(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082529
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】ブラインド装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/264 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
E06B9/264 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196365
(22)【出願日】2021-12-02
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】牛尾 紳之介
(72)【発明者】
【氏名】宮道 祐介
(72)【発明者】
【氏名】西村 太佑
(72)【発明者】
【氏名】竹中 哲也
(72)【発明者】
【氏名】馬場 雅博
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅也
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043AA04
2E043AA05
2E043BE12
2E043BE13
2E043BE17
2E043DA05
2E043DB05
(57)【要約】
【課題】 PVセルの発電電力の取り出し効率の向上を図りつつ、2以上のスラットを含むスラット群を個別に制御することを可能とするブラインド装置を提供する。
【解決手段】 ブラインド装置は、太陽電池セルが配置された2以上のスラットと、前記2以上のスラットを制御する制御装置と通信を実行する通信部と、を備え、前記2以上のスラットは、電気的に直列又は並列に接続された前記太陽電池セルを有する一群のスラットである2以上の第1スラット群のいずれかに分類され、かつ、前記制御装置によって制御可能な一群のスラットである2以上の第2スラット群のいずれかに分類され、前記2以上の第1スラット群の各々は、前記2以上の第2スラット群の境界を跨がらずに、前記2以上の第2スラット群のいずれか1つに含まれる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池セルが配置された2以上のスラットと、
前記2以上のスラットを制御する制御装置と通信を実行する通信部と、を備え、
前記2以上のスラットは、
電気的に直列又は並列に接続された前記太陽電池セルを有する一群のスラットである2以上の第1スラット群のいずれかに分類され、かつ、
前記制御装置によって制御可能な一群のスラットである2以上の第2スラット群のいずれかに分類され、
前記2以上の第1スラット群の各々は、前記2以上の第2スラット群の境界を跨がらずに、前記2以上の第2スラット群のいずれか1つに含まれる、ブラインド装置。
【請求項2】
前記2以上の第2スラット群の少なくともいずれか1つは、複数の第1スラット群を含む、請求項1に記載のブラインド装置。
【請求項3】
前記2以上の第2スラット群の各々は、1つのモータによって駆動される一群のスラットである、請求項1又は請求項2に記載のブラインド装置。
【請求項4】
前記2以上の第2スラット群の各々は、前記制御装置によって角度が制御され得る一群のスラットである、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のブラインド装置。
【請求項5】
前記2以上の第2スラット群の各々は、前記制御装置によって動作モードが適用され得る一群のスラットである、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のブラインド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スラットを有するブラインド装置において、スラットの表面に太陽電池セル(以下、PV(Photovoltaic)セル)を配置する技術が提案されている。また、PVセルがスラットに配置されていないブラインド装置において、ブラインド装置が有するスラットを2以上のスラット群に分類し、2以上のスラット群の各々を個別に制御する技術も提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/241131号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、PVセルがスラットに配置されたブラインド装置では、2以上のPVセルを電気的に直列で接続することによって、PVセルの発電電力の取り出し効率の向上を図ることが想定される。
【0005】
