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特開2023-82401情報閲覧能力推定装置、情報閲覧能力推定方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082401
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】情報閲覧能力推定装置、情報閲覧能力推定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20230607BHJP
【FI】
G06Q10/06 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196147
(22)【出願日】2021-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 孔司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】ユーザーが情報を閲覧する能力をより高精度に推定する技術が提供されることが望まれる。
【解決手段】第1のユーザーの1または複数の情報閲覧履歴を含んだ閲覧管理データと、前記第1のユーザーの1または複数の行動履歴を含んだ行動データと、第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定する推定部を備える、情報閲覧能力推定装置が提供される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザーの1または複数の情報閲覧履歴を含んだ閲覧管理データと、前記第1のユーザーの1または複数の行動履歴を含んだ行動データと、第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定する推定部を備える、
情報閲覧能力推定装置。
【請求項2】
前記情報閲覧履歴それぞれは、前記第1のユーザーの端末に送信された第1の通知情報が前記第1のユーザーによって閲覧された時刻である閲覧時刻を含む、
請求項1に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項3】
前記情報閲覧履歴それぞれは、前記第1のユーザーの端末に前記第1の通知情報が送信された時刻である通知時刻を含む、
請求項2に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記閲覧管理データに基づいて前記第1のユーザーの情報閲覧能力を計算し、前記第1のユーザーの情報閲覧能力と前記行動データと前記第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定する、
請求項3に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記通知時刻よりも後の時刻かつ前記閲覧時刻よりも前の時刻に対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力を、前記閲覧時刻に対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力よりも低く計算する、
請求項4に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項6】
前記推定部は、前記閲覧時刻よりも後の時刻に対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力を、前記閲覧時刻に対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力よりも低く計算する、
請求項4または5に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記行動データに応じた1または複数の行動条件と前記行動条件それぞれに対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力とを含んだ情報閲覧能力データを生成し、前記情報閲覧能力データと前記第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定する、
請求項4~6のいずれか一項に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項8】
前記推定部は、前記第2のユーザーの行動が満たす行動条件に対応する第1のユーザーの情報閲覧能力を前記情報閲覧能力データから抽出データとして抽出し、前記抽出データの代表値を前記第2のユーザーの情報閲覧能力として推定する、
請求項7に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項9】
前記抽出データの代表値は、前記抽出データの平均値である、
請求項8に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項10】
前記推定部は、前記第1のユーザーの情報閲覧能力と前記行動データとに基づいて機械学習アルゴリズムにより推論モデルを生成し、前記推論モデルと前記第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定する、
請求項4~6のいずれか一項に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項11】
前記情報閲覧履歴の少なくとも一部に含まれる閲覧時刻には、前記第1の通知情報に対して前記第1のユーザーによって入力された受容度が対応付けられており、
前記推定部は、前記受容度が対応付けられた閲覧時刻に対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力を、前記受容度に基づいて計算する、
請求項4~10のいずれか一項に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項12】
前記情報閲覧能力推定装置は、
前記第2のユーザーの情報閲覧能力が所定の値より大きいことに基づいて、前記第2のユーザーの端末に第2の通知情報を通知する情報通知部を備える、
請求項1~11のいずれか一項に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項13】
前記第1のユーザーの前記行動履歴それぞれは、前記第1のユーザーが存在した場所、前記第1のユーザーが存在した時間、前記第1のユーザーの活動種別、および、前記第1のユーザーが存在した位置の天候の少なくともいずれか一つを含む、
