(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008242
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】洗浄器具
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20230112BHJP
B05B 11/04 20060101ALI20230112BHJP
B05B 1/14 20060101ALI20230112BHJP
B65D 47/06 20060101ALI20230112BHJP
A47K 7/08 20060101ALI20230112BHJP
A61H 35/00 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
B65D83/00 G
B05B11/04 B
B05B1/14 Z
B05B11/04 L
B65D47/06
A47K7/08
A61H35/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111641
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】玄 夢子
【テーマコード(参考)】
2D134
3E014
3E084
4C094
4F033
【Fターム(参考)】
2D134DB01
3E014PA01
3E014PB02
3E014PC04
3E014PD15
3E014PF10
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA25
3E084AB01
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3E084GB04
3E084KB01
3E084LB01
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
4C094AA08
4C094AA09
4C094DD12
4C094DD14
4C094DD15
4C094GG07
4C094GG08
4C094GG13
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4F033AA04
4F033BA03
4F033BA04
4F033DA05
4F033EA01
4F033NA01
(57)【要約】
【課題】洗浄器具から吐出される液体の広がりを適度に抑えることができる技術を提供する。
【解決手段】洗浄器具1は、ボトル部2と、ノズル部3とを備える。ボトル部2は、液体を収容可能なボトル胴体部21と、開口部2Pとを有する。ボトル部2は、押圧変形可能である。ノズル部3は、開口部2Pに着脱可能に装着される。ノズル部3は、中心軸A1のまわりに配置され、ノズル部3を軸方向に貫通する複数の吐出孔4を有する。複数の吐出孔4の内面は、第1部分41と第2部分42とを有する。第1部分41は、径方向内側に位置し、吐出側である軸方向一方側に向かって径方向外側に傾斜する。第2部分42は、径方向外側に位置する。第1部分41は、第2部分42よりも、軸方向一方側に向かって径方向外側に大きく傾斜する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄器具であって、
液体を収容可能な胴体部と開口部とを有する押圧変形可能なボトル部と、
前記開口部に着脱可能に装着されるノズル部と、
を備え、
前記ノズル部は、中心軸のまわりに配置され、前記ノズル部を軸方向に貫通する複数の吐出孔を有し、
前記複数の吐出孔の内面は、径方向内側に位置しており、吐出側である軸方向一方側に向かって径方向外側に傾斜する第1部分と、前記第1部分よりも径方向外側に位置する第2部分とを有し、
径方向と平行な直線に対して前記第2部分がなす角度であって、軸方向一方側かつ径方向内側の角度が、径方向と平行な直線に対して前記第1部分がなす角度であって、軸方向一方側かつ径方向内側の角度よりも小さい、洗浄器具。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄器具であって、
軸方向と平行な直線と前記第1部分とがなす角度が、軸方向と平行な直線と前記第2部分とがなす角度よりも大きい、洗浄器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の洗浄器具であって、
軸方向と平行な直線と前記第1部分とがなす角度が、5°以上15°以下である、洗浄器具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の洗浄器具であって、