このような想定下において、電気的に直列に接続されたPVセルを有するスラット群において、各スラットが異なる挙動(例えば、角度の調整など)で動作すると、PVセルを接続する電力線の破損が生じる可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、PVセルの発電電力の取り出し効率の向上を図りつつ、2以上のスラットを含むスラット群を個別に制御することを可能とするブラインド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の一態様は、太陽電池セルが配置された2以上のスラットと、前記2以上のスラットを制御する制御装置と通信を実行する通信部と、を備え、前記2以上のスラットは、電気的に直列又は並列に接続された前記太陽電池セルを有する一群のスラットである2以上の第1スラット群のいずれかに分類され、かつ、前記制御装置によって制御可能な一群のスラットである2以上の第2スラット群のいずれかに分類され、前記2以上の第1スラット群の各々は、前記2以上の第2スラット群の境界を跨がらずに、前記2以上の第2スラット群のいずれか1つに含まれる、ブラインド装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、PVセルの発電電力の取り出し効率の向上を図りつつ、2以上のスラットを含むスラット群を個別に制御することを可能とするブラインド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電力管理システム1を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る施設100を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るブラインド装置140を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るEMS160を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るスラット群を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0011】
[実施形態]
(電力管理システム)
以下において、実施形態に係る電力管理システムについて説明する。電力管理システムは、単に、電力システムと称されてもよい。
【0012】
図1に示すように、電力管理システム1は、施設100を有する。電力管理システム1は、電力管理サーバ200を含んでもよい。
【0013】
ここで、施設100及び電力管理サーバ200は、ネットワーク11を介して通信可能に構成される。ネットワーク11は、インターネットを含んでもよく、VPN(Virtual Private Network)などの専用回線を含んでもよく、移動体通信網を含んでもよい。
【0014】
施設100は、電力系統12と連系しており、電力系統12から電力が供給されてもよく、電力系統12に電力を供給してもよい。電力系統12から施設100への電力は、潮流電力、買電電力又は需要電力と称されてもよい。施設100から電力系統12への電力は、逆潮流電力又は売電電力と称されてもよい。
図1では、施設100として、施設100A~施設100Cが例示されている。
【0015】
特に限定されるものではないが、施設100は、住宅などの施設であってもよく、店舗などの施設であってもよく、オフィスなどの施設であってもよい。施設100は、2以上の住宅を含む集合住宅であってもよい。施設100は、住宅、店舗及びオフィスの少なくともいずれか2以上の施設を含む複合施設であってもよい。施設100の詳細については後述する(
図2を参照)。
【0016】
電力管理サーバ200は、地域電力会社などの事業者によって管理されてもよい。地域電力会社は、自治体などによって運営される電力会社であってもよい。電力管理サーバ200は、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者、リソースアグリゲータなどの事業者によって管理されるサーバである。リソースアグリゲータは、VPP(Virtual Power Plant)において、電力系統12の電力需給バランスを調整する電力事業者であってもよい。電力需給バランスの調整は、施設100の需要電力(潮流電力)の削減電力を価値と交換する取引(以下、ネガワット取引)を含んでもよい。電力需給バランスの調整は、逆潮流電力の増大電力を価値と交換する取引を含んでもよい。リソースアグリゲータは、VPPにおいて、発電事業者、送配電事業者及び小売事業者などに逆潮流電力を提供する電力事業者であってもよい。
【0017】
(施設)
以下において、実施形態に係る施設について説明する。