請求項1~12のいずれか一項に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項14】
前記第1のユーザーは、1または複数のユーザーを含み、
前記第2のユーザーは、1または複数のユーザーを含み、
前記第1のユーザーと前記第2のユーザーとは、共通するユーザーを有する、
請求項1~13のいずれか一項に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項15】
前記第1のユーザーは、1または複数のユーザーを含み、
前記第2のユーザーは、1または複数のユーザーを含み、
前記第1のユーザーと前記第2のユーザーとは、共通するユーザーを有さない、
請求項1~13のいずれか一項に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項16】
前記第1のユーザーと前記第2のユーザーとは、同一のグループに属する、
請求項1~15のいずれか一項に記載の情報閲覧能力推定装置。
【請求項17】
第1のユーザーの1または複数の情報閲覧履歴を含んだ閲覧管理データと、前記第1のユーザーの1または複数の行動履歴を含んだ行動データと、第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定することを含む、
情報閲覧能力推定方法。
【請求項18】
コンピュータを、
第1のユーザーの1または複数の情報閲覧履歴を含んだ閲覧管理データと、前記第1のユーザーの1または複数の行動履歴を含んだ行動データと、第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定する推定部を備える、
情報閲覧能力推定装置として機能させるプログラム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報閲覧能力推定装置、情報閲覧能力推定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーの情報への注目または関心を高めるために、ユーザーの状況に基づいて個別化された情報を、ユーザー端末に通知することがある。例えば、ユーザーの属性情報(例えば、年齢、性別、興味など)と所定エリアにおいて配信されたメッセージに対する開封率とに基づいて、広告主がターゲットとしているユーザー層(例えば、女性かつ開封率20%以上)に適切な広告情報を通知する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-156460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザーが情報を閲覧する能力をより高精度に推定する技術が提供されることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1のユーザーの1または複数の情報閲覧履歴を含んだ閲覧管理データと、前記第1のユーザーの1または複数の行動履歴を含んだ行動データと、第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定する推定部を備える、情報閲覧能力推定装置が提供される。
【0006】
前記情報閲覧履歴それぞれは、前記第1のユーザーの端末に送信された第1の通知情報が前記第1のユーザーによって閲覧された時刻である閲覧時刻を含んでもよい。
【0007】
前記情報閲覧履歴それぞれは、前記第1のユーザーの端末に前記第1の通知情報が送信された時刻である通知時刻を含んでもよい。
【0008】
前記推定部は、前記閲覧管理データに基づいて前記第1のユーザーの情報閲覧能力を計算し、前記第1のユーザーの情報閲覧能力と前記行動データと前記第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定してもよい。
【0009】
前記推定部は、前記通知時刻よりも後の時刻かつ前記閲覧時刻よりも前の時刻に対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力を、前記閲覧時刻に対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力よりも低く計算してもよい。
【0010】
前記推定部は、前記閲覧時刻よりも後の時刻に対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力を、前記閲覧時刻に対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力よりも低く計算してもよい。
【0011】
前記推定部は、前記行動データに応じた1または複数の行動条件と前記行動条件それぞれに対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力とを含んだ情報閲覧能力データを生成し、前記情報閲覧能力データと前記第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定してもよい。
【0012】
前記推定部は、前記第2のユーザーの行動が満たす行動条件に対応する第1のユーザーの情報閲覧能力を前記情報閲覧能力データから抽出データとして抽出し、前記抽出データの代表値を前記第2のユーザーの情報閲覧能力として推定してもよい。
【0013】
前記抽出データの代表値は、前記抽出データの平均値であってもよい。
【0014】
前記推定部は、前記第1のユーザーの情報閲覧能力と前記行動データとに基づいて機械学習アルゴリズムにより推論モデルを生成し、前記推論モデルと前記第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定してもよい。
【0015】
前記情報閲覧履歴の少なくとも一部に含まれる閲覧時刻には、前記第1の通知情報に対して前記第1のユーザーによって入力された受容度が対応付けられており、前記推定部は、前記受容度が対応付けられた閲覧時刻に対応する前記第1のユーザーの情報閲覧能力を、前記受容度に基づいて計算してもよい。
【0016】
前記情報閲覧能力推定装置は、前記第2のユーザーの情報閲覧能力が所定の値より大きいことに基づいて、前記第2のユーザーの端末に第2の通知情報を通知する情報通知部を備えてもよい。
【0017】
前記第1のユーザーの前記行動履歴それぞれは、前記第1のユーザーが存在した場所、前記第1のユーザーが存在した時間、前記第1のユーザーの活動種別、および、前記第1のユーザーが存在した位置の天候の少なくともいずれか一つを含んでもよい。
