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特開2023-82694自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082694
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 3/02 20060101AFI20230607BHJP
   B63B 79/20 20200101ALI20230607BHJP
【FI】
G08G3/02 A
B63B79/20
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192737
(22)【出願日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0171316
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】513107735
【氏名又は名称】コリア インスティチュート オブ オーシャン サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100224683
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 詩織
(72)【発明者】
【氏名】ソン ナムサン
(72)【発明者】
【氏名】パク ハンソル
(72)【発明者】
【氏名】ピョ チュンセオン
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA25
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF14
5H181LL04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムを提供する。
【解決手段】船舶衝突事故の運航軌跡が入力されて、船舶衝突事故を再現する船舶衝突の再現シミュレーションシステム及び自由航走模型船を用いて衝突事故船舶の自由航走模型試験を行う自由航走模型システム及び自由航走模型試験を遠隔で行う自由航走官制システムを含み、船舶衝突事故の再現は、船舶衝突の再現シミュレーションシステムにおけるシミュレーションと、自由航走模型システムにおける自由航走模型試験とが同時に行われる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶衝突事故の運航軌跡が入力されて、船舶衝突事故を再現する船舶衝突の再現シミュレーションシステム;
自由航走模型船を用いて、衝突事故船舶の自由航走模型試験を行う自由航走模型システム;及び、
前記自由航走模型試験を遠隔で行う自由航走官制システム;を含み、
前記自由航走模型船のリアルタイム運航情報は、前記自由航走管制システムの模型船スケールに伝達され、前記伝達された模型船スケールは、実船スケールに変換されて、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステム上に衝突船舶の運航軌跡として表され、
前記船舶衝突事故の再現は、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムにおけるシミュレーションと、前記自由航走模型システムにおける自由航走模型試験とが同時に行われることを特徴とする、
自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項2】
船舶衝突事故の運航軌跡が入力されて、船舶衝突事故を再現する船舶衝突の再現シミュレーションシステム;
自由航走模型船を用いて、衝突事故船舶の自由航走模型試験を行う自由航走模型システム;及び、
前記自由航走模型試験を遠隔で行う自由航走官制システム;を含み、
前記船舶衝突の再現シミュレーションシステム上で衝突軌跡に沿って事故を再現するために、経路を追従するため事故船舶の実船スケールの推進及び操舵命令が生成され、
前記自由航走模型船のリアルタイム運航情報は、前記自由航走管制システムの模型船スケールに伝達され、前記伝達された模型船スケールは、実船スケールに変換されて、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステム上に衝突船舶の運航軌跡として表されることを特徴とする、
自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項3】
前記事故船舶の実船スケールの推進及び操舵命令は、前記自由航走官制システムを通じて、模型船スケールの推進及び操舵命令に変換されて、前記自由航走模型システムに認可されることを特徴とする、
請求項2に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項4】
前記自由航走模型システムに認可された推進及び操舵命令に従って、自由航走模型船は、屋外試験場又は室内海洋工学水槽試験施設で物理的に移動して、運航情報を獲得することを特徴とする、
請求項3に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項5】
前記海洋工学水槽内領域は、50m×30mであって、前記海洋工学水槽内領域における試験が可能である場合は、水槽自由航走試験を行い、前記水槽領域を超える場合は、屋外自由航走試験を行うことを特徴とする、
請求項4に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項6】
