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特開2023-82398内面部材連結材及びこれを備えた管路の内張り構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082398
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】内面部材連結材及びこれを備えた管路の内張り構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 1/00 20060101AFI20230607BHJP
   F16L 55/165 20060101ALI20230607BHJP
   E03F 7/00 20060101ALI20230607BHJP
   E03F 3/04 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
F16L1/00 L
F16L55/165
E03F7/00
E03F3/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196144
(22)【出願日】2021-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】392008884
【氏名又は名称】芦森エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】石塚 靖
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔吾
【テーマコード(参考)】
2D063
3H025
【Fターム(参考)】
2D063BA37
2D063EA06
3H025EA01
3H025EB06
3H025EC16
3H025ED02
(57)【要約】
【課題】水密性を確保しながら作業性を向上させることが可能な内面部材連結材及びこれを備えた管路の内張り構造を提供する。
【解決手段】内面部材同士が連結された際に内面部材の側壁部に対向する壁面部と、管路の周方向における壁面部の両端部にそれぞれ設けられて、管路の内面側にそれぞれ突出し、内面部材の凹状被挿入部に挿入される挿入部と、内面部材同士が連結された際に、2つの内面部材の間に挟まれる接続部34と、を有する。接続部34は、基部34aと、長手方向における基部34aの両側にそれぞれ設けられ、長手方向における側壁部の端面に対向する第1端面34e、及び、長手方向における凹状被挿入部の端面に対向する第2端面34fを有して、弾性体からなる当接部34bと、を有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路の内面に沿って配設される管路補強材の内周側に取り付けられる内面部材同士を、前記管路の長手方向に連結する内面部材連結材において、
前記内面部材は、
前記長手方向に沿って前記管路の前記内面を被覆する側壁部と、
前記管路の周方向における前記側壁部の両端部にそれぞれ設けられて、前記管路の前記内面側にそれぞれ突出し、前記長手方向に沿って連続して形成された凹状被挿入部と、
を有し、
前記内面部材同士が連結された際に前記側壁部に対向する壁面部と、
前記周方向における前記壁面部の両端部にそれぞれ設けられて、前記内面側にそれぞれ突出し、前記凹状被挿入部に挿入される挿入部と、
前記内面部材同士が連結された際に、2つの前記内面部材の間に挟まれる接続部と、
を有し、
前記接続部は、
基部と、
前記長手方向における前記基部の両側にそれぞれ設けられ、前記長手方向における前記側壁部の端面に対向する第1端面、及び、前記長手方向における前記凹状被挿入部の端面に対向する第2端面を有して、弾性体からなる当接部と、
を有することを特徴とする内面部材連結材。
【請求項2】
前記基部は、前記長手方向における前記凹状被挿入部の端面が当接するストッパ部を有し、
前記ストッパ部に前記凹状被挿入部の端面が当接した際に、前記当接部の圧縮量が所定量になることを特徴とする請求項1に記載の内面部材連結材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の内面部材連結材と、
前記内面部材と、
を有し、
前記挿入部が前記凹状被挿入部に挿入されて前記内面部材と前記内面部材連結材とが密嵌された際に、前記長手方向における前記側壁部の端面と前記第1端面とが当接し、前記凹状被挿入部の端面と前記第2端面とが当接することを特徴とする、管路の内張り構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設管路を補強するための管路の内張り構造に採用される内面部材連結材及びこれを備えた管路の内張り構造に関する。
【背景技術】
【0002】
