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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082683
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】高速アクティブコンタクト
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20230607BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20230607BHJP
   G02B 6/36 20060101ALI20230607BHJP
   H01R 12/79 20110101ALI20230607BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/26
G02B6/36
H01R12/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022189889
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】17/540692
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン マイケル グラブ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー バートン パイパー
(72)【発明者】
【氏名】セーレン グレナスリウ
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
5E223
【Fターム(参考)】
2H036QA03
2H036QA11
2H036QA43
2H036QA44
2H036QA54
2H137AB01
2H137AB04
2H137AC12
2H137BA01
2H137CA15A
2H137CA35
2H137CA45
2H137CC26
2H137CD27
5E223AA01
5E223AB15
5E223AB34
5E223BA01
5E223BA07
5E223BA08
5E223BB12
5E223CB24
5E223CD01
5E223CD02
5E223DA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より簡易で、より堅牢なパッケージを提供することができるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタは、空洞部を画定するハウジングとコンタクトとを有し、コンタクトは、(a)コンタクトハウジングが空洞部内で横方向に移動可能であるようにコネクタの空洞部よりも幅が小さいコンタクトハウジング;(b)相手側コネクタコンタクトのフェルールを受け入れるための光インターフェース;(c)光インターフェースに光学的に接続されている光電気回路であって、光インターフェースおよび光電気回路は、コンタクトハウジング内で互いに対して堅固に保持されている、光電気回路、および;(d)光電気回路に電気的に接続され、回路基板に電気的に接続するように構成されている電気インターフェースであって、光電気回路と回路基板との間のコンプライアンスを提供するための少なくとも可撓性ケーブルとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ(200)であって、
前記コネクタ(200)は、
- 少なくとも1つの空洞部(220)を画定するハウジング(222)と、
- 前記少なくとも1つの空洞部(220)内に位置し、かつ前後の向きを有するコンタクト(100)と、を有し、

前記コンタクト(100)は、少なくとも、
●前記少なくとも1つの空洞部(220)よりも幅が小さいコンタクトハウジング(101)であって、相手側コネクタコンタクト(221)の横方向オフセットを吸収するように前記コンタクトハウジング(101)が前記空洞部(220)内で横方向に移動可能であるように前記少なくとも1つの空洞部(220)内に弾性的に配されている、コンタクトハウジング(101)と、
●前記相手側コネクタコンタクト(221)のフェルール(230)を受け入れるための光インターフェース(102)と、
●前記光インターフェース(102)に光学的に接続されている光電気回路(104)であって、前記光インターフェース(102)および前記光電気回路(104)は、前記コンタクトハウジング(101)内で互いに対して堅固に保持されている、光電気回路(104)と、
