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特開2023-82437CCL8による免疫細胞の動員が関与する炎症を抑制するための組成物
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  • 特開-CCL8による免疫細胞の動員が関与する炎症を抑制するための組成物 図1
  • 特開-CCL8による免疫細胞の動員が関与する炎症を抑制するための組成物 図2A
  • 特開-CCL8による免疫細胞の動員が関与する炎症を抑制するための組成物 図2B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082437
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】CCL8による免疫細胞の動員が関与する炎症を抑制するための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20230607BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230607BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230607BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230607BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/5517 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/426 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/404 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/41 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 8/96 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20230607BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230607BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230607BHJP
   C07K 16/24 20060101ALN20230607BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P1/04 ZNA
A61P29/00
A61P17/00
A61P43/00 111
A61K31/381
A61K31/53
A61K31/437
A61K31/498
A61K31/5517
A61K31/4709
A61K31/513
A61K31/426
A61K31/519
A61K31/404
A61K31/41
A61K31/495
A61K31/428
A61K8/96
A61K8/41
A61K8/49
A61Q19/00
A61K39/395 D
A61K39/395 N
C07K16/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196208
(22)【出願日】2021-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】592068200
【氏名又は名称】学校法人東京薬科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 正人
(72)【発明者】
【氏名】浅野 謙一
【テーマコード(参考)】
4C083
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C083AC551
4C083AC552
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC861
4C083AC862
4C083BB51
4C083CC02
4C083DD14
4C083DD15
4C083DD16
4C083DD17
4C083DD39
4C083EE13
4C084AA17
4C084MA23
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA41
4C084MA43
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA59
4C084MA60
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA681
4C084ZA682
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZB111
4C084ZB112
4C084ZC021
4C084ZC022
4C084ZC412
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085CC02
4C085EE01
4C085GG01
4C085GG02
4C085GG03
4C085GG04
4C085GG06
4C085GG08
4C085GG10
4C086AA01
4C086AA02
4C086BB02
4C086BC13
4C086BC28
4C086BC42
4C086BC50
4C086BC52
4C086BC64
4C086BC82
4C086BC84
4C086CB05
4C086CB11
4C086CB22
4C086GA04
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA23
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA56
4C086MA59
4C086MA60
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA68
4C086ZA89
4C086ZB11
4C086ZC02
4C086ZC41
4H045AA11
4H045AA30
4H045DA76
4H045EA28
(57)【要約】
【課題】
本発明は、炎症を抑制するための組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
Mafを発現する細胞を有する対象において炎症を抑制するための組成物であって、CCL8の活性を阻害する化合物を含む、組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
cMafを発現する細胞を有する対象において炎症を抑制するための組成物であって、CCL8の活性を阻害する化合物を含む、組成物。
【請求項2】
前記cMafを発現する細胞を有する対象が、炎症性腸疾患、クローン病および炎症性皮膚炎から選択される少なくとも1つの疾患または障害に罹患しているか、または
前記cMafを発現する細胞を有する対象が、腸炎および皮膚炎から選択される少なくとも1つの症状または状態を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記対象がヒトである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記CCL8の活性を阻害する化合物が、cMafアンタゴニストおよびCCL8アンタゴニストからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記CCL8の活性を阻害する化合物が、式(I-a)~(XVI-a)で表される化合物ならびにその医薬的に許容可能な塩および溶媒和物から選択される少なくとも1つである、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。

【化1】

【請求項6】
前記CCL8の活性を阻害する化合物が、式(IV-a)および(V-a)で表される化合物ならびにその医薬的に許容可能な塩および溶媒和物から選択される少なくとも1つである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【化2】
【請求項7】
炎症誘発経路を阻害する組成物であって、
前記炎症誘発経路は、転写因子cMafがCCL8を産生し、当該産生されたCCL8が炎症性単球または病原性T細胞の動員を誘発することを含み、
前記組成物が、CCL8の活性を阻害する化合物を含む、組成物。
【請求項8】
前記CCL8の活性を阻害する化合物が、cMafアンタゴニストおよびCCL8アンタゴニストからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
医薬組成物である、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
化粧組成物である、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
炎症性単球および病原性T細胞からなる群より選択される少なくとも1つの動員を抑制するための組成物であって、CCL8の活性を阻害する化合物を含み、
前記CCL8の活性を阻害する化合物が、式(I)~(XVI)で表される化合物ならびにその医薬的に許容可能な塩および溶媒和物から選択される少なくとも1つである、組成物。
【請求項12】
前記CCL8の活性を阻害する化合物が、抗CCL8抗体であり、
前記抗体が、
(A)配列番号5で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR1と、
配列番号6で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR2と、
配列番号7で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR3と、
配列番号8で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR1と、
配列番号9で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR2と、
配列番号10で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR3と
を含むか、
(B)配列番号11で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む前記重鎖可変領域と、
配列番号12で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む前記軽鎖可変領域と
を含むか、
(C)ハイブリドーマ17D6株(NITE AP-02055)、
ハイブリドーマ1D5株(NITE AP-02056)、
ハイブリドーマ2G6株(NITE AP-02057)または
ハイブリドーマ10C7株(NITE AP-02058)
から産生される、請求項1~4および7~10のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCL8による免疫細胞の動員が関与する炎症を抑制するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease;IBD)は、再発と寛解を繰り返しながら徐々に悪化する慢性の腸疾患で、クローン病と潰瘍性大腸炎に分類される。腸管免疫は、有害な病原性微生物の侵入を排除すると同時に、腸内常在菌や食物などの有益物質に対しては過剰に反応しないよう巧妙に調節されているが、IBDでは、遺伝的要素や生活習慣等、何らかの原因により腸内細菌に対する寛容が破綻し、異常活性化した免疫細胞が持続的な炎症と組織破壊を惹起すると考えられている。腸炎の発症と炎症の蔓延化には、マクロファージや樹状細胞などの自然免疫細胞が重要な役割を担うと考えられている。しかしながら、粘膜固有層に常在する自然免疫細胞は複数の亜集団で構成される混成集団で、個々の機能も腸炎における役割もほとんどわかっていない。
【0003】
炎症性腸疾患の主な症状としては、全身倦怠感、体重減少、下痢、腹痛、貧血などが挙げられる。炎症性腸疾患は再発と寛解を繰り返しながら、徐々に進行することが多く、大腸がんのリスクファクターとしても重要である。
【0004】
炎症性腸疾患の治療薬としては、副腎皮質ホルモン、サラゾスルファピリジン(salazosulfapyridine)およびメサラジン(mesalazine)などの抗炎症剤、AZAおよび6-MPなどの免疫調節薬、抗菌薬であるメトロニダゾール、ならびに抗TNF-α抗体が使用されてきた。しかしながら、これらはいずれも本疾患に特異的な治療薬ではない。また、抗TNF-α抗体は、感染防御に不可欠なサイトカインであるTNF-α自体の働きを抑制するため、日和見感染症など重篤な副作用を合併する危険がある。以上の理由から、副作用を低減しつつも、炎症性腸疾患を特異的に抑制する治療法の開発が望まれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、CCL8による免疫細胞の動員が関与する炎症を抑制するための組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究の結果、ケモカイン(CCL8)が炎症性単球を動員して炎症を誘発すること、および、当該ケモカイン(CCL8)の産生には転写因子cMafが関与していることを見出した。そこで、cMafおよびCCL8から選択される少なくとも1つが関与する炎症誘発経路のいずれかの地点を阻害することによって、炎症を抑制できると考え、本発明をなすに至った。
【0007】
即ち、本発明は:
[1]cMafを発現する細胞を有する対象において炎症を抑制するための組成物であって、CCL8の活性を阻害する化合物を含む、組成物;
[2]前記cMafを発現する細胞を有する対象が、炎症性腸疾患、クローン病および炎症性皮膚炎から選択される少なくとも1つの疾患または障害に罹患しているか、または
前記cMafを発現する細胞を有する対象が、腸炎および皮膚炎から選択される少なくとも1つの症状または状態を有する、[1]に記載の組成物;
[3]前記対象がヒトである、[2]に記載の組成物;
[4]前記CCL8の活性を阻害する化合物が、cMafアンタゴニストおよびCCL8アンタゴニストからなる群より選択される少なくとも1つである、[1]~[3]のいずれか1項に記載の組成物;
[5]前記CCL8の活性を阻害する化合物が、式(I-a)~(XVI-a)で表される化合物ならびにその医薬的に許容可能な塩および溶媒和物から選択される少なくとも1つである、[1]~[4]のいずれか1項に記載の組成物;
【化1】


[6]前記CCL8の活性を阻害する化合物が、式(IV-a)および(V-a)で表される化合物ならびにその医薬的に許容可能な塩および溶媒和物から選択される少なくとも1つである、[1]~[5]のいずれか1項に記載の組成物;
【化2】

[7]炎症誘発経路を阻害する組成物であって、
前記炎症誘発経路は、転写因子cMafがCCL8を産生し、当該産生されたCCL8が炎症性単球または病原性T細胞の動員を誘発することを含み、
前記組成物が、CCL8の活性を阻害する化合物を含む、組成物;
[8]前記CCL8の活性を阻害する化合物が、cMafアンタゴニストおよびCCL8アンタゴニストからなる群より選択される少なくとも1つである、[7]に記載の組成物;
[9]医薬組成物である、[1]~[8]のいずれか1項に記載の組成物;
[10]化粧組成物である、[1]~[8]のいずれか1項に記載の組成物;
[11]炎症性単球および病原性T細胞からなる群より選択される少なくとも1つの動員を抑制するための組成物であって、CCL8の活性を阻害する化合物を含み、
前記CCL8の活性を阻害する化合物が、式(I)~(XVI)で表される化合物ならびにその医薬的に許容可能な塩および溶媒和物から選択される少なくとも1つである、組成物;
[12]前記CCL8の活性を阻害する化合物が、抗CCL8抗体であり、
前記抗体が、
(A)配列番号5で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR1と、
配列番号6で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR2と、
配列番号7で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR3と、
配列番号8で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR1と、
配列番号9で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR2と、
