(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082698
(43)【公開日】2023-06-14
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
H01G4/30 201H
H01G4/30 201G
H01G4/30 513
H01G4/30 516
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192898
(22)【出願日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0170737
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】宋 京主
(72)【発明者】
【氏名】趙 範俊
(72)【発明者】
【氏名】李 榮憲
(72)【発明者】
【氏名】趙 志弘
(72)【発明者】
【氏名】安 勝旻
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF01
5E001AF04
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG08
5E082GG10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電子部品のIR(絶縁抵抗)特性が向上し、より高い電圧条件で製品を使用しても安定的に回路が作動するのに寄与する電子部品を提供する。
【解決手段】電子部品は、第1方向に沿って積層された誘電体層111と内部電極121、122とを含むキャパシタボディ110およびキャパシタボディ110の一面に配置される外部電極131、132をそれぞれ含む第1積層型キャパシタおよび第2積層型キャパシタと、外部電極の外側に配置される310、320と、外部電極とフレーム端子との間に配置される導電性接着部510、520と、を含む。フレーム端子は、導電性接着部と接触する領域それぞれの第1方向の外周に沿って延びる溝部313、323を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って積層された誘電体層と内部電極とを含むキャパシタボディ、および前記キャパシタボディの一面に配置される外部電極を含む積層型キャパシタと、
前記外部電極の外側に配置されるフレーム端子と、
前記外部電極と前記フレーム端子との間に配置される導電性接着部と、
を含み、
前記フレーム端子は、前記導電性接着部と接触する領域の第1方向の外周に沿って延びる溝部を有する、
電子部品。
【請求項2】
前記溝部は、前記フレーム端子の前記積層型キャパシタに対向する面に位置する、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記溝部は、
前記第1方向に延びる第1部分溝部と、
前記第1方向と異なる第2方向に延びる第2部分溝部と、
を含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記溝部は、第3部分溝部および第4部分溝部をさらに含み、
前記第3部分溝部は、前記第1方向に延び、
前記第4部分溝部は、前記第2方向に延びる、請求項3に記載の電子部品。
【請求項5】
前記溝部は、前記導電性接着部と接触する領域の外周を囲む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項6】
前記溝部は、前記導電性接着部と接触する領域の外周と前記フレーム端子の周縁との間に位置する、請求項1に記載の電子部品。
【請求項7】
前記溝部は、前記フレーム端子の周縁までは延びない、請求項1に記載の電子部品。
【請求項8】
前記溝部は、一末端と他の末端とが互いに連結された閉回路(closed circuit)形状である、請求項1に記載の電子部品。
【請求項9】
前記溝部は、凹んで長く掘られた縞形状を有する、請求項1に記載の電子部品。
【請求項10】
前記第1部分溝部および前記第2部分溝部の長さは、それぞれ対応する前記外部電極の一辺の長さより大きいかまたは等しい、請求項3に記載の電子部品。
【請求項11】
前記溝部の平均幅比率は、前記フレーム端子の平均厚さ対比50%以下である、請求項1に記載の電子部品。
【請求項12】
前記溝部の平均深さ比率は、前記フレーム端子の平均厚さ対比50%以下である、請求項1に記載の電子部品。
【請求項13】
前記フレーム端子は、基材部と、前記基材部の表面に配置されるメッキ部とを含み、
前記溝部は、前記メッキ部が除去された領域である、請求項1に記載の電子部品。
【請求項14】
前記メッキ部は、SnまたはSnを主成分として含む合金を含む、請求項13に記載の電子部品。
【請求項15】
第1方向に沿って積層された誘電体層と内部電極とを含むキャパシタボディ、および前記キャパシタボディの一面に配置される外部電極をそれぞれ含む第1積層型キャパシタおよび第2積層型キャパシタと、
前記外部電極の外側に配置されるフレーム端子と、
前記外部電極と前記フレーム端子との間に配置される導電性接着部と、
を含み、