軸方向と平行な直線と前記第2部分とがなす角度が、5°以下である、洗浄器具。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の洗浄器具であって、
前記第2部分は、軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜している、洗浄器具。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の洗浄器具であって、
各前記吐出孔の軸方向一方側の第1開口が、径方向内側に向かって軸方向一方側に傾斜している、洗浄器具。
【請求項7】
請求項6に記載の洗浄器具であって、
前記ノズル部は、軸方向一方側の端部にノズル頂部を有し、
前記複数の吐出孔は、前記ノズル頂部に配置されており、
前記ノズル頂部の軸方向一方側の頂面が、径方向内側に向かって軸方向一方側に突出する凸状を有し、
前記ノズル頂部の軸方向における厚さが、前記径方向内側に向かって大きくなる、洗浄器具。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の洗浄器具であって、
各前記吐出孔において、軸方向一方側の第1開口の開口面積が、軸方向他方側の第2開口の開口面積よりも小さい、洗浄器具。
【請求項9】
請求項8に記載の洗浄器具であって、
前記第1開口の内径が、前記第2開口の内径よりも小さい、洗浄器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄器具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば介護分野では、介護者が、温水などの液体を吐出する洗浄器具を用いて、要介護者の洗浄部位(陰部または肛門など)を洗浄する場合がある。このような洗浄器具は、洗浄用の液体が貯留されるボトル部と、容器内の液体を外部に吐出するノズル部とを有する。洗浄器具の使用者は、容器を押圧変形することによって、ノズル部から液体を吐出させることができる。
【0003】
特許文献1,2には、複数の吐出口から液体を噴射することによって、液体をシャワー状に吐出することが可能な洗浄器具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-121704号公報
【特許文献2】実公平7-21200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、洗浄器具から吐出される液体の広がりを小さくした場合、液体の水圧が相対的に高くなる。この場合、洗浄部位に高圧の液体が当てられることによって、洗浄部位に負担をかけるおそれがある。その一方、液体の広がりを大きくした場合、洗浄部位での跳ね返りが大きくなるため、ベッドやシーツなどに飛び散るおそれがある。また、液体の広がりが大きくなると、水圧が相対的に低下してしまう。そうすると、洗浄に必要な時間が長くなるおそれがある。このため、洗浄器具から吐出される液体が過度に広がることを抑制する技術が求められている。
【0006】
本発明の目的は、洗浄器具から吐出される液体の広がりを適度に抑えることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1態様は、洗浄器具であって、液体を収容可能な胴体部と開口部とを有する押圧変形可能なボトル部と、前記開口部に着脱可能に装着されるノズル部と、を備え、前記ノズル部は、中心軸のまわりに配置され、前記ノズル部を軸方向に貫通する複数の吐出孔を有し、前記複数の吐出孔の内面は、径方向内側に位置しており、吐出側である軸方向一方側に向かって径方向外側に傾斜する第1部分と、前記第1部分よりも径方向外側に位置する第2部分とを有し、径方向と平行な直線に対して前記第2部分がなす角度であって、軸方向一方側かつ径方向内側の角度が、径方向と平行な直線に対して前記第1部分がなす角度であって、軸方向一方側かつ径方向内側の角度よりも小さい。
【0008】
第2態様は、第1態様の洗浄器具であって、軸方向と平行な直線と前記第1部分とがなす角度が、軸方向と平行な直線と前記第2部分とがなす角度よりも大きい。
【0009】
第3態様は、第1態様または第2態様の洗浄器具であって、軸方向と平行な直線と前記第1部分とがなす角度が、5°以上15°以下である。
【0010】
第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか1つの洗浄器具であって、軸方向と平行な直線と前記第2部分とがなす角度が、5°以下である。
【0011】
第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか1つ洗浄器具であって、前記第2部分は、軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜している。
