(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082426
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230607BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20230607BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230607BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/45
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196191
(22)【出願日】2021-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
(57)【要約】
【課題】将来にわたってのゲームの興趣を維持することのできるコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示は、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、進行ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて進行するゲームの本編に関する進行状況を管理し、抽選ステップにおいて、媒体抽選を実行して、ユーザに関連づけるためのゲーム媒体である当選媒体を決定し、媒体抽選の状態には、第1状態と、第1状態よりも有利な条件で実行される第2状態とがあり、抽選ステップにおいて、進行状況に関する1以上の要素のうちの少なくとも1つである所定要素によってそれ以降の進行状況が不利になることと引き換えに、ユーザについて状態を第2状態に設定するための処理を実行する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
進行ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて進行するゲームの本編に関する進行状況を管理し、
抽選ステップにおいて、媒体抽選を実行して、前記ユーザに関連づけるためのゲーム媒体である当選媒体を決定し、
前記媒体抽選の状態には、第1状態と、前記第1状態よりも有利な条件で実行される第2状態とがあり、
前記抽選ステップにおいて、前記進行状況に関する1以上の要素のうちの少なくとも1つである所定要素によってそれ以降の前記進行状況が不利になることと引き換えに、前記ユーザについて前記状態を前記第2状態に設定するための処理を実行する、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記抽選ステップにおいて、選択された前記所定要素の内容によってそれ以降の前記進行状況が不利になることを前記ユーザが受け入れたことを条件として、前記ユーザについて前記状態を前記第2状態に設定するための処理を実行する、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記抽選ステップにおいて、前記ユーザの操作に基づいて、前記進行状況に関する複数の要素の内容のうちから少なくとも1つの前記所定要素を選択する、
請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記抽選ステップにおいて、所定の抽選によって、前記進行状況に関する複数の要素の内容のうちから少なくとも1つの前記所定要素を選択する、
請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記抽選ステップにおいて、選択された前記所定要素の内容によって前記第2状態において前記第1状態よりも有利となる内容を異ならせる、
請求項1~4のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記抽選ステップにおいて、選択された前記所定要素の内容によって前記第2状態において前記第1状態よりも有利となる内容を、前記ユーザに提示あるいは示唆するための情報が生成される、
請求項1~5のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記抽選ステップにおいて、前記状態が前記第2状態であるときに、前記ユーザが前記当選媒体と前記ユーザとの関連づけを解除することによって、または、所定時間が経過することによって、前記状態を前記第1状態に設定するための処理を実行する、
請求項1~6のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記抽選ステップにおいて、前記状態が前記第2状態となった回数あるいは期間が長くなるほど、前記所定要素に基づいて前記進行状況が不利になる程度が大きくなる、
請求項1~7のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記抽選ステップにおいて、前記状態が前記第2状態となった回数あるいは期間、または、前記所定要素の内容、に応じて変動する不利レベルが所定値となることで、所定の特典を前記ユーザと関連づける、
請求項1~8のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータプログラムおよびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによる抽選要求(ガチャ要求)を受けつけたことを契機として、ユーザに付与するゲーム媒体(キャラクタ、アイテムなど)を選択する媒体抽選(ガチャ)が実行されるゲームが知られている。
【0003】
ガチャによって選択されたゲーム媒体は、ユーザと関連づけられる。そして、ユーザと関連づけられたゲーム媒体に関する情報は、ユーザのユーザ端末装置へ送信される。これにより、ガチャによって選択されたゲーム媒体がユーザに付与される。
【0004】
前記従来のガチャは、ゲーム媒体ごとに当選確率があらかじめ定められており、その当選確率に基づいてガチャが実行されて、当選したゲーム媒体がユーザに付与されるにすぎなかった。したがって、ユーザが欲するゲーム媒体が付与されるか否かはユーザの運にかかっており、従来のガチャに対するユーザの興味が失われてしまうおそれがあった。
【0005】
