(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082427
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】片面段ボールシート用シートスタッカ
(51)【国際特許分類】
B65H 29/26 20060101AFI20230607BHJP
B65H 31/36 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
B65H29/26
B65H31/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196193
(22)【出願日】2021-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】井本 雅史
(72)【発明者】
【氏名】二宮 邦慈
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 潤二郎
【テーマコード(参考)】
3F054
3F106
【Fターム(参考)】
3F054AA04
3F054BA03
3F054BA05
3F054BB12
3F054BG02
3F054BG04
3F054BH05
3F054BH07
3F106CA07
3F106CA13
3F106CA22
3F106LA15
3F106LB05
(57)【要約】
【課題】安定して片面段ボールシートを積み重ねることが可能な片面段ボールシート用シートスタッカを提供する。
【解決手段】シート積層部11に、片面段ボールシート4の側縁をシート搬送方向に沿って支持するシート保持位置と、片面段ボールシート4の側縁の支持を解除して片面段ボールシート4を落下させるシート保持解除位置との間で移動可能に支持されたシート側縁支持ガイド34と、シート側縁支持ガイド34をシート保持位置とシート保持解除位置との間で往復動させるシート側縁支持ガイド往復駆動装置42とを設ける。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波形に成形された中しん(17)とその中しん(17)の片側に貼り合わされたライナ(18)とからなる枚葉の片面段ボールシート(4)を、前記中しん(17)を上側、前記ライナ(18)を下側とし、前記中しん(17)の段目に直交する方向をシート搬送方向とし、シート搬送方向の前後に隣り合う片面段ボールシート(4)が屋根瓦状に重なった状態で搬送するラップコンベヤ(10)と、
前記ラップコンベヤ(10)の下流側に配置され、前記ラップコンベヤ(10)から排出される片面段ボールシート(4)が落下して積み重なるシート積層部(11)と、を有する片面段ボールシート用シートスタッカにおいて、
前記シート積層部(11)には、
前記ラップコンベヤ(10)から排出される片面段ボールシート(4)の側縁をシート搬送方向に沿って支持するシート保持位置と、前記片面段ボールシート(4)の側縁の支持を解除して片面段ボールシート(4)を落下させるシート保持解除位置との間で移動可能に支持されたシート側縁支持ガイド(34)と、
前記シート側縁支持ガイド(34)を前記シート保持位置と前記シート保持解除位置との間で往復動させるシート側縁支持ガイド往復駆動装置(42)と、
前記ラップコンベヤ(10)から排出された片面段ボールシート(4)の先端を受け止めるフロントガイド(31)と、が設けられ、
前記シート側縁支持ガイド(34)は、前記ラップコンベヤ(10)から排出される片面段ボールシート(4)の側縁とシート幅方向に対向するように配置された板状の部材であり、前記片面段ボールシート(4)の側縁と対向するガイド面(41)が下すぼまりの方向に傾斜しており、前記ラップコンベヤ(10)から排出される片面段ボールシート(4)の先端が前記フロントガイド(31)に到達するまで前記片面段ボールシート(4)の側縁を支持するように前記フロントガイド(31)の位置まで延びて形成されている、ことを特徴とする片面段ボールシート用シートスタッカ。
【請求項2】
前記ラップコンベヤ(10)の下流側端部の上方に、前記片面段ボールシート(4)を前記ラップコンベヤ(10)の下流側端部の上面に押し付けるシート押さえローラ(28)が設けられている請求項1に記載の片面段ボールシート用シートスタッカ。
【請求項3】
前記ラップコンベヤ(10)は、シート搬送方向に一連に並ぶ複数のベルトコンベヤ(19~22)で構成され、その複数のベルトコンベヤ(19~22)のうち最も下流側に位置するベルトコンベヤ(22)は、シート幅方向に平行に並ぶ複数の分割コンベヤ(23)からなり、前記各分割コンベヤ(23)は、シート幅方向の両側の側縁が中央よりも上側に位置する上反り状態に変形させた状態で前記片面段ボールシート(4)を排出することができるように個別に揺動可能に支持されている請求項1または2に記載の片面段ボールシート用シートスタッカ。
【請求項4】
前記シート側縁支持ガイド(34)は、シート搬送方向と平行に設けた揺動軸(40)を中心として、前記シート側縁支持ガイド(34)の前記片面段ボールシート(4)の側縁と対向するガイド面(41)が下すぼまりの方向に傾斜する前記シート保持位置と、前記ガイド面(41)の傾斜が鉛直方向に開き、前記シート側縁支持ガイド(34)に支持されて前記フロントガイド(31)に到達した片面段ボールシート(4)が落下する、前記シート保持解除位置との間で揺動する請求項1から3のいずれかに記載の片面段ボールシート用シートスタッカ。