●前記光電気回路(104)に電気的に接続され、回路基板(224)に電気的に接続するように構成されている電気インターフェース(103)であって、前記光電気回路(104)と前記回路基板(224)との間のコンプライアンスを提供するための少なくとも可撓性ケーブル(103a)を備える、電気インターフェース(103)と、
を備える、
コネクタ(200)。
【請求項2】
前記光インターフェース部分および前記光電気コンポーネントは、前記コンタクトハウジングに堅固に取り付けられている、
請求項1に記載のコネクタ(200)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコンタクトは、前記少なくとも1つの空洞部内で軸方向に移動可能でない、
請求項1に記載のコネクタ(200)。
【請求項4】
前記可撓性ケーブルは、電気コネクタに接続されている、
請求項1に記載のコネクタ(200)。
【請求項5】
前記電気コネクタは、前記電気コネクタが前記コンタクトハウジングに対して横方向に移動可能であるように前記コンタクトハウジングの後部に弾性的に配されている、
請求項4に記載のコネクタ(200)。
【請求項6】
前記電気コネクタは、ピンコネクタである、
請求項5に記載のコネクタ(200)。
【請求項7】
回路基板をさらに備え、前記可撓性ケーブルは、前記回路基板に電気的に接続されている、
請求項1に記載のコネクタ(200)。
【請求項8】
前記回路基板は、少なくとも1つの開口部ならびに第1の面および第2の面を画定し、
前記ハウジングは、前記第1の面に装着され、
前記可撓性ケーブルは、前記第2の面において前記回路基板に電気的に接続され、かつ、前記可撓性ケーブルは、前記少なくとも1つの開口部を通過する、
請求項7に記載のコネクタ(200)。
【請求項9】
前記開口部の周囲に配されているグロメットをさらに備える、
請求項8に記載のコネクタ(200)。
【請求項10】
前記可撓性ケーブルは、約90°屈曲し、前記コンタクトの移動を吸収するためのサービス屈曲部を形成する、
請求項8に記載のコネクタ(200)。
【請求項11】
前記可撓性ケーブルは、前記回路基板にホットバーはんだ付けされている、請求項8に記載のコネクタ(200)。
【請求項12】
前記可撓性ケーブルは、ケーブルコネクタにより成端されている、
請求項8に記載のコネクタ(200)。
【請求項13】
前記ケーブルコネクタは、ZIFコネクタである、
請求項12に記載のコネクタ(200)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの開口部は、各コンタクトの各可撓性ケーブルが通過する共通の開口部である、
請求項8に記載のコネクタ(200)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの開口部は、複数の開口部を備え、
各コンタクトの各可撓性ケーブルは、前記複数の開口部のうちの1つを通過する、
請求項8に記載のコネクタ(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して光ファイバコネクタの分野に関し、より詳細には、相手側コネクタコンタクトを収容するためのコンプライアンス(compliance、仕様、適合性、遊び)を有する高速アクティブコンタクトに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバコネクタは、実質的に全ての光ファイバ通信システムの重要部品である。例えば、そのようなコネクタは、ファイバの分割部分をより長い長さに接合し、放射線源、検出器、およびリピータなどのアクティブデバイスにファイバを接続するとともに、スイッチ、マルチプレクサ、およびアッテネータ(attenuators)などのパッシブデバイス(passive devices)にファイバを接続するために用いられる。光ファイバコネクタの主要機能は、ファイバのコアが相手側構造体の光学経路と軸方向に位置合わせされるように、ファイバ端部を保持することである。これにより、ファイバからの光が光学経路に光学的に結合される。
【0003】
本明細書において特に関心の対象となるのは、多空洞コネクタ(multi-cavity connector)である。そのようなコネクタは典型的に、内部アセンブリ、すなわち「コンタクト」を保持するための複数の空洞部を画定する外側ハウジングを備える。長年にわたり、多空洞コネクタは、典型的にはねじ接続部を介して相手側コネクタの外側ハウジングと嵌合するように構成される外側ハウジングを備える高耐久化コネクタシステムへと発達してきた。とりわけ例えばMIL-DTL-38999、MIL-PRF-29504、およびMIL-DTL-5015を含む多数の米軍規格が、そのような多空洞コネクタおよび光ファイバ端子について記載している。