これに対して、ユーザのゲーム状況またはゲーム状況の分析結果に基づいて、ガチャにおけるゲーム媒体の当選確率が変更される技術が提案されている(特許文献1、2)。これらの技術によれば、例えば、ゲームにおけるユーザの勝率が60%以上である場合に、レアリティ(希少度)の高いゲーム媒体の当選確率を増加させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-028725号公報
【特許文献2】特開2020-103741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1、2の技術は、過去のユーザのゲーム履歴に基づいて、結果的に、ゲーム媒体の当選確率が変更されるにすぎなかった。そのため、前記の従来技術では、将来にわたってゲームの興趣を向上させることができるわけではなかった。
【0008】
本開示の目的は、将来にわたってのゲームの興趣を維持することのできるコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の開示は、
コンピュータに、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
進行ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて進行するゲームの本編に関する進行状況を管理し、
抽選ステップにおいて、媒体抽選を実行して、前記ユーザに関連づけるためのゲーム媒体である当選媒体を決定し、
前記媒体抽選の状態には、第1状態と、前記第1状態よりも有利な条件で実行される第2状態とがあり、
前記抽選ステップにおいて、前記進行状況に関する1以上の要素のうちの少なくとも1つである所定要素によってそれ以降の前記進行状況が不利になることと引き換えに、前記ユーザについて前記状態を前記第2状態に設定するための処理を実行する、
コンピュータプログラムである。
【0010】
また、第1の開示において、
前記抽選ステップにおいて、選択された前記所定要素の内容によってそれ以降の前記進行状況が不利になることを前記ユーザが受け入れたことを条件として、前記ユーザについて前記状態を前記第2状態に設定するための処理を実行する、
ことができる。
【0011】
また、第1の開示において、
前記抽選ステップにおいて、前記ユーザの操作に基づいて、前記進行状況に関する複数の要素の内容のうちから少なくとも1つの前記所定要素を選択する、
ことができる。
【0012】
また、第1の開示において、
前記抽選ステップにおいて、所定の抽選によって、前記進行状況に関する複数の要素の内容のうちから少なくとも1つの前記所定要素を選択する、
ことができる。
【0013】
また、第1の開示において、
前記抽選ステップにおいて、選択された前記所定要素の内容によって前記第2状態において前記第1状態よりも有利となる内容を異ならせる、
ことができる。
【0014】
また、第1の開示において、
前記抽選ステップにおいて、選択された前記所定要素の内容によって前記第2状態において前記第1状態よりも有利となる内容を、前記ユーザに提示あるいは示唆するための情報が生成される、
ことができる。
【0015】
また、第1の開示において、
前記抽選ステップにおいて、前記状態が前記第2状態であるときに、前記ユーザが前記当選媒体と前記ユーザとの関連づけを解除することによって、または、所定時間が経過することによって、前記状態を前記第1状態に設定するための処理を実行する、
ことができる。
【0016】
また、第1の開示において、
前記抽選ステップにおいて、前記状態が前記第2状態となった回数あるいは期間が長くなるほど、前記所定要素に基づいて前記進行状況が不利になる程度が大きくなる、
ことができる。
【0017】
また、第1の開示において、
前記抽選ステップにおいて、前記状態が前記第2状態となった回数あるいは期間、または、前記所定要素の内容、に応じて変動する不利レベルが所定値となることで、所定の特典を前記ユーザと関連づける、
ことができる。
【0018】
第2の開示は、
第1の開示のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置である。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、将来にわたってのゲームの興趣を維持することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態における、ゲームシステムの構成を示す図である。
【
図2】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態における、複数のガチャテーブルの一例を示す図である。
【
図5】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態における、ガチャテーブル変更処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施形態]
本開示の実施形態にかかるゲームシステム1について、
図1~
図7を参照して説明する。ゲームシステム1は、
図1のとおり、サーバ装置2とユーザ端末装置3とを備える。なお、ゲームシステム1および後述の処理手順は一例であり、本開示の実施形態はこれらには限られない。ゲームシステム1および処理手順は、本開示の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更をすることができる。
【0022】
<ゲームの説明>
サーバ装置2により、ユーザ端末装置3で実行される下記のゲームが提供される。具体的には、ユーザ端末装置3では、ユーザがタッチパッド350を介して仮想ゲーム空間上のプレイヤキャラクタを操作して進行する複数のイベント(以下、「クエスト」という。)を備える所定のゲームが実行される。
【0023】
本実施形態において、ユーザ端末装置3にて実行されるゲームには、ユーザの操作に基づいて使用キャラクタとして設定されるとともにユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタであるモンスターを討伐するクエストパートがある。例えば、ゲーム中の1つのクエストでは、制限時間内にプレイヤキャラクタがモンスターを討伐すればそのクエストのクリア条件が満たされる。このクエストは、ユーザがタッチパッド350を操作することで進行する。
【0024】