老朽化した水道管、下水道管、或いは農業用水管などの既設管路を補強する技術として、管路の内面を補強材で全面的に覆う技術が各種提案されている。例えば、管路内に人が入って作業可能な大口径の管路の内面を被覆するのに適した既設管補修構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の既設管補修構造は、複数の帯状部からなる管形状の更生管構成材を管路の長手方向に順次接続するものである。更生管構成材同士は、接合部材を介して接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-196802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の既設管補修構造は、帯状部に接合部材を嵌合させる構成であり、帯状部と接合部材との間に微小な隙間が残って水が浸み込むことがある。そこで、シリコンシーラントなどの樹脂製のシーリング材で隙間をシールすることが考えられる。しかし、シーリング材を塗布したり乾燥させたりするのは手間がかかる。
【0005】
本発明の目的は、水密性を確保しながら作業性を向上させることが可能な内面部材連結材及びこれを備えた管路の内張り構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、管路の内面に沿って配設される管路補強材の内周側に取り付けられる内面部材同士を、前記管路の長手方向に連結する内面部材連結材において、前記内面部材は、前記長手方向に沿って前記管路の前記内面を被覆する側壁部と、前記管路の周方向における前記側壁部の両端部にそれぞれ設けられて、前記管路の前記内面側にそれぞれ突出し、前記長手方向に沿って連続して形成された凹状被挿入部と、を有し、前記内面部材同士が連結された際に前記側壁部に対向する壁面部と、前記周方向における前記壁面部の両端部にそれぞれ設けられて、前記内面側にそれぞれ突出し、前記凹状被挿入部に挿入される挿入部と、前記内面部材同士が連結された際に、2つの前記内面部材の間に挟まれる接続部と、を有し、前記接続部は、基部と、前記長手方向における前記基部の両側にそれぞれ設けられ、前記長手方向における前記側壁部の端面に対向する第1端面、及び、前記長手方向における前記凹状被挿入部の端面に対向する第2端面を有して、弾性体からなる当接部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、弾性体からなる当接部の第1端面には、長手方向における側壁部の端面が当接され、当接部の第2端面には、長手方向における凹状被挿入部の端面が当接される。内面部材同士が連結された際に、当接部が弾性変形することで、接続部と内面部材との間の微小な隙間が埋まる。これにより、内面部材同士の連結部において水密性を確保することができる。そして、樹脂製のシーリング材などで隙間をシールする必要がないので、長手方向に隣接する内面部材同士を連結する際の作業性を向上させることができ、その作業に要する時間も短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】内張り構造の構造説明図であり、既設管路及び内張り構造についてはその長手方向に沿った鉛直断面で切断して示す図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図2のB部拡大図である。
図4】管路補強材のみを既設管路の内面に沿って配設した状態を示す、既設管路の長手方向に沿った断面図である。
図5図1に示す内面部材の正面図である。
図6図1に示す内面部材連結材の斜視図である。
図7】内面部材連結材の斜視図であり、接続部を除いた図である。
図8図7における挿入部の長手方向の中央部Cの拡大図である。
図9図6に示す接続部の斜視図である。
図10】内面部材に内面部材連結材を挿入している最中の状態を示す斜視図である。
図11】内面部材の正面図であり、内面部材に内面部材連結材が嵌合した状態を示す図である。
図12】既設管路の内面に沿って内面部材が配設される前の状態を示す既設管路の断面図である。
図13】既設管路の内張りが完了した状態を示す既設管路の断面図である。
図14】変形例における内面部材連結材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る内面部材連結材が採用された管路の内張り構造について、図面を参照しつつ以下に説明する。なお、本発明に係る管路の内張り構造(内張り構造)は、老朽化した水道管、下水道管、或いは農業用水管などの既設管路の内面を被覆して補強するのに適した内張り構造であるが、新設のこれら管路の内面被覆(二次覆工)をする際にも適用できる技術である。
【0010】
(内張り構造の構成)
