(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082518
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】仮設路面標示の形成方法及びその除去方法
(51)【国際特許分類】
E01F 9/518 20160101AFI20230607BHJP
B05D 5/00 20060101ALI20230607BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20230607BHJP
B05D 1/38 20060101ALI20230607BHJP
E01F 9/512 20160101ALI20230607BHJP
C09D 5/00 20060101ALI20230607BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20230607BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
E01F9/518
B05D5/00 A
B05D7/00 L
B05D1/38
E01F9/512
C09D5/00 D
C09D7/61
C09D201/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196348
(22)【出願日】2021-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000159032
【氏名又は名称】菊水化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山内 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】足立 宗大郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 彰
【テーマコード(参考)】
2D064
4D075
4J038
【Fターム(参考)】
2D064AA05
2D064AA06
2D064AA21
2D064BA06
2D064CA01
2D064CA05
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2D064JA03
4D075AA01
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4J038NA23
4J038PB05
4J038PC04
4J038PC08
4J038PC10
(57)【要約】
【課題】シート状基材を使用することにより、通常の環境下では仮設路面標示の剥離が少なく、仮設路面標示の除去の際には容易に除去することができる仮設路面標示の形成方法及びその除去方法を提供する。
【解決手段】仮設路面標示の形成方法であって、路面に対して、下塗材を塗布し、シート状基材を貼付けた後に路面標示塗料を塗装することにより、通常の環境下での仮設路面標示の剥離が少なく、仮設路面標示の除去の際は、シート状基材より容易に除去することができ、加熱により仮設路面標示を除去した場合でも路面にダメージを与えることが少ないものである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮設路面標示の形成方法であって、
路面に対して、下塗材を塗布し、シート状基材を貼付けた後に、路面標示塗料を塗装する仮設路面標示の形成方法。
【請求項2】
仮設路面標示の形成方法であって、
路面に対して、シート状基材を静置し、シート状基材の表面から下塗材を塗布し、シート状基材を貼付けた後に、路面標示塗料を塗装する仮設路面標示の形成方法。
【請求項3】
前記下塗材が水酸化アルミニウムを含有し、路面と同系色に調色されたものである請求項1又は請求項2に記載した仮設路面標示の形成方法。
【請求項4】
前記シート状基材がメッシュ状布である請求項1~請求項3のいずれかに記載した仮設路面標示の形成方法。
【請求項5】
請求項1~請求項4にいずれかに記載の仮設路面標示の形成方法により形成された仮設路面標示の除去方法であって、
路面標示塗料により形成された塗膜の表面から加熱し、下塗材とシート状基材により形成された剥離層から路面標示塗料により形成された塗膜を剥がす仮設路面標示の除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、路面上に仮に標示されている路面標示について、それが不要となった場合、容易に除去することが可能な仮設路面標示の形成方法及びその仮設路面標示の除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路の工事中には、その工事のために通常又は完成後予定した場所とは異なったところに各種路面に関する情報がマーキングされることがある。このマーキングされるものとしては、車線区画線,停止線等の交通標識,横断歩道標識などがある。