クエストパートでは、ユーザは、ユーザが所有する(ユーザの識別情報に関連づけられている)キャラクタで構成されるデッキを構成してゲームを進行させる。具体的には、このデッキに組み込まれたキャラクタが、ユーザの操作に基づいて敵キャラクタと戦う。なお、このクエストは、時間の経過とともに回復するスタミナが必要量消費される(スタミナとユーザとの関連づけを解除する)ことによって実行される。
【0025】
また、このゲームには、前記クエストパートのほか、媒体抽選パート(ガチャパート)がある。このガチャパートでは、複数種類のゲーム媒体(例えば、キャラクタ、アイテム)のうちからいずれかのゲーム媒体が選択される。具体的には、ガチャパートでは、あらかじめ用意された抽選テーブル(ガチャテーブル)に記憶された複数種類のゲーム媒体からゲーム媒体が選択され、その選択されたゲーム媒体(ゲーム媒体に関する情報)とユーザ(ユーザの識別情報)とが関連づけられる。
【0026】
本実施形態のガチャパートにおいては、複数のガチャイベントが用意されている。ガチャイベントには、例えば、期間限定で提供されるガチャイベント(例えば、後述のガチャイベント1)、あるいは常時提供されるガチャイベント(例えば、後述のガチャイベント2)などがある。ユーザは、いずれかのガチャイベントを選択したのち、そのガチャイベントのために用意されたガチャテーブルに基づいてガチャを実行することができる。
【0027】
また、それぞれのガチャイベントにおいては、1回の抽選要求(ガチャ要求)で1体のゲーム媒体が選択される単発ガチャと、1回のガチャ要求で10回のガチャが連続して行われて10体のゲーム媒体が選択される10連ガチャとが用意されている。
【0028】
本実施形態においてガチャで選択されるゲーム媒体、あるいは、例えばクエストのクリア報酬で付与されるゲーム媒体はキャラクタである。また、キャラクタには、それぞれパラメータの種類として体力値、攻撃力、防御力、スキル値、職業のほか、属性、レアリティ(希少度)が設けられている。
【0029】
例えば、本実施形態では、キャラクタに設定される属性には、火属性、水属性、風属性などがパラメータとして設けられている。この属性とは、各キャラクタに設定される性質の一例であり、この属性の効果が発揮されることで、ゲームの進行がバラエティに富んだものになる。
【0030】
また、レアリティには、ノーマル、レア、激レア、超激レアがパラメータとして設けられている。レアリティは、超激レア、激レア、レア、ノーマルの順に希少度が高い。このレアリティとは、キャラクタの入手の難易度を表す指標である。
【0031】
各キャラクタには、いずれか1つの職業と、いずれか1つの属性と、いずれか1つのレアリティとが設定されている。この職業とは、仮想ゲーム空間上においてキャラクタに与えられた役割である。そして、職業ごとに、スキル値あるいは防御値など、職業以外のキャラクタのパラメータが異なる場合がある。
【0032】
以下では、当選キャラクタ(当選キャラクタに関する情報)とユーザ(ユーザの識別情報)とが関連づけられ、ユーザに関連づけられた当選キャラクタに関する情報が当該ユーザのユーザ端末装置3へ送信されることを、「当選キャラクタがユーザに付与される」という場合がある。
【0033】
ユーザは、ガチャあるいはクエストのクリア報酬によって得られたキャラクタをデッキに組み込んで使用キャラクタとして設定することができる。
【0034】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成および機能的構成、ならびに前記ゲームが実行されるユーザ端末装置3のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0035】
なお、ユーザ端末装置3には、そのユーザ端末装置3に対応づけてユーザアカウントが付与される。このユーザアカウントはユーザアカウント情報(ユーザの識別情報)として管理される。
【0036】
ユーザ端末装置3が通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、そのユーザ端末装置3からユーザの識別情報が送信される。送信されたユーザの識別情報は、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2とユーザ端末装置3との通信が可能となる。
【0037】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、
図1のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0038】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス29を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0039】
制御部20は、CPU、メモリ(RAM)、各種入出力インターフェースなどで構成されており、サーバ装置2の動作を制御する。詳細は後述する。
【0040】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などで構成される。
【0041】
記憶部21には、例えば、本開示のコンピュータプログラム、ユーザ端末装置3にてプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータ、ならびに、ユーザデータ(ユーザの識別情報、ユーザのゲーム進行状況など)が記憶される。
【0042】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2とユーザ端末装置3との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。
【0043】
<サーバ装置2の制御部20の機能の説明>
サーバ装置2の制御部20は、本開示のコンピュータプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0044】
<認証ステップの説明>
制御部20は、認証手段として機能することで認証ステップを実行する。以下では、認証手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0045】
制御部20は、ユーザ端末装置3から送信されるユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0046】
