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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082680
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】容器をブロー成形するための機器
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/42 20060101AFI20230607BHJP
   B29C 49/36 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
B29C49/42
B29C49/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022189427
(22)【出願日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】102021000030506
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102021000030539
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】516023722
【氏名又は名称】サクミ・イモラ・ソシエタ・コーペラティバ
【氏名又は名称原語表記】SACMI IMOLA S.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ・ザネリ
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ・マッサーリ
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AG07
4F208AH55
4F208AJ08
4F208LA07
4F208LB01
4F208LD01
4F208LD05
4F208LD12
4F208LG03
4F208LJ01
4F208LJ14
4F208LJ15
4F208LJ23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プラスチック容器をブロー成形するための機器を提供する。
【解決手段】主回転軸100を中心として回転可能であり、第1の移送ステーション20でプリフォームの給送ライン21に動作可能に接続されたブロー成形カルーセル10を含む、プラスチック容器をブロー成形するための機器を含む。プリフォームは、プリフォーム本体とプリフォーム開口とを含むタイプのものである。ブロー成形カルーセル10は、その周辺領域11で、主回転軸100の周りに配置された複数の形成ユニット12を支持する。各形成ユニット12は、プリフォームを給送するための開放位置と、それが少なくとも1つの形成キャビティを規定する閉鎖位置との間を通るために、互いに対して可動である2つの金型部分13a、13bによって形成された金型13を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック容器をブロー成形するための機器(1)であって、主回転軸(100)を中心として回転するように構成され、第1の移送ステーション(20)で、プリフォーム本体(51)とプリフォーム開口(52)とを含むプリフォーム(50)の給送ライン(21)に動作可能に接続されたブロー成形カルーセル(10)を含み、前記ブロー成形カルーセル(10)は、その周辺領域(11)で、主回転軸(100)の周りに配置された複数の形成ユニット(12)を支持し、各形成ユニット(12)は、前記プリフォーム(50)を給送するための開放位置と、前記形成ユニットが少なくとも1つの形成キャビティを規定する閉鎖位置との間を通るために、互いに対して可動である2つの金型部分(13a、13b)によって形成された金型(13)を含み、前記第1の移送ステーション(20)は移送カルーセル(23)を含み、前記移送カルーセルは、前記主回転軸(100)と平行な前記移送カルーセルの軸(101)を中心として回転可能であり、前記第1の移送ステーション(20)はさらに、少なくとも1つのそれぞれの把持体(25)に関連付けられた複数の把持要素(24)を支持し、前記少なくとも1つのそれぞれの把持体(25)は、少なくとも1つのそれぞれのプリフォーム(50)をそれぞれの形成キャビティに給送するために、前記給送ライン(21)から前記プリフォーム(50)をピックアップするように設計され、前記把持要素(24)は第1のアーム(24a)を含み、前記第1のアーム(24a)は、それが略垂直の旋回軸(102)を中心として命令に応じて回転するために前記移送カルーセル(23)によって回転可能であるように支持され、前記把持要素(24)はさらに、第2のアーム(24b)を含み、前記第2のアーム(24b)は、長手方向に延在し、それ自体の延在方向と略平行である前進/後退方向(200)に沿って前記第1のアーム(24a)に対して命令に応じて摺動可能であり、前記機器は、前記把持体(25)が、実質的に前記プリフォーム開口領域(52)によって前記プリフォーム(50)を安定して保持するように構成された連結要素(25a)を支持し、前記連結要素(25a)は、垂直方向と平行な少なくとも1つの成分を有する運動軌跡(301)に沿って前記第2のアーム(24b)に対して命令に応じて可動であることを特徴とする、機器(1)。
