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特開2023-82695プリフォームの支持および移動のための把持装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082695
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】プリフォームの支持および移動のための把持装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/42 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
B29C49/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022192857
(22)【出願日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】102021000030506
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102021000030539
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】516023722
【氏名又は名称】サクミ・イモラ・ソシエタ・コーペラティバ
【氏名又は名称原語表記】SACMI IMOLA S.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ・ザネリ
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ・マッサーリ
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AG07
4F208AH55
4F208AJ08
4F208LA07
4F208LB01
4F208LD05
4F208LG03
4F208LG19
4F208LJ14
4F208LJ23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プリフォームの支持および移動のための把持装置を提供する。
【解決手段】プリフォーム(50)の支持および移動のための把持装置(1)であって、プリフォーム(50)は長手方向軸に沿って延在しており、長手方向軸に略垂直な配置面上に位置する環状の径方向張出し部(52)を縁で形成するアクセスポート(51)が設けられたタイプのものであり、把持装置(1)は、空気供給導管(3)に機能的に関連付けられ、少なくとも1つの空気出口ノズル(5)に接続された支持要素を含み、ノズル(5)は、少なくとも1つのそれぞれの空気流を生成するように適合されており、空気流は、保持されるべきプリフォーム(50)が接触なしで支持されることを可能にするために、それ自体を、プリフォーム(50)の径方向張出し部(52)の少なくとも一部分と平行に配置するように設計されている、把持装置(1)である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリフォーム(50)の支持および移動のための把持装置(1)であって、前記プリフォーム(50)は長手方向軸(100)に沿って延在しており、前記長手方向軸(100)に略垂直な配置面上に位置する環状の径方向張出し部(52)を縁(51a)で形成するアクセスポート(51)が設けられたタイプのものであり、前記把持装置は、空気供給導管(3)に動作可能に関連付けられ、少なくとも1つの空気出口ノズル(5)に接続された支持要素(2)を含み、前記ノズル(5)は、少なくとも1つのそれぞれの空気流を生成するように適合されており、前記空気流は、保持されるべきプリフォーム(50)が接触なしで支持されることを可能にするために、それ自体を、前記プリフォーム(50)の前記径方向張出し部(52)の少なくとも一部分と平行に配置するように設計されていることを特徴とする、把持装置(1)。
【請求項2】
前記支持要素(2)は、支持されるべき前記プリフォーム(5a)の前記アクセス開口(51)で係合するように設計された心出し体(2)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の把持装置(1)。
【請求項3】
前記支持要素(2)は、使用中に前記プリフォーム(50)へと内向きに導く空気送出導管(4)に接続された送出ポート(6)を含むことを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の把持装置(1)。
【請求項4】
前記供給導管(3)を通る空気の通過を強制するように構成された作動手段を含むことを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の把持装置(1)。
【請求項5】
