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  • 特開-ギアド圧縮機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082432
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】ギアド圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/053 20060101AFI20230607BHJP
   F16H 1/20 20060101ALI20230607BHJP
   F04D 17/12 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
F04D29/053 A
F16H1/20
F04D17/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196199
(22)【出願日】2021-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】310010564
【氏名又は名称】三菱重工コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅博
(72)【発明者】
【氏名】米村 直人
(72)【発明者】
【氏名】二神 裕嗣
【テーマコード(参考)】
3H130
3J009
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB42
3H130AB62
3H130AB65
3H130AB69
3H130AB70
3H130AC01
3H130BA66G
3H130BA97G
3H130DA02Z
3H130DB01Z
3H130DD06Z
3H130DE04X
3H130EA06G
3H130EA07G
3J009DA17
3J009EA04
3J009EA05
3J009EA12
3J009EA21
3J009EA34
3J009EA36
3J009EA44
3J009FA30
(57)【要約】
【課題】出力を向上させつつ、占有スペースの増大を抑制することができるギアド圧縮機を提供する。
【解決手段】モータの回転によって回転される駆動歯車と、駆動歯車に噛み合う中間歯車と、中間歯車に対して離れた位置で、駆動歯車に噛み合う第一駆動側ピニオンと、駆動歯車に対して離れた位置で中間歯車に噛み合う第一中間側ピニオンと、駆動歯車及び第一中間側ピニオンに対して離れた位置で中間歯車と噛み合う第二中間側ピニオンと、第一駆動側ピニオンに接続され、第一駆動側ピニオンの回転によって外部から供給される作動流体を圧縮する第一圧縮部と、第一中間側ピニオンに接続され、第一中間側ピニオンの回転によって外部から供給される作動流体を圧縮する第二圧縮部と、第二中間側ピニオンに接続され、第一圧縮部及び第二圧縮部の少なくとも一方によって圧縮された作動流体をさらに圧縮する一軸多段圧縮機と、を備えるギアド圧縮機。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの回転によって回転される駆動歯車と、
前記駆動歯車に噛み合う中間歯車と、
前記中間歯車に対して離れた位置で、前記駆動歯車に噛み合う第一駆動側ピニオンと、
前記駆動歯車に対して離れた位置で、前記中間歯車に噛み合う第一中間側ピニオンと、
前記駆動歯車及び前記第一中間側ピニオンに対して離れた位置で、前記中間歯車と噛み合う第二中間側ピニオンと、
前記第一駆動側ピニオンに接続され、前記第一駆動側ピニオンの回転によって外部から供給される作動流体を圧縮する第一圧縮部と、
前記第一中間側ピニオンに接続され、前記第一中間側ピニオンの回転によって外部から供給される作動流体を圧縮する第二圧縮部と、
前記第二中間側ピニオンに接続され、前記第一圧縮部及び前記第二圧縮部の少なくとも一方によって圧縮された前記作動流体をさらに圧縮する一軸多段圧縮機と、を備えるギアド圧縮機。
【請求項2】
前記第一駆動側ピニオン、前記第一中間側ピニオン、及び前記第二中間側ピニオンの外径は、前記駆動歯車の外径よりも小さい請求項1に記載のギアド圧縮機。
【請求項3】
前記第二圧縮部は、前記第一圧縮部よりも前段で前記作動流体を圧縮する請求項1又は2に記載のギアド圧縮機。
【請求項4】
前記中間歯車は、前記駆動歯車の上半部で前記駆動歯車に噛み合い、
前記第二中間側ピニオンは、前記中間歯車の下半部で前記中間歯車に噛み合い、
前記モータと前記一軸多段圧縮機とは、前記駆動歯車及び前記中間歯車よりも下方に位置する基礎上に載置されている請求項1から3のいずれか一項に記載のギアド圧縮機。
【請求項5】
前記第二中間側ピニオンのピニオン支軸と、前記一軸多段圧縮機の圧縮機回転軸とを接続する軸継手をさらに備える請求項4に記載のギアド圧縮機。
【請求項6】
前記中間歯車に対して離れた位置で、前記駆動歯車に噛み合う第二駆動側ピニオンと、
前記第二駆動側ピニオンの回転によって前記作動流体を圧縮する前記第二駆動側ピニオンに接続された第三圧縮部と、
をさらに備え、
前記第三圧縮部は、前記第一圧縮部よりも後段かつ前記一軸多段圧縮機よりも前段で前記作動流体を圧縮する請求項1から5のいずれか一項に記載のギアド圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ギアド圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、蒸気タービンによって駆動される駆動小歯車(駆動歯車)と、駆動小歯車及びターボ機械ロータ(圧縮部)に噛み合う中間歯車としての大歯車と、駆動歯車に噛み合った状態で主圧縮機に接続される従動小歯車とを備える伝動機(ギアド圧縮機)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4991789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ギアド圧縮機の出力を向上させるために圧縮部の数を増加させることがある。しかしながら、圧縮部を回転させるための歯車の設置の制約上、この歯車と駆動歯車又は既存の中間歯車との間に新たな中間歯車を設けなくてはならない場合がある。このため、ギアド圧縮機の出力向上に伴って、ギアド圧縮機が占有するスペースが増大してしまう場合がある。
【0005】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、出力を向上させつつ、占有スペースの増大を抑制することができるギアド圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係るギアド圧縮機は、モータの回転によって回転される駆動歯車と、前記駆動歯車に噛み合う中間歯車と、前記中間歯車に対して離れた位置で、前記駆動歯車に噛み合う第一駆動側ピニオンと、前記駆動歯車に対して離れた位置で、前記中間歯車に噛み合う第一中間側ピニオンと、前記駆動歯車及び前記第一中間側ピニオンに対して離れた位置で、前記中間歯車と噛み合う第二中間側ピニオンと、前記第一駆動側ピニオンに接続され、前記第一駆動側ピニオンの回転によって外部から供給される作動流体を圧縮する第一圧縮部と、前記第一中間側ピニオンに接続され、前記第一中間側ピニオンの回転によって外部から供給される作動流体を圧縮する第二圧縮部と、前記第二中間側ピニオンに接続され、前記第一圧縮部及び前記第二圧縮部の少なくとも一方によって圧縮された前記作動流体をさらに圧縮する一軸多段圧縮機と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、出力を向上させつつ、占有スペースの増大を抑制することができるギアド圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係るギアド圧縮機の概略構成を示す模式図である。
図2図1におけるII-II線方向の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態に係るギアド圧縮機を図面に基づき説明する。
