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特開2023-82172絶縁型共振コンバータ及びその制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082172
(43)【公開日】2023-06-13
(54)【発明の名称】絶縁型共振コンバータ及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20230606BHJP
【FI】
H02M3/28 Q
H02M3/28 H
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023060947
(22)【出願日】2023-04-04
(62)【分割の表示】P 2021078104の分割
【原出願日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】63/051,171
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/192,275
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504162361
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS, INC.
【住所又は居所原語表記】186 Ruey Kuang Road, Neihu, Taipei 114, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョンウ
(72)【発明者】
【氏名】バルボサ、ピーター マントヴァネッリ
(72)【発明者】
【氏名】孫浩
(72)【発明者】
【氏名】賈民立
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スイッチング周波数帯域を大幅に低減することで、性能向上を図り、幅広い電圧変換比を提供する単相及び多相絶縁型共振DC/DCコンバータとその制御方法を提供する。
【解決手段】Nは自然数であるN相を有する絶縁型多相共振コンバータ300は、各相が、トランスTR、TR、...、TRと、1次側共振コンデンサCP1、CP2、...、CPと、1次側共振コンデンサを介して入力端子をトランスに電気的に結合する1組の1次側スイッチQP1、QP2、...、QP(2N)と、トランスを出力端子に電気的に結合する1組の2次側スイッチQS1、QS2、...、QS(2N)と、を備える1相又は複数の相と、1つまたは複数の相に電気的に結合された制御装置400と、を含む。スイッチング周波数範囲の縮小を、スイッチング周波数、デューティー比及び遅延時間を組み合わせて出力電圧又は電流を制御することで実現する。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁型共振コンバータであって、
トランスと、
1組の共振部品と、
前記共振部品を介して入力端子と前記トランスを電気的に結合する第1レッグと第2レッグを有する1次側フルブリッジ回路と、
出力端子と前記トランスを電気的に結合する第3レッグと第4レッグを有する2次側フルブリッジ回路と、
前記1次側及び2次側フルブリッジ回路に電気的に接続された制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記入力端子で入力電圧を検出し、前記出力端子で出力電圧を検出するように構成され、
増幅且つ補正された誤差信号に基づいて、前記第1、第2、第3、及び第4レッグの制御信号を決定するように構成され、
前記制御信号は、前記第1、第2、第3、及び第4レッグのうちの少なくとも1つのデューティー比を含み、
前記1次側及び2次側フルブリッジ回路に前記制御信号を送信するように構成され、
前記増幅且つ補正された誤差信号が閾値以下の場合に、前記絶縁型共振コンバータは降圧型コンバータとなり、
前記増幅且つ補正された誤差信号が前記閾値より大きい場合に、前記絶縁型共振コンバータは昇圧型コンバータとなり、
前記制御回路は、
前記入力電圧及び前記出力電圧を受信し、前記入力電圧及び前記出力電圧をスケーリングされた入力電圧及び出力電圧に変換するように構成される検出及びスケーリング回路と、
前記スケーリングされた出力電圧を受信し、前記基準電圧から前記スケーリングされた出力電圧を減算することによって誤差信号を生成するように構成される減算器回路と、
前記誤差信号を受信し、増幅且つ補正された誤差信号を生成するように構成される誤差増幅器と、
前記スケーリングされた入力電圧と前記増幅且つ補正された誤差信号を受信し、前記スケーリングされた入力電圧と前記増幅且つ補正された誤差信号に基づいて、前記1次側及び2次側スイッチの前記第1及び第2制御信号を生成するように構成されるプロセッサ回路と、を備える絶縁型共振コンバータ。
【請求項2】
請求項1に記載の絶縁型共振コンバータであって、
前記増幅且つ補正された誤差信号が前記閾値以下の場合に、前記第1レッグの前記デューティー比は0.0から0.5の間であり、前記第2レッグの前記デューティー比は0.0である、絶縁型共振コンバータ。
【請求項3】
請求項1に記載の絶縁型共振コンバータであって、
前記増幅且つ補正された誤差信号が前記閾値以下の場合に、前記第1レッグの前記デューティー比は0.5であり、前記第2レッグの前記デューティー比は0.0から0.5の間である、絶縁型共振コンバータ。
【請求項4】
請求項1に記載の絶縁型共振コンバータであって、
前記増幅且つ補正された誤差信号が前記閾値より大きいの場合に、前記第1及び前記第2レッグの前記デューティー比は0.5であり、前記第3レッグの前記デューティー比は0.5から1.0の間であり、前記第4レッグの前記デューティー比は0.5である、絶縁型共振コンバータ。
【請求項5】
請求項1に記載の絶縁型共振コンバータであって、
前記増幅且つ補正された誤差信号が前記閾値より大きいの場合に、前記第1、及び、前記第2レッグの前記デューティー比は0.5であり、前記第3レッグの前記デューティー比は1.0であり、前記第4レッグの前記デューティー比は0.5から1.0の間である、絶縁型共振コンバータ。
【請求項6】
請求項1に記載の絶縁型共振コンバータであって、
前記デューティー比は、前記増幅且つ補正された誤差信号の増加に伴って単調に増加する、絶縁型共振コンバータ。
【請求項7】
請求項6に記載の絶縁型共振コンバータであって、