図1は、本発明に係る内張り構造100の構造説明図であり、既設管路P及び内張り構造100についてはその長手方向に沿った鉛直断面で切断して示す図である。また、図2には図1のA-A断面図を、図3には図2のB部拡大図をそれぞれ示す。さらに、図4は、管路補強材1を説明するための、管路補強材1のみを既設管路Pの内面に沿って配設した状態を示す、既設管路Pの長手方向に沿った断面図である。なお、後述するように、既設管路P内に内張り構造100が構築された後に、裏込め充填空間Sに自硬化性充填材99が充填されるのであるが(図13参照)、図1図3においては自硬化性充填材99が充填される前の状態を示している。
【0011】
図1図3に示すように、内張り構造100は、管路補強材1と、嵌合部材4と、内面部材2と、内面部材連結材3と、を有し、既設管路Pの内面に沿った筒状に構成されている。管路補強材1は、中空骨組み状であって、既設管路Pの内面に沿って配設される。嵌合部材4は、管路補強材1の内周側に複数配置される。内面部材2は、複数の嵌合部材4を介して管路補強材1に取り付けられる。
【0012】
(管路補強材)
図2及び図4に示すように、管路補強材1は、リング状補強部材11と、連結部材12と、を有している。リング状補強部材11は、リング状であって、既設管路Pの長手方向に沿って所定間隔をおいて複数配置される。図3に示すように、リング状補強部材11の内周側には、嵌合部材4を嵌め込むための複数の嵌合部11aが既設管路Pの周方向に等間隔に形成されている。
【0013】
リング状補強部材11の材質は、コスト面と強度面とから鉄鋼とすることが好ましいが、特に限定するものではなく、炭素鋼、ステンレス鋼、合成樹脂等とすることも可能である。また、リング状補強部材11は、例えば、その周方向に複数分割された円弧状の部材が相互に連結されることで形成されてもよい。
【0014】
図4に示すように、複数の連結部材12は、リング状補強部材11を互いに連結する。複数の連結部材12でリング状補強部材11を互いに連結することで、管路補強材1は中空円筒状に構成される。
【0015】
図4に示すように、連結部材12は、パイプ材12cと、連結用ボルト12aと、ナット12bと、を有している。パイプ材12cは、既設管路Pの長手方向において、隣接する2つのリング状補強部材11の間に配置されて、スペーサの役割を担う。連結用ボルト12aの両端には、雄ねじが形成されている。ナット12bは、連結用ボルト12aの各雄ねじにねじ込まれる。
【0016】
隣接する2つのリング状補強部材11の間に介在するパイプ材12cの内部に連結用ボルト12aを挿入し、その両端の雄ねじ部分にナット12bをねじ込むことによって、連結部材12は、隣接する2つのリング状補強部材11を相互に連結・一体化している。ここで、既設管路Pに曲りや段差があっても、パイプ材12c及び連結用ボルト12aの長さを周方向に適宜変更することにより、それらに対処することが可能である。また、パイプ材12cに代えて、両端の少し中よりまでナット12bを予めねじ込んだ連結用ボルト12aをスペーサとして使用し、別のナット12bとでリング状補強部材11を挟みこむことで連結・一体化してもよい。なお、リング状補強部材11と既設管路Pとの隙間(裏込め充填空間S)には、後述するように施工最終段階において、未硬化状態の自硬化性充填材99が注入される。
【0017】
(嵌合部材)
図2及び図3に示すように、管路補強材1の内周側には、複数の嵌合部材4が既設管路Pの長手方向に沿って互いに平行に取り付けられている。図3に示すように、嵌合部材4は、その断面形状が上述のリング状補強部材11の嵌合部11aとほぼ同一の角張ったC字形をした一様断面の成形体である。また、嵌合部材4の長手方向の長さは、例えば、5m程度の一定の長さを有する。
【0018】
管路補強材1に対する嵌合部材4の取り付けは、嵌合部材4の開口部分が既設管路Pの中心側(すなわち既設管路Pの径方向の内側)を向くように、既設管路Pの長手方向に複数設けられているリング状補強部材11の各嵌合部11a内に嵌合部材4を嵌め込むことによって行われる。また、一定の長さを有する嵌合部材4は、既設管路Pの長手方向に複数本が連結されることによって、補修長をカバーしている。すなわち、複数の嵌合部材4が、長手方向に隣接する端面同士を互いに当接させた状態で、連結部材(不図示)によって連結されることにより、全体として既設管路Pの補修長に対応する長さとされ、その全体が管路補強材1に対して取り付けられている。
【0019】
嵌合部材4の材質は、耐腐食性に優れ、軽量で施工性にも優れ、かつコストも安価なポリエチレン樹脂をはじめとするオレフィン系等の熱可塑性樹脂とすることが好ましいが、不飽和ポリエステル樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂や、より強度の高い繊維強化プラスチック、難燃性を有する熱可塑性樹脂、ステンレスをはじめとする金属とすることもできる。
【0020】
(内面部材)
図2及び図3に示すように、内面部材2は、管路補強材1の内周側において、既設管路Pの長手方向及び周方向に装着された複数の嵌合部材4を介して、管路補強材1に取り付けられている。
