IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立製作所の特許一覧

特開2023-82480意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム
<>
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図1
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図2
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図3
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図4
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図5
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図6
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図7
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図8
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図9
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図10
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図11
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図12
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図13
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図14
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図15
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図16
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図17
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図18
  • 特開-意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082480
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20230607BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196291
(22)【出願日】2021-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】工藤 泰幸
(72)【発明者】
【氏名】水野 弘之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改善効果の選定の容易化を図る意思決定支援装置、意思決定支援方法及び意思決定支援プログラムを提供する。
【解決手段】意思決定支店装置100は、プログラムを実行するプロセッサ101と、記憶デバイス102とを備える。記憶デバイス102は、複数の介入施策間の相対的な指標となるスコアを介入施策毎に記憶する。プロセッサ101は、複数の介入施策に関する複数の改善効果の中の第1改善効果の選択を受け付ける選択処理、選択処理によって第1改善効果が選択された第1介入施策の第1スコアに基づく調整範囲内で、第1スコアの調整可能な情報を出力する第1出力処理、調整範囲内での調整後の第1スコアによって設定されたスコア範囲を受け付ける入力処理及び複数の改善効果のうち入力処理によって受け付けられたスコア範囲に含まれる第2スコアを有する第2介入施策の第2改善効果を出力する第2出力処理を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する意思決定支援装置であって、
前記記憶デバイスは、複数の介入施策間の相対的な指標となるスコアを介入施策ごとに記憶し、
前記プロセッサは、
前記複数の介入施策に関する複数の改善効果の中の第1改善効果の選択を受け付ける選択処理と、
前記選択処理によって前記第1改善効果が選択された第1介入施策の第1スコアに基づく調整範囲内で、前記第1スコアの調整可能な情報を出力する第1出力処理と、
前記調整範囲内での調整後の第1スコアによって設定されたスコア範囲を受け付ける入力処理と、
前記複数の改善効果のうち、前記入力処理によって受け付けられた前記スコア範囲に含まれる第2スコアを有する第2介入施策の第2改善効果を出力する第2出力処理と、
を実行することを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の意思決定支援装置であって、
前記第2出力処理では、前記プロセッサは、前記複数の改善効果のうち、前記スコア範囲に含まれない第3スコアを有する第3介入施策の第3改善効果を出力しない、
ことを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の意思決定支援装置であって、
前記調整範囲の上限は、調整前の前記第1スコアに対応する、
ことを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の意思決定支援装置であって、
前記記憶デバイスは、前記介入施策ごとの時系列な予測結果群を記憶し、
前記プロセッサは、
前記介入施策ごとの時系列な予測結果群に基づいて、前記介入施策ごとの時系列な予測結果群の経時変動に関する前記スコアを算出する算出処理を実行し、
前記第1出力処理では、前記プロセッサは、前記第1介入施策の時系列な第1予測結果群の経時変動に関する前記第1スコアに基づく調整範囲内で、前記第1スコアの調整可能な情報を出力し、
前記第2出力処理では、前記プロセッサは、前記複数の改善効果のうち、前記スコア範囲に含まれ、かつ、前記第2介入施策の時系列な第2予測結果群の経時変動に関する前記第2スコアを有する前記第2介入施策の第2改善効果を出力する、
ことを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載の意思決定支援装置であって、
前記記憶デバイスは、前記介入施策ごとの時系列な予測結果群と、前記複数の介入施策の基準となるベースライン施策の時系列な予測結果群と、を記憶し、
前記プロセッサは、
前記選択処理によって前記第1改善効果が選択された場合、前記第1介入施策の時系列な第1予測結果群と、前記ベースライン施策の時系列な予測結果群と、を出力する第3出力処理と、
を実行することを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載の意思決定支援装置であって、
前記介入施策ごとの時系列な予測結果群に基づいて、前記介入施策ごとの時系列な予測結果群の信頼区間に関する前記スコアを算出する算出処理を実行し、
前記第1出力処理では、前記プロセッサは、前記第1介入施策の時系列な第1予測結果群の信頼区間に関する前記第1スコアに基づく調整範囲内で、前記第1スコアの調整可能な情報を出力し、
前記第2出力処理では、前記プロセッサは、前記複数の改善効果のうち、前記スコア範囲に含まれ、かつ、前記第2介入施策の時系列な第2予測結果群の信頼区間に関する前記第2スコアを有する前記第2介入施策の第2改善効果を出力する、