これらのマーキングは、工事完了後には、不要となり除去し、道路使用者などに確認できないようにする必要がある。
【0003】
このように仮設路面標示は、工事中のみ必要なもので、工事完了後には不必要なものであるため、速やかに除去し、本来必要な場所に標示をマーキングするものである。
この仮設路面標示には、路面標示用塗料が用いられることが多く、その除去方法としては、路面と同じ色の塗料を仮設路面標示の表面に塗装する方法や仮設標示を削り落とす方法などが行われてきた。
【0004】
路面と同じ色の塗料を塗装する方法では、仮設路面標示の痕跡が残り、路面を通行する車両などにより塗料による塗膜が削れ、再度仮設路面標示が表面に出てくることがある。つまり、塗装してしばらくの間は、仮設路面標示を確認することはできないが、時間の経過により仮設路面標示を確認することができる場合がある。
また、仮設路面標示を削り落とす方法では、路面を仮設路面標示物のみを削ることができず、路面の一部も削ることになり、路面を痛めることがあり、路面の凹部に入り込んだ仮設路面標示を完全にとることができないことがある。
【0005】
そのため剥離性接着テープを用いて仮設路面標示を設置することもある。この接着テープで形成した路面標示は、工事終了後にテープを路面から容易に剥離することができ、路面を傷つけるおそれも小さい。
しかし従来の剥離性接着テープを用いた路面標示は、路面との付着力が比較的弱いため剥がれやすく、工事期間中に車両の通行等によって自然に剥がれてしまうこともある。
【0006】
このため凹凸のあるアスファルト路面等では予め路面にプライマーを塗布することにより接着テープの付着力を高めているが、プライマーを塗布した場合は付着力が大きくなり過ぎて接着テープの剥離に手間がかかることもある。
このようなことから、特許文献1には、バインダーと顔料と熱膨張性微小球とを含有する熱膨張層を備えてなり、前記熱膨張層が構造物の表面に配置されて使用される仮設用マーキング材が提案されている。
【0007】
これにより仮設時には剥離やずれが生じ難く、不必要になった場合は加熱により短時間で容易に構造物から剥離ができるものである。
また、特許文献2にも、痕跡を残さず容易に撤去できるものが記載されている。
【0008】
これは、仮設標示を設置すべき路面上の部位に低融点ワックス・エマルションを薄膜状に塗布し乾燥させてワックス皮膜を付着させ、前記ワックス皮膜上に塗料又はシールの塗布又は貼付により仮設標示を形成し、前記仮設標示の撤去時に高温流体の吹き付け又は標示表面の摩擦により塗料又はシールをワックス皮膜と共に路面から剥離してなる路面上の仮設標示施工方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005-154672号公報
【特許文献2】特開2007-278036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、これらの仮設用マーキング材やそれらの施工方法により標示されたものでは、それらを除去する際には、標示されたものをバーナーなどにより加熱し、表面の熱膨張層を膨張させるものである。
この場合、加熱温度が低温であると、膨張するまでに時間が掛かり、逆に、高温で膨張させると、膨張は速くなるが、路面を痛めることがあるため、その温度調整が難しいことになる。
【0011】
また、この加熱は、比較的長時間になることもあり、その場合、路面に直接加熱されることで、路面を形成しているアスファルトが軟化し、その路面が痛むことがある。
特許文献2に記載されたものでは、ワックスの融点以上に加温することで仮設標示を剥がしやすくしているが、一般的なワックスの融点は低く、そのため、真夏の路面温度によって、標示が剥がれることがある。
【0012】
また、ワックス被膜に塗料やシールなどを積層した場合では、その付着性が劣ることがあり、仮設標示が剥がれることがある。
このように仮設路面標示を容易に剥がすことと付着性のバランスを取ることが難しいものである。
【0013】
このように、仮設路面標示を加熱により除去する場合であれば、その加熱温度までの付着性と加熱温度での剥離性とが重要で、それは、剥離するときの温度が高い場合では、路面に損傷を与えることがあり、逆に低い場合では、炎天下の真夏に仮設路面標示が剥がれることになる。
本開示は、仮設路面標示の除去に、シート状基材を使用することにより、容易に除去することができるものである。
【0014】