【0004】
近来、多空洞コネクタにおける1つまたは複数のコンタクトが、アクティブコンタクトとなっている。アクティブコンタクトは、アクティブ光ファイバ製品および送受信機の産業における周知の構成要素であり、光学信号と電気信号との間の変換を行うように機能する。典型的なアクティブコンタクトは、相手側光コネクタを受け入れるための光ファイバ端子を一端部に有し、プリント回路基板への電気的接続のための電気コネクタを反対側の端部に有する。光端子と電気コネクタとの間には、光信号と電気信号との間の変換を行う電気光変換回路が配される。
この回路は、本明細書において光電気回路と称される。特に一般的なアクティブコンタクトとして、航空宇宙空間および高信頼かつ堅牢なコネクタが必要とされる他の分野で用いられる6導体アクティブコンタクトである、サイズ8(同じ空洞部に収まる銅クアドラックスコンタクトに因みクアドラックスとも呼ばれる)アクティブコンタクトがある。
【0005】
そのようなアクティブコンタクトが直面する1つの課題として、嵌合中におけるコンタクトの光端子と相手側コネクタコンタクトのファイバフェルールとの間の位置ずれを吸収する必要がある。より具体的には、光端子と相手側コネクタコンタクトとの間の光学的結合は典型的に、高精度、すなわち数ミクロン以内の精度での精密な位置合わせを必要とする。しかしながら、嵌合中における相手側コネクタコンタクトとコンタクトの光端子との間には著しい位置ずれが存在することが多い。
これを吸収するために、従来のコンタクトは、光端子が嵌合プロセス中に相手側コネクタコンタクトの位置ずれを吸収するように移動することを可能とする一定程度の径方向および軸方向の浮き(radial and axial float)を有する。
【0006】
従来のアクティブコンタクトはそのような径方向および軸方向のコンプライアンス(公差、許容差)を提供するように構成されていたが、出願人は、そのような構成には著しい欠点があることを認識している。例えば、米国特許第10,782,494号に開示されている構成は、コンタクト内部の複雑な可動部品を用いて径方向および軸方向のコンプライアンス(公差、許容差)を提供する。具体的には、これらの特許は、光電気回路が様々なコンポーネントに分割される構成を開示しており、それらコンポーネントの一部は、光電気コンポーネント間の可撓性電気ケーブルによってコンタクト内で実質的に浮いている(essentially float)。
【0007】
この構成は、嵌合中に径方向および軸方向の両方のコンプライアンス(公差、許容差)を提供するが、出願人は、コンタクト内で浮いている光電気回路コンポーネントが過度に複雑であるのみでなく、特に高振動の適用例において損傷を受けやすくもあることを認識している。したがって、出願人は、嵌合のためのコンプライアンス(公差、許容差)を提供しつつも、簡略化されより堅牢なアクティブコンタクトの必要性を見出した。本発明は、特にこの必要性を満たすものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
出願人は、コンタクトの信頼性および堅牢性を向上させるためにコンタクトのコンプライアンスを簡略化することができることを認識している。具体的には、出願人は、大多数の適用例において、相手側コネクタコンタクトとアクティブコンタクトとの間の軸方向コンプライアンスを相手側コネクタコンタクトにより吸収することができ、それによりコネクタのアクティブコンタクトをz軸に沿って固定することが可能となることを認識している。具体的には、相手側コネクタコンタクトの付勢フェルールまたは類似の構成は、相手側コネクタコンタクトとアクティブコンタクトとの間の必要な軸方向コンプライアンスを吸収し、それにより、物理的接触を維持するまたは他の方法でz軸に沿った相手側コネクタコンタクトの位置合わせを維持するのに必要な付勢力を提供することができる。加えて、出願人は、光端子と光電気回路の位置を堅固に固定することにより、コンタクトの堅牢性および簡略性を向上させることができることを認識している。
換言すれば、出願人のアプローチは、光電気回路を光端子に対して移動させるのではなく、これら2つを互いに対して固定し、その代わりに可撓性の電気インターフェースを設けるものである。このアプローチはより簡易であるのみでなく、より堅牢なパッケージを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の一実施形態は、(a)少なくとも1つの空洞部を画定するハウジングと、(b)少なくとも1つの空洞部内に位置し、前後の向きを有するコンタクトと、を備えるコネクタである。このコンタクトは、少なくとも以下の(i)~(iv)を備える。