【0012】
第6態様は、第1態様から第5態様のいずれか1つの洗浄器具であって、各前記吐出孔の軸方向一方側の第1開口が、径方向内側に向かって軸方向一方側に傾斜している。
【0013】
第7態様は、第6態様の洗浄器具であって、前記ノズル部は、軸方向一方側の端部にノズル頂部を有し、前記複数の吐出孔は、前記ノズル頂部に配置されており、前記ノズル頂部の軸方向一方側の頂面が、径方向内側に向かって軸方向一方側に突出する凸状を有し、前記ノズル頂部の軸方向における厚さが、前記径方向内側に向かって大きくなる。
【0014】
第8態様は、第1態様から第7態様のいずれか1つの洗浄器具であって、各前記吐出孔において、軸方向一方側の第1開口の開口面積が、軸方向他方側の第2開口の開口面積よりも小さい。
【0015】
第9態様は、第8態様の洗浄器具であって、前記第1開口の内径が、前記第2開口の内径よりも小さい。
【発明の効果】
【0016】
第1態様の洗浄器具によれば、吐出部の内面において、径方向内側の第1部分が径方向外側に傾斜していることによって、ノズル部から液体を径方向外側へ広がるように吐出することができる。また、径方向と平行な直線に対して第2部分がなす角度であって軸方向一方側かつ径方向内側の角度が、径方向と平行な直線に対して第1部分がなす角度であって軸方向一方側かつ径方向内側の角度よりも小さいため、第2部分の径方向外側への傾きを抑えることができる。これにより、ノズル部から吐出された液体が径方向外側に過度に広がることを抑制できる。
【0017】
第2態様の洗浄器具によれば、軸方向と平行な直線と第1部分とがなす角度を、軸方向と平行な直線と第2部分とがなす角度よりも大きくすることによって、第2部分の軸方向に対する傾きを抑えることができる。これにより、ノズル部から吐出された液体が径方向外側に過度に広がることを抑制できる。
【0018】
第3態様の洗浄器具によれば、第1部分41の傾斜角度を5°以上15°以下にすることで、ノズル部から吐出された液体を、径方向外側へ適度に広げることができる。
【0019】
第4態様の洗浄器具によれば、第2部分の傾斜角度が5°以下であるため、ノズル部から吐出された液体が径方向外側に過度に広がることを抑制できる。
【0020】
第5態様の洗浄器具によれば、第2部分が軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜していることによって、ノズル部から吐出される液体が径方向外側に過度に広がることを抑制できる。
【0021】
第6態様の洗浄器具によれば、吐出側の第1開口が径方向内側に向かって軸方向一方側に傾斜するため、ノズル部から吐出される液体を適度に広げることができる。
【0022】
第7態様の洗浄器具によれば、第1開口が凸状の頂面に形成されるため、第1開口を傾斜させることができる。また、ノズル頂部の軸方向における厚さを径方向内側に向かって大きくすることによって、ノズル頂部が肉厚になるため、吐出孔を軸方向に長くすることができる。これにより、吐出方向を安定化できる。
【0023】
第8態様の洗浄器具によれば、洗浄に適した水圧で、液体を吐出できる。
【0024】
第9態様の洗浄器具によれば、洗浄に適した水圧で、液体を吐出できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図6】
図4に示すA-A線に沿う位置におけるノズル部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
【0027】
<1. 実施形態>
図1は、実施形態に係る洗浄器具1の正面図である。
図2は、
図1に示すボトル部2の正面図である。
図3は、
図1に示すノズル部3の斜視図である。
図4は、
図2に示すノズル部3の平面図である。
図5は、
図2に示すノズル部3の底面図である。
図6は、
図4に示すA-A線に沿う位置におけるノズル部3の断面図である。
【0028】
洗浄器具1は、シャワー状の液体(例えば、常温水、温水、または洗浄用の薬液など)を噴射する器具である。洗浄器具1は、例えば、人の陰部、肛門、またはそれらの周辺部の洗浄に適用可能である。
図1に示すように、洗浄器具1は、ボトル部2とノズル部3とを有する。
【0029】
<ボトル部>
ボトル部2は、液体を貯留可能な可撓性容器である。ボトル部2は、例えば、樹脂(例えば、ポリエチレン(PE)またはポリ塩化ビニル(PVC)など)を型で成形することによって生産される部材である。
【0030】