前記フレーム端子は、前記導電性接着部と接触する領域それぞれの第1方向の外周に沿って延びる溝部を有する、
電子部品。
【請求項16】
前記溝部は、
前記第1方向に延びる第1部分溝部と、
前記第1方向と異なる第2方向に延びる第2部分溝部と、
を含む、請求項15に記載の電子部品。
【請求項17】
前記溝部は、第3部分溝部および第4部分溝部をさらに含み、
前記第3部分溝部は、前記第1方向に延び、
前記第4部分溝部は、前記第2方向に延びる、請求項16に記載の電子部品。
【請求項18】
前記溝部はそれぞれ、前記導電性接着部と接触する領域の外周を囲む、請求項15に記載の電子部品。
【請求項19】
前記フレーム端子は、前記溝部を互いに連結する第5部分溝部をさらに含む、請求項15に記載の電子部品。
【請求項20】
前記第5部分溝部は、前記第1積層型キャパシタおよび前記第2積層型キャパシタに対向する前記フレーム端子の面上から第1方向に延びる、請求項19に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関し、より詳しくは、積層型セラミックキャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品は、小型化および高容量の実現が可能で様々な電子機器に用いられる。特に、高周波特性と耐熱性が良いというメリットにより、最新IT機器に必須に用いられる。
【0003】
最近は、環境にやさしい自動車および電気自動車の急激な浮上により、自動車内の電力駆動システムが増加しており、このため、自動車に必要な積層型キャパシタのような電子部品の需要が増加している。
【0004】
自動車用部品への使用のためには、高い水準の熱に耐える特性や、または電気的信頼性が要求されるので、電子部品の要求される性能も次第に高度化されている。
【0005】
このため、限られた空間で高容量を実現できるか、または振動および変形に対する耐久性に優れた電子部品に対する要求が増加している。しかし、既存の電子部品は、基板に直接実装するようになっていて、基板から発生する熱や変形が電子部品本体に直接伝達され、信頼性の確保に困難がある。これによって、電子部品の側面に金属フレームを接合して電子部品と基板との間の間隔を確保することによって、熱や変形を金属が吸収して電子部品を保護する方法が提案されている。
【0006】
しかし、金属フレームと電子部品との接合に用いられるソルダ(solder)に含まれているフラックス(flux)成分が電子部品のガラス(glass)成分を溶解させて水分浸透経路を作り、それによって耐湿信頼性および絶縁抵抗が劣化したり、部品の寿命を短縮させる問題が発生しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一実施例は、電子部品のIR(絶縁抵抗)特性が向上し、より高い電圧条件で製品を使用しても安定的に回路が作動するのに寄与できる電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施例による電子部品は、第1方向に沿って積層された誘電体層と内部電極とを含むキャパシタボディ、およびキャパシタボディの一面に配置される外部電極を含む積層型キャパシタと、外部電極の外側に配置されるフレーム端子と、外部電極とフレーム端子との間に配置される導電性接着部と、を含む。
【0009】
フレーム端子は、導電性接着部と接触する領域の第1方向の外周に沿って延びる溝部を有する。
【0010】
溝部は、フレーム端子の積層型キャパシタに対向する面に位置することができる。
【0011】
溝部は、導電性接着部と接触する領域の上側、下側、左側、右側、またはこれらの組み合わせを含む位置に配置される。
【0012】
溝部は、第1方向に延びる第1部分溝部と、第1方向と異なる第2方向に延びる第2部分溝部とを含むことができる。
【0013】
溝部は、第3部分溝部および第4部分溝部をさらに含み、第3部分溝部は、第1方向に延び、第4部分溝部は、第2方向に延びることができる。
【0014】
溝部は、導電性接着部と接触する領域の外周を囲むことができる。
【0015】
溝部は、導電性接着部と接触する領域の外周とフレーム端子の周縁との間に位置することができる。
【0016】
溝部は、フレーム端子の周縁までは延びない。
【0017】
溝部は、一末端と他の末端とが互いに連結された閉回路(closed circuit)形状であってもよい。
【0018】
溝部は、凹んで長く掘られた縞形状を有することができる。
【0019】
第1部分溝部および第2部分溝部の長さは、それぞれ対応する外部電極の一辺の長さより大きいかまたは等しい。
【0020】
溝部の平均幅比率は、フレーム端子の平均厚さ対比50%以下であってもよい。
【0021】
溝部の平均深さ比率は、フレーム端子の平均厚さ対比50%以下であってもよい。
【0022】
フレーム端子は、基材部と、基材部の表面に配置されるメッキ部とを含むことができる。
溝部は、メッキ部が除去された領域であってもよい。
【0023】
メッキ部は、SnまたはSnを主成分として含む合金を含むことができる。
【0024】