配列番号10で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR3と
を含むか、
(B)配列番号11で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む前記重鎖可変領域と、
配列番号12で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む前記軽鎖可変領域と
を含むか、
(C)ハイブリドーマ17D6株(NITE AP-02055)、
ハイブリドーマ1D5株(NITE AP-02056)、
ハイブリドーマ2G6株(NITE AP-02057)または
ハイブリドーマ10C7株(NITE AP-02058)
から産生される、[1]~[4]および[7]~[10]のいずれか1項に記載の組成物
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、CCL8による免疫細胞の動員が関与する炎症を抑制するための組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明者らが見出した、腸炎の発症メカニズムを示す。
図2A図2Aは、実験開始時の体重を100%としたときの体重変化を示す。抗CCL8抗体投与群において、腸炎に伴う体重減少が抑制された。
図2B図2Bは、大腸組織におけるIL-17 mRNAの発現レベルを示す。抗CCL8抗体投与群では炎症性サイトカイン産生が抑制された。
図3図3は、本発明者らが見出した炎症誘発経路の一例を示す。当該経路では、CD169を発現するマクロファージによって産生されたCCL8が腸炎の発症に関与することを示す。
図4A図4Aは、ルシフェラーゼアッセイによるc-Maf阻害剤スクリーニングの手順を示す。
図4B図4Bは、c-Maf阻害剤スクリーニングの結果を示す。
図4C図4Cは、低分子化合物ライブラリーからのスクリーニング手順を示す。
図5A図5Aは、CCL8産生抑制効果の評価方法を示す。マクロファージを播種した8時間後に、図4で選別したc-Maf阻害剤を10~100μMの範囲の量で添加し、播種から24時間後、それらのマクロファージをLPSで刺激した。LPS刺激の24時間後の培養液中に含まれるTNFα濃度およびCCL8濃度をELISAで定量した。
図5B図5Bは、ELISAによるTNFα濃度(上)およびCCL8濃度(下)の定量結果を示す。
図6図6は、各化合物の濃度を変えた場合のCCL8産生量の変化を示す。
図7図7は、既存薬の標的および本発明の標的の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0011】
本発明の第1の側面は、cMafを発現する細胞を有する対象において炎症を抑制するための組成物に関する。本明細書において、炎症とは、CCL8による免疫細胞の動員が関与する炎症を指す。本発明に係る組成物は、CCL8の活性を阻害する化合物を含む。
【0012】
本明細書において、「炎症」には、炎症に関する疾患、障害、症状および状態が含まれる。具体的に、「炎症」に関する疾患および障害としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:炎症性皮膚疾患(例えば、乾癬および皮膚炎)、汎発性強皮症、全身性硬化症、炎症性腸炎(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、外科的組織再潅流による損傷および心筋梗塞、心停止、心臓手術後の再潅流、経皮経管冠動脈形成手術後の狭窄等の心筋虚血状態、虚血性再潅流疾患(例えば、卒中および腹部大動脈瘤)、卒中に続発する脳水腫、頭蓋外傷、血液量減少ショック、仮死、成人呼吸窮迫症候群 急性肺損傷、ベーチェット病、皮膚筋炎、多発性筋炎、多発性硬化症(MS)、皮膚炎、髄膜炎、脳炎、ブドウ膜炎、変形性関節炎、ループス腎炎、関節炎症状態(例えば、リウマチ様関節炎(RA)、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎)、シェーグレン症候群、血管炎、白血球の血管外漏出を伴う疾患、中枢神経系(CNS)炎症疾患、敗血症または外傷に続発する多臓器損傷症候群、アルコール性肝炎、細菌性肺炎、腎炎を含む抗原抗体複合体媒介疾患、敗血症、サルコイドーシス、組織移植に対する免疫異常反応、臓器移植に対する免疫異常反応、胸膜炎、肺胞炎、脈管炎、肺炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、過敏性肺炎、特発性肺線維症(IPF)、嚢胞性線維症を含む肺の炎症、慢性炎症、急性炎症、自己免疫性糖尿病、喘息、全身性エリテマトーデス、成人呼吸窮迫症候群、慢性肺炎症性疾患、対宿主性移植片疾患、アルツハイマー病、発熱、その他炎症が関連する疾患、疾病および異常状態。「炎症」に関する疾患および障害は、好ましくは、炎症性腸疾患、クローン病および炎症性皮膚炎から選択される少なくとも1つであり、より好ましくは、炎症性腸疾患およびクローン病から選択される少なくとも1つである。
【0013】
また、「炎症」に関する症状および状態としては、例えば、腸炎、皮膚炎等が挙げられる。「炎症」に関する症状および状態は、好ましくは、腸炎である。
【0014】
「cMafを発現する細胞」としては、例えば、マクロファージが挙げられる。
【0015】
炎症性単球としては、例えば、マクロファージが挙げられる。炎症性単球は、好ましくはCD169マクロファージである。
【0016】
病原性T細胞としては、例えば、CCL8によって動員され、炎症の増悪に関与するCD4T細胞の亜集団が挙げられる。
【0017】
好ましい一態様において、本発明に係る組成物は、cMaf依存的に産生が促進されるCCL8によって動員される炎症性単球を有する対象において炎症を抑制する。本明細書において、「炎症性単球を有する対象」は、上記からの疾患または障害から選択される少なくとも1つに罹患しているか、または、上記の症状および状態から選択される少なくとも1つを有する対象をいう。
【0018】
好ましい一態様において、本発明に係る組成物は、cMaf依存的に産生が促進されるCCL8によって動員される病原性T細胞を有する対象において炎症を抑制する。本明細書において、「病原性T細胞を有する対象」は、上記からの疾患または障害から選択される少なくとも1つに罹患しているか、または、上記の症状および状態から選択される少なくとも1つを有する対象をいう。
【0019】
「CCL8の活性を阻害する化合物」の語は、最も広い意味で使用され、炎症を誘発する経路(以下、「炎症誘発経路」とも称する。)に関与する化合物および細胞のいずれか1つ以上の生物学的活性を阻害する化合物が含まれるものとする。本明細書において、「炎症誘発経路」の語は、炎症性単球の動員を誘発する経路(以下、「炎症性単球動員経路」とも称する。)を包含するものとする。
【0020】
「炎症誘発経路」は、炎症性単球、cMaf、CCL8および病原性T細胞からなる群より選択される少なくとも1つを含む。好ましくは、「炎症誘発経路」は、cMafおよびCCL8を含む。より好ましくは、「炎症誘発経路」は、炎症性単球、cMafおよびCCL8を含むか、または、炎症性単球、cMaf、CCL8および病原性T細胞を含む。
【0021】
「炎症誘発経路」においては、転写因子c-MafがCCL8を産生し、当該産生されたCCL8が炎症性単球または病原性T細胞の動員を誘発する。
【0022】
本発明者らは、これまでに、当該ケモカインCCL8の産生の一例として、CD169マクロファージ内の転写因子c-Mafが関与していることを見出した(図1および図3参照)。この例においては、「炎症誘発経路」は、CD169を発現した細胞において、転写因子c-Mafによって、当該細胞がCCL8を産生し、産生されたCCL8が炎症性単球の動員を誘発する経路である。
【0023】
本知見は、cMafを発現した細胞が産生するCCL8が、炎症を誘発する経路に関与する化合物および細胞のいずれかの1つ以上の生物学的活性を阻害することで、炎症性単球の動員を阻害し、炎症の発生を抑制できることを示唆する。また、本発明者らが得た知見は、炎症を有する対象の処置において、上記炎症誘発経路を標的にすることの有用性を示すものである。
【0024】
「炎症誘発経路に関与する化合物」および「炎症誘発経路に関与する細胞」の語には、例えば、転写因子c-Maf、CCL8、炎症性単球および病原性T細胞が含まれる。一例として、CD169マクロファージが炎症誘発経路に含まれる場合、「炎症誘発経路に関与する化合物」および「炎症誘発経路に関与する細胞」の語には、CD169マクロファージ、CD169、c-Maf、CCL8、炎症性単球および病原性T細胞が含まれる。
【0025】
本明細書において、「対象」は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物である。本明細書において、「哺乳動物」の語は、哺乳動物に分類されるあらゆる動物を指すために使用され、例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、イヌ、ネコが含まれるが、これらに限定されない。対象は、最も好ましくはヒトである。
【0026】
本明細書において「Maf」の語は、具体的には「c-Maf」を意味する。Maf群転写因子は、大Maf群因子と小Maf群因子とに大別される。大Maf群因子としては、Mafa、Mafb、c-Maf、Nrlが挙げられ、小Maf群因子としては、Maff、Mafg、Mafkが挙げられる。大Maf群因子は転写活性化ドメインを有するのに対し、小Maf群因子は転写活性化ドメインを持たない。大Maf群因子および小Maf群因子はどちらも、塩基性領域-ロイシンジッパー(bZIP)ドメインを介してホモ二量体を形成して標的DNA配列を認識し結合する、DNA結合性のタンパク質である。本明細書中で用いる「Maf」は、大Maf群因子のうちの「c-Maf」を意味するものとし、本明細書において、「Maf」の語と、「cMaf」の語と、「c-Maf」の語とは同義であり、それぞれ互換可能に用いられるものとする。
【0027】
本明細書において、「c-Mafを発現した細胞」は、典型的には、マクロファージである。上記のとおり、本発明者らは、これまでに、炎症性腸疾患の症例に関し、CD169マクロファージによって産生されるケモカイン(CCL8)が炎症性単球を動員して炎症を誘発すること、および、当該ケモカインの産生にはCD169マクロファージ内の転写因子Mafが関与していることを見出した。したがって、「c-Mafを発現した細胞」は、例えば、CD169を発現したマクロファージであるが、これに限定されない。
【0028】
「c-Mafを発現した細胞を有する対象」とは、いずれかの細胞にc-Mafを発現している対象をいい、好ましくは、マクロファージにc-Mafを発現している対象をいう。c-Mafの発現は、当該分野で既知の方法、例えば、フローサイトメトリー、免疫細胞染色、リアルタイムRT-PCR等によって検出することができる。
【0029】
好ましい態様において、「c-Mafを発現した細胞を有する対象」は、「c-Mafの発現が亢進した細胞を有する対象」または「c-Mafの発現が上昇した細胞を有する対象」である。c-Mafに関して、「発現が亢進した」または「発現が上昇した」とは、その対象において、参照サンプルまたはコントロールサンプルにおけるc-Maf遺伝子の発現レベルと比較して、より高いc-Maf遺伝子の発現レベルを呈することを意味する。上昇した発現レベルは、ある遺伝子または16q23もしくは16q22-24染色体遺伝子座の増幅または転座によって、他の機序を排除せずに引き起こされ得る。具体的に、対象における細胞中のMafの発現レベル、または、対象から単離されたサンプル中のc-Mafの発現レベルが、参照またはコントロールと比較して、例えば1.0倍超、1.1倍以上、1.2倍以上、1.5倍以上、2.0倍、3.0倍以上、4.0倍以上、5.0倍以上、6.0倍以上、7.0倍以上、上昇している場合、対象において、c-Mafの発現が亢進しているか、または上昇しているとみなされる。本明細書中で使用されるとき、「MAF遺伝子」、「Maf」、「c-MAF」または「c-Maf」は、ホモ二量体またはヘテロ二量体のように作用するロイシンジッパーを含む転写因子である。
【0030】
「CCL8」は具体的には、転写因子c-Mafによって発現および産生されるケモカインである。「CCL8の活性を阻害する化合物」には、上記「炎症性単球動員経路に関与する化合物」および「炎症性単球動員経路に関与する細胞」の少なくとも1つの活性を阻害する化合物が包含され、例えば、c-MafアンタゴニストおよびCCL8アンタゴニストが挙げられる。
【0031】
本明細書において、「アンタゴニスト」の語は、最も広い意味で使用される。「アンタゴニスト」は分子であり、作用の基となるメカニズムに関わらず、部分的にまたは完全に標的分子の生物学的活性を遮断、阻害、中和、防御および/または干渉するものである。
【0032】
「c-Mafアンタゴニスト」に関連して、標的分子であるc-Mafの「生物学的活性」とは、例えば、CCL8をコードする遺伝子の転写を阻害する能力、CCL8 mRNAを転写後修飾して翻訳を阻害する能力、c-Mafに特異的に結合する能力、c-Mafをコードする遺伝子の転写を阻害する能力、および、c-Mafと他の転写因子との結合を阻害する能力である。c-Mafアンタゴニストは例えば、c-Mafを特異的に認識してc-Mafを中和する能力、または、CCL8をコードするDNAの領域のRNAへの遺伝情報の転写を阻害または遮断する能力に基づいて同定されてよい。
【0033】
「c-Mafアンタゴニスト」の例には、天然c-Mafポリペプチド全体もしくは天然c-Mafポリペプチドサブユニットに対する中和抗体、免疫グロブリン定常領域配列と融合したc-Mafサブユニットを含む免疫付着因子、小分子、天然c-Mafポリペプチド全体もしくは天然c-Mafポリペプチドサブユニットに結合するアプタマー、天然c-Mafポリペプチドの全体もしくはサブユニットをコードする遺伝子の翻訳および転写の少なくとも一方を阻害することのできる核酸分子(例えば、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、デコイ、リボザイム)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
ここで、天然c-Mafポリペプチドの配列は、当該分野で既知のデータベースから取得することができる。c-Mafアンタゴニストには、かかる配列を有するポリペプチドを特異的に認識する抗体およびその断片や、当該配列と一定の配列同一性(例えば、80%以上、85%以上または90%以上の配列同一性)を有するポリペプチドを特異的に認識する抗体およびその断片などが含まれる。
【0035】
また、天然c-Mafポリペプチドをコードする遺伝子の塩基配列も、当該分野で既知のデータベースから取得することができる。したがって、c-Mafアンタゴニストには:
・上記のようなアミノ配列を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
・上記のようなアミノ配列と一定の配列同一性(例えば、80%以上、85%以上または90%以上の配列同一性)を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
・上記のような塩基配列を有する遺伝子、
・上記のような塩基配列と一定の配列同一性(例えば、80%以上、85%以上または90%以上の配列同一性)を有する塩基配列を有する遺伝子
の翻訳および転写の少なくとも一方を阻害することのできる核酸分子などが含まれる。
【0036】
「CCL8アンタゴニスト」に関連して、標的分子であるCCL8の「生物学的活性」とは、例えばCCL8によって誘発される炎症性単球の動員である。「CCL8アンタゴニスト」は例えば、CCL8を認識し中和する能力および免疫細胞の動員を抑制する能力、および免疫細胞の遊走を抑制する能力に基づいて同定されうる。
【0037】
「CCL8アンタゴニスト」の例には、天然CCL8アンタゴニストポリペプチド全体もしくは天然CCL8アンタゴニストポリペプチドサブユニットに対する中和抗体、免疫グロブリン定常領域配列と融合したCCL8アンタゴニストサブユニットを含む免疫付着因子、小分子、天然CCL8アンタゴニストポリペプチド全体もしくは天然CCL8アンタゴニストポリペプチドサブユニットに結合するアプタマー、天然CCL8アンタゴニストポリペプチドの全体もしくはサブユニットをコードする遺伝子の翻訳および転写の少なくとも一方を阻害することのできる核酸分子(例えば、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、デコイ、リボザイム)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