前記送出導管(4)を通る空気の通過を強制するように構成された作動手段を含むことを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の把持装置(1)。
【請求項6】
前記支持要素(2)は、前記環状の径方向張出し部(52)に向かって上向きに面するように設計された表面を規定し、前記少なくとも1つのノズル(5)は、前記それぞれの空気流を、前記プリフォームを保持するように前記表面に当たるように運ぶように適合されることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の把持装置(1)。
【請求項7】
前記支持要素(2)は、互いに面して配置され、それぞれの互いに面する面の間に、前記少なくとも1つのノズル(4)から出るように設計された空気の流れが通過し得る間隙を規定する2つの板状要素(11、12)を含み、前記ノズルは、外向きに方向付けられた前記間隙の出口を含むことを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の把持装置(1)。
【請求項8】
上方に配置された前記板状要素(11)は、前記表面を規定するように、下方に配置された前記板状要素(12)よりも大きい径方向拡張部を有することを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の把持装置(1)。
【請求項9】
前記供給導管(3)は中央の中空体(30)を含み、前記中空体(30)は、使用中、前記プリフォーム(50)の前記長手方向軸(100)と同軸であり、前記表面に当たるように外向きに導くそれぞれのノズル(5)へと導く複数の径方向導管(31)を介して接続されることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の把持装置(1)。
【請求項10】
命令に応じて可動であり、先行する請求項の1項以上に記載の把持装置(1)に関連付けられた支持体を含む、容器の生成のためのプラスチックのプリフォーム(50)を取扱うための機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリフォームの支持および移動のための把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器の生成のためのプラスチックプリフォームの運搬および移動は通常、実質的にプリフォームのネック領域で係合する把持装置および支持装置を使用して行なわれる。
【0003】
そのような把持装置はたとえば、たとえばブロー成形機の上流に配置された調整炉の内部で、予め設定された経路に沿ってプリフォームを運ぶために、もしくは、取扱い機器のさまざまなステーションへプリフォームを給送し、または当該ステーションからプリフォームを荷降ろしするために、使用される。
【0004】
いくつかの場合では、把持装置は、プリフォームのネックの外面上で係合する把持クランプによって構成され、一方、他の場合では、プリフォームの内面を把持するために膨張する「把持具」が使用される。
【0005】
把持ヘッドが、プリフォーム本体の内部に真空を作り出すノズルに機能的に関連付けられ、上縁上に気密封止を作り出す解決策も知られている。
【0006】
しかしながら、従来の把持装置は、広く使用されているものの、特に規格外の形状構造を有するプリフォームを取扱う必要がある場合に、欠点がないわけではない。なぜなら、たとえばそれらはかなりの寸法の開口を有するためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目標は、上述の局面のうちの1つ以上において公知の技術を向上させることができる、プリフォームの支持および移動のための把持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目標内で、この発明の目的は、プリフォームが規格外の形状構造を有していても、プリフォームを効率的にかつ確実に支持することを可能にする、プリフォームの支持および移動のための把持装置を利用可能にすることである。
【0009】
この発明の別の目的は、信頼性が高く、実現が容易で低コストである、プリフォームの支持および移動のための把持装置を提供することである。
【0010】
以下により明らかとなるであろう、この目標とこれらのおよび他の目的とは、オプションで従属請求項の特徴のうちの1つ以上が提供される、請求項1に記載のプリフォームの支持および移動のための把持装置によって達成される。
【0011】
この発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例のために添付図面に示された、この発明に従ったプリフォームの支持および移動のための把持装置のいくつかの好ましいものの排他的ではない実施形態の説明から、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】把持要素がそれぞれのプリフォームを支持して保持する、把持装置の第1の実施形態の断面図である。
図2図1と似ているものの、プリフォームが把持要素から切り離されている図である。