また、通常の環境下での仮設路面標示の剥離が少なく、加熱により仮設路面標示を除去した場合でも路面にダメージを与えることが少ない仮設路面標示の形成方法及びその除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
仮設路面標示の形成方法であって、路面に対して、下塗材を塗布し、シート状基材を貼付けた後に、路面標示塗料を塗装することである。
これにより、仮設路面標示の除去に、シート状基材より容易に除去することができるものである。また、通常の環境下での仮設路面標示の剥離が少なく、加熱により仮設路面標示を除去した場合でも路面にダメージを与えることが少ないものである。
【0016】
仮設路面標示の形成方法であって、路面に対して、シート状基材を静置し、シート状基材の表面から下塗材を塗布し、シート状基材を貼付けた後に、路面標示塗料を塗装することである。
これにより、仮設路面標示をシート状基材より容易に除去することができるものである。また、通常の環境下での仮設路面標示の剥離が少なく、加熱により仮設路面標示を除去した場合でも路面にダメージを与えることが少ないものである。
【0017】
前記下塗材が水酸化アルミニウムを含有し、路面と同系色に調色されたものである。
このことにより、仮設路面標示を剥がす際に、加熱した場合、路面を熱から保護することができ、路面への損傷を少なくすることができる。又、下塗材により形成された下塗膜が温度の上昇と共に充填材が分解し、下塗膜が脆くなることで、より仮設路面標示が除去し易くなるものである。
【0018】
また、仮設路面標示を除去する時に、下塗膜が残っても、路面と同色又は同系色なものであることで、路面と同色又は同系色になり、違和感のない状態とすることができる。
前記シート状基材がメッシュ状布であることにより、仮設路面標示を構成する各要素間との密着性がよく、路面と仮設路面標示との付着性がよいものとなる。
【0019】
本開示の仮設路面標示の形成方法により形成された仮設路面標示の除去方法であって、路面標示塗料により形成された塗膜の表面から加熱し、下塗材とシート状により形成された剥離層から路面標示塗料により形成された塗膜を剥がすことである。
これにより、通常の環境下での仮設路面標示の剥離が少なく、加熱により仮設標示を除去した場合でも路面にダメージを与えることが少ないものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施形態を説明する。
本開示は、仮設路面標示の形成方法であって、路面に対して、下塗材を塗布し、シート状基材を貼付け、又はシート状基材を静置し、シート状基材の表面から下塗材を塗布し、シート状基材を貼付けた後に、路面標示塗料を塗装することである。
【0021】
まず、仮設路面標示とは、工事中の道路などの路面上に標示される車線区画線,停止線等の交通標識,横断歩道標識などを仮に標示されるものであり、それらは、工事完了後に不要となり、道路を使用する歩行者や運転者などに確認できないように除去するものである。
仮設用の路面標示塗料を用いる場合があるが、その標示の視認性など性能,入手の容易さなどのことより通常に用いられる路面標示塗料が使われることが多い。
【0022】
この路面標示塗料は、JIS K 5665にあるもので、これらには、大きく分けて、溶剤型,水性型,二液反応型及び粉末状の溶融用がある。本開示の仮設路面標示では、通常に用いられる路面標示塗料を用い行われるものであるが、溶剤型や水性型のものが好ましく用いられる。
これらの路面標示塗料は、その塗料の粘性より塗布量を少なく塗布することができ、塗布作業も比較的速く行うことができる。
【0023】
この溶剤型や水性型の路面標示塗料は、合成樹脂を溶媒に溶解又は分散させたものをバインダーとし、白色顔料や着色顔料、体質顔料などの顔料成分などの充填材により構成され、必要に応じ界面活性剤や粘性調整剤などその他添加剤を加えることもある。
白色顔料には、酸化チタン,カオリン,タルクやクレーなどがあり、着色顔料には、酸化鉄などの無機系の顔料や有機系顔料などがある。体質顔料には、炭酸カルシウム,珪藻土,水酸化アルミニウム,ベントナイト,ホワイトカーボン,沈降性バリウムや珪砂などがある。
【0024】
この溶剤型,水性型の路面標示塗料の中でも水性型の路面標示塗料を用いることがより好ましく、その取扱いや保管、入手が容易で、塗布量の調整がし易く、比較的薄膜で仮設路面標示を行うことができる。
この水性型の路面標示塗料は、そのバインダーとして合成樹脂エマルションを使用したものが多く、アクリル樹脂,ウレタン樹脂,塩化ビニル樹脂,シリコーン樹脂,酢酸ビニル樹脂,ポリエステル樹脂,スチレン樹脂,フッ素樹脂などの樹脂を単独又は共重合した一般的なものが使われる。
【0025】