前記自由航走模型船に設置されたGPS、測位センサ、ジャイロセンサを介して、前記自由航走模型船のリアルタイム運航情報(位置、速度、方位、姿勢情報)を獲得することを特徴とする、
請求項4に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項7】
前記獲得された自由航走模型船の運航情報は、無線通信を通じて遠隔で、前記自由航走官制システムの模型船スケールに伝達されることを特徴とする、
請求項6に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項8】
前記自由航走官制システムの模型船スケールに伝達された運航情報は、実船スケールに変換されて、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステム上に衝突船舶の運航軌跡で表され、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムのシミュレーション軌跡の結果と共に示されることで、リアルタイムで検証することができることを特徴とする、
請求項7に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項9】
前記実船スケールの長さ対前記模型船スケールの長さと定義される縮尺比によるフルードの相似則が適用されて、模型船スケールが実船スケールに変換されることを特徴とする、
請求項8に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項10】
前記自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムは、船舶衝突事故を再現する再現モードと、衝突事故時点に衝突を回避する避航モードを具現することができることを特徴とする、
請求項2に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項11】
前記避航モードでは、船舶衝突事故の軌跡を追従している途中、事故時刻の前に使用者は、船舶衝突の危険が発生時、回避するための推進及び操舵命令を認可して、避航評価を行うことを特徴とする、
請求項10に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項12】
前記自由航走模型システムに採用される自由航走模型船は、2隻が運用可能であることを特徴とする、
請求項2に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項13】
前記自由航走模型システムに採用される自由航走模型船は、自船であって、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムには、仮想のシミュレーション船舶である相手船に設定して運用することを特徴とする、
請求項2に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項14】
前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムで付与された仮想の船舶衝突事故状況の運航情報に従って、前記自由航走模型船が、自由航走模型試験を行い、自船の自由航走模型船の試験情報は、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムにアップデートされることを特徴とする、
請求項13に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項15】
自船である自由航走模型船の衝突を回避するために、操舵及び推進命令値は、手動又は自動で算出されて、物理的な自由航走模型試験の際、自船の避航試験が行われ、
相手船の避航評価に際して自船は、事故状況をそのまま自由航走試験で再現されて、
相手船は、仮想シミュレーションで避航評価が行われることを特徴とする、
請求項14に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項16】
請求項1~請求項15のうちいずれか一項による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムを利用して、船舶衝突事故を再現する再現方法であって、
リアルタイムで船舶衝突事故を再現するとともに、船舶衝突事故の再現シミュレーションをリアルタイムで検証することができる、
自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム及び方法に関し、具体的には、船舶衝突事故の際、自由航走模型試験を用いて船舶衝突事故を再現することによって、事故船舶の物理的な衝突の再現と、物理的な回避機動による避航評価を行い、リアルタイムで船舶衝突事故を再現するとともに、船舶衝突事故の再現シミュレーションをリアルタイムで検証することができる、自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、船舶が運航する場合、衝突事故に備えて航海士は、見張業務を行い、レーダーと電子海図装備によって支援されている。
【0003】
しかしながら、衝突状況を初期に識別して回避機動を行うまで、手動で複数の航海装備をいちいち確認し、危険な状況時に速やかに対応するためには長い時間がかかる。
【0004】
また、海洋事故の30%が船舶衝突事故であり、このうち、ヒューマンエラーが80%以上を占めている状況で、衝突事故を事前に予防するため、自船周りの数十隻の船舶との衝突状況を効果的にかつ短時間に識別することができるように支援できるシステムが必要である。