【請求項5】
前記シート積層部(11)に、前記シート側縁支持ガイド(34)から落下する片面段ボールシート(4)の後端を押し揃えるように往復動するバックジョガー(32)が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の片面段ボールシート用シートスタッカ。
【請求項6】
前記シート側縁支持ガイド(34)は、前記片面段ボールシート(4)の幅寸法に応じてシート幅方向に移動可能に設けられ、
前記フロントガイド(31)は、シート幅方向に並んで複数設けられ、
前記複数のフロントガイド(31)のうち、シート幅方向の外側に位置するフロントガイド(31)は、前記片面段ボールシート(4)の先端を受け止める受け止め位置と、前記シート側縁支持ガイド(34)と干渉しないように前記受け止め位置から上方に移動した退避位置との間で昇降可能に設けられている請求項1から5のいずれかに記載の片面段ボールシート用シートスタッカ。
【請求項7】
前記シート積層部(11)には、シート幅方向の中央を昇降可能な仕切板(70)が設けられている請求項1から6のいずれかに記載の片面段ボールシート用シートスタッカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上流側から搬送される枚葉の片面段ボールシートを順に積み重ねてシート山を形成する片面段ボールシート用シートスタッカに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の破損防止用の緩衝材として、あるいは包装箱の素材として、片面段ボールシートが広く使用されている。片面段ボールシートは、波形に成形された中しんとその中しんの片側に貼り合わされたライナとからなり、一般的な両面段ボールシート(中しんと、中しんの一方側に貼り合わされた表ライナと、中しんの他方側に貼り合わされた裏ライナとからなる段ボールシート)と比べて柔軟性があり、緩衝性能に優れるという特徴を有する。
【0003】
この片面段ボールシートを製造するに際しては、まず、シングルフェーサで進行方向に途切れることなく連続する片面段ボールを形成し、その後、シングルフェーサの下流側に配置されたカットオフで幅方向(進行方向に直交する方向)に沿って切断して枚葉とし、その枚葉の片面段ボールシートを、カットオフの下流側に配置されたシートスタッカで積み重ねてシート山とすることが一般的である。
【0004】
この片面段ボールシートの製造に用いるシートスタッカとして、本願の出願人は、特許文献1のものを提案している。特許文献1のシートスタッカは、枚葉の片面段ボールシートを、シート搬送方向の前後に隣り合う片面段ボールシートが屋根瓦状に重なった状態で搬送するラップコンベヤと、そのラップコンベヤから排出される片面段ボールシートが落下して積み重なるシート積層部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の片面段ボールシート用シートスタッカにおいて、片面段ボールシートは、中しんの段目に直交する方向をシート搬送方向とする向きで搬送される。そのため、片面段ボールシートがラップコンベヤから排出されるとき、その片面段ボールシートの先端が自重で垂れ下がりやすい。
【0007】
また、特許文献1の片面段ボールシート用シートスタッカにおいて、片面段ボールシートは、中しんを上側、ライナを下側とする向きでラップコンベヤで搬送されるので、ラップコンベヤからシート積層部に排出されて積み重なる片面段ボールシートの上面は、波形の中しんの凹凸面となっている。
【0008】
そのため、片面段ボールシートがラップコンベヤから排出されるときに、その片面段ボールシートの垂れ下がった先端が、先にシート積層部に積み重なった片面段ボールシートの上面(中しんの凹凸面)に引っ掛かり、その引っ掛かりによってラップコンベヤから排出される片面段ボールシートに屈曲が生じ、詰まってしまうという問題があった。
【0009】
この問題を解消するため、特許文献1の片面段ボールシート用シートスタッカにおいては、シート積層部に、スパイラルブラシローラを設けるという対策を講じている。スパイラルブラシローラは、上下方向の軸心まわりに回転可能に支持されたローラの外周に螺旋状にブラシを植え込んだものであり、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートの側縁を、螺旋状のブラシで上方に持ち上げるように常時モータで回転駆動される。
【0010】
このスパイラルブラシローラは、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートの側縁を上方に持ち上げることで、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートの先端が垂れ下がるのを防止することを目的とする。
【0011】
しかしながら、シート積層部にスパイラルブラシローラを設けても、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートの先端が、スパイラルブラシローラに到達する前に垂れ下がり、先にシート積層部に積み重なった片面段ボールシートの上面(中しんの凹凸面)に引っ掛かってしまったり、また、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートの先端がスパイラルブラシローラに到達しても、その後フロントガイドに到達する前に片面段ボールシートの先端が垂れ下がり、先にシート積層部に積み重なった片面段ボールシートの上面(中しんの凹凸面)に引っ掛かってしまったりすることが多く、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートを、安定して積層することが難しかった。