図2に示すように、施設100は、太陽電池装置110と、蓄電装置120と、燃料電池装置130と、ブラインド装置140と、負荷機器150と、EMS(Energy Management System)160と、を有する。施設100は、測定装置190を有してもよい。さらに、施設100は、ブラインド装置140と直接的に又は間接的に通信する通信装置300を有する。
【0018】
太陽電池装置110は、太陽光などの光に応じて発電をする分散電源である。例えば、太陽電池装置110は、PCS(Power Conditioning System)及び太陽光パネルによって構成される。実施形態では、太陽電池装置110は、施設100に設置される発電装置の一例であってもよい。
【0019】
蓄電装置120は、電力の充電及び電力の放電をする分散電源である。例えば、蓄電装置120は、PCS及び蓄電セルによって構成される。実施形態では、蓄電装置120は、施設100に設置される蓄電装置の一例であってもよい。
【0020】
燃料電池装置130は、燃料を用いて発電を行う分散電源である。例えば、燃料電池装置130は、PCS及び燃料電池セルによって構成される。
【0021】
例えば、燃料電池装置130は、固体酸化物型燃料電池(SOFC; Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、固体高分子型燃料電池(PEFC; Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC; Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC; Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
【0022】
ブラインド装置140は、所定空間の窓に取り付けられる装置であって、太陽電池セル(以下、PV(Photovoltaic)セル)を有する装置である。所定空間は、施設100の部屋などであってもよく、施設100のフロアであってもよい。ブラインド装置140が設置される所定空間への日差しを遮ることを可能とする装置である。ブラインド装置140は、窓よりも所定空間の内側に取り付けられてもよいし、窓よりも所定空間の外側に取り付けられてもよい。具体的には、ブラインド装置140は、複数のスラットを有しており、モータなどによって複数のスラットを操作する装置である。
【0023】
スラットは、矩形状の前面および矩形状の裏面を有する。矩形状の前面は、若干張り出すように湾曲している凸状の面(以下、凸状面)であってもよい。矩形状の裏面は、若干凹むように湾曲している凹状の面(以下、凹状面)であってもよい。スラットの制御は、スラットの巻き上げ、スラットの繰り出し及びスラットの角度調整の少なくともいずれか1つの制御を含んでもよい。また、スラットの制御は、複数のスラットのうちの一部のスラットに対する制御を含んでもよい。すなわち、スラットの制御は、複数のスラットのうち所定枚数のスラットに対する制御を含んでもよい。
【0024】
ブラインド装置140は、地面又は床面に対して水平方向に沿って延びるスラットが、地面又は床面に対して垂直方向に並べられた横型タイプであってもよく、地面又は床面に対して垂直方向に沿って延びるスラットが、地面又は床面に対して水平方向に並べられた縦型タイプであってもよい。ブラインド装置140は、電動ブラインドと称されてもよい。ブラインド装置140は、PV付き電動ブラインドと称されてもよい。
【0025】
実施形態では、ブラインド装置140は、PVセルが配置されたスラットを有する。PVセルは、スラットの表面に配置される。具体的には、PVセルは、スラットの凸状面に配置される。また、スラットの凹状面に配置されてもよいし、スラットの凸状面及び凹状面の両方に配置されてもよい。従って、ブラインド装置140は、太陽光などの光に応じて発電を行う分散電源の一例であると考えてもよい。ブラインド装置140は、PCSを含んでもよく、PCSを含まなくてもよい。スラットに配置されたPVセルのPCSとして、太陽電池装置110のPCSが用いられてもよい。ブラインド装置140の詳細については後述する(
図3を参照)。
【0026】
負荷機器150は、電力を消費する機器である。例えば、負荷機器150は、所定空間の温度を調整する空調装置を含んでもよく、所定空間の照度を調整する照明装置を含んでもよい。空調装置及び照明装置は、所定空間の環境を調整する所定装置の一例である。空調装置及び照明装置は、ブラインド装置140の操作によって影響される装置であると考えてもよい。負荷機器150は、映像機器、音響機器、冷蔵庫、洗濯機、パーソナルコンピュータなどを含んでもよい。
【0027】