【0010】
(ギアド圧縮機)
ギアド圧縮機は、例えば、化学プラント等で発生する作動流体としてのプロセスガスを圧縮し、昇圧されたプロセスガスを化学プラント内に設けられている反応用装置に供給する。
【0011】
図1及び図2に示すように、ギアド圧縮機100は、複数のインペラを有する圧縮部3を駆動する多軸多段の構成となっている。ギアド圧縮機100は、モータ1と、圧縮部駆動機構2と、圧縮部3と、一軸多段圧縮機4と、軸継手5と、を備えている。
【0012】
(モータ)
モータ1は、ギアド圧縮機100を駆動するための動力を発生する駆動源である。モータ1は、出力軸10と、出力軸10を回転させるモータ本体11と、を有している。出力軸10は、水平方向に延びる出力軸線O1を中心に延び、この出力軸線O1回りに回転可能な円柱状の駆動軸である。
【0013】
モータ本体11は、地面や架台、台板等の基礎B上に載置された状態で固定される。モータ本体11は、例えば、固定子としてのモータステータ(図示省略)と、出力軸10と一体に固定される回転子としてのモータロータ(図示省略)と、を有している。
【0014】
モータステータは、例えば外部の電力系統と電気的に接続されている。このモータステータが有するコイルに電流が流れることによって、モータロータを、出力軸10の周方向に回転させる電磁力が発生する。つまり、モータ本体11のモータステータに外部から電力が入力されると、出力軸10が回転する。
【0015】
(圧縮部駆動機構)
圧縮部駆動機構2は、モータ1で発生する動力(トルク)が伝達されることにより、外部から供給される作動流体Gを圧縮する装置を回転させる。圧縮部駆動機構2は、ギアケース20と、駆動歯車21と、第一駆動側ピニオン22と、第二駆動側ピニオン23と、中間歯車24と、第一中間側ピニオン25と、第二中間側ピニオン26と、軸受27と、を有している。
【0016】
(ギアケース)
ギアケース20は、内部に複数の歯車を収容するためのケーシングである。
【0017】
(駆動歯車)
駆動歯車21は、ギアケース20に収容され、モータ1の回転によって回転される歯車である。駆動歯車21は、駆動支軸210と、駆動歯車本体211と、を有している。駆動支軸210は、水平方向に延びる駆動軸線O2を中心に延びる円柱形状を成している。
【0018】
本実施形態における駆動支軸210は、可撓性を有するカップリングCを介してモータ1の出力軸10に一体に接続されている。したがって、駆動支軸210は、出力軸10の回転に伴って回転される。
【0019】
ここで、出力軸10における出力軸線O1と、駆動支軸210における駆動軸線O2とは、同一直線上にある。出力軸10と駆動支軸210とは、軸線Oを中心線として共有している。軸線Oは、出力軸線O1と駆動軸線O2とによって構成されている。
【0020】
本実施形態では、この軸線Oが延びる方向(図2における上下方向)を単に「軸線方向Da」と称する。また、軸線方向Daの両側のうち、一方側(図2における上側)を単に「一方側Dab」と称し、その反対の側(図2における下側)を単に「他方側Daf」と称する。
【0021】
駆動歯車本体211は、駆動支軸210に外周側から固定され、この駆動支軸210を中心に広がるはすば歯車である。駆動歯車本体211は、軸線Oに対して垂直な方向に広がっている。駆動支軸210は、駆動歯車本体211から一方側Dab及び他方側Dafに突出している。
【0022】
以下、説明の便宜上、軸線Oに対して垂直な方向(駆動歯車本体211が広がる方向)に広がり、かつ駆動歯車21を軸線方向Daで二等分する仮想面Xが広がる方向「面内方向Pi」と称する。この際、軸線方向Daは、仮想面Xに対する「面外方向Po」に相当する。
【0023】
(第一駆動側ピニオン)
第一駆動側ピニオン22は、ギアケース20に収容され、駆動歯車21の回転に伴って回転する歯車である。第一駆動側ピニオン22は、第一駆動側ピニオン支軸220と、第一駆動側ピニオン本体221と、第一スラスト軸受222と、を有している。第一駆動側ピニオン支軸220は、軸線Oに対して平行な第一軸線A1を中心に延びる円柱状を成している。
【0024】
第一駆動側ピニオン本体221は、第一駆動側ピニオン支軸220に外周側から固定され、この第一駆動側ピニオン支軸220を中心に広がるはすば歯車である。第一駆動側ピニオン本体221は、第一軸線A1に対して垂直な方向に広がっている。第一駆動側ピニオン支軸220は、第一駆動側ピニオン本体221から一方側Dab及び他方側Dafに突出している。
【0025】
第一駆動側ピニオン本体221は、面内方向Piで駆動歯車本体211に隣接した状態で駆動歯車本体211に噛み合っている。本実施形態における第一駆動側ピニオン本体221は、駆動歯車本体211における駆動歯車上半部211aにのみ噛み合っている。
【0026】
本実施形態における第一駆動側ピニオン本体221の外径は、駆動歯車本体211の外径よりも小さい。したがって、第一駆動側ピニオン本体221の歯数は、駆動歯車本体211の歯数よりも少ない。
【0027】
本実施形態における駆動歯車本体211における駆動歯車上半部211aとは、軸線方向Daから駆動歯車本体211を見た際に、軸線Oよりも鉛直方向(図1における上下方向)における上方側の領域の駆動歯車本体211を意味する。
【0028】
また、駆動歯車本体211における駆動歯車下半部211bとは、軸線方向Daから駆動歯車本体211を見た際に、軸線Oよりも鉛直方向における下方側の領域の駆動歯車本体211を意味する。
【0029】
また、本実施形態における歯車の「外径」には、例えば、各歯車における中心軸線からの距離(寸法)として測ることができる歯底円直径、歯先円直径、又はピッチ円直径等が採用される。
【0030】
第一スラスト軸受222は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン支軸220を外周側から囲うように固定されている一対のスラスト軸受である。第一スラスト軸受222は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221よりも一方側Dab及び他方側Dafにそれぞれ配置されている。
【0031】
第一スラスト軸受222は、第一駆動側ピニオン本体221よりも大径に形成されている。第一スラスト軸受222は、例えば、第一駆動側ピニオン支軸220と一体にこの第一駆動側ピニオン支軸220から外周側に向かって円盤状に広がるスラストカラー(図示省略)に軸線方向Daから摺接する。これによって、第一駆動側ピニオン本体221は、軸線方向Daへ変位することを規制されている。
【0032】
(第二駆動側ピニオン)
第二駆動側ピニオン23は、ギアケース20に収容され、駆動歯車21の回転に伴って回転する歯車である。第二駆動側ピニオン23は、第二駆動側ピニオン支軸230と、第二駆動側ピニオン本体231と、第二スラスト軸受232と、を有している。第二駆動側ピニオン支軸230は、軸線Oに対して平行な第二軸線A2を中心に延びる円柱状を成している。
【0033】
第二駆動側ピニオン本体231は、第二駆動側ピニオン支軸230を中心に広がるはすば歯車である。第二駆動側ピニオン本体231は、第二軸線A2に対して垂直な方向に広がっている。第二駆動側ピニオン支軸230は、第二駆動側ピニオン本体231から一方側Dab及び他方側Dafに突出している。
【0034】
第二駆動側ピニオン本体231は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221に対して面内方向Piで離れた位置で駆動歯車本体211に噛み合っている。第二駆動側ピニオン本体231は、面内方向Piで駆動歯車本体211に隣接している。本実施形態における第二駆動側ピニオン本体231は、駆動歯車本体211における駆動歯車上半部211aと駆動歯車下半部211bとが切り替わる部分にのみ噛み合っている。
【0035】
本実施形態における第二駆動側ピニオン本体231の外径は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221の外径と同一である。したがって、第二駆動側ピニオン本体231の歯数は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221の歯数と同一である。