前記デューティー比は、前記増幅且つ補正された誤差信号の増加に伴って直線的に増加する、絶縁型共振コンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、絶縁型共振DC/DCコンバータ及びその制御方法に関する。より具体的には、本開示は、単相又は多相絶縁型共振コンバータ、及び入出力電圧範囲の拡大を実現するように、絶縁型共振コンバータを制御する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電源業界では、消費電力の削減、設置スペースの縮小、費用対効果の向上を実現するために、高効率、高出力密度、低コストのコンバータが常に求められている。さらに、電気自動車(EV)やデータセンターなど新たに開発された多くのアプリケーションでより高い電力処理が求められている。より高い定格電力のコンバータを使用することで、EVの充電時間やデータセンターの電源ラックのサイズを大幅に削減することができる。一般的に共振コンバータは、電圧又は電流の波形、あるいは電圧及び電流の両方の波形を形成するため、スイッチング損失を最小限に抑えるため、そして変換効率を損なうことなく高周波動作を可能にするために、共振タンク回路を用いる。そのため、共振コンバータは、最大の効率と電力密度を実現する最先端の電源に広く使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図1Aは、絶縁型共振電力コンバータ100の典型的なフルブリッジトポロジーを示しており、共振タンク回路は、共振インダクタLとコンデンサC及びCを含んでいる。図1Aのコンバータ100は、共振タンク部品L、C、CがトランスTRを介して直列に接続されているため、直列共振コンバータ(SRC)となっている。インダクタLは、1次側と2次側のいずれか(又は両方)に配置することができる。また、コンデンサC、Cのいずれか(又は両方)をインダクタLとともに採用できるので、共振タンク回路を形成するために、少なくとも1つのインダクタと1つのコンデンサを直列に接続することも可能である。伝導損失を最小限に抑えるために、2次側整流器には、ダイオードの代わりに低オン抵抗の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFETs)を使用することができる。また、2次側整流器としてMOSFETsを使用することで、2次側から1次側への電源電流を流すことができるため、コンバータ100は双方向性を持つ。
【0004】
SRCの場合、トランスTRの磁化インダクタンスLはLのインダクタンスに比べてはるかに大きい(例えば10倍以上)。トランスTRの磁化インダクタンスが、インダクタLのインダクタンスの数倍(例えば2~10倍)しかない場合、このようなコンバータはLLC共振コンバータと呼ばれる。LLC共振コンバータのトランスTRは磁化インダクタンスが比較的小さいため、磁化インダクタンスを流れる循環電流はSRCに比べて大きい。LLCコンバータは循環電流が大きいため、伝導損失を犠牲にして広い範囲でのゼロ電圧スイッチング(ZVS)を実現している。
【0005】
図1Bは、1次側と2次側スイッチQP1-P4及びQS1-S4のスイッチ制御信号の波形と、1次側電流iの波形を示している。1次側では、QP1とQP4のスイッチ制御信号は、QP2とQP3のスイッチ制御信号と相補的な関係にある。各スイッチ制御信号のデューティー比は、対称的なi波形を得るために、通常50%である。1次側電流波形は、共振タンク部品L、C、Cの共振により、正弦波となる。ZVSを実現するためには、スイッチング周波数を共振タンク部品L、C、Cで決まる共振周波数よりもわずかに大きい。これにより、1次側スイッチQP1-P4の切り替え時における1次側電流i図1Bの時刻t、tにおけるi)は、1次側スイッチQP1-P4のZVS電流となる。1次側電流iを2次側に流し、トランスTRの巻数比で割る(i=i/n、n=N/N、NとNはそれぞれ1次側と2次側巻数を表す)。
【0006】
2次側スイッチQS1-S4のスイッチ制御信号はiの挙動に応じて決定される。iが正の値のときにはスイッチQS1とQS4がオン、スイッチQS2とQS3がオフになり、iが負の値のときにはスイッチQS1とQS4がオフ、スイッチQS2とQS3がオンになる。実用的な実装でZVSを実現するためには、すべてのスイッチ制御信号に立ち上がりエッジの遅延時間(例えば、時刻t、t、t、t)を導入することで、デッドタイムと呼ばれる短い時間の間に、レッグ内の両方の相補的なスイッチをオフにすることができる。このデッドタイムの間に、相補スイッチにおいてその後のZVSがオンになる条件が整うように、1次側電流はオフになっているスイッチから相補スイッチの逆並列ダイオードに整流される。
【0007】
負荷に供給される出力電流値は、2次側電流iの平均値となる。2次側電流iは正弦波であるため、2次側電流のピーク値は出力電流よりも常に大きくなり、コンバータ100に大きな二乗平均平方根(RMS)電流が流れ、その結果、伝導損失によりデバイスの温度が上昇してしまう。また、特に大電流や大電力を必要とするアプリケーションでは、RMS電流が大きいことも共振コンバータの欠点となる。部品の熱容量は物理的に制限されているため、大きな伝導損失とデバイスの温度上昇はコンバータの最大電力供給能力を制限する。大電流や大電力のアプリケーションでは、温度制御はコンバータの信頼性に関わる重要な問題である。
【0008】
図2Aは、相1、相2、及び相3の3つの相を含む典型的な3相絶縁型SRC200を示している。3相絶縁型SRC200の各相は、2つの1次側スイッチ、共振タンクデバイス、トランス、2つの2次側スイッチを備える。例えば、相1では、スイッチQP1、QP2が1次側スイッチ、インダクタLP1、コンデンサCP1、CS1が共振タンクデバイス、トランスTRが相1トランス、スイッチQS1、QS2が2次側スイッチである。同様に、相2では、スイッチQP3、QP4が1次側スイッチ、インダクタLP2、コンデンサCP2、CS2が共振タンクデバイス、トランスTRが相2トランス、スイッチQS3、QS4が2次側スイッチである。さらに相3では、スイッチQP5とQP6が1次側スイッチ、インダクタLP3とコンデンサCP3とCS3が共振タンクデバイス、トランスTRが相3トランス、スイッチQS5とQS6が2次側スイッチである。
【0009】
多相SRCの最も大きな利点は、各相がわずかな総出力を供給することである。3相SRC200では、図1Aに示した単相SRC100と比較して、相の電流ストレスが3分の1になり、それは各共振タンクデバイスのRMS電流ストレスも3分の1になることを意味している。抵抗性の伝導損失がRMS電流の2乗に比例することを考えると、各共振タンクデバイスの伝導損失は単相SRCの1/9になる。従って、3相SRCは、より高い電力供給能力を持っている。
【0010】
図2Bは、1次側と2次側スイッチQP1、QP3、QP5、QS1のスイッチ制御信号の波形と、1次側電流iP1、iP2、iP3の波形を示している。なお,簡略化のため,スイッチQP2,QP4,QP6,QS2,QS3,QS4,QS5,QS6のスイッチ制御信号は省略している。スイッチQP2,QP4,QP6のスイッチ制御信号は,それぞれスイッチQP1,QP3,QP5のスイッチ制御信号と相補的な関係にある。単相SRCと同様に、各相の1次側電流の挙動に応じて2次側スイッチがオンになる。これにより、スイッチQS1、QS3、QS5は、それぞれiP1、iP2、iP3が正である間、オンになる。一方、スイッチQS2、QS4、QS6は、それぞれiP1、iP2、iP3が負の値の時にオンになる。ZVSは、単相SRCと同様の方法で実現できる。図2Bに示すように,スイッチQP1,QP3,QP5のスイッチ制御信号には,120度の位相シフト角(時間領域でのT/3シフト)が差し挟まれている。これにより、フィルタコンデンサCのRMS電流も大幅に減少する。これらの理由から、SRCは多相構造を形成することで、最大電力供給能力を高めることができる。