【0021】
内面部材2は、既設管路Pの長手方向に沿って一定の長さ、例えば5m程度の長さを有する。また、一定の長さを有する内面部材2は、既設管路Pの長手方向に複数本が連結されることによって、補修長をカバーしている。すなわち、複数の内面部材2が、長手方向に隣接する端面同士を互いに当接させた状態で、内面部材連結材3によって連結されることにより、全体として既設管路Pの補修長に対応する長さとされ、その全体が嵌合部材4を介して管路補強材1に対して取り付けられている。
【0022】
図5は、図1に示す内面部材2の正面図である。図3及び図5に示すように、内面部材2は、左右対称の一様断面の形態を有している。図5に示すように、内面部材2は、側壁部22と、凹状被挿入部21と、を有している。側壁部22は、既設管路Pの長手方向に沿って既設管路Pの内面を被覆する。側壁部22は、既設管路Pの周方向における両端部から中央部に向かって、既設管路Pの内面側(図中上側)に弓形に傾斜するように形成され、既設管路Pの長手方向における端面22aを有している。
【0023】
凹状被挿入部21は、既設管路Pの周方向における側壁部22の両端部にそれぞれ設けられている。2つの凹状被挿入部21は、既設管路Pの内面側(径方向の外側)(図中上側)にそれぞれ突出している。凹状被挿入部21は、内面部材2の長手方向に沿って連続して形成されている。
【0024】
図5に示すように、凹状被挿入部21は、突出部21aと、傾斜部21bと、既設管路Pの長手方向における端面21cと、を有している。突出部21aは、側壁部22の周方向の端部から側壁部22の厚み方向(既設管路Pの径方向)の一方側(既設管路Pの内面側)に突出している。傾斜部21bは、突出部21aの先端から側壁部22に近づくように傾斜して延在している。突出部21aと傾斜部21bと側壁部22とで囲まれた部分が、凹部23を構成している。
【0025】
凹状被挿入部21の凹部内寸法H2は、内面部材2の長手方向に沿って一様な大きさとなるように形成されている。詳しくは後述するが、凹状被挿入部21には、内面部材連結材3の挿入部33が挿入される。
【0026】
図3に示すように、2つの内面部材2の凹状被挿入部21同士(内面部材2の長手方向に沿う縁部同士であって一の内面部材2の既設管路Pの周方向の一端部と当該一の内面部材2に隣接する他の内面部材2の既設管路Pの周方向の他端部)が対の状態で、内面部材2が嵌合部材4の開口部分に挿入されることにより、凹状被挿入部21の傾斜部21bの先端が嵌合部材4の開口部分に係止される。こうして、内面部材2が嵌合部材4を介して管路補強材1に確実に保持された状態となる。
【0027】
この内面部材2の材質は、上述の嵌合部材4と同様、耐腐食性に優れ、軽量で施工性にも優れ、かつコストも安価なポリエチレン樹脂をはじめとするオレフィン系等の熱可塑性樹脂とすることが好ましいが、不飽和ポリエステル樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂や、より強度の高い繊維強化プラスチック、難燃性を有する熱可塑性樹脂、ステンレスをはじめとする金属とすることもできる。
【0028】
なお、内面部材2の材質の選択、内面部材2の厚さの決定に際しては、内面部材連結材3の挿入部33を凹状被挿入部21に挿入した際に、凹状被挿入部21が押し広がるように、すなわち、凹部内寸法H2が大きくなるように、且つ、挿入部33を凹状被挿入部21から引き抜いた際には、凹状被挿入部21の凹部内寸法H2が元の大きさに戻るように、凹状被挿入部21が弾性変形するようにするとよい。
【0029】
(シール材)
図3に示すように、各嵌合部材4と、各嵌合部材4に取り付けられた2つの内面部材2の相互に当接した凹状被挿入部21との間には、例えば熱可塑性エラストマーや、合成ゴム、水膨張性ゴム等からなるシール材5が配置されている。これにより、既設管路Pの周方向に隣接する内面部材2間の水密性を得ることができる。
【0030】
(内面部材連結材)
図6は、図1に示す内面部材連結材3の斜視図である。図6に示すように、内面部材連結材3は、一定の長さを有する左右対称形態の板状部材であり、長手方向に直交する方向の断面形状がコの字形である。内面部材連結材3は、既設管路Pの長手方向に内面部材2同士を連結するものである。
【0031】
内面部材連結材3は、壁面部32と挿入部33とを有する本体部31と、接続部34と、を有している。壁面部32は、内面部材2同士が連結された際に、内面部材2の側壁部22に対向する。
【0032】
挿入部33は、既設管路Pの周方向における壁面部32の両端部にそれぞれ設けられている。2つの挿入部33は、既設管路Pの内面外側(図中上側)にそれぞれ突出している。挿入部33は、内面部材連結材3の長手方向に沿って連続して形成されている。挿入部33は、内面部材2の凹状被挿入部21に挿入される。