【0036】
第二スラスト軸受232は、第二駆動側ピニオン23の第二駆動側ピニオン支軸230を外周側から囲うように固定されている一対のスラスト軸受である。第二スラスト軸受232は、第二駆動側ピニオン23の第二駆動側ピニオン本体231よりも一方側Dab及び他方側Dafにそれぞれ配置されている。
【0037】
第二スラスト軸受232は、第二駆動側ピニオン本体231よりも大径に形成されている。第二スラスト軸受232は、例えば、第二駆動側ピニオン支軸230と一体にこの第二駆動側ピニオン支軸230から外周側に向かって円盤状に広がるスラストカラー(図示省略)に軸線方向Daから摺接する。これによって、第二駆動側ピニオン本体231は、軸線方向Daへ変位することを規制されている。
【0038】
(中間歯車)
中間歯車24は、ギアケース20に収容され、駆動歯車21の回転に伴って回転する歯車である。中間歯車24は、中間支軸240と、中間歯車本体241と、を有している。中間支軸240は、軸線Oに対して平行な中間軸線O3を中心に延びる円柱状を成している。
【0039】
中間歯車本体241は、中間支軸240に外周側から固定され、この中間支軸240を中心に広がるはすば歯車である。中間歯車本体241は、中間軸線O3に対して垂直な方向に広がっている。中間支軸240は、中間歯車本体241から一方側Dab及び他方側Dafに突出している。
【0040】
中間歯車本体241は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221、及び第二駆動側ピニオン23の第二駆動側ピニオン本体231に対して面内方向Piで離れた位置で駆動歯車本体211に噛み合い、面内方向Piで駆動歯車本体211に隣接している。
【0041】
図1に示すように、本実施形態における中間歯車本体241は、駆動歯車本体211における駆動歯車上半部211aに噛み合っている。したがって、中間軸線O3は、軸線Oよりも鉛直方向における上方側に位置している。
【0042】
(第一中間側ピニオン)
第一中間側ピニオン25は、ギアケース20に収容され、中間歯車24の回転に伴って回転する歯車である。第一中間側ピニオン25は、第一中間側ピニオン支軸250と、第一中間側ピニオン本体251と、第三スラスト軸受252と、を有している。第一中間側ピニオン支軸250は、軸線Oに対して平行な第三軸線A3を中心に延びる円柱状を成している。
【0043】
第一中間側ピニオン本体251は、第一中間側ピニオン支軸250に外周側から固定され、この第一中間側ピニオン支軸250を中心に広がるはすば歯車である。第一中間側ピニオン本体251は、第三軸線A3に対して垂直な方向に広がっている。第一中間側ピニオン支軸250は、第一中間側ピニオン本体251から一方側Dab及び他方側Dafに突出している。
【0044】
第一中間側ピニオン本体251は、面内方向Piで中間歯車本体241に隣接した状態で中間歯車本体241に噛み合っている。本実施形態における第一中間側ピニオン本体251は、中間歯車本体241における中間歯車上半部241aにのみ噛み合っている。
【0045】
本実施形態における中間歯車本体241における中間歯車上半部241aとは、軸線方向Daから中間歯車本体241を見た際に、中間軸線O3よりも鉛直方向における上方側の領域の中間歯車本体241を意味する。
【0046】
また、中間歯車本体241における中間歯車下半部241bとは、軸線方向Daから中間歯車本体241を見た際に、中間軸線O3よりも鉛直方向における下方側の領域の中間歯車本体241を意味する。
【0047】
本実施形態における第一中間側ピニオン本体251の外径は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221の外径と同一である。したがって、第一中間側ピニオン本体251の歯数は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221の歯数と同一である。
【0048】
第三スラスト軸受252は、第一中間側ピニオン25の第一中間側ピニオン支軸250を外周側から囲うように固定されている一対のスラスト軸受である。第三スラスト軸受252は、第一中間側ピニオン25の第一中間側ピニオン本体251よりも一方側Dab及び他方側Dafに配置されている。
【0049】
第三スラスト軸受252は、第一中間側ピニオン本体251よりも大径に形成されている。第三スラスト軸受252は、例えば、第一中間側ピニオン支軸250と一体にこの第一中間側ピニオン支軸250から外周側に向かって円盤状に広がるスラストカラー(図示省略)に軸線方向Daから摺接する。これによって、第一中間側ピニオン本体251は、軸線方向Daへ変位することを規制されている。
【0050】
(第二中間側ピニオン)
第二中間側ピニオン26は、ギアケース20に収容され、駆動歯車21の回転に伴って回転する歯車である。第二中間側ピニオン26は、第二中間側ピニオン支軸260と、第二中間側ピニオン本体261と、第四スラスト軸受262と、を有している。第二中間側ピニオン支軸260は、軸線Oに対して平行な第四軸線A4を中心に延びる円柱状を成している。
【0051】
第二中間側ピニオン本体261は、第二中間側ピニオン支軸260に外周側から固定され、この第二中間側ピニオン支軸260を中心に広がるはすば歯車である第二中間側ピニオン本体261は、第四軸線A4に対して垂直な方向に広がっている。第二中間側ピニオン支軸260は、第二中間側ピニオン本体261から一方側Dab及び他方側Dafに突出している。
【0052】
第二中間側ピニオン本体261は、第一中間側ピニオン25の第一中間側ピニオン本体251に対して面内方向Piで離れた位置で中間歯車本体241に噛み合っている。第二中間側ピニオン本体261は、面内方向Piで中間歯車本体241に隣接している。
【0053】
本実施形態における第二中間側ピニオン本体261は、中間歯車本体241における中間歯車下半部241bにのみ噛み合っている。具体的には、第二中間側ピニオン本体261は、中間歯車本体241の直下に配置されている。
【0054】
本実施形態における第二中間側ピニオン本体261の外径は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221の外径と同一である。したがって、第二中間側ピニオン本体261の歯数は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221の歯数と同一である。
【0055】
第四スラスト軸受262は、第二中間側ピニオン26の第二中間側ピニオン支軸260を外周側から囲うように固定されている一対のスラスト軸受である。第四スラスト軸受262は、第二中間側ピニオン26の第二中間側ピニオン本体261よりも一方側Dab及び他方側Dafに配置されている。
【0056】
第四スラスト軸受262は、第二中間側ピニオン本体261よりも大径に形成されている。第四スラスト軸受262は、例えば、第二中間側ピニオン支軸260と一体にこの第二中間側ピニオン支軸260から外周側に向かって円盤状に広がるスラストカラー(図示省略)に軸線方向Daから摺接する。これによって、第二中間側ピニオン本体261は、軸線方向Daへ変位することを規制されている。
【0057】
(圧縮部)
圧縮部3は、第一駆動側ピニオン22、第二駆動側ピニオン23、及び第一中間側ピニオン25のそれぞれの回転によって回転されることで、外部から供給される作動流体Gを圧縮する。圧縮部3は、第一圧縮部31と、第二圧縮部32と、第三圧縮部33と、第四圧縮部34と、第五圧縮部35と、第六圧縮部36とによって構成されている。
【0058】
(第一圧縮部)
第一圧縮部31は、第一駆動側ピニオン22に接続され、第一駆動側ピニオン22の回転によって回転されることで作動流体Gを圧縮する。第一圧縮部31は、第一ロータ310と、第一圧縮部ケーシング311と、を有している。第一ロータ310は、第一回転軸310aと、第一インペラ310bと、を有している。