【0012】
この発明が解決しようとする課題は、安定して片面段ボールシートを積み重ねることが可能な片面段ボールシート用シートスタッカを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、この発明では、以下の構成の片面段ボールシート用シートスタッカを提供する。
すなわち、波形に成形された中しんとその中しんの片側に貼り合わされたライナとからなる枚葉の片面段ボールシートを、前記中しんを上側、前記ライナを下側とし、前記中しんの段目に直交する方向をシート搬送方向とし、シート搬送方向の前後に隣り合う片面段ボールシートが屋根瓦状に重なった状態で搬送するラップコンベヤと、
前記ラップコンベヤの下流側に配置され、前記ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートが落下して積み重なるシート積層部と、を有する片面段ボールシート用シートスタッカにおいて、
前記シート積層部には、
前記ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートの側縁をシート搬送方向に沿って支持するシート保持位置と、前記片面段ボールシートの側縁の支持を解除して片面段ボールシートを落下させるシート保持解除位置との間で移動可能に支持されたシート側縁支持ガイドと、
前記シート側縁支持ガイドを前記シート保持位置と前記シート保持解除位置との間で往復動させるシート側縁支持ガイド往復駆動装置と、
前記ラップコンベヤから排出された片面段ボールシートの先端を受け止めるフロントガイドと、が設けられ、
前記シート側縁支持ガイドは、前記ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートの側縁とシート幅方向に対向するように配置された板状の部材であり、前記片面段ボールシートの側縁と対向するガイド面が下すぼまりの方向に傾斜しており、前記ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートの先端が前記フロントガイドに到達するまで前記片面段ボールシートの側縁を支持するように前記フロントガイドの位置まで延びて形成されている、ことを特徴とする片面段ボールシート用シートスタッカを提供する。
【0014】
このようにすると、片面段ボールシートがラップコンベヤからシート積層部に排出されるときに、その片面段ボールシートの側縁が、シート側縁支持ガイドで支持される。このとき、片面段ボールシートの自重で、片面段ボールシートの幅方向の中央が片面段ボールシートの側縁よりも下側にたわむので、シート側縁支持ガイドで支持された片面段ボールシートは、その側縁が中央よりも上側に位置する上反りの状態となり、その反りによって、片面段ボールシートのシート搬送方向の剛性が高まり、片面段ボールシートの先端が垂れ下がるのを防止することができる。ここで、シート側縁支持ガイドは、ガイド面が下すぼまりの方向に傾斜しており、フロントガイドの位置まで延びて形成されているので、片面段ボールシートは、自重による上反り状態を増しながらも傾斜したシート側縁支持ガイドに支持され、フロントガイドに到達する。そのため、片面段ボールシートの先端がフロントガイドに到達する前に、先にシート積層部に積み重なった片面段ボールシートの上面(波形の中しんの凹凸面)に引っ掛かってしまうのを防止することができる。そして、シート側縁支持ガイド往復駆動装置が、シート側縁支持ガイドを、シート保持位置とシート保持解除位置との間で往復動させるので、シート側縁支持ガイドで上反り状態に支持されてフロントガイドまで到達した片面段ボールシートは、シート側縁支持ガイドがシート保持解除位置に移動したときに、シート側縁支持ガイドから落下し、シート積層部のシート山の上に積み重なる。以上のように、ラップコンベヤからシート積層部に排出される枚葉の片面段ボールシートの先端が、先にシート積層部に積み重なった片面段ボールシートの上面(波形の中しんの凹凸面)に引っ掛からないので、安定して片面段ボールシートを積み重ねることが可能である。
【0015】
前記ラップコンベヤの下流側端部の上方に、前記片面段ボールシートを前記ラップコンベヤの下流側端部の上面に押し付けるシート押さえローラを設けると好ましい。
【0016】
このようにすると、シート押さえローラが、片面段ボールシートをラップコンベヤの下流側端部の上面に押し付けるので、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートを、ラップコンベヤからの排出が完了する直前まで、確実にシート搬送方向の前方に運ぶことが可能となる。そのため、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートを、シート側縁支持ガイドでスライド可能に支持しながら、フロントガイドに到達するまで確実に送り出すことができる。
【0017】
前記ラップコンベヤは、シート搬送方向に一連に並ぶ複数のベルトコンベヤで構成され、その複数のベルトコンベヤのうち最も下流側に位置するベルトコンベヤは、シート幅方向に平行に並ぶ複数の分割コンベヤからなり、前記各分割コンベヤは、シート幅方向の両側の側縁が中央よりも上側に位置する上反り状態に変形させた状態で前記片面段ボールシートを排出することができるように個別に揺動可能に支持されている構成を採用すると好ましい。