【0033】
図7は、内面部材連結材3の斜視図であり、接続部34を除いた図である。図7中に矢印Xで示すように、挿入部33は、その長手方向の両端部から長手方向の中央部Cに向かって凸部高さが高くなるように形成されている。挿入部33は、その長手方向の中央部C(後述する凹部33aを除く)において凸部高さが最大のH1となっている。
【0034】
図8は、図7における挿入部33の長手方向の中央部Cの拡大図である。図8に示すように、挿入部33は、長手方向の中央部Cにおける凸部高さH1が、長手方向に沿って一定の高さH1で所定長さLだけ連続するように形成されている。挿入部33の長手方向の中央部Cには、凹部33aが形成されている。この凹部33aには、接続部34の後述する基部34aの爪部34cが嵌る。
【0035】
ここで、本体部31には、ステンレスをはじめとする金属材料の加工品や熱可塑性樹脂の成形品、熱硬化性樹脂(FRPを含む)の成形品などが採用される。
【0036】
接続部34は、内面部材2同士が連結された際に、2つの内面部材2の間に挟まれる。図9は、図6に示す接続部34の斜視図である。図9に示すように、接続部34は、基部34aと、当接部34bと、を有している。基部34aは、長手方向に直交する方向の断面形状がコの字形であり、両端部に爪部34cを有している。この爪部34cが挿入部33の凹部33aに係合することで、接続部34が本体部31に嵌合する。
【0037】
当接部34bは、弾性体からなり、内面部材連結材3の長手方向における基部34aの両側にそれぞれ設けられている。当接部34bは、内面部材2の長手方向における側壁部22の端面22aに対向する第1端面34e、及び、内面部材2の長手方向における凹状被挿入部21の端面21cに対向する第2端面34fを有している。
【0038】
基部34aは、その両端部にストッパ部34dを有している。ストッパ部34dは、内面部材連結材3の長手方向における爪部34cの両側にそれぞれ設けられている。内面部材連結材3の長手方向において、ストッパ部34dの表面は、当接部34bの表面よりも、接続部34の内側に位置している。ストッパ部34dには、内面部材2の長手方向における凹状被挿入部21の端面21cのうち、傾斜部21bの先端付近の一部が当接する。
【0039】
ここで、接続部34の基部34aには、熱可塑性樹脂の成形品や熱硬化性樹脂(FRPを含む)の成形品などが採用される。接続部34の当接部34bには、基部34aよりも柔軟な熱可塑性エラストマーやゴムなどが採用される。ストッパ部34dは、当接部34bよりも硬質の材質が好ましく、例えば基部34aの材質と同一であることが望ましい。
【0040】
図10は、内面部材2に内面部材連結材3を挿入している最中の状態を示す斜視図である。内面部材連結材3を用いて2本の内面部材2を長手方向に連結するには、図10に示すように、まず、一方の内面部材2の端部の凹状被挿入部21に内面部材連結材3の挿入部33をその長さの略半分まで挿入して、内面部材2の長手方向における側壁部22の端面22aを、接続部34の当接部34bの第1端面34eに当接させるとともに、内面部材2の長手方向における凹状被挿入部21の端面21cを、接続部34の当接部34bの第2端面34fに当接させる。これにより、一方の内面部材2と内面部材連結材3とが嵌合(密嵌)し、内面部材連結材3の挿入部33の残り略半分が突出した状態になる。
【0041】
次に、挿入部33の残りの部分に他方の内面部材2の端部の凹状被挿入部21を挿入し、内面部材2の長手方向における側壁部22の端面22aを、接続部34の当接部34bの第1端面34eに当接させるとともに、内面部材2の長手方向における凹状被挿入部21の端面21cを、接続部34の当接部34bの第2端面34fに当接させる。これにより、他方の内面部材2と内面部材連結材3とが嵌合(密嵌)する。
【0042】
2つの内面部材2で接続部34が挟まれると、当接部34bが弾性変形して、当接部34bが圧縮される。これにより、接続部34と内面部材2との間の微小な隙間が埋まる。凹状被挿入部21の端面21cのうち、傾斜部21bの先端の部分が、接続部34のストッパ部34dに当接すると、接続部34に対して内面部材2が位置止めされ、当接部34bの圧縮量は所定量で一定になる。本実施形態において、当接部34bの厚みは1.4mmであり、ストッパ部34dの厚みは0.6mmであり、当接部34bの圧縮量の所定量は0.1~0.8mmである。
【0043】
ここで、当接部34bの水密性試験の試験結果を表1に示す。この試験は、接続部34のストッパ部34dの厚みを決めるためのもので、ストッパ部34dを設けずに行っている。内面部材2同士を内面部材連結材3で連結し、内面部材2の長手方向における側壁部22の端面22aを当接部34bの第1端面34eに当接させ、且つ、内面部材2の長手方向における凹状被挿入部21の端面21cを当接部34bの第2端面34fに当接させて圧縮した際に、当接部34bの圧縮量を変化させて、0.1MPaの水圧下で3分以内に内面部材2と接続部34との隙間から水漏れが生じるか否かを評価している。評価結果から、当接部34bの圧縮量が所定量よりも大きいと、内面部材2の端面21c及び端面22aと基部34aとの間から当接部34bがはみ出している。