【0059】
第一回転軸310aは、第一軸線A1を中心に延び、この第一軸線A1回りに回転可能な円柱状を成す部材である。第一回転軸310aは、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン支軸220に一方側Dabから一体に接続されており、ギアケース20から一方側Dabに突出している。
【0060】
第一インペラ310bは、第一回転軸310aにおけるギアケース20から一方側Dabに突出した部分を外周側から覆うように固定されている。第一インペラ310bは、第一回転軸310aに固定された際に、この第一回転軸310aの周方向に配列される複数のブレードを有している。
【0061】
第一圧縮部ケーシング311は、第一インペラ310bを外周側から覆い、この第一インペラ310bとともに第一圧縮通路を内側に形成する。本実施形態における第一圧縮部ケーシング311は、ギアケース20に一体に形成されている。
【0062】
第一圧縮部ケーシング311は、作動流体Gを外部から第一圧縮通路へ導入するための第一ガス導入口311aと、圧縮した作動流体Gを第一圧縮通路から外部へ吐出するための第一ガス吐出口311bとを有している。第一ガス導入口311a及び第一ガス吐出口311bには作動流体Gが流通する配管(図示省略)が接続されている。
【0063】
本実施形態では、第一圧縮部31におけるこれら第一ロータ310と第一圧縮部ケーシング311とによって、一段の圧縮機構が構成されている。第一圧縮部31は、単一の第一インペラ310bを有している。
【0064】
(第二圧縮部)
第二圧縮部32は、第一中間側ピニオン25に接続され、第一中間側ピニオン25の回転によって回転されることで作動流体Gを圧縮する。第二圧縮部32は、第二ロータ320と、第二圧縮部ケーシング321と、を有している。第二ロータ320は、第二回転軸320aと、第二インペラ320bと、を有している。
【0065】
第二回転軸320aは、第三軸線A3を中心に延び、この第三軸線A3回りに回転可能な円柱状を成す部材である。第二回転軸320aは、第一中間側ピニオン25の第一中間側ピニオン支軸250に一方側Dabから一体に接続されており、ギアケース20から一方側Dabに突出している。
【0066】
第二インペラ320bは、第二回転軸320aにおけるギアケース20から一方側Dabに突出した部分を外周側から覆うように固定されている。第二インペラ320bは、第二回転軸320aに固定された際に、この第二回転軸320aの周方向に配列される複数のブレードを有している。
【0067】
第二圧縮部ケーシング321は、第二インペラ320bを覆い、この第二インペラ320bとともに第二圧縮通路を内側に形成する。本実施形態における第二圧縮部ケーシング321は、ギアケース20に一体に形成されている。
【0068】
第二圧縮部ケーシング321は、作動流体Gを外部から第二圧縮通路へ導入するための第二ガス導入口321aと、圧縮した作動流体Gを第二圧縮通路から外部へ吐出するための第二ガス吐出口321bとを有している。第二ガス導入口321a及び第二ガス吐出口321bには作動流体Gが流通する配管が接続されている。
【0069】
本実施形態では、第二圧縮部32におけるこれら第二ロータ320と第二圧縮部ケーシング321とによって、一段の圧縮機構が構成されている。第二圧縮部32は、単一の第二インペラ320bを有している。
【0070】
第二圧縮部32は、第一圧縮部31よりも前段で外部から供給される作動流体Gを圧縮する。したがって、第二圧縮部32における第二圧縮通路で圧縮された作動流体Gが、配管を通じて第一圧縮部31における第一圧縮通路に導入されてさらに圧縮される。
【0071】
第二圧縮部32における第二ロータ320の第二インペラ320bの外径は、第一圧縮部31における第一ロータ310の第一インペラ310bの外径よりも大きい。即ち、第一インペラ310bの各ブレードは、第二インペラ320bの各ブレードよりも大きく形成されている。
【0072】
(第三圧縮部)
第三圧縮部33は、第二駆動側ピニオン23に接続され、第二駆動側ピニオン23の回転によって回転されることで作動流体Gを圧縮する。第三圧縮部33は、第三ロータ330と、第三圧縮部ケーシング331と、を有している。第三ロータ330は、第三回転軸330aと、第三インペラ330bと、を有している。
【0073】
第三回転軸330aは、第二軸線A2を中心に延び、この第二軸線A2回りに回転可能な円柱状を成す部材である。第三回転軸330aは、第二駆動側ピニオン23の第二駆動側ピニオン支軸230に一方側Dabから一体に接続されており、ギアケース20から一方側Dabに突出している。
【0074】
第三インペラ330bは、第三回転軸330aにおけるギアケース20から一方側Dabに突出した部分を外周側から覆うように固定されている。第三インペラ330bは、第三回転軸330aに固定された際に、この第三回転軸330aの周方向に配列される複数のブレードを有している。
【0075】
第三圧縮部ケーシング331は、第三インペラ330bを覆い、この第三インペラ330bとともに第三圧縮通路を内側に形成する。本実施形態における第三圧縮部ケーシング331は、ギアケース20に一体に形成されている。
【0076】
第三圧縮部ケーシング331は、作動流体Gを外部から第三圧縮通路へ導入するための第三ガス導入口331aと、圧縮した作動流体Gを第三圧縮通路から外部へ吐出するための第三ガス吐出口331bとを有している。第三ガス導入口331a及び第三ガス吐出口331bには作動流体Gが流通する配管が接続されている。
【0077】
本実施形態では、第三圧縮部33におけるこれら第三ロータ330と第三圧縮部ケーシング331とによって、一段の圧縮機構が構成されている。第三圧縮部33は、単一の第三インペラ330bを有している。
【0078】
第三圧縮部33は、第一圧縮部31よりも後段で作動流体Gを圧縮する。したがって、第一圧縮部31における第一圧縮通路で圧縮された作動流体Gが、配管を通じて第三圧縮部33における第三圧縮通路に導入されてさらに圧縮される。
【0079】
第三圧縮部33における第三ロータ330の第三インペラ330bの外径は、第一圧縮部31における第一ロータ310の第一インペラ310bの外径よりも小さい。即ち、第三インペラ330bの各ブレードは、第一インペラ310bの各ブレードよりも小さく形成されている。
【0080】
(第四圧縮部)
第四圧縮部34は、第一中間側ピニオン25に接続され、第一中間側ピニオン25の回転によって回転されることで作動流体Gを圧縮する。第四圧縮部34は、第四ロータ340と、第四圧縮部ケーシング341と、を有している。第四ロータ340は、第四回転軸340aと、第四インペラ340bと、を有している。
【0081】
第四回転軸340aは、第三軸線A3を中心に延び、この第三軸線A3回りに回転可能な円柱状を成す部材である。第四回転軸340aは、第一中間側ピニオン25の第一中間側ピニオン支軸250に他方側Dafから一体に接続されており、ギアケース20から他方側Dafに突出している。
【0082】
第四インペラ340bは、第四回転軸340aにおけるギアケース20から他方側Dafに突出した部分を外周側から覆うように固定されている。第四インペラ340bは、第四回転軸340aに固定された際に、この第四回転軸340aの周方向に配列される複数のブレードを有している。
【0083】
第四圧縮部ケーシング341は、第四インペラ340bを覆い、この第四インペラ340bとともに第四圧縮通路を内側に形成する。本実施形態における第四圧縮部ケーシング341は、ギアケース20に一体に形成されている。
【0084】
第四圧縮部ケーシング341は、作動流体Gを外部から第四圧縮通路へ導入するための第四ガス導入口341aと、圧縮した作動流体Gを第四圧縮通路から外部へ吐出するための第四ガス吐出口341bとを有している。第四ガス導入口341a及び第四ガス吐出口341bには作動流体Gが流通する配管が接続されている。
【0085】