導電性接着部は、ソルダ(solder)または導電性樹脂ペーストを含むことができる。
【0025】
他の実施例による電子部品は、第1方向に沿って積層された誘電体層と内部電極とを含むキャパシタボディ、およびキャパシタボディの一面に配置される外部電極をそれぞれ含む第1積層型キャパシタおよび第2積層型キャパシタと、外部電極の外側に配置されるフレーム端子と、外部電極とフレーム端子との間に配置される導電性接着部と、を含む。
【0026】
フレーム端子は、導電性接着部と接触する領域それぞれの第1方向の外周に沿って延びる溝部を有することができる。
【0027】
溝部は、第1方向に延びる第1部分溝部と、第1方向と異なる第2方向に延びる第2部分溝部とを含むことができる。
【0028】
溝部は、第3部分溝部および第4部分溝部をさらに含み、第3部分溝部は、第1方向に延び、第4部分溝部は、第2方向に延びることができる。
【0029】
溝部はそれぞれ、導電性接着部と接触する領域の外周を囲むことができる。
【0030】
フレーム端子は、溝部を互いに連結する第5部分溝部をさらに含むことができる。
【0031】
第5部分溝部は、フレーム端子の積層型キャパシタに対向する面上から第1方向に延びることができる。
【発明の効果】
【0032】
実施例による電子部品によれば、積層型キャパシタを金属フレームに接合させて、曲げ強度、変形、および音響ノイズなどに対する耐性を向上させながらも、積層型キャパシタと金属フレームとがソルダ(solder)によって接合される時、フラックス(flux)成分が外部電極、セラミック境界およびキャパシタボディ側に侵入するのを防止することができ、これによって電子部品のIR(絶縁抵抗)特性が向上して、より高い電圧条件で製品を使用しても安定的に回路が作動するのに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】一実施例による電子部品を示す部分分解斜視図である。
【
図2】
図1のI-I’線に沿った電子部品の断面図である。
【
図3】
図1の積層型キャパシタにおいて内部電極の積層構造を示す分離斜視図である。
【
図4】
図1の積層型キャパシタを示す斜視図である。
【
図6】他の実施例による電子部品を示す部分分解斜視図である。
【
図7】
図6のII-II’線に沿った電子部品の断面図である。
【
図8】
図6の第2溝部の多様な形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付した図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳しく説明する。図面にて本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、添付した図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面によって本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
【0035】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0036】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されていたり、または接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されなければならない。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いたり、「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことが理解されなければならない。
【0037】
明細書全体において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」とすると時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0038】
図1は、一実施例による電子部品を示す部分分解斜視図であり、
図2は、
図1のI-I’線に沿った電子部品の断面図であり、
図3は、
図1の電子部品において内部電極の積層構造を示した分離斜視図であり、
図4は、
図1の積層型キャパシタを示す斜視図であり、
図5は、
図1のA部分を拡大した図である。
【0039】
本実施例を明確に説明するために方向を定義すれば、図面に表示されたX、YおよびZはそれぞれ、キャパシタボディ110の長手方向、幅方向および厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向であるZ方向は、誘電体層111が積層される積層方向と同じ概念で使用できる。X方向は、Z方向と略垂直な一方向を意味し、Y方向は、Z方向と略垂直な方向でかつ、X方向とも略垂直な方向と定義することができる。
【0040】
図1~
図5を参照すれば、本実施例による電子部品は、積層型キャパシタ100と、第1および第2フレーム端子310、320と、第1および第2導電性接着部510、520とを含む。
【0041】