EMS160は、施設100に関する電力を管理する。EMS160は、太陽電池装置110、蓄電装置120、燃料電池装置130、ブラインド装置140、負荷機器150を制御してもよい。実施形態では、電力管理サーバ200から制御コマンドを受信する装置としてEMS160を例示するが、このような装置は、Gatewayと称されてもよく、単に制御ユニットと称されてもよい。EMS160の詳細については後述する(
図4を参照)。
【0028】
測定装置190は、電力系統12から施設100への潮流電力を測定する。測定装置190は、施設100から電力系統12への逆潮流電力を測定してもよい。例えば、測定装置190は、電力会社に帰属するSmart Meterであってもよい。測定装置190は、第1間隔(例えば、30分)における測定結果(潮流電力又は逆潮流電力の積算値)を示す情報要素を第1間隔毎にEMS160に送信してもよい。測定装置190は、第1間隔よりも短い第2間隔(例えば、1分)における測定結果を示す情報要素をEMS160に送信してもよい。
【0029】
(ブラインド装置)
以下において、実施形態に係るブラインド装置について説明する。
図3に示すように、ブラインド装置140は、通信部141と、スラット142と、制御部143と、を有する。
【0030】
通信部141は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0031】
例えば、通信部141は、ブラインド装置140とEMS160との間の通信を制御する。言い換えると、通信部141は、EMS160と通信する。このような通信は、第2プロトコルに準拠するプロトコルを用いて実行される。以下においては、第2プロトコルとして、ECHONET Lite(登録商標)について主として例示する。
【0032】
第1に、通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、ブラインド装置140の動作モードを特定するための情報要素を含んでもよい。
【0033】
このようなメッセージは、ブラインド装置140を動作モードで制御するように指示するメッセージ(例えば、SETコマンド)を含んでもよく、ブラインド装置140に適用されている動作モードを要求するメッセージ(例えば、GETコマンド)を含んでもよい。このようなメッセージは、ブラインド装置140に適用されている動作モードを通知するメッセージ(例えば、GET応答コマンド、INFコマンド)を含んでもよい。GET応答コマンドは、GETコマンドに応じて送信されるコマンドであり、INFコマンドは、ブラインド装置140が自律的に送信するメッセージである。
【0034】
なお、SETコマンドは、ブラインド装置140の動作モードをブラインド装置140が特定するための情報要素を含む。GET応答コマンド及びINFコマンドは、ブラインド装置140の動作モードをEMS160が特定するための情報要素を含む。
【0035】
スラット142は、ブラインド装置140が設置される空間の日差しを調整する部材である。スラット142の表面には、PVセルが配置されてもよい。
【0036】
制御部143は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。
【0037】
具体的には、制御部143は、ブラインド装置140を制御する。例えば、制御部143は、スラット142の巻き上げ、スラット142の繰り出し及びスラット142の角度調整の少なくともいずれか1つの制御を実行してもよい。また、制御部143は、複数のスラット142のうちの一部のスラットに対する制御をしてもよい。すなわち、制御部143は、複数のスラットのうち所定枚数のスラットに対する制御をしてもよい。
【0038】
なお、ブラインド装置140の動作モードは、以下に示す動作モード(第1動作モード~第5動作モード)の少なくともいずれかの動作モードを含んでもよい。
【0039】
第1動作モードは、PVセルの発電電力を最大化するようにスラット142の角度を調整する動作モードである。すなわち、第1動作モードでは、所定空間への日差しよりもPVセルの発電電力が優先される。第1動作モードは、発電優先モードと称されてもよい。
【0040】
第2動作モードは、PVセルの発電電力を最大化するスラット142の角度を探索する動作モードである。具体的には、第2動作モードでは、スラット142の角度を徐々に変更しながらPVセルの発電電力を計測することによって、PVセルの発電電力を最大化するスラット142の角度が探索される。第2運転モードで角度が変更されるスラット142は、ブラインド装置140に設けられる複数のスラット142の一部であってもよい。
【0041】