【0005】
従来、ARPAレーダー等における衝突余裕距離(DCPA)を利用して、手動で設定した特定の両船舶間の衝突の危険をアラームで提供される機能はあるものの、数十隻の船舶間の組み合わせによる衝突の危険を同時に考慮していない。
【0006】
これによって、数十隻の船舶のうち、どの船舶が最も危ないし、衝突危険性の高い船舶群がどのグループであるかを把握するには限界があった。
【0007】
船舶と同様、海上交通官制センターで通航船舶の官制業務を行っている管制士にとっても、数隻の船舶の組み合わせによる衝突の危険をリアルタイムで提供するシステムは、全くない。
【0008】
最近、船舶の航海支援システムが開発して普及されているが、船舶事故は減っておらず、2017年度を基準に、2600件の事故のうち10%以上である、280余件の衝突事故が発生しており、裁決事故を基準としては、最近5年間、60%以上が衝突事故であって、このうち80%以上が運航過失によって発生している。
【0009】
船舶衝突事故は、ヘーベイ・スピリット号の事故から分かるように、大型海洋汚染事故へ展開し得、衝突現場の維持が難しくて、衝突のメカニズムと原因の分析のため、船舶衝突事故の再現システムが必要である。
【0010】
既存に開発された船舶衝突事故の再現システムは、主に、AIS等、船舶やVTSに貯蔵された事故船舶の運航情報を入力して、電子海図上に示し、その軌跡を考察することによって衝突事故の原因を考察する方法であって、物理的な船舶の挙動が正確に分かりにくいという限界がある。
【0011】
シミュレーションを用いて海上環境条件を適用し、回避機動等、避航評価を行う方法も、事故船舶の諸元情報に基づいて、同種の船舶運航モデルを仮定して適用したものであって、避航評価時、船舶の回避制御による物理的な回避機動を正確にまねることができない限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
(特許文献1)KR10-1298925B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前述したような従来の種々の問題点を解決するために創出されたものであって、船舶衝突事故の際、自由航走模型試験を用いて船舶衝突事故を再現することによって、事故船舶の物理的な衝突の再現と、物理的な回避機動による避航評価を行い、リアルタイムで船舶衝突事故を再現するとともに、船舶衝突事故の再現シミュレーションをリアルタイムで検証することができる、自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム及び方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような目的を達成するために本発明は、船舶衝突事故の運航軌跡が入力されて、船舶衝突事故を再現する船舶衝突の再現シミュレーションシステム;自由航走模型船を用いて、衝突事故船舶の自由航走模型試験を行う自由航走模型システム;及び前記自由航走模型試験を遠隔で行う自由航走官制システム;を含み、前記船舶衝突事故の再現は、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムにおけるシミュレーションと、前記自由航走模型システムにおける自由航走模型試験とが同時に行われることを特徴とする、自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムを提供する。
【0015】
また、本発明は、船舶衝突事故の運航軌跡が入力されて、船舶衝突事故を再現する船舶衝突の再現シミュレーションシステム;自由航走模型船を用いて、衝突事故船舶の自由航走模型試験を行う自由航走模型システム;及び前記自由航走模型試験を遠隔で行う自由航走官制システム;を含み、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステム上で衝突軌跡に沿って事故を再現するために、経路を追従するため事故船舶の実船スケールの推進及び操舵命令が生成されることを特徴とする、自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムを提供する。
【0016】
このとき、前記事故船舶の実船スケールの推進及び操舵命令は、前記自由航走官制システムを通じて、模型船スケールの推進及び操舵命令に変換されて、前記自由航走模型システムに認可されるのが好ましい。
【0017】
さらに、前記自由航走模型システムに認可された推進及び操舵命令に従って、自由航走模型船は、屋外試験場又は室内海洋工学水槽試験施設で物理的に移動して、運航情報を獲得することができる。
【0018】
前記海洋工学水槽内領域は、50m×30mであり、前記海洋工学水槽内領域における試験が可能である場合は、水槽自由航走試験を行い、前記水槽領域を超える場合は、屋外自由航走試験を行う。
【0019】
このような自由航走模型船に設置されたGPS、測位センサ、ジャイロセンサを介して、前記自由航走模型船のリアルタイム運航情報(位置、速度、方位、姿勢情報)を獲得する。
【0020】
また、前記獲得された自由航走模型船の運航情報は、無線通信を通じて遠隔で、前記自由航走官制システムの模型船スケールに伝達される。
【0021】
このように、前記自由航走官制システムの模型船スケールに伝達された運航情報は、実船スケールに変換されて、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステム上に衝突船舶の運航軌跡で表されて、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムのシミュレーション軌跡の結果と共に示されることで、リアルタイムで検証することができる。