この路面標示塗料は、その形成された塗膜による標示のため、視認性が重要な点より白,黄など路面表面の色と対比される色調のものを使用することが多い。このように通常用いる路面標示塗料を仮設路面標示に用いることで、通常の視認性など性能を維持することができる。
また、夜間の視認性を高めるために、ガラスビーズ,プラスチックビーズなどの透明ビーズを路面標示塗料の塗装と同時に散布することも行われ、これらを塗料中に含有させることも好ましく行われる。
【0026】
この路面標示塗料を道路などの路面上に塗装するが、これを塗装する前に路面上に下塗材とシート状基材とにより剥離層を形成する。この剥離層に、路面標示塗料により形成された塗膜を積層することにより、仮設路面標示を形成するものである。
この剥離層は、通常時には、路面と路面標示塗料による塗膜との密着性を高め、仮設路面標示を除去する場合には、その剥離層のシート状基材を中心にして、路面標示塗料による塗膜など仮設路面標示を除去することができるものである。
【0027】
この剥離層があることにより、仮設路面標示を除去する際に、路面を保護することができ、路面に与える損傷を少なくし、仮設路面標示の除去が容易なものとなる。又、通常時の路面標示塗料の付着性が良好なものとなる。
この下塗材とシート状基材により構成される剥離層は、シート状基材があることにより、下塗材の使用量を安定させることができる。これは、路面表面にある凹凸に下塗材を取られることが少なく、平坦にすることができるためである。
【0028】
さらに、路面に対して、剥離層を形成させ、平坦にすることで、その後に塗布する路面標示塗料の使用量も最小限にすることができ、路面標示塗料の使用量を最適化することができ、除去も簡単に行うことができる。
この下塗材は、路面であるアスファルトやコンクリートなどにシート状基材を接着させることができるものであれば良く、路面標示塗料との密着が十分なものであれば良い。又、クリヤータイプであっても良く、着色された着色タイプであっても良い。
【0029】
下塗材がクリヤータイプでは、仮設路面標示を除去した後に下塗材の剥がしきれなかった硬化物が残った場合でも、除去した部分の色が路面と同色になり、違和感のない状態とすることができる。
着色タイプの場合は、路面と同色又は同系色なものであることが好ましく、仮設路面標示を除去した後に、下塗材の剥がしきれなかった硬化物が残った場合でも、路面と同色又は同系色になり、違和感のない状態とすることができる。
【0030】
この下塗材は、クリヤータイプでは、合成樹脂を溶媒に溶解又は分散させたものを主成分とし、界面活性剤や粘性調整剤などその他添加剤を加えたものであり、着色タイプでは、クリヤー塗料に白色顔料,着色顔料や体質顔料などの充填材を加えることで得ることが可能である。
この下塗材が路面と同色又は同系色の着色タイプであれば、クリヤータイプに比べ、塗布量が多くなり、仮設路面標示を除去する場合に、路面を十分に保護し、剥離層が厚くなることで、仮設路面標示を除去するための剥離層が厚くなり、仮設路面標示の除去が行い易くなる。
【0031】
この下塗材が、路面であるアスファルトやコンクリートと異なる色の塗膜であった場合、塗膜を除去しきれなかった箇所について、仮設路面標示が残った状態になり道路使用者にその仮設路面標示を確認することができることになる。
そのため、下塗膜の色が路面の同色又は同系色であれば路面標示塗料による塗膜を除去すれば良い場合もある。
【0032】
この同色又は同系色の下塗膜は、路面がアスファルトの場合は、その使用年数などにより色が異なるが、黒色から灰色の色になる。この場合、除去しきれなかった下塗膜が路面の色と区別し難いものの範囲であれば良い。
この下塗材は、路面の凹部に充填することが好ましい。この路面の凹部は、路面を構成する石などの比較的粗い骨材を締め固めた状態で、骨材同士の隙間のことで、その隙間に下塗材を充填することである。
【0033】
このように隙間である凹部に下塗材を充填することで、対象となる路面がより平坦な状態になり、シート状基材が貼り易く、路面標示塗料の塗布量を少なくすることができる。そのため仮設路面標示を除去しなければならない路面標示塗料による塗膜の量も少なくなり、より容易で、簡単に行うことができる。
また、着色タイプの下塗材より形成される下塗膜は、比較的厚みのあるものになり、加熱により仮設路面標示を剥がす場合では、路面への加熱温度が緩和され、路面を熱から十分に保護することができ、路面への損傷を抑えることができる。
【0034】
この着色タイプの下塗材の充填材に水酸化アルミニウムを用いることが好ましく行われる。この水酸化アルミニウムは、熱分解性の充填材であるため、耐熱性が向上し、加熱時の路面をより保護ができ、路面への損傷を少なくすることができる。
また、下塗膜の温度の上昇と共に充填材が分解し、下塗膜が脆くなることで、より仮設路面標示が除去し易くなるものである。