【0011】
共振コンバータの電圧変換比(VOUT/VIN)は,スイッチング周波数を変化させることで制御できる。例えば、SRCでは、共振周波数で最大の電圧変換比を得ることができる。つまり、スイッチング周波数が共振周波数と等しいときには、電圧変換比はスイッチング周波数が高くなるにつれて小さくなる。可変するスイッチング周波数の制御は、特に入力電圧範囲や出力電圧範囲(又はその両方)が広いアプリケーションでは、一般的に共振コンバータの欠点と考えられている。広い電圧変換比範囲をカバーするために、駆動損失、磁気部品損失、スイッチングターンオフ損失が増加するように、共振コンバータの最大スイッチング周波数は増加する。従って、大電力のEV充電用途など、入力電圧範囲又は出力電圧範囲(又はその両方)が広い大電力用途では、多相共振コンバータの電圧変換比の範囲を広げる方法論の研究が不可欠であることに注意されたい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記及びその他の欠点に鑑み、本開示は、スイッチング周波数範囲を実質的に減少させることにより、広い入力電圧範囲又は広い出力電圧範囲(又はその両方)で多相絶縁型共振コンバータを動作させるように、多相絶縁型共振コンバータ及び多相絶縁型共振コンバータの制御方法を提供する。スイッチング周波数範囲の縮小は、スイッチング周波数、デューティー比、遅延時間を組み合わせて多相コンバータを制御することで実現している。多相共振コンバータの1次側スイッチの制御には、スイッチング周波数とデューティー比を用い、2次側スイッチの制御には遅延時間制御を用いることができる。2次側スイッチの遅延時間制御は、1次側あるいは2次側電流のゼロ交差の瞬間に対して、又は、対応する1次側スイッチのオフの瞬間に対して、対応する2次側スイッチのオフを遅延させることによって実施することができる。本開示の遅延時間制御は、より広い出力電圧範囲を実現するために、フルブリッジ整流器との二重遅延時間制御に拡張することができる。また、本開示の遅延時間制御は、各相の能動電流共有にも利用できる。
【0013】
一つの観点では、本開示は、各相が、トランスと、1組の共振部品と、前記共振部品を介して入力端子を前記トランスに電気的に結合する1組の1次側スイッチと、前記トランスを出力端子に電気的に結合する1組の2次側スイッチと、を備える1相又は複数の相と、前記1つまたは複数の相に電気的に結合された制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記入力端子で入力電圧を検出し、前記出力端子で出力電圧を検出するように構成され、前記共振部品の物理的特性、前記入力電圧、前記出力電圧、及び基準電圧を含む複数のパラメータに基づいて、前記1次側スイッチの第1制御信号、及び、前記2次側スイッチの第2制御信号を決定するように構成され、スイッチング周波数、及び、第1デューティー比を有する前記第1制御信号を前記1次側スイッチに送信するように構成され、前記スイッチング周波数、及び、第2デューティー比を有する前記第2制御信号を前記2次側スイッチに送信するように構成され、前記2次側スイッチのうち第1スイッチの前記第2デューティー比は、前記1次側スイッチのうち第1の対応するスイッチの前記第1デューティー比よりも大きい、絶縁型共振コンバータが提供される。
【0014】
一実施形態では、前記2次側スイッチのうち第2スイッチの前記第2デューティー比は、前記1次側スイッチのうち対応する第2スイッチのオフの瞬間に関して定義される。
【0015】
一実施形態では、前記制御回路は、前記1相又は複数の相のそれぞれを流れる電流を検出するように更に構成されている。
【0016】
一実施形態では、前記2次側スイッチのうち第2スイッチの前記第2デューティー比は、前記電流の正から負へのゼロ交差の瞬間、又は、負から正へのゼロ交差の瞬間に関して定義される。
【0017】
一実施形態では、前記制御回路は、前記入力電圧及び前記出力電圧を受信し、前記入力電圧及び前記出力電圧をスケーリングされた入力電圧及び出力電圧に変換するように構成される検出及びスケーリング回路と、前記スケーリングされた出力電圧を受信し、前記基準電圧から前記スケーリングされた出力電圧を減算することによって誤差信号を生成するように構成される減算器回路と、前記誤差信号を受信し、増幅且つ補正された誤差信号を生成するように構成される誤差増幅器と、前記スケーリングされた入力電圧と前記増幅且つ補正された誤差信号を受信し、前記スケーリングされた入力電圧と前記増幅且つ補正された誤差信号に基づいて、前記1次側及び2次側スイッチの前記第1及び第2制御信号を生成するように構成されるプロセッサ回路と、を備える。
【0018】
一実施形態では、前記制御回路は、前記1相又は複数の相のそれぞれを流れる電流信号を検出するように構成されるゼロ電流検出器を更に備える。
【0019】
一実施形態では、前記プロセッサ回路は、前記電流信号を受信し、前記スケーリングされた入力電圧、前記増幅且つ補正された誤差信号、及び前記電流信号に基づいて、前記1次側及び2次側スイッチの前記第1及び第2制御信号を生成するように更に構成されている。
【0020】
一実施形態では、前記1相又は複数の相は、少なくとも2つの相を備えており、前記制御回路は、前記少なくとも2つの相のうち異なる相を流れる電流が互いにバランスするように、前記2次側スイッチに送信される前に前記第2制御信号を修正するように構成された電流バランス回路をさらに備える。
【0021】
一実施形態では、前記電流バランス回路は、前記少なくとも2つの相のそれぞれを流れる前記電流の平均化された大きさを取得するように構成される、電流検出、スケーリング、及び平均化回路と、前記少なくとも2つの相のうち選択された2つの相の間の前記電流の差に基づいて、前記少なくとも2つの相のそれぞれについて遅延時間を決定し、前記第2制御信号のデューティーサイクルに前記遅延時間を加えることによって、前記第2制御信号を修正するように構成された遅延時間加算器と、を更に備える。
【0022】
他の観点では、本開示は、各相が、トランスと、1組の共振部品と、前記共振部品を介して入力端子を前記トランスに電気的に結合する1組の1次側スイッチと、前記トランスを出力端子に電気的に結合する1組の2次側スイッチとを備える、1相又は複数の相を有する絶縁型共振コンバータの制御方法であって、前記絶縁型共振コンバータの前記入力端子で入力電圧を検出し、前記出力端子で出力電圧を検出するステップと、前記共振部品の物理的特性、前記入力電圧、前記出力電圧、及び基準電圧を含む複数のパラメータから、前記1次側スイッチの第1制御信号、及び、前記2次側スイッチの第2制御信号を決定するステップと、スイッチング周波数、及び、第1デューティー比を有する前記第1制御信号を前記1次側スイッチに送信するステップと、前記スイッチング周波数、及び、第2デューティー比を有する前記第2制御信号を前記2次側スイッチに送信するステップと、を備え、前記2次側スイッチのうち第1スイッチの前記第2デューティー比は、前記1次側スイッチのうち第1の対応するスイッチの前記第1デューティー比よりも大きい、絶縁型共振コンバータの制御方法が提供される。
【0023】
一実施形態では、前記2次側スイッチのうち第2スイッチの前記第2デューティー比は、前記1次側スイッチのうち対応する第2スイッチのオフの瞬間によって定義される。