<進行ステップの説明>
制御部20は、ゲーム進行管理手段として機能することで進行ステップを実行する。以下では、ゲーム進行管理手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0047】
制御部20は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを進行させる。
【0048】
具体的には、制御部20は、時間ごとに発生する複数のクエスト(例えば、午後1時~午後3時に敵キャラクタが登場するクエスト)、期間ごとに発生するクエスト、あるいは常時実行することのできるクエストをユーザに提供する。
【0049】
各クエストには、あらかじめ、クエストの難易度、クエストの内容、およびクエストのクリア報酬が設定されている。
【0050】
制御部20は、後述のクエスト開始要求情報を受信する。
【0051】
また、制御部20は、ユーザ端末装置3からクエストを選択するために必要なスタミナ量が消費される旨の情報を受信したのちに、選択されたクエストを開始する。
【0052】
また、制御部20は、ユーザ端末装置3のユーザからの操作信号を受信して、ユーザが設定したデッキの構成に基づいた、ゲームの本編(クエスト)に関する進行状況を管理する。
【0053】
具体的には、制御部20は、例えば、仮想ゲーム空間でキャラクタを動作させたり、キャラクタの体力値を管理したりする。
【0054】
制御部20は、クエストに関する進行状況をユーザごとに管理する。すなわち、制御部20は、ユーザの進行状況をユーザ(ユーザの識別情報)と関連づけて記憶部21に記憶させる。
【0055】
また、制御部20は、ユーザ端末装置3のユーザからの操作信号(後述の要素選択/非選択情報)を受信して、進行状況に関する複数の要素(例えば、クエストが実行される際に消費されるスタミナの量が10%増加する、クエスト中の敵キャラクタの体力値が10%増加する、クエストの制限時間が10分から7分になる、クエストがクリアされたときの報酬が10%減少する、クエスト中のアイテムのドロップ率が10%減少する、消費されたスタミナの回復時間が長くなる、他ユーザとマルチプレイをすることができなくなる)のうちから1つの不利要素(所定要素の一例)を選択する(本編の進行状況が不利になることをユーザが受け入れた場合の一例)。なお、この不利要素とは、ゲーム進行の難易度を上昇させるための(ゲーム内で発揮される)効果である。
【0056】
そして、制御部20は、ユーザによって選択された不利要素によって、クエストの進行状況が不利になるように制御する。例えば、
図5のとおり、ユーザが要素の1つである「ボスのHPが10%増加する」を選択した場合には、制御部20は、ユーザによってその不利要素が選択された以降のクエストに登場する敵キャラクタの体力値を10%増加させる。また、制御部20は、選択された不利要素をユーザと関連づけて記憶部21に記憶させる。
【0057】
また、クエストの進行状況に関する複数の要素には、それぞれ不利ランクが設けられている。例えば、「クエストが実行される際に消費されるスタミナの量が10%増加する」は不利ランクが1であり、「クエスト中の敵キャラクタの体力値が10%増加する」は不利ランクが2であり、「クエストの制限時間が10分から7分になる」は不利ランク3である。この不利ランクの数値が大きいほど、進行状況がユーザにとって不利になり、ゲームクリアの難易度が高くなる。なお、この不利ランクとは、ゲーム進行状況がユーザにとって不利となる度合いを表す指標である。
【0058】
本実施形態では、このように不利要素が選択されている場合には、選択された不利要素の効果がゲーム内で発揮(実施)されることによりクエストの進行状況が不利になるが、ガチャの抽選方法(消費されるゲーム内通貨の一例である「石」の量を含む)が不利になるわけではない。
【0059】
なお、ユーザによって不利要素が選択されない場合、あるいは、不利要素が選択されてから24時間が経過した場合には、制御部20は、通常の設定(例えば、制限時間が10分、クエスト中の敵キャラクタの体力値は増減なし)でゲームを進行する。すなわち、本実施形態における不利要素の効果がゲーム内で発揮される時間は、有限である。
【0060】
これは、以下の理由による。すなわち、仮に不利要素の効果がゲーム内で発揮される時間が有限ではないものとすると、時間に関係なく不利要素のゲーム内での効果がゲーム内で持続されることとなる。そして、効果の内容によっては、ユーザが、プレイを続けることが苦痛に感じられるほどゲームの難易度が上昇しているように感じることもありうる。したがって、そのような苦痛な状態が時間の制限なく継続する場合には、かえってユーザのゲームプレイへの意欲が削がれる要因となりうるためである。
【0061】
また、制御部20は、クエストの進行状況をユーザ端末装置3へ送信するとともに、ユーザ端末装置3から操作信号等を受信する。
【0062】
<抽選ステップの説明>
制御部20は、媒体抽選実行手段として機能することで抽選ステップを実行する。以下では、媒体抽選実行手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0063】
制御部20は、ゲーム内で、ユーザの操作に基づいてガチャ(媒体抽選)を実行する。
【0064】
なお、本実施形態において、ユーザがガチャを要求する場合に、ゲーム内通貨を消費する必要がある。例えば、ゲーム内通貨の例は、ログインボーナスとしてユーザに付与される無償石、あるいは、ユーザによる課金によってユーザに付与される有償石である。以下では、このゲーム内通貨のことを、便宜的に「石」という。
【0065】
制御部20は、後述のガチャ要求情報の受信に伴って、石(石の情報)とユーザ(ユーザの識別情報)との関連づけを解除する。このように、ガチャが要求されることに伴い(ガチャの実行に伴い)、ガチャの種類に応じた数量分、ユーザが所有する石が消費される。
【0066】
また、制御部20は、ユーザ端末装置3から後述のガチャ要求情報を受信したことを契機として、ユーザによって選択されたガチャイベント、および、そのときのガチャの状態に関連づけられているガチャテーブルに基づいてガチャを実行する。
【0067】
本実施形態において、制御部20は、
図2、
図3のとおり、複数種類のガチャ(ガチャイベント1およびガチャイベント2、ならびに、単発ガチャおよび10連ガチャ)を提供する。そして、ユーザの操作に基づいていずれかの種類のガチャが選択される。