図2に示すように、ボトル部2は、ボトル胴体部21と、開口部2Pとを有する。ボトル胴体部21は、底部を有し、一方向に沿って延びる円筒状である。ボトル胴体部21は、好ましくは、人が指などで押圧することによって片手で容易に変形しうる程度の硬さを有する。ボトル胴体部21の容積は、好ましくは、300ml以上、より好ましくは、350ml以上、より好ましくは400ml以上である。また、ボトル胴体部21の容積は、好ましくは600ml以下、より好ましくは550ml以下、より好ましくは500ml以下、より好ましくは450ml以下である。
【0031】
ボトル胴体部21は、先端部にノズル装着部23を有する。ノズル装着部23は、ノズル部3が装着される部分である。ノズル部3は、ボトル胴体部21の一端部に連結している。ノズル装着部23は、円筒状である。ノズル装着部23の外周面は、後述するノズル部3に設けられたネジ溝とかみ合うらせん状のネジ山を有する。
【0032】
開口部2Pは、ノズル装着部23の先端に位置する。すなわち、開口部2Pは、ボトル部2の先端に位置する。開口部2Pは、例えば円形状の開口を形成している。
【0033】
ノズル装着部23は、ボトル胴体部21の内側に液体を注ぐための注液孔231を形成している。ボトル部2のボトル胴体部21は、ノズル部3が装着されていない状態では、注液孔231を介して、外部と連通する。
【0034】
<ノズル部>
ノズル部3は、ボトル部2に着脱可能に装着される。ノズル部3は、樹脂(例えば、ポリプロピレン(PP)など)を型で成形することによって生産される部材である。ノズル部3は、ボトル部2の開口部2Pに取り付けられる。ノズル部3は、開口部2Pに着脱可能に装着される。ボトル部2のノズル装着部23にノズル部3が装着されることによって、ボトル部2の開口部2Pが閉鎖される。ノズル部3の剛性(ヤング率)は、好ましくは、ボトル部2よりも大きい。このように、ノズル部3を変形しにくくすることによって、ノズル部3からシャワー状の液体を安定して吐出することができる。
【0035】
図3に示すように、ノズル部3は、複数の吐出孔4を有する。本実施形態では、ノズル部3は、6個の吐出孔4を有する。ただし、吐出孔4の数は、6個に限定されるものではなく、2~5個、または、7個以上であってもよい。ノズル部3は、ボトル部2に貯留されている液体を、複数の吐出孔4を通じて外側にシャワー状(放射状)に吐出する。
【0036】
図3に示すように、複数の吐出孔4は、所定の中心軸A1のまわりに配置されている。以下の説明では、中心軸A1と平行な方向を「軸方向」と称する。吐出孔4は、ノズル部3(より詳細には、後述する吐出部51のノズル頂部513)を軸方向に貫通している。
図1に示すようにノズル部3がボトル部2に装着された状態で、ボトル部2が押圧されると、ボトル部2内に貯留された液体が、複数の吐出孔4を通って、軸方向の一方側に吐出される。すなわち、軸方向一方側は、液体が吐出される吐出側に対応する。
【0037】
また、各構成要素において、軸方向一方側の端部を「軸方向一端部」と称し、軸方向一端部の位置を「軸方向一端」と称する。また、各構成要素において、軸方向他方の端部を「軸方向他端部」と称し、軸方向他端部の位置を「軸方向他端」と称する。
【0038】
また、軸方向と直交する方向を「径方向」と称する。径方向において中心軸A1に向かう方向を「径方向内方」と称し、径方向において中心軸A1とは反対側に向かう方向を「径方向外方」と称する。また、中心軸A1を中心とする回転方向を周方向と称する。
【0039】
図1、
図3~
図6に示すように、ノズル部3は、軸方向の一方側から他方側に向かって順に、吐出部51、鍔部53、および取付部55を有する。
【0040】
吐出部51は、ノズル筒部511と、ノズル頂部513とを有する。ノズル筒部511は、軸方向一方側に向かって、外径および内径が次第に小さくなる筒状である。ノズル頂部513は、ノズル筒部511の軸方向一端に配置されている。
図6に示すように、ノズル頂部513は、中心軸A1と交差する板状を有する。
図6に示すように、複数の吐出孔4は、ノズル部3のノズル頂部513に配置されており、ノズル頂部513を軸方向に貫通している。
図6に示すように、ノズル筒部511の内径は、軸方向一方側に向かって小さくなっている。これにより、ノズル頂部513の複数の吐出孔4から吐出される液体の水圧を高めることができる。
【0041】
取付部55は、中心軸A1を中心とする円筒状である。取付部55の内周面(径方向内側を向く面)は、ボトル部2のノズル装着部23のネジ山とかみ合うらせん状のネジ溝を有する。取付部55の内側のネジ溝と、ノズル装着部23の外側のネジ山とがかみ合うことによって、ノズル部3がボトル部2に固定される。
【0042】
鍔部53は、周方向に延びる円環状である。吐出部51のノズル筒部511の軸方向他端部は、鍔部53の径方向内側の端部に連結している。取付部55の軸方向一端部は、鍔部53の径方向外側の端部に連結している。