【0044】
【表1】
【0045】
内面部材2同士が連結された際に、当接部34bが弾性変形することで、接続部34と内面部材2との間の微小な隙間が埋まる。これにより、内面部材2同士の連結部において水密性を確保することができる。そして、樹脂製のシーリング材などで隙間をシールする必要がないので、長手方向に隣接する内面部材2同士を連結する際の作業性を向上させることができ、その作業に要する時間も短縮することができる。
【0046】
また、ストッパ部34dに凹状被挿入部21の端面21cの一部が当接した際に、当接部34bの圧縮量が所定量になる。内面部材2同士が連結された際に、当接部34bの圧縮量が所定量よりも小さいと、接続部34と内面部材2との隙間に水が浸み込む恐れがある。また、内面部材2同士が連結された際に、当接部34bの圧縮量が所定量よりも大きいと、内面部材2の端面21c及び端面22aと基部34aとの間から当接部34bがはみ出る恐れがある。そこで、接続部34の基部34aにストッパ部34dを設けて、内面部材2同士が連結された際に、当接部34bの圧縮量が所定量になるようにすることで、水密性を好適に確保することができる。
【0047】
ここで、凹状被挿入部21の凹部内寸法H2(図5参照)は、内面部材連結材3の長手方向の両端部における凸部高さよりもわずかに大きく、長手方向の中央部Cにおける凸部高さH1(図7参照)よりもわずかに小さくされている。
【0048】
図11は、内面部材2の正面図であり、内面部材2に内面部材連結材3が嵌合した状態を示す図である。図11に示すように、2本の内面部材2を長手方向に連結した際に、内面部材連結材3の挿入部33が内面部材2の凹状被挿入部21を押し広げる。これにより、挿入部33の凸部高さが最大となる長手方向の中央部Cと凹状被挿入部21の内側との接触部Yにおいて摩擦力が大きくなる、また、内面部材連結材3を内面部材2に挿入していくと、内面部材2の側壁部22の弓形に湾曲した中央部が内面部材連結材3の壁面部32に押し付けられる。これにより、内面部材連結材3の壁面部32と内面部材2の側壁部22との接触部Zにおいて摩擦力が大きくなる。これらによって、内面部材2と内面部材連結材3とは相互に強く連結される。
【0049】
なお、2つの内面部材2の長手方向の端面の各々が、接続部34の当接部34bに当接した際に、内面部材2の凹状被挿入部21と内面部材連結材3の挿入部33とが密嵌するように、凹状被挿入部21の凹部内寸法H2、及び、挿入部33の凸部高さH1が決定される。すなわち、凹状被挿入部21の凹部内寸法H2、及び、挿入部33の凸部高さH1は、内面部材2及び内面部材連結材3の材質、厚み、内面部材2の凹状被挿入部21の弾性変形の程度などを考慮して決定される。
【0050】
(内張り構造の敷設方法)
次に、内張り構造100を既設管路P内に敷設する方法について説明する。図12は、既設管路Pの内面に沿って内面部材2が配設される前の状態を示す既設管路Pの断面図である。また、図13は、既設管路Pの内張りが完了した状態を示す既設管路Pの断面図である。
【0051】
まず、施工に際して、既設管路Pの上流側に例えば堰を設置する。又は、バイパスを配置し水替えを行うなどの手法により、既設管路Pで人が作業できる環境を作る。そして、管路補強材1を既設管路Pの内面に沿って配設する。管路補強材1を構成するリング状補強部材11は、通常、複数に分割された弧状部材を既設管路P内で組み立てることで形成される。そして、一部又は全ての部材が組み立てられたリング状補強部材11を、連結部材12により既設管路Pの長手方向に複数個結合して筒状の管路補強材1を得る。
【0052】
管路補強材1の組立が完了した後、管路補強材1を構成するリング状補強部材11の各嵌合部11aに嵌合部材4をそれぞれ嵌め込む。嵌合部材4をリング状補強部材11に嵌め込んだ状態を図12に断面図で示す。次いで、その嵌合部材4に対して内面部材2を対にして嵌合させる。内面部材2は、前記した方法によって内面部材連結材3を用いて連結し、その長手方向に連続体とする。内面部材2を嵌合部材4に対して嵌合させた状態を図1及び図2に断面図で示している。なお、本実施形態においては、必ずしも嵌合部材4を用いる必要はなく、管路補強材1を構成するリング状補強部材11に対して内面部材2を直接、嵌合により取り付けてもよい。
【0053】
