(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082006
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】移動体管理装置、移動体管理方法、移動体管理システム、および、移動体管理装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20230606BHJP
G08G 1/137 20060101ALI20230606BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20230606BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230606BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20230606BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20230606BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20230606BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20230606BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/137
G08G1/00 D
G09B29/10 Z
G09B29/00 Z
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038464
(22)【出願日】2023-03-13
(62)【分割の表示】P 2018167533の分割
【原出願日】2018-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】吉田 徹也
(72)【発明者】
【氏名】嶋崎 大樹
(72)【発明者】
【氏名】谷田部 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】亀本 佳孝
(57)【要約】 (修正有)
【課題】管理者が出発地点および訪問地点を移動すべき移動体を決める際に地図バージョンを確認する手間を省くことができる移動体管理装置等を提供する。
【解決手段】通信可能な複数の移動体の各ナビゲーション装置が有する地図バージョン情報に基づいて、移動体が出発する出発地点および移動体が訪問する訪問地点の情報から生成されるルートの作成に用いられる地図のバージョンを含む第1地図バージョン情報を決定しS1、出発地点および少なくとも1つの訪問地点の情報を取得しS2、出発地点および訪問地点を移動すべき移動体のナビゲーション装置が有する地図のバージョンを含む第2地図バージョン情報を取得しS4、第1地図バージョン情報が第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図のバージョンが異なる場合に、第1地図バージョン情報が示す地図とは異なる地図を用いたルート作成が必要な旨の通知を送信するS5、S7。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信可能な複数の前記移動体が移動すべき指定ルートの作成に用いられる地図のバージョンを含む第1地図バージョン情報を決定する第1地図バージョン情報決定手段と、
前記指定ルートを移動すべき移動体のナビゲーション装置が有する地図のバージョンを含む第2地図バージョン情報を取得する第2地図バージョン情報取得手段と、
前記第1地図バージョン情報が前記第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図のバージョンと異なる場合に、前記第1地図バージョン情報が
示す地図とは異なる地図を用いたルート作成が必要な旨の通知を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする移動体管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、移動体管理装置、移動体管理方法、移動体管理システム、および、移動体管理装置用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
移動体に搭載されたナビゲーション装置にインストールされている地図のバージョンは、最新のバージョンであるとは限らないため、最新の地図データと異なっていて、経路探索において、様々な解決策がなされている。例えば、下記特許文献1には、車載端末から送信される車載端末が保持する地図データのバージョン情報に基づき地図データベースを参照して、探索された誘導経路を構成する道路のうち、車載端末が保持する地図データにない道路部分があったときには、その道路部分のデータを、車載端末が保持する地図データへの追加道路のデータとして生成し、追加道路のデータを車載端末へ送信するカーナビゲーションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の車両を運用している事業会社においては、事業会社の管理者が、出発地点から目的の訪問地点を巡り最終の地点までの地点の順序を示すコースを設定した上で、車両がどのような道路を通るのかのルートを指定する場合がある。このような事業会社において、車両に搭載されたナビゲーション装置にインストールされている地図のバージョンは、すべての車両において、同じバージョンでないことがあり、車両のナビゲーション装置において、車両が走行するルートは、地図のバージョンに依存するため、あるバージョンでルートを生成した場合、生成されたルートが、特定の移動体のナビゲーション装置で利用できないことがあった。そのため、管理者が、出発地点から訪問地点へ移動すべき移動体を決める際に、いちいち地図バージョンを確認する手間が生じていた。