【0018】
前記第1のユーザーは、1または複数のユーザーを含み、前記第2のユーザーは、1または複数のユーザーを含み、前記第1のユーザーと前記第2のユーザーとは、共通するユーザーを有してもよい。
【0019】
前記第1のユーザーは、1または複数のユーザーを含み、前記第2のユーザーは、1または複数のユーザーを含み、前記第1のユーザーと前記第2のユーザーとは、共通するユーザーを有さなくてもよい。
【0020】
前記第1のユーザーと前記第2のユーザーとは、同一のグループに属してもよい。
【0021】
また、本発明の別の観点によれば、第1のユーザーの1または複数の情報閲覧履歴を含んだ閲覧管理データと、前記第1のユーザーの1または複数の行動履歴を含んだ行動データと、第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定することを含む、情報閲覧能力推定方法が提供される。
【0022】
また、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、第1のユーザーの1または複数の情報閲覧履歴を含んだ閲覧管理データと、前記第1のユーザーの1または複数の行動履歴を含んだ行動データと、第2のユーザーの行動とに基づいて、前記第2のユーザーの情報閲覧能力を推定する推定部を備える、情報閲覧能力推定装置として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、ユーザーが情報を閲覧する能力をより高精度に推定する技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る情報通知システムの構成例を示す図である。
図2】同実施形態に係る情報通知システムの動作を説明するための図である。
図3】閲覧管理データの例を示す図である。
図4】行動データの例を示す図である。
図5】情報閲覧能力データの例を示す図である。
図6】情報通知部の動作説明図である。
図7】同実施形態に係る情報閲覧能力推定装置の例としての情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合がある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、異なる実施形態の類似する構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0027】
<0.概要>
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。
【0028】
ユーザーの情報への注目または関心を高めるために、ユーザーの状況に基づいて個別化された情報を、ユーザー端末に通知することがある。例えば、ユーザーの属性情報(例えば、年齢、性別、興味など)と所定エリアにおいて配信されたメッセージに対する開封率とに基づいて、広告主がターゲットとしているユーザー層(例えば、女性かつ開封率20%以上)に適切な広告情報を通知する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0029】
しかし、上記の技術では、ユーザーが通知された情報を開封し閲覧する可能性を高める効果が不十分であるという問題点があった。さらに、上記の技術では、開封されない情報の通知がユーザーの満足度低下またはネットワークの利用効率低下をもたらすという問題点があった。
【0030】
そこで、本開示の実施形態においては、ユーザーが情報を閲覧する能力(以下、「情報閲覧能力」とも言う。)をより高精度に推定する技術について提案する。なお、情報閲覧能力は、ユーザーによる情報閲覧のされやすさとも換言され得る。
【0031】
一例として、本開示の実施形態においては、ユーザーごとの行動様式(例えば、ユーザーが、オフィスにおいて座位を保っている間(平日の12時から13時までなど)には、スマートフォンから出力される情報を閲覧しやすいといった行動様式など)に合わせて、当該ユーザーの情報閲覧能力を推定する技術について提案する。
【0032】
かかる技術によれば、ユーザーの情報閲覧能力が高精度に推定され得る。また、このようにして推定された情報閲覧能力に基づいて情報を通知することによって、ユーザーが情報を開封し閲覧する可能性が高まり得る。
【0033】
以上、本発明の実施形態の概要について説明した。
【0034】
<1.実施形態の詳細>
続いて、本発明の実施形態の詳細について説明する。
【0035】
[1-1.構成の説明]
本発明の実施形態に係る情報通知システムの構成例について説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施形態に係る情報通知システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る情報通知システム1は、情報閲覧能力推定装置10と、ユーザー端末20とを備える。情報閲覧能力推定装置10およびユーザー端末20は、ネットワークに接続されており、情報閲覧能力推定装置10とユーザー端末20とは、ネットワークを介して相互に通信可能に構成されている。
【0037】
(情報閲覧能力推定装置10)
情報閲覧能力推定装置10は、コンピュータによって実現され得る。情報閲覧能力推定装置10は、図示しない制御部および図示しない記憶部を備える。図示しない制御部は、閲覧履歴出力部120と、行動履歴出力部130と、情報閲覧能力推定部140と、情報通知部160とを備える。また、図示しない記憶部は、情報閲覧能力蓄積部150を備える。
【0038】
なお、図示しない制御部は、プロセッサによってプログラムが実行されることによって実現される。かかるプログラムは、記録媒体に記録され、記録媒体からプロセッサによって読み取られて実行され得る。あるいは、これらのブロックは、専用のハードウェアによって構成されてもよい。
【0039】
図示しない記憶部は、メモリによって構成され得る。例えば、メモリは、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブまたはフラッシュメモリなどのメモリであってよい。
【0040】
(閲覧履歴出力部120)
閲覧履歴出力部120は、情報通知部160から出力された情報通知データおよび開封応答データを取得する。閲覧履歴出力部120は、情報通知データおよび開封応答データに基づいて閲覧管理データを得る。そして、閲覧履歴出力部120は、閲覧管理データを情報閲覧能力推定部140に出力する。
【0041】
(行動履歴出力部130)