ことを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載の意思決定支援装置であって、
前記記憶デバイスは、前記介入施策ごとの時系列な予測結果群と、前記複数の介入施策の基準となるベースライン施策の時系列な予測結果群と、を記憶し、
前記プロセッサは、
前記選択処理によって前記第1予測結果が選択された場合、前記第1介入施策の時系列な第1予測結果群の信頼区間と、前記ベースライン施策の時系列な予測結果群の信頼区間と、を出力する第3出力処理と、
を実行することを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項8】
請求項6に記載の意思決定支援装置であって、
前記記憶デバイスは、前記介入施策ごとの時系列な予測結果群と、前記複数の介入施策の基準となるベースライン施策の時系列な予測結果群と、を記憶し、
前記プロセッサは、
前記選択処理によって前記第1予測結果が選択された場合、前記第1介入施策の時系列な第1予測結果群の信頼区間に関する前記第1スコアと、前記ベースライン施策の時系列な予測結果群の信頼区間に関する前記スコアと、を出力する第3出力処理と、
を実行することを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項9】
請求項1に記載の意思決定支援装置であって、
前記記憶デバイスは、前記介入施策ごとの時系列な予測結果群を記憶するとともに当該予測結果群を出力した予測モデルが有する潜在変数を前記スコアとして記憶し、
前記第1出力処理では、前記プロセッサは、前記第1介入施策の第1潜在変数に基づく調整範囲内で、前記第1潜在変数の調整可能な情報を出力し、
前記第2出力処理では、前記プロセッサは、前記複数の改善効果のうち、前記スコア範囲に含まれ、かつ、前記第2介入施策の時系列な第2予測結果群の第2潜在変数を有する前記第2介入施策の第2改善効果を出力する、
ことを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項10】
請求項9に記載の意思決定支援装置であって、
前記予測モデルは、部分的最小二乗回帰モデル、主成分回帰モデル、および構造方程式モデルのいずれかである、
ことを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項11】
請求項9に記載の意思決定支援装置であって、
前記記憶デバイスは、前記介入施策ごとの潜在変数と、前記複数の介入施策の基準となるベースライン施策の潜在変数と、を記憶し、
前記プロセッサは、
前記選択処理によって前記第1改善効果が選択された場合、前記第1介入施策の第1潜在変数と、前記ベースライン施策の潜在変数と、を出力する第3出力処理と、
を実行することを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項12】
請求項11に記載の意思決定支援装置であって、
前記第3出力処理では、前記プロセッサは、前記第1介入施策の第1潜在変数と、前記ベースライン施策の潜在変数と、を周方向の複数の軸で表現されたグラフで出力する、
ことを特徴とする意思決定支援装置。
【請求項13】
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する意思決定支援装置による意思決定支援方法であって、
前記記憶デバイスは、複数の介入施策間の相対的な指標となるスコアを介入施策ごとに記憶し、
前記プロセッサは、
前記複数の介入施策に関する複数の改善効果の中の第1改善効果の選択を受け付ける選択処理と、
前記選択処理によって前記第1改善効果が選択された第1介入施策の第1スコアに基づく調整範囲内で、前記第1スコアの調整可能な情報を出力する第1出力処理と、
前記調整範囲内での調整後の第1スコアによって設定されたスコア範囲を受け付ける入力処理と、
前記複数の改善効果のうち、前記入力処理によって受け付けられた前記スコア範囲に含まれる第2スコアを有する第2介入施策の第2改善効果を出力する第2出力処理と、
を実行することを特徴とする意思決定支援方法。
【請求項14】
複数の介入施策間の相対的な指標となるスコアを介入施策ごとに記憶する記憶デバイスにアクセス可能なプロセッサに、
前記複数の介入施策に関する複数の改善効果の中の第1改善効果の選択を受け付ける選択処理と、
前記選択処理によって前記第1改善効果が選択された第1介入施策の第1スコアに基づく調整範囲内で、前記第1スコアの調整可能な情報を出力する第1出力処理と、
前記調整範囲内での調整後の第1スコアによって設定されたスコア範囲を受け付ける入力処理と、
前記複数の改善効果のうち、前記入力処理によって受け付けられた前記スコア範囲に含まれる第2スコアを有する第2介入施策の第2改善効果を出力する第2出力処理と、
を実行させることを特徴とする意思決定支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意思決定を支援する意思決定支援装置、意思決定支援方法、および意思決定支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数の値の組み合わせにより何れの値をどのように変更すると現状の改善につながるか又は悪化につながるかを提示して、ユーザが現状改善の具体的施策を決定する意思決定支援システムを開示する。この意思決定支援システムは、推定モデルに利用されている変数の中で値が変更可能な変数を、端末より取得する設定手段と、端末から取得された変数から、推定を行う値の複数の組み合わせを生成する組合せ生成手段と、生成手段によって生成された値の複数の組み合わせを用いてシミュレーションを行い、推定結果を得る推定手段と、推定手段によって推定結果と用いられた値の組み合わせを端末に出力して、何れの値の変更が何れの推定結果を変更するかを可視的に表示する手段とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-81878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、端末に表示される推定結果の数は、変更可能な入力変数の値の組合せ総数に等しい。このため、変更可能な入力変数とその値が多数存在する場合、多数の改善効果が表示される。したがって、変更可能な入力変数とその値が多くなるほど、予測された介入施策の改善効果からの介入施策の改善効果の絞り込みが困難になる。
【0005】
本発明は、改善効果の選定の容易化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明の一側面となる意思決定支援装置は、プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶デバイスと、を有する意思決定支援装置であって、前記記憶デバイスは、複数の介入施策間の相対的な指標となるスコアを介入施策ごとに記憶し、前記プロセッサは、前記複数の介入施策に関する複数の改善効果の中の第1改善効果の選択を受け付ける選択処理と、前記選択処理によって前記第1改善効果が選択された第1介入施策の第1スコアに基づく調整範囲内で、前記第1スコアの調整可能な情報を出力する第1出力処理と、前記調整範囲内での調整後の第1スコアによって設定されたスコア範囲を受け付ける入力処理と、前記複数の改善効果のうち、前記入力処理によって受け付けられた前記スコア範囲に含まれる第2スコアを有する第2介入施策の第2改善効果を出力する第2出力処理と、を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の代表的な実施の形態によれば、改善効果の選定の容易化を図ることができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、意思決定支援装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図2図2は、意思決定支援装置の機能的構成例を示すブロック図である。