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載されている技術は、事業会社の管理者がルートを指定して管理するものではなく、この技術を適用する場合、管理する車両の全てのナビゲーション装置を、追加道路のデータの表示に対応するようにする必要があった。
【0006】
そこで本願は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、管理者が、出発地点および訪問地点を移動すべき移動体を決める際に、地図バージョンを先ず確認する手間を省くことができる移動体管理装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、通信可能な複数の移動体の各ナビゲーション装置が有する地図バージョン情報に基づいて、前記移動体が出発する出発地点および前記移動体が訪問する訪問地点の情報から生成されるルートの作成に用いられる地図のバージョンを含む第1地図バージョン情報を決定する第1地図バージョン情報決定手段と、前記出発地点および少なくとも1つの前記訪問地点の情報を取得する地点情報取得手段と、前記出発地点および前記訪問地点を移動すべき移動体のナビゲーション装置が有する地図のバージョンを含む第2地図バージョン情報を取得する第2地図バージョン情報取得手段と、前記第1地図バージョン情報が前記第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図のバージョンが異なる場合に、前記第1地図バージ
ョン情報が示す地図とは異なる地図を用いたルート作成が必要な旨の通知を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また請求項5に記載の発明は、第1地図バージョン情報決定手段が、通信可能な複数の移動体の各ナビゲーション装置が有する地図バージョン情報に基づいて、前記移動体が出発する出発地点および前記移動体が訪問する訪問地点の情報から生成されるルートの作成に用いられる地図のバージョンを含む第1地図バージョン情報を決定する第1地図バージョン情報決定ステップと、地点情報取得手段が、前記出発地点および少なくとも1つの前記訪問地点の情報を取得する地点情報取得ステップと、第2地図バージョン情報取得手段が、前記出発地点および前記訪問地点を移動すべき移動体のナビゲーション装置が有する地図のバージョンを含む第2地図バージョン情報を取得する第2地図バージョン情報取得ステップと、送信手段が、前記第1地図バージョン情報が前記第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図のバージョンが異なる場合に、前記第1地図バージョン情報が示す地図とは異なる地図を用いたルート作成が必要な旨の通知を
送信する送信ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また請求項6に記載の発明は、移動体を管理するための移動体管理装置と、前記移動体を管理する管理者が使用する管理端末装置と、を備えた移動体管理システムにおいて、前記移動体管理装置が、通信可能な複数の移動体の各ナビゲーション装置が有する地図バージョン情報に基づいて、前記移動体が出発する出発地点および前記移動体が訪問する訪問地点の情報から生成されるルートの作成に用いられる地図のバージョンを含む第1地図バージョン情報を決定する第1地図バージョン情報決定手段と、前記出発地点および少なくとも1つの前記訪問地点の情報を、前記管理端末装置から取得する地点情報取得手段と、前記出発地点および前記訪問地点を移動すべき移動体のナビゲーション装置が有する地図のバージョンを含む第2地図バージョン情報を取得する第2地図バージョン情報取得手段と、前記第1地図バージョン情報が前記第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図のバージョンが異なる場合に、前記第1地図バージョン情報
が示す地図とは異なる地図を用いたルート作成が必要な旨の通知を、前記管理端末装置に送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】移動体管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】車両管理システムの構成例を示す模式図である。
【
図3】情報処理サーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】情報処理サーバ装置のデータベースに記憶されたデータの一例を示す模式図である。
【
図5】管理端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】ナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】情報処理サーバ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】管理端末装置の表示部における表示の一例を示す模式図である。
【
図9】管理端末装置の表示部における表示の一例を示す模式図である。
【
図10】管理端末装置の表示部における表示の一例を示す模式図である。
【
図11】管理端末装置の表示部における表示の一例を示す模式図である。
【
図12】管理端末装置の表示部における表示の一例を示す模式図である。
【
図13】管理端末装置の表示部における表示の一例を示す模式図である。
【
図14】管理端末装置の表示部における表示の一例を示す模式図である。
【
図15】管理端末装置の表示部における表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願を実施するための形態について、
図1を用いて説明する。なお