行動履歴出力部130は、ユーザー端末20から出力されたユーザー状況データを取得する。行動履歴出力部130は、ユーザー状況データに基づいて行動データを得る。行動履歴出力部130は、行動データを情報閲覧能力推定部140に出力する。
【0042】
(情報閲覧能力推定部140)
情報閲覧能力推定部140は、行動履歴出力部130から出力された行動データを取得する。また、情報閲覧能力推定部140は、閲覧履歴出力部120から出力された閲覧管理データを取得する。情報閲覧能力推定部140は、閲覧管理データに基づいて、ユーザーの情報閲覧能力を計算する。そして、情報閲覧能力推定部140は、情報閲覧能力と行動データとに基づいて情報閲覧能力データを得る。
【0043】
情報閲覧能力推定部140は、情報閲覧能力データを情報閲覧能力蓄積部150に記憶させる。
【0044】
情報閲覧能力推定部140は、情報通知部160からユーザーへの情報通知要求が出力された場合には、情報閲覧能力蓄積部150からユーザーの情報閲覧能力データを取得する。情報閲覧能力推定部140は、情報閲覧能力蓄積部150から取得した情報閲覧能力データとユーザーの現在の行動データとに基づいて、ユーザーの現在の情報閲覧能力を推定する。情報閲覧能力推定部140は、ユーザーの現在の情報閲覧能力を情報通知部160に出力する。
【0045】
(情報閲覧能力蓄積部150)
情報閲覧能力蓄積部150は、情報閲覧能力推定部140から出力された情報閲覧能力データを記憶する。また、情報閲覧能力蓄積部150は、記憶している情報閲覧能力データを情報閲覧能力推定部140に出力する。
【0046】
(情報通知部160)
情報通知部160は、任意のタイミングにおいてユーザーへの情報通知要求を生成し、情報通知要求を情報閲覧能力推定部140に出力する。情報通知部160は、情報通知要求に基づいて情報閲覧能力推定部140から出力されたユーザーの現在の情報閲覧能力を取得し、ユーザーの現在の情報閲覧能力に基づいて、通信インタフェースを介してメッセージ(通知情報)をユーザー端末20に送信する。
【0047】
情報通知部160は、ユーザー端末20へのメッセージの送信に応じた情報通知データを閲覧履歴出力部120に出力する。さらに、情報通知部160は、ユーザー端末20へのメッセージの送信に応じた開封応答データをユーザー端末20から取得する。そして、情報通知部160は、情報通知データおよび開封応答データを閲覧履歴出力部120に出力する。
【0048】
(ユーザー端末20)
ユーザー端末20は、コンピュータによって実現され得る。ユーザー端末20は、情報通知部160から出力されたメッセージを受信すると、メッセージの受信に応じた開封応答データを情報通知部160に出力する。また、ユーザー端末20は、ユーザー状況データを行動履歴出力部130に出力する。例えば、ユーザー端末20は、ユーザーが携帯する端末であってよい。
【0049】
なお、本発明の実施形態においては、閲覧履歴出力部120、行動履歴出力部130、情報閲覧能力推定部140および情報通知部160が、ユーザー端末20と接続された一つのサーバーによって構成される例を主に想定する。しかし、後にも説明するように、これらの機能は、一つのサーバーによって構成されていなくてもよい。
【0050】
以上、本発明の実施形態に係る情報通知システム1の構成例について説明した。
【0051】
[1-2.動作の説明]
続いて、本発明の実施形態に係る情報通知システム1の動作例について説明する。
【0052】
図2は、本発明の実施形態に係る情報通知システム1の動作を説明するための図である。図2に示されるように、本発明の実施形態に係る情報通知システム1の動作は、(S1)閲覧管理データと行動データの取得、(S2)情報閲覧能力データの更新、(S3)情報通知要求の確認、(S4)情報閲覧能力の推定、(S5)情報閲覧能力の大きさの判定、(S6)情報通知の各ステップに分けられる。
【0053】
以下では、これらの各ステップについて順に説明する。
【0054】
(S1)閲覧管理データと行動データの取得
閲覧履歴出力部120は、情報通知部160から出力された情報通知データおよび開封応答データを取得する。ここで、情報通知データは、情報通知部160がユーザー端末20にメッセージを送信した時刻とそのユーザーを示すユーザーIDとが対応付けられたデータである。開封応答データは、ユーザーの操作によりユーザー端末20がそのメッセージを開封した時刻とそのユーザーを示すユーザーIDとが対応付けられたデータである。
【0055】
なお、本発明の実施形態において、ユーザー端末20によるメッセージの開封は、ユーザーによるメッセージの閲覧ともみなされ得る。すなわち、開封時刻は、閲覧時刻とも換言され得る。また、ユーザーがメッセージを開封しないまま放置した場合には、開封応答データは存在しない。また、ユーザーが初めて本システムを利用する際には、情報通知データおよび開封応答データは存在しない。
【0056】
閲覧履歴出力部120は、情報通知データおよび開封応答データに基づいて閲覧管理データを得る。そして、閲覧履歴出力部120は、既に蓄積している閲覧管理データには存在しない閲覧管理データが新たに得られた場合には、その新たに得られた閲覧管理データを情報閲覧能力推定部140に出力する。閲覧履歴出力部120は、新たに得られた閲覧管理データを蓄積する。
【0057】
図3は、閲覧管理データの例を示す図である。図3に示されるように、閲覧管理データは、「ユーザーID」と「通知時刻」と「開封時刻」とが対応付けられた情報閲覧履歴を1または複数含んで構成される。すなわち、図3の各行が情報閲覧履歴に該当し得る。ここで、「ユーザーID」は、情報通知データおよび開封応答データに共通して含まれるユーザーIDである。「通知時刻」は、情報通知データに含まれる時刻であり、「開封時刻」は、開封応答データに含まれる時刻である。
【0058】
なお、図3には、閲覧管理データとしてユーザーIDが「123」であるユーザーの情報閲覧履歴のみが示されている。しかし、他のユーザーIDに対応するユーザーの情報閲覧履歴も同様に閲覧管理データに含まれてよい。
【0059】
行動履歴出力部130は、ユーザー端末20から出力されたユーザー状況データを取得する。ここで、ユーザー状況データは、ユーザーの状況を示すデータである。
【0060】
例えば、ユーザー端末20は、ユーザーIDとユーザーが存在した時間とを管理し、これらをユーザー状況データに含めてもよい。また、ユーザー端末20は、屋内または屋外に設置されたビーコンによる電波の受信機、および/または、GPS(Global Positioning System)センサなどといった、位置デバイスによって検出された位置データを管理し、これらをユーザー状況データに含めてもよい。また、ユーザー端末20は、歩数計などによって検出される歩数、および/または、内蔵マイクロフォン(以下、「内蔵マイク」とも言う。)の利用状態(例えば、内蔵マイクが利用しているか否かを示す情報)などを管理し、これらをユーザー状況データに含めてもよい。