ここで例えば、ヒト由来のCCL8は、99個のアミノ酸からなるCCL8前駆体から、1~23個のアミノ酸からなるシグナル配列が切断され、76個のアミノ酸からなる成熟型のCCL8ポリペプチドとして細胞外に分泌される。また、例えば、マウスCCL8は、97個のアミノ酸からなるCCL8前駆体から、1~19個のアミノ酸からなるシグナル配列が切断され、78個のアミノ酸からなる成熟型のCCL8ポリペプチドとして細胞外に分泌される。
【0039】
天然CCL8前駆体ポリペプチドの配列および天然CCL8ポリペプチドの配列は、当該分野で既知のデータベースから取得することができる。天然CCL8前駆体ポリペプチドの配列としては、例えば、以下に示す、配列番号1(Human CCL8 precursor;NCBI Reference Sequence:NP_005614)、配列番号2(Mus musculus CCL8 precursor;NCBI Reference Sequence:NP_067418)が挙げられる。天然CCL8ポリペプチドの配列としては、例えば、以下に示す、配列番号3(Human CCL8)、配列番号4(Mus musculus CCL8)が挙げられる。したがって、CCL8アンタゴニストには、このような配列を有するポリペプチドを特異的に認識する抗体およびその断片や、当該配列と一定の配列同一性(例えば、80%以上、85%以上または90%以上の配列同一性)を有するポリペプチドを特異的に認識する抗体およびその断片が含まれる。
【0040】
【表1】
【0041】
CCL8アンタゴニストには、
・上記のようなアミノ配列を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
・上記のようなアミノ配列と一定の配列同一性(例えば、80%以上、85%以上または90%以上の配列同一性)を有するポリペプチドをコードする遺伝子
の翻訳および転写の少なくとも一方を阻害することのできる核酸分子が含まれる。
【0042】
「CCL8アンタゴニスト」には、当該分野で公知のものが含まれてよく、例えば、特開2016-222656号公報(特許第6947372号明細書)などに記載の抗CCL8抗体およびその断片、ならびに、抗CCL8抗体としての機能を有する市販品および治験薬が挙げられる。
【0043】
一態様において、本発明のCCL8アンタゴニストは、抗CCL8抗体である。抗CCL8抗体は、高い分子/細胞結合能力を有する。一例として、特開2016-222656号公報(特許第6947372号明細書)に記載の「17D6」、「1D5」、「2G6」、「10C7」等が挙げられるが、これらに限定されない。抗CCL8抗体は当該分野で公知の方法、例えば、特開2016-222656号公報(特許第6947372号明細書)に記載の方法によって調製および検定され得る。
【0044】
本発明において、「CCL8ポリペプチド」とは、全長タンパク質およびその断片の両方を含むことを意図する。断片とは、CCL8ポリペプチドの任意の領域を含むペプチドであり、天然のCCL8ポリペプチドの機能を有していなくてもよい。また、「CCL8ポリペプチド」には、更にCCL8相同分子およびその断片も含まれるものとする。CCL8相同分子には、天然のCCL8ポリペプチドと例えば80%以上、好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドが含まれるものとする。一態様において、抗CCL8抗体は、配列番号2または配列番号4で示されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するサイトカインCCL8またはその相同分子に結合する。また、好ましくは、前記抗体は、配列番号2または配列番号4で示されるアミノ酸配列を有するサイトカインCCL8またはその相同分子に結合する。
【0045】
更に詳細には、抗CCL8抗体は、配列番号2で示されるサイトカインCCL8ポリペプチドのアミノ酸配列のうち1~76位のアミノ酸の領域において、又は、配列番号4で示されるサイトカインCCL8ポリペプチドのアミノ酸配列のうち1~78位のアミノ酸の領域においてエピトープを認識する。本発明において、「エピトープ」とは、動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはマウス、ラットまたはヒトの体内において、抗原性および/または免疫原生を有するCCL8ポリペプチドの部分ペプチドを意味する。抗原性を有するCCL8の部分ペプチドであるエピトープは、免疫アッセイ等、当業者に既知の方法により決定することができる。エピトープは例えば、以下の方法によって決定することができる。まず、公知のオリゴペプチド合成技術を用い、CCL8ポリペプチドの様々な部分構造を作製する。具体的には、CCL8ポリペプチドのC末端またはN末端から適当な長さで順次短くした一連のポリペプチドを検討し、大まかな認識部位を決定した後に更に短いペプチドを合成して、それらとの反応性を調べることによって決定することができる。
【0046】
「17D6」は、配列番号2または4で示されるサイトカインCCL8ポリペプチドのアミノ酸配列のうち、例えば1~20位、好ましくは1~17位、より好ましくは1~15位、さらに好ましくは1~14位、最も好ましくは1~13位のアミノ酸領域においてエピトープを認識する。「1D5」は、配列番号2または4で示されるサイトカインCCL8ポリペプチドのアミノ酸配列のうち、例えば1~15位、好ましくは1~10位、より好ましくは1~7位、さらに好ましくは1~5位、最も好ましくは1~4位のアミノ酸領域においてエピトープを認識する。「10C7」は、配列番号2または4で示されるサイトカインCCL8ポリペプチドのアミノ酸配列のうち、例えば1~15位、好ましくは1~10位、より好ましくは1~7位、さらに好ましくは1~5位、最も好ましくは1~4位のアミノ酸領域においてエピトープを認識する。「2G6」は、配列番号2で示されるサイトカインCCL8ポリペプチドのアミノ酸配列のうち、例えば3~76位、好ましくは5~76位、より好ましくは10~76位、さらに好ましくは15~76位、最も好ましくは20~76位のアミノ酸領域においてエピトープを認識する。また、「2G6」は、配列番号4で示されるサイトカインCCL8ポリペプチドのアミノ酸配列のうち、例えば3~78位、好ましくは5~78位、より好ましくは10~78位、さらに好ましくは15~78位、最も好ましくは20~78位のアミノ酸領域においてエピトープを認識する。
【0047】
抗CCL8抗体は、例えば、以下のような相補性決定領域(CDR;complementarity determining region):
配列番号5で示されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR1と、
配列番号6で示されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR2と、
配列番号7で示されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR3と、
配列番号8で示されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR1と、
配列番号9で示されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR2と、
配列番号10で示されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR3と
を含み、好ましくは:
配列番号5で示されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR1と、
配列番号6で示されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR2と、
配列番号7で示されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域のCDR3と、
配列番号8で示されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR1と、
配列番号9で示されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR2と、
配列番号10で示されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域のCDR3と
を含む。
【0048】
抗CCL8抗体は、例えば、配列番号11で示されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号12で示されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む。抗CCL8抗体は、好ましくは、配列番号11で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号12で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む。
【0049】
【表2-1】
【0050】
【表2-2】
【0051】
別の態様において、抗CCL8抗体は、ハイブリドーマ17D6株(NITE AP-02055)、ハイブリドーマ1D5株(NITE AP-02056)、ハイブリドーマ2G6株(NITE AP-02057)またはハイブリドーマ10C7株(NITE AP-02058)から産生される。ハイブリドーマ17D6株、ハイブリドーマ1D5株、ハイブリドーマ2G6株およびハイブリドーマ10C7株は独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター 特許微生物寄託センター(NPMD)(住所:千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に2015年5月22日付けで寄託されている。
【0052】
本明細書において、「抗体」の語は最も広い意味で使用され、特にモノクローナル抗体(例えば中和抗体および作動性抗体)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)および抗体フラグメントが含まれる。目的とする生物学的活性を示す限り、モノクローナル抗体には、キメラ抗体および当該抗体のフラグメントが含まれる。キメラ抗体は、重鎖あるいは軽鎖もしくはその両方の一部分が、特定の種由来の抗体、あるいは特定の抗体クラスあるいはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一であるかまたは相同であり、残りの鎖は別の種由来の抗体ならびにこのような抗体のフラグメント、あるいは別の抗体クラスあるいはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一であるもしくは相同であるものである(米国特許第4,816,567号;Morrison et al.,Proc Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855[1984])。さらにモノクローナル抗体には、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含む、ヒト化抗体またはフラグメントが含まれ、当該フラグメントとしては、例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)、その他抗体の抗原結合部分配列が挙げられるがこれらに限定されない。一態様において、ヒト化抗体は、受容者のCDR由来の残基が、所望の特異性、親和性、能力を持つ非ヒト種(供与体抗体)のCDR由来の残基に置き換わっているヒト免疫グロブリン(受容者抗体)であってもよい。非ヒト種の例には、マウスもしくはラット、ウサギ等がある。一例では、ヒト免疫グロブリンのFv、FR残基は、非ヒトの対応する残基に置換されている。ヒト化抗体は受容者抗体に導入されたCDRまたはフレームワーク配列にもみられない残基を含んでいてもよい。これらの修飾は、抗体の性能を向上させる目的で行われる。一般に、ヒト化抗体は実質的にあらゆる、1つ以上、典型的には2つの可変ドメインを含み、ここで、全てのもしくは実質的に全てのCDR 領域が非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に相当し、且つ全ての、もしくは実質的に全てのFR領域がヒト免疫グロブリン配列のFR領域である。また最適なヒト化抗体は免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部を含み、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域を含む。ヒト化抗体には霊長類化抗体が含まれてもよい。詳細は、当該分野
で公知の文献、例えば、Jones et al.,Nature,321:522-525(1986)およびReichmann et al.,Nature,332:323-329(1998)などに記載される。
【0053】
「抗体フラグメント」には、全長抗体の一部分、一般的にはその抗原結合領域または可変領域が含まれる。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)及びFv断片;単一鎖抗体分子;ダイアボディ;直鎖状抗体;単鎖抗体分子及び抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。
【0054】
「モノクローナル抗体」の語は、実質的に均質な抗体、すなわち母集団を含むそれぞれの抗体がわずかに存在してもよい天然に生じ得る変異を除いて同等であるような母集団から得られる抗体を指す。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一の抗原部位を指向する。更に、典型的には異なる決定基(エピトープ)に向けられた異なる抗体を含む慣用の(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一の決定基に向けられている。
【0055】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」の語は、配列特異的な方法で標的遺伝子の転写あるいは翻訳、もしくはその両方を阻害することができる核酸分子として定義される。「アンチセンス」の語は、その核酸が標的遺伝子のコーディング(「センス」) 遺伝子配列に対して相補的であることを指す。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ワトソン-クリック塩基結合によって逆平行方向に新生mRNAとハイブリダイズする。標的mRNA鋳型と結合することによって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、コードされているタンパク質の翻訳の達成を阻害する。この語には特に「リボザイム」と呼ばれるアンチセンス薬剤が含まれ、これは自然自己スプライシング活性を持つ配列を加えることによって標的RNAの触媒切断を誘導するように設計されたものである(例えば、Warzocha et al.,Leuk.Lymphoma 24:267-281[1997]参照)。
【0056】
好ましい一態様において、下記式(I)~(XVI)で表される化合物ならびにその医薬的に許容可能な塩、薬理学的に許容可能な塩、化粧品的に許容可能な塩および溶媒和物が、CCL8の活性を阻害する化合物に含まれる。
【0057】
【化3】
【0058】
式(I)中、Q11は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環、あるいは10~12員の、部分的飽和もしくは飽和の縮合ヘテロ二環式環系もしくは縮合二環式系またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~8個含んでいてもよい)であり;
11は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
12は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
12は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
11は、OまたはSであり;
12は、NR13またはCR1415であり;
13、R14およびR15は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
は、0~7であり;
は、0~5である。
【0059】
11は、好ましくは、10~12員の、部分的飽和もしくは飽和の縮合ヘテロ二環式環系もしくは縮合二環式系またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~8個含んでいてもよい)であり;