図1は、実施形態に係る移動体管理装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、移動体管理装置1は、第1地図バージョン情報決定手段1aと、地点情報取得手段1bと、第2地図バージョン情報取得手段1cと、送信手段1dと、を備えて構成されている。
【0013】
移動体管理装置1は、所定の事業会社が保有する複数の移動体の情報を管理している。事業会社の管理者の管理端末装置が、ネットワークを介して、移動体管理装置1に接続して、移動体の管理情報を表示させたり、移動体が移動する地点のコースを設定したり、複数の移動体の情報を操作したりする。管理端末装置は、例えば、事業会社に設置されたパーソナルコンピュータ等の端末装置である。
【0014】
この構成において第1地図バージョン情報決定手段1aは、通信可能な複数の移動体の各ナビゲーション装置が有する地図バージョン情報に基づいて、移動体が出発する出発地点および移動体が訪問する訪問地点の情報から生成されるルートの作成に用いられる地図のバージョンを含む第1地図バージョン情報を決定する。
【0015】
移動体の一例として、例えば、自動車、自転車、人、鉄道、船舶、航空機等が挙げられる。移動体が出発する出発地点は、例えば、事業会社の車両の保管場所、事業会社の営業所、荷物を運び出す工場等が挙げられる。移動体が訪問する訪問地点は、例えば、営業先、荷物を積み下ろす場所等の目的地である。なお、訪問地点を巡回して、出発地点に戻ってくる場合、最終の訪問地点(終着地点)は、出発地点である。出発地点、第1訪問地点、第2訪問地点、・・・、最終の訪問地点を、訪問のコースとする。
【0016】
通信可能な複数の移動体は、管理端末装置から、ネットワークを介して、所定のコードでアクセス可能なナビゲーション装置を有する移動体である。例えば、通信可能な複数の移動体は、管理者が管理端末装置を使用して管理する複数の移動体である。通信可能な複数の移動体の一例として、所定の事業会社が保有する全ての車両、事業会社の所定の部門の全ての車両等が挙げられる。
【0017】
ナビゲーション装置は、例えば、車載用のナビゲーション装置であり、所定の地図バージョンの地図データを有している。最新の地図バージョンに更新していない場合、ナビゲーション装置は、古い地図バージョンを有している。地図バージョン情報は、例えば、地図のメジャーバージョン情報や、マイナーバージョン情報、累積バージョン情報等が記載された番号または記号である。
【0018】
第1地図バージョン情報決定手段1aは、通信可能な複数の移動体の各ナビゲーション装置が有する地図バージョン情報に基づいて、例えば、作成されている最新の地図バージョンの番号または記号、通信可能な複数の移動体の中で最新の地図バージョンの番号または記号、または、通信可能な複数の移動体の中で最も多い地図バージョンの番号または記号に決定する。
【0019】
なお、第1地図バージョン情報は、予め決定されていてもよい。例えば、第1地図バージョン情報には、作成されている最新の地図バージョンの番号または記号、事業会社で導入されている最新の地図バージョンの番号または記号が含まれる。
【0020】
地点情報取得手段1bは、移動体が出発する出発地点、および、少なくとも1つの移動体が訪問する少なくとも1つの訪問地点の情報を取得する。移動体管理装置1は、例えば、管理端末装置からの出発地点、および、少なくとも1つの訪問地点の入力を取得する。
【0021】
訪問地点が1つの場合、目的地が1つで、この第1訪問地点が最終の訪問地点となる。出発地点および第1訪問地点が、訪問コースとなる。
【0022】
訪問地点が2つの場合、目的地が2つで、移動体は、第1訪問地点を経由して、最終の第2訪問地点に到着する。出発地点、第1訪問地点、および、第2訪問地点が、訪問コースとなる。なお、出発地点に戻ってくる場合、最終の第2訪問地点と、出発地点とが同じになる。
【0023】
移動体管理装置1は、取得した出発地点から少なくとも1つの訪問地点から、第1地図バージョン情報に基づき、出発地点から少なくとも1つの訪問地点に向かう訪問コースに沿ったルートを生成する。なお、ルート生成専用の別のルート探索サーバ装置が、訪問コースに沿ったルートを生成してもよい。この場合、移動体管理装置1は、ルート探索サーバ装置から生成されたルート情報を取得する。
【0024】
第2地図バージョン情報取得手段1cは、出発地点および訪問地点を移動すべき移動体のナビゲーション装置が有する各地図のバージョンを含む第2地図バージョン情報を取得する。
【0025】
出発地点および訪問地点を移動すべき移動体は、例えば、管理者が管理端末装置により選択された移動体である。設定した1つの訪問のコースに対して、1つの移動体を選択してもよいし、1つの訪問のコースに対して、複数の移動体を選択してもよい。
【0026】
選択された移動体が1つの場合、第2地図バージョン情報は、選択された移動体のナビゲーション装置が有する地図データの地図バージョン番号または記号を含む。選択された移動体が複数の場合、第2地図バージョン情報は、選択された複数の移動体の各ナビゲーション装置が有する各地図データの地図バージョン番号または記号を含む。この場合、第2地図バージョン情報は、複数の地図バージョン番号または記号を含む。
【0027】
送信手段1dは、第1地図バージョン情報が第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図のバージョンが異なる場合に、第1地図バージョン情
報が示す地図とは異なる地図を用いたルート作成が必要な旨の通知を送信する。
【0028】
第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンは、例えば、選択された移動体が1つの場合、選択された1つの動体のナビゲーション装置が有する地図データの地図バージョン番号または記号である。選択された移動体が複数の場合、第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンは、選択された複数の移動体のナビゲーション装置が有する地図データの各地図バージョン番号または記号である。
