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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082690
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】高速送風モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/14 20060101AFI20230607BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20230607BHJP
   F04D 29/58 20060101ALI20230607BHJP
   F04D 29/64 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
H02K7/14 A
F04D29/00 B
F04D29/58 P
F04D29/64 D
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191867
(22)【出願日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】202111461884.7
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211125552.6
(32)【優先日】2022-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522467873
【氏名又は名称】東莞市能博旺▲動▼力科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】趙 得宏
【テーマコード(参考)】
3H130
5H607
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC19
3H130BA14C
3H130CB01
3H130DD01X
3H130ED02C
5H607AA02
5H607AA04
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC01
5H607CC05
5H607DD03
5H607FF04
5H607FF12
5H607GG01
5H607GG08
(57)【要約】
【課題】高速送風モータを提供すること。
【解決手段】筐体1、前記筐体1内に設置された固定子組立体2、及び前記固定子組立体2と電気的に接続された配線組立体3を備える高速送風モータであって、前記筐体1は、第1筒体11、前記第1筒体11内に設置された第2筒体12、及び、前記第1筒体11と前記第2筒体12との間に設置され、前記第1筒体11と前記第2筒体12とを接続する複数の第1ブレード13を備え、前記高速送風モータは、可動羽根車41、軸受ハウジング42、軸受43、回転軸44及び磁石45を含む一体型回転子組立体4をさらに備え、前記可動羽根車41は、前記軸受ハウジング42の一側に設置されており、前記可動羽根車41の外周側に複数の第2ブレード411が設置されており、前記軸受ハウジング42の外壁は、前記第2筒体12の内壁に係合して接続され、前記軸受43は前記軸受ハウジング42内に設置されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体、前記筐体内に設置された固定子組立体、及び前記固定子組立体と電気的に接続された配線組立体を備える高速送風モータであって、
前記筐体は、
第1筒体、前記第1筒体内に設置された第2筒体、及び、前記第1筒体と前記第2筒体との間に設置され、前記第1筒体と前記第2筒体とを接続する複数の第1ブレードを備え、
前記高速送風モータは、可動羽根車、軸受ハウジング、軸受、回転軸及び磁石を含む一体型回転子組立体をさらに備え、
前記可動羽根車は、前記軸受ハウジングの一側に設置されており、
前記可動羽根車の外周側に複数の第2ブレードが設置されており、
前記軸受ハウジングの外壁は、前記第2筒体の内壁に係合して接続され、
前記軸受は、前記軸受ハウジング内に設置され、
前記回転軸の一端は、前記軸受を通して前記可動羽根車に接続され、
前記回転軸の他端に前記磁石が設置され、前記回転軸の他端が前記固定子組立体内に延びて前記固定子組立体に係合する
ことを特徴とする高速送風モータ。
【請求項2】