【請求項2】
前記連結要素(25a)は、空気吸引/圧力手段に動作可能に関連付けられ、前記プリフォーム(50)を保持するように前記プリフォーム開口(52)と気密連結するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の機器(1)。
【請求項3】
前記把持体(25)は、それが略垂直の運動方向に沿って前記第2のアーム(24b)によって摺動可能であるように支持されることを特徴とする、請求項1に記載の機器(1)。
【請求項4】
前記把持体は、実質的に前記プリフォーム開口(52)からの係合解除のステップで、前記運動軌跡(301)に沿って動くように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の機器(1)。
【請求項5】
前記連結要素(25a)は、前記プリフォーム(50)を保持するように実質的に前記プリフォーム開口(52)で前記プリフォーム(50)の内面に当たって係合するために、命令に応じて径方向に膨張可能な要素を含むことを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の機器(1)。
【請求項6】
支持構造によって支持され、前記移送カルーセルの前記軸(101)を中心とするその回転中に前記旋回軸(102)を中心とする前記第1のアーム(24a)の角度位置を制御するために前記第1のアーム(24a)に関連付けられた少なくとも1つの第1の係合要素(31)によって係合され得る、第1のカムを含むことを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の機器(1)。
【請求項7】
前記第1のアーム(24a)は、前記旋回軸(102)を中心として回転するために前記移送カルーセル(23)に枢着され、カム従動子が設けられた、支持ロッカーを含み、前記カム従動子は前記第1の係合要素(31)を規定し、前記旋回軸(102)を中心とする前記支持ロッカーの角度位置を制御するように適合された前記第1のカムと接触するように設計されていることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の機器(1)。
【請求項8】
前記把持体(25)は、それが、略水平でありかつ前記前進/後退方向(200)に略垂直である傾斜軸(103)を中心として命令に応じて回転するために前記第2のアーム(24b)によって回転可能であるように支持されることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の機器(1)。
【請求項9】
前記支持構造によって支持され、前記移送カルーセルの前記軸(101)を中心とするその回転中に前記前進/後退方向(200)に沿った前記第1のアーム(24a)に対する前記第2のアーム(24b)の長手方向位置を制御するために前記第2のアーム(24b)に関連付けられた少なくとも1つの第2の係合要素(32)によって係合され得る、第2のカムを含むことを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の機器(1)。
【請求項10】
前記支持構造によって支持され、前記移送カルーセルの前記軸(101)を中心とするその回転中に前記傾斜軸(103)を中心とする前記第2のアーム(24b)に対する前記把持体(25)の角度位置を制御するために前記把持体(25)に関連付けられた少なくとも1つの第3の係合要素(33)によって係合され得る、第3のカムを含むことを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の機器(1)。
【請求項11】
前記把持体(25)は、前記金型(13)からの前記連結要素(25a)の係合解除を容易にするように、前記それぞれの形成キャビティでの前記プリフォーム(50)の解放後に前記運動軌跡(300)に沿って動くように設計されていることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の機器(1)。
【請求項12】