【0029】
第1地図バージョン情報が第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図のバージョンが異なる場合とは、先ず、選択された移動体が1つの場合、決定された第1地図バージョン情報の1つの地図バージョン番号または記号と、選択された1つの移動体のナビゲーション装置が有する地図データの第2地図バージョン情報の地図バージョン番号または記号とを移動体管理装置1は比較する。また、選択された移動体が複数の場合、決定された第1地図バージョン情報が第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図のバージョンが異なる場合とは、先ず、決定された第1地図バージョン情報の1つの地図バージョン番号または記号と、選択された複数の移動体のナビゲーション装置が有する地図データの第2地図バージョン情報の各地図バージョン番号または記号とを、移動体管理装置1は1つずつ比較する。
【0030】
そして、少なくとも一部の地図バージョンが異なる場合とは、例えば、選択された移動体が1つの場合、決定された第1地図バージョン情報の1つの地図バージョン番号または記号と、選択された1つの移動体のナビゲーション装置が有する地図データの第2地図バージョン情報の地図バージョン番号または記号とが異なる場合である。選択された移動体が複数の場合、少なくとも一部の地図バージョンが異なる場合とは、決定された第1地図バージョン情報の1つの地図バージョン番号または記号と、選択された複数の移動体のナビゲーション装置が有する地図データの第2地図バージョン情報の各地図バージョンまたは記号とを比較して、異なるものが存在する場合である。
【0031】
第1地図バージョン情報が示す地図とは異なる地図を用いたルート作成が必要な旨は、
例えば、管理者へのアラートとして、管理端末装置の表示部におけるウェブページやポップによる表示の通知であったり、音声通知であったりである。
【0032】
送信手段1dは、第1地図バージョン情報が示す地図とは異なる地図を用いたルート作
成が必要な旨の情報を、例えば、管理端末装置に送信する。
【0033】
なお、第1地図バージョン情報が第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図のバージョンが異なる場合でない場合、すなわち、全ての地図のバージョンが一致する場合、決定された第1地図バージョン情報に基づき生成されたルートの情報が、選択された移動体のナビゲーション装置に送信される。第1地図バージョン情報が第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図のバージョンが異なる場合、例えば、選択された複数の移動体のナビゲーション装置が有する地図データの第2地図バージョン情報の各地図バージョンまたは記号に基づき生成された各ルートの情報が、各地図バージョン番号または記号に合致するように、選択された各移動体のナビゲーション装置に送信される。
【0034】
以上説明したように、実施形態に係る移動体管理装置1の動作によれば、出発地点および訪問地点を移動すべき移動体を決める際に、地図のバージョンを先ず確認する手間を省くことができる。
【実施例0035】
[1.車両管理システムSの構成および機能概要]
【0036】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、移動体の一例である車両における車両管理システムSに対して、本願を適用した場合の実施例である。
【0037】
図2は、車両管理システムSの構成例を示す模式図である。
【0038】
図2に示すように、本実施例の車両管理システムS(移動体管理システムの一例)は、事業会社の車両5(移動体の一例)を管理するために、車両管理システムSに関するサービスを提供する情報処理サーバ装置10(移動体管理装置の一例)と、事業会社側に設置される管理端末装置20と、車両5に搭載されたナビゲーション装置30と、を含んで構成される。なお、
図2では管理端末装置20を一台ずつ示しているが、車両管理システムSは複数の管理端末装置20を含んで構成されていてもよい。
【0039】
情報処理サーバ装置10は、管理端末装置20から、コース情報として、出発地点や訪問地点を受け付け、ルートを生成する。情報処理サーバ装置10は、生成したルートの修正等のため、生成したルートを管理端末装置20に送信する。情報処理サーバ装置10は、管理端末装置20からの指示に基づき、生成したルートを、ナビゲーション装置30に送信する。
【0040】
なお、情報処理サーバ装置10のルート生成機能は、ルート生成専用の別のルート探索サーバ装置で実現してもよい。この場合、情報処理サーバ装置10は、管理端末装置20から受信した出発地点や訪問地点の情報をルート探索サーバ装置に送信して、生成されたルートを受信する。
【0041】
管理端末装置20は、コースを指定するために、出発地点や訪問地点を管理者から受け付ける。管理端末装置20は、指定したコースに対して生成した指定ルートを表示部に表示して、指定ルートの修正等の操作を受け付ける。管理端末装置20は、指定ルートを移動させる車両5を管理者に選択させる。
【0042】
ナビゲーション装置30は、情報処理サーバ装置10から指定ルートを受信する。ナビゲーション装置30は、受信した指定ルートを表示する。
【0043】
ナビゲーション装置30、情報処理サーバ装置10、および、管理端末装置20は、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、およびゲートウェイ等により構築されている。
【0044】
[2.各装置の構成および機能]
(2.1 情報処理サーバ装置10の構成の構成および機能)