【0022】
このとき、前記実船スケールの長さ対前記模型船スケールの長さと定義される縮尺比によるフルードの相似則が適用されて、模型船スケールが実船スケールに変換される。
【0023】
さらに、前記自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムは、船舶衝突事故を再現する再現モードと、衝突事故時点に衝突を回避する避航モードを具現することができる。
【0024】
このような避航モードでは、船舶衝突事故の軌跡を追従している途中、事故時刻の前に使用者は、船舶衝突の危険が発生時、回避するための推進及び操舵命令を認可して、避航評価を行うことになる。
【0025】
このとき、前記自由航走模型システムに採用される自由航走模型船は、2隻が運用可能である。
【0026】
他の方法として、前記自由航走模型システムに採用される自由航走模型船は、自船であって、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムには、仮想のシミュレーション船舶である相手船に設定して運用することもできる。
【0027】
さらに、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムで付与された仮想の船舶衝突事故状況の運航情報に従って、前記自由航走模型船が自由航走模型試験を行い、自船の自由航走模型船の試験情報は、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムにアップデートされる。
【0028】
また、自船である自由航走模型船の衝突回避のために、操舵及び推進命令値は、手動又は自動で算出されて、物理的な自由航走模型試験の際、自船の避航試験が行われ、相手船の避航評価の際にして自船は、事故状況をそのまま自由航走試験で再現されて、相手船は、仮想シミュレーションで避航評価が行われる。
【0029】
一方、前述した自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムを利用して、船舶衝突事故を再現する再現方法として、リアルタイムで船舶衝突事故を再現するとともに、船舶衝突事故の再現シミュレーションをリアルタイムで検証することができる、自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現方法が開示される。
【0030】
その他実施例の具体的な事項は、「発明を実施するための形態」及び添付の「図面」に含まれている。
【0031】
本発明の利点及び/又は特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている種々の実施例を参照すれば明確になる。
【0032】
しかしながら、本発明は、以下で開示する各実施例の構成のみに限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態に具現することもできる。ただし、本明細書で開示の各々の実施例は、本発明の開示を完全にして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求範囲の各請求項の範疇によって定義されるだけであると理解しなければならない。
【発明の効果】
【0033】
上述した課題の解決手段によれば、本発明は、次のような効果を有する。
【0034】
本発明は、物理的な運航軌跡のみならず、姿勢及び操舵/推進制御情報を共に獲得、再現可能であり、既存の船舶衝突の再現シミュレーションをリアルタイムで検証することができる効果がある。
【0035】
また、本発明は、衝突事故をそのまま再現すると共に、別途該事故時点に回避機動によって避航可能であったかを評価することができ、これは、船舶衝突の再現に際して、避航シミュルレーションも検証することができる物理的な避航軌跡情報も獲得可能である効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムの構成を概略的に示した図面である。
図2】本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムにおいて、船舶衝突の再現シミュレーションシステム、自由航走官制システム及び自由航走模型システムが、リアルタイムで互いに連動することを説明するための図面である。
図3】本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムにおいて、自由航走模型システムに採用される水槽と曳引電車を示した図面である。
図4】本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムにおいて、自由航走模型システムに採用された自由航走模型船の例を示した図面である。
図5】本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムにおいて、自由航走模型システムの構成を示した図面である。
図6】本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムに基づく衝突危険度及び回避可能性を評価するための概念図である。
図7】本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムによって、衝突危険度の評価機能が具現された例を示した図面である。