図3図1の断面図の一部の拡大図である。
図4】この発明に従った把持装置の第2の実施形態の正面図である。
図5図4の線V-Vによって識別された配置面に沿って得られた、把持装置の断面図である。
図6図4の線VI-VIによって識別された配置面に沿って得られた、把持装置の断面図である。
図7図6の線VII-VIIによって識別された配置面に沿って得られた、把持装置の断面図である。
図8】プリフォームとの係合の状態にある把持体の断面図である。
図9】把持体がプリフォームからの係合解除の状態にある、図8と似た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、本発明は、概して参照番号1で示された、プリフォーム50の支持および移動のための把持装置に関する。プリフォーム50は長手方向軸100に沿って延在しており、長手方向軸100に略垂直な配置面上に位置する環状の径方向張出し部(flaring)52を縁51aで規定するアクセスポート51を有するタイプのものである。
【0014】
本発明によれば、把持装置1は、空気供給導管3に動作可能に関連付けられ、少なくとも1つの空気流出ノズル5に接続された支持要素2を含む。
【0015】
少なくとも1つのノズル5は特に、空気の少なくとも1つのそれぞれの流れを生成するように適合されており、当該流れは、保持されるべきプリフォーム50が接触なしで支持されることを可能にするために、それ自体を、プリフォーム50の径方向張出し部52の少なくとも一部分と平行に配置するように設計されている。
【0016】
実際には、支持要素2は、保持されるべきプリフォーム50の径方向張出し部52に向かって少なくとも部分的に面するように設計された、環状の「ベルヌーイ」吸盤を提供するように構成される。
【0017】
有利には、支持要素2は、支持されるべきプリフォーム50のアクセス開口51で係合するように設計された心出し体(centering body)2aを含む。
【0018】
好都合なことに、支持要素2は、使用中にプリフォーム50へと内向きに導く空気送出導管4に接続された送出ポート6を含む。
【0019】
供給導管3、および送出導管4(存在する場合)は、圧縮空気または圧力下の空気を供給するための手段(図面に図示せず)に接続される。
【0020】
送出ポート6には、必要であれば支持要素2からのプリフォーム50の係合解除を容易にするように適合された空気の流れが、命令に応じて当たる。
【0021】
把持装置1は、支持要素2がプリフォーム50を保持することを可能にするように、供給導管3を通る空気の通過を強制するように構成された作動手段を含む。
【0022】
支持要素2からプリフォーム50を解放することが必要である場合、これらの作動手段は、送出導管4を通る空気の通過も強制するように構成され得る。
【0023】
好都合なことに、支持要素2は、プリフォーム50の径方向張出し部52に向かって上向きに面するように設計された、好ましくは平らで、好ましくは環状拡張部を有する表面20を規定する。
【0024】
この具体的な場合、ノズル5(または各ノズル5)は、支持要素2がプリフォーム50を保持することを可能にするような部分真空を作り出すように、それぞれの空気流を、表面20に当たるように運ぶように適合される。
【0025】
具体的には、部分真空は実質的に、プリフォームの径方向張出し部52に対向して配置された環状部分20でのみ生成される。
【0026】
図1~3に示される実施形態を参照して、支持要素2は、互いに面して配置され、それぞれの互いに面する面の間に、少なくとも1つのノズル5から出るように設計された空気の流れが通過し得る間隙を規定する2つの板状要素11、12を含む。
【0027】
この場合、ノズル5は、外側に向けて方向付けられた間隙の出口を含む。
そのような実施形態を参照して、上方に配置された板状要素11は、径方向張出し部52に向かって面するように設計された表面20を規定するように、下方に配置された板状要素12よりも大きい径方向拡張部を有する。
【0028】
これに代えて、図4~7に示されるように、把持装置1は、中央の中空体30によって構成された供給導管3を含み、中空体30は、使用中、プリフォーム50の軸100と同軸であり、表面20に当たるために外向きに導くそれぞれのノズル5へ、複数の径方向導管31を介して接続される。
【0029】
概念的に類似しているものの、より少ない保持力を提供する、そのような解決策は、その動作に必要な空気の量をかなり減少させる。
【0030】
そのため、短い保持時間で迅速な変位が必要とされる給送または荷降ろしのための星形コンベヤで、図1~3に示される構成と似た構成を有する把持装置1を使用することが可能であり、また、プリフォーム50が、たとえばブロー成形ステーションの上流に配置された調整炉を通過している間などといった、比較的長時間保持されるべきである場合、図4~7に示される構成と似た構成を有する把持装置が使用され得る。
【0031】