【0061】
行動履歴出力部130は、ユーザー状況データに基づいて行動データを得る。例えば、行動履歴出力部130は、行動データとして、ユーザーID、ユーザーが存在した時間、ユーザーが存在した場所、ユーザーの活動種別およびユーザーが存在した位置の天候を得る。
【0062】
例えば、行動履歴出力部130は、ユーザー状況データに含まれる位置データに基づいて、ユーザーが存在する場所(例えば、建物のどの場所にいるのか、自宅にいるのか、屋外にいるのか、など)を検出してもよい。例えば、建物内に存在するユーザーの位置は、ビーコンによる電波の受信結果に基づいて検出されてもよい。また、自宅または屋外に存在するユーザーの位置は、GPSセンサによる検出結果に基づいて検出されてもよいし、歩数に基づいて検出されてもよい。例えば、ユーザーの歩数が自宅に存在する時点から閾値よりも増えた場合には、ユーザーが屋外に存在すると判定されてもよく、ユーザーの歩数が自宅に存在する時点から閾値よりも増えていない場合には、ユーザーが自宅に存在すると判定されてもよい。
【0063】
また、行動履歴出力部130は、ユーザー状況データに含まれる、歩数、内蔵マイクの利用状態および位置データなどに基づいて、活動種別(例えば、デスクワーク、歩行、休憩、リモート会議など)を検出してもよい。例えば、ユーザーの単位時間あたりの歩数が第1の閾値よりも少なければ、活動種別がデスクワークであると判定されてもよい。ユーザーの単位時間あたりの歩数が第2の閾値よりも多ければ、活動種別が歩行であると判定されてもよい。また、ユーザーの存在する場所が休憩エリアである場合には、活動種別が休憩であると判定されてもよい。また、内蔵マイクが利用されている場合には(または、会議用アプリケーションが起動されている場合には)、活動種別がリモート会議であると判定されてもよい。
【0064】
また、行動履歴出力部130は、ユーザー状況データに含まれる(GPSセンサによる検出結果に基づいて検出された)位置データに基づいて、外部の気象サービスを利用し、ユーザーが存在した位置の天候を検出してもよい。
【0065】
図4は、行動データの例を示す図である。図4に示されるように、行動データは、「ユーザーID」と、ユーザーが存在した「時間」と、ユーザーが存在した「場所」と、ユーザーの「活動種別」と、ユーザーが存在した位置の「天候」とが対応付けられた行動履歴を1または複数含んで構成される。すなわち、図4の各行が行動履歴に該当し得る。
【0066】
なお、行動履歴は、「時間」、「場所」、「活動種別」および「天候」の全部を含んでいなくてもよい。例えば、行動履歴は、「時間」、「場所」、「活動種別」および「天候」の少なくとも一部を含んでいてもよい。あるいは、行動履歴は、「時間」、「場所」、「活動種別」および「天候」以外の行動に関する履歴を含んでもよい。
【0067】
図4には、行動データとしてユーザーIDが「123」であるユーザーの行動履歴のみが示されている。しかし、他のユーザーIDに対応するユーザーの行動履歴も同様に行動データに含まれてよい。
【0068】
行動履歴出力部130は、既に蓄積している行動データには存在しない行動データが新たに得られた場合には、その新たに得られた行動データを情報閲覧能力推定部140に出力する。そして、行動履歴出力部130は、新たに得られた行動データを蓄積する。
【0069】
閲覧管理データと行動データの取得(S1)が実行された後には、情報閲覧能力データの更新(S2)に、情報通知システム1の動作が移行される。
【0070】
(S2)情報閲覧能力データの更新
情報閲覧能力推定部140は、行動履歴出力部130から出力された行動データを取得する。また、情報閲覧能力推定部140は、閲覧履歴出力部120から出力された閲覧管理データを取得する。情報閲覧能力推定部140は、閲覧管理データを取得したことをトリガとして、閲覧管理データに基づいて、ユーザーの情報閲覧能力を計算する。
【0071】
例えば、開封時刻には開封時刻以外の時刻と比較して、ユーザーの情報閲覧能力が高いことが想定され得る。
【0072】
そこで、情報閲覧能力推定部140は、通知時刻よりも後の時刻かつ開封時刻よりも前の時刻に対応するユーザーの情報閲覧能力を、開封時刻に対応するユーザーの情報閲覧能力よりも低く計算してもよい。また、情報閲覧能力推定部140は、開封時刻よりも後の時刻に対応するユーザーの情報閲覧能力を、開封時刻に対応するユーザーの情報閲覧能力よりも低く計算してもよい。
【0073】
一例として、情報閲覧能力推定部140は、通知時刻から開封時刻までの時間帯に対応する情報閲覧能力を-1(能力が低い)として計算してよい。さらに、情報閲覧能力推定部140は、開封時刻の時間帯に対応する情報閲覧能力を+1(能力が高い)として計算してよい。また、情報閲覧能力推定部140は、その他の時間帯に対応する情報閲覧能力を0(どちらでもない)として計算してよい。
【0074】
そして、情報閲覧能力推定部140は、情報閲覧能力と行動データとに基づいて情報閲覧能力データを得る。情報閲覧能力推定部140は、情報閲覧能力データを情報閲覧能力蓄積部150に記憶させる。例えば、情報閲覧能力推定部140は、行動データに応じた1または複数の行動条件と、行動条件それぞれに対応する情報閲覧能力とを含んだ情報閲覧能力データを生成する。
【0075】
図5は、情報閲覧能力データの例を示す図である。図5に示された情報閲覧能力データは、図3に示された閲覧管理データと図4に示された行動データとに対応した情報閲覧能力データの例である。図5を参照すると、情報閲覧能力データは、「ユーザーID」と「平日休日区分」と「時間帯」と「場所」と「活動種別」と「天候」と「情報閲覧能力」とが対応付けられた1または複数の行動条件を含んで構成される。すなわち、図5の各行が行動条件に該当し得る。
【0076】
例えば、情報閲覧能力推定部140は、図4に示された行動データに含まれる行動履歴「時間」に基づいて、行動条件「平日休日区分」「時間帯」を設定する。より詳細に、情報閲覧能力推定部140は、行動履歴「時間」に含まれる日を「平日休日区分」に分類し、行動履歴「時間」に含まれる時刻を基準とした類似範囲(例えば、±α)を「時間帯」として設定する。例えば、αは、10分などであってよい。なお、「平日休日区分」は、ユーザーに依らずに一律に決められてもよいし、ユーザーによって異なっていてもよい。
【0077】