【0068】
ユーザは、例えば、
図2における仮想ボタン341をタッチすることにより「ガチャイベント1」を選択することができ、
図2における仮想ボタン342をタッチすることにより「ガチャイベント2」を選択することができる。
【0069】
ユーザがいずれかのガチャイベントを選択したのち、「単発ガチャ」を要求した場合(
図3における仮想ボタン343がタッチされた場合)には、制御部20は、ユーザによる1回のガチャ要求で1回のガチャを実行し、1体の当選キャラクタを選択する。
【0070】
一方、ユーザがガチャイベントを選択したのち、「10連ガチャ」を要求した場合(
図3における仮想ボタン344がタッチされた場合)には、制御部20は、ユーザによる1回のガチャ要求で連続して10回のガチャを実行し、10体のキャラクタを選択する。
【0071】
なお、すべての種類のガチャ(ガチャイベント1、ガチャイベント2、単発ガチャ、10連ガチャなど)の状態には、通常時(ユーザによって不利要素が選択されていない状態)に設定される通常状態(第1状態の一例)と、通常状態よりも有利な状態で実行される有利状態(第2状態の一例)とが用意されている。
【0072】
そして、制御部20は、ユーザがいずれの不利要素も選択していない場合には、ガチャの状態を通常状態とし、ユーザがいずれかの不利要素を選択した場合には、それ以降、24時間(所定期間の一例)が経過するまでのガチャの状態を有利状態とする。
【0073】
また、制御部20は、ガチャの状態が有利状態(不利要素が選択されている状態)であって、かつ、不利要素が選択されてから24時間が経過した場合に、ガチャの状態を通常状態に移行させる。
【0074】
なお、ユーザが、いずれかの種類のガチャ(例えば、後述の、ガチャイベント1の単発ガチャ)を実行する際に、いずれかの不利要素を選択した場合(ガチャの状態が有利状態となった場合)には、他の種類のガチャ(例えば、ガチャイベント2の10連ガチャ)においてもガチャの状態が有利状態に設定される。この場合には、例えば、
図3のとおり、「不利ランク1が選択されています」とのテキストメッセージが表示される。
【0075】
制御部20は、ガチャの状態に関連づけられているガチャテーブルに基づいてガチャを実行する。
【0076】
図4は、本実施形態におけるガチャテーブルの一例である。
【0077】
図4(a)のガチャテーブルでは、レアリティがノーマルのキャラクタの当選確率は5.0%であり、レアリティが超激レアのキャラクタの当選確率は0.5%である。
【0078】
また、
図4(b)のガチャテーブルでは、レアリティがノーマルのキャラクタの当選確率は4.0%であり、レアリティが超激レアのキャラクタの当選確率は1.5%である。
【0079】
また、
図4(c)のガチャテーブルでは、レアリティがノーマルのキャラクタの当選確率は3.0%であり、レアリティが超激レアのキャラクタの当選確率は3.0%である。
【0080】
そして、制御部20は、いずれの不利要素も選択されていない場合(ガチャの状態が通常状態の場合)に、そのユーザについてのガチャテーブルとして、
図4(a)のガチャテーブルを選択する。
【0081】
また、制御部20は、例えば不利要素として「クエストが実行される際に消費されるスタミナの量が10%増加する」が選択されている場合(ガチャの状態が有利状態であり、かつ、不利ランクが1である場合)に、そのユーザについてのガチャテーブルとして、
図4(b)のガチャテーブルを選択する。
【0082】
また、制御部20は、例えば不利要素として「敵キャラクタの体力値が10%増加する」が選択されている場合(ガチャの状態が有利状態であり、かつ、不利ランクが2である場合)に、そのユーザについてのガチャテーブルとして、
図4(c)のガチャテーブルを選択する。
【0083】
図6は、ガチャが実行されたあとのゲーム画面を示す例である。
図6において、ユーザ端末装置3の液晶画面340には、当選キャラクが表示されている。すなわち、
図6には、当選キャラクタのキャラクタ名(例えば、「キャラクタ23」)、当選キャラクタの属性(例えば、「水属性」)、当選キャラクタのレアリティ(例えば、「激レア」)が表示されている。
【0084】
<通信ステップの説明>
制御部20は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0085】
制御部20は、ユーザ端末装置3との間で、ユーザの識別情報などを送受信する。
【0086】
また、制御部20は、ユーザによる操作信号(操作情報を含む。)、クエスト開始要求情報、ガチャ要求情報、後述の要素選択/非選択情報などをユーザ端末装置3から受信する。
【0087】
また、制御部20は、ゲームプログラムなどのゲームデータ、クエストの進行状況に関する情報、当選キャラクタに関する情報などをユーザ端末装置3へ送信する。
【0088】
<ユーザ端末装置3のハードウェア構成>
ユーザ端末装置3は、
図1のとおり、スピーカ330、液晶画面340、タッチパッド350が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このユーザ端末装置3において、サーバ装置2から配信されたゲームに関するゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0089】
また、ユーザ端末装置3は、サーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク4を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0090】
ユーザ端末装置3は、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35を備える。
【0091】
記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35は、バス39を介して、制御部30に接続される。
【0092】
制御部30は、CPU、メモリ(RAM)、各種入出力インターフェースなどで構成されており、ユーザ端末装置3の動作を制御する。
【0093】
記憶部31は、主にHDD、RAM、ROM、SSDなどで構成される。記憶部31には、例えば、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0094】