次に、情報処理サーバ装置10の構成および機能について、
図3および
図4を用いて説明する。
図3は、情報処理サーバ装置10の構成例を示すブロック図である。
図4は、情報処理サーバ装置10のデータベースに記憶されたデータの一例を示す模式図である。
【0045】
図3に示すように、コンピュータとして機能する情報処理サーバ装置10は、記憶部11と、通信部12と、操作部13と、表示部14と、制御部15と、を有する。
【0046】
記憶部11は、例えば、ハードディスクドライブ、シリコンディスクドライブ等により構成されている。記憶部11は、各種データベースを有する。
【0047】
図4に示すように、記憶部11は、車両IDに関連付けられて、所属する組織名、車両名、車両種別、車両ナンバー、地図のバージョン等を記憶する車両管理データベース11aが構築されている。
【0048】
また、記憶部11は、ルート探索に必要な地図データを有している。地図データには、道路に関するノードやリンクの情報が含まれる。また、記憶部11は、ウェブ画面用の地図データを有していてもよい。
【0049】
また、記憶部11は、オペレーティングシステムおよびサーバプログラム等の各種プログラム等を記憶する。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークNWを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0050】
通信部12は、ネットワークNWに接続して、管理端末装置20およびナビゲーション装置30との通信状態を制御するようになっている。
【0051】
操作部13は、例えば、キーボードおよびマウス等によって構成されている。操作部13は、オペレータからの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号として制御部15に出力するようになっている。
【0052】
表示部14は、例えば、液晶表示素子またはEL素子等によって構成されている。表示部14は、文字や画像等の情報を表示する。
【0053】
制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。制御部15は、情報処理サ
ーバ装置10の各部の動作を制御する。制御部15は、CPUが、ROMや、RAMや、記憶部11に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。
【0054】
(2.2 管理端末装置20の構成および機能)
次に、管理端末装置20の構成および機能について、
図5を用いて説明する。
図5は、管理端末装置20の構成例を示すブロック図である。
【0055】
図5に示すように、コンピュータとして機能する管理端末装置20は、記憶部21と、通信部22と、操作部23と、表示部24と、制御部25と、を有する。
【0056】
記憶部21は、例えば、ハードディスクドライブ、シリコンディスクドライブ等により構成されている。記憶部21は、オペレーティングシステムおよびサーバプログラム等の各種プログラム等を記憶する。
【0057】
通信部22は、ネットワークNWに接続して、情報処理サーバ装置10およびナビゲーション装置30との通信状態を制御するようになっている。
【0058】
操作部23は、操作部13のように、例えば、キーボードおよびマウス等によって構成されている。操作部23により、管理者からの操作を受け付ける。
【0059】
表示部24は、表示部14のように、例えば、液晶表示素子またはEL素子等によって構成されている。表示部24には、指定ルートが表示される。
【0060】
制御部25は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、を有する。制御部25は、管理端末装置20の各部の動作を制御する。制御部25は、CPUが、ROMや、RAMや、記憶部21に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。
【0061】
(2.3 ナビゲーション装置30の構成および機能)
次に、ナビゲーション装置30の構成および機能について、
図6を用いて説明する。
【0062】
図6は、ナビゲーション装置30の構成例を示すブロック図である。
【0063】
図6に示すように、ナビゲーション装置30は、記憶部31と、通信部32と、操作部33と、表示部34と、センサ部35と、スピーカ部36と、制御部37と、を有する。
【0064】
記憶部31は、例えば、ハードディスクドライブ、シリコンディスクドライブ等により構成されており、ナビゲーション用の所定の地図バージョンの地図データ等を記憶している。記憶部31は、ナビゲーション装置30を制御するための各種プログラム等を記憶したりする。各種プログラムは、オペレーティングシステム、ナビゲーションや、音楽再生用のアプリケーションソフト等が挙げられる。なお、各種プログラムや地図データは、例えば、無線通信網等のネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、CD、DVD等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0065】
通信部32は、ネットワークNWに接続して、情報処理サーバ装置10との通信状態を制御するようになっている。
【0066】
操作部33は、機械式の電源ボタン、音量ボタン等の各種ボタンや、表示部34がタッチパネルのようなタッチスイッチ方式の表示パネルである。
【0067】
表示部34は、例えば、液晶表示素子またはEL素子等によって構成されている。表示部34には、ルート案内情報が表示される。
【0068】
センサ部35は、速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、方位センサ、操舵角センサ、座席センサ、燃料センサ、温度センサ、等の各種のセンサである。
【0069】