また、情報閲覧能力推定部140は、図4に示された行動データに含まれる行動履歴「場所」を、行動条件「場所」として設定する。さらに、情報閲覧能力推定部140は、図4に示された行動データに含まれる行動履歴「活動種別」を、行動条件「活動種別」として設定する。また、情報閲覧能力推定部140は、図4に示された行動データに含まれる行動履歴「天候」を、行動条件「天候」として設定する。
【0078】
なお、行動履歴と同様に、行動条件は、「平日休日区分」「時間帯」、「場所」、「活動種別」および「天候」の全部を含んでいなくてもよい。例えば、行動条件は、「平日休日区分」「時間帯」、「場所」、「活動種別」および「天候」の少なくとも一部を含んでいてもよい。あるいは、行動条件は、「平日休日区分」「時間帯」、「場所」、「活動種別」および「天候」以外の行動に関する条件を含んでもよい。
【0079】
図3に示された例では、9月27日の13:00の後から同日15:00の前までの時間帯には、ユーザーがメッセージの開封操作を行っていない。そのため、図5に示されるように、9月27日の13:02から同日14:58の時間帯それぞれに対応する情報閲覧能力は-1と計算されてよい。
【0080】
また、同日15:00には、ユーザーがメッセージの開封操作を行った。そのため、図5に示されるように、同時刻の時間帯に対応する情報閲覧能力は+1と計算されてよい。
【0081】
さらに、同日15:00の後から同日15:04の前までの時間帯には、メッセージが通知されていない。そのため、図5に示されるように、同日15:02の時間帯に対応する情報閲覧能力は0として計算されてよい。
【0082】
また、メッセージが通知されてから一定期間(例えば、3時間など)が経過しても、メッセージの開封操作が行われない場合も想定される。かかる場合には、情報閲覧能力推定部140は、通知時刻の一定期間後を開封時刻とみなして、各時間帯に対応する情報閲覧能力を計算してもよい。
【0083】
例えば、情報閲覧能力推定部140は、1または複数の行動条件と、行動条件それぞれに対応する情報閲覧能力とを含んだ情報閲覧能力データを情報閲覧能力蓄積部150に記憶させる。これによって、情報閲覧能力蓄積部150に蓄積される情報閲覧能力データが更新される。
【0084】
情報閲覧能力データの更新(S2)が実行された後には、情報通知要求の確認(S3)に、情報通知システム1の動作が移行される。なお、情報閲覧能力推定部140によって閲覧管理データが取得されない場合には、情報閲覧能力データの更新(S2)が実行されずに、情報通知要求の確認(S3)に、情報通知システム1の動作が移行されてよい。
【0085】
(S3)情報通知要求の確認
情報通知部160は、現在がメッセージを通知すべき所定のタイミング(以下、「通知タイミング」とも言う。)であるか否かを判定する。情報通知部160は、現在が通知タイミングであると判定した場合には、情報通知要求を生成し、生成した情報通知要求を情報閲覧能力推定部140に出力する。ここで、通知タイミングは限定されない。
【0086】
例えば、通知タイミングは、現在の時間帯がユーザーの会社に向かう時間帯であるとき、かつ、ユーザーが存在する位置を基準として所定の距離よりも近い位置に、階段およびエスカレーターが存在するときであってもよい。このとき、ユーザーに通知されるメッセージは、階段を使うことをユーザーに促すメッセージであってもよい。かかるメッセージは、健康行動をユーザーに促すメッセージの例に該当し得る。
【0087】
あるいは、通知タイミングは、現在の天候が晴れであるとき、かつ、現在の時間帯がユーザーの昼休みの時間帯(例えば、12時から13時までの時間帯など)であるとき、かつ、その日のユーザーの歩数が所定の歩数よりも少ないときであってもよい。このとき、ユーザーに通知されるメッセージは、散歩することをユーザーに促すメッセージであってもよい。かかるメッセージは、健康行動をユーザーに促すメッセージの例に該当し得る。
【0088】
あるいは、通知タイミングは、ユーザーが存在する場所が休憩エリアであるとき、かつ、ユーザーが存在する休憩エリアと同じ休憩エリアにユーザーの知人も存在するときであってもよい。このとき、ユーザーに通知されるメッセージは、知人に話し掛けることをユーザーに促すメッセージであってもよい。かかるメッセージは、人との交流行動をユーザーに促すメッセージの例に該当し得る。
【0089】
情報通知要求が情報閲覧能力推定部140に出力された後には、(S4)情報閲覧能力の推定に、情報通知システム1の動作が移行される。一方、現在が通知タイミングでないと判定された場合には、(S1)閲覧管理データと行動データの取得に、情報通知システム1の動作が移行される。
【0090】
(S4)情報閲覧能力の推定
情報閲覧能力推定部140は、情報通知部160からユーザーへの情報通知要求が出力された場合には、情報閲覧能力蓄積部150からユーザーの情報閲覧能力データを取得する。情報閲覧能力推定部140は、情報閲覧能力蓄積部150から取得した情報閲覧能力データとユーザーの現在の行動データとに基づいて、ユーザーの現在の情報閲覧能力を推定する。
【0091】
より詳細に、情報閲覧能力推定部140は、ユーザーの現在の行動が満たす行動条件に対応するユーザーの情報閲覧能力を情報閲覧能力データから抽出データとして抽出してよい。なお、ユーザーの現在の行動が満たす行動条件に対応するユーザーの情報閲覧能力は、ユーザーの現在の行動と一致または類似する行動履歴に対応するユーザーの情報閲覧能力に該当し得る。
【0092】
そして、情報閲覧能力推定部140は、抽出データの平均値をユーザーの現在の情報閲覧能力として推定してよい。なお、抽出データの平均値は、抽出データの代表値の一例に相当し得る。したがって、抽出データの平均値の代わりに、抽出データの他の代表値(例えば、最頻値、中央値など)が用いられてもよい。
【0093】
図5に示された例では、情報閲覧能力が-1、0、+1のいずれかによって表現されている。したがって、図5に示された例に従って推定される、ユーザーの現在の情報閲覧能力は、-1~+1のいずれかによって表現され得る。情報閲覧能力推定部140は、ユーザーの現在の情報閲覧能力を情報通知部160に出力する。
【0094】
ユーザーの現在の情報閲覧能力が情報通知部160に出力された後には、(S5)情報閲覧能力の大きさの判定に、情報通知システム1の動作が移行される。
【0095】
(S5)情報閲覧能力の大きさの判定
情報通知部160は、情報閲覧能力推定部140から出力された、ユーザーの現在の情報閲覧能力が、所定の値より大きいか否かを判定する。ここで、所定の値は、THとも表現される。所定の値の具体的な大きさは限定されない。例えば、所定の値は、0であってもよい。
【0096】