前記第2筒体の内壁に、前記軸受ハウジングの外壁に適合する段付き突起が設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の高速送風モータ。
【請求項3】
前記軸受ハウジングの外壁に、前記段付き突起の端部に嵌合する限界止めリング、及び、前記限界止めリングを取り付けるための限界溝が設置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の高速送風モータ。
【請求項4】
前記第2筒体の段付き突起に複数の貫通放熱路が設置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の高速送風モータ。
【請求項5】
前記回転軸に支持スリーブが設けられており、前記支持スリーブは、前記軸受と前記磁石との間に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の高速送風モータ。
【請求項6】
前記回転軸の前記磁石側の端部にバランスリングが設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の高速送風モータ。
【請求項7】
前記軸受ハウジング内には、前記軸受との間に保持リング、波形ばね、スペーサスリーブ及び波形座金の少なくとも1つが設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の高速送風モータ。
【請求項8】
前記軸受ハウジングの内壁に緩衝ゴムリングが設置されており、
前記緩衝ゴムリングは、前記軸受の取付位置の径方向、または、前記軸受ハウジングの中央付近の内側方向に設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の高速送風モータ。
【請求項9】
前記軸受ハウジングの内壁には、前記軸受の取付位置に対応する位置に接着剤貯蔵溝が設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の高速送風モータ。
【請求項10】
前記第1ブレード及び/または前記第2ブレードは、バイオニック翼の形状をなし、最大厚さ比率が8%であり、キャンバーが5%であり、最大キャンバー位置が弦長45%の位置にある
ことを特徴とする請求項1に記載の高速送風モータ。
【請求項11】
筐体、前記筐体内に設置された固定子ベース、及び前記固定子ベースと電気的に接続された配線組立体を備える高速送風モータであって、
前記筐体は、
第1筒体、前記第1筒体内に設置された第2筒体、及び、前記第1筒体と前記第2筒体との間に設置され、前記第1筒体と前記第2筒体とを接続する複数の第1ブレードを備え、
前記固定子ベースは、軸受ハウジング、支持アーム及び支持リングを含み、
前記軸受ハウジングは、前記第1筒体内に挿入されており、
前記軸受ハウジングは、前記支持リングと同軸に設置されており、
複数の前記支持アームの一端は、前記軸受ハウジングに接続されており、
前記支持アームの他端は、前記支持リングに接続されており、
前記軸受ハウジングと、前記支持アームと、前記支持リングとは、鉄心を収容するかご状構造を構成している
ことを特徴とする高速送風モータ。
【請求項12】
前記支持アームの内側壁には、鉄心を嵌め込むための規制突起が設置されており、
前記支持リングには、前記鉄心における限界溝に対応する位置に、前記固定子ベースを前記鉄心にリベット止めするための複数のリベット溝が設置されている
ことを特徴とする請求項11に記載の高速送風モータ。
【請求項13】
前記支持アームの外側壁には、ラグが設置されており、
前記ラグの一端は、前記支持アームの外側壁に接続されており、
前記ラグの他端は、前記筐体の内側壁に当てられている
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の高速送風モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速送風モータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、高速モータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第111478501号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消費者向け製品として、高速送風モータの認知度が高まっている。高速モータは、通常のモータよりも技術上の要求が高くなり、部品の加工にも、製造プロセスにも、各アセンブリの精度を厳密に制御する必要がある。しかしながら、従来の高速モータは、加工及び組立時に精度の偏差が生じ、全体の組立完了後にのみバランスが取れているか否かの検査を行い、要件を満たしていない場合、再組立または廃棄が必要となり、不良率を効果的に低減することができない。