図3図3は、テスト施策DBの一例を示す説明図である。
図4図4は、意思決定支援装置による意思決定処理手順例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施例1にかかるステップS402およびステップS403の処理例を示す説明図である。
図6図6は、アウトカム予測値群における差分データの一例を示す説明図である。
図7図7は、経時変動情報の一例を示す説明図である。
図8図8は、予測情報表示画面の一例を示す説明図である。
図9図9は、予測結果表示エリアの表示例1を示す説明図である。
図10図10は、結果表示調整エリアの表示例1示す説明図である。
図11図11は、実施例2にかかるステップS402およびステップS403の処理例を示す説明図である。
図12図12は、K個のアウトカム予測値群のグループ化の一例を示す説明図である。
図13図13は、実施例2における差分データの一例を示す説明図である。
図14図14は、予測結果表示エリアの表示例2を示す説明図である。
図15図15は、結果表示調整エリアの表示例2を示す説明図である。
図16図16は、実施例3にかかるステップS403およびS404の処理例を示す説明図である。
図17図17は、予測結果表示エリアの表示例3を示す説明図である。
図18図18は、結果表示調整エリアの表示例3を示す説明図である。
図19図19は、実施例4にかかる意思決定支援装置による予測結果データの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0009】
<意思決定支援装置のハードウェア構成例>
図1は、意思決定支援装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。意思決定支援装置100は、プロセッサ101と、記憶デバイス102と、入力デバイス103と、出力デバイス104と、通信インターフェース(通信IF)105と、を有する。プロセッサ101、記憶デバイス102、入力デバイス103、出力デバイス104、および通信IF105は、バス106により接続される。プロセッサ101は、意思決定支援装置100を制御する。記憶デバイス102は、プロセッサ101の作業エリアとなる。また、記憶デバイス102は、各種プログラムやデータを記憶する非一時的なまたは一時的な記録媒体である。記憶デバイス102としては、たとえば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリがある。入力デバイス103は、データを入力する。入力デバイス103としては、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル、テンキー、スキャナ、マイク、センサがある。出力デバイス104は、データを出力する。出力デバイス104としては、たとえば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカがある。通信IF105は、ネットワークと接続し、データを送受信する。
【0010】
<意思決定支援装置の機能的構成例>
図2は、意思決定支援装置の機能的構成例を示すブロック図である。意思決定支援装置100は、取得部201と、複製部202と、予測部203と、算出部204と、表示制御部205と、テスト施策DB211と、予測モデルDB212と、を有する。取得部201、複製部202、予測部203、算出部204、および表示制御部205は、具体的には、たとえば、図1に示した記憶デバイス102に記憶されたプログラムを、プロセッサ101に実行させることにより実現される。また、テスト施策DB211および予測モデルDB212は、具体的には、たとえば、図1に示した記憶デバイス102、または、意思決定支援装置100と通信可能なコンピュータの記憶デバイス102に記憶され、プロセッサ101がアクセス可能である。
【0011】
テスト施策DB211は、ある繰り返し回次のテスト施策データを記憶する。テスト施策DB211の詳細については、図3で後述する。
【0012】
予測モデルDB212は、予測モデル群を記憶する。予測モデル群は同一のM(Mは2以上の整数)個の予測モデルPMa1~PMaMである。予測モデルPMa1~PMaMを区別しない場合は、予測モデルPMamと表記する。mは1≦m≦Mを満たす整数であり、後述する繰り返し回次mとなる。予測モデルPMamは、たとえば、ニューラルネットワークモデルである。また、予測モデルPMamは、テスト施策と同種の入力変数を持つ訓練データによって、予め学習が完了しているものとする。予測モデルPMamが出力するアウトカムの数値であるアウトカム予測値は、0%から100%の範囲とする。
【0013】
取得部201は、テスト施策DB211からテスト施策データを取得する。複製部202は、取得部201によって取得されたテスト施策データを複製する。予測部203は、複製された各々のテスト施策データを予測モデルPMa1~PMaMに入力して予測結果を出力する。算出部204は、差分データおよび付属情報を算出する。表示制御部205は、予測情報を生成し、予測情報を表示可能に出力する。予測情報の出力先は、出力デバイス104の一例である表示装置、または、意思決定支援装置100と通信可能なコンピュータの表示装置である。また、表示制御部205は、入力デバイス103、または、意思決定支援装置100と通信可能なコンピュータの入力デバイス103を用いた操作入力により、予測情報を調整して、調整後の予測情報を表示可能に出力する。取得部201、複製部202、予測部203、算出部204、および表示制御部205の具体的な処理については、図4で後述する。
【0014】
<テスト施策DB>
図3は、テスト施策DBの一例を示す説明図である。テスト施策DB211は、テスト施策についての入力変数を規定したデータベースであり、あらかじめ用意されている。テスト施策DB211は、フィールドとして、テスト施策301と、入力変数群302と、を有するテスト施策データ300-3を記憶する。テスト施策301は、ベースライン施策P0と、T(Tは1以上の整数)個の介入施策P1~PTと、を含む。ベースライン施策P0は、介入施策P1~PTの基準となるテスト施策である。具体的には、たとえば、介入施策P1~PTは、ベースライン施策P0に対して入力変数群302の値を変更したテスト施策301である。
【0015】
ベースライン施策P0、介入施策P1、P2、…、PTを区別しない場合は、施策Pt(tは0≦t≦Tを満たす整数)と表記する。また、介入施策P1、P2、…、PTを区別しない場合は、介入施策Pt(tは1≦t≦Tを満たす整数)と表記する。
【0016】
入力変数群302は、テスト施策301を特徴づけるN(Nは1以上の整数)個の入力変数X1~XNであり、テスト施策301各々のエントリに入力変数X1~XNの値が格納される。入力変数X1~XNには、時間に関する変数が含まれる。たとえば、入力変数X1~XNのうちいずれかの入力変数(たとえば、X1)は、繰り返し回次mである。繰り返し回次mとは、テスト施策301が同じ状況または同じ介入に繰り返し遭遇する場合、現在はその何回目であるかを示す数値である。図3では、例として、繰り返し回次m=3とする。テスト施策DB211に記憶されているテスト施策データ300-3の入力変数X1の値「3」を、ベース回次と称す。
【0017】
<意思決定処理手順>
図4は、意思決定支援装置100による意思決定処理手順例を示すフローチャートである。
【0018】