さらなる局面によれば、本発明は、命令に応じて可動であり、先行する請求項の1項以上に記載の把持装置1に関連付けられた支持体を含む、容器の生成のためのプラスチックのプリフォーム50を取扱うための機器に関する。
【0032】
そのような支持体は、上で説明されたように、プリフォームを給送または荷降ろしするための星形コンベヤまたはマニピュレータに統合可能であり、もしくは、それらは、調整炉を通過するためのコンベヤ要素、たとえばカテナリに関連付けられ得る。
【0033】
図8および図9を参照して、プリフォームを取扱うための機器は第1の移送ステーションを含み、それは、把持体25’を含む少なくとも1つのそれぞれの把持装置1’に関連付けられた複数の把持要素を支持する。把持体25’は、少なくとも1つのそれぞれのプリフォーム50’をそれぞれの形成キャビティに給送するために、給送ラインから当該プリフォーム50’を有利にピックアップするように設計されている。
【0034】
把持要素は第1のアームを含み、第1のアームは、それが略垂直の旋回軸を中心として命令に応じて回転するために移送カルーセルによって回転可能であるように支持される。把持要素はさらに、第2のアームを含み、第2のアームは、長手方向に延在し、第2のアームの延在方向と略平行である前進/後退方向に沿って第1のアームに対して命令に応じて摺動可能である。
【0035】
本発明によれば、把持体25’は、実質的にプリフォーム開口領域によってプリフォーム50’を安定して保持するように構成された連結要素25a’を含む。
【0036】
連結要素25a’は、垂直方向と平行な少なくとも1つの成分を有する運動軌跡に沿って第2のアームに対して命令に応じて可動である。
【0037】
特に、連結要素25a’は、実質的にプリフォーム開口からの係合解除のステップで、運動軌跡に沿って可動である。
【0038】
起こり得る実用的な実施形態によれば、把持体25’は、それが、実質的にプリフォーム開口からの係合解除のステップで、略水平でありかつ前進/後退方向に略垂直である傾斜軸を中心として命令に応じて回転するために第2のアームによって回転可能であるように支持される。
【0039】
傾斜軸を中心とする把持体25’の角運動は、この場合、運動軌跡に沿った連結要素25a’の動きを決定する。
【0040】
図8および図9に示される実施形態を参照して、連結装置25a’は、プリフォーム50’によって規定された連結部分25a’と平行に方向付けられた空気ブレード90’を提供するように適合された手段によってプリフォーム50’を保持するように構成されることが可能である。
【0041】
具体的には、空気ブレード90’を提供するように適合された手段は、出口へと外向きに導く環状形状の間隙を規定するように互いに間隔をあけた2つの板状要素91’および92’を含む。出口は、連結部分25a’の近傍に、有利には上方に配置されており、間隙に接続された供給チャネルによって供給された空気流が、連結部分25a’に当たるであろう空気ブレードを生成することができ、その結果、実質的にベルヌーイ効果に起因して、プリフォーム50’自体と連結要素25a’とが実際に接触することなくプリフォーム50が保持されることを保証することができるようになっている。
【0042】
この発明に従った把持装置の動作は、前述の説明から明らかである。
特に、図1に示されるものを参照して、たとえば圧縮機によって生成された圧力下の空気が、この発明に従った支持装置2の供給導管3へ送られ、その下に、保持されるべきプリフォーム50が配置され、オプションで動かされる。
【0043】
供給導管を通過する空気流(矢印200で示す)は、真下で表面20に当たる空気ブレードを生成するように、2つの板状要素11および12間の間隙を通って(軸100を中心として延在する)ノズル5へ送られ、このため、たとえ接触がなくてもプリフォーム50を支持要素2から「懸架された」まま保ちがちな部分真空を作り出す。
【0044】
支持要素2からプリフォームを係合解除することが必要である場合、支持要素2からのプリフォーム40の係合解除を容易にするように、(矢印201によって示されるような)空気を送出導管4へ、ひいては送出ポート6へ供給することが可能である。
【0045】
実際には、この発明は、異なる直径および形状のプリフォームとともに極めて効率的な態様で使用され得る把持装置を提供することによって、意図された目標および目的を十分に達成するということが分かっている。
【0046】
さらに、把持装置は、プリフォームとの直接接触を必要としないため、冷却および加熱の管理を極めて効率的にするということが分かっている。
【0047】
このように考案されたこの発明は、多くの変更および変形が可能であり、それらはすべて、添付された請求項の範囲内にある。また、詳細はすべて、技術的に同等の他の要素によって置き換えられてもよい。
【0048】
実際には、採用される材料は、それらが特定用途ならびに起こり得る寸法および形状と互換性があるならば、要件および技術水準に従ったいかなるものであってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】