そして、図1及び図2に示す内面部材2を管路補強材1に取り付けた状態から、内面部材2と既設管路Pとの間に自硬化性充填材99を注入してこれらの間で硬化させる。自硬化性充填材99を注入した最終的な構造を、図13に断面図で示す。自硬化性充填材99としては、例えばセメントミルク、モルタル、コンクリート等のセメント系材料、あるいは不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などを用いることができ、要求性能やコストによって適宜に選択される。自硬化性充填材99の注入に際しては、既設管路Pの端部に妻型枠などを設置して注入してもよいし、内面部材2に注入口を設けて注入してもよい。
【0054】
(変形例)
なお、内面部材連結材3は、図6に図示したものに限定されない。図14は、変形例における内面部材連結材103の斜視図である。この内面部材連結材103は、本体部131と、接続部34と、を有している。内面部材連結材103の接続部34は、上述の内面部材連結材3の接続部34と同じである。内面部材連結材103の本体部131は、上述の内面部材連結材3の本体部31と同様の材質で形成されている。
【0055】
本体部131は、壁面部132と、側面部133と、傾斜部134と、を有している。壁面部132は、内面部材2同士が連結された際に、内面部材2の側壁部22に対向するものである。内面部材連結材3の長手方向における壁面部132の両端132aは、長手方向の壁面部132中央に向かって凹状に湾曲されている。
【0056】
壁面部132には、内面部材2の側壁部22と壁面部132とを接着する接着剤140が塗布されている。接着剤140は、壁面部132の長手方向の略両端部(所定の位置)にそれぞれ塗布される。
【0057】
側面部133は、既設管路Pの周方向における壁面部132の両端部にそれぞれ設けられている。2つの側面部133は、既設管路Pの内面側(図中下側)にそれぞれ突出している。側面部133は、内面部材連結材3の長手方向に沿って連続して形成されている。側面部133の中央部には、接続部34の基部34aの爪部34cが嵌る凹部が形成されている。
【0058】
傾斜部134は、内面部材連結材103の長手方向における側面部133の両側から長手方向にそれぞれ突出して設けられている。傾斜部134は、その長手方向の端に向かって既設管路Pの内面側(図中下側)に傾斜されている。その傾斜角度は、例えば15°であるが、これに限定されない。
【0059】
傾斜部134及び側面部133は、内面部材2同士が連結される際に、凹状被挿入部21にこの順番でそれぞれ挿入され、変形例の内面部材連結材103の挿入部となる。
【0060】
ここで、内面部材2は長手方向に長い(5m程度)。図10に示すように、一方の内面部材2に挿入され、既設管路Pの内面に対して斜めを向いた内面部材連結材3に他方の内面部材2を挿入するためには、他方の内面部材2の端部を持ち上げて内面部材連結材3と平行にしなければならない。内面部材2は長いため、内面部材2の端部を内面部材連結材3と平行にするには、内面部材2の端部の長い範囲を持ち上げる必要があり、作業者にとって負担になる。
【0061】
これに対して、変形例の内面部材連結材103を用いて2本の内面部材2を長手方向に連結するには、まず、一方の内面部材2の端部を持ち上げ、この端部の凹状被挿入部21に内面部材連結材103の一方の傾斜部134を挿入し、さらに、内面部材連結材103の側面部133をその長さの略半分まで挿入して、側面部133と凹状被挿入部21とを密嵌させる。このとき、凹状被挿入部21の長手方向に平行に傾斜部134が挿入され、その後、凹状被挿入部21の長手方向に平行に側面部133が挿入される。傾斜部134は側面部133に対して傾斜しているので、凹状被挿入部21に傾斜部134を挿入するときと、凹状被挿入部21に側面部133を挿入するときとで、内面部材2に対する内面部材連結材103の挿入角度は異なる。
【0062】
一方の内面部材2に内面部材連結材103を挿入すると、内面部材2の長手方向における側壁部22の端面22aが、接続部34の当接部34bの第1端面34eに当接し、内面部材2の長手方向における凹状被挿入部21の端面21cが、接続部34の当接部34bの第2端面34fに当接する。
【0063】
次に、他方の内面部材2の端部を持ち上げ、この端部の凹状被挿入部21を、露出している他方の傾斜部134に挿入し、さらに、側面部133の残り略半分に挿入して、側面部133と凹状被挿入部21とを密嵌させる。このとき、傾斜部134の傾斜に沿って凹状被挿入部21が挿入され、その後、側面部133の長手方向に平行に凹状被挿入部21が挿入される。傾斜部134は側面部133に対して傾斜しているので、傾斜部134に凹状被挿入部21を挿入するときと、側面部133に凹状被挿入部21を挿入するときとで、内面部材連結材103に対する内面部材2の挿入角度は異なる。
【0064】
他方の内面部材2を内面部材連結材103に挿入すると、内面部材2の長手方向における側壁部22の端面22aが、接続部34の当接部34bの第1端面34eに当接し、内面部材2の長手方向における凹状被挿入部21の端面21cが、接続部34の当接部34bの第2端面34fに当接する。