ステップS400:意思決定支援装置100は、ユーザが入力した、アウトカム予測分析の開始を示す入力指示を、入力デバイス103を介して受け取り、データ処理を開始する。
【0019】
ステップS401:意思決定支援装置100は、取得部201により、テスト施策DB211から(T+1)個のテスト施策301、すなわち、ベースライン施策P0およびT個の介入施策P1~PTのエントリのデータを取得する。つぎに、意思決定支援装置100は、取得部201により、取得した(T+1)個のテスト施策301を予測モデルPMamに入力するための、テスト施策301の逐次化処理を実行する。たとえば、意思決定支援装置100は、取得部201により、ベースライン施策P0、介入施策P1、P2、…、PTの順に、時分割で予測モデルに入力されるようにテスト施策データ300を整形する。以下、図5を用いて具体的に説明する。
【0020】
図5は、実施例1にかかるステップS402およびステップS403の処理例を示す説明図である。
【0021】
ステップS402:意思決定支援装置100は、複製部202により、逐次化されたテスト施策301(P0~PT)の全エントリを(M-1)個分複製し、テスト施策データ300-1、300-2、300-4、…、300-Mとする。
【0022】
複製した(M-1)個のテスト施策データ300-1、300-2、300-4、…、300-Mの各々について、意思決定支援装置100は、テスト施策301(P0~PT)の全エントリにおける入力変数X1(繰り返し回次)の値mのみを変更する。たとえば、意思決定支援装置100は、(M-1)個のテスト施策データ300-1、300-2、300-4、…、300-Mの各々について、テスト施策301における入力変数X1の値を、それぞれ1からの昇順になるようMまでの値(ただし、ベース回次である「3」を除く)に変更する。
【0023】
具体的には、たとえば、意思決定支援装置100は、複製部202により、図3に示した変更前のテスト施策301を除いた(M-1)個のテスト施策301のうち1番目のテスト施策301の入力変数X1の値を「1」、2番目のテスト施策301の入力変数X1の値を「2」、4番目のテスト施策301の入力変数X1の値を「4」、…、i番目のテスト施策301の入力変数X1の値を「i」、…、M番目のテスト施策301の入力変数X1の値を「M」に変更する。
【0024】
ステップS403:意思決定支援装置100は、予測部203により、予測モデルDB212からM個の予測モデルPMa1~PMaMを取得し、上記M個のテスト施策データ300-1~300-Mを、各予測モデルPMa1~PMaMに逐次入力する。つまり、M個の予測モデルPMa1~PMaMの各々には、入力変数X1である繰り返し回次の値が異なるテスト施策データ300-1~300-Mが入力される。そして、意思決定支援装置100は、予測部203により、M個の予測モデルPMa1~PMaMから逐次予測されるM個のアウトカム予測値群Ra1~RaMを取得する。
【0025】
アウトカム予測値群Ra1~RaMの各々は、(T+1)個のアウトカム予測値の集合である。たとえば、アウトカム予測値群Ra1は、繰り返し回次m=1における、ベースライン施策P0のアウトカム予測値y10、介入施策P1のアウトカム予測値y11、…、介入施策P1のアウトカム予測値y1Tを含む。
【0026】
アウトカム予測値群Ra2は、繰り返し回次m=2における、ベースライン施策P0のアウトカム予測値y20、介入施策P1のアウトカム予測値y21、…、介入施策P1のアウトカム予測値y2Tを含む。アウトカム予測値群Ra3は、繰り返し回次m=3(ベース回次)における、ベースライン施策P0のアウトカム予測値y30、介入施策P1のアウトカム予測値y31、…、介入施策P1のアウトカム予測値y3Tを含む。アウトカム予測値群Ra4以降も同様であり、アウトカム予測値群RaMは、繰り返し回次m=Mにおける、ベースライン施策P0のアウトカム予測値yM0、介入施策P1のアウトカム予測値yM1、…、介入施策P1のアウトカム予測値yMTを含む。
【0027】
アウトカム予測値群Ra1~RaMを区別しない場合は、単に、アウトカム予測値群Ramと表記する。同様に、アウトカム予測値群Ram内の各々の(T+1)個のアウトカム予測値も、繰り返し回次mにおける、ベースライン施策P0のアウトカム予測値ym0、介入施策P1のアウトカム予測値ym1、…、介入施策P1のアウトカム予測値ymTと表記する。また、繰り返し回次m=Mにおける、ベースライン施策P0のアウトカム予測値ym0、介入施策P1のアウトカム予測値ym1、…、介入施策P1のアウトカム予測値ymTを区別しない場合は、単にアウトカム予測値ymtと表記する。
【0028】
ステップS404:意思決定支援装置100は、算出部204により、繰り返し回次mにおけるアウトカム予測値群Ramについて、(T+1)個のベースライン施策P0のアウトカム予測値ym0、介入施策P1のアウトカム予測値ym1、…、介入施策P1のアウトカム予測値ymTの各々と、ベースライン施策P0のアウトカム予測値ym0と、の差分dm0~dmTを算出する。
【0029】
図6は、アウトカム予測値群Ramにおける差分データの一例を示す説明図である。アウトカム予測値群Ramにおける差分データDmは、差分dm0~dmTを含む。差分dm0~dmTを区別しない場合は、差分dmと表記する。差分データDmは、アウトカム予測値群Ramについて算出される。差分データDmは、後述する改善効果ランキングに用いられる。
【0030】
ステップS405:図4に戻り、意思決定支援装置100は、算出部204により、アウトカム予測値群Ramに基づき、アウトカム予測値群Ramごとに付属情報を算出する。付属情報は、アウトカム予測値群Ramの経時変動情報と、アウトカム予測値群Ramの経時変動スコアと、を含む。
【0031】
図7は、経時変動情報の一例を示す説明図である。経時変動情報700は、図7に示したように、グラフ表示が可能である。グラフ701の横軸は繰り返し回次m(入力変数X1)であり、縦軸は繰り返し回次mでのアウトカム予測値ymtである。
【0032】
ベース経時変動データ702は、ベースライン施策P0の経時的な特性を示すデータである。具体的には、たとえば、ベース経時変動データ702は、繰り返し回次mが異なるアウトカム予測値群Ra1~RaMの各々のベースライン施策P0のアウトカム予測値y10、y20、y30、…、yM0(図7では、M=7として表記)を繰り返し回次順にプロットしたデータである(図7中、▲で表記)。
【0033】
また、介入経時変動データ703は、介入施策Ptの経時的な特性を示すデータである。具体的には、たとえば、介入経時変動データ703は、繰り返し回次mが異なるアウトカム予測値群Ra1~RaMの各々の介入施策Ptのアウトカム予測値y1t、y2t、y3t、…、yMt(図7では、M=7として表記)を繰り返し回次順にプロットしたデータである(図7中、●で表記)。介入経時変動データ703は、介入施策P1~PTの各々について存在する。
【0034】
また、経時変動スコアは、たとえば、介入施策Ptについて、繰り返し回次をm=1とした時のアウトカム予測値y1tと、繰り返し回次をm=Mとした時のアウトカム予測値yMtと、を用いて、下記式(1)により算出される。SCtは、介入施策Ptについての経時変動スコア(単位は[%])である。
【0035】
SCt=(|y1t-yMt|/y1t)×100・・・(1)
【0036】
経時変動スコアSCtは、介入施策P1~PTの各々について算出される。経時変動スコアSCtは、|y1t-yMt|が大きいほど大きな値となる。
【0037】
ステップS406:図4に戻り、意思決定支援装置100は、表示制御部205により、予測情報の生成および表示を実行する。予測情報は、出力デバイス104の一例である表示装置に表示される。
【0038】