ネットワークインターフェース32は、ユーザ端末装置3とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。これにより、ユーザ端末装置3にゲームプログラムおよびゲームデータがダウンロードされる。
【0095】
オーディオ処理部33は、制御部30の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部33には、スピーカ330が接続される。ゲーム音声は、スピーカ330から出力される。
【0096】
グラフィック処理部34は、制御部30の指示に従って仮想ゲーム空間およびプレイヤキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部34にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面340に表示される。
【0097】
操作部35には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部35には、入力位置検出装置であるタッチパッド350を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザはタッチパッド350をタッチすることによって、キャラクタの編成(デッキの構成)、クエストの選択、あるいは、プレイヤキャラクタの操作等を行う。
【0098】
<ユーザ端末装置3の制御部30の機能の説明>
制御部30は、サーバ装置2からダウンロードされたゲームプログラムを実行することで、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0099】
<実行ステップの説明>
制御部30は、ゲーム実行手段として機能することで実行ステップを実行する。以下では、ゲーム実行手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0100】
制御部30は、ユーザによるタッチパッド350の操作に基づいて、クエストパートおよびガチャパートを備えるゲームをユーザ端末装置3に実行させる。
【0101】
制御部30は、ユーザの操作およびサーバ装置2の制御部20から送信される情報などに基づいてゲームを進行させる。
【0102】
具体的には、制御部30は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部31から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0103】
また、制御部30は、仮想ゲーム空間にプレイヤキャラクタを配置する。そして、制御部30は、ユーザによるタッチパッド350の操作、および、サーバ装置2の制御部20から送信されるゲームの進行状況に応じて、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0104】
また、制御部30は、仮想ゲーム空間、プレイヤキャラクタ、および仮想ボタンをゲーム画面として液晶画面340に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部34が液晶画面340上にゲーム画像を描画する。
【0105】
例えば、液晶画面340には、
図2のとおり、画面上部から「スタミナ」(スタミナの残存量)、「ユーザランク」、「石」(石の所有数、および、そのうちの有償石の所有数)などが表示される。
【0106】
また、制御部30は、ユーザの操作に基づいてクエストの開始を要求するためのクエスト開始要求情報を生成する。クエスト開始要求情報は、通信ステップでサーバ装置2へ送信される。
【0107】
また、制御部30は、ユーザの操作に基づいて、
図5のとおり、クエストの進行状況に関する複数の要素のうちから1つの不利要素を選択した旨あるいは選択していない旨の情報(要素選択/非選択情報)を生成する。要素選択/非選択情報は、ユーザ端末装置3から、サーバ装置2へ送信される。
【0108】
<要求ステップの説明>
制御部30は、媒体抽選要求手段として機能することで要求ステップを実行する。以下では、媒体抽選要求手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0109】
制御部30は、ユーザの操作に基づいてガチャ要求が行われると、ガチャ要求情報を生成する。ガチャ要求情報には、ユーザの識別情報、ユーザが選択したガチャイベントの情報、ガチャの種類に関する情報のほか、消費される石の種類、および消費される石の量に関する情報が含まれる。このガチャ要求情報は通信ステップでサーバ装置2へ送信される。
【0110】
具体的には、ユーザが「ガチャイベント1」の仮想ボタン341をタッチした場合には、制御部30は、ガチャイベント1用のガチャ要求情報を生成する。
【0111】
一方、ユーザが「ガチャイベント2」の仮想ボタン342をタッチした場合には、制御部30は、ガチャイベント2用のガチャ要求情報を生成する。
【0112】
また、いずれかのガチャイベントが選択された状態でユーザが「単発ガチャ」の仮想ボタン343をタッチした場合には、制御部30は、選択されたガチャイベントに関するガチャ要求情報とともに単発ガチャ用のガチャ要求情報を生成する。
【0113】
一方、いずれかのガチャイベントが選択された状態でユーザが「10連ガチャ」の仮想ボタン344をタッチした場合には、制御部30は、選択されたガチャイベントに関するガチャ要求情報とともに10連ガチャ用のガチャ要求情報を生成する。
【0114】
サーバ装置2が受信したガチャ要求情報の種類により、サーバ装置2にて、対応するガチャが実行される。
【0115】
また、ユーザが不利要素を選択していない場合(前回不利要素が選択されてから24時間が経過した場合を含む)には、制御部30は、
図5のゲーム画面を表示する。そして、制御部30は、ユーザがいずれかのボタンをタッチした場合には、要素選択/非選択情報をサーバ装置2に送信する。
【0116】
<通信ステップの説明>
制御部30は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0117】
制御部30は、例えば、サーバ装置2からゲームに関するゲームプログラム、当選キャラクタに関する情報などの情報を受信する。
【0118】