(i)コンタクトハウジングであって、少なくとも1つの空洞部よりも幅が小さく、相手側コネクタコンタクトの横方向オフセットを吸収するようにコンタクトハウジングが空洞部内で横方向に移動可能であるように少なくとも1つの空洞部内に弾性的に配されているコンタクトハウジング、
(ii)相手側コネクタコンタクトのフェルールを受け入れるための光インターフェース、
(iii)光インターフェースに光学的に接続されている光電気回路であって、光インターフェースおよび光電気回路は、コンタクトハウジング内で互いに対して堅固に保持されている、光電気回路、および、
(iv)光電気回路に電気的に接続され、回路基板に電気的に接続するように構成されている電気インターフェースであって、光電気回路と回路基板との間のコンプライアンスを提供するための少なくとも可撓性ケーブルを備える電気インターフェース。
【0010】
本発明の別の実施形態は、少なくとも1つの空洞部を画定するハウジングを有するコネクタと共に用いるためのコンタクトである。このコンタクトは、前後の向きを有し、以下の(a)~(d)を備えるコンタクトである。
(a)コンタクトハウジングであって、相手側コネクタコンタクトの横方向オフセットを吸収するようにコンタクトハウジングが空洞部内で横方向に移動可能であるように少なくとも1つの空洞部よりも幅が小さいコンタクトハウジング、
(b)相手側コネクタコンタクトのフェルールを受け入れるための光インターフェース、
(c)光インターフェースに光学的に接続されている光電気回路であって、光インターフェースおよび光電気回路は、コンタクトハウジング内で互いに対して堅固に保持されている、光電気回路、および、
(d)光電気回路に電気的に接続され、回路基板に電気的に接続するように構成されている電気インターフェースであって、光電気回路と回路基板との間のコンプライアンスを提供するための少なくとも可撓性ケーブルを備える電気インターフェース。
【0011】
ここで、添付の図面を参照して、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のコンタクトの一実施形態の断面斜視図である。
図2図1のコンタクトにより占有される複数の空洞部を有する本発明のコネクタの一実施形態の断面図である。
図3図2に示すコネクタの断面斜視図である。
図4】本発明のコネクタの代替的構成の斜視図である。
図5A】本発明のコンタクトの代替的実施形態の断面図である。
図5B図5Aの実施形態の電気インターフェースの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図3を参照すると、本発明のコネクタ200の一実施形態が示されている。コネクタ200は、1つまたは複数の空洞部220を画定するハウジング222を備える。空洞部220のうちの1つには、前後の向きを有するコンタクト100が配される。コンタクト100は、コンタクトハウジング101を備える。コンタクトハウジングは、空洞部よりも幅が小さく、コンタクトハウジングが相手側コネクタコンタクト221の横方向オフセットを吸収するように空洞部内で横方向に移動可能であるように、空洞部内に弾性的に配される。
コンタクト100は、相手側コネクタコンタクト221のフェルール230を受け入れるための光インターフェース102を備える。コンタクト100はまた、光インターフェースに光学的に接続された光電気回路104を備え、光インターフェースおよび光電気回路は、コンタクトハウジング内で互いに対して堅固に保持される。コンタクトはまた、光電気回路104に電気的に接続され、回路基板224に電気的に接続するように構成された電気インターフェース103を備える。電気インターフェース103は、光電気回路と回路基板との間のコンプライアンスを提供するための少なくとも可撓性ケーブル103aを備える。これらの特徴について、以下でより詳細に、選択された代替的実施形態に関して検討する。
【0014】
ハウジング222は、1つまたは複数のコンタクトを回路基板224に対して保持するための1つまたは複数の空洞部を画定するように機能する。例えば、一実施形態において、ハウジング222は、4つのコンタクトを保持するための4つの別個の空洞部220を画定する。そのようなハウジングは、従来技術において知られており、そのため本明細書では詳細に説明しない。一実施形態において、ハウジング222のソケット部分222aが、留め具または他の既知の手段を介して回路基板に固定される。ソケット部分222aは、コンタクトを含む。相手側コネクタコンタクトを収容するプラグ部分222bは、ソケット部分222aに差し込まれるように構成される。必ずではないが一般的に、プラグ部分は、ねじ機構231を用いて第2の部分に固定される。
【0015】