図6に示すように、ノズル部3は、中心軸A1を中心とする環状の突片部57を有する。突片部57は、鍔部53の軸方向他方側の面に配置されている。ノズル部3の取付部55がボトル部2のノズル装着部23に装着された場合、突片部57が開口部2Pの内側に配置される。そして、突片部57の外周面(径方向外側を向く面)が注液孔231の内周面に接触する。これにより、液漏れが抑制される。
【0043】
ノズル部3の耐熱温度(継続して使用可能な温度)は、好ましくは、ボトル部2の耐熱温度よりも大きい。具体的に、ノズル部3の耐熱温度は、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上である。ノズル部3の耐熱温度を100℃以上とすることによって、ノズル部3を煮沸により消毒できる。また、ボトル部2の耐熱温度は、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上である。ボトル部2の耐熱温度を60℃以上とすることによって、洗浄部位を温かい液体で洗浄できるため、洗浄部位の負担を軽減できる。また、ボトル部2の耐熱温度をノズル部3の耐熱温度よりも小さくすることで、ボトル部2の柔軟性を確保できる。
【0044】
図6に示すように、吐出孔4の内周面は、第1部分41と第2部分42とを有する。第1部分41は、径方向の内側に位置する。第2部分42は、径方向外側に位置する。より詳細には、第1部分41は、
図6に示すように、吐出孔4の内周面を、中心軸A1を含む軸方向と平行な平面で切断したときにできる2つの切り口のうち、径方向内側に位置する部分である。第2部分42は、上記2つの切り口のうち、径方向外側に位置する部分である。すなわち、第1部分41および第2部分42は、中心軸を通る同一平面上に位置する。そして、第2部分42は、第1部分41よりも径方向外側に位置する。
【0045】
図6に示すように、径方向と平行な直線に対して第1部分41がなす角度であって、軸方向一方側および径方向内側の角度を「γ」とする。また、径方向と平行な直線に対して第2部分42がなす角度であって、軸方向一方側および径方向内側の角度を「δ」とする。本例では、ノズル頂部513の底面73は、径方向と平行である。このため、角度γはノズル頂部513の底面73に対して第1部分41がなす角度であり、角度δはノズル頂部513の底面73に対して第2部分42がなす角度である。
【0046】
第1部分41および第2部分42は、軸方向に延びる直線状である。第1部分41は、吐出側である軸方向一方側に向かって、径方向外側に傾斜している。また、吐出孔4の第2部分42は、軸方向一方側に向かって、径方向内側に傾斜している。径方向に対して第2部分42がなす角度δは、径方向に対して第1部分41がなす角度γよりも小さい。
【0047】
図6に示すように、軸方向と平行な第1直線L1と第1部分41とがなす鋭角の傾斜角度αは、軸方向と平行な第2直線L2と第2部分42とがなす鋭角の傾斜角度βよりも大きい。
【0048】
第1部分41の傾斜角度αは、好ましくは5°以上、より好ましくは7°以上、より好ましくは9°以上である。また、傾斜角度αは、好ましくは15°以下、より好ましくは13°以下、より好ましくは11°以下である。第2部分42の傾斜角度βは、好ましくは5°以下、より好ましくは3°以下である。
【0049】
図6に示すように、ノズル頂部513の厚さは、中心軸A1と交差する部分で最も厚く、径方向外側に向かうに連れて、次第に小さくなっている。
図6に示すように、ノズル頂部513は、軸方向一方側を向くノズル頂面71を有する。ノズル頂面71は、径方向内側に向かうに連れて軸方向一方側に突出する曲面状を有する。また、ノズル頂部513は、軸方向他方側を向く底面73を有する。底面73は、軸方向と直交する平面である。すなわち、底面73は、径方向と平行である。
【0050】
図6に示すように、底面73に対して、ノズル頂面71が径方向内側に向かって軸方向一方側に突出しているため、ノズル頂部513の厚さを、中心軸A1に近づくに連れて次第に大きくすることができる。
【0051】
図6に示すように、吐出孔4は、第1開口41Pと、第2開口42Pとを有する。第1開口41Pは、ノズル頂面71に形成されている。すなわち、第1開口41Pは、吐出孔4の軸方向一端に位置する。上記したように、ノズル頂部513のノズル頂面71は、径方向内側に向かって軸方向一方側に突出する凸状を有する。このため、第1開口41Pは、径方向内側に向かって軸方向一方側に傾斜している。
【0052】
図6に示すように、第1開口41Pが径方向内側に向かって軸方向一方側に傾斜しているため、第1開口41Pから吐出される液体が、径方向外側に向かって噴出しやすくなる。これにより、ノズル部3から吐出される液体を適度に広げることができる。
【0053】