【0018】
このようにすると、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートが確実に上反り状態となり、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートの先端が垂れ下がるのを効果的に防止することが可能となる。
【0019】
前記シート側縁支持ガイドは、シート搬送方向と平行に設けた揺動軸を中心として、前記シート側縁支持ガイドの前記片面段ボールシートの側縁と対向するガイド面が下すぼまりの方向に傾斜する前記シート保持位置と、前記ガイド面の傾斜が鉛直方向に開き、前記シート側縁支持ガイドに支持されて前記フロントガイドに到達した片面段ボールシートが落下する、前記シート保持解除位置との間で揺動する構成を採用することができる。
【0020】
このようにすると、シート側縁支持ガイドの揺動により、ラップコンベヤから排出される片面段ボールシートの側縁をシート側縁支持ガイドで支持する動作と、フロントガイドに到達した片面段ボールシートを落下させる動作を同時に行なうことが可能である。
【0021】
前記シート積層部に、前記シート側縁支持ガイドから落下する片面段ボールシートの後端を押し揃えるように往復動するバックジョガーが設けられている構成を採用すると好ましい。
【0022】
このようにすると、片面段ボールシートの落下位置を、効果的にシート搬送方向に揃えることが可能となる。すなわち、一般に、片面段ボールシートは、シート搬送方向(中しんの段目に直交する方向)の剛性が弱く、そのため、落下する片面段ボールシートの後端を押圧しても、片面段ボールシートの後端部分が変形して押圧力が吸収されてしまい、落下する片面段ボールシートの全体をシート搬送方向に押し動かすことが難しいが、上記の片面段ボールシート用シートスタッカにおいては、片面段ボールシートがシート側縁支持ガイドから上反り状態で落下し、上反り状態では片面段ボールシートのシート搬送方向の剛性が高くなるので、落下する片面段ボールシートの後端を押圧したときに、その押圧力が片面段ボールシートのシート搬送方向の全長にわたって伝わり、落下する片面段ボールシートの全体をシート搬送方向に押し動かすことが可能である。そのため、片面段ボールシートの落下位置を、効果的にシート搬送方向に揃えることが可能である。
【0023】
前記シート側縁支持ガイドは、前記片面段ボールシートの幅寸法に応じてシート幅方向に移動可能に設けられ、
前記フロントガイドは、シート幅方向に並んで複数設けられ、
前記複数のフロントガイドのうち、シート幅方向の外側に位置するフロントガイドは、前記片面段ボールシートの先端を受け止める受け止め位置と、前記シート側縁支持ガイドと干渉しないように前記受け止め位置から上方に移動した退避位置との間で昇降可能に設けられている構成を採用すると好ましい。
【0024】
このようにすると、シート幅方向に並ぶ複数のフロントガイドのうち、シート幅方向の外側のフロントガイドが昇降可能とされているので、シート側縁支持ガイドを片面段ボールシートの幅寸法に応じてシート幅方向の内側に移動させたときに、シート側縁支持ガイドがフロントガイドに干渉するのを防止することができる。そのため、片面段ボールシートの生産ロットが切り替わり、片面段ボールシートの幅寸法が変化する場合に、その片面段ボールシートの幅寸法に対応してシート側縁支持ガイドを移動させることが可能である。
【0025】
前記シート積層部に、シート幅方向の中央を昇降可能な仕切板を設けると好ましい。
【0026】
このようにすると、シート幅方向の中央で分割された二丁取りの片面段ボールシートを生産するときに、仕切板を下降させ、片面段ボールシートの一方の側縁をシート側縁支持ガイドで支持し、片面段ボールシートの他方の側縁を仕切板に接触させることで、片面段ボールシートの先端の垂れ下がりを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
この発明の片面段ボールシート用シートスタッカは、ラップコンベヤからシート積層部に排出される枚葉の片面段ボールシートの先端が、先にシート積層部に積み重なった片面段ボールシートの上面(中しんの凹凸面)に引っ掛からないので、安定して片面段ボールシートを積み重ねることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】この発明の実施形態の片面段ボールシート用シートスタッカを用いた片面段ボールシート製造装置のシートスタッカとその周辺を模式的に示す図
【
図2】
図1に示すラップコンベヤを構成する一連のベルトコンベヤのうち、シート積層部の直前に位置するベルトコンベヤを示す斜視図
【
図3】
図1に示すシート積層部とその直前に位置するベルトコンベヤの平面図
【
図6】
図3に示す仕切板とその昇降装置をシート幅方向から見た断面図
【
図7】
図3に示すベルトコンベヤをシート積層部の側から見た図
【
図8】
図3に示すシート側縁支持ガイドとその近傍を拡大して示す図
【
図9】
図4に示すシート側縁支持ガイドとその近傍を拡大して示す図
【
図10】
図9に示すシート側縁支持ガイドがシート保持位置からシート保持解除位置に揺動し、シート側縁支持ガイドからシート山に片面段ボールシートが落下した状態を示す図
【
図11】