前記給送ライン(21)は、前記プリフォーム(50)のための調整炉(21a)の下流に配置されることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の機器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器をブロー成形するための機器に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばボトルなどの容器を得るようにプリフォームをブロー成形するための機器を含む、プラスチック容器をブロー成形するためのシステムが知られている。
【0003】
プリフォームは、プリフォームのための熱調整炉に関連付けられたコンベヤを介して、プリフォームをブロー成形するための機器へ給送される。
【0004】
コンベヤは通常、プリフォームを移送するための装置に関連付けられており、それはたとえば、プリフォームをブロー成形のための機器へ移送するためにコンベヤからプリフォームをピックアップする取扱い装置によって構成される。
【0005】
プラスチック容器をブロー成形するための機器は、この同じ出願人の名前でのWO2010/013206から公知であり、それは、ボトルをブロー成形するためのブロー成形機と、ブロー成形機へのプリフォームの給送ラインと、ブロー成形機からボトルを荷降ろしするためのラインとを含む。
【0006】
ブロー成形機はブロー成形カルーセルを含み、それは、垂直軸を中心として回転可能であり、第1および第2の移送ステーションで、プリフォームの給送ラインとボトルを荷降ろしするためのラインとに動作可能に接続される。
【0007】
カルーセルはその周辺縁で、カルーセルの軸を中心として、定められた間隔で均一に分布された複数の形成ユニットを支持する。
【0008】
各形成ユニットは、2つの金型部分によって形成された金型を含み、それらの各々は、開放位置と、それが2つの形成キャビティを規定する閉鎖位置との間で、カルーセルの軸に平行な旋回軸を中心として作動装置の推力下で回転するために、カルーセルに枢着される。
【0009】
2つの金型部分は、形成ユニットの経路に対して略接線方向にあるかまたは略垂直である閉鎖面で閉鎖されるように配向される。
【0010】
形成ユニットへのプリフォームの給送は、移送カルーセルを使用して実行される。移送カルーセルは、ブロー成形カルーセルの軸と平行な軸を中心として回転可能であり、その周辺縁に沿って、径方向に突出する複数の把持ユニットを有する。
【0011】
各把持ユニットは、略垂直な旋回軸を中心として回転するために移送カルーセル23に枢着され、その第1のアームでカム従動子を有する、支持ロッカーを含む。カム従動子は、旋回軸を中心とするロッカーの角度位置を制御するように適合されたカムと接触するように設計されている。
【0012】
ロッカーは細長い第2のアームを有し、第2のアームは、それがスライダーによって摺動可能であるように係合され、スライダーには次にカム従動子が設けられ、カム従動子は、アームに沿ったスライダーの位置を制御するように適合されたカムに接触しており、それは、アームの外側に突出するその自由端で把持アセンブリを支持する。把持アセンブリは、スライダーに対して、および、機械的なまたはモータ駆動の作動装置の推力下で、垂直の支点軸を中心として回転するために、スライダーに枢着されたロッカー体を含む。
【0013】
上述の解決策は、形成ユニットが主カルーセルに対して接線方向にあるかまたは垂直である閉鎖面を有する2つの金型部分の各々を規定していても、プリフォームを形成ユニットへ給送することを可能にするものの、いくつかの欠点を有する。
【0014】
第1に、高い自由度で把持要素を動かすための運動学的機構には何らかの複雑性があり、それは好適に管理される必要がある。
【0015】
さらに、把持ユニットは、プリフォームのネックの外面を取り囲むように構成される。これは、プリフォームが特に大きい直径を有する場合、または、プリフォームが特に目立たないネックを有する場合に、いくつかの困難を決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目標は、上述の局面のうちの1つ以上において公知の技術を向上させることができる、容器をブロー成形するための機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目標内で、この発明の目的は、プリフォームが規格外の形状構造を有していても、プリフォームを金型へ給送するためにプリフォームを効率的にかつ確実にピックアップすることを可能にする、容器をブロー成形するための機器を利用可能にすることである。
【0018】
この発明の別の目的は、信頼性が高く、実現が容易で低コストである、容器をブロー成形するための機器を提供することである。
【0019】