【0035】
この水酸化アルミニウムは、200℃までは安定していて、それ以上の温度である200~350℃の範囲で大きな吸熱を伴う激しい脱水分解をし、酸化アルミニウムと結晶水に分かれ、その際に大きな吸熱効果を発揮する。
また、結晶水として発生した水や水蒸気により、加熱されても温度上昇が抑えられ、自己消火性を促すと共に発煙を抑制し、有毒ガスも発生しないものである。
【0036】
この発生した水や水蒸気が揮発した後の下塗膜は、空隙が増え、脆くなり除去し易くなる。
このように、仮設路面標示を加熱した場合、水酸化アルミニウムが含まれる下塗膜があることにより、直接路面に熱を伝えることなく、路面を保護することができると同時に、除去し易くなる。
【0037】
下塗材の塗布幅は、仮設路面標示として必要幅より広め、つまり、路面標示塗料の塗布幅よりやや広めに塗布することが好ましい。下塗材の塗布幅が路面標示塗料の塗布幅より狭い場合や同じ場合では、路面標示塗料が路面の凹部に入り込む部分ができ、その部分の除去が難しくなる。
予定されている路面標示塗料の幅の10~50mmの範囲で広く塗装することがより好ましい。この範囲内であれば、下塗材の塗布幅が広くなることで、下塗膜からはみ出すことなく、路面標示塗料を塗布し、仮設路面標示を形成することができる。
【0038】
この下塗材の塗布量は、シート状基材を貼付け、十分に付着させ、路面表面の凹凸を少なくすることができ、除去する際の路面の保護ができれば良い。そのため、塗布量は、100~500g/m2の範囲に調整することが好ましい。
100g/m2より少ない場合では、路面の状況にもよるが、シート状基材の接着が不十分な場合があり、路面表面の凹凸を十分に覆うことができないことがある。又、除去が十分に行うことができないことや路面の保護が十分にできないこともある。
【0039】
500g/m2より多い場合では、路面表面より盛り上がりが多くなり、路面の上を凹凸状にすることがある。
この剥離層は、上記記載の下塗材とシート状基材により形成される。このシート状基材は、下塗材により路面と接着され、下塗材がシート状基材中に含侵され、仮設路面標示の剥離層となる。この剥離層の表面に形成された路面標示塗料による塗膜をこのシート状基材より剥がすことになる。
【0040】
シート状基材は、下塗材との付着性や下塗材が含侵すること,仮設路面標示を剥がす場合の強度などの点より選ばれ、網状体(網状に形成されたもの),編物,織布又は不織布などがある。
この網状体としては、糸,縄,針金等を方形や菱形に目を透かして編んで作ったものの他、合成樹脂を成形して作成したものがある。編物や織物は、糸を編んだものや織ったものである。
【0041】
不織布は、繊維を合成樹脂その他の接着剤で接合したケミカルボンド、熱によって接合したサーマルボンド、刺のある針で刺し絡めたニードルパンチ、高圧細水流で繊維を絡めたスパンレース、編むような操作を加えたステッチボンドなどがある。
他にも原料樹脂チップを押出機に入れて加熱溶融し、細孔から押出して繊維を形成させたスパンボンドなどがある。
【0042】
シート状基材を構成する繊維としては、レーヨン,ポリエステル繊維,ポリプロピレン繊維,ポリエチレン繊維,ビニロン繊維,アラミド繊維,アクリル繊維,ナイロン繊維などの樹脂繊維を用いることができる。
また、ロックウール、スラグウール、グラスウール、セラミックファイバー、ガラス繊維などの鉱物繊維、及びカーボン繊維等を挙げることができる。パルプなどの天然繊維なども挙げることができ、これらを複合させることも可能である。
【0043】
これらの中でも、その入手の容易さ、強度と柔らかさのバランスなどより織布,不織布を用いることが多い。この織布,不織布でも、パンチングメタルのように全体に穴が開いた状態のものを含めたメッシュ状のものを用いることができる。
これらのシート状基材は、仮設路面標示が必要とされる幅と同じ幅又は、幅以下に切断され、テープ状のように巻物として用いられることが多い。この幅は、路面標示塗料が塗布される幅と同じ幅又は、幅以下となる
【0044】
このシート状基材は、比較的薄い1mm以下のものが用いられ、その目付量は、30~100g/m2の範囲が好ましく、30g/m2より少ない場合は、仮設路面標示を剥がす場合に、シート状基材が切れてしまい、作業性が劣ることがある。
一方、100g/m2より大きい場合では、シート状基材が厚くなり、仮設路面標示が盛り上がった状態になり、好ましいものではない。又、十分に下塗材が含侵しないこともあり、十分な密着を得ることができない場合がある。
【0045】
このように仮設路面標示は、下塗材、シート状基材及び路面標示塗料を積層することにより形成され、この仮設路面標示が不必要になった場合に、シート状基材から除去される。