図8は、予測情報表示画面の一例を示す説明図である。予測情報表示画面800は、予測情報を表示するための表示画面であり、改善効果ランキング表示エリア801と、選択介入施策の内訳表示エリア802と、予測結果表示エリア803と、結果表示調整エリア804と、を有する。
【0039】
改善効果ランキング表示エリア801は、ベース回次(m=3)での改善効果ランキングを予測情報として表示する領域である。
【0040】
改善効果ランキングとは、ベース回次(m=3)において、改善効果の高い順に介入施策Ptをランク付けした改善効果の集合である。具体的には、たとえば、意思決定支援装置100は、ベース回次(m=3)において、差分dmの降順で1位からT位まで介入施策Ptをランク付けする。たとえば、1位の介入施策Ptの差分dmは「+35%」である。
【0041】
また、各々の順位において、括弧内数値は、ベース回次(m=3)における介入施策Ptのアウトカム予測値ymtである。たとえば、1位の介入施策Ptのアウトカム予測値ymtは「55%」である。なお、介入施策Ptの改善効果は、差分dmおよびアウトカム予測値ymtのうち少なくとも一方があればよい。
【0042】
改善効果ランキング表示エリア801内の左端の「現状」は、ベース回次(m=3)における、ベースライン施策P0の差分dm0(±0%)とアウトカム予測値ym0(20%)とを含む。
【0043】
ユーザは、入力デバイス103を操作することにより、t位の介入施策Ptの改善効果を選択可能である。
【0044】
選択介入施策の内訳表示エリア802は、改善効果ランキング表示エリア801において改善効果が選択された介入施策(選択介入施策)Ptの内訳を予測情報として表示する領域である。ユーザによる入力デバイス103の操作で、たとえば、改善効果ランキング表示エリア801内の2位の改善効果(太枠で表記)が第1改善効果として選択されたとする。
【0045】
この場合、意思決定支援装置100は、テスト施策DB211の中から、ベース回次(m=3)において、選択された順位の介入施策Pt(第1改善施策Pt)に関する入力変数X1~XNの値と、ベースライン施策P0に関する入力変数X1~XNの値を取得する。そして、意思決定支援装置100は、ベースライン施策P0に関する入力変数X1~XNの値を変更前の値(矢印の始端側)とし、選択された順位の介入施策Ptに関する入力変数X1~XNの値(矢印の終端側)として、選択介入施策Ptの内訳表示エリア802に表示する。
【0046】
なお、意思決定支援装置100は、選択された順位の介入施策Ptとベースライン施策P0との間で変更されていない入力変数については表示しなくてもよい。図8では、入力変数X2の値が「0」から「2」に変更され、入力変数X3の値が「5」から「4」に変更された内訳が表示される。
【0047】
予測結果表示エリア803は、ステップS405で算出した付属情報のうち予測結果を示す経時変動情報700を予測情報として表示する領域である。ユーザによる入力デバイス103の操作で、たとえば、改善効果ランキング表示エリア801内の2位の改善効果(太枠で表記)が第1改善効果として選択されたとする。
【0048】
この場合、意思決定支援装置100は、ベース回次(m=3)において、ベース経時変動データ702と選択された順位の介入施策Pt(第1改善施策Pt)の介入経時変動データ703とを経時変動情報700として取得し、予測結果表示エリア803に表示する。
【0049】
図9は、予測結果表示エリア803の表示例1を示す説明図である。経時変動情報700において、縦線900は、ベース回次(m=3)を示す。これにより、ユーザは、表示中の経時変動情報700のどこにベース回次(m=3)があるかを視認することができる。
【0050】
図8に戻り、結果表示調整エリア804は、ステップS405で算出した付属情報のうち経時変動スコアSCtの値を調整するユーザインタフェースを予測情報として表示する領域である。
【0051】
図10は、結果表示調整エリア804の表示例1を示す説明図である。結果表示調整エリア804には、第1スコアである経時変動スコアSCtの値を調整するユーザインタフェース1000が表示される。ユーザインタフェース1000は、数値軸1001と、スライダ1002と、を有する。
【0052】
数値軸1001は、右端を0%、左端を100%とするスライダバーである。スライダ1002は、ユーザによる入力デバイス103の操作で、数値軸1001上を移動可能である。スライダ1002のデフォルト位置は、100%とする。100%の位置は、選択介入施策Ptの経時変動スコアSCtに対応する。スライダ1002が右に移動するほど、スライダ1002が示すパーセントの値が減少するため、経時変動スコアSCtも低下する。0%からスライダ1002の現在位置を示すパーセントまでの範囲をスコア範囲(図10中、数値軸1001上の黒太線で表記)と称す。
【0053】
スコア範囲内の経時変動スコアSCtを有する介入施策Ptの改善効果が、改善効果ランキング表示エリア801での表示対象に選定される。図10の例では、スライダ1002は数値軸1001の75%に位置するため、0%~75%までの黒で示した範囲が、スコア範囲に設定される。
【0054】
すなわち、意思決定支援装置100は、表示制御部205により、スライダ1002の現在位置の数値(図10の例では75%)以下の経時変動スコア(図10の例では、0.75×SCt~0)である第2スコアを有する第2介入施策Ptの第2改善効果を、改善効果ランキング表示エリア801の表示対象に設定する。したがって、ユーザがスライダ1002を右に動かすほど、改善効果ランキング表示エリア801に表示される介入施策Ptの数が減少する。その結果、表示されている介入施策Ptは、表示されていない介入施策Ptよりも経時変動スコアSCtの小さい、つまり持続性の高い介入施策Ptとなる。
【0055】
また、黒で示したスコア範囲外の経時変動スコアに対応する第3介入施策Ptは、表示されなくなるため、介入施策Ptを選択する際の選択肢が減少し、ユーザの負担が軽減される。
【0056】
また、ランキングの表示数が予め設定されている場合、その表示数に合わせて意思決定支援装置100がスコア調整を自動実行し、調整結果を経時変動スコアSCtのスコア範囲として出力してもよい。
【0057】
ステップS407、S408:図4に戻り、意思決定支援装置100は、表示制御部205により、ユーザ操作があれば(ステップS407:Yes)、予測情報表示画面800の表示内容を調整して(ステップS408)、調整後の予測情報を予測情報表示画面800に表示する(ステップS406)。
【0058】
ステップS407のユーザ操作とは、具体的には、たとえば、上述した改善効果ランキング表示エリア801内のt位の介入施策Ptの改善効果の選択、または、結果表示調整エリア804内のスライダ1002の移動操作である。
【0059】
ステップS408の予測情報表示画面800の表示内容調整は、ステップS407のユーザ操作が改善効果ランキング表示エリア801内のt位の介入施策Ptの改善効果の選択であれば、予測結果表示エリア803における選択介入施策Ptについての経時変動情報700の表示であり、ステップS407のユーザ操作が結果表示調整エリア804内のスライダ1002の移動操作であれば、改善効果ランキング表示エリア801のスライダ1002の現在位置の数値以下の経時変動スコアSCtを持つ介入施策Ptについての改善効果(差分dm、アウトカム予測値ymt)である。ステップS408の調整結果は、予測結果DBに格納され、ユーザからの要求に応じて呼び出し可能である。
【0060】
ユーザ操作がない場合(ステップS407:No)、終了条件(たとえば、図示しない終了ボタンの押下)を満たせば、意思決定支援装置100による意思決定処理が終了する。
【0061】