第2開口42Pは、ノズル頂部513の底面73に形成されている。すなわち、第2開口42Pは、吐出孔4の軸方向他端に位置する。上記したように、ノズル頂部513の底面73が径方向と平行であるため、第2開口42Pが径方向と平行となっている。
【0054】
図6に示すように、第1開口41Pが径方向内側に向かって軸方向一方側に傾斜し、第2開口42Pが径方向と平行である。このため、第1部分41の軸方向の長さは、第2部分42の軸方向の長さよりも大きくなっている。第1部分41および第2部分42の軸方向の長さは、第1開口41Pの内径W1よりもそれぞれ大きい。また、第1部分41および第2部分42の軸方向の長さは、第2開口42Pの内径W2よりもそれぞれ大きい。吐出孔4の軸方向の長さが内径W1または内径W2よりも大きいことによって、第1開口41Pから噴射される液体の向きを容易にコントロールできる。
【0055】
図4に示すように、吐出孔4は、周方向において等間隔に配置されている。具体的には、
図4に示すように、複数の吐出孔4の第1開口41Pは、ノズル頂部513のノズル頂面71において、周方向に等間隔に配置されている。また、
図5に示すように、複数の吐出孔4の第2開口42Pは、ノズル頂部513の底面73において周方向に等間隔に配置されている。複数の吐出孔4が周方向に等間隔に配置されることによって、ノズル部3から周方向において均一に液体を噴射させることができる。なお、複数の吐出孔4が周方向に等間隔に配置されていることは必須ではない。
【0056】
図4に示すように、複数の吐出孔4は、中心軸A1を中心とする同一の円周上に配置されている。具体的には、
図4に示すように、軸方向一方側から視て、複数の吐出孔4の第1開口41Pは、同一円周上に配置されている。また、
図5に示すように、軸方向他方側から視て、複数の吐出孔4の第2開口42Pは、同一円周上に配置されている。複数の吐出孔4が同一円周上に配置されているため、ノズル部3から液体を噴射させたときに、中心軸A1を中心として径方向に均一に広がるシャワーを形成できる。なお、複数の吐出孔4が同一円周上に配置されていることは必須ではない。
【0057】
吐出孔4において、第1開口41Pの開口面積は、好ましくは、第2開口42Pの開口面積よりも小さい。特に、
図6に示すように、第1開口41Pの内径W1(径方向の長さ)は、好ましくは、第2開口42Pの内径W2よりも小さい。
【0058】
第1開口41Pの内径W1は、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.8mm以下、より好ましくは1.6mm以下、より好ましくは1.4mm以下、より好ましくは1.2mm以下、より好ましくは、1.0mm以下である。また、第1開口41Pの内径W1と、第2開口42Pの内径W2との差は、好ましくは、0.2mm以上0.7mm以下である。
【0059】
第1開口41Pの開口面積が第2開口42Pの開口面積よりも小さい場合、吐出孔4から吐出される液体の水圧が高くなる。これにより、洗浄に適した水圧で、ノズル部3から液体を吐出できる。
【0060】
<ボトル部の各部の大きさ>
図2に示すように、ボトル部2の開口部2Pの内径W3は、好ましくは22mm以上、より好ましくは、23mm以上である。ボトル部2の開口部2Pの内径が22mm以上または23mm以上である場合、開口部2Pを大口にすることができる。これにより、ボトル部2にお湯を注ぐ際に、お湯がこぼれにくくすることができる。
【0061】
図2に示すように、ボトル部2の開口部2Pの内径W3は、好ましくは、ボトル部2のボトル胴体部21の外径W4よりも小さい。具体的には、開口部2Pの内径W3は、好ましくは、ボトル胴体部21の外径W4の39%以上、より好ましくは、外径W4の40%以上である。開口部2Pの内径W3が、ボトル胴体部21の外径W4の39%以上である場合、ボトル胴体部21の外径W4に対して開口部2Pの内径W3を充分に大きくすることができる。これにより、ボトル胴体部21内をスポンジ等で洗浄しやすくなるとともに、洗浄後にボトル胴体部21内の乾燥が容易となる。
【0062】
開口部2Pの内径W3は、好ましくはボトル胴体部21の外径W4の55%以下、より好ましくは外径W4の50%以下、より好ましくは外径W4の45%以下、より好ましくは外径W4の42%以下である。開口部2Pの内径W3が、ボトル胴体部21の外径W4の55%以下である場合、ノズル部3から噴射される液体の水圧が低下することを抑制できる。
【0063】
ボトル胴体部21の軸方向の長さH1は、ボトル胴体部21の外径W4よりも大きいことが好ましい。ボトル胴体部21の長さH1は、好ましくはボトル胴体部21の外径W4の2倍以上、より好ましくは外径W4の2.5倍以上である。ボトル胴体部21が軸方向に細長い形状である場合、押圧によるボトル胴体部21の変形が容易になる。