以下により良好に明らかとなるであろう、この目標とこれらのおよび他の目的とは、オプションで従属請求項の特徴のうちの1つ以上が提供される、請求項1に記載の容器をブロー成形するための機器によって達成される。
【0020】
この発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例のために添付図面に示された、この発明に従った容器をブロー成形するための機器のいくつかの好ましいものの排他的ではない実施形態の説明から、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明に従ったブロー成形機器の、上からの平面図である。
図2】把持体がプリフォームを形成キャビティへ解放するための位置にある、解放領域での図1のブロー成形機器の側面図である。
図3】把持体がプリフォーム解放後の位置にある、図2と似た図である。
図4】プリフォームに関連付けられた把持要素の斜視図である。
図5図4の把持要素の断面図である。
図6】プリフォームからの係合解除の状態にある把持体の実施形態の変形例の断面図である。
図7】把持体がプリフォームとの係合の状態にある、前の図と似た図である。
図8】プリフォームとの係合の状態にある把持体の実施形態の追加の変形例の、図5と似た図である。
図9】プリフォームからの係合解除の状態にある把持体の、図7の実施形態の変形例の断面図である。
図10】把持要素がそれぞれのプリフォームを支持して保持する、把持体の第1の実施形態の断面図である。
図11図10と似ているものの、プリフォームが把持要素から切り離されている図である。
図12図10の断面図の一部の拡大図である。
図13】この発明に従った把持体の第2の実施形態の正面図である。
図14図13の線XIV-XIVによって識別された配置面に沿って得られた、把持体の断面図である。
図15図13の線XV-XVによって識別された配置面に沿って得られた、把持装置の断面図である。
図16図15の線XVI-XVIによって識別された配置面に沿って得られた、把持装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照して、概して参照番号1で示された、この発明に従ったシステムは、主回転軸100を中心として回転可能であり、第1の移送ステーション20でプリフォーム50の給送ライン21に動作可能に接続されたブロー成形カルーセル10を含む、プラスチック容器をブロー成形するための機器を含む。
【0023】
プリフォーム50は、プリフォーム本体51とプリフォーム開口52とを含むタイプのものである。
【0024】
ブロー成形カルーセル10は、その周辺領域11で、主回転軸100の周りに配置された複数の形成ユニット12を支持する。
【0025】
各形成ユニット12は、プリフォーム50を給送するための開放位置と、それが少なくとも1つの形成キャビティを規定する閉鎖位置との間を通るために、互いに対して可動である2つの金型部分13a、13bによって形成された金型13を含む。
【0026】
第1の移送ステーション20は移送カルーセル23を含み、それは、主回転軸100と平行な移送カルーセルの軸101を中心として回転可能である。第1の移送ステーション20は、少なくとも1つのそれぞれの把持体25に関連付けられた複数の把持要素24を支持する。少なくとも1つのそれぞれの把持体25は、少なくとも1つのそれぞれのプリフォーム50をそれぞれの形成キャビティに給送するために、給送ライン21から当該プリフォーム50をピックアップするように設計されている。
【0027】
把持要素24は第1のアーム24aを含み、第1のアーム24aは、それが略垂直の旋回軸102を中心として命令に応じて回転するために移送カルーセル23によって回転可能であるように支持される。把持要素24はさらに、第2のアーム24bを含み、第2のアーム24bは、長手方向に延在し、それ自体の延在方向と略平行である前進/後退方向200に沿って第1のアーム24aに対して命令に応じて摺動可能である。
【0028】
本発明によれば、把持体25は、実質的にプリフォーム開口領域52によってプリフォーム50を安定して保持するように構成された連結要素25aを含む。
【0029】
連結要素25aは、垂直方向と平行な少なくとも1つの成分を有する運動軌跡301に沿って第2のアーム24bに対して命令に応じて可動である。
【0030】
特に、連結要素25aは、実質的にプリフォーム開口52からの係合解除のステップで、運動軌跡301に沿って可動である。
【0031】
起こり得る実用的な実施形態によれば、把持体25は、それが、実質的にプリフォーム開口52からの係合解除のステップで、略水平でありかつ前進/後退方向200に略垂直である傾斜軸103を中心として命令に応じて回転するために第2のアーム24bによって回転可能であるように支持される。
【0032】