本実施形態では、第四圧縮部34におけるこれら第四ロータ340と第四圧縮部ケーシング341とによって、一段の圧縮機構が構成されている。第四圧縮部34は、単一の第四インペラ340bを有している。本実施形態における第四圧縮部34は、第二圧縮部32よりも後段かつ第一圧縮部31よりも前段で作動流体Gを圧縮する。
【0086】
したがって、第二圧縮部32における第二圧縮通路で圧縮された作動流体Gが、配管を通じて第四圧縮部34における第四圧縮通路に導入されてさらに圧縮される。第四圧縮部34における第四圧縮通路で圧縮された作動流体Gが、配管を通じて第一圧縮部31における第一圧縮通路に導入されてさらに圧縮される。
【0087】
第四圧縮部34における第四ロータ340の第四インペラ340bの外径は、第二圧縮部32における第二ロータ320の第二インペラ320bの外径よりも小さく、第一圧縮部31における第一インペラ310bの外径よりも大きい。即ち、第四インペラ340bの各ブレードは、第二インペラ320bの各ブレードよりも小さく形成されており、第一インペラ310bの各ブレードよりも大きく形成されている。
【0088】
(第五圧縮部)
第五圧縮部35は、第一駆動側ピニオン22に接続され、第一駆動側ピニオン22の回転によって回転されることで作動流体Gを圧縮する。第五圧縮部35は、第五ロータ350と、第五圧縮部ケーシング351と、を有している。第五ロータ350は、第五回転軸350aと、第五インペラ350bと、を有している。
【0089】
第五回転軸350aは、第一軸線A1を中心に延び、この第一軸線A1回りに回転可能な円柱状を成す部材である。第五回転軸350aは、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン支軸220に他方側Dafから一体に接続されており、ギアケース20から他方側Dafに突出している。
【0090】
第五インペラ350bは、第五回転軸350aにおけるギアケース20から他方側Dafに突出した部分を外周側から覆うように固定されている。第五インペラ350bは、第五回転軸350aに固定された際に、この第五回転軸350aの周方向に配列される複数のブレードを有している。
【0091】
第五圧縮部ケーシング351は、第五インペラ350bを覆い、この第五インペラ350bとともに第五圧縮通路を内側に形成する。本実施形態における第五圧縮部ケーシング351は、ギアケース20に一体に形成されている。
【0092】
第五圧縮部ケーシング351は、作動流体Gを外部から第五圧縮通路へ導入するための第五ガス導入口351aと、圧縮した作動流体Gを第五圧縮通路から外部へ吐出するための第五ガス吐出口351bとを有している。第五ガス導入口351a及び第五ガス吐出口351bには作動流体Gが流通する配管が接続されている。
【0093】
本実施形態では、第五圧縮部35におけるこれら第五ロータ350と第五圧縮部ケーシング351とによって、一段の圧縮機構が構成されている。第五圧縮部35は、単一の第五インペラ350bを有している。本実施形態における第五圧縮部35は、第一圧縮部31よりも後段かつ第三圧縮部33よりも前段で作動流体Gを圧縮する。
【0094】
したがって、第一圧縮部31における第一圧縮通路で圧縮された作動流体Gが、配管を通じて第五圧縮部35における第五圧縮通路に導入されてさらに圧縮される。第五圧縮部35における第五圧縮通路で圧縮された作動流体Gが、配管を通じて第三圧縮部33における第三圧縮通路に導入されてさらに圧縮される。
【0095】
第五圧縮部35における第五ロータ350の第五インペラ350bの外径は、第一圧縮部31における第一ロータ310の第一インペラ310bの外径よりも小さく、第三圧縮部33における第三インペラ330bの外径よりも大きい。即ち、第五インペラ350bの各ブレードは、第一インペラ310bの各ブレードよりも小さく形成されており、第三インペラ330bの各ブレードよりも大きく形成されている。
【0096】
(第六圧縮部)
第六圧縮部36は、第二駆動側ピニオン23に接続され、第二駆動側ピニオン23の回転によって回転されることで作動流体Gを圧縮する。第六圧縮部36は、第六ロータ360と、第六圧縮部ケーシング361と、を有している。第六ロータ360は、第六回転軸360aと、第六インペラ360bと、を有している。
【0097】
第六回転軸360aは、第二軸線A2を中心に延び、この第二軸線A2回りに回転可能な円柱状を成す部材である。第六回転軸360aは、第二駆動側ピニオン23の第二駆動側ピニオン支軸230に他方側Dafから一体に接続されており、ギアケース20から他方側Dafに突出している。
【0098】
第六インペラ360bは、第六回転軸360aにおけるギアケース20から他方側Dafに突出した部分を外周側から覆うように固定されている。第六インペラ360bは、第六回転軸360aに固定された際に、この第六回転軸360aの周方向に配列される複数のブレードを有している。
【0099】
第六圧縮部ケーシング361は、第六インペラ360bを覆い、この第六インペラ360bとともに第六圧縮通路を内側に形成する。本実施形態における第六圧縮部ケーシング361は、ギアケース20に一体に形成されている。
【0100】
第六圧縮部ケーシング361は、作動流体Gを外部から第六圧縮通路へ導入するための第六ガス導入口361aと、圧縮した作動流体Gを第六圧縮通路から外部へ吐出するための第六ガス吐出口361bとを有している。
【0101】
本実施形態では、第六圧縮部36におけるこれら第六ロータ360と第六圧縮部ケーシング361とによって、一段の圧縮機構が構成されている。第六圧縮部36は、単一の第六インペラ360bを有している。
【0102】
本実施形態における第六圧縮部36は、第三圧縮部33よりも後段で作動流体Gを圧縮する。したがって、第三圧縮部33における第三圧縮通路で圧縮された作動流体Gが、配管を通じて第六圧縮部36における第六圧縮通路に導入されてさらに圧縮される。
【0103】
第六圧縮部36における第六ロータ360の第六インペラ360bの外径は、第三圧縮部33における第三ロータ330の第三インペラ330bの外径よりも小さい。即ち、第六インペラ360bの各ブレードは、第三インペラ330bの各ブレードよりも小さく形成されている。
【0104】
したがって、外部から圧縮部3に供給された作動流体Gは、第二圧縮部32、第四圧縮部34、第一圧縮部31、第五圧縮部35、第三圧縮部33、第六圧縮部36の順に導入されて、順次圧縮される(昇圧される)。
【0105】
また、各圧縮部3におけるインペラ(第一インペラ310b~第六インペラ360b)の大きさは、第二圧縮部32、第四圧縮部34、第一圧縮部31、第五圧縮部35、第三圧縮部33、第六圧縮部36の順に小さくなる。
【0106】
(一軸多段圧縮機)
一軸多段圧縮機4は、圧縮部3で圧縮された作動流体Gをさらに圧縮することで昇圧する。本実施形態における一軸多段圧縮機4は、第六圧縮部36によって圧縮された作動流体Gをさらに圧縮する。一軸多段圧縮機4は、圧縮機ロータ40と、圧縮機ケーシング41と、を有している。
【0107】
圧縮機ロータ40は、第二中間側ピニオン26に接続され、第二中間側ピニオン26の回転に伴って回転される。圧縮機ロータ40は、圧縮機回転軸40aと、複数の圧縮機インペラ40bと、を有している。圧縮機回転軸40aは、第四軸線A4を中心に延びる円柱状を成している。
【0108】
複数の圧縮機インペラ40bは、軸線方向Daで並ぶように圧縮機回転軸40a上に配列されており、圧縮機回転軸40aと一体に第四軸線A4回りに回転する。各圧縮機インペラ40bは、圧縮機回転軸40aに固定された際に、この圧縮機回転軸40aの周方向に配列される複数のブレードを有している。本実施形態における圧縮機ロータ40は、三つの圧縮機インペラ40bを有している。
【0109】
各圧縮機インペラ40bは、同一の大きさに形成されている。各圧縮機インペラ40bの外径は、第六圧縮部36における第六インペラ360bの外径よりも小さい。即ち、各圧縮機インペラ40bの各ブレードは、第六インペラ360bの各ブレードよりも小さく形成されている。
【0110】
圧縮機ケーシング41は、一軸多段圧縮機4の外殻を成している。圧縮機ケーシング41は、地面や架台、台板等の基礎B上に載置された状態で固定される。本実施形態における基礎Bは、駆動歯車21及び中間歯車24よりも鉛直方向における下方側に位置している。