このように、実施例1にかかる意思決定支援装置100は、ユーザが付属情報である経時変動スコアSCtの範囲を設定すると、これらの条件に合致する介入施策Ptの予測結果が表示される。つまり、ユーザは、アウトカム予測値ymtと経時変動スコアSCtという2つの評価項目を用いて、介入施策Ptの持続性を確認することができる。これにより、変更可能な入力変数とその値が多数存在する場合でも、最適な介入施策Ptを選定することが可能となる。
【0062】
なお、実施例1では、入力変数X1~XNに、名義尺度や順序尺度を持つ質的変数、および、間隔尺度や比例尺度を持つ連続変数のいずれにも適用可能である。また、予測モデルPMamは、ニューラルネットワークモデルとしたが、これに限られる訳ではない。たとえば、ロジスティック回帰モデル、ランダムフォレストモデル、ベイジアンネットワークモデルなどの予測モデルを適用することも可能である。
【0063】
また、ステップS402において、繰り返し回次mの値を、1から順にMまでの1刻みとしたが、これに限られる訳ではない。たとえば、2以上の刻み幅を設定することも可能であり、この場合、必要となる予測モデルPMamの数は、Mを刻み幅で除算した値に減らすことができる。
【0064】
また、図9に示したように、経時変動情報700を折れ線グラフで表現したが、これに限られる訳ではなく、たとえば、テーブル形式でもよい。さらに、意思決定支援装置100は、経時変動スコアSCtの設定範囲に合致する介入施策Ptのみを結果表示の対象としたが、これに限られる訳ではない。たとえば、意思決定支援装置100は、改善効果ランキング表示エリア801の改善効果と、経時変動スコアSCtの設定範囲との合致度の両方を加味して、改善効果ランキングの順位を決めることも可能である。
【実施例0065】
実施例2は、実施例1において、経時変動情報700を、アウトカム予測値群(y1t、y2t、…、yKt)の信頼区間に変更した例である。実施例2では、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1と同一内容については説明を省略する。
【0066】
実施例2の予測モデルDB212は、訓練データが異なるK(Kは2以上の整数)個の予測モデルPMb1~PMbKを記憶する。すなわち、予測モデルPMb1~PMbKの学習パラメータは異なっており、同一の入力データが与えられた場合には、異なる出力データが得られる。なお、予測モデルPMb1~PMbKを区別しない場合は、予測モデルPMbk(kは1≦k≦Kを満たす整数)と表記する。予測モデルPMbkの訓練データは、たとえば、元の訓練データから復元抽出されたブートストラップ標本とする。
【0067】
図11は、実施例2にかかるステップS402およびステップS403の処理例を示す説明図である。
【0068】
ステップS402:意思決定支援装置100は、複製部202により、逐次化されたテスト施策301(P0~PT)の全エントリを(K-1)個分複製し、テスト施策データ1100-1、1100-2、1100-4、…、1100-Kとする。実施例1と異なり、それぞれのテスト施策データ1100-1、1100-2、1100-4、…、1100-Kに対して、入力変数X1の値である繰り返し回次は変更しない。すなわち、テスト施策データ1100-1、1100-2、1100-4、…、1100-Kにおいて、入力変数X1の値は、ベース回次m=3である。
【0069】
ステップS403:意思決定支援装置100は、予測部203により、予測モデルDB212からK個の予測モデルPMb1~PMbKを取得し、上記K個のテスト施策データ1100-1~1100-Kを、各予測モデルPMb1~PMbKに逐次入力する。そして、意思決定支援装置100は、予測部203により、K個の予測モデルPMb1~PMbKから逐次予測される、K個のアウトカム予測値群Rb1~RbKを取得する。意思決定支援装置100は、予測部203により、K個のアウトカム予測値群Rb1~RbKを、施策Ptごとにグループ化する。
【0070】
図12は、K個のアウトカム予測値群Rb1~RbKのグループ化の一例を示す説明図である。K個のアウトカム予測値群Rb1~RbKは、施策Ptごとにまとめられた(T+1)個のアウトカム予測値群RB0~RbTにグループ化される。アウトカム予測値群RB0は、ベースライン施策P0のアウトカム予測値y10~yK0の集合である。アウトカム予測値群RBtは、介入施策Ptのアウトカム予測値y1t~yKtの集合である。
【0071】
ステップS404:意思決定支援装置100は、予測部203により、(T+1)個のアウトカム予測値群RB0~RbTの各々について平均値y(0)、y(1)、…、y(T)を逐次算出する。そして、意思決定支援装置100は、(T+1)個のアウトカム予測値群RB0~RbTの平均値y(0)、y(1)、…、y(T)の各々と、ベースライン施策P0のアウトカム予測値の平均値y(0)との差分を逐次算出する。平均値y(0)、y(1)、…、y(T)を区別しない場合は、平均値y(t)と表記する。
【0072】
図13は、実施例2における差分データの一例を示す説明図である。差分データDbは、(T+1)個の差分d(0)~d(T)を有する。差分d(0)~d(T)を区別しない場合は、差分d(t)と表記する。差分データDbは、後述する改善効果ランキングに用いられる。
【0073】
ステップS405:意思決定支援装置100は、算出部204により、(T+1)個のアウトカム予測値群RB0~RbTの各々について付属情報を算出する。アウトカム予測値群RBtの付属情報は、アウトカム予測値群RBtにおける信頼区間、および信頼区間スコアである。各施策Ptの信頼区間は、たとえば、アウトカム予測値群RBt内のK個のアウトカム予測値y1t~yKtにおける、5パーセンタイルから95パーセンタイルまでの範囲である。各施策Ptの信頼区間スコアは、たとえば、当該施策Ptの信頼区間の上限をA、下限をBとした場合、(A-B)により算出される。
【0074】
ステップS408:意思決定支援装置100は、ステップS407によりユーザが入力デバイス103を介して入力した信頼区間の範囲を取得する。意思決定支援装置100は、表示制御部205により、取得した信頼区間の範囲に基づいて、予測情報を生成して表示する(ステップS406)。また、意思決定支援装置100は、予測情報を記憶デバイス102へ格納する。
【0075】
具体的には、たとえば、意思決定支援装置100は、表示制御部205により、改善効果ランキングにおいて、ユーザにより選択された順位の介入施策Pt(第1改善施策Pt)についてのアウトカム予測値群RBt(y1t、y2t、…、yKt)に基づいた信頼区間(以下、選択介入施策Ptの信頼区間)を、ベースライン施策P0についてのアウトカム予測値群RB0(y10、y20、…、yK0)に基づいた信頼区間(以下、ベースライン施策P0の信頼区間)とともに予測結果表示エリア803に表示する。
【0076】
図14は、予測結果表示エリア803の表示例2を示す説明図である。予測結果表示エリア803において、信頼区間情報1400は、ベースライン施策P0の信頼区間1401と、選択介入施策Ptの信頼区間1402と、ベースライン施策P0の信頼区間スコア1411と、第1スコアである選択介入施策Ptの信頼区間スコア1412と、を含む。図14では、改善効果ランキングにおいて、ユーザにより選択された2位の選択介入施策Ptの信頼区間1402および第1スコアである信頼区間スコア1412が表示されている。
【0077】
図15は、結果表示調整エリア804の表示例2を示す説明図である。結果表示調整エリア804には、第1スコアである選択介入施策Ptの信頼区間スコア1412を調整するユーザインタフェース1500が表示される。ユーザインタフェース1500は、数値軸1501と、スライダ1502と、を有する。
【0078】