図3に示すシート積層部のシート山、フロントガイド、バックジョガー、サイドジョガーを上方から見た断面図
【
図12】二丁取りの片面段ボールシートを生産するときに、
図4に示す仕切板を下降させ、その仕切板とシート側縁支持ガイドとで片面段ボールシートの側縁を支持した状態を模式的に示す図
【
図13】
図12に示す状態において、シート積層部のシート山、仕切板、フロントガイド、バックジョガー、サイドジョガーを上方から見た断面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に、この発明の実施形態の片面段ボールシート用シートスタッカ1を用いた片面段ボールシート製造装置の下流側部分を示す。この片面段ボールシート製造装置は、上流側端部に配置されたシングルフェーサ(図示せず)で進行方向に途切れることなく連続する片面段ボール2を形成し、その後、シングルフェーサの下流側に配置されたカットオフ3で片面段ボール2を幅方向(進行方向に直交する方向)に沿って切断して枚葉の片面段ボールシート4とし、その枚葉の片面段ボールシート4を、カットオフ3の下流側に配置された片面段ボールシート用シートスタッカ1で積み重ねてシート山5とするように構成されている。カットオフ3の上流側には、片面段ボール2の幅方向の中央を切断して進行方向に沿って2分割することが可能なスリッタ(図示せず)が配置されている。
【0030】
カットオフ3は、上流側から搬送される片面段ボール2を間にして上下に配置されたナイフシリンダ6を有する。各ナイフシリンダ6の外周にはナイフが固定されている。カットオフ3は、上下のナイフシリンダ6を回転させることで上下のナイフを係合させ、この上下のナイフで片面段ボール2の切断を行なう。
【0031】
カットオフ3の下流側には、カットオフ出口コンベヤ8、反り形成コンベヤ9、片面段ボールシート用シートスタッカ1が順に設けられている。片面段ボールシート用シートスタッカ1は、片面段ボールシート4を、シート搬送方向の前後に隣り合う片面段ボールシート4が屋根瓦状に重なった状態(ラップ状態)で搬送するラップコンベヤ10と、ラップコンベヤ10の下流側に配置されたシート積層部11とを有する。シート積層部11では、ラップコンベヤ10から排出される片面段ボールシート4が落下して積み重なり、シート山5が形成される。
【0032】
カットオフ出口コンベヤ8は、片面段ボールシート4同士が重ならずにシート搬送方向の前後に隙間がある状態(すなわち片面段ボールシート4の上面全体が露出した状態)で片面段ボールシート4を搬送するコンベヤである。カットオフ出口コンベヤ8の搬送速度は、カットオフ3の上流側の片面段ボール2の速度と同一かそれよりも速い。そのため、カットオフ3で切断して枚葉とされた片面段ボールシート4がカットオフ出口コンベヤ8上で互いに重なることはない。
【0033】
反り形成コンベヤ9は、シート幅方向に平行に並ぶ複数の分割コンベヤ12からなる。各分割コンベヤ12は、下流側端部に設けられたヘッドプーリ13と、上流側端部に設けられたテールプーリ14と、ヘッドプーリ13とテールプーリ14の間に架け渡された搬送ベルト15とを有する。各分割コンベヤ12は、ヘッドプーリ13を揺動端とするように個別に揺動可能に支持されるとともに、昇降シリンダ16で個別に揺動して搬送面の角度調整をすることが可能となっている。反り形成コンベヤ9の搬送速度は、カットオフ出口コンベヤ8の搬送速度と同じとされている。この反り形成コンベヤ9は、カットオフ出口コンベヤ8から送り込まれる片面段ボールシート4を、シート幅方向の両側の側縁が中央よりも上側に位置する上反り状態に変形させ、その状態で片面段ボールシート4を下流側のラップコンベヤ10に排出する。反り形成コンベヤ9は、片面段ボールシート4を上反り状態で排出することで、反り形成コンベヤ9からラップコンベヤ10に片面段ボールシート4を排出する際に片面段ボールシート4の先端が垂れ下がるのを防止し、これにより、反り形成コンベヤ9から排出される片面段ボールシート4の先端が、先にラップコンベヤ10に着地した片面段ボールシート4の上面に引っ掛かるのを防止している。
【0034】
ラップコンベヤ10の搬送速度は、反り形成コンベヤ9の搬送速度よりも遅く、その速度差により、ラップコンベヤ10上では、シート搬送方向の前後に隣り合う片面段ボールシート4同士が屋根瓦状に重なるようになっている。片面段ボールシート4は、
図2に示すように、波形に成形された中しん17とその中しん17の片側に貼り合わされたライナ18とからなり、中しん17を上側、ライナ18を下側とし、中しん17の段目に直交する方向をシート搬送方向として搬送される。
【0035】
図1に示すように、ラップコンベヤ10は、シート搬送方向に一連に並ぶ複数のベルトコンベヤ19~22で構成されている。複数のベルトコンベヤ19~22のうち、最も下流側に位置するベルトコンベヤ22は、
図2、
図7に示すように、シート幅方向に平行に並ぶ複数の分割コンベヤ23からなる。
図1に示すように、各分割コンベヤ23は、下流側端部に設けられたヘッドプーリ24と、上流側端部に設けられたテールプーリ25と、ヘッドプーリ24とテールプーリ25の間に架け渡された搬送ベルト26とを有する。各分割コンベヤ23は、ヘッドプーリ24を揺動端として個別に揺動可能に支持されるとともに、各分割コンベヤ23に取り付けた昇降シリンダ27で個別に揺動して搬送面の角度調整をすることが可能となっている。
【0036】