また、制御部30は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ユーザの識別情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、クエスト開始要求情報、ガチャ要求情報、要素選択/非選択情報などをサーバ装置3へ送信する。
【0119】
<ガチャテーブル変更処理の説明>
以下、
図7を参照して、本開示のガチャテーブル変更処理について説明する。
【0120】
まず、サーバ装置2の制御部20が、ユーザが不利要素を選択しており、かつ、不利要素が選択されてから24時間以内であるか否か、を判定する(ステップS1)。
【0121】
不利要素が選択されていない場合(前回不利要素が選択されてから24時間が経過している場合を含む)には(S1:NO)、制御部20が、ガチャの状態を通常状態に設定する(ステップS2)。この場合には、制御部20は、通常時のゲーム進行状況でクエストを実行する。
【0122】
一方、不利要素が選択されており、かつ、不利要素が選択されてから24時間以内である場合(S1:YES)には、制御部20が、ガチャの状態を有利状態に設定する(ステップS8)。この場合には、制御部20は、選択された不利要素の内容でクエストを実行する。また、制御部20は、
図3のように不利要素が選択されている旨をユーザ端末装置3の液晶画面340に表示するための情報を生成する。
【0123】
ついで、ユーザ端末装置3の制御部30が、ユーザがガチャ要求を行ったか否かを判定する(ステップS3)。
【0124】
ユーザがガチャ要求を行っていないと判定された場合(S3:NO)には、処理はステップS1へと戻る。
【0125】
一方、ユーザがガチャ要求を行ったと判定された場合(S3:YES)には、サーバ装置2の制御部20が、ガチャの状態(有利状態である場合にはさらに不利ランク)に応じたガチャテーブルを選択する(ステップS4)。
【0126】
ついで、制御部20が、ガチャの要求に必要な量(例えば、10個)の石とユーザの識別情報との関連づけを解除する。これにより、ガチャに必要な量の石が消費される(ステップS5)。なお、本実施形態においては、通常状態であっても、有利状態であっても、ガチャが要求されるときに消費される石の量は同じである。
【0127】
ついで、制御部20が、選択されているガチャテーブルに基づいて、ガチャを実行する(ステップS6)。これにより、当選キャラクタが決定される。
【0128】
ついで、制御部20が、通信ステップを実行し、当選キャラクタに関する情報をユーザ端末装置3へ送信する。これにより、ユーザに当選キャラクタが付与される(ステップS7)。その後、本開示のガチャテーブル変更処理は終了する。
以上の手順により、本開示のガチャテーブル変更処理が実行される。
【0129】
以上をまとめると、本開示は、
コンピュータに、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
進行ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて進行するクエストに関する進行状況を管理し、
抽選ステップにおいて、ガチャを実行して、ユーザに付与する当選キャラクタを決定し、
ガチャの状態には、通常時に設定される通常状態と、通常状態よりも有利な条件で実行される有利状態とがあり、
抽選ステップにおいて、クエストの進行状況に関する1以上の要素のうちから選択された不利要素(例えば、クエスト中の敵キャラクタの体力値が10%増加する)によってそれ以降の進行状況が不利になることと引き換えに、ユーザについてガチャの状態を通常状態から有利状態に設定する、
コンピュータプログラムである。
【0130】
<開示の効果>
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、ユーザの意思に基づいてガチャにおけるゲーム媒体の当選確率を変更することができるとともに、将来にわたってのゲームの興趣を維持することができる。
【0131】
[他の実施形態]
前記実施形態においては、ユーザが不利要素を選択してから24時間(所定時間の一例)が経過することにより、ガチャの状態が通常状態に移行する例が記載されているが、本開示はこれには限られない。例えば、所定時間は1か月とすることもできる。
【0132】
また、前記実施形態において、選択される不利要素は1つである例が記載されているが、本開示はこれには限られない。例えば、ユーザは、不利要素を2つ以上選択することもできる。この場合において、選択された不利要素の数によって、段階的にガチャが優遇(例えば、レアリティの高いキャラクタの当選確率が上昇する、当選するキャラクタの数が増える)されてもよい。
【0133】
また、前記実施形態においては、ガチャの状態が有利状態となるための条件が課されていない例が記載されているが、本開示はこれには限られない。例えば、ユーザのゲーム進行が所定の状態となったこと(例えば、クエストが10個クリアされたこと)、連続ログイン日数が10日に到達したこと、フレンドの数が20人となったことにより、ガチャの状態が変更される処理が実行されてもよい。
【0134】
また、不利要素が選択されることによりクエストの進行状況がユーザにとって不利になっている状態でユーザがクエストをクリアした場合には、サーバ装置の制御部は、通常時よりもクリア報酬が増加(あるいは豊富化)させてもよい。
【0135】
また、前記実施形態に限られず、サーバ装置の制御部は、所定の抽選によって、進行状況に関する複数の要素の内容のうちから少なくとも1つの不利要素を選択してもよい。
【0136】
この場合には、ランダムにいずれかの不利要素が選択されるため、不利要素が選択された以降のゲーム性に幅を持たせることができる。すなわち、これにより、ユーザによって選択される不利要素の種類が偏ってしまうという不具合を防止することができる。
【0137】
また、前記実施形態において、選択された不利要素の内容によって使用されるガチャテーブルが異なる例が記載されているが、本開示はこれには限られない。例えば、サーバ装置の制御部は、「クエスト中の敵キャラクタの体力値が10%増加する」が選択された場合には当選キャラクタの数(あるいはキャラクタの種類)を異ならせ、また、「クエストの制限時間が10分から7分になる」が選択された場合にはガチャが要求されたときに消費される石の量を異ならせてもよい。
【0138】