図8】本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムによって、回避可能性の評価機能が具現された例を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下では、添付の図面を参考して、本発明の好ましい実施例について詳説すれば、次のとおりである。
【0038】
本発明を詳説する前に、本明細書で使われた用語や単語は、必ずしも通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、本発明の発明者が、自己の発明を最も最善な方法で説明するために、各種用語の概念を適宜定義して使うことができ、さらには、これらの用語や単語は、本発明の技術思想に符合する意味と概念に解釈すべきである。
【0039】
すなわち、本明細書で使われた用語は、本発明の好ましい実施例を説明するために使われるだけであり、本発明の内容を具体的に限定しようとする意図で使われたものではなく、これらの用語は、本発明の様々な可能性を考慮して定義された用語であると理解しなければならない。
【0040】
また、本明細書において、単数の表現は、文脈上明確に他の意味に示さない限り、複数の表現を含んでいてもよく、これと同様、複数で表現されていても、単数の意味を含むものと理解しなければならない。
【0041】
本明細書の全体にわたりある構成要素が他の構成要素を「含む」と記載する場合、特に逆の意味に記載しない限り、任意の他の構成要素を除くものではなく、任意の他の構成要素をさらに含んでいてもよいことを意味し得る。
【0042】
さらに、ある構成要素が他の構成要素の「内部に存在するか、連結して設置される」と記載した場合は、この構成要素が他の構成要素と直接に連結されているか、接触して設置されていてもよく、一定距離を空けて離隔して設置されていてもよく、一定距離を空けて離隔して設置されている場合については、該構成要素を他の構成要素に固定乃至連結するため第3の構成要素又は手段が存在し得、この第3の構成要素又は手段に関する説明は、省略し得る。
【0043】
他方、ある構成要素が他の構成要素に「直接に連結」されているか、あるいは「直接に接続」されていると記載される場合は、第3の構成要素又は手段は存在しないと理解しなければならない。
【0044】
同様、各構成要素間の関係を説明する他の表現、つまり「~間に」と「すぐ~間に」、あるいは「~に隣り合う」と「~に直接に隣り合う」等も、同様の趣旨を有するものと解釈すべきである。
【0045】
また、本明細書における「一面」、「他面」、「一側」、「他側」、「第1」、「第2」等の用語は、使われるのであれば、一構成要素に対して、この一構成要素が他の構成要素から明確に区別できるようにするために使われ、これらの用語によって、該構成要素の意味が制限的に使われるものではないと理解しなければならない。
【0046】
また、本明細書における「上」、「下」、「左」、「右」等の位置に関する用語は、使われるのであれば、該構成要素に対して、該図面における相対的な位置を示していると理解しなければならず、これら位置について絶対的な位置を特定しない限りは、これら位置に関する用語が絶対的な位置を言及するものであると理解してはならない。
【0047】
さらに、本発明の明細書では、「…部」、「機」、「モジュール」、「装置」等の用語は、使われるのであれば、1つ以上の機能や動作を処理できる単位を意味し、これはハードウェア又はソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの結み合わせに具現することができると理解しなければならない。
【0048】
また、本明細書では、各図面の各構成要素について、その図面符号を付することにおいて、同じ構成要素に対しては、この構成要素がたとえ他の図面に示されていても、同じ図面符号を有するように、つまり全明細書にわたる同じ参照符号は、同じ構成要素を示している。
【0049】
本明細書で添付の図面において、本発明を構成する各構成要素の大きさ、位置、結合関係等は、本発明の思想を十分かつ明確に伝達することができるようにするために、あるいは説明の便宜のため、一部を誇張又は縮小するか、省略して記述されていてもよく、よって、その比例や縮尺は、厳密でなくてもよい。
【0050】
また、以下では、本発明を説明するにあたって、本発明の要旨を曖昧にすると判断される構成、例えば、従来技術を含む公知の技術に関する詳説は省略し得る。
【0051】
図1は、本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムの構成を概略的に示した図面であり、図2は、本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムにおいて、船舶衝突の再現シミュレーションシステム、自由航走官制システム及び自由航走模型システムが、リアルタイムで互いに連動することを説明するための図面である。
【0052】
本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムは、図1 及び図2に示されたように、船舶衝突の再現シミュレーションシステム、自由航走官制システム及び自由航走模型システムを含めて構成され、船舶衝突事故の再現は、船舶衝突の再現シミュレーションシステムにおけるシミュレーションと、自由航走模型システムにおける自由航走模型試験とが同時に行われることを特徴とする。
【0053】
船舶衝突の再現シミュレーションシステムは、船舶衝突事故の運航軌跡が入力されて、船舶衝突事故を再現することである。