スピーカ部36は、例えば、通知、案内等の音声や音楽を出力する。
【0070】
制御部37は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、を有する。制御部37は、CPUが、ROMや、RAMや、記憶部31に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。
【0071】
[3.情報処理サーバ装置10の動作]
次に、実施例に係る情報処理サーバ装置10の動作について
図7から
図15を用いて説明する。
【0072】
図7は、情報処理サーバ装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図8から
図15は、管理端末装置20の表示部における表示の一例を示す模式図である。
【0073】
図7に示すように、車両管理システムSは、管理している複数の車両5(通信可能な複数の移動体の一例)の各ナビゲーション装置30が有する地図バージョンに基づいて指定ルートを作成に用いられる地図の第1地図バージョンを決定する(ステップS1)。具体的には、情報処理サーバ装置10の制御部15は、
図4に示すような記憶部11のDBを参照して、地図バージョン情報を取得する。制御部15は、取得した地図バージョン情報の地図バージョンの番号または記号から、最新の地図バージョンの番号または記号を決定する。
【0074】
なお、決定された第1地図バージョンの情報は、情報処理サーバ装置10は、記憶部11または制御部15のRAM等に記憶しておく。また、情報処理サーバ装置10が、この第1地図バージョンを決定する処理は予め行っておいてもよい。情報処理サーバ装置10は、第1地図バージョンの情報として、事業会社が管理している複数の車両5の各ナビゲーション装置30が有する地図バージョン情報のうち、最も多い地図バージョンに決定してもよい。
【0075】
次に、車両管理システムSは、指定ルート・コースの情報を取得する(ステップS2)。具体的には、情報処理サーバ装置10の制御部15は、管理端末装置20から指定ルート・コースの情報を取得する。
【0076】
ここで、管理端末装置20における指定ルート・コースの情報の入力について、
図8および
図9を用いて説明する。なお、指定ルート・コースは、車両5が移動するルートを指定するためのコースである。具体的に、コースは、出発地点、第1訪問地点、第2訪問地点、・・・、最終の訪問地点を示している。
【0077】
図8に示すように、指定ルート・コースの情報を入力するために、管理端末装置20の制御部25が、表示部24にウェブページ40を表示させる。
【0078】
ウェブページ40には、マップ41と、始点の出発地点入力項目42と、終着の訪問地点入力項目43とが、表示される。出発地点入力項目42および訪問地点入力項目43は、地点名入力欄f1と、項目追加ボタンb1、を有する。指定ルート・コースの情報の入力として、管理者は、操作部23を使用して、地点名入力欄f1に地点名や住所を入力したり、マップ41上でクリックして、地点名を入力したりしてもよい。
【0079】
なお、管理端末装置20は、ウェブページ表示用のマップ41の情報を、外部の地図サーバ装置から取得してもよいし、情報処理サーバ装置10を経由して、外部の地図サーバ装置から取得してもよい。
【0080】
指定ルート・コースの情報の入力として、地点名が入力されると、管理端末装置20の制御部25が、ウェブページ40のマップ41に、地点名の位置に対応するところに、出発地点入力項目42および訪問地点入力項目43に対応した記号を表示させる。
【0081】
指定ルート・コースの情報の入力として、項目追加ボタンb1がクリックされると、
図9に示すように、地点名入力欄f1および項目追加ボタンb1有する訪問地点入力項目44が追加される。訪問地点入力項目44が追加され、地点名が入力されると、管理端末装置20の制御部25が、ウェブページ40のマップ41に、地点名の位置に対応するところに、訪問地点入力項目44に対応した記号を表示させる。
【0082】
図9に示すように、指定ルート・コースとして、出発地点入力項目42に入力された出発地点、訪問地点入力項目44に入力された第1訪問地点、第2訪問地点、第3訪問地点、訪問地点入力項目43に入力された第4訪問地点が設定される。
【0083】
次に、車両管理システムSは、第1地図バージョンと指定ルート・コースの情報とに基づき指定ルートを生成する(ステップS3)。管理端末装置20において、ルート作成ボタンb2がクリックされると、管理端末装置20は、ウェブページ40で設定した指定ルート・コースの情報を、情報処理サーバ装置10に送信する。例えば、
図9に示すように、指定ルート・コースが設定されていると、出発地点、第1訪問地点、第2訪問地点、第3訪問地点、第4訪問地点の情報が送信される。
【0084】
次に、情報処理サーバ装置10の制御部15は、指定ルート・コースの情報を管理端末装置20から受信する。制御部15は、記憶部11または制御部15のRAM等から第1地図バージョンの情報を取得する。
【0085】
次に、情報処理サーバ装置10の制御部15は、第1地図バージョンと指定ルート・コースの情報とに基づき、記憶部11の地図データを参照して、出発地点から終着の訪問地点までのルートを生成する。次に、情報処理サーバ装置10の制御部15は、生成したルートの情報を、管理端末装置20に送信する。
【0086】
図10に示すように、管理端末装置20の制御部25は、表示部24のウェブページ40のマップ41に重畳してルートR1を表示させる。なお、マップ41が、外部の地図サーバ装置の地図で、リンク情報を持っていない地図の場合、リンクIDから直接ルートが引けないが、ルートを地点列の緯度経度情報に変換して、緯度経度の点列を補間して生成された画像であるルートR1が表示される。
【0087】