11は、より好ましくは、10~12員の、部分的飽和もしくは飽和の縮合ヘテロ二環式環系もしくは縮合二環式系またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
11は、さらに好ましくは、10~12員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
11は、特に好ましくは、12員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
11は、最も好ましくは、12員の芳香環である。
【0060】
11は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
11は、より好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
11は、さらに好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択される。
【0061】
12は、好ましくは、6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
12は、より好ましくは、6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
12は、さらに好ましくは、6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
12は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0062】
12は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
12は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
12は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、(C1-C4-アルキル)カルボニル、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル、(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
12は、特に好ましくは、互いに独立して、ハロゲンおよびニトロから選択され;
12は、最も好ましくは、互いに独立して、臭素およびニトロから選択される。
【0063】
11は、好ましくは、Oである。
【0064】
12は、好ましくは、NR13である。
【0065】
13は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
13は、より好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシから選択され;
13は、さらに好ましくは、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、ハロゲンから選択され;
13は、最も好ましくは、水素である。
【0066】
14およびR15は、好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
14およびR15は、より好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシから選択され;
14およびR15は、さらに好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、ハロゲンから選択され;
14およびR15は、最も好ましくは、互いに独立して、水素である。
【0067】
は、好ましくは0~6;より好ましくは0~5;さらに好ましくは0~4;特に好ましくは0~3;極めて好ましくは0~2;さらに極めて好ましくは0~1;最も好ましくは0である。
【0068】
は、好ましくは0~5;より好ましくは0~4;さらに好ましくは0~3;特に好ましくは0~2;極めて好ましくは1~2;最も好ましくは2である。
【0069】
【化4】
【0070】
式(II)中、Q21は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
21は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
22は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
22は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
23は、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、-COOR25、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
25は、水素、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよく、前記環は、R26で1回以上置換されていてもよい)であり;
26は、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシから選択され、
は、0~5であり;
は、0~4である。
【0071】
21は、好ましくは、6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
21は、より好ましくは、6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
21は、さらに好ましくは、6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
21は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0072】
21は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
21は、より好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
21は、さらに好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択される。
【0073】
22は、好ましくは、6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
22は、より好ましくは、6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
22は、さらに好ましくは、6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
22は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0074】
22は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
22は、より好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
22は、さらに好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択され;
22は、最も好ましくは、互いに独立して、エトキシである。
【0075】
23は、好ましくは、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、-COOR25、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
23は、より好ましくは、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、カルボキシ、-COOR25、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
23は、さらに好ましくは、カルボキシ、-COOR25、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
23は、特に好ましくは、カルボキシ、-COOR25から選択され;
23は、最も好ましくは、-COOR25である。
【0076】
25は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよく、前記環は、R26で1回以上置換されていてもよい)であり;
25は、より好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよく、前記環は、R26で1回以上置換されていてもよい)であり;
25は、さらに好ましくは、5員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよく、前記環は、R26で1回以上置換されていてもよい)であり;
25は、特に好ましくは、5員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよく、前記環は、R26で1回以上置換されていてもよい)であり;
25は、極めて好ましくは、5員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1個含んでおり、前記環は、R26で1回以上置換されていてもよい)であり;
25は、最も好ましくは、5員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、Sを1個含んでおり、前記環は、R26で1回以上置換されていてもよい)である。
【0077】
26は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシから選択され、
26は、より好ましくは、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシから選択され、
26は、特に好ましくは、水素である。
【0078】
は、好ましくは0~4、より好ましくは0~3、さらに好ましくは0~2、特に好ましくは0~1、最も好ましくは0である。
【0079】
は、好ましくは0~3、より好ましくは1~3、さらに好ましくは1~2、特に好ましくは1である。
【0080】
【化5】
【0081】
式(III)中、Q31は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
31は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
32は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
32は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
33は、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
34およびR35は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
31は、CHまたはNであり;
32、Z33およびZ34は、互いに独立して、CまたはNであり;
31およびX32は、互いに独立して、OまたはSであり;
は、0~5であり;
は、0~4であり;
は、0~4である。
【0082】
31は、好ましくは、6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
31は、より好ましくは、6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
31は、さらに好ましくは、6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
31は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0083】
31は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
31は、より好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
31は、さらに好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択され;
31は、最も好ましくは、互いに独立して、メチルである。
【0084】
32は、好ましくは、6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
32は、より好ましくは、6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
32は、さらに好ましくは、6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
32は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0085】
32は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
32は、より好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
32は、さらに好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択される。
【0086】
33は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
33は、より好ましくは、水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
33は、さらに好ましくは、水素、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択され;
33は、最も好ましくは、メトキシである。
【0087】
34およびR35は、好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
34およびR35は、より好ましくは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
34およびR35は、さらに好ましくは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択され;
34およびR35は、最も好ましくは、互いに独立して、メチルである。
【0088】
31は、好ましくはNである。Z32、Z33およびZ34は、好ましくは、互いに独立して、Nである。
【0089】
31およびX32は、好ましくは、互いに独立して、Oである。
【0090】
は、好ましくは1~5、より好ましくは1~4、さらに好ましくは1~3、特に好ましくは1~2、最も好ましくは1である。
【0091】
は、好ましくは0~4であり、より好ましくは0~3、さらに好ましくは0~2、特に好ましくは0~1、最も好ましくは0である。
【0092】
は、好ましくは0~4、より好ましくは0~3、さらに好ましくは0~2、特に好ましくは0~1、最も好ましくは1である。
【0093】
【化6】
【0094】
式(IV)中、Q41は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
41は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
42は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
42は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
42は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
43は、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
44は、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
41およびX42は、互いに独立して、OまたはSであり;
は、0~4であり;
は、0~5であり;
は、0~5である。
【0095】
41は、好ましくは、6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
41は、より好ましくは、6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
41は、さらに好ましくは、6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