積層型キャパシタ100は、キャパシタボディ110と、キャパシタボディ110のX方向に対向する両端に配置される第1および第2外部電極131、132とを含む。
【0042】
積層型キャパシタ100のキャパシタボディ110は、複数の誘電体層111をZ方向に積層した後に焼成したものであって、複数の誘電体層111と、誘電体層111を挟んでZ方向に交互に配置される複数の第1および第2内部電極121、122とを含む。
【0043】
そして、キャパシタボディ110のZ方向に両側には、必要な場合、所定厚さのカバー112、113が形成される。
【0044】
この時、キャパシタボディ110の互いに隣接するそれぞれの誘電体層111は、互いに境界を確認できない程度に一体化される。
【0045】
一例として、このようなキャパシタボディ110は、概ね六面体形状であってもよい。
【0046】
本実施例では、説明の便宜のために、キャパシタボディ110においてZ方向に互いに対向する両面を第1および第2面、第1および第2面と連結され、X方向に互いに対向する両面を第3および第4面、第1および第2面と連結され第3および第4面と連結され、Y方向に互いに対向する両面を第5および第6面と定義することとする。一例として、下面である第1面が実装方向を向く面になってもよい。
【0047】
一例として、誘電体層111は、高誘電率のセラミック材料を含むことができる。例えば、セラミック材料は、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを含むことができる。また、これらの成分に、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの補助成分をさらに含むことができる。例えば、BaTiO3系誘電体セラミックに、Ca、Zrなどが一部固溶した(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3またはBa(Ti1-yZry)O3などを含むことができる。
【0048】
また、誘電体層111には、セラミック粉末と共に、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤および分散剤などがさらに添加される。セラミック添加剤は、例えば、遷移金属酸化物または遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などが使用できる。
【0049】
一例として、誘電体層111の平均厚さは、0.5μm~10μmであってもよい。
【0050】
第1および第2内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する電極であって、誘電体層111を挟んでZ方向に沿って互いに対向して交互に配置され、一端がキャパシタボディ110の第3および第4面を介してそれぞれ露出できる。
【0051】
第1および第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁される。
【0052】
キャパシタボディ110の第3および第4面を介して交互に露出する第1および第2内部電極121、122の端部は、第1および第2外部電極131、132とそれぞれ接続されて電気的に連結可能である。
【0053】
第1および第2内部電極121、122は、導電性金属を含み、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、またはAuなどの金属やこれらの合金、例えば、Ag-Pd合金を含むことができる。
【0054】
一例として、第1および第2内部電極121、122は、誘電体層111に含まれるセラミック材料と同一組成系の誘電体粒子を含んでもよい。
【0055】
一例として、第1および第2内部電極121、122の平均厚さは、0.1μm~2μmであってもよい。
【0056】
上記の構成により、第1および第2外部電極131、132に所定の電圧を印加すると、互いに対向する第1および第2内部電極121、122の間に電荷が蓄積される。この時、積層型キャパシタ100の静電容量は、Z方向に沿って互いにオーバーラップされる第1および第2内部電極121、122のオーバーラップされた面積に比例する。
【0057】
第1および第2外部電極131、132は、互いに異なる極性の電圧が提供され、第1および第2内部電極121、122の露出する部分とそれぞれ接続されて電気的に連結可能である。
【0058】
第1および第2外部電極131、132は、キャパシタボディ110の第3および第4面にそれぞれ配置されて第1および第2内部電極121、122とそれぞれ接続される第1および第2接続部1311、1321と、キャパシタボディ110の第1および第2面と前記第3面および第4面との出会う角に配置される第1および第2バンド部1312、1322とをそれぞれ含むことができる。
【0059】
第1および第2バンド部1312、1322は、第1および第2接続部1311、1321からキャパシタボディ110の第1および第2面の一部までそれぞれ延びることができる。第1および第2バンド部1312、1322は、第1および第2接続部1311、1321からキャパシタボディ110の第5および第6面の一部までそれぞれさらに延びることができる。