【0024】
一実施形態では、前記1相又は複数の相のそれぞれを流れる電流を検出するステップを更に備える。
【0025】
一実施形態では、前記2次側スイッチのうち第2スイッチの前記第2デューティー比は、前記電流の正から負へのゼロ交差の瞬間、又は、負から正へのゼロ交差の瞬間によって定義される。
【0026】
一実施形態では、前記相のうち異なる相を流れる電流が互いにバランスするように、前記2次側スイッチに送信する前に前記第2制御信号を修正するステップを更に備える。
【0027】
更に他の観点では、本開示は、 絶縁型共振コンバータであって、トランスと、1組の共振部品と、前記共振部品を介して入力端子と前記トランスを電気的に結合する第1レッグと第2レッグを有する1次側フルブリッジ回路と、出力端子と前記トランスを電気的に結合する第3レッグと第4レッグを有する2次側フルブリッジ回路と、前記1次側及び2次側フルブリッジ回路に電気的に接続された制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記入力端子で入力電圧を検出し、前記出力端子で出力電圧を検出するように構成され、増幅且つ補正された誤差信号に基づいて、前記第1、第2、第3、及び第4レッグの制御信号を決定するように構成され、前記制御信号は、前記第1、第2、第3、及び第4レッグのうちの少なくとも1つのデューティー比を含み、前記1次側及び2次側フルブリッジ回路に前記制御信号を送信するように構成され、前記増幅且つ補正された誤差信号が閾値以下の場合に、前記絶縁型共振コンバータは降圧型コンバータとなり、前記増幅且つ補正された誤差信号が前記閾値より大きいの場合に、前記絶縁型共振コンバータは昇圧型コンバータとなる、絶縁型共振コンバータが提供される。
【0028】
一実施形態では、前記増幅且つ補正された誤差信号が前記閾値以下の場合に、前記第1レッグの前記デューティー比は0.0から0.5の間であり、前記第2レッグの前記デューティー比は0.0である。
【0029】
一実施形態では、前記増幅且つ補正された誤差信号が前記閾値以下の場合に、前記第1レッグの前記デューティー比は0.5であり、前記第2レッグの前記デューティー比は0.0から0.5の間である。
【0030】
一実施形態では、前記増幅且つ補正された誤差信号が前記閾値より大きいの場合に、前記第1及び前記第2レッグの前記デューティー比は0.5であり、前記第3レッグの前記デューティー比は0.5から1.0の間であり、前記第4レッグの前記デューティー比は0.5である。
【0031】
一実施形態では、前記増幅且つ補正された誤差信号が前記閾値より大きいの場合に、前記第1、及び、前記第2レッグの前記デューティー比は0.5であり、前記第3レッグの前記デューティー比は1.0であり、前記第4レッグの前記デューティー比は0.5から1.0の間である。
【0032】
一実施形態では、前記デューティー比は、前記増幅且つ補正された誤差信号の増加に伴って単調に増加する。
【0033】
一実施形態では、前記デューティー比は、前記増幅且つ補正された誤差信号の増加に伴って直線的に増加する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1Aは、絶縁型共振電力コンバータの典型的なフルブリッジトポロジーを示している。図1Bは、図1AのZVS動作のためのスイッチ制御信号のタイミング図を示している。
図2図2Aは、典型的な絶縁型直列共振コンバータを示している。図2Bは、図2AのZVS動作のためのスイッチ制御信号のタイミング図を示している。
図3図3A図3Dは、本開示の様々な実施形態に基づく、絶縁型多相共振コンバータを示している。
図4A図4Aは、本開示の実施形態に基づく、制御装置と接続された絶縁型多相直列共振コンバータを示している。
図4B図4Bは、本開示の実施形態に基づく、制御装置と接続された絶縁型多相直列共振コンバータを示している。
図5A図5Aは、本開示の一実施形態に基づく、3相コンバータを制御するためのスイッチ制御信号及び1次側電流の例示的な波形を示している。
図5B図5Bは、本開示の一実施形態に基づく、3相コンバータを制御するためのスイッチ制御信号及び1次側電流の例示的な波形を示している。
図5C図5Cは、本開示の一実施形態に基づく、3相コンバータを制御するためのスイッチ制御信号及び1次側電流の例示的な波形を示している。
図5D図5Dは、本開示の一実施形態に基づく、3相コンバータを制御するためのスイッチ制御信号及び1次側電流の例示的な波形を示している。
図6図6A及び図6Bは、2次側にダイオード整流器を備えた絶縁型多相共振コンバータの例示的な実施形態を示している。
図7図7A及び図7Bは、2次側にフルブリッジ整流器を備えた絶縁型多相共振コンバータの例示的な実施形態を示している。
図8図8A及び図8Bは、本開示の一実施形態に係る単相共振コンバータを示している。
図9A図9Aは、本開示の一実施形態に基づく、コンバータ内での能動電流共有のための制御装置と結合された絶縁型多相共振コンバータを示している。
図9B図9Bは、図9Aの制御装置の拡大図を示している。
図10図10は、本開示の一実施形態に基づく、1次側と2次側の両方でフルブリッジ構成を備える単相絶縁型直列共振コンバータを示している。
図11図11は、本開示の一実施形態に基づく、制御装置回路と結合された図10の単相絶縁型直列共振コンバータを示している。
図12図12は、本開示の一実施形態に基づく、VEAとデューティーサイクル信号D、D、D、Dとの関係を表す例示的な図を示している。
図13図13A及び図13Bは、特に図11のD領域の制御方式を採用した図10のコンバータの等価回路及びコンバータの等価回路の主要な動作波形を示している。QP1,QP2,QP3,QP4の表記は,対応する1次側スイッチのスイッチ制御信号を表す。QS1,QS2,QS3,QS4,QS5,QS6の表記は,2次側スイッチのスイッチ制御信号を表す。iP1,iP2,iP3の表記は,各相の1次側電流を表す。
図14図14Aは、図11のD領域の制御方式を採用した図10のコンバータの等価回路を示している。図14Bは、図14Aのコンバータの等価回路の主要な動作波形を示している。
図15図15A及び図15Bは、図11のD領域の制御方式を採用した図10のコンバータの等価回路及びコンバータの等価回路の主要な動作波形を示している。
図16図16A及び図16Bは、図11のD領域の制御方式を採用した図10のコンバータの等価回路及びコンバータの等価回路の主要な動作波形を示している。
図17図17A及び図17Bは、本開示の代替実施形態に基づく、VEAとデューティーサイクル信号D、D、D、Dとの関係を表す例示的な図を示している。
図18A図18Aは、本開示の様々な実施形態に基づく、単相絶縁型直列共振コンバータを示している。
図18B図18Bは、本開示の様々な実施形態に基づく、単相絶縁型直列共振コンバータを示している。
図18C図18Cは、本開示の様々な実施形態に基づく、単相絶縁型直列共振コンバータを示している。
図18D図18Dは、本開示の様々な実施形態に基づく、単相絶縁型直列共振コンバータを示している。