【0111】
圧縮機ケーシング41は、ケーシング本体41aと、ケーシング本体41aに形成された吸入口41bと、ケーシング本体41aに形成された吐出口41cと、を有している。吸入口41b及び吐出口41cには作動流体Gが流通する配管が接続されている。
【0112】
ケーシング本体41aは、圧縮機ロータ40とともに作動流体Gを圧縮する圧縮機通路を内部に形成する。第六圧縮部36によって圧縮された作動流体Gは、配管を流れた後、吸入口41bを介してケーシング本体41a内部に吸入される。
【0113】
ケーシング本体41a内部に吸入された作動流体Gは、圧縮機通路内における複数の圧縮機インペラ40bによって漸次圧縮される(昇圧される)。ケーシング本体41a内部で圧縮された作動流体Gは、吐出口41cを介して外部へ吐出される。
【0114】
一軸多段圧縮機4によって圧縮された作動流体Gは、例えば、ギアド圧縮機100の外部に設けられている反応用装置へ供給される。本実施形態では、一軸多段圧縮機4の圧縮機ロータ40と圧縮機ケーシング41とによって、多段(三段)の圧縮機構が構成されている。
【0115】
(軸継手)
軸継手5は、第二中間側ピニオン26の第二中間側ピニオン支軸260と、一軸多段圧縮機4の圧縮機回転軸40aとを接続する軸継手である。本実施形態における軸継手5は、例えばダイヤフラム軸継手である。軸継手5が第二中間側ピニオン支軸260と圧縮機回転軸40aとを接続することで、一軸多段圧縮機4が第二中間側ピニオン26と一体に回転する。
【0116】
軸継手5は、可撓性を有している。軸継手5は、ギアド圧縮機100の運転中に第二中間側ピニオン支軸260と圧縮機回転軸40aとが芯ずれを起こした際に弾性変形することで、第二中間側ピニオン支軸260から圧縮機回転軸40aへ伝達するトルクの損失を抑制する。
【0117】
(軸受)
ここで、圧縮部駆動機構2の軸受27は、駆動歯車21の駆動支軸210、中間歯車24の中間支軸240、第二中間側ピニオン26における第二中間側ピニオン支軸260、第一圧縮部31における第一回転軸310a、第二圧縮部32における第二回転軸320a、第三圧縮部33における第三回転軸330a、第四圧縮部34における第四回転軸340a、第五圧縮部35における第五回転軸350a、及び第六圧縮部36における第六回転軸360aのそれぞれを回転可能に支持する。
【0118】
軸受27は、駆動歯車用軸受271と、中間歯車用軸受272と、ピニオン支軸用軸受273と、第一圧縮部用軸受274と、第二圧縮部用軸受275と、第三圧縮部用軸受276と、第四圧縮部用軸受277と、第五圧縮部用軸受278と、第六圧縮部用軸受279とによって構成されている。
【0119】
駆動歯車用軸受271は、ギアケース20に一対が固定されている。駆動歯車用軸受271は、駆動歯車21の駆動支軸210を駆動歯車本体211よりも一方側Dab及び他方側Dafで回転可能に支持するラジアル軸受である。
【0120】
中間歯車用軸受272は、ギアケース20に一対が固定されている。中間歯車用軸受272は、中間歯車24の中間支軸240を中間歯車本体241よりも一方側Dab及び他方側Dafで回転可能に支持するラジアル軸受である。
【0121】
ピニオン支軸用軸受273は、ギアケース20に固定されている。ピニオン支軸用軸受273は、第二中間側ピニオン26の第二中間側ピニオン支軸260を、第二中間側ピニオン本体261よりも一方側Dabで回転可能に支持するラジアル軸受である。
【0122】
第一圧縮部用軸受274は、ギアケース20に固定されている。第一圧縮部用軸受274は、第一圧縮部31における第一ロータ310の第一回転軸310aを第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221よりも一方側Dabで回転可能に支持するラジアル軸受である。
【0123】
第二圧縮部用軸受275は、ギアケース20に固定されている。第二圧縮部用軸受275は、第二圧縮部32における第二ロータ320の第二回転軸320aを第一中間側ピニオン25の第一中間側ピニオン本体251よりも一方側Dabで回転可能に支持するラジアル軸受である。
【0124】
第三圧縮部用軸受276は、ギアケース20に固定されている。第三圧縮部用軸受276は、第三圧縮部33における第三ロータ330の第三回転軸330aを第二駆動側ピニオン23の第二駆動側ピニオン本体231よりも一方側Dabで回転可能に支持するラジアル軸受である。
【0125】
第四圧縮部用軸受277は、ギアケース20に固定されている。第四圧縮部用軸受277は、第四圧縮部34における第四ロータ340の第四回転軸340aを第一中間側ピニオン25の第一中間側ピニオン本体251よりも他方側Dafで回転可能に支持するラジアル軸受である。
【0126】
第五圧縮部用軸受278は、ギアケース20に固定されている。第五圧縮部用軸受278は、第五圧縮部35における第五ロータ350の第五回転軸350aを第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221よりも他方側Dafで回転可能に支持するラジアル軸受である。
【0127】
第六圧縮部用軸受279は、ギアケース20に固定されている。第六圧縮部用軸受279は、第六圧縮部36における第六ロータ360の第六回転軸360aを第二駆動側ピニオン23の第二駆動側ピニオン本体231よりも他方側Dafで回転可能に支持するラジアル軸受である。
【0128】
(作用効果)
上記実施形態に係るギアド圧縮機100では、複数の圧縮機インペラ40bを有する一軸多段圧縮機4を使用していることで、一枚のインペラで圧縮する他の圧縮部3に比べて、ギアド圧縮機100の圧縮効率を向上させることができる。その結果、ギアド圧縮機100の出力を向上させることができる。
【0129】
また、一つの中間歯車24を介して駆動歯車21と第二中間側ピニオン26とが接続されている。そのため、駆動歯車21及び第二中間側ピニオン26の歯車径を変化させなければ、中間歯車24の歯車径をどのように変化させても、駆動歯車21の回転数と第二中間側ピニオン26の回転数との関係を一定に維持することができる。
【0130】
これにより、中間歯車24の歯車径を変化させるだけで、一軸多段圧縮機4の回転数を落とすことなく、一軸多段圧縮機4を任意の位置に配置することができる。さらに、駆動歯車21の回転数と第二中間側ピニオン26の回転数との関係が一定に維持されるため、駆動歯車21によって一軸多段圧縮機4を駆動させる際の歯車による損失を抑えることができる。
【0131】
また、一軸多段圧縮機4を駆動させるための新たな中間歯車を駆動歯車21又は中間歯車24に噛み合うように配置する必要がない。即ち、新たな中間歯車を追設する必要がない。つまり、一軸多段圧縮機4用の中間歯車を追設する構成と比較して、面内方向Piにおける寸法が増大してしまうことを抑制することができる。したがって、ギアド圧縮機100の占有スペースの増大を抑制することができる。
【0132】
また、一つのインペラで構成された圧縮部3に比べて、複数の圧縮機インペラ40bを有する一軸多段圧縮機4は、サイズが大きくなる。このような一軸多段圧縮機4が接続された第二中間側ピニオン26が駆動歯車21に直接噛み合う構成とした場合には、駆動歯車21を回転させるためのモータ1と、一軸多段圧縮機4とが干渉してしまう。しかしながら、中間歯車24を介することでモータ1と一軸多段圧縮機4との干渉を抑えることができる。さらに、圧縮部3を全て一軸多段圧縮機とする場合に比べてギアド圧縮機100の大きさを抑えることができる。
【0133】
また、上記実施形態に係るギアド圧縮機100では、第一駆動側ピニオン22、第一中間側ピニオン25、及び第二中間側ピニオン26の外径が、駆動歯車21の外径よりも小さい。これにより、第一駆動側ピニオン22、第一中間側ピニオン25、及び第二中間側ピニオン26の歯数が駆動歯車21の歯数よりも少なくなるため、これらの回転速度は駆動歯車21の回転速度よりも高くなる。
【0134】