41は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0096】
41は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
41は、より好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
41は、さらに好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択される。
【0097】
42は、好ましくは、6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
42は、より好ましくは、6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
42は、さらに好ましくは、6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
42は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0098】
42は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
42は、より好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
42は、さらに好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択され;
42は、最も好ましくは、互いに独立して、フッ素である。
【0099】
43は、好ましくは、6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
43は、より好ましくは、6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
43は、さらに好ましくは、6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
43は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0100】
43は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
43は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニルから選択され;
43は、さらに好ましくは、互いに独立して、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニルから選択され;
43は、特に好ましくは、互いに独立して、(C1-C4-アルキル)カルボニル、(C1-C4-アルコキシ)カルボニルから選択され;
43は、最も好ましくは、互いに独立して、エトキシカルボニルである。
【0101】
44は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、ハロゲンから選択され;
44は、より好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシから選択され;
44は、さらに好ましくは、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシから選択され;
44は、最も好ましくは、水素である。
【0102】
41およびX42は、好ましくは、互いに独立して、Oである。
【0103】
は、好ましくは0~3であり;より好ましくは0~2、さらに好ましくは0~1、最も好ましくは0である。
【0104】
は、好ましくは1~5であり;より好ましくは1~4であり;さらに好ましくは1~3;特に好ましくは1~2;最も好ましくは1である。
【0105】
は、好ましくは1~5、より好ましくは1~4、さらに好ましくは1~3;特に好ましくは1~2;最も好ましくは1である。
【0106】
【化7】
【0107】
式(V)中、Q51は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
51は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
52は、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
53は、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
51は、OまたはSであり;
51は、CHまたはNHであり;
52は、CまたはNであり;
53は、NまたはCHであり;
は、0~4であり;
は、0~4である。
【0108】
51は、好ましくは、6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
51は、より好ましくは、6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
51は、さらに好ましくは、6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
51は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0109】
51は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
51は、より好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
51は、さらに好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択される。
【0110】
52は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
52は、より好ましくは、水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシから選択され;
52は、さらに好ましくは、水素、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシから選択され;
52は、最も好ましくは、tert-ブチルである。
【0111】
53は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
52は、より好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノから選択され;
52は、さらに好ましくは、水素、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノから選択され;
52は、最も好ましくは、アミノである。
【0112】
51は、好ましくはOである。
【0113】
51は、好ましくはNHである。Z52は、好ましくはNである。
【0114】
53は、好ましくはNである。
【0115】
は、好ましくは0~3、より好ましくは0~2、さらに好ましくは0~1、最も好ましくは0である。
【0116】
は、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、さらに好ましくは1~2、最も好ましくは1である。
【0117】
【化8】
【0118】
式(VI)中、Q61は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
61は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
62は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
62は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
61は、OまたはSであり;
は、1~5であり;
は、0~5である。
【0119】
61は、好ましくは、5員もしくは6員の部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環または環式環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
61は、より好ましくは、5員もしくは6員の部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環または環式環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~2個含んでいてもよい)であり;
61は、さらにより好ましくは、5員もしくは6員の部分的飽和もしくは飽和の環式環であり;
61は、最も好ましくは、5員の飽和環式環である。
【0120】
61は、好ましくは、互いに独立して、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
61は、より好ましくは、互いに独立して、(C1-C2-アルキル)イミノ、(C1-C2-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
61は、さらに好ましくは、互いに独立して、ヒドロキシイミノから選択される。
【0121】
62は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
62は、より好ましくは、5員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
62は、さらに好ましくは、5員の、ヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
62は、特に好ましくは、5員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
62は、極めて好ましくは、5員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1個含んでいる)であり;
62は、最も好ましくは、5員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、Sを1個含んでいる)である。
【0122】
62は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノから選択され;
62は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノから選択され;
62は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシから選択される。
【0123】
61は、好ましくは、Oである。
【0124】
は、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、さらに好ましくは1~2、最も好ましくは1である。
【0125】
は、好ましくは0~4、より好ましく0~3、さらに好ましくは0~2、特に好ましくは0~1、最も好ましくは0である。
【0126】
【化9】
【0127】
式(VII)中、Q71は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
71は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
72は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
72は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
73は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
73は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
71およびX72は、互いに独立して、OまたはSであり、
71は、N*またはC*H(ここで、*はQ72と結合している)であり、
72およびZ73は、互いに独立して、-NR75または-CR7677であり、
74は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
75、R76およびR77は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
は、0~5であり;
は、1~5であり;
は、0~4である。
【0128】
71は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
71は、より好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~2個含んでいてもよい)であり;
71は、さらに好ましくは、5員もしくは6員の、ヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~2個含んでいてもよい)であり;
71は、特に好ましくは、5員もしくは6員の芳香環であり;
71は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0129】
71は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシから選択され;
71は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシおよびハロゲンから選択され;
71は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシおよびハロゲンから選択され;
71は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキルおよびC1-C4-アルコキシから選択される。
【0130】
72は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
72は、より好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~2個含んでいてもよい)であり;
72は、さらに好ましくは、5員もしくは6員の、ヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~2個含んでいてもよい)であり;
72は、特に好ましくは、5員もしくは6員の芳香環であり;
72は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0131】
72は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシから選択され;
72は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシから選択され;
72は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシから選択され;
72は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキルおよびC1-C4-アルコキシから選択され;
72は、最も好ましくは、互いに独立して、メトキシである。
【0132】
73は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシから選択され;
73は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシおよびハロゲンから選択され;
73は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシおよびハロゲンから選択され;
73は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキルおよびC1-C4-アルコキシから選択される。
【0133】
71およびX72は、好ましくは、互いに独立して、Oである。
【0134】
71は、好ましくは、N*(ここで、*はQ72と結合している)である。
【0135】
72およびZ73は、好ましくは、互いに独立して、-NR74である。
【0136】
74は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
74は、より好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
74は、さらに好ましくは、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニルから選択され;。
74は、特に好ましくは、(C1-C4-アルキル)カルボニル、(C1-C4-アルコキシ)カルボニルから選択され;。
74は、最も好ましくは、メトキシカルボニルである。
【0137】
