51]
前記組成物が、丸剤、錠剤又はカプセル剤として製剤化される、実施形態1から50のいずれかに記載の方法。
[実施形態52]
前記組成物が、経口的に投与される、実施形態1から51のいずれかに記載の方法。
[実施形態53]
前記組成物が、自己投与される、実施形態1から52のいずれかに記載の方法。
【外国語明細書】