【0060】
第1および第2外部電極131、132は、キャパシタボディ110と接触する第1および第2ベース電極131a、132aと、第1および第2ベース電極131a、132aをそれぞれ覆うように配置される第1および第2端子電極131b、132bとをそれぞれ含むことができる。
【0061】
第1および第2ベース電極131a、132aは、銅(Cu)を含むことができる。あるいは、第1および第2ベース電極131a、132aは、銅(Cu)を主成分として含有し、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、またはこれらの合金のうちの1つ以上の物質と、ガラスとを含む導電性ペーストを含むことができる。
【0062】
一例として、第1および第2ベース電極131a、132aの形成方法は、導電性金属およびガラスを含む導電性ペーストにキャパシタボディ110をディッピングして形成するか、導電性ペーストをキャパシタボディ110の表面にスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などで印刷するか、導電性ペーストをキャパシタボディ110の表面に塗布するかまたは導電性ペーストを乾燥させた乾燥膜をキャパシタボディ110上に転写して形成することができる。
【0063】
第1ベース電極131aおよび第2ベース電極132aを前述した導電性ペーストで形成することによって、十分な伝導性を維持しながらも、添加したガラスによって第1および第2外部電極131、132の緻密度を高めることによって、メッキ液および/または外部水分の浸透を効果的に抑制することができる。
【0064】
一例として、第1ベース電極131aおよび第2ベース電極132aに含まれるガラス成分は、酸化物が混合された組成であってもよいし、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物からなる群より選択された1つ以上であってもよい。遷移金属は、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、銅(Cu)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)からなる群より選択され、アルカリ金属は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)からなる群より選択され、アルカリ土類金属は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)からなる群より選択された1つ以上であってもよい。
【0065】
一例として、第1および第2端子電極131b、132bは、ニッケル(Ni)を主成分として含有することができ、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタン(Ti)または鉛(Pb)などの単独またはこれらの合金をさらに含むことができる。第1および第2端子電極131b、132bは、積層型キャパシタ100の基板との実装性、構造的信頼性、外部に対する耐久度、耐熱性および等価直列抵抗値(Equivalent Series Resistance、ESR)を改善することができる。
【0066】
一例として、第1および第2端子電極131b、132bは、メッキによって形成される。第1および第2端子電極131b、132bは、スパッタまたは電解メッキ(Electric Deposition)によって形成される。
【0067】
積層型キャパシタ100は、第1および第2フレーム端子310、320の間に配置される。例えば、第1および第2フレーム端子310、320は、第1および第2外部電極131、132のX方向の外側にそれぞれ配置される。
【0068】
第1フレーム端子310は、Z方向に延びる第1マウント部311と、第1マウント部311の下端からX方向に延びる第1実装部312とを含む。
【0069】
第2フレーム端子320は、第1マウント部311に対向しZ方向に延びる第2マウント部321と、第2マウント部321の下端からX方向に延びる第2実装部322とを含む。
【0070】
このような構造により、第1および第2フレーム端子310、320は、概ね「L」字形状を有することができ、第1および第2フレーム端子310、320の各端部はX方向に互いに対向するように配置される。
【0071】
第1および第2フレーム端子310、320は、母材からなる基材部と、基材部が積層型キャパシタ100の第1および第2外部電極131、132に対向する面上に位置する第1および第2内側メッキ部と、第1および第2内側メッキ部と反対面に位置する第1および第2外側メッキ部とを含む。
【0072】
第1および第2フレーム端子310、320の基材部は、Ni、Fe、Cu、Ag、Cr、またはこれらの合金を含む母材からなる。例えば、第1および第2フレーム端子310、320の基材部は、Fe-42Ni合金またはFe-18Cr合金であってもよい。一例として、第1および第2フレーム端子310、320の基材部の平均厚さは、0.05mm~0.5mmであってもよい。