その形成方法としては、(1)路面に対して、下塗材を塗布し、シート状基材を貼付けた後に、路面標示塗料を塗装する方法や(2)路面に対して、シート状基材を静置し、シート状基材の表面から下塗材を塗布し、シート状基材を貼付けた後に、路面標示塗料を塗装する方法がある。
【0046】
これら(1)(2)の方法により形成された仮設路面標示では、通常の環境下での仮設路面標示の剥離が少なく、仮設路面標示をシート状基材より容易に除去することができ、加熱により仮設路面標示を除去した場合でも路面にダメージを与えることが少ないものである。
まず、(1)の方法では、路面に対して、下塗材を塗布し、シート状基材を貼付ける。この下塗材の塗布には、エアースプレーやエアレススプレーなどのスプレー塗装や塗装用ローラーなどを用いて行われる。
【0047】
この下塗材が硬化乾燥前にシート状基材を貼付け、その後に路面標示塗料をシート状基材の上に塗装する。
(2)の方法では、路面に対して、シート状基材を静置し、シート状基材の表面から下塗材を塗布し、シート状基材を貼付ける。その後に路面標示塗料を路面に対して含浸接着したシート状基材の上に塗装する。
【0048】
この場合、シート状基材は、下塗材が染み込むものであるか、メッシュ状のものか、その両者の特性を持ったものを用いる。このような方法で行うことで、シート状基材の路面への密着が十分なものとなる。
これらの路面標示塗料の塗装方法は、この下塗材の塗布と同様で、エアースプレーやエアレススプレーなどのスプレー塗装や塗装用ローラーなどを用いて行われる。
【0049】
このように仮設路面標示は形成され、その仮設路面標示が不必要になった場合に除去される。
このように形成された仮設路面標示の除去方法には、剥離層からヘラ状のスクレーパーなどのハツリ器具により、シート状基材から剥がす除去方法,仮設路面標示の表面から塗膜剥離剤を塗布し、シート状基材から剥がす除去方法,仮設路面標示の表面から加熱し、シート状基材から剥がす除去方法などがある。
【0050】
また、これらを複合し行うことも可能で、好ましく行われ、必要に応じサンダーなどの研磨機やハツリ機などを用いることも可能である。
剥離層からヘラ状のスクレーパーなどのハツリ器具により、シート状基材から剥がす除去方法では、この剥離層のシート状基材の下部にスクレーパーの先端を入れながらシート状基材を引張り、剥離層から路面標示塗料による塗膜を剥がし、仮設路面標示を除去することである。
【0051】
仮設路面標示の表面から塗膜剥離剤を塗布し、シート状基材から剥がす除去方法では、路面標示塗料による塗膜や下塗膜が軟化、膨潤又は溶解させることで、仮設路面標示を弱くし、シート状基材から剥がし、除去することである。
この剥離剤を塗布することで、路面標示塗料による塗膜表面に塗布し、塗膜内部へ浸透させ、塗膜の結合力を弱め、塗膜を軟化,溶解させ路面との付着を弱め除去することが容易なものとなる。
【0052】
この除去する場合では、上記記載のように剥離層のシート状基材の下部にヘラ状のスクレーパーなどのハツリ器具の先端を入れ、シート状基材より剥がすことで、より速く効率的に除去を行うことができる。
この剥離剤は、一般的に塗膜剥離に用いられるもので、塗装用ローラーやスプレー,刷毛などの塗装器具を用いて行われることが多い。又、その塗布量は、路面状態や仮設路面標示の状態により、任意に選択されることになる。
【0053】
仮設路面標示の表面から加熱し、シート状基材から剥がす除去方法では、バーナーなどの加熱装置を用いて行うことになる。
この場合では、加熱することで、仮設路面標示が柔らかくなり、剥離層のシート状基材より剥がすことができる。この除去する場合では、剥離層のシート状基材の下部にヘラ状のスクレーパーなどのハツリ器具の先端を入れ、シート状基材より剥がすことで、より簡単に除去を行うことができる。
【0054】
また、これら除去を行う前に、仮設路面標示の表面からサンダーなどの研磨機により削り、除去する厚みを薄くしてから行うことも可能であり、容易に仮設路面標示の除去を行うことができる。
このように構成された仮設路面標示について、具体的な例により、詳細に説明する。
【0055】
仮設路面標示を自動車が十数台駐車できる駐車場の入り口付近で行った。入り口付近であることで、ほぼ毎日十数台の自動車の往来がある部分であり、車の進行方向に対して、直行方向であった。
まず、仮設路面標示を行う路面のアスファルトの石や埃,ごみなどを極力除去する。次に、仮設路面標示を線や文字など図案を路面に作図を行った。そして、仮設路面標示に用いる下塗材,白色の路面標示塗料(菊水化学工業株式会社製キーズライナー)を用意した。
【0056】
この路面標示塗料は、JIS K 5665にあるアクリル樹脂系合成樹脂エマルションを使用し、白色顔料としての酸化チタン,体質顔料としての炭酸カルシウム,分散剤や湿潤剤や消泡剤としての界面活性剤や粘性調整剤などを加えた水性型のものであった。