空洞部内でのコンタクトの径方向の移動を可能とするために、ハウジングにより画定される空洞部220は、コンタクトハウジングよりも大きい周囲を有する。より具体的には、一実施形態において、コンタクトが空洞部内の中心に配置される場合、コンタクトが横方向に移動する自由を可能とする間隙232がコンタクトの周囲にできる。一実施形態において、コンタクトを空洞部の中心に付勢された状態に保つために、ばね部材223が空洞部220に配され、コンタクトを空洞部内の中心に配置するためにコンタクトをその周囲において押すように構成される。本実施形態ではばね部材223が示されているが、コンタクトを空洞部の中心に弾性的に配置する他の実施形態も可能であることを理解されたい。
例えば、ばね部材ではなく弾性材料が、空洞部においてコンタクトと空洞部の壁との間に配されてもよい。本開示に照らして、さらに他の代替的実施形態が当業者には明らかであろう。
【0016】
この特定の実施形態において、コンタクトは、ハウジング222内で軸方向に保持されるように構成される。具体的には、コンタクトハウジングは、隆起部233を備え、ばね部材223は、隆起部233がハウジング222の肩部234に接触するように隆起部233を後方に付勢し、それによりコンタクトハウジング101をハウジング222に対して一定の軸方向位置に保持するように構成される。
【0017】
本発明のコンタクトは、アクティブコンタクトであり、相手側コネクタコンタクトと光学的に接続し、電気信号と光信号との間の変換を行うように機能する。そのようなアクティブコンタクトの機能性は既知のものである。例えば、一実施形態において、コンタクトは、高速アクティブクアドラックスコンタクトである。一実施形態において、コネクタは、複数のコンタクトを収容するための複数の空洞部を有するように構成される。一実施形態において、全てのコンタクトが同じである。代替的実施形態において、少なくとも2つのコンタクトが、異なるタイプのコンタクトである。例えば、一方のコンタクトがアクティブコンタクトであってよく、他方のコンタクトが電気コンタクトであってよい。本開示に照らして、さらに他の実施形態が当業者には明らかであろう。
【0018】
一実施形態において、コンタクトハウジングは、図1に示すように、別個の前側部分101aを備える。本実施形態において、前側部分101aは、フェルール受け穿孔102c(以下に記載)を収容する。そのような実施形態は製造を容易にするが、本発明の範囲内において他の実施形態も可能である。例えば、一実施形態において、前側部分101aは、主コンタクトハウジング101と一体化されている。当業者であれば、本開示に照らして、コンタクトハウジングを製造可能性および性能に関して最適化することが可能であろう。
【0019】
光インターフェース102は、相手側コネクタコンタクトと光学的に結合するように機能する。一実施形態において、本発明の光インターフェース102は、従来の光インターフェースである。例えば、図1図3に示すように、光インターフェースは、ファイバ102bを保持するフェルール102a、および相手側フェルール230を受け入れるためのフェルール受け穿孔102cを備える従来の物理接触式光インターフェースであってよい。代替的に、光インターフェース102は、結合性能を向上させるために相手側コネクタコンタクトと光インターフェースとの間のビームが拡張されているビーム拡張型光インターフェースであってよい。ビーム拡張型光インターフェースは、物理的接触および/または空隙を要するものであってよい。ビーム拡張型コネクタは周知のものであり、本明細書では詳細に説明しない。本開示に照らして、さらに他の光インターフェースが当業者には明らかであろう。
【0020】
光電気回路104は、光信号と電気信号との間の変換を行うように機能する。そのような回路は既知のものである。例えば、図1の実施形態において、光電気回路104は、ファイバ102bが光学的に結合されるインターポーザ104を備える。インターポーザ104は、回路基板104bに垂直に装着される。そのような構成は既知のものであり、例えば米国特許出願第16/450,189号において開示されている。本実施形態は回路基板に垂直なインターポーザの構成を示しているが、例えば回路基板に平行なインターポーザを有するものを含む他の実施形態も可能であることを理解されたい。
【0021】
本発明の本実施形態の重要な特徴は、光インターフェース102が光電気回路104に対して堅固に保持されることである。上記で述べたように、出願人は、そのようなパッケージングがより堅牢なコネクタを提供することを認識している。一実施形態において、図1に示すように、光インターフェースおよび光電気回路は、コンタクトハウジングに堅固に取り付けられる。代替的に、光インターフェース102および光電気回路104は、コンタクト100に配される単一のサブアセンブリに組み合わされてもよい。例えば、一実施形態において、堅牢な気密封止されたパッケージを形成するために、光電気回路104が光インターフェースの末端部と共にポッティングされていてよい。本開示に照らして、さらに他の実施形態が当業者には明らかであろう。