75、R76およびR77は、好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシから選択され;
75、R76およびR77は、より好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシおよびハロゲンから選択され;
75、R76およびR77は、さらに好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシおよびハロゲンから選択され;
75、R76およびR77は、特に好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキルおよびC1-C4-アルコキシから選択され;
75、R76およびR77は、最も好ましくは、互いに独立して、水素である。
【0138】
は、好ましくは0~4、より好ましくは0~3、さらに好ましくは0~2、特に好ましくは0~1、最も好ましくは0である。
【0139】
は、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、さらに好ましくは1~2であり、最も好ましくは1である。
【0140】
は、0~4である。
は、好ましくは0~3、より好ましくは0~2、さらに好ましくは0~1であり、最も好ましくは0である。
【0141】
【化10】
【0142】
式(VIII)中、Q81は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
81は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
81は、N*またはC*H(ここで、*はR84と結合している)であり;
84は、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
81は、OまたはSであり、
82およびZ83は、互いに独立して、OまたはSであり、
82およびX83は、互いに独立して、OまたはSであり、
82およびR83は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
85およびR86は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
は、1~4である。
【0143】
81は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
81は、より好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
81は、さらに好ましくは、5員もしくは6員の芳香環であり;
81は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0144】
81は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、シアノから選択され;
81は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキルおよびC1-C6-アルコキシから選択され;
81は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキルから選択され;
81は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4アルキルから選択され;
81は、最も好ましくは、互いに独立して、メチルである。
【0145】
81は、好ましくは、N*(ここで、*はR84と結合している)である。
【0146】
84は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
84は、より好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
84は、さらに好ましくは、水素、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
84は、特に好ましくは、水素、(C1-C4-アルキル)カルボニル、(C1-C4-アルコキシ)カルボニルから選択され;
84は、最も好ましくは、プロピルカルボニルである。
【0147】
81は、好ましくは、Sである。
【0148】
82およびZ83は、好ましくは、互いに独立して、Sである。
【0149】
82およびX83は、好ましくは、互いに独立して、Oである。
【0150】
82およびR83は、好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノから選択され;
82およびR83は、より好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシであり;
82およびR83は、さらに好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシであり;
82およびR83は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルコキシであり;
82およびR83は、最も好ましくは、互いに独立して、メトキシである。
【0151】
85およびR86は、好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、シアノから選択され;
85およびR86は、より好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシから選択され;
85およびR86は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキルであり;
85およびR86は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキルであり;
85およびR86は、最も好ましくは、互いに独立して、メチルである。
【0152】
は、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、さらに好ましくは1~2、最も好ましくは1である。
【0153】
【化11】
【0154】
式(IX)中、Q91は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
91は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
92は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
93は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
91は、OまたはSであり;
92は、OまたはSであり;
91は、NまたはCHであり;
92は、NR94またはCR9596であり;
94、R95およびR96は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
93は、OまたはSであり;
は、1~5であり;
は、0~3であり;
は、1~3である。
【0155】
91は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
91は、より好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
91は、さらに好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
91は、特に好ましくは、5員もしくは6員の芳香環であり;
91は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0156】
91は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノから選択され;
91は、より好ましくは、互いに独立して、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノから選択され;
91は、さらに好ましくは、互いに独立して、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノから選択され;
91は、特に好ましくは、互いに独立して、ジ(C1-C4-アルキル)アミノから選択され;
91は、最も好ましくは、互いに独立して、ジメチルアミノである。
【0157】
92は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシから選択され;
92は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲンから選択され;
92は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、ハロゲンから選択される。
【0158】
93は、好ましくは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
93は、より好ましくは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノから選択され;
93は、さらに好ましくは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノから選択され;
93は、最も好ましくは、互いに独立して、ヒドロキシである。
【0159】
91は、好ましくはOである。X92は、好ましくはSである。
【0160】
91は、好ましくはNである。
【0161】
92は、好ましくはNR94である。
【0162】
94、R95およびR96は、好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシから選択され;
94、R95およびR96は、より好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲンから選択され;
94、R95およびR96は、さらに好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、ハロゲンから選択され;
94、R95およびR96は、最も好ましくは、互いに独立して、水素である。
【0163】
93は、好ましくはOである。
【0164】
は、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、さらに好ましくは1~2、最も好ましくは1である。
【0165】
は、好ましくは0~2、より好ましくは0~1、最も好ましくは0である。
【0166】
は、好ましくは1~2、より好ましくは2である。
【0167】
【化12】
【0168】
式(X)中、Q101は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
101は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
102は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
101およびX102は、互いに独立して、OまたはSであり;
103は、NR103またはCR104105であり;
101は、SまたはOであり;
102は、NまたはCHであり;
10は、1~5であり、
10は、0~4であり;
103、R104およびR105は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択される。
【0169】
101は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
101は、さらに好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
101は、より好ましくは、5員もしくは6員の芳香環であり;
101は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0170】
101は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、から選択され;
101は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシから選択され;
101は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルコキシから選択され;
101は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルコキシから選択され:
101は、最も好ましくは、互いに独立して、エトキシである。
【0171】
102は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
102は、より好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
102は、さらに好ましくは、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、カルボキシ、(C1-C4-アルキル)カルボニル、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル、(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
102は、特に好ましくは、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、カルボキシ、(C1-C4-アルキル)カルボニル、(C1-C4-アルコキシ)カルボニル、から選択され;
102は、最も好ましくは、カルボキシである。
【0172】
101およびX102は好ましくは、互いに独立して、Oである。
【0173】
101は、好ましくはSである。Z102は、好ましくはNである。
【0174】
10は、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、さらに好ましくは1~2、最も好ましくは1である。
【0175】
10は、好ましくは0~3であり、より好ましくは0~2、さらに好ましくは1~2、最も好ましくは2である。
【0176】
103、R104およびR105は、好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲンから選択され;
103、R104およびR105は、より好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシから選択され;
103、R104およびR105は、さらに好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシから選択され;
103、R104およびR105は、最も好ましくは、互いに独立して、水素である。
【0177】
【化13】
【0178】
式(XI)中、Q111は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
111は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
112は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
112は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
11は、0~4であり、
11は、0~3であり、
111およびX112は、互いに独立して、SまたはOであり、
11は、0~4であり、
113は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択される。
【0179】
111は、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
111は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和の環式環もしくは芳香環であり;
111は、5員もしくは6員の芳香環であり;
111は、6員の芳香環である。
【0180】
111は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシから選択され;
111は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲンから選択され;
111は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシハロゲンから選択され;
111は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシハロゲンから選択される。
【0181】