即ち、第一駆動側ピニオン22に接続された第一圧縮部31、第一中間側ピニオン25に接続された第二圧縮部32、及び第二中間側ピニオン26に接続された一軸多段圧縮機4の回転速度が駆動歯車21の回転速度よりも高くなる。したがって、ギアド圧縮機100の出力を向上させることができる。
【0135】
さらに、第一駆動側ピニオン22、第一中間側ピニオン25、及び第二中間側ピニオン26の外径が駆動歯車21の外径と同一、又は駆動歯車21の外径よりも大きい構成と比較して、面内方向Piにおける寸法を小さくすることができる。したがって、ギアド圧縮機100の出力をより向上させつつ、占有スペースの増大をより抑制することができる。
【0136】
また、上記実施形態に係るギアド圧縮機100では、第二圧縮部32が第一圧縮部31よりも前段で作動流体Gを圧縮する構成である。ここで、第二圧縮部32によって圧縮された作動流体Gを回転によってさらに圧縮するためには、第一圧縮部31における第一インペラ310bがこの第一圧縮部31よりも前段の第二圧縮部32における第二インペラ320bより小さい必要がある。言い換えれば、第二圧縮部32における第二インペラ320bが第一圧縮部31の第一インペラ310bよりも大きい必要がある。
【0137】
上記構成によれば、第一圧縮部31における第一インペラ310bよりも大きい第二インペラ320bを有する第二圧縮部32が接続された第一中間側ピニオン25が中間歯車24に噛み合う。したがって、例えば、第一中間側ピニオン25が駆動歯車21に噛み合う構成と比較した場合に、第二圧縮部32が、第一圧縮部31及びモータ1に干渉してしまうことを回避することができる。
【0138】
また、上記実施形態に係るギアド圧縮機100では、中間歯車24が駆動歯車21の駆動歯車上半部211aで駆動歯車21と噛み合い、第二中間側ピニオン26が中間歯車24の中間歯車下半部241bで中間歯車24と噛み合った状態で、モータ1及び一軸多段圧縮機4が基礎B上に載置される構成である。これにより、例えば、駆動歯車21、中間歯車24、及び第二中間側ピニオン26が一列に並ぶように噛み合う構成と比較して、面内方向Piにおける寸法を小さくすることができる。したがって、ギアド圧縮機100をコンパクト化することができる。
【0139】
また、例えば、第二中間側ピニオン26が中間歯車24の中間歯車上半部241aに噛み合う構成と比較して、一軸多段圧縮機4がより低い位置でモータ1が載置される基礎B上に配置される。したがって、一軸多段圧縮機4を安定的に駆動させることができる。
【0140】
また、上記実施形態に係るギアド圧縮機100では、軸継手5が第二中間側ピニオン26の第二中間側ピニオン支軸260と一軸多段圧縮機4の圧縮機回転軸40aとを接続する。これにより、第二中間側ピニオン支軸260と圧縮機回転軸40aとの間に芯ずれが生じた場合であっても、軸継手5によって芯ずれの影響を抑えることができる。その結果、第二中間側ピニオン支軸260及び圧縮機回転軸40aの間でのロータダイナミクスを低減することができる。
【0141】
さらに、軸継手5が弾性変形することで、第二中間側ピニオン支軸260及び圧縮機回転軸40aで生じるロータダイナミクスをより低減することができる。したがって、第二中間側ピニオン支軸260と圧縮機回転軸40aとの間でトルクを円滑に伝達することができる。
【0142】
また、上記実施形態に係るギアド圧縮機100では、駆動歯車21に噛み合う第二駆動側ピニオン23に接続された第三圧縮部33が、第一圧縮部31よりも後段かつ一軸多段圧縮機4よりも前段で作動流体Gを圧縮する。これにより、第一圧縮部31によって圧縮された作動流体Gを第三圧縮部33がさらに圧縮するため、作動流体Gの圧力がより高まる。したがって、ギアド圧縮機100の出力をより向上させることができる。
【0143】
さらに、中間歯車24に対して第一中間側ピニオン25及び第二中間側ピニオン26が噛み合い、駆動歯車21に対して第一駆動側ピニオン22及び第二駆動側ピニオン23が噛み合う。つまり、駆動歯車21及び中間歯車24の片方のみに多くのピニオンが噛み合うことがない。これにより、駆動歯車21及び中間歯車24のそれぞれの歯にかかる負荷の大きさが偏ることを抑制することができる。
【0144】
[その他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本開示は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0145】
なお、第二駆動側ピニオン23、第一中間側ピニオン25、及び第二中間側ピニオン26の各ピニオン本体(第二駆動側ピニオン本体231、第一中間側ピニオン本体251、第二中間側ピニオン本体261)の外径は、第一駆動側ピニオン22の第一駆動側ピニオン本体221の外径と同一でなくてもよい。
【0146】
これら第一駆動側ピニオン22、第二駆動側ピニオン23、第一中間側ピニオン25、及び第二中間側ピニオン26の各ピニオン本体(第一駆動側ピニオン本体221、第二駆動側ピニオン本体231、第一中間側ピニオン本体251、第二中間側ピニオン本体261)の外径は、相互に異なっていてよい。
【0147】
また、上記実施形態における中間歯車本体241の外径は、駆動歯車本体211の外径と同一であってもよい。また、中間歯車本体241の外径は、駆動歯車本体211の外径より大きくてもよい。また、中間歯車本体241の外径は、駆動歯車本体211の外径より小さくてもよい。
【0148】
また、第一中間側ピニオン25の第一中間側ピニオン本体251は、中間歯車本体241における中間歯車下半部241bに噛み合ってもよい。
【0149】
また、上記実施形態では、第二圧縮部32によって圧縮された作動流体Gが第四圧縮部34に導入される構成を説明したがこの構成に限定されることはない。例えば、外部から供給される作動流体Gは、第二圧縮部32及び第四圧縮部34に同時に供給されて、第二圧縮部32及び第四圧縮部34のそれぞれで圧縮された後に合流して、第一圧縮部31に導入される構成であってもよい。この際、第二圧縮部32における第二インペラ320bの外径と第四圧縮部34における第四インペラ340bの外径は同一であってよい。
【0150】
また、上記実施形態では、圧縮部3に供給された作動流体Gが、第二圧縮部32、第四圧縮部34、第一圧縮部31、第五圧縮部35、第三圧縮部33、第六圧縮部36の順に導入されて、順次圧縮される構成を説明したが、この構成に限定されることはない。作動流体Gは、これら第一圧縮部31、第二圧縮部32、第三圧縮部33、第四圧縮部34、第五圧縮部35、及び第六圧縮部36に対していずれの順で導入されてもよい。この際、各圧縮部3におけるインペラ(第一インペラ310b~第六インペラ360b)の大きさは、作動流体が流通する順に小さくなればよい。
【0151】
また、上記実施形態では、出力軸10における出力軸線O1と駆動歯車21における駆動軸線O2とが同一直線上にある構成を説明したが、完全に同一直線状にある場合のみではなく、多少ずれている場合も含まれる。
【0152】
また、上記実施形態では、第二駆動側ピニオン本体231が駆動歯車本体211における駆動歯車上半部211aと駆動歯車下半部211bとが切り替わる部分に噛み合っている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。第二駆動側ピニオン本体231は、駆動歯車本体211における駆動歯車上半部211aに噛み合ってもよい。また、第二駆動側ピニオン本体231は、駆動歯車本体211における駆動歯車下半部211bに噛み合ってもよい。
【0153】
また、上記実施形態では、一軸多段圧縮機4における各圧縮機インペラ40bの外径が第六圧縮部36における第六インペラ360bの外径よりも小さい構成を説明したが、この構成に限定されることはない。一軸多段圧縮機4における各圧縮機インペラ40bの外径は、第六圧縮部36における第六インペラ360bの外径よりも大きくてもよい。
【0154】
また、上記実施形態では、一軸多段圧縮機4の圧縮機ロータ40が三つの圧縮機インペラ40bを有している構成を説明したが、三つに限定されることはない。
【0155】
また、一軸多段圧縮機4の圧縮機ケーシング41は、圧縮部駆動機構2のギアケース20と一体に形成されてもよい。
【0156】