【0005】
また、高速軸流ファンはコア部品として高速で回転する場合、騒音が大きくて、ユーザの体験に深刻な影響を与える。従って、高速軸流ファンにおける高効率と低騒音との両方を考慮する必要がある。
【0006】
さらに、モータは運転中に発熱し、モータ装置自体の熱伝導による伝熱の効率が低いため、蓄熱が発生し、高速軸受が許容範囲外の発熱に耐え、高速モータにとって致命的な問題となり、使用寿命を著しく短縮させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題を解決するために、本発明は高速送風モータを提供する。
本発明は、以下の技術案を採用する。
【0008】
筐体、前記筐体内に設置された固定子組立体、及び前記固定子組立体と電気的に接続された配線組立体を備える高速送風モータであって、
前記筐体は、
第1筒体、前記第1筒体内に設置された第2筒体、及び、前記第1筒体と前記第2筒体との間に設置され、前記第1筒体と前記第2筒体とを接続する複数の第1ブレードを備え、
前記高速送風モータは、可動羽根車、軸受ハウジング、軸受、回転軸及び磁石を含む一体型回転子組立体をさらに備え、
前記可動羽根車は、前記軸受ハウジングの一側に設置されており、
前記可動羽根車の外周側に複数の第2ブレードが設置されており、
前記軸受ハウジングの外壁は、前記第2筒体の内壁に係合して接続され、
前記軸受は、前記軸受ハウジング内に設置され、
前記回転軸の一端は、前記軸受を通して前記可動羽根車に接続され、
前記回転軸の他端に前記磁石が設置され、前記回転軸の他端が前記固定子組立体内に延びて前記固定子組立体に係合する。
【0009】
選択的に、前記第2筒体の内壁に、前記軸受ハウジングの外壁に適合する段付き突起が設置されている。
【0010】
選択的に、前記軸受ハウジングの外壁に、前記段付き突起の端部に嵌合する限界止めリング、及び、前記限界止めリングを取り付けるための限界溝が設置されている。
【0011】
選択的に、前記第2筒体の段付き突起に複数の貫通放熱路が設置されている。
【0012】
選択的に、前記回転軸に支持スリーブが設けられており、前記支持スリーブは、前記軸受と前記磁石との間に位置する。
【0013】
選択的に、前記回転軸の前記磁石側の端部にバランスリングが設置されている。
【0014】
選択的に、前記軸受ハウジング内には、前記軸受との間に保持リング、波形ばね、スペーサスリーブ及び波形座金の少なくとも1つが設置されている。
【0015】
選択的に、前記軸受ハウジングの内壁に緩衝ゴムリングが設置されており、前記緩衝ゴムリングは、前記軸受の取付位置の径方向、または、前記軸受ハウジングの中央付近の内側方向に設置されている。
【0016】
選択的に、前記軸受ハウジングの内壁には、前記軸受の取付位置に対応する位置に接着剤貯蔵溝が設置されている。
【0017】
選択的に、前記第1ブレード及び/または前記第2ブレードは、バイオニック翼の形状をなし、最大厚さ比率が8%であり、キャンバーが5%であり、最大キャンバー位置が弦長45%の位置にある。
【0018】
筐体、前記筐体内に設置された固定子ベース、及び前記固定子ベースと電気的に接続された配線組立体を備える高速送風モータであって、
前記筐体は、
第1筒体、前記第1筒体内に設置された第2筒体、及び、前記第1筒体と前記第2筒体との間に設置され、前記第1筒体と前記第2筒体とを接続する複数の第1ブレードを備え、
前記固定子ベースは、軸受ハウジング、支持アーム及び支持リングを含み、
前記軸受ハウジングは、前記第1筒体内に挿入されており、
前記軸受ハウジングは、前記支持リングと同軸に設置されており、
複数の前記支持アームの一端は、前記軸受ハウジングに接続されており、
前記支持アームの他端は、前記支持リングに接続されており、
前記軸受ハウジングと、前記支持アームと、前記支持リングとは、鉄心を収容するかご状構造を構成している。
【0019】
選択的に、前記支持アームの内側壁には、鉄心を嵌め込むための規制突起が設置されており、
前記支持リングには、前記鉄心における限界溝に対応する位置に、前記固定子ベースを前記鉄心にリベット止めするための複数のリベット溝が設置されている。
【0020】
選択的に、前記支持アームの外側壁には、ラグが設置されており、
前記ラグの一端は、前記支持アームの外側壁に接続されており、