図18E図18Eは、本開示の様々な実施形態に基づく、単相絶縁型直列共振コンバータを示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図3A~3Dは、本開示の様々な実施形態に基づく、絶縁型多相共振コンバータ300を示している。図3A図3Dに示すように、コンバータ300は、Nは自然数であるN相(すなわち、相1、相2、...、相N)を有し、1次側スイッチQP1、QP2、...、QP(2N)、2次側スイッチQS1、QS2、...、QS(2N)、1次側共振コンデンサCP1、CP2、...、CPN、1次側共振インダクタLP1,LP2、...LPNを、2次側トランスTR,TR、...、TR,2次側共振コンデンサCS1,CS2,...、CSN、及び出力フィルタコンデンサCを備える。一実施形態では、コンバータ300は3相(すなわち、N=3)である。
【0036】
図3Aを参照すると、コンバータ300の各相は、1次側ハーフブリッジ用の2つのスイッチ、共振タンク部品、トランス、及び2次側ハーフブリッジの2つのスイッチを含む。トランスTR,TR,...,TRは、1次側に1次側巻線NP1,NP2,...,NPN、2次側に2次側巻線NS1,NS2,...,NSNを有する。本実施形態では、1次側巻線NP1,NP2,...,NPNの一端は、一点(又は共通ノード)に接続され,1次側巻線NP1,NP2,...,NPNの他端は、対応するハーフブリッジに接続されている。同様に,2次側巻線NS1,NS2,...,NSNの一端は一点(又は共通のノード)に接続され,2次側巻線NS1,NS2,...,NSNの他端は、対応するハーフブリッジに接続されている。図3AのトランスTR、TR、...、TRの接続構成は、一般的にY-Y接続構成と呼ばれる。トランスTR、TR、...、TRは、Y-△接続構成(図3B)、△-Y接続構成(図3C)、△-Y接続構成など、任意の適切な接続構成で結合できることを理解されたい。本開示の制御方法は、トランスの接続構成に実質的な影響を受けない。
【0037】
図4A及び4Bは、本開示の実施形態に基づく、制御装置400と接続された絶縁型多相直列共振コンバータ300を示す。図4Bの制御装置400は、図4Bの制御装置400は、ゼロ電流検出器(ZCD)410を追加で含むことを除いては、図4Aの制御装置400と実質的に同じである。一実施形態では、図4A及び図4Bの両方の制御装置400は、可変スイッチング周波数(f=1/T)制御、デューティー比(D)制御、及び遅延時間(T)制御を用いてコンバータ300を制御することができる。特に、1次側と2次側スイッチQP1-P(2N)とQS1-S(2N)には可変スイッチング周波数制御を、1次側スイッチQP1-P(2N)にはデューティー比制御を、2次側スイッチQS1-S(2N)には遅延時間制御を適用することができる。
【0038】
図5A図5Dは、本開示の実施形態に基づく、コンバータ300を制御するための、1次側スイッチQP1、QP2、...、QP6及び2次側スイッチQS1、QS2、...、QS6のスイッチ制御信号の波形、ならびに、3相(すなわち、N=3)の場合に、図4Bのコンバータ300を制御するための1次側電流iP1、iP2、iP3を例示している。図5A及び図5Bに示すように、すべてのスイッチQP1-P6及びQS1-S6は、同じスイッチング周波数f(又は周期T=1/f)で動作する。1次側スイッチQP1-P6は、デューティー比D(例えば50%)で動作する。遅延時間T(例えばtからt)は、1次側スイッチQP1、QP3、QP5のオフの瞬間に対して、2次側スイッチQS1、QS3、QS5のオフの瞬間を制御するために利用される。各相のスイッチ制御信号は、約T/3(又は120°)だけシフトする。N相の場合は、各相を約T/Nだけシフトさせることができる。2次側スイッチQS1、QS3、QS5のオフの瞬間は、図5C、5Dに示すように、1次側電流のゼロ交差の瞬間を基準にして決定することができる。
【0039】
図4Bに示すように、ゼロ電流検出器(ZCD)410が制御装置400で利用可能な場合、遅延時間Tは、1次側又は2次側電流の正から負へのゼロ交差の瞬間に対して定義されてもよい。なお、遅延時間Tは、1次側の上側スイッチQP1、QP3、QP5と、2次側の上側スイッチQS1、QS3、QS5との間のオフ時間差で定義することができる。
【0040】
例えば,図5A及び図5Bに示すように,遅延時間Tは,t(1次側の上側スイッチQP1がオフ)からt(2次側の上側スイッチQS1がオン)までの時間として定義される。同じ量の遅延時間Tは、2次側の上側スイッチQS3とQS5のスイッチングオフ時間を、1次側の上側スイッチQP3とQP5のスイッチングオフ時間に対して遅らせるために、使用される。スイッチング周波数はすべてのスイッチで同じであり、上下のスイッチの制御信号は相補的であるため、上側スイッチQS1、QS3、QS5に用いる遅延時間は、下側スイッチQS2、QS4、QS6のオン時間を抑制又は短縮する。
【0041】
図5Aの波形は、1次側電流iP1の負から正へのゼロ交差で下側スイッチQS2をオフにして、tからt0'の間に出力フィルタコンデンサCから電荷を抜き取る軽負荷状態に適用できる。これに対して、図5Bの波形は、重負荷状態に適用することができる。図5Bに示すように、1次側と2次側の下側スイッチQP2とQS2が同時にオフになることで、同期する。同様に、下側のスイッチQP4とQS4も同時にオフになり、下側のスイッチQP6とQS6も同時にオフになり、同期する。遅延時間Tを1次側の下側スイッチQP2,QP4,QP6と2次側の下側スイッチQS2,QS4,QS6とのオフ時間差で定義すると,図5Aのように1次側あるいは2次側電流の負から正へのゼロ交差の瞬間に対して定義したり,又は、図5Bのように同期させたりすることができる。
【0042】
図4A及び図4Bに戻って、制御装置400の検出及びスケーリング回路420は、コンバータ300から出力電圧VOUTを受け取り、出力電圧VOUTをスケーリングして出力電圧VOUT(SCLD)にする。制御装置400の減算回路430は、スケーリングされた出力電圧VOUT(SCLD)を受け取り、基準電圧VREF(すなわち、基準出力電圧)からスケーリングされた出力電圧VOUT(SCLD)を減算することにより、誤差信号Vを生成する。制御装置400の誤差増幅器440は、誤差信号Vを受け取り、増幅及び補正された誤差信号VEAをプロセッサ回路450に供給し、スイッチング周波数f=1/T、デューティー比D、遅延時間Tが決定される。
【0043】
特定のアプリケーション及び/又は実装に応じて、入力電圧VIN、出力電圧VOUT、入力電流IIN、又は出力電流IOUT(又はそれらの任意の組み合わせ)は、検出及びスケーリング回路420によって検出及びスケーリングされ、プロセッサ回路450に提供されてもよい。ZVSを実現するためには、相補的スイッチのオンの瞬間とオフの瞬間の間に小さなデッドタイムを導入する。様々な実施形態において、ゼロ電流検出器410は、図4Bに示すように、1次側電流iP1、iP2、及びiP3を測定し、1次側電流iP1、iP2、及びiP3がゼロである時点を決定するために使用されてもよく、これにより、図5Aに示すように、2次側スイッチQS2、QS4、QS6がオフになる。
【0044】