【0054】
かかる船舶衝突の再現シミュレーションシステム上で衝突軌跡に沿って事故を再現するために、経路を追従するため事故船舶の実船スケールの推進及び操舵命令が生成されて、後述する自由航走官制システムに伝達される。
【0055】
自由航走官制システムは、自由航走模型試験を遠隔で行うことである。
【0056】
船舶衝突の再現シミュレーションシステムで生成された事故船舶の実船スケールの推進及び操舵命令は、自由航走官制システムを通じて、模型船スケールの推進及び操舵命令に変換されて、後述する自由航走模型システムに認可される。
【0057】
自由航走模型システムは、自由航走模型船を用いて、衝突事故船舶の自由航走模型試験を行うことである。
【0058】
自由航走模型システムに認可された推進及び操舵命令に従って、自由航走模型船は、屋外試験場又は室内海洋工学水槽試験施設で物理的に移動して、運航情報を獲得することができる。
【0059】
かかる自由航走模型船に設置されたGPS、測位センサ、ジャイロセンサを介して、自由航走模型船のリアルタイム運航情報(位置、速度、方位、姿勢情報)を獲得する。
【0060】
また、前記獲得された自由航走模型船の運航情報は、無線通信を通じて遠隔で、自由航走官制システムの模型船スケールに伝達される。
【0061】
このように、自由航走官制システムの模型船スケールに伝達された運航情報は、実船スケールに変換されて、船舶衝突の再現シミュレーションシステム上に衝突船舶の運航軌跡で表され、船舶衝突の再現シミュレーションシステムのシミュレーション軌跡の結果と共に示されることで、リアルタイムで検証することができる。
【0062】
このとき、実船スケールの長さ対前記模型船スケールの長さと定義される縮尺比(scale ratio)によるフルードの相似則が適用されて、模型船スケールが実船スケールに変換される(式1参照)。
【0063】
[式1]自由航走模型試験の運航情報及び制御情報に対する実船-模型船の変換法則
【数1】
【0064】
式1におけるλは、縮尺比を意味し、ts、tmは、それぞれ実船と模型船の時間を意味し、Ls、Lmは、それぞれ実船と模型船の長さを意味する。
【0065】
(外1)
は、実船と模型船の横動揺れ角を意味し、
(外2)
は、実船と模型船の縦動揺れ角を意味する。
【0066】
(外3)
は、実船と模型船の船首角を意味し、
(外4)
は、実船と模型船の舵角を意味する。
【0067】
Us、Umは、実船と模型船の速度を意味し、
(外5)
は、実船と模型船の前進方向速度を意味する。
【0068】
(外6)
は、実船と模型船の横動揺れ角速度を意味し、
(外7)
は、実船と模型船の縦動揺れ角速度を意味する。
【0069】
(外8)
は、実船と模型船の船首角速度を意味し、
(外9)
は、実船と模型船の舵角速度を意味する。
【0070】
さらに、自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムは、船舶衝突事故を再現する再現モードと、衝突事故時点に衝突を回避する避航モードを具現することができる。
【0071】
かかる避航モードでは、船舶衝突事故の軌跡を追従している途中、事故時刻の前に使用者は、船舶衝突の危険が発生時、回避するための推進及び操舵命令を認可して、避航評価を行うことになる。
【0072】
このとき、自由航走模型システムに採用される自由航走模型船は、2隻が運用可能である。
【0073】
他の方法として、自由航走模型システムに採用される自由航走模型船は、自船であって、船舶衝突の再現シミュレーションシステムには、仮想のシミュレーション船舶である相手船に設定して運用することもできる。
【0074】
さらに、船舶衝突の再現シミュレーションシステムで付与された仮想の船舶衝突事故状況の運航情報に従って、自由航走模型船が自由航走模型試験を行い、自船の自由航走模型船の試験情報は、船舶衝突の再現シミュレーションシステムにアップデートされる。
【0075】
また、自船である自由航走模型船の衝突を回避するために、操舵及び推進命令値は、手動又は自動で算出されて、物理的な自由航走模型試験の際、自船の避航試験が行われ、相手船の避航評価に際して自船は、事故状況をそのまま自由航走試験で再現されて、相手船は、仮想シミュレーションで避航評価が行われる。
【0076】
図3は、本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムにおいて、自由航走模型システムに採用される水槽と曳引電車を示した図面である。
【0077】
自由航走模型システムによって行われる自由航走模型試験は、公認試験技法として、公認機関であるITTC(国際水槽会議)による自由航走試験技法が適用される。
【0078】
また、自由航走模型試験の際、専門家の立会いのもとで試験を行う。
【0079】
2隻の衝突対象船舶の縮尺比変換に伴い、事故海域領域による試験方法として、海洋工学水槽内領域は、50m×30mであって、海洋工学水槽内領域における試験が可能である場合は、水槽自由航走試験を行い、水槽領域を超える場合は、屋外自由航走試験を行う。
【0080】
ただし、IMO(国際海士機構)の勧める方法に従って、外力の影響を考慮するのが好ましい。
【0081】
図4は、本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムにおいて、自由航走模型システムに採用された自由航走模型船の例を示した図面であり、図5は、本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムにおける自由航走模型システムの構成を示した図面である。