ベルトコンベヤ22の下流側端部の上方には、片面段ボールシート4をベルトコンベヤ22の下流側端部の上面に押し付けるシート押さえローラ28が設けられている。シート押さえローラ28は、シート搬送方向に並んで複数設けられている。最も下流側に位置するシート押さえローラ28は、ベルトコンベヤ22のヘッドプーリ24と上下に対向する位置に配置されている。各シート押さえローラ28は、ゴムで形成されている。
図5、
図7に示すように、各シート押さえローラ28は、上下に移動可能に支持され、エアシリンダ29で下方に付勢されている。
【0037】
図2、
図5、
図7に示すように、ベルトコンベヤ22は、片面段ボールシート4の幅方向の両側部分に対応する分割コンベヤ23を、片面段ボールシート4の幅方向の中央部分に対応する分割コンベヤ23に対して上り勾配となるように上側に角度調整した状態で片面段ボールシート4を搬送し、これにより、上流側に隣接するベルトコンベヤ21(
図1参照)から送り込まれる片面段ボールシート4を、シート幅方向の両側の側縁が中央よりも上側に位置する上反り状態に変形させ、その状態で片面段ボールシート4を下流側のシート積層部11(
図5参照)に排出する。
【0038】
図1に示すように、シート積層部11は、シート山5を支持する昇降コンベヤ30と、シート山5の前側に位置するフロントガイド31と、シート山5の後側に位置するバックジョガー32と、シート山5の側方に位置するサイドジョガー33と、サイドジョガー33の上方に位置するシート側縁支持ガイド34とを有する。ここで、シート山5の前後方向は、ラップコンベヤ10のシート搬送方向の前後方向に対応し、シート山5の側方は、シート幅方向(ラップコンベヤ10のシート搬送方向に直交する方向)に対応する方向である。
【0039】
図4、
図5に示すように、昇降コンベヤ30は、昇降フレーム35と、昇降フレーム35に支持されたヘッドプーリ36およびテールプーリ37と、ヘッドプーリ36とテールプーリ37の間に架け渡された搬送ベルト38とを有する。昇降フレーム35には、図示しない昇降駆動装置が接続され、その昇降駆動装置で昇降フレーム35を任意の高さ位置に移動することができるようになっている。昇降コンベヤ30は、シート山5の高さが次第に高くなるにつれて昇降フレーム35を次第に下降させ、ベルトコンベヤ22(
図5参照)の搬送面の高さとシート山5の上面の高さとの位置関係を一定に維持する。そして、昇降コンベヤ30は、シート山5の高さが所定の上限高さに達したときに、シート積層部11の下流側に隣接して配置された図示しない出口コンベヤの高さまで急速下降し、その出口コンベヤにシート山5を排出した後、上昇復帰する。
【0040】
図3、
図4に示すように、シート側縁支持ガイド34は、片面段ボールシート4の側縁とシート幅方向に対向するように配置された板状の部材である。シート側縁支持ガイド34は、ベルトコンベヤ22(
図5参照)から排出される片面段ボールシート4を間に挟んでシート幅方向に対向するように一対設けられている。
図4に示すように、各シート側縁支持ガイド34は、シート搬送方向と平行に設けた揺動軸40を中心として揺動可能に支持されている。揺動軸40は、シート側縁支持ガイド34の背面側の上下方向の中央よりも上側に配置されている。
【0041】
図9、
図10に示すように、シート側縁支持ガイド34は、シート山5の一番上に積み重なった片面段ボールシート4よりも上方にシート側縁支持ガイド34の下端が位置するように配置されている。シート側縁支持ガイド34は、ベルトコンベヤ22(
図1参照)から排出される片面段ボールシート4の側縁と対向する平面状のガイド面41を有する。シート側縁支持ガイド34には、ガイド面41が下すぼまりの方向に傾斜するシート保持位置(
図4、
図9に示す位置)と、ガイド面41が鉛直方向に開いたシート保持解除位置(
図10に示す位置)との間でシート側縁支持ガイド34を往復動させるシート側縁支持ガイド往復駆動装置42が取り付けられている。
【0042】
図8、
図9に示すように、シート側縁支持ガイド往復駆動装置42は、電動モータ43(
図8参照)と、電動モータ43で回動駆動される回動軸44と、回動軸44に固定して取り付けられたカム体45と、カム体45の非円形の外周面に摺接する摺接部材46とを有する。摺接部材46は、シート側縁支持ガイド34の背面に固定して設けられている。このシート側縁支持ガイド往復駆動装置42は、電動モータ43でカム体45を回動させることで、シート側縁支持ガイド34をシート保持位置(
図4、
図9に示す位置)とシート保持解除位置(
図10に示す位置)との間で往復動させる。
【0043】
図9に示すように、シート側縁支持ガイド34を支持する揺動軸40は、揺動軸支持部材47に支持されている。揺動軸支持部材47は、リニアガイド48でシート幅方向に移動可能に支持されている。また、揺動軸支持部材47には、シート幅方向に延びるラック49が固定され、そのラック49にピニオン50が噛み合っている。ピニオン50には、回転軸51を介して電動モータ52(
図8参照)が接続されている。この電動モータ52で揺動軸支持部材47の位置を調整することで、シート側縁支持ガイド34のガイド面41の傾斜角度を調整することが可能となっている。
【0044】
サイドジョガー33は、シート山5の一番上に積み重なった片面段ボールシート4よりも下方にサイドジョガー33の下端が位置し、シート山5の一番上に積み重なった片面段ボールシート4よりも上方にサイドジョガー33の上端が位置するように配置されている。