【0065】
このように、凹状被挿入部21を傾斜部134に挿入する際に、傾斜部134の傾斜に沿って凹状被挿入部21を挿入することができる。これにより、一方の内面部材2に挿入され、既設管路Pの内面に対して斜めになっている内面部材連結材103に、他方の内面部材2を挿入する際に、内面部材2の端部を大きく持ち上げて壁面部132及び側面部133と平行にしなくても、内面部材2の端部を少し持ち上げるだけで傾斜部134と平行になり、傾斜部134に内面部材2を容易に挿入することができる。その結果、内面部材2の端部を壁面部132及び側面部133と平行にする場合よりも、内面部材2の端部を持ち上げる範囲が短くなるので、作業者の負担が軽減される。これにより、長手方向に隣接する内面部材2同士を連結する作業を容易にすることができ、その作業に要する時間も短縮することができる。
【0066】
また、内面部材連結材103の長手方向における壁面部132の両端132aが、長手方向の壁面部132中央に向かって凹状に湾曲されている。これにより、傾斜部134に凹状被挿入部21を挿入する際に、壁面部132の端が内面部材2の側壁部22の端面22aに干渉するのが抑制される。よって、傾斜部134に凹状被挿入部21をスムーズに挿入することができる。
【0067】
また、傾斜部134に凹状被挿入部21を挿入するときと、側面部133に凹状被挿入部21を挿入するときとで、内面部材連結材103に対する内面部材2の挿入角度が異なるので、挿入角度を変化させながら内面部材2を挿入する一連の動きにより、側壁部22は壁面部132に覆いかぶさるようにしながら壁面部132と接触する。よって、壁面部132に塗布された所定量の接着剤140は、内面部材2の側壁部22の壁面部132に対向する面によって過度に塗り広げられたり、側壁部22の端部に接触して削ぎ落されることなく、側壁部22の奥まった位置にて内面部材2と内面部材連結材103との間に留まる。このように、内面部材連結材103に他方の内面部材2を挿入するだけで、接着剤140を最初に塗布された位置から押し出すことなく所定の位置に留めることができるので、内面部材2と内面部材連結材103とを確実に接着することができる。一方の内面部材2に内面部材連結材103を挿入する際も同様である。以上のようにして、内面部材連結材103により、内面部材2同士が既設管路Pの長手方向に確実に連結される。
【0068】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る内面部材連結材3及び内張り構造100によれば、弾性体からなる当接部34bの第1端面34eには、長手方向における側壁部22の端面22aが当接され、当接部34bの第2端面34fには、長手方向における凹状被挿入部21の端面21cが当接される。内面部材2同士が連結された際に、当接部34bが弾性変形することで、接続部34と内面部材2との間の微小な隙間が埋まる。これにより、内面部材2同士の連結部において水密性を確保することができる。そして、樹脂製のシーリング材などで隙間をシールする必要がないので、長手方向に隣接する内面部材2同士を連結する際の作業性を向上させることができ、その作業に要する時間も短縮することができる。
【0069】
また、ストッパ部34dに凹状被挿入部21の端面21cの一部が当接した際に、当接部34bの圧縮量が所定量になる。内面部材2同士が連結された際に、当接部34bの圧縮量が所定量よりも小さいと、接続部34と内面部材2との隙間に水が浸み込む恐れがある。また、内面部材2同士が連結された際に、当接部34bの圧縮量が所定量よりも大きいと、内面部材2の端面21c及び端面22aと基部34aとの間から当接部34bがはみ出る恐れがある。そこで、接続部34の基部34aにストッパ部34dを設けて、内面部材2同士が連結された際に、当接部34bの圧縮量が所定量になるようにすることで、水密性を好適に確保することができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0071】
1 管路補強材
2 内面部材
3 内面部材連結材
4 嵌合部材
5 シール材
11 リング状補強部材
11a 嵌合部
12 連結部材
12a 連結用ボルト
12b ナット
12c パイプ材
21 凹状被挿入部
21a 突出部
21b 傾斜部
21c 凹状被挿入部の端面
22 側壁部
22a 側壁部の端面
23 凹部
31 本体部
32 壁面部
33 挿入部
33a 凹部
34 接続部
34a 基部
34b 当接部
34c 爪部
34d ストッパ部
34e 第1端面
34f 第2端面
99 自硬化性充填材
100 内張り構造
103 内面部材連結材
131 本体部
132 壁面部
133 側面部
134 傾斜部
140 接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14