【0064】
ボトル胴体部21の厚みは、例えば、1.5mm以下、より好ましくは、1.0mm以下、より好ましくは、0.5mm以下である。ボトル胴体部21の厚みが薄い場合、ボトル部2の剛性(ヤング率)を、片手の押圧で容易に変形させることができる程度にすることができる。
【0065】
<効果>
上記の洗浄器具1によれば、吐出孔4の内面において、径方向内側の第1部分41が、軸方向一方側に向かって径方向外側に傾斜している。これにより、径方向外側に広がるようにノズル部3から液体を吐出することができるため、適度な水圧でシャワー状の液体を吐出できる。したがって、洗浄部位に負担をかけることなく、洗浄部位を快適に洗浄できる。
【0066】
また、径方向と平行な直線に対して第2部分42がなす角度δが、径方向と平行な直線に対して第1部分41がなす角度γよりも小さい。これにより、第2部分42の径方向外側への傾きが、第1部分41よりも抑えられる。このため、ノズル部3から吐出された液体が径方向外側に過度に広がることを抑制できる。したがって、洗浄器具1から吐出される液体の水圧の低下を抑制できるため、洗浄時間が長くなることを抑制できる。また、周囲への液体の飛散を防止できるため、周囲の汚染を抑制できる。
【0067】
また、第1直線L1と第1部分41とがなす傾斜角度αが、第2直線L2と第2部分42がなす傾斜角度βよりも大きいため、第2部分42の径方向外側への傾きが抑えられる。これにより、ノズル部3から吐出された液体が径方向外側に過度に広がることを抑制できる。
【0068】
第1部分41の傾斜角度αを5°以上15°以下にすることで、ノズル部3から吐出された液体を、径方向外側へ適度に広げることができる。
【0069】
第2部分42が軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜しているため、ノズル部3から吐出される液体が径方向外側に過度に広がることを抑制できる。
【0070】
第2部分42の傾斜角度βが5°以下であるため、ノズル部3から吐出された液体が径方向外側に過度に広がることを抑制できる。
【0071】
図6に示すように、ノズル頂部513の軸方向における厚さが、径方向内側に向かって大きくなっているため、ノズル頂部513を肉厚にすることができる。したがって、吐出孔4を軸方向に長く延ばすことができる。これにより、ノズル部3からの水の吐出方向をコントロールすることが容易となるため、吐出方向を安定化できる。
【0072】
また、底面73が径方向と平行であり、ノズル頂面71が軸方向一方側に突出しているため、ノズル頂部513を肉厚にすることができる。
【0073】
<2. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0074】
上記実施形態では、
図6に示すように、吐出孔4の第2部分42を、軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜させているが、第2部分42を軸方向一方側に向かって径方向外側に傾斜させてもよい。また、第2部分42は、軸方向と平行であってもよい。
【0075】
上記実施形態では、ノズル頂部513の底面73は、径方向と平行であるが、これは必須ではない。例えば、底面73は、径方向と交差していてもよい。また、底面73は、軸方向他方側に突出していてもよい。また、底面73が、軸方向一方側へ凹んでいてもよい。なお、底面73が軸方向一方側へ凹んでいる場合、ノズル頂部513の厚みを確保するために、軸方向における底面73の凹みの大きさを、軸方向におけるノズル頂面71の突出の大きさよりも小さくしてもよい。
【0076】
また、第1部分41および第2部分42は、直線状であることは必須ではなく、曲線状等の非直線状の部分を有していてもよい。また、第1部分41が非直線状である場合、角度γを、径方向と平行な直線に対して、第1部分41と接する接線がなす角度としてもよい。同様に、第2部分42が非直線状である場合、角度δを、径方向と平行な直線に対して第2部分42と接する接線がなす角度としてもよい。
【0077】
図1に示すように、ボトル胴体部21の延びる方向は、軸方向と平行としているが、ボトル胴体部21の延びる方向は、軸方向と交差していてもよい。
【0078】
ボトル部2の形状およびノズル部3の形状は、上記説明した形状に限定されるものではなく、任意に変形し得る。例えば、ボトル部2の形状は、円筒状であることは必須ではない。
【符号の説明】
【0079】
1 洗浄器具
2 ボトル部
21 ボトル胴体部
231 注液孔
2P 開口部
3 ノズル部
4 吐出孔
41 第1部分
41P 第1開口
42 第2部分
42P 第2開口
51 吐出部
511 ノズル筒部
513 ノズル頂部
71 ノズル頂面
73 底面
A1 中心軸