数値軸1501は、右端を20%、左端を100%とするスライダバーである。スライダ1502は、ユーザによる入力デバイス103の操作で、数値軸1501上を移動可能である。スライダ1502のデフォルト位置は、100%とする。100%の位置は、選択介入施策Ptの信頼区間スコア1412に対応する。スライダ1502が右に移動するほど、スライダ1502が示すパーセントの値が減少するため、信頼区間スコア1412も低下する。20%からスライダ1502の現在位置を示すパーセントまでの範囲がスコア範囲(図15中、数値軸1501上の黒太線で表記)である。
【0079】
スコア範囲内の信頼区間スコア1412を有する介入施策Ptの改善効果が、改善効果ランキング表示エリア801での表示対象に選定される。図15の例では、スライダ1502は数値軸1501の70%に位置するため、20%~70%までの黒で示した範囲がスコア範囲に設定される。
【0080】
すなわち、意思決定支援装置100は、表示制御部205により、スライダ1302の現在位置の数値以下の信頼区間スコア1102を持つ介入施策Pt(第2介入施策Pt)の改善効果(第2改善効果)を、改善効果ランキング表示エリア801の表示対象に設定する。したがって、ユーザがスライダ1302を右に動かすほど、改善効果ランキング表示エリア801に表示される介入施策Ptの数が減少する。その結果、表示されている介入施策Ptは、表示されていない介入施策Ptよりも信頼区間スコア1202の小さい、つまり確実性の高い介入施策Ptとなる。
【0081】
また、黒で示したスコア範囲外の信頼区間スコア1102に対応する第3介入施策Ptは、表示されなくなるため、介入施策Ptを選択する際の選択肢が減少し、ユーザの負担が軽減される。
【0082】
また、ランキングの表示数が予め設定されている場合、その表示数に合わせて意思決定支援装置100がスコア調整を自動実行し、調整結果を信頼区間スコア1102のスコア範囲として出力してもよい。
【0083】
このように、実施例2にかかる意思決定支援装置100は、ユーザが付属情報である信頼区間スコア1202の範囲を設定すると、これらの条件に合致する介入施策Ptの予測結果が表示される。つまり、ユーザは、アウトカム予測値群(y1t、y2t、…、yKt)と信頼区間スコア1202という2つの評価項目を用いて、介入施策Ptの確実性を確認することができる。これにより、変更可能な入力変数とその値が多数存在する場合でも、最適な介入施策Ptを選定することが可能となる。
【0084】
なお、実施例2では、介入施策Ptと予測モデルPMbkの入力変数X1~XNに、時間に関する変数が無い場合にも適用可能である。なお、実施例1と同じく、予測モデルPMbkは、ニューラルネットワークモデルに限られる訳ではない。ただし、行列演算などの解析的手法、あるいはブートストラップなどの統計的手法を用いて、アウトカム予測値の信頼区間が算出可能なモデルであることが望ましい。
【実施例0085】
実施例3は、実施例1において、経時変動情報700を、アウトカム予測値群の潜在変数に変更した例である。実施例3では、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1と同一内容については説明を省略する。
【0086】
実施例3の予測モデルDB212は、予測モデルとして、たとえば、部分的最小二乗回帰モデルを記憶する。部分的最小二乗回帰モデルは、入力変数X1~XNを集約した、互いに無相関な潜在変数を用いて、アウトカム予測値を予測するモデルである。潜在変数の数は、たとえば、施策Ptごとに6個とし、個々の潜在変数が持つ意味の解釈は、予め完了しているものとする。
【0087】
ステップS402:意思決定支援装置100は、実施例1と異なり、テスト施策データ300-3を複製せず、そのままステップS403に移行する。
【0088】
図16は、実施例3にかかるステップS403およびS404の処理例を示す説明図である。
【0089】
ステップS403:意思決定支援装置100は、予測モデルDB212から予測モデルとして部分的最小二乗回帰モデルPLSMを取得し、テスト施策データ300-3を、部分的最小二乗回帰モデルPLSMに逐次入力する。そして、意思決定支援装置100は、部分的最小二乗回帰モデルPLSMから逐次予測される、アウトカム予測値群Rc、および、潜在変数スコアLVを取得する。
【0090】
アウトカム予測値群Rcは、ベースライン施策P0、介入施策P1、P2、…、PTのアウトカム予測値y0、y1、…、yTを含む。潜在変数スコアLVは、ベースライン施策P0、介入施策P1、P2、…、PTの潜在変数スコアLV0~LVTを含む。潜在変数スコアLV0~LVTを区別しない場合、潜在変数スコアLVtと表記する。潜在変数スコアLVtは、6個の潜在変数lvt1~lvt6を含む。潜在変数lvt1~lvt6を区別しない場合、潜在変数lvtと表記する。潜在変数lvtは、訓練データに基づき、0%から100%の間にスケーリングされているものとする。
【0091】
ステップS404:意思決定支援装置100は、ベースライン施策P0、介入施策P1、P2、…、PTのアウトカム予測値y0、y1、…、yTと、ベースライン施策P0のアウトカム予測値y0との差分d0~dTを逐次算出し、差分データDcとする。
【0092】
ステップS405:意思決定支援装置100は、実施例1と異なり、算出部204により、潜在変数スコアLVを付属情報として取得する。
【0093】
ステップS406:意思決定支援装置100は、ユーザが入力デバイス103を介して入力した潜在変数lvtの範囲を取得する。意思決定支援装置100は、取得した潜在変数lvtの範囲に基づいて、予測情報を生成して表示する。また、意思決定支援装置100は、出力された予測情報を記憶デバイス102へ格納する。
【0094】
意思決定支援装置100は、表示制御部205により、改善効果ランキングにおいて、ユーザにより第1改善効果が選択された順位の潜在変数スコアLVを、第1スコアとして予測結果表示エリア803に表示する。
【0095】
図17は、予測結果表示エリア803の表示例3を示す説明図である。予測結果表示エリア803において、レーダーチャート1700は、周方向の複数の軸(本例では、6軸)で表現されたグラフであり、6個の潜在変数lvt1~lvt6の値を可視化する。なお、レーダーチャート1700において、黒丸は、第1改善効果が選択された介入施策Pt(第1介入施策Pt)の潜在変数lvt1~lvt6、黒三角は、比較参照としてのベースライン施策P0の潜在変数lv01~lv06を示す。なお、ここでは、潜在変数lvt1~lvt6をレーダーチャート1700で表現したが、これに限られる訳ではなく、たとえば、テーブル形式でもよい。
【0096】
図18は、結果表示調整エリア804の表示例3を示す説明図である。結果表示調整エリア804には、潜在変数スコアLVを調整するユーザインタフェース1800が表示される。ユーザインタフェース1800は、潜在変数lvt1~lvt6ごとに、数値軸1801と、黒丸で示したスライダ1802と、を有する。
【0097】
スライダ1802は、結果表示調整エリア804に表示する調整手段の一例であり、実施例3においては、潜在変数スコアLVの範囲を設定する。図18は、すべての潜在変数lvt1~lvt6の範囲を10%から90%の間のスコア範囲(図18中、数値軸1801上の黒太線で表記)に設定した例である。この場合、すべての施策Ptが条件を満たし、改善効果ランキングの表示対象になっているものとする。100%の位置は、選択介入施策Ptの潜在変数lvt1~lvt6に対応する。
【0098】
なお、白三角は、ベースライン施策P0の潜在変数lv01~lv06である。ユーザが、潜在変数lvtの2つのスライダ1802を左右に移動させると、意思決定支援装置100は、その位置で指定されたスコア範囲内の潜在変数lvtを第2スコアとして持つ介入施策Pt(第2介入施策Pt)の改善効果(第2改善効果)を、改善効果ランキング表示エリア801における表示対象に選定する。