下塗材には、白色の路面標示塗料に用いた合成樹脂エマルションに分散剤や湿潤剤や消泡剤としての界面活性剤や粘性調整剤を加えた(A)クリヤー下塗材を用意した。
【0057】
また、このクリヤー下塗材に水酸化アルミニウムを加え、アスファルトと同系色の黒色に近い濃灰色に調色した(B)着色下塗材も用意した。この調色には、カーボンブラックを黒顔料として使用した。
その(B)着色下塗材の配合は、アクリル樹脂40.0重量%,水酸化アルミニウム40.0重量%,界面活性剤や粘性調整剤、黒顔料などのその他成分として3.0重量%,水が17.0重量%であった。
【0058】
(A)クリヤー下塗材の配合は、アクリル樹脂40.0重量%,界面活性剤や粘性調整剤などのその他成分として2.0重量%,水が58.0重量%であった。
この下塗材の塗布量は、Aのクリヤー下塗材が100g/m2程度であり、Bの着色下塗材が200~300g/m2の範囲であり、塗装用ローラーにより行った。この下塗材とアスファルト、下塗材と路面標示塗料との密着が十分であることを事前に確認を行った。
【0059】
シート状基材は、(c)ポリエステル繊維の目付量が35g/m2の不織布と(d)ポリエステル繊維の目付量が30g/m2のメッシュ状の織布を用いた。
【0060】
作図された路面に対して、(1)Aとcを組み合わせたもの、(2)Aとdを組み合わせたもの、(3)Bとcを組み合わせたもの、(4)Bとdを組み合わせたもので行った。
この組み合わせによる剥離層の形成は、
【0061】
(1)-1として、路面に対しAを塗布し、cを貼付ける
(1)-2として、路面に対しcを静置し、cの表面からAを塗布する
(2)-1として、路面に対しAを塗布し、dを貼付ける
(2)-2として、路面に対しdを静置し、dの表面からAを塗布する
(3)-1として、路面に対しBを塗布し、cを貼付ける
(3)-2として、路面に対しcを静置し、cの表面からBを塗布する
(4)-1として、路面に対しBを塗布し、dを貼付ける
(4)-2として、路面に対しdを静置し、dの表面からBを塗布する
【0062】
以上、8種の剥離層を形成し、それぞれの仕様の上に、路面標示塗料を塗装した。
仮設路面標示の幅が150mmであったため、それより少し広い160mmの塗布幅で、A,Bの塗布を10m行った。それに対応したc,dは、幅150mmで、10mのものを使って行った。これら剥離層は、平行な位置で、その間隔は、約50cmであった。
【0063】
これらが形成された後に、次工程である路面標示塗料の塗装を行い、各仮設路面標示を完成させた。
必要に応じ下塗膜の上に作図を再度行い、路面標示塗料の塗布箇所を再度確認することもできる。又、下塗材を塗布しながら、次の路面標示塗料の塗布位置がわかるように、印を付けながら行うことも可能である。
【0064】
この路面標示塗料は、前記同様にエアレススプレーによるスプレー塗装で行い、幅が150mmで、直線で10mの長さで、それぞれ8種の剥離層に対して行った。
その塗布量は、100~200g/m2の範囲で調整し塗装を行った。下塗膜の幅が、路面標示塗料の塗布幅より広かったため、路面標示塗料が直接路面に接することなく塗布することができた。
【0065】
夜間の視認性を高めるために、屈折率が1.5~2.3のガラス製の透明ビーズを路面標示塗料の塗装と同時に散布も行った。
このようにして仮設路面標示を完成することができた。この仮設路面標示は、通常の路面標示塗料を使うことで、その耐久性は、通常の路面標示と同じものであった。
【0066】
この8種類の仕様の中では、路面に対し下塗材を塗布し、シート状基材を貼付けるより、路面に対しシート状基材を静置し、その表面から下塗材を塗布する(1)-2,(2)-2,(3)-2,(4)-2が簡単に速く行うことができた。
また、作図に対して、貼付け位置の確認がし易いため、作業を円滑に行うことができた。
【0067】
シート状基材が、(d)のメッシュ状の織布を用いた場合では、仮設路面標示の強度が(c)の不織布の場合に比べ、十分であることが確認できた。
これは、下塗層と路面標示塗料による塗膜が直接付着している部分が点在しているためであった。
【0068】
次に、これらの仮設路面標示を6か月間放置し、その後除去した。除去する直前の様子は、割れや剥がれが発生している箇所は無く、通常の路面標示塗料のみにより表示されているものと変わらない状態であった。
この除去方法は、ヘラ状のスクレーパーで剥がす方法,仮設路面標示の表面から塗膜剥離剤を塗布しスクレーパーで剥がす方法,仮設路面標示の表面から加熱しながらスクレーパーで剥がす方法の3種類の除去方法により、仮設路面標示の除去を行った。
【0069】