【0082】
本発明による自由航走模型システムは、次のように構成される。
(1)KRISO海洋工学水槽/屋外自由船走用の自由航走試験支援設備
→CPMCに基づく自由航走試験システム/屋外自由船走用の官制システム
(2)KRISO海洋工学水槽/屋外自由船走用の自由航走試験測定装置
→CPMCに基づく模型船位置追跡システム/屋外自由船走用の精密測位システム
【0083】
【表1】
【0084】
(3)自由航走模型船:船舶衝突事故の船舶として舵機及び推進装置(プロペラ)を含み
(4)自由航走模型システムセンサ:自由航走模型船の位置、速度、方位を計測するための測位センサ
(5)自由航走模型システム制御機:自由航走模型船の推進/操舵用モータ制御機
【0085】
図6は、本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムに基づく衝突危険度及び回避可能性を評価するための概念図であり、図7は、本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムによって、衝突危険度の評価機能が具現された例を示した図面であり、図8は、本発明による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムによって、回避可能性の評価機能が具現された例を示した図面である。
【0086】
自船は、物理的に自由航走模型船を意味し、仮想でも同時に存在する。
【0087】
仮想船舶衝突の再現シミュレーションシステム上で付与された船舶衝突事故状況の運航情報に従って、同時に物理的な自由航走模型試験を行い、自船の模型試験情報が、船舶衝突の再現シミュレーションシステムにアップデートされる。
【0088】
自船の衝突を回避するために、操舵及び推進命令値は、手動又は自動で算出されて、これを用いて物理的な自由航走模型試験の際、自船の避航試験が行われる。
【0089】
ただし、相手船の避航評価に際して自船は、事故状況をそのまま自由航走試験で再現されて、相手船は、仮想シミュレーションで避航評価が行われる。
【0090】
自船の自由航走模型試験の結果としてアップデートされた運航(避航)軌跡と、仮想で存在する相手船舶との運航情報に基づいて、リアルタイムで衝突危険度(回避可能性)を評価する。
【0091】
よって、自船の衝突事故の再現データと、物理的な自由航走模型試験上の運航軌跡(避航軌跡)とを比較して、衝突の再現システムの再現性能(回避可能性)を試験的に検証することになる。
【0092】
以上、一部の例を挙げて、本発明の好ましい様々な実施例について説明したが、本「発明を実施するための形態」の項目に記載の様々な実施例に関する説明は、例示的なものに過ぎないし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、以上の説明から本発明を様々に変形して実施するか、本発明と均等な実施を行うことができる点を理解することができる。
【0093】
また、本発明は、他の様々な形態に具現することができるため、上述した説明によって限定されるものではなく、以上の説明は、本発明で開示の内容を完全にするためのものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求範囲の各請求項によって定義されるだけである。
【符号の説明】
【0094】
10 船舶衝突の再現シミュレーションシステム
20 自由航走官制システム
30 自由航走模型システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶衝突事故の運航軌跡が入力されて、船舶衝突事故を再現する船舶衝突の再現シミュレーションシステム;
自由航走模型船を用いて、衝突事故船舶の自由航走模型試験を行う自由航走模型システム;及び、
前記自由航走模型試験を遠隔で行う自由航走管制システム;を含み、
前記自由航走模型船のリアルタイム運航情報は、前記自由航走管制システムの模型船スケールに伝達され、前記伝達された模型船スケールは、実船スケールに変換されて、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステム上に衝突船舶の運航軌跡として表され、
前記船舶衝突事故の再現は、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムにおけるシミュレーションと、前記自由航走模型システムにおける自由航走模型試験とが同時に行われることを特徴とする、
自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項2】
船舶衝突事故の運航軌跡が入力されて、船舶衝突事故を再現する船舶衝突の再現シミュレーションシステム;
自由航走模型船を用いて、衝突事故船舶の自由航走模型試験を行う自由航走模型システム;及び、
前記自由航走模型試験を遠隔で行う自由航走管制システム;を含み、
前記船舶衝突の再現シミュレーションシステム上で衝突軌跡に沿って事故を再現するために、経路を追従するため事故船舶の実船スケールの推進及び操舵命令が生成され、
前記自由航走模型船のリアルタイム運航情報は、前記自由航走管制システムの模型船スケールに伝達され、前記伝達された模型船スケールは、実船スケールに変換されて、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステム上に衝突船舶の運航軌跡として表されることを特徴とする、
自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項3】