前記ラグの他端は、前記筐体の内側壁に当てられている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の有益な効果は以下の通りである、本発明の高速送風モータは、一体型回転子組立体を採用し、機械全体を組み立てる前に機械本体の外部で当該回転子組立体に対してバランスを調整するため、組立及び加工時に生じる電機の回転子部品の精度のばらつきを低減することができ、回転子の精度要件をより高くし、回転子の高速回転時の遠心力を低減することができる。これにより、モータの振動及び騒音を効果的に低減することができる。第1ブレード及び第2ブレードのバイオニック翼の形状の設置は、高い風圧及び低騒音という特徴があり、ユーザの使用体験を向上させることができる。筐体に設置された貫通放熱路は、回転子の放熱性能を向上させ、製品の運行を確実にし、多分野の換気装置の応用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の断面の構造模式図である。
図2】本発明の分割状態の構造模式図である。
図3】本発明の筐体の構造模式図である。
図4】本発明の一体型回転子組立体の構造模式図である。
図5】本発明の段付き突起、限界止めリング、限界溝の構造模式図である。
図6】本発明の軸受ハウジング内に設置されている保持リング、波形ばね、スペーサスリーブ、緩衝ゴムリングの構造模式図である。
図7】本発明の軸受ハウジング内に設置されている波形ばね、スペーサスリーブの構造模式図である。
図8】本発明の軸受ハウジング内に設置されている緩衝ゴムリングの構造模式図である。
図9】本発明の軸受ハウジング内の接着剤貯蔵溝の構造模式図である。
図10】本発明の第1ブレードの構造模式図である。
図11】本発明の第2ブレードの構造模式図である。
図12】本発明の密封後蓋の構造模式図である。
図13】本発明の実施形態2の分割状態の構造模式図である。
図14】本発明の実施形態2の断面の構造模式図である。
図15】本発明の実施形態2の固定子組立体の構造模式図である。
図16】本発明の実施形態2の軸受ハウジングの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下では、添付の図面及び実施形態を参照し、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本明細書に記載された特定の実施形態は、本発明を説明するために使用され、本発明に限定するものではない。
(実施形態1)
図1図4に示すように、高速送風モータは、筐体1、固定子組立体2及び配線組立体3を含む。当該固定子組立体2は筐体1内に設置されている。当該配線組立体3は、固定子組立体2と電気的に接続されている。
【0024】
当該筐体1は、第1筒体11、第1筒体11内に設置された第2筒体12、及び、第1筒体11と第2筒体12との間に設置され、当該第1筒体11と当該第2筒体12とを接続する複数の第1ブレード13を備える。第1筒体11と第2筒体12との間に空気循環空間が形成され、第1ブレード13を介して気流が通過可能な複数の風路として定義されている。
【0025】
当該高速送風モータは、一体型回転子組立体4をさらに備える。当該一体型回転子組立体4は、可動羽根車41、軸受ハウジング42、軸受43、回転軸44及び磁石45を含む。当該可動羽根車41は、軸受ハウジング42の一側に設置されている。当該可動羽根車41の外周側に複数の第2ブレード411が設置されている。当該軸受ハウジング42の外壁は、第2筒体12の内壁に係合して接続されている。当該軸受43は、軸受ハウジング42内に設置されている。当該回転軸44の一端は、軸受43を通して可動羽根車41に接続されている。当該回転軸44の他端に磁石45が設置され、当該回転軸44の他端が固定子組立体2内に延びて当該固定子組立体2に係合する。
【0026】
当該軸受ハウジング42と第2筒体12の内壁とは、軸穴嵌合により両者が接続しても良く、または、軸受ハウジング42が接着により第2筒体12内に固定されてもよい。
【0027】
当該一体型回転子組立体4を組み立てる場合、まず軸受43が軸受ハウジング42内に取り付けられ、そして、回転軸44に磁石45が圧入された後に、当該回転軸44が軸受43を通して可動羽根車41に接続される。当該一体型回転子組立体4は、筐体1へ取り付ける前に全体バランス処理を行うことができるため、バランスプロセス中に把持が容易であり、バランス補正を行う際の精度が高く、モータの振動改善に大きな利点がある。バランス量を0.5mg以内に収めることができるため、ユーザが手でモータの振動を感知できず、ユーザに快適な体験を与えることができる。さらに、一体型回転子組立体4は、回転子を一度に加工成形して筐体1内に取り付けることができるため、部品の組立精度要件を低減し、生産プロセスの難しさを軽減し、生産効率を大幅に向上させ、不安定な生産プロセスによって引き起こされた多くの浪費を防ぎ、製品の良品率を向上させることができる。