【0022】
電気インターフェース103は、光電気回路104と回路基板224との間の電気的接続を提供するのみでなく、コンタクト100がハウジング222の空洞部220内で移動することを可能とするコンプライアンスを提供するようにも機能する。この目的で、一実施形態において、電気インターフェース103は、可撓性ケーブル103aを備える。一実施形態において、可撓性ケーブルは、フレキシブルプリント回路を備える。
【0023】
このケーブルの構成は、異なっていてもよい。例えば、一実施形態において、可撓性ケーブル103aは、コンタクトから後方に延び、コネクタによる接続またははんだ付けのいずれかにより回路基板に電気的に接続される。より具体的には、可撓性ケーブル103aの遠位端は、コネクタ227により成端されていてよく、コネクタ227は回路基板における受けコネクタに結合される。そのようなコネクタは周知のものであり、例えばZIFコネクタまたは他の小型コネクタを含む。代替的に、ケーブル103aの遠位端は、既知の技法を用いて回路基板にバーはんだ付けされてもよい。本開示に照らして、可撓性ケーブル103aの遠位端を回路基板に電気的に接続するさらに他の手段が、当業者には認識されるであろう。
【0024】
代替的に、可撓性ケーブル103aの遠位端が回路基板に電気的に接続されるのではなく、別の実施形態においては、可撓性ケーブル103aがコンタクト100から延びず、光電気回路104をコンタクトの後端部に配される電気コネクタに接続する。より具体的には、図5Aを参照すると、電気インターフェース503を有するコンタクト500の代替的実施形態の一実施形態が示されている。本実施形態において、電気インターフェース503は、可撓性ケーブル503aにより光電気回路504に電気的に結合するピンコネクタ503bを備える。一実施形態において、ピンコネクタ503bは、コンタクトハウジング501内で浮くように構成される。
より具体的には、図5Aの実施形態の電気インターフェース503の拡大図である図5bに示すように、ピンコネクタ503bは、弾性部材504によりコンタクトハウジング501内で中心に付勢される。これにより、ピンコネクタ503bは、コンタクトハウジング501に対して径方向に移動することができる。これは電気インターフェース103の単なる1つの代替的実施形態であり、本開示に照らして他の代替的実施形態が当業者には明らかであることを理解されたい。
【0025】
電気インターフェース103は、回路基板224への接続の様々な実施形態を伴う。図1図3に示す一実施形態において、回路基板は、第1の面224aおよび第2の面224bを有し、コネクタハウジング222が第1の面224aに装着され、電気インターフェース104が回路基板222の第2の面224bに電気的に接続される。一実施形態において、各コンタクトの可撓性ケーブル103aは、回路基板224に画定された別個の開口部225を通過する。摩損から保護するために、一実施形態において、グロメット228が開口部225に挿入される。代替的に、一実施形態において、各コンタクトから延びる各可撓性ケーブルの別個の開口部を有するのではなく、図4に示すように共通の開口部が用いられてもよい。具体的には、図4は、各コンタクトの全ての可撓性ケーブルが通過する単一の開口部425を有する回路基板424を有するコネクタ400を示す。それぞれ別個の開口部の場合と同様に、一実施形態において、グロメット428が光ケーブルの摩損を防止するために用いられる。本開示に照らして、さらに他の実施形態が当業者には明らかであろう。
【0026】
再び図3および図4を参照すると、一実施形態において、可撓性ケーブルは、ハウジング222に対するコンタクトの移動を吸収するためのサービス屈曲部2(service bend)26を形成する。より具体的には、ケーブルの必要最小限の曲げ半径に起因して、コンタクトおよびその回路基板224への電気接続部との間でケーブルを直角に曲げることにより、ケーブルの吸収屈曲部(accommodating bend)が生じ、これを本明細書においてサービス屈曲部226と称する。このサービス屈曲部226により、少ない抵抗でコンタクトを回路基板に対して移動させることが可能となる。上記で述べたように、この相対移動は、相手側コネクタコンタクトと本発明のコンタクトとの間の何らかの位置ずれを吸収するために必要である。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
【外国語明細書】