傾斜軸103を中心とする把持体25の角運動は、この場合、運動軌跡301に沿った連結要素25aの動きを決定する。
【0033】
特に、図3および図4に示されるように、把持体25は、連結要素25aの軸(連結要素25aに関連付けられたプリフォーム50の軸と一致)が略垂直に配置されている搬送および解放位置から、把持体の軸が垂線に対して傾いている係合解除位置へ、傾斜軸103を中心として回転するように作られる。この遷移は、連結要素25aがそれぞれのプリフォーム50をそれぞれの形成キャビティに解放するや否や完了する。
【0034】
別の起こり得る、およびいくつかの用途では好ましい実施形態(図5~7に示される)によれば、把持体25は、運動軌跡301に沿ったその変位を可能にするように、それが第2のアーム24bによって略垂直の運動方向に沿って摺動可能であるように支持される。
【0035】
搬送および解放位置から係合解除位置への遷移中、連結要素25aはさらに、可動の金型部分13a、13bへのいかなる干渉も防ぐように、それが搬送および解放位置にある場合のレベルよりも高いレベルにされる。
【0036】
図4の斜視図に示されるように)有利には、連結要素25aは、空気吸引手段70に動作可能に関連付けられ、プリフォーム50を保持するようにプリフォーム開口52と気密連結するように構成される。
【0037】
具体的には、空気吸引手段70は、連結要素25aで規定された吸引取入口73へと導く吸引導管72を含む。
【0038】
吸引導管72に沿って、流量調節弁が配置される。
図5に示される実施形態を参照して、プリフォーム50の内部で部分真空が生成される。代わりに、図6および図7に示されるものを参照して、連結要素25aは、プリフォーム50を保持するように実質的にプリフォーム開口52でプリフォーム50の内面に当たって係合するために、命令に応じて径方向に膨張可能な要素を含む。
【0039】
特に、径方向に膨張可能な要素はたとえば、命令に応じて収縮状態(図6に示される)から膨張位置(図7に示される)へ遷移するように適合された保有セクタ61を含む。
【0040】
好ましくは、収縮状態から膨張状態への保有セクタ61の命令に応じた動きは、たとえばOリング62を含む弾性手段に当たって生じる。
【0041】
収縮状態から膨張状態への遷移は、作動要素63の動きを介して生じ得る。作動要素63は、保有セクタ61上で規定された相補形状面61aと係合する錐台形状部分63aを有し、作動要素63の軸方向における変位が、保有セクタ61の径方向(図7の矢印300によって示される)における変位を決定するようになっている。
【0042】
作動要素63の変位は、空気圧弁64によって、ばね65の作用とは対照的に制御され得る。
【0043】
連結要素25aと把持体25との間で作用する相互接続ばね66もあってもよい。
図8および図9に示される実施形態を参照して、連結装置25aは、プリフォーム50によって規定された連結部分25aと平行に方向付けられた空気ブレード90を提供するように適合された手段によってプリフォーム50を保持するように構成されることが可能である。
【0044】
具体的には、空気ブレード90を提供するように適合された手段は、出口へと外向きに導く環状形状の間隙を規定するように互いに間隔をあけた2つの板状要素91および92を含む。出口は、連結部分25aの近傍に、有利には上方に配置されており、間隙に接続された供給チャネルによって供給された空気流が、連結部分25aに当たるであろう空気ブレードを生成することができ、その結果、実質的にベルヌーイ効果に起因して、プリフォーム50自体と連結要素25aとが実際に接触することなくプリフォーム50が保持されることを保証することができるようになっている。
【0045】
より詳細には、機器1は、支持構造によって支持され、移送カルーセルの軸101を中心とするその回転中に旋回軸102を中心とする第1のアーム24aの角度位置を制御するために第1のアーム24aに関連付けられた少なくとも1つの第1の係合要素31によって係合され得る、第1のカム(図示せず)を含む。
【0046】
例として、第1のアーム24aは、旋回軸102を中心として回転するために移送カルーセル23に枢着され、カム従動子が設けられた、支持ロッカーを含む。カム従動子は第1の係合要素31を規定し、旋回軸102を中心とする支持ロッカーの角度位置を制御するように適合された第1のカムと接触するように設計されている。
【0047】
機器1は、支持構造によって支持され、移送カルーセルの軸101を中心とするその回転中に前進/後退方向200に沿った第1のアーム24aに対する第2のアーム24bの長手方向位置を制御するために第2のアーム24bに関連付けられた少なくとも1つの第2の係合要素32によって係合され得る、第2のカムを含む。
【0048】