第3動作モードは、所定空間の照度及び温度の少なくともいずれかに基づいてスラット142の角度を調整する動作モードである。具体的には、第3動作モードでは、所定空間の照度が目標照度となるようにスラット142の角度が調整されてもよい。照度を検出するセンサは、ブラインド装置140に設けられてもよく、ブラインド装置140と通信可能に構成されてもよい。目標照度は、ユーザによって設定されてもよい。第3動作モードでは、所定空間の温度が目標温度となるようにスラット142の角度が調整されてもよい。温度を検出するセンサは、ブラインド装置140に設けられてもよく、ブラインド装置140と通信可能に構成されてもよい。目標温度は、ユーザによって設定されてもよい。所定空間の温度に関する第3モードは、室温優先モードと称されてもよい。
【0042】
第4動作モードは、所定空間の照度を最大化するようにスラット142の角度を調整する動作モードである。すなわち、第4動作モードでは、PVセルの発電電力よりも所定空間への日差しが優先される。第4動作モードは、採光優先モードと称されてもよい。
【0043】
第5動作モードは、所定装置の消費電力及びPVセルの発電電力に基づいて、スラット142の角度を調整する動作モードである。言い換えると、第5動作モードは、所定装置の消費電力からPVセルの発電電力を除いた電力を最小化する動作モードである。第5動作モードは、PVセルの発電電力から所定装置の消費電力を除いた電力を最大化する動作モードであると考えてもよい。第5動作モードは、消費電力優先モードと称されてもよい。
【0044】
(EMS)
以下において、実施形態に係るEMSについて説明する。
図4に示すように、EMS160は、第1通信部161と、第2通信部162と、制御部163と、を有する。
【0045】
第1通信部161は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0046】
例えば、第1通信部161は、ネットワーク11を介して電力管理サーバ200と通信を行う。第1通信部161は、上述したように、第1プロトコルに従って通信を行う。例えば、第1通信部161は、第1プロトコルに従って第1メッセージを電力管理サーバ200から受信する。第1通信部161は、第1プロトコルに従って第1メッセージ応答を電力管理サーバ200に送信する。
【0047】
第2通信部162は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0048】
例えば、第2通信部162は、施設100に含まれる装置(太陽電池装置110、蓄電装置120、燃料電池装置130又はブラインド装置140)と通信を行う。第2通信部162は、上述したように、第2プロトコルに従って通信を行う。例えば、第2通信部162は、第2プロトコルに従って第2メッセージを分散電源に送信する。第2通信部162は、第2プロトコルに従って第2メッセージ応答を分散電源から受信する。上述したように、第2メッセージは、ブラインド装置140の動作モードを特定するための情報要素を含むメッセージであってもよい。
【0049】
制御部163は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。
【0050】
具体的には、制御部163は、EMS160に設置される各構成を制御する。例えば、制御部163は、第2メッセージの送信によって、動作モードの設定をブラインド装置140に指示する。
【0051】
(スラット群)
以下において、実施形態に係るスラット群について説明する。
図5では、ブラインド装置140が有する2以上のスラット142が模式的に表されている。
【0052】
図5に示すように、2以上のスラットは、2以上の第1スラット群142Aのいずれかに分類され、かつ、2以上の第2スラット群142Bのいずれかに分類される。
【0053】
2以上の第1スラット群142Aの各々は、電気的に直列に接続されたPVセルを有する一群のスラットである。具体的には、第1スラット群142Aを構成するスラット142のPVセルは、電力線145によって電気的に直列に接続される。第1スラット群142Aの一端を構成するスラット142のPVセルは、取出電極146に接続される。第1スラット群142Aの他端を構成するスラット142のPVセルも取出電極に接続されるが、説明の簡略化のため、このような構成は、
図5では省略されている。
【0054】
図5では、1つの第1スラット群142Aが4つのスラット142を含むケースが例示されているが、1つの第1スラット群142Aに含まれるスラット142の数は、2以上であればよい。従って、1つの第1スラット群142Aに含まれるスラット142の数は、3以下であってもよく、5以上であってもよい。第1スラット群142Aに含まれるスラット142の数は、第1スラット群142A毎に異なっていてもよい。
【0055】
図5では、ブラインド装置140が3つの第1スラット群142A(すなわち、第1スラット群142A-1~第1スラット群142A-3)を有するケースが例示されているが、ブラインド装置140が有する第1スラット群142Aの数は、2以上であればよい。従って、第1スラット群142Aの数は、2つであってもよく、4以上であってもよい。