【0028】
図1及び図5に示すように、第2筒体12を軸受ハウジング42に良く適合するとともに、他の部品の組立スペースを確保できるように、当該第2筒体12の内壁に、軸受ハウジング42の外壁に適合する段付き突起121が設置されている。当該軸受ハウジング42と第2筒体12とは、軸穴嵌合または接着により固定される。または、当該軸受ハウジング42の外壁に、段付き突起121の端部に嵌合する限界止めリング421、及び当該限界止めリング421を取り付けるための限界溝422が設置されている。軸受ハウジング42は、限界止めリング421を通じて当該第2筒体12内に固定されている。
【0029】
図3に示すように、選択的に、当該第2筒体12の段付き突起121に複数の貫通放熱路122が設置されており、このため、筐体1の重量が減少するとともに、外気との接触面積が拡大される。これにより、大きな放熱面積が形成されたため、放熱効率が向上し、送風モータの熱蓄積を低減し、モータの軸受43の動作環境を改善し、許容範囲外の発熱による寿命短縮を回避することができる。
【0030】
図2及び図4に示すように、選択的に、当該回転軸44に支持スリーブ46が設けられている。当該支持スリーブ46は、軸受43と磁石45との間に位置する。支持スリーブ46と可動羽根車41との間隔を制御することにより、軸受43に所定の仮締め力を加えて、軸受43の隙間を調整することができる。
【0031】
図2及び図4に示すように、選択的に、当該回転軸44の磁石45側の端部にバランスリング47が設置されている。当該バランスリング47は、回転子組立体の全体のバランスを保つように、回転子のバランスを調整するために使用される。
【0032】
図6図8に示すように、選択的に、当該軸受ハウジング42内には、軸受43との間に保持リング431、波形ばね432、スペーサスリーブ433及び波形座金(図示なし)の少なくとも1つが設置されている。当該保持リング431は、軸受43が緩むことなく固定されるように位置を制限するために使用される。当該波形ばね432は、軸受43の半径方向隙間を矯正し、回転子が受ける軸力のバランスを調整するためのものである。軸受43の位置が磁石45と可動羽根車41とにより制限された後に、波形ばね432の仮締め力の作用下で、軸受43が当該軸受43の隙間を自由に調整することができる。
【0033】
図6及び図8に示すように、選択的に、当該軸受ハウジング42の内壁に緩衝ゴムリング423が設置されている。当該緩衝ゴムリング423は、軸受43の取付位置の径方向、または、軸受ハウジング42の中央付近の内側方向に設置されている。緩衝ゴムリング423が軸受43内に配置され、主な目的は、高速運転時に軸受43が発生した共振騒音を低減することである。この騒音は、風路金属と接触して金属共振騒音を形成し、緩衝ゴムリング423の弾性及び材質特性によって騒音が遮断される。次の目的は、軸受43と軸受ハウジング42との間の摩擦力及び仮締め力を増やして、軸受43が軸受ハウジング42内で当該軸受43の軸心位置を自動的に調整できるようにし、回転子の運転時に、良好な同心度を持ち、追加の振動が生じないように確保することである。
【0034】
両軸受43の間の仮締め処理には、波形ばね432、波形座金、緩衝ゴムリング423等が用いられる。主に高速の軸受43は、軸受43自体の動作要件を満たし、より完璧な動作状態に達し、最終的にモータの軸受43の運行騒音の制御を実現するために、異なる速度の場合に異なる隙間を必要とする。
【0035】
図9に示すように、選択的に、当該軸受ハウジング42の内壁には、軸受43の取付位置に対応する位置に接着剤貯蔵溝424が設置されている。これにより、軸受43が接着された後により強固になる。
【0036】
図10及び図11に示すように、当該第1ブレード13及び/または第2ブレード411は、バイオニック翼の形状をなし、最大厚さ比率が8%であり、キャンバーが5%であり、最大キャンバー位置が弦長45%の位置にある。当該バイオニック翼の形状は、従来のバイオニック翼の形状よりも揚抗比が小さくなる。従来のバイオニック翼の形状と比較して、同じ電力で空力効率を向上させ、より大きな風圧を発生させることができるとともに、風抵抗を減らし、強風によって形成された渦電流による騒音を回避することができる。実測によると、ファンの音は柔らかく心地よく、ユーザにより良い使用体験をもたらすことができる。