ヘラ状のスクレーパーで剥がす方法では、下塗材に(B)着色下塗材を用いた場合の方が、下塗材に(A)クリヤー下塗材を用いた場合と比較して、塗布量が多く、厚いためスクレーパーの刃が入り易く、下塗膜とシート状基材の界面付近から剥がれ易いものであった。
また、シート状基材の貼り方が、シート状基材の表面から下塗材を塗布する方法の場合の方が、剥がし易い傾向であった。これは、シート状基材と路面との付着が強過ぎず弱過ぎず付着性と剥離性のバランスの取れた状態であったためである。
【0070】
この方法での剥離の容易さは、それほどの大差はないが、その順番としては、(3)-1,(4)-1,(3)-2,(4)-2,(1)-1,(2)-1,(1)-2,(2)-2であった。この剥離の容易さは、剥離作業の作業時間やその労力などを考慮したものである。
仮設路面標示の表面から塗膜剥離剤を塗布しスクレーパーで剥がす方法では、仮設路面標示の表面から塗膜剥離剤を塗布し、スクレーパーで剥がした。
【0071】
この塗膜剥離剤は、ベンジルアルコールを主成分とし、各種添加剤を加え、水で調整を行い、塗り易いように粘性調整したものであり、弱酸性のものであった。
この塗布には、一般的に塗装などに用いられる長毛のウールローラーと呼ばれる塗布用ローラーにより行った。この塗装用ローラーに剥離剤を含ませ、仮設路面標示の表面に塗り、その塗膜に浸透させた。剥離剤を塗付けている時にも一部の仮設路面標示が溶けている状態を確認することができた。
【0072】
この剥離剤の塗布量は、少し多めの500~1000g/m2の範囲で調整し、塗布後5分程度放置した後に、塗膜をスクレーパーにより除去した。
この除去方法では、剥離剤が路面標示路塗料による塗膜に浸透する速度により、その作業速度が決まってくるため、上記記載のどの仕様でも同程度であった。
【0073】
除去後の路面の様子では、(B)着色下塗材を用いたものは、路面の凹凸を溶解された塗膜が入り込んでいる部分が目立った。
どちらの仕様でも路面の使用には問題がない状態であり、路面の損傷もなかったが、除去した剥離剤と溶解された塗膜が混合された液状物の処理に時間がどれも掛かった。この点からは、(A)クリヤー下塗材を用いた仕様の方が、その塗布量が少ないことから有利であった。
【0074】
仮設路面標示の表面から加熱しながらスクレーパーで剥がす方法の除去方法では、仮設路面標示の表面からガスバーナーで加熱しながらスクレーパーで剥がした。
この方法では、加熱を行うことで、仮設路面標示が柔らかくなり、スクレーパーの先端が入り易く、下塗膜の付着力も少し弱まり、より簡単に仮設路面標示を除去することができた。
【0075】
また、(B)着色下塗材を用いた仕様である(3)-1,(3)-2,(4)-1,(4)-2では、加熱により、水酸化アルミニウムが分解し、下塗膜が脆くなったこともあり、路面標示塗料による塗膜の除去がし易くなり、(A)クリヤー下塗材を用いた仕様に比べ、除去し易かった。
この中でも(d)のメッシュ状の織布を用いた仕様では、そのメッシュの目に合わせた形状に路面標示塗料による塗膜が細かくなりながら剥がれ、平面で剥がれる場合より、剥がす力も少なく、効率的に除去作業を行うことができた。
【0076】
また、(A)クリヤー下塗材を用いた仕様では、路面の使用には問題がない状態であったが、アスファルトが熱により溶けたような部分が一部にあった。
これは、(B)着色下塗材を用いた仕様の方が、下塗膜が厚く、水酸化アルミニウムを含むことから、アスファルトを溶かすことが少なく、路面を保護することができたからである。
【0077】
このように路面に対して、下塗材を塗布し、シート状基材を貼付けた後に、路面標示塗料を塗装することや、路面に対してシート状基材を静置し、シート状基材の表面から下塗材を塗布してシート状基材を貼付けた後に、路面標示塗料を塗装することで、仮設路面標示がシート状基材より容易に除去することができるものとなる。
【0078】
また、通常の環境下での仮設路面標示の剥離が少なく、加熱により仮設路面標示を除去した場合でも路面にダメージを与えることが少ないものであった。
さらに、下塗材が水酸化アルミニウムを含有し、路面と同系色に調色されたものであることで、仮設路面標示を剥がす際に、加熱した場合、路面を熱から保護することができ、路面への損傷をより少なくすることができた。
【0079】
また、下塗材により形成された下塗膜が温度の上昇と共に充填材が分解し、下塗膜が脆くなることで、より仮設路面標示が除去し易くなるものであった。
仮設路面標示を除去する時に、下塗膜が残っても、路面と同色又は同系色なものであることで、路面と同色又は同系色になり、違和感のない状態とすることができた。
【0080】
シート状基材がメッシュ状布であることにより、仮設路面標示を構成する各要素間との密着性がよく、路面と仮設路面標示との付着性がよいことが確認することができた。