図11に示すように、サイドジョガー33は、サイドジョガー33の背面に取り付けられたリニアガイド53でシート幅方向にスライド可能に支持されている。また、サイドジョガー33は、サイドジョガー33の背面に取り付けられたエアシリンダ54でシート幅方向に往復動し、
図9、
図10に示すように、シート側縁支持ガイド34から落下してシート山5に積み重なる直前の片面段ボールシート4の側縁と、シート山5の最上部に積み重なった直後の片面段ボールシート4の側縁とを押し揃える。
【0045】
図4、
図5に示すように、シート側縁支持ガイド34、シート側縁支持ガイド往復駆動装置42、サイドジョガー33は、シート幅方向移動フレーム55に支持されている。
図5に示すように、シート幅方向移動フレーム55は、シート積層部11の前側上方に固定して設けられたシート幅方向に延びるフロントフレーム56と、シート積層部11の後側上方に固定して設けられたシート幅方向に延びるバックフレーム57とでシート幅方向に移動可能に支持されている。フロントフレーム56とバックフレーム57には、一対のシート幅方向移動フレーム55を、シート幅方向に対称に移動させるシート幅方向移動装置58が設けられている。この構成により、シート側縁支持ガイド34、シート側縁支持ガイド往復駆動装置42、サイドジョガー33は、生産する片面段ボールシート4の幅寸法に応じてシート幅方向に移動可能とされている。
【0046】
図4に示すように、フロントガイド31は、シート幅方向に並んで複数(図では8つ)設けられている。また、フロントガイド31は、シート幅方向の中央に間隔をおいてその両側に対称に配置されている。この複数のフロントガイド31のうち、シート幅方向の外側に位置するフロントガイド31(ここではシート幅方向の最も内側に位置するフロントガイド31以外のフロントガイド31)は、ベルトコンベヤ22(
図5参照)から排出された片面段ボールシート4の先端を受け止める受け止め位置と、シート側縁支持ガイド34と干渉しないように受け止め位置から上方に移動した退避位置との間で個別にリニアガイド60(
図3参照)で昇降可能に支持されている。また、シート幅方向の外側に位置する各フロントガイド31には、各フロントガイド31を昇降させるエアシリンダ61が取り付けられている。
【0047】
各フロントガイド31、リニアガイド60、エアシリンダ61は、シート搬送方向移動フレーム62に支持されている。
図3に示すように、シート搬送方向移動フレーム62は、シート積層部11のシート幅方向の両側に配置されたシート搬送方向に延びる一対のサイドフレーム63でシート搬送方向に移動可能に支持されている。サイドフレーム63には、シート搬送方向移動フレーム62をシート搬送方向に移動させるシート搬送方向移動装置64が設けられている。この構成により、各フロントガイド31、リニアガイド60、エアシリンダ61は、生産する片面段ボールシート4の搬送方向の長さ寸法に応じてシート搬送方向に移動可能とされている。
【0048】
図1に示すように、バックジョガー32は、シート山5を間にしてフロントガイド31とシート搬送方向に対向するように設けられている。バックジョガー32は、シート山5の一番上に積み重なった片面段ボールシート4よりも下方にバックジョガー32の下端が位置し、シート山5の一番上に積み重なった片面段ボールシート4よりも上方にバックジョガー32の上端が位置するように配置されている。
【0049】
図7に示すように、バックジョガー32は、ベルトコンベヤ22のヘッドプーリ24の下側に配置されている。バックジョガー32は、シート幅方向に並んで複数(図では4つ)設けられている。バックジョガー32の上縁には、ヘッドプーリ24に対応する位置にヘッドプーリ24に対応する幅をもつ凹部65が形成されている。バックジョガー32は、バックジョガー32の背面に取り付けられたエアシリンダ66でシート搬送方向に個別に往復動し、シート側縁支持ガイド34から落下してシート山5(
図1参照)に積み重なる直前の片面段ボールシート4の後端と、シート山5の最上部に積み重なった直後の片面段ボールシート4の後端とを押し揃える。エアシリンダ66は、各バックジョガー32に個別に設けられ、生産する片面段ボールシート4の幅方向の寸法に応じて選択的にバックジョガー32を駆動することで、バックジョガー32がサイドフレーム63(
図8参照)に干渉するのを回避可能となっている。
【0050】
図4に示すように、シート積層部11には、シート幅方向の中央に仕切板70が設けられている。
図6に示すように、仕切板70は、センターフレーム71に取り付けたガイド部材72で上下に移動可能に支持されている。センターフレーム71には、仕切板70を昇降させるエアシリンダ73が取り付けられている。センターフレーム71は、フロントフレーム56のシート幅方向の中央と、バックフレーム57のシート幅方向の中央とを架け渡す固定のフレームである。
【0051】
上記の片面段ボールシート用シートスタッカ1は、
図3、
図8の一点鎖線で示すように、ベルトコンベヤ22からシート積層部11に排出される片面段ボールシート4の側縁を、
図4、
図9の一点鎖線で示すように、シート側縁支持ガイド34でシート搬送方向に沿って支持する。このとき、片面段ボールシート4の自重で、片面段ボールシート4の幅方向の中央が片面段ボールシート4の側縁よりも下側にたわむので、シート側縁支持ガイド34で支持された片面段ボールシート4は、その側縁が中央よりも上側に位置する上反りの状態となり、その反りによって、片面段ボールシート4のシート搬送方向の剛性が高まり、片面段ボールシート4の先端が垂れ下がるのを防止することができる。ここで、