112は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和の環式環もしくはヘテロ環式環または芳香環もしくはヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
112は、より好ましくは、5員もしくは6員の芳香環もしくはヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
112は、さらに好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
112は、特に好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~2個含んでいてもよい)であり;
112は、極めて好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、Nを1~2個含んでいてもよい)であり;
112は、最も好ましくは、6員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、Nを2個含んでいる)である。
【0182】
112は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
112は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシから選択され;
112は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノ、カルボキシから選択され;
112は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、ハロゲンから選択される。
【0183】
11は、好ましくは0~3、より好ましくは0~2、さらに好ましくは0~1である。
【0184】
11は、好ましくは0~2、より好ましくは0~1、最も好ましくは0である。
【0185】
111は、好ましくはOである。X112は、好ましくはSである。
【0186】
11は、好ましくは0~3、より好ましくは0~2、さらに好ましくは0~1、最も好ましくは1である。
【0187】
113は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、ヒドロキシから選択される。
113は、より好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシであり;
113は、さらに好ましくは、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシであり;
113は、特に好ましくは、C1-C4-アルコキシであり;
113は、最も好ましくは、エトキシである。
【0188】
【化14】
【0189】
式(XII)中、Q121は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
121は、互いに独立して、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
122は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
122は、互いに独立して、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
12は、0~4であり、
12は、0~5であり、
121は、SまたはOであり、
121は、CHまたはNであり(ここででR123に結合している)、
123は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択される。
【0190】
121は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
121は、より好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
121は、さらに好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~2個含んでいてもよい)であり;
121は、特に好ましくは、5員もしくは6員の芳香環であり;
121は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0191】
121は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシから選択され;
121は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシから選択され;
121は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシから選択される。
【0192】
122は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
122は、より好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
122は、さらに好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~2個含んでいてもよい)であり;
122は、特に好ましくは、5員もしくは6員の芳香環であり;
122は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0193】
122は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシから選択され;
122は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシから選択され;
122は、さらに好ましくは、互いに独立して、ハロゲンから選択され;
122は、特に好ましくは、互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選択され;
122は、最も好ましくは、互いに独立して、フッ素である。
【0194】
12は、好ましくは0~3、より好ましくは0~2、さらに好ましくは0~1、最も好ましくは0である。
【0195】
12は、好ましくは1~5、より好ましくは1~4、さらに好ましくは1~3、特に好ましくは1~2、最も好ましくは1である。
【0196】
121は、好ましくはOである。
【0197】
121は、好ましくはNである(ここででR123に結合している)。
【0198】
123は、好ましくは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、カルボキシから選択される。
123は、より好ましくは、C1-C6-アルキルから選択され;
123は、さらに好ましくは、C1-C4-アルキルから選択され;
123は、最も好ましくは、メチルである。
【0199】

【化15】
【0200】
式(XIII)中、Q131は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
131は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
132は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
132は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
13は、0~5であり、
13は、1~5であり、
131は、SまたはOであり、
132は、NR133またはCR134135であり、
133、R134およびR135は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択される。
【0201】
131は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
131は、より好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
131は、さらに好ましくは、5員もしくは6員の、ヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
131は、特に好ましくは、5員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
131は、最も好ましくは、5員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、Sを1個含んでいる)である。
【0202】
131は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシから選択され;
131は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシから選択され;
131は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシから選択される。
【0203】
132は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくはヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
132は、より好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、Nを1~4個含んでいてもよい)であり;
132は、さらに好ましくは、5員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、Nを1~4個含んでいてもよい)であり;
132は、最も好ましくは、5員のヘテロ芳香環(ここで、前記環は、Nを4個含んでいる)である。
【0204】
132は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)から選択され;
132は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシであり;
132は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキルであり;
132は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキルであり;
132は、最も好ましくは、互いに独立して、プロピルである。
【0205】
13は、好ましくは0~4、より好ましくは0~3、さらに好ましくは0~2、最も好ましくは0~1である。
【0206】
13は、好ましくは1~5、より好ましくは1~4、さらに好ましくは1~3、特に好ましくは1~2、最も好ましくは1である。
【0207】
131は、好ましくはOである。
【0208】
132は、好ましくはNR133である。
【0209】
133、R134およびR135は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシから選択され;
133、R134およびR135は、より好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、ハロゲンでから選択され;
133、R134およびR135は、さらに好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、ハロゲンから選択され;
133、R134およびR135は、最も好ましくは、互いに独立して、水素である。
【0210】

【化16】
【0211】
式(XIV)中、R141およびR142は、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
141およびX142は、互いに独立して、OまたはSであり;
141およびZ142は、互いに独立して、NまたはCであり;
14およびn14は、互いに独立して、1~3である。
【0212】
141およびR142は、好ましくは、互いに独立して、水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニルから選択され;
141およびR142は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルコキシ、ヒドロキシであり;
141およびR142は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルコキシ、ヒドロキシであり;
141およびR142は、最も好ましくは、互いに独立して、ヒドロキシである。
【0213】
141は、好ましくはSである。
【0214】
142は、好ましくはOである。
【0215】
14およびn14は、互いに独立して、好ましくは1~2、より好ましくは2である。
【0216】
【化17】
【0217】
式(XV)中、Q151は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
151は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
152は、5Q151は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
153は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環、あるいは10~12員の、部分的飽和もしくは飽和の縮合ヘテロ二環式環系もしくは縮合二環式系またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~8個含んでいてもよい)であり;
153は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
15は、0~5であり;
15は、0~7であり;
15は、0~4であり;
151は、OまたはSであり;
152は、OまたはSであり;
154は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
15は、0~4であり;
15は、0~2であり;
15は、0~2であり;
151およびZ152は、互いに独立して、NまたはCであり;
153は、OまたはSである。
【0218】
151は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
151は、より好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
151は、さらに好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~2個含んでいてもよい)であり;
151は、特に好ましくは、5員もしくは6員の芳香環であり;
151は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0219】
151は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシから選択され;
151は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシから選択され;
151は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C6アルコキシであり;
151は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4アルコキシであり;
151は、最も好ましくは、メトキシである。
【0220】
153は、好ましくは、10~12員の、部分的飽和もしくは飽和の縮合ヘテロ二環式環系もしくは縮合二環式系またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~8個含んでいてもよい)であり;
153は、より好ましくは、10~12員の、部分的飽和もしくは飽和の縮合ヘテロ二環式環系もしくは縮合二環式系またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
153は、さらに好ましくは、10~12員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
153は、特に好ましくは、12員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
153は、最も好ましくは、12員の芳香環である。
【0221】
153は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシから選択され;
153は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシから選択され;