管理者は、表示されたルートR1を見て、ルートを変更する必要がある場合、項目追加ボタンb1をクリックする。例えば、管理者は、出発地点から第1訪問地点までのルートを変更する場合、出発地点入力項目42の項目追加ボタンb1をクリックする。管理者は、第1訪問地点から第2訪問地点までのルートを変更する場合、第1訪問地点の訪問地点入力項目44の項目追加ボタンb1をクリックする。
【0088】
項目追加ボタンb1がクリックされると、
図11に示すように、制御部25は、表示部24のウェブページ40に迂回地点入力項目45を表示させる。さらに、迂回地点を増やす場合は、迂回地点入力項目45の項目追加ボタンb1を管理者はクリックする。
【0089】
変更の指定ルート・コースの情報の入力として、管理者は、操作部23を使用して、地点名入力欄f2に地点名や住所を入力したり、マップ41上でクリックして、地点名を入力したりしてもよい。管理者は、追加した迂回地点入力項目45を消去してもよい。
【0090】
迂回地点入力項目45が追加され、地点名入力欄f2に地点名が入力されると、管理端末装置20の制御部25が、ウェブページ40のマップ41に、地点名の位置に対応するところに、迂回地点入力項目45に対応した記号を表示させる。なお、マップ41上の点がクリックされて、迂回地点が表示されてもよい。マップ41上の点がクリックされて、迂回地点入力項目45が追加され、迂回地点の地点名が入力できるようにしてもよい。
【0091】
管理端末装置20において、ルート作成ボタンb2がクリックされると、管理端末装置20は、ウェブページ40で新たに設定した指定ルート・コースの情報を、情報処理サーバ装置10に送信する。情報処理サーバ装置10の制御部15は、第1地図バージョンと新たに設定された指定ルート・コースの情報に基づき、記憶部11の地図データを参照して、迂回地点を通過する出発地点から終着の訪問地点までのルートを生成する。次に、情報処理サーバ装置10の制御部15は、新たに生成したルートの情報を、管理端末装置20に送信する。
【0092】
図11に示すように、管理端末装置20の制御部25は、表示部24のウェブページ40のマップ41に重畳してルートR2を表示させる。
【0093】
新たに生成したルートに変更がなければ、管理者は、車両選択ボタンb3をクリックする。車両選択ボタンb3がクリックされると、
図12に示すように、管理端末装置20の制御部25は、表示部24のウェブページ50を表示させる。ウェブページ50には、マップ41と、組織選択欄51と、車両選択表52と、設定されたコース名と、指定ルートを送信する送信ボタンb4が、表示される。なお、組織毎の車両5の情報は、管理端末装置20が、情報処理サーバ装置10の車両管理データベース11aから取得する。
【0094】
管理者は、組織選択欄51において、組織を選択すると、制御部25は、選択された組織(例えば、"A部")対応した車両5を車両選択表52に表示する。管理者は、車両選択表52の中から、設定したコースの指定ルートを走行させる車両5にチェックを入れる。送信ボタンb4がクリックされると、管理端末装置20は、選択された車両5の車両IDを、情報処理サーバ装置10に送信する。
【0095】
次に、車両管理システムSは、指定ルート・コースを移動すべき車両5の第2地図バージョンを取得する(ステップS4)。選択された車両5の車両IDを受信した情報処理サーバ装置10の制御部15は、選択された車両5の車両IDに基づき、記憶部11の車両管理データベース11aを参照して、第2地図バージョンとして、選択された車両5の地図バージョンの番号または記号を取得する。
【0096】
次に、車両管理システムSは、少なくとも一部の地図バージョンが異なるか否かを判定する(ステップS5)。情報処理サーバ装置10の制御部15は、決定された第1地図バージョン情報(ルートR1またはルートR2の生成に使われた地図バージョンの番号または記号)と、第2地図バージョン情報に含まれる地図バージョンの番号または記号とを比較する。選択された車両5が1つの場合、制御部15は、決定された第1地図バージョン情報の1つの地図バージョン番号または記号と、選択されたそれぞれの車両5の地図バージョン番号または記号とを比較する。選択された車両5が複数の場合、制御部15は、決定された第1地図バージョン情報の1つの地図バージョン番号または記号と、選択された複数の車両5のナビゲーション装置30が有する地図データの第2地図バージョン情報の各地図バージョン番号または記号とを1つずつ比較する。
【0097】
少なくとも一部の地図バージョンが異ならない場合、すなわち、全ての地図バージョンが一致する場合(ステップS5;NO)、車両管理システムSは、生成した指定ルートを送信する(ステップS6)。具体的には、情報処理サーバ装置10の制御部15は、選択された車両5のナビゲーション装置30に、生成した指定ルートの情報を送信する。ナビゲーション装置30の制御部37は、表示部34のマップに指定ルートを表示させる。この場合、ここまで、地図バージョンを意識せず、管理者は、指定ルートを作成できる。
【0098】
少なくとも一部の地図バージョンが異なる場合、すなわち、全ての地図バージョンが一致しない場合(ステップS5;YES)、車両管理システムSは、指定コース・ルートの再作成を通知する(ステップS7)。具体的には、情報処理サーバ装置10の制御部15は、選択された車両の地図バージョン番号または記号を含む通知情報を管理端末装置20に送信する。
図13に示すように、通知情報を受信した管理端末装置20の制御部25は、表示部24の通知画像60を表示させる。通知画像60は、選択された車両の地図バージョンの番号と共に指定ルートの再作成を促す通知内容61と、指定ルートの再作成をする指定ルート作成ボタン62とを有する。
【0099】
指定ルート作成ボタン62がクリックされると、管理端末装置20の制御部25は、