この場合には、単にガチャテーブル(キャラクタの当選確率、当選するキャラクタの種類)が変更されるだけではなく、抽選方法が変更されるなど、多様なガチャを提供することができる。
【0139】
また、前記実施形態に限られず、サーバ装置の制御部は、選択された不利要素の内容によって有利状態において通常状態よりも有利となる内容を、ユーザに提示あるいは示唆するための情報を生成してもよい。
【0140】
この場合には、ユーザがガチャを要求する前に、ガチャにおいて有利となる内容を知ることができる。そのため、いずれかの不利要素を選択してガチャを要求すべきか否かをユーザが検討することができる。
【0141】
また、前記実施形態に限られず、サーバ装置の制御部は、ガチャの状態が有利状態であるときに、ユーザが当選キャラクタとユーザとの関連づけを解除することによって、ガチャの状態を通常状態に設定するための処理を実行してもよい。
【0142】
ユーザが不利要素を選択することによって、ユーザの予想以上にゲームの難易度が上昇してしまい、ユーザがクエストを進行させることができなくなる場合がある。そのような場合に、前記構成が採用されることにより、ユーザを救済することができる。
【0143】
また、前記実施形態に限られず、ガチャの状態が有利状態となった回数あるいは期間が長くなるほど、不利要素に基づいてクエストの進行状況が不利になる程度が大きくなってもよい。
【0144】
この場合には、ユーザがガチャの状態を常に有利状態とすることを抑制することができ、ゲームバランスを適正に保つことができる。
【0145】
また、前記実施形態に限られず、ガチャの状態が有利状態となった回数あるいは期間、または、不利要素の内容、に応じて変動する不利レベルが所定値(例えば、不利レベルが20以上)となることで、所定の特典(例えば、アイテム、石を消費することなくガチャを要求することができる権利)をユーザに付与してもよい。
【0146】
この場合には、将来にわたって不利な状況でゲームを進行させることで、ガチャが優遇されるとともに、ガチャにおける優遇とは異なる特典がユーザに付与される。そのため、ゲームの難易度を高めることと引き換えに、ユーザは様々な優遇を受けることができる。
【0147】
また、前記実施形態では、単発ガチャに本開示が適用されている例が記載されているが、本開示はこれには限られない。例えば、1回のガチャ要求で10回のガチャが連続して行われて10体のキャラクタが当選する10連ガチャに本開示が適用されてもよい。
【0148】
また、1回のガチャ要求で10回のガチャが行われて10体のキャラクタが当選する10連ガチャではなく、1回のガチャ要求で5回のガチャが連続して行われて1回のガチャにつき2体ずつのキャラクタが当選する10連ガチャに本開示が適用されてもよい。
【0149】
また、1回のガチャ要求で1回のガチャが行われて10体のキャラクタが同時に当選する10連ガチャに本開示が適用されてもよい。
【0150】
その他の例として、
コンピュータに、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
進行ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて進行するゲームの本編に関する進行状況を管理し、
抽選ステップにおいて、媒体抽選を実行して、前記ユーザに関連づけるためのゲーム媒体である当選媒体を決定し、
前記媒体抽選の状態には、第1状態と、前記第1状態よりも不利な条件で実行される第2状態とがあり、
前記抽選ステップにおいて、前記進行状況に関する1以上の要素のうちの少なくとも1つである所定要素によってそれ以降の前記進行状況が有利になることと引き換えに、前記ユーザについて前記状態を前記第1状態から前記第2状態に設定するための処理を実行する、
コンピュータプログラムがある。
【0151】
この場合には、前記実施形態とは異なり、ユーザは、ガチャを不利な状態で実行することと引き換えに、ゲームの進行状況を有利(例えば、クエストが実行されるために必要なスタミナの量が10%減少する、クエスト中の敵キャラクタの体力値が10%減少する、クエストの制限時間が10分から15分になる)にすることができる。
【0152】
その他の例として、
コンピュータに、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
進行ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて進行するゲームの第1本編(クエスト1)および第2本編(クエスト2)に関する進行状況を管理し、
前記クエスト1およびクエスト2の状態には、通常時に設定される第1状態(通常状態)と、通常状態よりも不利な条件で実行される第2状態(不利状態)と、通常状態よりも有利な条件で実行される第3状態(有利状態)とがあり、
前記進行ステップにおいて、クエスト1の状態を通常状態から不利状態(または有利状態)に設定することと引き換えに、クエスト2の状態を通常状態から有利状態(または不利状態)に設定するための処理を実行する、
コンピュータプログラムがある。
【0153】
この場合には、ユーザがゲームを攻略するにあたって、例えば自身が得意とするクエスト1(例えば、水属性クエスト)を不利な状態にする代わりに、自身が不得意とするクエスト2(例えば、火属性クエスト)を有利な状態にすることができる。これにより、ゲームにおける遊びの幅を広げることができる。
【0154】
また、前記実施形態では、コンピュータが1つのサーバ装置である例が記載されているが、本開示はこれには限られない。例えば、コンピュータが複数のサーバ装置であってもよい。また、一のユーザのユーザ端末装置がサーバ装置として機能してもよい。さらにこの場合には、BLUETOOTH(登録商標)で一方のユーザ端末装置と他方のユーザ端末装置とが接続されていてもよい。また、ユーザ端末装置単体で本開示のステップが実行されてもよく、また、サーバ装置とユーザ端末装置との協働により、本開示のステップが実行されてもよい。
【0155】
また、前記実施形態においては、ユーザ端末装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本開示は、これには限られない。ユーザ端末装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0156】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
3 ユーザ端末装置
4 通信ネットワーク