【0099】
したがって、ユーザが潜在変数lvtの2つのスライダ1802の範囲を右側に動かすほど、改善効果ランキング表示エリア801に表示される第2介入施策Ptの数が減少し、それらの第2改善効果は、スコア範囲外の潜在変数lvt1~lvt6に対応する第3介入施策Ptの改善効果に比べて潜在変数lvtの高い、つまり改善効果の高い介入施策Ptのみの改善効果となる。
【0100】
なお、潜在変数lvtの範囲は、6つの潜在変数lvt1~lvt6の各々について独立に設定可能である。つまり、潜在変数lvtが高い特定の介入施策Ptを優先的に表示する、あるいは潜在変数lvtの低い特定の介入施策Ptを優先的に非表示にする、などといった調整が可能となる。
【0101】
また、黒で示したスコア範囲外の潜在変数lvt1~lvt6に対応する第3介入施策Ptは、表示されなくなるため、介入施策Ptを選択する際の選択肢が減少し、ユーザの負担が軽減される。
【0102】
また、ランキングの表示数が予め設定されている場合、その表示数に合わせて意思決定支援装置100がスコア調整を自動実行し、調整結果を潜在変数スコアLVのスコア範囲として出力してもよい。
【0103】
このように、実施例3にかかる意思決定支援装置100は、ユーザが付属情報である潜在変数lvtの範囲を設定すると、これらの条件に合致する介入施策Ptの改善効果のみが、表示される。つまり、アウトカム予測値ytと潜在変数lvtという2つの評価項目を用いて、介入施策Ptの説明性を確認することができる。これにより、変更可能な入力変数X1~XNとその値が多数存在する場合でも、ユーザは、最適な介入施策Ptを選定することが可能となる。なお、実施例3は、実施例1と同様に、テスト施策や予測モデルの入力変数に、時間に関する変数が無い場合にも適用可能である。
【0104】
また、実施例3では、予測モデルを部分的最小二乗回帰モデルPLSMとしたが、これに限られる訳ではない。たとえば、主成分回帰モデルや、構造方程式モデルなど、潜在変数を解釈可能な予測モデルを適用することが可能である。また、使用する潜在変数の数を6個としたが、これに限られる訳ではない。一般に、使用する潜在変数の数が多くなるにつれ、予測モデルの予測精度が改善し、ある数以上において改善が収束する。したがって、使用する潜在変数の数は、たとえば、予測精度の収束点付近にするとよい。
【実施例0105】
実施例4は、実施例1から実施例3で示した機能をすべて包含する例である。意思決定支援装置100は、実施例1で示したM個の予測モデルPMa1~PMaM、実施例2で示したK個の予測モデルPMb1~PMbK、および実施例3で示した潜在変数を持つ予測モデル(たとえば、部分的最小二乗回帰モデルPLSM)を、それぞれ予測モデルDB212に格納する。
【0106】
意思決定支援装置100は、それぞれの予測モデルPMam、PMbk、PLSMを用いて、アウトカム予測を実行する。アウトカム予測結果は予測モデルPMam、PMbk、PLSM毎に3種類あるが、意思決定支援装置100は、たとえば、実施例2の予測モデルPMbkに基づくアウトカム予測値の平均値y(t)を算出する方法を採用する。
【0107】
意思決定支援装置100はさらに、施策Ptごとの付属情報を各予測モデルPMam、PMbk、PLSMから取得する。意思決定支援装置100は、これらの付属情報を予測情報表示画面800に表示する(ステップS406)と共に、ユーザ操作(ステップS407:Yes)により設定される付属情報の各範囲に基づき、改善効果ランキングの表示内容を変更する(ステップS408)。なお、付属情報、および付属情報の範囲調整手段は、予測モデルPMam、PMbk、PLSM別に3種類ある。そこで、意思決定支援装置100は、たとえば、予測情報表示画面800を適宜切り替えてこれらの予測情報を表示するものとする。
【0108】
図19は、実施例4にかかる意思決定支援装置100による予測結果データの一例を示す説明図である。予測結果データ1900は、アウトカム予測値1911、繰り返し回次1912、経時変動スコア1913、信頼区間1914、信頼区間スコア1915、および潜在変数スコア1916を、それぞれの施策Ptに対して持つテーブルである。
【0109】
図19において、介入施策P3は、改善効果ランキング2位として選択された介入施策であり、図8図9図10図14図15図17図18で示された数値が格納されている。なお、介入施策P3の列データ1923、およびベースライン施策の列データ1920以外の介入施策P1、P2、P4~PTの列データの値は、記載の都合上空欄にしているが、実際には個々の値を有する。
【0110】
また、実施例4では、実施例1~実施例3の機能に関する処理を実行可能な意思決定支援装置100を例に挙げて説明したが、実施例1~実施例3のうち2つの実施例の機能に関する処理を実行可能な意思決定支援装置100としてもよい。
【0111】
なお、実施例1~3では、意思決定支援装置100が予測情報表示画面800を表示し、ユーザが各種付属情報の値の範囲を設定したが、この方法に限られる訳ではない。たとえば、意思決定支援装置100が、記憶デバイス102に予め格納されている介入施策Ptとその付属情報のセットに基づいて、介入施策Ptに有効な付属情報の範囲をリコメンドとして表示し、この情報に基づきユーザが範囲設定することも可能である。
【0112】
たとえば、介入施策Ptの数がしきい値以上の場合、または、介入施策Pt毎の改善効果の差が所定範囲以内である場合、意思決定支援装置100は、付属情報の値の範囲をより狭くする設定をリコメンドする方法が考えられる。リコメンドの提示動作は、たとえば、意思決定支援装置100が、条件に応じたプログラムを実行することで実現可能である。または、意思決定支援装置100が、ユーザの過去の設定情報を学習し、現在の条件に近い設定情報を提示することでも実現可能である。
【0113】
以上のように、上述した実施例1~実施例4にかかる意思決定支援装置100によれば、変更可能な入力変数とその値が多数存在する場合、多数の予測結果が表示されるような場合であっても、ユーザ自身の裁量によって、予測された介入施策の改善効果から介入施策の選定が可能となる。
【0114】
また、上述した実施例1~実施例4にかかる意思決定支援装置100では、予測部203が予測モデルを用いてアウトカム予測値を取得したが、意思決定支援装置100は、アウトカム予測値(実施例3の場合は潜在変数も含む)を意思決定支援装置100と通信可能な外部装置から取得してもよい。
【0115】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。たとえば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、または置換をしてもよい。
【0116】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、たとえば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0117】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)の記録媒体に格納することができる。
【0118】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0119】
100 意思決定支援装置
101 プロセッサ
102 記憶デバイス
201 取得部
202 複製部
203 予測部
204 算出部
205 表示制御部
211 テスト施策DB
212 予測モデルDB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19