図14に示すように、指定ルートの再作成のためのウェブページ70を表示部24に表示させる。ウェブページ70は、既に設定されているコースに対応する出発地点入力項目42、訪問地点入力項目43、44と、マップ41と、ナビゲーション装置30における第1地図バージョンの地図と異なる部分を示す道路71とを含む。道路71は、例えば、第1地図バージョン情報が示す地図にある道路であって、第2地図バージョン情報のうち最も古い地図バージョンの地図にない道路である。なお、地図のバージョンによる差異を示す道路71等の地図上の要素は、破線、ハイライト、点滅等により、強調してもよい。
【0100】
なお、道路71は、選択された車両5の地図バージョン番号または記号に基づき、記憶部11の地図データを参照して、情報処理サーバ装置10が生成して、管理端末装置20に送信する。
【0101】
ルート作成ボタンb2がクリックされると、ステップS3と同様に、管理端末装置20は、ウェブページ70で設定した指定ルート・コースの情報を、情報処理サーバ装置10に送信する。情報処理サーバ装置10の制御部15は、第2地図バージョン情報の地図バージョンと指定ルート・コースの情報に基づき、記憶部11の地図データを参照して、出発地点から終着の訪問地点までのルートを生成し、管理端末装置20に送信する。管理端末装置20の制御部25は、表示部24のウェブページ70のマップ41に重畳してルートを表示させる。
【0102】
管理者は、表示されたルートを見て、ルートを変更する必要がある場合、項目追加ボタンb1をクリックする。ステップS3と同様に、
図5に示すように、管理端末装置20は、ウェブページ70に追加された迂回地点入力項目45を表示させる。
【0103】
第1地図バージョンの地図と異なる部分を示す道路71のように、地図バージョンが異なることによる地図上の違いを示すことにより、第1地図バージョンの地図との違いを考慮しながら迂回地点を設定でき、目視で指定ルート・コースの修正がしやすくなる。
【0104】
ルート作成ボタンb2がクリックされると、ステップS3同様に、管理端末装置20は、ウェブページ70で新たに設定した指定ルート・コースの情報を、情報処理サーバ装置10に送信する。情報処理サーバ装置10は、迂回地点を通過する出発地点から終着の訪問地点までのルートを生成し、管理端末装置20に送信する。
【0105】
図15に示すように、管理端末装置20の制御部25は、表示部24のウェブページ70のマップ41に重畳して、再作成したルートR3を表示させる。
【0106】
新たに生成したルートに変更がなければ、管理者は、送信ボタンb4をクリックする。送信ボタンb4がクリックされると、管理端末装置20は、送信指令の情報を情報処理サーバ装置10に送信し、情報処理サーバ装置10の制御部15は、選択された車両5のナビゲーション装置30に、再作成したルートR3の指定ルートの情報を送信する。なお、制御部15は、選択された各車両5のナビゲーション装置30の各地図バージョンに合わせて再作成した指定ルートの情報を、各車両5のナビゲーション装置30に送信してもよい。
【0107】
以上説明したように、実施例に係る動作によれば、通信可能な複数の車両5の各ナビゲーション装置30が有する地図バージョン情報に基づいて、車両5が出発する出発地点および車両5が訪問する訪問地点の情報から生成されるルートの作成に用いられる地図のバージョンを含む第1地図バージョン情報を決定し、出発地点および少なくとも1つの訪問地点の情報を取得し、出発地点および訪問地点を移動すべき車両5のナビゲーション装置30が有する地図のバージョンを含む第2地図バージョン情報を取得し、第1地図バージョン情報が第2地図バージョン情報に含まれる地図のバージョンの少なくとも一部の地図バージョンが異なる場合に、第1地図バージョン情報が示す地図とは異なる地図を用いた
ルート作成が必要な旨の通知を管理端末装置20に送信することにより、管理端末装置20において、管理者が、出発地点および訪問地点を移動すべき移動体を決める際に、地図バージョンを先ず確認する手間を省くことができる。
【0108】
通信可能な複数の車両5の各ナビゲーション装置30が有する地図バージョン情報は、事業会社の保有する最も新しい地図バージョンを導入している場合が多いので、通常は、出発地点および訪問地点の情報から生成されるルートの作成に用いられる地図の第1地図バージョン情報を、事業会社の保有する最新の地図バージョンに決定しておけば、地図バージョンが一致する確率が高くなり、異なる地図バージョンの地図を用いたルート作成が必要な旨の通知をして地図のバージョンを確認する手間を省けるケースが増えて、作業効率を向上させることができる。
【0109】
出発地点および訪問地点の情報から生成されるルートの作成に用いられる地図の第1地図バージョン情報を、通信可能な複数の車両5の各ナビゲーション装置30が有する地図バージョンのうち、最も多い地図バージョンに決定しておけば、地図バージョンが一致する確率が高くなり、地図バージョンを確認する手間を省けるケースが増えて、作業効率を向上させることができる。
【0110】
出発地点、および、訪問地点を、車両5を選択する管理者が使用する管理端末装置20から取得し、出発地点および訪問地点を移動すべき移動体の情報を管理端末装置20から取得し、異なる地図バージョンの地図を用いたルート作成が必要な旨の通知を、管理端末装置20に送信する場合、管理者は、地図のバージョンを気にせず、地図のバージョンを先ず確認する手間を省いて、先ずは指定ルートを作成することができ、決定された第1地図バージョン情報と第2地図バージョン情報に含まれる地図バージョンとを比較して、地図バージョンにずれがあるときに、地図バージョンを確認して、再度、選択された車両5に送信するルートを、再度作成すれはよいので、作業効率が向上する。
【0111】
以上の実施例においては、車両5に搭載されたナビゲーション装置30がインターネット等のネットワークを介して処理サーバと情報を交換する例について説明したが、本発明の移動体装置は、PC(Personal Computer)、携帯電話端末やスマートフォン、タブレ
ット等でナビゲーションを行うようなアプリケーションでも適用可能である。