例として、第1のアーム24aは、第2のアーム24bと一体化したそれぞれのスライダー部分によって摺動可能に係合され得る、前進/後退方向200と平行な方向に沿って延在する揺りかご形状部分を規定する。
【0049】
機器1は、支持構造によって支持され、移送カルーセルの軸101を中心とするその回転中に傾斜軸103を中心とする第2のアーム24bに対する把持体25の角度位置を制御するために把持体25に関連付けられた少なくとも1つの第3の係合要素33によって係合され得る、第3のカムを含む。
【0050】
把持体25が、運動軌跡302に沿ったその変位を可能にするように、それが略垂直の運動方向に沿って第2のアーム24bによって摺動可能であるように支持される、図8および図9に示される実施形態などの実施形態では、第3のカムは明らかに想定されていない。
【0051】
すでに述べたように、把持体25は、図5~7に示される把持体のための金型13からの連結要素25aの係合解除を容易にするように、それぞれの形成キャビティでのプリフォーム50の解放後に傾斜軸103を中心として回転するように設計されている。
【0052】
傾斜軸103を中心とする把持体の傾斜中に第3の係合要素33がその略垂直の軸を維持することを可能にするために、第2のアーム24bと把持体25との間に配置された運動学的相互接続要素40が都合よく存在する。
【0053】
運動学的相互接続要素40は結合装置41を含み、それは、第3の係合要素33を支持し、結合部42の動きを作動させるために旋回軸103aを中心として要素24aによって支持される。結合部42は端部で2つの接合部41aおよび43を有し、それらは結合装置42および把持体25にそれぞれ接続される。
【0054】
給送ライン21は、プリフォーム50のための調整炉21aの下流に配置される。
この発明に従った、容器をブロー成形するための機器1の動作は、以下の通りである。
【0055】
調整炉21aから出たプリフォーム50は、給送ライン21へ運ばれる。
移送ステーション20で、プリフォーム50は、空気吸引/圧力手段の作用によって、または径方向に膨張可能な要素を介して、それぞれのプリフォーム50とプリフォーム開口52で係合する連結要素25aの作用によってピックアップされる。
【0056】
給送ライン21によってピックアップされたプリフォーム50は次に、移送カルーセル23の回転中に金型13へ移送される。この移送中、第1のアーム23は、旋回軸102を中心として回転し、第2のアーム24は、前進/後退方向200に沿って第1のアーム24aに対して摺動する。
【0057】
プリフォーム50がそれぞれの形成キャビティへいったん解放されると、把持体25は、金型13からの係合解除を容易にするように、傾斜軸103を中心として回転するように作られる。
【0058】
図10~16は、図8および図9に示される連結装置25の起こり得る実用的な実施形態をより詳細に示す。
【0059】
特に、連結装置25は、図10~16に概して参照番号1’で示された、プリフォーム50’の支持および移動のための把持装置を含む。プリフォーム50’は長手方向軸100’に沿って延在しており、長手方向軸100’に略垂直な配置面上に位置する環状の径方向張出し部(flaring)52’を縁51a’で規定するアクセスポート51’を有するタイプのものである。
【0060】
本発明によれば、把持装置1’は、空気供給導管3’に動作可能に関連付けられ、少なくとも1つの空気流出ノズル5’に接続された支持要素2を含む。
【0061】
少なくとも1つのノズル5’は特に、空気の少なくとも1つのそれぞれの流れを生成するように適合されており、当該流れは、保持されるべきプリフォーム50’が接触なしで支持されることを可能にするために、それ自体を、プリフォーム50’の径方向張出し部52’の少なくとも一部分と平行に配置するように設計されている。
【0062】
実際には、支持要素2’は、保持されるべきプリフォーム50’の径方向張出し部52’に向かって少なくとも部分的に面するように設計された、環状の「ベルヌーイ」吸盤を提供するように構成される。
【0063】
有利には、支持要素2’は、支持されるべきプリフォーム50’のアクセス開口51’で係合するように設計された心出し体(centering body)2a’を含む。
【0064】
好都合なことに、支持要素2’は、使用中にプリフォーム50’の内部に導く空気送出導管4’に接続された送出ポート6’を含む。
【0065】
供給導管3’、および送出導管4’(存在する場合)は、圧縮空気または圧力下の空気を供給するための手段(図面に図示せず)に接続される。
【0066】
送出ポート6’には、必要であれば支持要素2’からのプリフォーム50’の係合解除を容易にするように適合された空気の流れが、命令に応じて当たる。
【0067】
把持装置1’は、支持要素2’がプリフォーム50’を保持することを可能にするように、供給導管3’を通る空気の通過を強制するように構成された作動手段を含む。