【0056】
2以上の第2スラット群142Bの各々は、制御装置(実施形態では、EMS160)によって制御可能な一群のスラットである。2以上の第2スラット群142Bの各々は、1つのモータ148によって駆動可能な一群のスラットあると考えてもよい。具体的には、第2スラット群142Bを構成するスラット142は、電力線147によってモータ148に接続される。
【0057】
図5では、第2スラット群142Bとして、第2スラット群142B-1及び第2スラット群142B-2が例示されている。第2スラット群142B-1が4つのスラット142を含み、第2スラット群142B-2が8つのスラット142を含むケースが例示されている。第2スラット群142B-1を構成するスラット142はモータ148Xに接続され、第2スラット群142B-2を構成するスラット142はモータ148Yに接続される。
【0058】
図5では、1つの第2スラット群142Bとが4つ又は8つのスラット142を含むケースが例示されているが、1つの第2スラット群142Bに含まれるスラット142の数は、2以上であればよい。従って、1つの第2スラット群142Bに含まれるスラット142の数は、3以下であってもよく、5以上であってもよく、7以下であってもよく、9以上であってもよい。第2スラット群142Bに含まれるスラット142の数は、第2スラット群142B毎に異なっていてもよい。
【0059】
図5では、ブラインド装置140が2つの第2スラット群142B(すなわち、第2スラット群142B-1~第2スラット群142B-2)を有するケースが例示されているが、ブラインド装置140が有する第2スラット群142Bの数は、2以上であればよい。従って、第2スラット群142Bの数は、3以上であってもよい。
【0060】
上述したように、第1スラット群142A及び第2スラット群142Bは、異なる観点で纏められる一群のスラットである。従って、ブラインド装置140が有する2以上のスラット142の全ては、2以上の第1スラット群142Aのいずれかに分類される。同様に、ブラインド装置140が有する2以上のスラット142の全ては、2以上の第2スラット群142Bのいずれかに分類される。
【0061】
このような前提下において、2以上の第1スラット群142Aの各々は、2以上の第2スラット群142Bの境界を跨がらずに、2以上の第2スラット群142Bのいずれか1つに含まれる。2以上の第2スラット群142Bの少なくともいずれか1つは、複数の第1スラット群142Aを含んでもよい。
【0062】
例えば、
図5に示すケースでは、第1スラット群142A-1は、第2スラット群142B-1及び第2スラット群142B-2の境界を跨がらずに、第2スラット群142B-1に含まれる。第1スラット群142A-2は、第2スラット群142B-1及び第2スラット群142B-2の境界を跨がらずに、第2スラット群142B-2に含まれる。第1スラット群142A-3は、第2スラット群142B-1及び第2スラット群142B-2の境界を跨がらずに、第2スラット群142B-2に含まれる。第2スラット群142B-2は、2つの第1スラット群142A(第1スラット群142A-2及び第1スラット群142A-3)を含む。
【0063】
なお、第2スラット群142Bは、制御装置(実施形態では、EMS160)によって制御可能な一群のスラットであるため、2以上の第2スラット群142Bに対して同様の制御が同時に適用されてもよい。制御可能な一群のスラット142は、制御装置の設定(例えば、動作制限)として制御装置で管理されてもよい。従って、制御可能な一群のスラットは、2以上のモータ148によって駆動されてもよい。例えば、ブラインド装置140が有する全てのスラット142の各々に異なるモータ148が接続されてもよい。
【0064】
(作用及び効果)
実施形態では、2以上の第1スラット群142Aの各々は、2以上の第2スラット群142Bの境界を跨がらずに、2以上の第2スラット群142Bのいずれか1つに含まれる。このような構成によれば、2以上の第2スラット群142Bの各々に別々の制御が適用された場合であっても、第1スラット群142Aを構成するスラット142の挙動が統一されるため、PVセルを直列で接続する電力線145の破損を抑制することができる。すなわち、PVセルの発電電力の取り出し効率の向上を図りつつ、2以上のスラット142を含む第1スラット群142Aを個別に制御することができる。
【0065】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0066】
上述した開示では、2以上の第2スラット群142Bの各々が1つのモータ148によって駆動可能な一群のスラットであるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。