ユーザーの現在の情報閲覧能力が所定の値より大きい場合には、(S6)情報通知に、情報通知システム1の動作が移行される。ユーザーの現在の情報閲覧能力が所定の値以下である場合には、(S1)閲覧管理データと行動データの取得に、情報通知システム1の動作が移行される。
【0097】
(S6)情報通知
情報通知部160は、ユーザーの現在の情報閲覧能力が所定の値より大きいことに基づいて、ユーザー端末20にメッセージを通知する。情報通知部160によって通知されたメッセージは、ユーザー端末20によって受信される。ユーザーによるメッセージの開封操作に基づいて、ユーザー端末20によってメッセージが開封されると、ユーザー端末20から情報通知部160に開封応答データが送信される。
【0098】
図6は、情報通知部160の動作説明図である。図6に示されるように、S4において推定されるユーザーの現在の情報閲覧能力は、ユーザーの状況により-1から+1までの範囲内において変化し得る。
【0099】
さらに、図6を参照すると、S3において計算された情報通知要求のタイミングが△によって示されている。この情報通知要求のタイミングを参照すると、情報閲覧能力推定値が所定の値よりも小さい時間帯においては情報通知要求が出力されても情報通知はなされないことが把握される。
【0100】
一方、図6を参照すると、情報通知のタイミング(すなわち、メッセージの通知タイミング)が▲によって示されている。この情報通知のタイミングを参照すると、情報閲覧能力推定値が所定の値よりも大きい時間帯においては情報通知(図6に示された、吹き出し内のメッセージ)がなされることが把握される。
【0101】
[1-3.効果の説明]
以上のように、本発明の実施形態によれば、ユーザーの1または複数の情報閲覧履歴を含んだ閲覧管理データを出力する閲覧履歴出力部120と、ユーザーの1または複数の行動履歴を含んだ行動データを出力する行動履歴出力部130と、閲覧管理データと行動データとユーザーの現在の行動とに基づいてユーザーの現在の情報閲覧能力を推定する情報閲覧能力推定部140と、を備える、情報閲覧能力推定装置10が提供される。
【0102】
かかる構成によれば、ユーザーがメッセージを閲覧する能力がより高精度に推定され得る。
【0103】
また、情報閲覧能力に基づいてメッセージがユーザー端末20に通知されることによって、ユーザーがメッセージを開封し閲覧する可能性が高まり得る。さらに、情報閲覧能力に基づいてメッセージがユーザー端末20に通知されることによって、開封されないメッセージの通知がユーザーの満足度低下またはネットワークの利用効率低下をもたらすという問題点が解消され得る。
【0104】
以上、本発明の実施形態の詳細について説明した。
【0105】
<2.ハードウェア構成例>
続いて、本発明の実施形態に係る情報閲覧能力推定装置10の例としての情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る情報閲覧能力推定装置10の例としての情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。なお、ユーザー端末20のハードウェア構成も、図7に示された情報処理装置900のハードウェア構成と同様に実現されてよい。
【0106】
図7に示すように、情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、通信装置911と、を備える。
【0107】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。
【0108】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0109】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等、利用者が情報を入力するための入力手段と、利用者による入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作する利用者は、この入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0110】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカー等の音声出力装置を含む。
【0111】
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0112】
通信装置911は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置911は、無線通信または有線通信のどちらに対応してもよい。
【0113】
以上、本発明の実施形態に係る情報処理装置900のハードウェア構成例について説明した。
【0114】
<3.変形例>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0115】
[3-1.ユーザーに関する変形例]
例えば、上記では、S2において情報閲覧能力が計算されて情報閲覧能力蓄積部150に登録されるユーザー(以下、「登録対象ユーザー」とも言う。)、および、S4において情報閲覧能力が推定されるユーザー(以下、「推定対象ユーザー」とも言う。)が、同一のユーザーである場合について主に説明した。しかし、登録対象ユーザーと推定対象ユーザーとは、異なるユーザーであってもよい。
【0116】
さらに、登録対象ユーザーおよび推定対象ユーザーそれぞれは、単独のユーザーでなくてもよい。すなわち、登録対象ユーザーは、複数のユーザーを含んでもよく、推定対象ユーザーは、複数のユーザーを含んでもよい。登録対象ユーザーに複数のユーザーが含まれる場合には、当該複数のユーザーはユーザーグループを構成し得る。同様に、推定対象ユーザーに複数のユーザーが含まれる場合には、当該複数のユーザーはユーザーグループを構成し得る。推定対象ユーザーがユーザーグループを構成すれば、メッセージがユーザーグループに一斉に通知され得る。
【0117】
登録対象ユーザーと推定対象ユーザーとは、共通するユーザーを有していてもよいし、共通するユーザーを有していなくてもよい。いずれの場合であっても、登録対象ユーザーと推定対象ユーザーとは、同一のグループに属しているのが望ましい。同一のグループに属するユーザーは、同一の職場にて勤務する社員であってもよいし、同一の地域にて生活する住民であってもよい。
【0118】
同一のグループに属するユーザー同士は、一致または類似する行動を取る可能性が高いと予想されるため、登録対象ユーザーの行動履歴に基づいて推定対象ユーザーの情報閲覧能力がより高精度に推定され得ると考えられる。また、情報閲覧能力に基づいてメッセージが推定対象ユーザーに通知されることによって、推定対象ユーザーがメッセージを開封し閲覧する可能性が高まり得る。