図1に示すように、シート側縁支持ガイド34は、フロントガイド31の位置まで延びて形成されているので、片面段ボールシート4の上反り状態は、片面段ボールシート4の先端がフロントガイド31に到達するまで維持される。そのため、片面段ボールシート4の先端がフロントガイド31に到達する前に、先にシート積層部11に積み重なった片面段ボールシート4の上面(波形の中しん17の凹凸面)に引っ掛かってしまうのを防止することができる。そして、
図9、
図10に示すように、シート側縁支持ガイド往復駆動装置42が、シート側縁支持ガイド34を、シート保持位置(
図9に示す位置)とシート保持解除位置(
図10に示す位置)との間で往復動させるので、
図9に示すように、片面段ボールシート4は、フロントガイド31に到達するまで自重による上反り状態を増しながら傾斜したシート側縁支持ガイド34に支持され、
図10に示すように、シート側縁支持ガイド34がシート保持解除位置に移動したときに、シート側縁支持ガイド34から落下し、シート積層部11のシート山5の上に積み重なる。以上のように、
図1に示すベルトコンベヤ22からシート積層部11に排出される枚葉の片面段ボールシート4の先端が、先にシート積層部11に積み重なった片面段ボールシート4の上面(波形の中しん17の凹凸面)に引っ掛からないので、安定して片面段ボールシート4を積み重ねることが可能である。
【0052】
また、この片面段ボールシート用シートスタッカ1は、
図2、
図5に示すように、ベルトコンベヤ22の下流側端部の上方に設けたシート押さえローラ28が、片面段ボールシート4をベルトコンベヤ22の下流側端部の上面に押し付けるので、ベルトコンベヤ22から排出される片面段ボールシート4を、ベルトコンベヤ22からの排出が完了する直前まで、確実にシート搬送方向の前方に運ぶことが可能である。そのため、ベルトコンベヤ22から排出される片面段ボールシート4を、シート側縁支持ガイド34でスライド可能に支持しながら、フロントガイド31に到達するまで確実に送り出すことができる。
【0053】
また、この片面段ボールシート用シートスタッカ1は、
図1に示すように、ラップコンベヤ10を構成する複数のベルトコンベヤ19~22のうち最も下流側に位置するベルトコンベヤ22を、個別に揺動可能に支持された分割コンベヤ23としているので、ベルトコンベヤ22からシート積層部11に排出される片面段ボールシート4を確実に上反り状態とすることができ、片面段ボールシート4の先端が垂れ下がるのを効果的に防止することが可能である。
【0054】
また、この片面段ボールシート用シートスタッカ1は、
図1に示すように、片面段ボールシート4の落下位置を、バックジョガー32で効果的にシート搬送方向に揃えることが可能である。すなわち、一般に、片面段ボールシート4は、シート搬送方向(
図2に示す中しん17の段目に直交する方向)の剛性が弱く、そのため、落下する片面段ボールシート4の後端を押圧しても、片面段ボールシート4の後端部分が変形して押圧力が吸収されてしまい、落下する片面段ボールシート4の全体をシート搬送方向に押し動かすことが難しいが、上記の片面段ボールシート用シートスタッカ1においては、
図9、
図10に示すように、片面段ボールシート4がシート側縁支持ガイド34から上反り状態で落下し、上反り状態では片面段ボールシート4のシート搬送方向の剛性が高くなるので、落下する片面段ボールシート4の後端を
図1に示すバックジョガー32で押圧したときに、その押圧力が片面段ボールシート4のシート搬送方向の全長にわたって伝わり、落下する片面段ボールシート4の全体をシート搬送方向に押し動かすことが可能である。そのため、片面段ボールシート4の落下位置を、効果的にシート搬送方向に揃えることが可能である。
【0055】
また、この片面段ボールシート用シートスタッカ1は、
図4に示すように、シート幅方向に並ぶ複数のフロントガイド31のうち、シート幅方向の外側のフロントガイド31が昇降可能とされているので、シート側縁支持ガイド34を片面段ボールシート4の幅寸法に応じてシート幅方向の内側に移動させたときに、シート側縁支持ガイド34がフロントガイド31に干渉するのを防止することができる。そのため、片面段ボールシート4の生産ロットが切り替わり、片面段ボールシート4の幅寸法が変化する場合に、その片面段ボールシート4の幅寸法に対応してシート側縁支持ガイド34を移動させることが可能である。
【0056】
また、この片面段ボールシート用シートスタッカ1は、
図12、
図13に示すように、シート幅方向の中央で分割された二丁取りの片面段ボールシート4を生産するときに、仕切板70を下降させ、片面段ボールシート4の一方の側縁をシート側縁支持ガイド34で支持し、片面段ボールシート4の他方の側縁を仕切板70に接触させることで、片面段ボールシート4の先端の垂れ下がりを防止することが可能である。
図14に示すように、仕切板70に、シート搬送方向に延びる突起74を設けてもよい。このようにすると、片面段ボールシート4のシート幅方向の寸法が大きいときにも、仕切板70による片面段ボールシート4の側縁の支持を安定したものとすることができる。
【符号の説明】
【0057】
1 シートスタッカ
4 片面段ボールシート
10 ラップコンベヤ
11 シート積層部
17 中しん
18 ライナ
19~22 ベルトコンベヤ
23 分割コンベヤ
28 シート押さえローラ
31 フロントガイド
32 バックジョガー
34 シート側縁支持ガイド
40 揺動軸
41 ガイド面
42 シート側縁支持ガイド往復駆動装置
70 仕切板