前記事故船舶の実船スケールの推進及び操舵命令は、前記自由航走管制システムを通じて、模型船スケールの推進及び操舵命令に変換されて、前記自由航走模型システムに認可されることを特徴とする、
請求項2に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項4】
前記自由航走模型システムに認可された推進及び操舵命令に従って、自由航走模型船は、屋外試験場又は室内海洋工学水槽試験施設で物理的に移動して、運航情報を獲得することを特徴とする、
請求項3に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項5】
前記海洋工学水槽の内部領域は、50m×30mであって、前記海洋工学水槽の内部領域における試験が可能である場合は、水槽自由航走試験を行い、前記海洋工学水槽の内部領域を超える場合は、屋外自由航走試験を行うことを特徴とする、
請求項4に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項6】
前記自由航走模型船に設置されたGPS、測位センサ、ジャイロセンサを介して、前記自由航走模型船のリアルタイム運航情報(位置、速度、方位、姿勢情報)を獲得することを特徴とする、
請求項4に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項7】
前記獲得された自由航走模型船の運航情報は、無線通信を通じて遠隔で、前記自由航走管制システムの模型船スケールに伝達されることを特徴とする、
請求項6に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項8】
前記自由航走管制システムの模型船スケールに伝達された運航情報は、実船スケールに変換されて、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステム上に衝突船舶の運航軌跡で表され、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムのシミュレーション軌跡の結果と共に示されることで、リアルタイムで検証することができることを特徴とする、
請求項7に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項9】
前記実船スケールの長さ対前記模型船スケールの長さと定義される縮尺比によるフルードの相似則が適用されて、模型船スケールが実船スケールに変換されることを特徴とする、
請求項8に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項10】
前記自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムは、船舶衝突事故を再現する再現モードと、衝突事故時点に衝突を回避する避航モードを具現することができることを特徴とする、
請求項2に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項11】
前記避航モードでは、船舶衝突事故の軌跡を追従している途中、事故時刻の前に使用者は、船舶衝突の危険が発生時、回避するための推進及び操舵命令を認可して、避航評価を行うことを特徴とする、
請求項10に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項12】
前記自由航走模型システムに採用される自由航走模型船は、2隻が運用可能であることを特徴とする、
請求項2に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項13】
前記自由航走模型システムに採用される自由航走模型船は、自船であって、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムには、仮想のシミュレーション船舶である相手船に設定して運用することを特徴とする、
請求項2に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項14】
前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムで付与された仮想の船舶衝突事故状況の運航情報に従って、前記自由航走模型船が、自由航走模型試験を行い、自船の自由航走模型船の試験情報は、前記船舶衝突の再現シミュレーションシステムにアップデートされることを特徴とする、
請求項13に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項15】
自船である自由航走模型船の衝突を回避するために、操舵及び推進命令値は、手動又は自動で算出されて、物理的な自由航走模型試験の際、自船の避航試験が行われ、
相手船の避航評価に際して自船は、事故状況をそのまま自由航走試験で再現されて、
相手船は、仮想シミュレーションで避航評価が行われることを特徴とする、
請求項14に記載の自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システム。
【請求項16】
請求項1~請求項15のうちいずれか一項による自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現システムを利用して、船舶衝突事故を再現する再現方法であって、
リアルタイムで船舶衝突事故を再現するとともに、船舶衝突事故の再現シミュレーションをリアルタイムで検証することができる、
自由航走模型試験を用いた船舶衝突事故の再現方法。