また、軸継手5がダイヤフラム軸継手である構成に限定されることはない。軸継手5は、例えば、フランジ形軸継手や、歯車型軸継手、ゴム軸継手、金属ばね軸継手、ローラチェーン軸継手等であってもよい。
【0157】
[付記]
実施形態に記載のギアド圧縮機は、例えば以下のように把握される。
【0158】
(1)第1の態様に係るギアド圧縮機100は、モータ1の回転によって回転される駆動歯車21と、前記駆動歯車21に噛み合う中間歯車24と、前記中間歯車24に対して離れた位置で、前記駆動歯車21に噛み合う第一駆動側ピニオン22と、前記駆動歯車21に対して離れた位置で、前記中間歯車24に噛み合う第一中間側ピニオン25と、前記駆動歯車21及び前記第一中間側ピニオン25に対して離れた位置で、前記中間歯車24と噛み合う第二中間側ピニオン26と、前記第一駆動側ピニオン22に接続され、前記第一駆動側ピニオン22の回転によって外部から供給される作動流体Gを圧縮する第一圧縮部31と、前記第一中間側ピニオン25に接続され、前記第一中間側ピニオン25の回転によって外部から供給される作動流体Gを圧縮する第二圧縮部32と、前記第二中間側ピニオン26に接続され、前記第一圧縮部31及び前記第二圧縮部32の少なくとも一方によって圧縮された前記作動流体Gをさらに圧縮する一軸多段圧縮機4と、を備える。
【0159】
これにより、一軸多段圧縮機4を駆動させるための新たな中間歯車24を駆動歯車21又は中間歯車24に対して追設する必要がない。したがって、一軸多段圧縮機4用の中間歯車24を追設する構成と比較して、ギアド圧縮機100の寸法が増大してしまうことを抑制することができる。
【0160】
(2)第2の態様に係るギアド圧縮機100は、(1)のギアド圧縮機100であって、前記第一駆動側ピニオン22、前記第一中間側ピニオン25、及び前記第二中間側ピニオン26の外径は、前記駆動歯車21の外径よりも小さくてもよい。
【0161】
これにより、第一駆動側ピニオン22、第一中間側ピニオン25、及び第二中間側ピニオン26のそれぞれの歯数が駆動歯車21の歯数よりも少なくなるため、これらの回転速度は駆動歯車21の回転速度よりも高くなる。したがって、第一圧縮部31、第二圧縮部32、及び一軸多段圧縮機4の回転速度を駆動歯車21の回転速度よりも高めることができる。
【0162】
(3)第3の態様に係るギアド圧縮機100は、(1)又は(2)のギアド圧縮機100であって、前記第二圧縮部32は、前記第一圧縮部31よりも前段で前記作動流体Gを圧縮してもよい。
【0163】
第二圧縮部32によって圧縮された作動流体Gを回転によってさらに圧縮するためには、第二圧縮部32の方が第一圧縮部31よりも大きい必要がある。上記構成により、第二圧縮部32が接続された第一中間側ピニオン25が駆動歯車21に噛み合う構成と比較した場合に、第一圧縮部31よりも大きい第二圧縮部32が、第一圧縮部31及びモータ1に干渉してしまうことを回避することができる。
【0164】
(4)第4の態様に係るギアド圧縮機100は、(1)から(3)のいずれかのギアド圧縮機100であって、前記中間歯車24は、前記駆動歯車21の上半部(駆動歯車上半部211a)で前記駆動歯車21に噛み合い、前記第二中間側ピニオン26は、前記中間歯車24の下半部(中間歯車下半部241b)で前記中間歯車24に噛み合い、前記モータ1と前記一軸多段圧縮機4とは、前記駆動歯車21及び前記中間歯車24よりも下方(鉛直方向における下方側)に位置する基礎B上に載置されてもよい。
【0165】
これにより、駆動歯車21、中間歯車24、及び第二中間側ピニオン26が一列に並ぶように噛み合う構成と比較して、ギアド圧縮機100をコンパクト化することができる。また、第二中間側ピニオン26が中間歯車24の上半部(中間歯車上半部241a)に噛み合う構成と比較して、一軸多段圧縮機4がより低い位置でモータ1が載置される基礎B上に配置される。したがって、一軸多段圧縮機4を安定的に駆動させることができる。
【0166】
(5)第5の態様に係るギアド圧縮機100は、(4)のギアド圧縮機100であって、前記第二中間側ピニオン26のピニオン支軸(第二中間側ピニオン支軸260)と、前記一軸多段圧縮機4の圧縮機回転軸40aとを接続する軸継手5をさらに備えてもよい。
【0167】
これにより、第二中間側ピニオン支軸260と圧縮機回転軸40aとの間に芯ずれが生じた場合であっても、軸継手5によって、第二中間側ピニオン支軸260及び圧縮機回転軸40aで生じるロータダイナミクスを低減することができる。
【0168】
(6)第6の態様に係るギアド圧縮機100は、(1)から(5)のいずれかのギアド圧縮機100であって、前記中間歯車24に対して離れた位置で、前記駆動歯車21に噛み合う第二駆動側ピニオン23と、前記第二駆動側ピニオン23の回転によって前記作動流体Gを圧縮する前記第二駆動側ピニオン23に接続された第三圧縮部33と、をさらに備え、前記第三圧縮部33は、前記第一圧縮部31よりも後段かつ前記一軸多段圧縮機4よりも前段で前記作動流体Gを圧縮してもよい。
【0169】
これにより、第一圧縮部31によって圧縮された作動流体Gを第三圧縮部33がさらに圧縮するため、ギアド圧縮機100の出力をより向上させることができる。また、駆動歯車21及び中間歯車24のそれぞれの歯にかかる負荷の大きさが偏ることを抑制することができる。
【符号の説明】
【0170】
1…モータ 2…圧縮部駆動機構 3…圧縮部 4…一軸多段圧縮機 5…軸継手 10…出力軸 11…モータ本体 20…ギアケース 21…駆動歯車 22…第一駆動側ピニオン 23…第二駆動側ピニオン 24…中間歯車 25…第一中間側ピニオン 26…第二中間側ピニオン 27…軸受 31…第一圧縮部 32…第二圧縮部 33…第三圧縮部 34…第四圧縮部 35…第五圧縮部 36…第六圧縮部 40…圧縮機ロータ 40a…圧縮機回転軸 40b…圧縮機インペラ 41…圧縮機ケーシング 41a…ケーシング本体 41b…吸入口 41c…吐出口 100…ギアド圧縮機 210…駆動支軸 211…駆動歯車本体 211a…駆動歯車上半部 211b…駆動歯車下半部 220…第一駆動側ピニオン支軸 221…第一駆動側ピニオン本体 222…第一スラスト軸受 230…第二駆動側ピニオン支軸 231…第二駆動側ピニオン本体 232…第二スラスト軸受 240…中間支軸 241…中間歯車本体 241a…中間歯車上半部 241b…中間歯車下半部 250…第一中間側ピニオン支軸 251…第一中間側ピニオン本体 252…第三スラスト軸受 260…第二中間側ピニオン支軸 261…第二中間側ピニオン本体 262…第四スラスト軸受 271…駆動歯車用軸受 272…中間歯車用軸受 273…ピニオン支軸用軸受 274…第一圧縮部用軸受 275…第二圧縮部用軸受 276…第三圧縮部用軸受 277…第四圧縮部用軸受 278…第五圧縮部用軸受 279…第六圧縮部用軸受 310…第一ロータ 310a…第一回転軸 310b…第一インペラ 311…第一圧縮部ケーシング 311a…第一ガス導入口 311b…第一ガス吐出口 320…第二ロータ 320a…第二回転軸 320b…第二インペラ 321…第二圧縮部ケーシング 321a…第二ガス導入口 321b…第二ガス吐出口 330…第三ロータ 330a…第三回転軸 330b…第三インペラ 331…第三圧縮部ケーシング 331a…第三ガス導入口 331b…第三ガス吐出口 340…第四ロータ 340a…第四回転軸 340b…第四インペラ 341…第四圧縮部ケーシング 341a…第四ガス導入口 341b…第四ガス吐出口 350…第五ロータ 350a…第五回転軸 350b…第五インペラ 351…第五圧縮部ケーシング 351a…第五ガス導入口 351b…第五ガス吐出口 360…第六ロータ 360a…第六回転軸 360b…第六インペラ 361…第六圧縮部ケーシング 361a…第六ガス導入口 361b…第六ガス吐出口 A1…第一軸線 A2…第二軸線 A3…第三軸線 A4…第四軸線 B…基礎 C…カップリング Da…軸線方向 Dab…一方側 Daf…他方側 G…作動流体 O…軸線 O1…出力軸線 O2…駆動軸線 O3…中間軸線 Pi…面内方向 Po…面外方向 X…仮想面
図1
図2