153は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシから選択される。
【0222】
15は、好ましくは1~5であり、より好ましくは1~4であり、さらに好ましくは1~3であり、特に好ましくは1~2であり、最も好ましくは1である。
【0223】
15は、好ましくは0~6であり、より好ましくは0~5であり、さらに好ましくは0~4であり、特に好ましくは0~3であり、極めて好ましくは0~2であり、最も好ましくは0である。
【0224】
15は、好ましくは0~3であり、より好ましくは0~2であり、さらに好ましくは0~1であり、最も好ましくは1である。
【0225】
151は、好ましくはOである。X152は、好ましくはOである。
【0226】
154は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシから選択され;
154は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシであり;
154は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシであり;
154は、最も好ましくは、互いに独立して、メチルである。
【0227】
15は、0~4であり、好ましくは0~3であり、より好ましくは0~2であり、さらに好ましくは1~2であり、最も好ましくは2である。
【0228】
15は、好ましくは1~2、より好ましくは1である。
【0229】
15は、好ましくは1~2、より好ましくは1である。
【0230】
151およびZ152は、好ましくは、互いに独立して、Nである。
【0231】
153は、好ましくはOである。
【0232】
【化18】
【0233】
式(XVI)中、Q161は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
161は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
162は、5員もしくは6員の、部分的飽和もしくは飽和の環式環もしくはヘテロ環式環または芳香環もしくはヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
162は、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシ、(C1-C6-アルキル)カルボニル、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、トリ(C1-C2)アルキルシリル、(C1-C4-アルキル)イミノ、(C1-C4-アルコキシ)イミノおよびヒドロキシイミノから選択され;
16は、0~4であり;
16は、0~5であり;
161は、SまたはOであり;
162は、NまたはCHである。
【0234】
161は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和のヘテロ環式環もしくは環式環またはヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
161は、より好ましくは、5員もしくは6員のヘテロ芳香環もしくは芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
161は、さらに好ましくは、5員もしくは6員の芳香環であり;
161は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0235】
161は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、カルボキシから選択され;
161は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシから選択され;
161は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシから選択される。
【0236】
162は、好ましくは、5員もしくは6員の、部分的飽和の環式環もしくはヘテロ環式環または芳香環もしくはヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
162は、より好ましくは、5員もしくは6員の芳香環もしくはヘテロ芳香環(ここで、前記環は、N、SおよびOから選択されるヘテロ原子を1~4個含んでいてもよい)であり;
162は、さらに好ましくは、5員もしくは6員の芳香環であり;
162は、最も好ましくは、6員の芳香環である。
【0237】
162は、好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノから選択され;
162は、より好ましくは、互いに独立して、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノから選択され;
162は、さらに好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノから選択され;
162は、特に好ましくは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、アミノ、C1-C4-アルキルアミノ、ジ(C1-C4-アルキル)アミノから選択され;
162は、最も好ましくは、互いに独立して、メチル、アミノから選択される。
【0238】
16は、好ましくは0~3、より好ましくは0~2、さらに好ましくは0~1、最も好ましくは0である。
【0239】
16は、好ましくは0~4、より好ましくは0~3、さらに好ましくは0~2、最も好ましくは2である。
【0240】
161は、好ましくはSである。
【0241】
162は、好ましくはNである。
【0242】
好ましい別の態様において、「CCL8の活性を阻害する化合物」は、上記式(IV)および(V)で表される化合物ならびにその医薬的に許容可能な塩、薬理学的に許容可能な塩、化粧品的に許容可能な塩および溶媒和物から選択される少なくとも1つである。
【0243】
本発明の別の実施形態は、CCL8の活性を阻害する化合物を含む、炎症を抑制するための組成物に関する。先述のとおり、ケモカインの一種であるCCL8は、炎症性単球の動員を誘発するため、CCL8の活性を阻害する化合物を含む組成物は、炎症性単球の動員を阻害することができる。ここで、「CCL8の活性を阻害する化合物」には、先述のものが含まれる。
【0244】
本発明のさらに別の実施形態は、炎症性単球の動員を抑制するための組成物であって、CCL8の活性を阻害する化合物を含む組成物に関する。
【0245】
本発明のさらに別の実施形態は、c-MafアンタゴニストおよびCCL8アンタゴニストのうちの少なくとも1つを含む、CCL8の活性を阻害する組成物に関する。
【0246】
すなわち、本発明の第2の側面は、炎症を処置するための医薬組成物である。炎症に関する疾病、障害、状態および症状には、先述のものが含まれる。
【0247】
本発明の医薬組成物は、薬学上許容される担体、希釈剤、可溶化剤、乳化剤、保存剤、補助剤等を更に含んでもよい。
【0248】
本発明に係る医薬組成物の投与量は、対象の年齢、体重、病状などによって異なる。当該医薬組成物の投与経路は、治療に最も効果的なものを使用するのが好ましく、経口投与または非経口投与であってよい。非経口投与としては、気道内投与、直腸内投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、経鼻投与、腹腔内投与、筋肉内投与等が挙げられる。上記医薬組成物の投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤、顆粒剤等、当該分野で公知の投与形態が挙げられる。
【0249】
一態様において、本発明に係る医薬組成物は、上記式(I)~(XVI)で表される化合物ならびにその医薬的に許容可能な塩および溶媒和物から選択される少なくとも1つを含有する。
【0250】
「処置」の語は、治療処置と予防策の両方を指し、その目的は望ましくない生理学的変化あるいは障害を予防する、または遅らせる(軽減する)ことである。本発明の内容において、有益なあるいは望ましい臨床結果には、検出可能か否かに係わらず、症状の緩和並びに疾患の範囲の縮小、疾患状態の安定化(すなわち、悪化させない)、疾患の進行の遅延あるいは減速、疾患状態の改善あるいは一時的緩和、緩解(部分的緩解および全体的緩解を含む)が含まれるが、これらに限定されない。「処置」は、処置を受けない場合に見込まれる生存期間と比較した生存期間の延長も意味することができる。処置を必要とする対象には、当該状態または障害をすでに有するものに加えて、当該状態または障害を被りやすい対象、あるいは当該状態または障害を予防すべき対象が含まれる。
【0251】
本発明にかかる組成物は、更なる医薬組成物と組み合わせた、組合せ剤として用いられてもよい。組合せ剤に関し、それぞれの医薬組成物における成分(すなわち、第1の有効成分および第2の有効成分)は、一緒に、順々にまたは個別に、1つの組み合わせ単位剤形または個別の2つの単位剤形で投与されてもよい。治療有効量の、本発明にかかる組合せ剤の各有効成分が、同時に、個別に、または、任意の順序で、順次にもしくは連続して投与されてもよい。組合せ剤において、第1の有効成分および前記第2の有効成分が個別に複数のユニットで存在してもよい。組合せ剤には、例えば、それぞれの有効成分と使用指示とを含むキットも含まれる。
【0252】
本発明の第3の側面は、化粧組成物である。本発明の化粧組成物は、化粧品上許容される担体、希釈剤、可溶化剤、乳化剤、保存剤、補助剤等を更に含んでもよい。一態様において、本発明に係る化粧組成物は、上記式(I)~(XVI)で表される化合物ならびにその化粧品的に許容可能な塩および溶媒和物から選択される少なくとも1つを含有する。
【0253】
炎症性腸疾患を適応症とする既存薬は、TNFを標的としていたところ、TNFは生体防御の中核を担うため、TNFの抑制は免疫機能を損なう可能性があった。これに対し、本発明では、転写因子cMafとCCL8とが関与する炎症誘発経路を標的とすることで、上記のような望まれない副作用を低減して炎症を抑制することができる(図7)。
【実施例0254】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0255】
<1>試料および方法
以下に示す要領に従って、各試料および動物を準備し、また、以下に示す手法を用いた。
【0256】
[動物]
C57BL/6Jマウスは、CLEA Japan(Tokyo,Japan)から、Wistarラットはオリエンタル酵母から購入したものを用い、特定病原菌無感染環境(SPF)で飼育した。マウスを用いた実験は全て、東京薬科大学の動物実験委員会により承認されており、適用可能なガイドラインおよび規則に則って行われた。
【0257】
[低分子化合物ライブラリー]
用いた化合物ライブラリーは6720種類の低分子化合物を含むものであり、当該ライブラリーは東京医科歯科大学から提供を受けた。
【0258】
[プラスミド]
Maf発現プラスミド(Maf-BOS-EX)、CCL8レポータープラスミド(CCL8プロモーターの下流にルシフェラーゼcDNAを挿入したプラスミド、CCL8-pGL4。pGL4はPromega社から購入)は以前に、本発明者らが作製したものを用いた(Kikuchi et al. 2018 J. Immunol. doi: 10.4049/jimmunol.1800040)。
【0259】
[スクリーニングの手順]
c-MafのCCL8転写活性を指標に、c-Mafの転写活性を阻害する化合物を35種類選別した(ルシフェラーゼアッセイ)。続いて、骨髄誘導マクロファージのCCL8産生量を指標に、LPS刺激によるマクロファージのCCL8産生を阻害する化合物を、ELISAにより16種類選別した(図4Aおよび図4C参照)。
【0260】
[ELISA]
野生型マウスの骨髄細胞を、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF、CMG14-12細胞培養液、細胞株は東京工業大学、工藤明先生から分与)存在下で培養し、骨髄誘導マクロファージ(BMDM)を作成した。5~6日後にBMDMを回収し、96ウェルプレートに4x10個/ウェルずつ撒きなおした。6時間後に溶媒または化合物10μMを添加した。その18時間後にLPS (10ng/ml,O55:B5,Sigma社)を添加し、さらに24時間後の培養液中のサイトカイン濃度をELISAで測定した。マウスTNFα、IL-10の定量にはELISA Max Standard set(BioLegend社)を用いた。CCL8は、本発明者らが以前に樹立した方法(2015 Nature Communications, doi: 10.1038/ncomms8802)で定量した。
【0261】
<1>抗CCL8抗体による腸炎抑制
野生型マウスに3.5%デキストラン硫酸(分子量5000、Wako)を7日間、飲水投与した。8日目以降は普通水を投与した。3日目と4日目に、抗CCL8抗体(クローン17D6、特開2016-222656号公報に記載の方法により調製)およびアイソタイプ抗体(Rat IgG2b)を各50μg、マウスに静脈内投与した。各抗体の投与による体重変化を、図2Aに示す。図中、実験開始時の体重を100%とする。また、各抗体を投与したときの、炎症性サイトカインIL-17 mRNAの大腸組織における発現量を図2Bに示す。これらの結果から、抗CCL8抗体投与群では腸炎に伴う体重減少や、炎症性サイトカイン産生が抑制されたことが示された。
【0262】
<2>Maf阻害剤のスクリーニング
HEK293T細胞を、96ウェルプレートに、2.5 x 10個/ウェルずつ播種した。96ウェルプレートに播種したHEK293T細胞に、Maf発現プラスミド、CCL8レポータープラスミド、ウミシイタケルシフェラーゼ発現プラスミド(pRLTK)をリポフェクション法(PEI Max、Polysciences社)で形質導入した。形質導入から4時間後のHEK293T細胞に、1%の濃度で低分子化合物を添加した。溶媒(DMSO)を低分子化合物と同じ希釈倍率(100倍、培養液の1%)で細胞に加えたものをコントロールとした。形質導入から24時間後に調製した細胞溶解液に、ルシフェラーゼ基質(Dual-Luciferase Reporter Assay Kit, Promega社)を添加し、発光量(ルシフェラーゼ活性)を測定した(図4B参照)。
【0263】
<3>CCL8産生を阻害する化合物の選別
上記で選別した35種類の化合物のCCL8産生抑制効果を検討した。骨髄細胞からM-CSFで5日間誘導したマクロファージを96ウェルプレートに播種した。図4Bで選別したMaf阻害剤(10~100μM)を8時間後に添加した。それらのマクロファージを、LPS(リポ多糖と呼ばれるグラム陰性桿菌の細胞壁構成成分)で刺激し、24時間後の培養液中に含まれるTNFα濃度とCCL8濃度をELISAで定量した。その結果、CCL8産生のみを選択的に抑制する化合物が16種類見出された。TNFα濃度とCCL8濃度をELISAで定量した結果を図5Bに示す(TNFα濃度(上段)とCCL8濃度(下段))。上記16種類のうち、TNFの産生を抑制することなく、CCL8産生のみを選択的に抑制する化合物を2種(図5Bのグラフの化合物D(IBS008493)および化合物L(IBS005130))を選別した。
【0264】
選別した16種類の化合物の構造を下記に示す。
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】
【0265】
また、各化合物のCCL8産生抑制、IL-10産生抑制およびTNF産生抑制について、下記表に結果をまとめた。骨髄由来マクロファージに、図4Bで選別したMaf阻害剤(10~100μM)を添加した。それらのマクロファージを、LPS(リポ多糖と呼ばれるグラム陰性桿菌の細胞壁構成成分)で刺激し、24時間後の培養液中に含まれるTNFα濃度とIL-10濃度を、ELISA(ELISA MAX、BioLegend社)で定量した。
【0266】
【表3】
【0267】
<4>活性の濃度依存性の評価
骨髄由来マクロファージに、図4Bで選別したMaf阻害剤(0~20μM)を添加した。それらのマクロファージを、LPSで刺激し、24時間後の培養液中に含まれるCCL8濃度をELISAで定量した。化合物非添加時のCCL8濃度を100としたときの相対量をグラフ化した。試験化合物の各濃度におけるCCL8産生量を図6に示す。これらの結果から、「s0800056 E2」および「s0800069 H3」は濃度が低下しても活性が大きく変化しなかった。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
【配列表】
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