遅延時間制御では、従来のスイッチング周波数可変制御では直列共振コンバータの電圧変換比が降圧しかできなかったのに対し、共振コンバータに昇圧電圧変換比を与えることができる。具体的には,図1B及び図2Bに示すように、従来の直列共振コンバータが遅延時間制御なしで動作する場合、共振タンク部品とトランスは常に入力電圧源と出力電圧コンデンサの間に配置されている。共振タンク部品とトランスの間の電圧は、実質的にVIN-VOUTとなる。出力電圧が入力電圧よりも大きいと仮定すると、共振インダクタ電流が構築されない。これらの理由から、従来の直列共振コンバータは降圧型の電圧変換比しか得られなかった。
【0045】
これに対して、図5A及び図5Bに示すように、遅延時間制御を適用すると、例えばtとtの間の時間間隔として定義される遅延時間Tの間、共振タンク部品とトランスが出力電圧コンデンサから分離される。遅延時間Tの間、共振タンク部品とトランスの間の電圧は実質的に-VIN-VOUTとなるため、従来の制御に比べて共振インダクタの電流を高速に立ち上げることができる。VINとVOUTの両方が同じ方向に共振インダクタ電流の立ち上げに寄与するため、出力電圧に関係なく共振インダクタ電流を立ち上げることができる。そのため、遅延時間制御は、出力電圧が入力電圧よりも高いときに出力電流を供給することができ、その結果、昇圧電圧変換比能力が向上する。
【0046】
遅延時間制御を行わない場合、従来の可変スイッチング周波数制御では、電圧変換比の全範囲をカバーする必要がある。電圧変換比の範囲が広いアプリケーションでは、スイッチング周波数に応じて電圧変換比が変化するため、スイッチング周波数の範囲が広くなる。スイッチング周波数範囲が広いと、駆動損失やスイッチング損失が大きくなり、磁気部品の最適化が難しくなる。
【0047】
従来のスイッチング周波数可変制御は、遅延時間制御による昇圧電圧変換比能力に比べ、電圧変換比の範囲が狭い。そのため、遅延時間制御によって、駆動損失やスイッチング損失が低減され、磁気部品の設計が有利になる。
【0048】
本開示の制御方法は、図6A及び図6Bに示すように、ダイオードと制御可能なスイッチの組み合わせをもつ2次側整流器を実装する多相共振コンバータにも適用可能である。例えば,図3Aの2次側整流器QS1,QS3、...、QS(2N-1)の上側のスイッチは,ダイオード整流器として動作する。そのため、これらの上側のスイッチは、図6Aに示すように、ダイオードに置き換えることができる。同様に,図3Aの2次側整流器QS2,QS4,...、QS(2N)の下側スイッチは,図6Bに示すように、ダイオードに置き換えることができる。図6A及び6Bのコンバータは一方向性である。
【0049】
特定の実施形態では、本開示の制御方法は、フルブリッジ整流器を備えた多相又は単相の共振コンバータに拡張することができる。2次側にフルブリッジ整流器を配置することで、多相共振コンバータの各相に二重遅延時間制御を適用できる。自由度が高いため、共振コンバータの電圧変換比をさらに拡大することができる。
【0050】
図7A及び図7Bは、絶縁型3相共振コンバータの実施形態を示す図である。図7Aに示すように、1次側トランスは、Y接続構成で接続されている。2次側では、独立したフルブリッジ整流器を形成するためにトランスの巻線は互いに接続されていない。図7Bに示すように、1次側トランスは、△接続構成になっている。図7A及び図7Bのコンバータは、多相コンバータに拡張することができ、また、ダイオードDSA1、DSA2、DSB1、DSB2、DSC1、DSC2をスイッチに置き換えることで、双方向にすることができる。また、二重遅延時間制御は、図8A及び図8Bに示すような単相共振コンバータにも適用できるが、詳細は後述する。
【0051】
また、本開示の遅延時間制御は、多相共振コンバータの能動電流共有を制御して、各相の電流の大きさをバランスさせるために使用することもできる。図9Aは、本開示の一実施形態に基づく、コンバータ700における能動電流共有のために制御装置800と結合された絶縁型多相共振コンバータ700を示す。図9Bは、図9Aの制御装置800の拡大図である。
【0052】
図9A及び図9Bに示すように、各相の電流の大きさをバランスさせるために、制御装置800の電流バランス回路810を用いて、各相に追加の遅延時間制御を行う。相電流iP1、iP2、iP3のそれぞれは、各相の電流の大きさ|iP1(AVG)、|iP2(AVG)、|iP3(AVG)が得るため、電流バランス回路810の電流検出、スケーリング、及び、平均化回路811で検出、スケーリング、及び、平均化される。3相のうち任意の2相間の電流差に基づいて、追加の遅延時間が決定され、1つ又は複数の遅延時間加算器812を用いて共通の遅延時間Tに加算される。合計された遅延時間は、2次側の対応するレッグに適用される。QS1とQS2に対応する第1相では、|iP1(AVG)と|iP2(AVG)をバランスさせるために、遅延時間Tに追加の遅延時間TD_1を加える。追加の遅延時間TD_1は、|iP2(AVG)から|iP1(AVG)を減算した誤差信号の補正付き誤差増幅器から供給される。そうすることで、TD_1によって|iP1(AVG)と|iP2(AVG)のバランスをとる。第2相では、同様に|iP2(AVG)と|iP3(AVG)のバランスをとる。最後に、第3相でも同じように、|iP3(AVG)と|iP1(AVG)のバランスをとる。全ての|iP1(AVG)、|iP2(AVG)、|iP3(AVG)が互いにバランスをとっているため、3相共振コンバータ700は能動電流共有を実現することができる。
【0053】
図10は、本開示の一実施形態に基づく、1次側と2次側の両方でフルブリッジ構成をもつ単相絶縁型直列共振コンバータ1000を示す。図11は、本開示の一実施形態に基づく、制御装置1100と結合された図10の単相絶縁型直列共振コンバータ1000を示す。図10及び図11に示すように、コンバータ1000は、1次側スイッチQP1,QP2,QP3,QP4、2次側スイッチQS1,QS2,QS3,QS4、1次側共振コンデンサC、トランスTR、1次側共振インダクタL、2次側共振コンデンサC、2次側共振インダクタL、及び出力フィルタコンデンサCを含む。1次側スイッチQP1とQP2はハーフブリッジレッグBを形成している。1次側スイッチQP3とQP4はハーフブリッジレッグBを形成している。2次側スイッチQS1とQS3はハーフブリッジレッグBを形成している。2次側スイッチQS2とQS4はハーフブリッジレッグBを形成している。
【0054】
図10図11の両方を参照すれば、入力電圧VIN及び出力電圧VOUTは、検出及びスケーリング回路1110において、それぞれVIN(SCLD)及びVOUT(SCLD)に検出及びスケーリングされてもよい。VOUT(SCLD)は、誤差信号Vを生成するために(すなわち、V=VREF-VOUT(SCLD))基準電圧VREFから減算される。Vはその後、増幅された誤差信号VEAを生成するために、補正付き誤差増幅器1120に供給される。VIN(SCLD)とVOUT(SCLD)は、補正付き誤差増幅器1120にも供給され、補正付き誤差増幅器1120が出力する信号VEAのフィードフォワードに使用することができる。必要に応じて、VEAの決定のために、コンバータ1000の入力電流又は出力電流をさらに検出することができる。VEAは、レッグ制御装置1130に供給される。レッグ制御装置1130は、VEAを4つのデューティーサイクル信号D、D、D、Dに変換する。デューティーサイクル信号Dは、スイッチQP1のデューティーサイクルを決定し、スイッチQP2の制御信号は、スイッチQP1の制御信号と相補的である。デューティーサイクル信号Dは、スイッチQP3のデューティーサイクルを決定し、スイッチQP4の制御信号は、スイッチQP1の制御信号と相補的である。デューティーサイクル信号Dは、スイッチQS1のデューティーサイクルを決定し、スイッチQS3が同期整流器として動作するように、スイッチQS3の制御信号を決定する。デューティーサイクル信号Dは、スイッチQS2のデューティーサイクルを決定し、スイッチQS4が同期整流器として動作するように、スイッチQS4の制御信号を決定する。