【0037】
シミュレーション解析及び実際の試験によると、当該第1ブレード13の数は、7~9枚であることが好ましい。これによって、風力エネルギーの変換を効果的に向上させることができる。
【0038】
固定子組立体2は、ボビン、及び当該ボビンに巻かれたコイル(図示なし)を含む。配線組立体3は、ボビンに巻かれたコイルと電気的に接続され、配線組立体3に通電すると、コイルが通電して電磁界を形成し、回転軸44上の磁石45が磁力により当該回転軸44を駆動して回転させる。
【0039】
図12に示すように、当該高速送風モータは、密封後蓋5をさらに備える。当該密封後蓋5は、筐体1の配線組立体3に近い側に設置されている。当該密封後蓋5は、固定子組立体2及び配線組立体3の全部又は一部を当該密封後蓋5内に覆っている。当該密封後蓋5は、モータの内部に液体が浸透することを防ぐために使用され、モータの保護性能を向上させるために、シーラントを接触部位に塗布することができる。
【0040】
本発明の有益な効果は以下の通りである。本発明の高速送風モータは、一体型回転子組立体を採用し、機械全体を組み立てる前に機械本体の外部で当該回転子組立体に対してバランスを調整するため、組立及び加工時に生じる電機の回転子部品の精度のばらつきを低減し、回転子の精度要件をより高くし、回転子の高速回転時の遠心力を低減することができる。これにより、モータの振動及び騒音を効果的に低減することができる。第1ブレード及び第2ブレードのバイオニック翼の形状の設置は、高い風圧及び低騒音という特徴があり、ユーザの使用体験を向上させることができる。筐体に設置された貫通放熱路は、回転子の放熱性能を向上させ、製品の運行を確実にし、多分野の換気装置の応用を実現することができる。
【0041】
(実施形態2)
図13図16に示すように、実施の形態2に係る高速送風モータは、実施の形態1における軸受ハウジング42の代わりに、固定子ベース20が設けられている。高速送風モータのその他の構成は、実施形態1に係る高速送風モータと同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0042】
固定子ベース20は、軸受ハウジング420、支持アーム436及び支持リング435を含む。当該軸受ハウジング420は、第1筒体11内に挿入されており、支持リング435と同軸に設置されている。複数の支持アーム436の一端は、軸受ハウジング420に接続されており、当該支持アーム436の他端は、支持リング435に接続されている。軸受ハウジング420と、支持アーム436と、支持リング435とは、鉄心8を収容するかご状構造を構成している。軸受43は、軸受ハウジング420内に設置されている。
【0043】
支持アーム436の内側壁には、鉄心8を嵌め込むための規制突起437が設置されている。支持リング435には、当該鉄心8における限界溝に対応する位置に、固定子ベース20を当該鉄心8にリベット止めするための複数のリベット溝438が設置されている。
【0044】
支持アーム436の外側壁には、ラグ434が設置されている。当該ラグ434の一端は、支持アーム436の外側壁に接続されており、当該ラグ434の他端は、筐体1の内側壁に当てられている。
【0045】
本発明の実施形態2の有益な効果は以下の通りである。固定子組立体2は、かご状構造を採用し、気流を導通させる凹溝が設置されているため、鉄心8を効率的に放熱することができる。これにより、既存のモータの放熱困難の問題を解決するとともに、気流の流れ環境を改善し、気流の出口位置に収縮空間を形成し、渦の形成を低減し、モータ効率を向上させ、熱エネルギー損失を低減することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 筐体
2 固定子組立体
20 固定子ベース
3 配線組立体
4 一体型回転子組立体
5 密封後蓋
11 第1筒体
12 第2筒体
13 第1ブレード
41 可動羽根車
42、420軸受ハウジング
43 軸受
44 回転軸
45 磁石
46 支持スリーブ
47 バランスリング
121 段付き突起
122 貫通放熱路
411 第2ブレード
421 限界止めリング
422 限界溝
423 緩衝ゴムリング
424 接着剤貯蔵溝
431 保持リング
432 波形ばね
433 スペーサスリーブ
434 ラグ
435 支持リング
436 支持アーム
437 規制突起
438 リベット溝
図1
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