【0119】
[3-2.メッセージIDの付加]
上記では、情報通知部160によって通知されるメッセージにメッセージIDが付されていない場合について説明した。しかし、情報通知部160によって通知されるメッセージには、メッセージIDが付加されていてもよい。
【0120】
このとき、情報通知データに含まれる通知時刻および開封応答データに含まれる開封時刻それぞれにもメッセージIDが付されてよい。そして、閲覧履歴出力部120は、同一のメッセージIDが付された通知時刻と開封時刻とを対応付けて閲覧管理データを生成してもよい。これによって、複数のメッセージが通知される場合であっても、通知時刻と開封時刻とが誤って対応付けられる可能性が低減されるため、通知時刻と開封時刻とに基づく情報閲覧能力がより高精度に推定され得る。
【0121】
[3-3.受容度に関する変形例]
上記では、情報閲覧能力推定部140が、閲覧管理データに含まれる情報閲覧履歴に基づいて情報閲覧能力を計算する場合について主に説明した。しかし、情報閲覧能力推定部140は、情報閲覧履歴だけではなく他の情報も考慮して、情報閲覧能力を計算してもよい。
【0122】
ユーザーは、メッセージ閲覧に際してメッセージに対する受容度を入力可能であってもよい。例えば、受容度は、メッセージの実際の通知タイミングに対するユーザーの評価を示す数値であってもよい。このとき、ユーザー端末20は、ユーザーによって入力された受容度(例えば、三段階の値など)が受け付けられ、ユーザー端末20から情報通知部160に送信される、開封応答データに含まれる開封時刻に、受容度が対応付けられてもよい。
【0123】
すなわち、情報閲覧履歴の少なくとも一部に含まれる開封時刻には、メッセージに対してユーザーによって入力された受容度が対応付けられていてもよい。そして、情報閲覧能力推定部140は、受容度が対応付けられた開封時刻に対応するユーザーの情報閲覧能力を、受容度に基づいて計算してもよい。
【0124】
例えば、情報閲覧能力推定部140は、上記のようにして閲覧履歴データに基づいて計算したユーザーの情報閲覧能力を、受容度に基づいて補正してもよい(例えば、受容度が高いほど、ユーザーの情報閲覧能力を高く補正してもよい)。
【0125】
これによって、メッセージの通知タイミングに対するユーザーによる評価が情報閲覧能力に反映されるため、情報閲覧能力がさらに高精度に推定され得る。また、情報閲覧能力に基づいてメッセージが通知されることによって、ユーザーがメッセージを開封し閲覧する可能性がさらに高まり得る。
【0126】
[3-4.システム構成に関する変形例]
上記では、情報通知システム1が、一つのサーバーに相当する情報閲覧能力推定装置10とユーザーが携帯するユーザー端末20とを備える場合について主に説明した。しかし、情報通知システム1の物理的構成は限定されない。例えば、サーバーが有するとして説明した機能が、ユーザー端末20に搭載されてもよい。また、ユーザー端末20は、ユーザーが携帯する端末でなくてもよく、固定の場所に設置された端末であってもよいし、一人のユーザーが使うユーザー端末20が複数の端末から構成されてもよい。
【0127】
[3-5.行動履歴および行動条件に関する変形例]
上記では、行動履歴が、時間、場所、活動種別および天候の全部を含む場合について主に説明した。しかし、行動履歴は、時間、場所、活動種別および天候の一部のみを含んでもよい。また、上記では、行動条件に含まれる時間が、平日休日区分と時間帯の2つの値で表現される例について主に説明した。しかし、行動条件に含まれる時間は、平日休日区分の代わりに、曜日が用いられてもよい。また、行動条件に含まれる時間に、季節が追加されてもよい。
【0128】
[3-6.情報閲覧能力の値に関する変形例]
上記では、情報閲覧能力データに含まれるユーザーの情報閲覧能力の値が、メッセージの通知時刻と開封時刻とに基づいて、-1、0、+1の3つの値のいずれかによって表現される例について主に説明した。しかし、ユーザーの情報閲覧能力の表現方法は、かかる例に限定されない。例えば、ユーザーの情報閲覧能力の値は、メッセージの開封時刻をピークとし、そこから時刻が離れるほど小さくなるように表現されてもよい。
【0129】
[3-7.情報閲覧能力の推定に関する変形例]
上記では、情報閲覧能力推定部140が、情報閲覧能力データとユーザーの現在の行動とに基づいて、ユーザーの現在の情報閲覧能力を推定する例について主に説明した。しかし、ユーザーの現在の情報閲覧能力の推定方法は、かかる例に限定されない。例えば、ユーザーの現在の情報閲覧能力の推定には、機械学習アルゴリズムが用いられてもよい。
【0130】
例えば、情報閲覧能力推定部140は、ユーザーの情報閲覧能力と行動データとに基づいて機械学習アルゴリズムにより推論モデルを生成してもよい。より詳細に、情報閲覧能力推定部140は、ユーザーの情報閲覧能力を正解データとし、行動データを学習データとして、モデルの学習を行ってもよい。
【0131】
そして、情報閲覧能力推定部140は、推論モデルとユーザーの現在の行動とに基づいて、ユーザーの現在の情報閲覧能力を推定してもよい。より詳細に、情報閲覧能力推定部140は、ユーザーの現在の行動を入力データとし、推論モデルからの出力データをユーザーの現在の情報閲覧能力として推定してもよい。なお、機械学習アルゴリズムとしては、ニューラルネットワークなどが用いられてよいが、機械学習アルゴリズムの種類は限定されない。
【0132】
[3-8.情報閲覧能力データの保持期間]
上記では、情報閲覧能力データの情報閲覧能力蓄積部150による保持期間については特に言及されていなかった。例えば、情報閲覧能力蓄積部150によって保持される情報閲覧能力データは、過去のデータすべてであってもよいし、過去の一定期間(例えば、3か月)のデータのみであってもよい。
【0133】
[3-9.行動データの取得に関する変形例]
上記では、行動履歴出力部130が、ビーコン、GPS、歩行、内蔵マイクおよび外部の気象サービスを用いて、時間、場所、活動種別および天候を計算する例について主に説明した。しかし、時間、場所、活動種別および天候の計算に用いる手段、計算方法は、上記にて説明した例に限定されない。
【符号の説明】
【0134】
1 情報通知システム
10 情報閲覧能力推定装置
120 閲覧履歴出力部
130 行動履歴出力部
140 情報閲覧能力推定部
150 情報閲覧能力蓄積部
160 情報通知部
20 ユーザー端末



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7