【0055】
図12は、本開示の実施形態によるVEAとデューティーサイクル信号D、D、D、Dとの関係を表す例示的な図である。広い範囲で連続した電圧変換比を供給するためには、VEAの変化に合わせて少なくとも1つのデューティーサイクルを変更する必要がある。この例では、VEAがゼロから増加すると、デューティーサイクル信号Dはゼロから0.5まで直線的に増加する。デューティーサイクル信号Dが、非線形に増加できることが理解されるだろう。主な制御変数はデューティーサイクル信号Dとなり、VEAの変化がデューティーサイクル信号Dの変化につながる領域をD領域と呼ぶ。デューティーサイクル信号Dが0.5に達した後、デューティーサイクル信号Dは0.5のままで、デューティーサイクル信号Dはゼロから0.5まで直線的に増加する。デューティーサイクル信号Dは、その増加が単調である限り、非線形に増加することができることが理解されるだろう。VEAの変化がデューティーサイクル信号Dの変化につながる領域をD領域と呼ぶ。D、D領域では、出力電圧VOUTが入力電圧VINよりも小さいため、コンバータ1000は降圧型コンバータとなる。デューティーサイクル信号D、Dがともに0.5になると、入力電圧VINと出力電圧VOUTが等しくなる。従って、D領域及びD領域を「降圧領域」とも呼ぶ。
【0056】
遷移点1202でデューティーサイクル信号Dが0.5に達した後、コンバータ1000はVEAがさらに増加すると、ブーストコンバータとなる。デューティーサイクル信号DとDは0.5のままで、デューティーサイクル信号Dは0.5から1.0に増加する。その領域はD領域と呼ばれ、VEAの変化がDの変化につながる。デューティーサイクル信号Dが1.0に達した後、デューティーサイクル信号DとDは0.5のまま、デューティーサイクル信号Dは1.0のまま、デューティーサイクルDは0.5から増加する。VEAの変化はDのデューティーサイクルシグナルの変化につながる領域をD領域と呼ぶ。D、D領域で動作するコンバータ1000は、出力電圧VOUTが入力電圧VINよりも大きいため、昇圧型コンバータとなる。従って、D領域及びD領域を「昇圧領域」とも呼ぶ。
【0057】
図13A及び図13Bは、それぞれ、図11のD領域の制御方式を採用した図10のコンバータ1000の等価回路及び主要な動作波形を示している。図13Aを参照すると、主な制御変数はデューティーサイクル信号Dであるため、ハーフブリッジレッグBがアクティブになっている。デューティーサイクル信号Dがゼロであることは、スイッチQP3が完全にオフ、且つ、スイッチQP4が完全にオンであることを意味する。ハーフブリッジレッグBとBは同期整流器を構成しているので、その動作はダイオード整流器と全く同じである。一実施形態では、同期整流器とは、電流の方向がそのダイオードの陽極から陰極に向かっているとき逆並列にのみ、MOSFETスイッチのゲート信号がオンになることを意味する。別の実施形態では、ハーフブリッジレッグB及びBのスイッチをダイオードで置き換えることができる。図13Bを参照すると、スイッチ周期Tは一定であり、共振タンク部品によって決まる共振周期に非常に近いものとなっている。tからtの間(Dの間)は、スイッチQP1がオンになり、トランスTRと2次側整流器を介して共振電流iが出力側に供給される。tの後、スイッチQP1がオフになり、共振電流iは減少するが、まだ正の値である。tの後,共振電流iはゼロになり,負の共振が起こる。スイッチQP2を長時間オンにすることで、共振タンク部品の共振周期の半分の期間で負の共振電流が流れ、次のスイッチ周期が始まると自然にゼロに近くなる。
【0058】
図14A及び図14Bは、それぞれ、図11のD領域の制御方式を採用した図10のコンバータ1000の等価回路及び主要な動作波形を示している。図14Aを参照すると、ハーフブリッジレッグBのデューティーサイクルは0.5に固定されている。主な制御変数はデューティーサイクル信号Dであり、ハーフブリッジレッグBがアクティブになる。ハーフブリッジレッグB、Bは同期整流器を構成しているので、その動作はダイオード整流器と全く同じである。図14Bを参照すると、スイッチ周期Tは依然として一定であり、共振タンク部品によって決定される共振周期に非常に近いものとなっている。tからtの間(0.5Tの間)は、スイッチQP1とQP4がオンになり、トランスTRと2次側整流器を介して共振電流iが出力側に流れる。スイッチQP1、P4を長時間オンにすることで、共振タンク部品の共振周期の半分の期間で共振電流が流れ、tでスイッチQP1,QP4をオフにするとゼロに近くなる。tでは、スイッチQP1とQP4がオフになり、スイッチQP2とQP3がオンになる。共振電流iは負の値となり,2次側に供給される。スイッチQP3がオフになり、tでスイッチQP4がオンになると、共振電流iの大きさが小さくなり、2次側に供給される。共振電流iがtでゼロになった後、スイッチQP2とQP4がオフになって新たなスイッチ周期が始まるまで、小さな変動電流がスイッチQP2、QP4とトランスTRを循環することになる。
【0059】
図15A及び図15Bは、それぞれ、図11のD領域の制御方式を採用した図10のコンバータの等価回路及び主要な動作波形を示している。図15Aを参照すると、ハーフブリッジレッグB及びBのデューティーサイクルは0.5に固定されている。主な制御変数はデューティーサイクル信号Dであり、スイッチQS1はダイオードではなくアクティブスイッチとして表現している。スイッチQS2、QS3、QS4はダイオードで表現されている。これは、それらが同期整流器を構成しており、動作がダイオード整流器と全く同じであるからである。図15Bを参照すると、スイッチ周期Tは依然として一定であり、共振タンク部品によって決定される共振周期に非常に近いものとなっている。tからtの間(0.5Tの間)は、スイッチQP1とQP4がオンになり、トランスTR、スイッチQS1、その他の2次側整流部品を介して、共振電流iが出力側に供給される。スイッチQP1、P4を長時間オンにすることで、共振タンク部品の共振周期の半分の期間で共振電流が流れ、tでスイッチQP1,QP4をオフにするとゼロに近くなる。tでは、スイッチQP1とQP4がオフになり、スイッチQP2とQP3がオンになる。デューティーサイクル信号Dが0.5より大きいため、スイッチQS1はまだオンになっており、電流iは出力フィルタコンデンサCに供給されず、高速で昇圧される。tでスイッチQS1がオフになると、昇圧された電流iが出力フィルタコンデンサCに供給され、電流iの大きさは減少する。共振電流iがtでゼロになった後、スイッチQP2とQP3がオフになって新たなスイッチ周期が始まるまで、小さな変動電流がスイッチQP2、QP3とトランスTRを循環することになる。