【0068】
支持要素2’からプリフォーム50’を解放することが必要である場合、これらの作動手段は、送出導管4’を通る空気の通過も強制するように構成され得る。
【0069】
好都合なことに、支持要素2’は、プリフォーム50’の径方向張出し部52’に向かって上向きに面するように設計された、好ましくは平らで、好ましくは環状拡張部を有する表面20’を規定する。
【0070】
この具体的な場合、ノズル5’(または各ノズル5’)は、支持要素2’がプリフォーム50’を保持することを可能にするような部分真空を作り出すように、それぞれの空気流を、表面20’に当たるように運ぶように適合される。
【0071】
具体的には、部分真空は実質的に、プリフォームの径方向張出し部52’に対向して配置された環状部分20’でのみ生成される。
【0072】
図10~12に示される実施形態を参照して、支持要素2’は、互いに面して配置され、それぞれの互いに面する面の間に、少なくとも1つのノズル5’から出るように設計された空気の流れが通過し得る間隙を規定する2つの板状要素11’、12’を含む。
【0073】
この場合、ノズル5’は、外側に向けて方向付けられた間隙の出口を含む。
そのような実施形態を参照して、上方に配置された板状要素11’は、径方向張出し部52’に向かって面するように設計された表面20’を規定するように、下方に配置された板状要素12’よりも大きい径方向拡張部を有する。
【0074】
これに代えて、図13~16に示されるように、把持装置1’は、中央の中空体30’によって構成された供給導管3’を含み、中空体30’は、使用中、プリフォーム50’の軸100’と同軸であり、表面20’に当たるために外向きに導くそれぞれのノズル5’へ、複数の径方向導管31’を介して接続される。
【0075】
概念的に類似しているものの、より少ない保持力を提供する、そのような解決策は、その動作に必要な空気の量をかなり減少させる。
【0076】
そのため、短い保持時間で迅速な変位が必要とされる給送または荷降ろしのための星形コンベヤで、図10~12に示される構成と似た構成を有する把持装置1’を使用することが可能であり、また、プリフォーム50’が、たとえばブロー成形ステーションの上流に配置された調整炉を通過している間などといった、比較的長時間保持されるべきである場合、図13~16に示される構成と似た構成を有する把持装置が使用され得る。
【0077】
さらなる局面によれば、本発明は、命令に応じて可動であり、先行する請求項の1項以上に記載の把持装置1’に関連付けられた支持体を含む、容器の生成のためのプラスチックのプリフォーム50’を取扱うための機器に関する。
【0078】
そのような支持体は、上で説明されたように、プリフォームを給送または荷降ろしするための星形コンベヤまたはマニピュレータに統合可能であり、もしくは、それらは、調整炉を通過するためのコンベヤ要素、たとえばカテナリに関連付けられ得る。
【0079】
この発明に従った把持装置1’の動作は、前述の説明から明らかである。
特に、図10に示されるものを参照して、たとえば圧縮機によって生成された圧力下の空気が、この発明に従った支持装置2’の供給導管3’へ送られ、その下に、保持されるべきプリフォーム50’が配置され、オプションで動かされる。
【0080】
供給導管を通過する空気流(矢印200’で示す)は、真下で表面20’に当たる空気ブレードを生成するように、2つの板状要素11’および12’間の間隙を通って(軸100’を中心として延在する)ノズル5’へ送られ、このため、たとえ接触がなくてもプリフォーム50’を支持要素2’から「懸架された」まま保ちがちな部分真空を作り出す。
【0081】
支持要素2’からプリフォームを係合解除することが必要である場合、支持要素2’からのプリフォーム40’の係合解除を容易にするように、(矢印201’によって示されるような)空気を送出導管4へ、ひいては送出ポート6’へ供給することが可能である。
【0082】
実際には、この発明は、異なる直径および形状のプリフォームを給送することを可能にする、容器をブロー成形するための機器を提供することによって、意図された目標および目的を十分に達成するということが分かっている。なぜなら、それは、プリフォームの外面と係合する必要がないためである。
【0083】
このように考案されたこの発明は、多くの変更および変形が可能であり、それらはすべて、添付された請求項の範囲内にある。また、詳細はすべて、技術的に同等の他の要素によって置き換えられてもよい。
【0084】
実際には、採用される材料は、それらが特定用途ならびに起こり得る寸法および形状と互換性があるならば、要件および技術水準に従ったいかなるものであってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
【外国語明細書】