【0067】
例えば、2以上の第2スラット群142Bの各々は、制御装置(例えば、EMS160)によって角度が制御され得る一群のスラットであると考えてもよい。このようなケースにおいて、角度が制御され得る一群のスラットは、制御装置の設定(例えば、動作制限)として制御装置で管理されてもよい。従って、角度が制御され得る一群のスラットは、2以上のモータ148によって駆動されてもよい。例えば、ブラインド装置140が有する全てのスラット142の各々に異なるモータ148が接続されてもよい。なお、第2スラット群142Bは、角度が制御され得る一群のスラットであるため、2以上の第2スラット群142Bを構成するスラット142の角度が所定角度に同時に制御されてもよい。
【0068】
例えば、2以上の第2スラット群142Bの各々は、制御装置(例えば、EMS160)によって動作モード(例えば、第1動作モード~第5動作モード)が適用され得る一群のスラットであると考えてもよい。このようなケースにおいて、動作モードが適用され得る一群のスラットは、制御装置の設定(例えば、動作制限)として制御装置で管理されてもよい。従って、動作モードが適用され得る一群のスラットは、2以上のモータ148によって駆動されてもよい。例えば、ブラインド装置140が有する全てのスラット142の各々に異なるモータ148が接続されてもよい。なお、第2スラット群142Bは、動作モードが適用され得る一群のスラットであるため、2以上の第2スラット群142Bに対して1つの動作モードが同時に適用されてもよい。また、1つの動作モードが適用される第2スラット群142Bにおいて、互いに隣接するスラット142の角度の差異が閾値を超えない範囲であれば、互いに隣接するスラット142の角度が異なる制御が許容されてもよい。
【0069】
上述した開示において、第2スラット群142Bは、制御装置(実施形態では、EMS160)によって制御可能な最小単位を構成する一群のスラットであると考えてもよい。例えば、ブラインド装置140が全部で8枚のスラット142を有するケースにおいて、制御可能な最小単位が2枚のスラット142(一群のスラット)であってもよい。このようなケースにおいて、4枚のスラット142(2つの最小単位)が同時に制御されてもよく、8枚のスラット142(4つの最小単位)が同時に制御されてもよい。すなわち、制御装置(実施形態では、EMS160)は、必ずしも1つの最小単位毎に異なる制御を適用する必要はなく、2以上の最小単位に対して同じ制御を適用してもよい。
【0070】
上述した開示では、第1スラット群142Aが電気的に直列に接続されたPVセルを有する一群のスラットであるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。第1スラット群142Aは、電気的に並列に接続されたPVセルを有する一群のスラットであってもよい。
【0071】
上述した開示では、ブラインド装置140が有する2以上のスラット142を制御する制御装置としてEMS160を例示した。しかしながら、上述した開示は、これに限定されるものではない。制御装置は、ブラインド装置140を制御するためのリモートコントローラであってもよい。リモートコントローラは、ブラインド装置140に専用のコントローラであってもよい。リモートコントローラは、ブラインド装置140と直接的に又は間接的に通信を実行する通信装置(例えば、スマートフォン、タブレット端末など)であってもよい。
【0072】
特に限定されるものではないが、動作モードは、動作状態と読み替えられてもよい。
【0073】
上述した開示では、ECHONET Lite(登録商標)について主として説明した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。上述した開示は、SEP2.0、KNXなどの他のプロトコルにも適用可能である。
【0074】
上述した開示では特に触れていないが、EMS160が有する機能の少なくとも一部は、ネットワーク11上に配置されるサーバによって実行されてもよい。言い換えると、EMS160は、クラウドサービスによって提供されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…電力管理システム、11…ネットワーク、12…電力系統、100…施設、110…太陽電池装置、120…蓄電装置、130…燃料電池装置、140…ブラインド装置、141…通信部、142…スラット、142A…第1スラット群、142B…第2スラット群、143…制御部、145…電力線、146…取出電極、147…電力線、148…モータ、150…負荷機器、160…EMS、161…第1通信部、162…第2通信部、163…制御部、190…測定装置、200…電力管理サーバ