【0060】
図16A及び図16Bは、それぞれ、図11のD領域の制御方式を採用した図10のコンバータの等価回路及び主要な動作波形を示している。図16Aを参照すると、ハーフブリッジレッグB及びBのデューティーサイクルは0.5に固定され、ハーフブリッジレッグBのデューティーサイクルは1.0に固定されている。これにより、スイッチQS1は完全にオンになり、スイッチQS3は完全にオフになる。主な制御変数はデューティーサイクル信号Dであり、スイッチQS2はダイオードではなくアクティブスイッチとして表現されている。スイッチQS4はダイオードとして表現されている。これは、それが同期整流器を構成しており、その動作がダイオードと全く同じであるからである。図16Bを参照すると、スイッチ周期Tは依然として一定であり、共振タンク部品によって決定される共振周期に非常に近いものとなっている。tからtの間(0.5Tの間)は、スイッチQP1、QP4、QS2がオンとなり、トランスTRとスイッチQS1、QS2を介して共振電流iが昇圧される。tでスイッチQS2がオフになった後、昇圧された共振電流がスイッチQS4を介して出力フィルタコンデンサCに供給される。共振電流iがtでゼロになった後、小さな変動電流がスイッチQP1、QP4を循環することになる。tでスイッチQP1、QP4がオフになった後、スイッチQP2、QP3、QS2がオンになり、共振電流iがトランスTR、スイッチQS1、QS2を介してCを充電する。
【0061】
17A及び17Bはそれぞれ、本開示の代替実施形態に基づく、VEAとデューティーサイクル信号D、D、D、及びDとの関係を表す例示的な図である。本開示の1つの目的は、VEAに対する連続した電圧変換比を提供することである。従って、制御変数D、D、D、Dの順序は、VEAの変化に合わせて少なくとも1つが連続的に変化するのであれば、変更してもよいし、混在させてもよい。図17Aに示すように、D、D、D、Dの順序は、それぞれの降圧領域又は昇圧領域で混在したり、あるいは変更したりすることができる。図17Bは、制御方法の別のバリエーションを示している。VEAの変化に伴って少なくとも1つの制御変数が変化する限り、D、D、D、Dの最大値や最小値はどのような値でもよい。DとDの最大値と最小値は、0.0から0.5の間で設定することができる。また、DとDの最大値と最小値は0.5から1.0の間で設定することができる。
【0062】
図18Aから図18Eはそれぞれ、本開示の様々な実施形態に基づく、スイッチングレッグの数が異なる単相絶縁型直列共振コンバータを示している。ゲインの範囲に応じて、コンバータのレッグ数も変更可能である。図18A及び図18Bは、ハーフブリッジレッグB、B、Bが存在する場合の例示的な実施形態を示している。図18Aに示すように、本実施形態では、レッグBのスイッチQP3は常にオフである一方、レッグBのスイッチQP4は常にオンである。図18Bに示すように、本実施形態では、レッグBのスイッチQP3及びQP4は、それぞれコンデンサCP1及びCP2に置き換えられている。図18C及び図18Dは、ハーフブリッジレッグB、B、Bが存在する場合の例示的な実施形態を示している。図18Cに示すように、本実施形態では、レッグBのスイッチQS3は常にオフであり、レッグBのスイッチQS1は常にオンである。図18Dに示すように、本実施形態では、レッグBのスイッチQS3及びQS1がそれぞれコンデンサCS1及びCS2に置き換えられている。図18Eは、ハーフブリッジレッグB及びBのみを選択された例示的な実施形態を示している。4つのレッグのうち2つのレッグ(1次側の任意の1つのレッグと2次側の任意の1つのレッグ)の任意の組み合わせにおいて、本開示で示され、説明されたような制御方法を適用できることを理解されたい。
【0063】
本開示は、電圧変換比の範囲を広くして、性能向上を実現する多相コンバータの制御方法を提供する。具体的には、本開示の制御方法は、スイッチング周波数範囲を実質的に減少させることにより、広い入力電圧範囲又は広い出力電圧範囲(又はその両方)を有する単相及び多相コンバータにおいて、改善された性能を提供する。可変デューティー比、可変周波数、遅延時間制御を組み合わせて出力電圧又は電流を制御することで、スイッチング周波数範囲の減少を実現している。
【0064】
本開示の一実施形態によれば、多相絶縁型共振コンバータの1次側及び2次側スイッチの制御には、可変デューティー比制御及び可変周波数制御を用いてもよく、ダイオード整流器の代わりに設けられた2次側スイッチの制御には、遅延時間制御を用いてもよい。多相共振コンバータの相の2次側スイッチのスイッチ制御信号は、相の2次側電流、又は、1次側電流(又はその両方)を検出し、相の2次側電流、又は、1次側電流のゼロ交差に対して、対応する2次側スイッチのオフの瞬間を遅らせることによって実施することができる。
【0065】
遅延時間制御に関わる電流のゼロ交差は、2次側スイッチのスイッチ制御信号を非対称に遅延させるため、負から正、正から負のいずれかになるが、両方にはならない。時間制御は、対応する2次側スイッチのオフの瞬間を、対応する1次側スイッチのオフの瞬間に対して遅延させることによって、単純に実施することができる。1次側と2次側スイッチは実質的に同じスイッチング周波数で動作するが、1次側と2次側の各スイッチのデューティー比は、設計者の選択と遅延時間によって変化する。
【0066】
なお、この遅延時間制御は、2次側整流器の1つのレッグにある1つのスイッチのみに適用される。2次側整流器のあるレッグのスイッチに遅延時間制御を適用した場合,循環電流を最小にするために,そのレッグの他のスイッチには遅延時間制御を適用しない。つまり,オフの瞬間は,電流のゼロ交差か,対応する1次側スイッチのオフのタイミングのいずれか早い方になることを意味する。ZVS動作を実現するために、1次側、2次側ともに、あるスイッチのオフの瞬間とそれに対応する相補的なスイッチのオンの瞬間との間に、短いデッドタイムが設けられる。
【0067】
本開示を説明及び定義する目的で、程度の用語(例えば、「実質的に」、「わずかに」、「約」、「同等」など)は、本明細書では、定量的な比較、値、寸法、又は他の表現に起因する可能性のある固有の不確実性の程度を表すために利用できることに注意されたい。このような程度の用語は、定量的表現が、問題となっている主題の基本的な機能に変化をもたらすことなく、記載された基準(例えば、約10%以下)から変化し得る程度を表すために、本明細書で使用されることもある。本明細書に別段の記載がない限り、本開示に登場する任意の数値は、記載された値と、程度の用語(例えば、「約」)によって代替的に修正された値の両方であるとみなされる。
【0068】
本開示の様々な実施形態が本明細書に詳細に記載されているが、当技術分野の当業者であれば、添付の特許請求の範囲に記載されているように、本開示の趣旨を逸脱することなく、修正及び他の実施形態を容易に理解されるだろう。
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【外国語明細書】