【0073】
一例として、第1および第2内側メッキ部と第1および第2外側メッキ部は、下層メッキ部と上層メッキ部を含むことができる。
【0074】
下層メッキ部は、第1および第2フレーム端子310、320の基材部上に位置し、上層メッキ部は、下層メッキ部上に位置することができる。下層メッキ部および上層メッキ部それぞれは、複数のメッキ部を含んでもよい。
【0075】
下層メッキ部は、Ni、Fe、Cu、Ag、Cr、またはこれらの合金を含むことができ、上層メッキ部は、Sn、Ag、Au、またはこれらの合金を含むことができる。例えば、上層メッキ部がSnまたはSnを主成分として含む合金を含む場合、第1および第2フレーム端子310、320のソルダ濡れ性を向上させることができ、第1および第2メッキ部除去部とのソルダ濡れ性の差をより増大させることができる。
【0076】
第1および第2フレーム端子310、320と積層型キャパシタ100とをソルダによって接合する時、ソルダを濡れ性の良い第1および第2内側メッキ部部分にソルダを移動させることによって、積層型キャパシタ100にソルダが拡散するのを防止することができる。
【0077】
また、下層メッキ部が高融点のNi、Fe、Cr、またはこれらの合金を含む場合、第1および第2フレーム端子310、320の耐熱性も向上させることができる。
【0078】
一例として、下層メッキ部の平均厚さは、0.2μm~5.0μmであってもよく、上層メッキ部の平均厚さは、1.0μm~5.0μmであってもよい。
【0079】
積層型キャパシタ100の第1および第2外部電極131、132は、第1および第2フレーム端子310、320とそれぞれ電気的に連結される。このために、電子部品は、第1および第2導電性接着部510、520を含む。
【0080】
第1導電性接着部510は、第1外部電極131と第1フレーム端子310との間に配置され、第2導電性接着部520は、第2外部電極132と第2フレーム端子320との間に配置される。
【0081】
一例として、第1および第2導電性接着部510、520は、ソルダ(solder)や導電性樹脂ペーストなどの導電性接着剤を含むことができる。ソルダは、Sn-Sb系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Cu系、またはSn-Bi系などのソルダを用いることができ、例えば、Sn-Sb系ソルダの場合、Sbの含有率が5%以上15%以下であってもよい。
【0082】
この時、ソルダに含まれているフラックス(flux)成分が積層型キャパシタ100のガラス成分を溶解させて水分浸透経路を作り、それによって耐湿信頼性が劣化しうる。
【0083】
このような問題を解決するために、第1マウント部311は、第1導電性接着部510と接触する領域の外周に第1溝部313を含み、第2マウント部321は、第2導電性接着部520と接触する領域の外周に第2溝部323を含む。第1および第2溝部313、323はそれぞれ、第1および第2導電性接着部510、520と接触する領域の少なくとも第1方向の外周に沿って延びる。一例として、第1方向は、誘電体層111が積層される積層方向であるZ方向であってもよい。つまり、第1および第2溝部313、323はそれぞれ、第1および第2導電性接着部510、520と接触する領域と第1および第2マウント部311、321の第1方向の周縁との間に位置することができる。
【0084】
第1および第2溝部313、323は、接合用ソルダの内部に含まれていたフラックスの側面拡散を防止して電子部品のIR(絶縁抵抗)特性を向上させることができる。
【0085】
第1および第2溝部313、323はそれぞれ、第1および第2マウント部311、312の積層型キャパシタ100に対向する面に位置する。第1および第2マウント部311、312の積層型キャパシタ100に対向する面は、第1および第2マウント部311、312の内側面と定義することができる。
【0086】
第1マウント部311の内側面は、第1導電性接着部510と接触する領域である第1接着領域311aを含み、第2マウント部321の内側面は、第2導電性接着部520と接触する領域である第2接着領域321aを含む。
【0087】
一例として、第1および第2接着領域311a、321aは、第1および第2導電性接着部510、520または第1および第2外部電極131、132の接続部1311、1321のように概ね四角形形状であってもよく、第1および第2導電性接着部510、520または第1および第2外部電極131、132の接続部1311、1321と類似の広さを有することができる。また、第1および第2接着領域311a、321aは、第1および第2マウント部311、312の内側面の周縁を除いた中央領域の任意の高さに配置される。
【0088】
第1溝部313は、第1接着領域311aの外周に配置され、第2溝部323は、第2接着領域321aの外周に配置される。
【0089】
この時、第1溝部313は、第1接着領域311aの外周に沿って互いに異なる方向に延びる第1部分溝部313aおよび第2部分溝部(図示せず)を有し、第2溝部323は、第2接着領域321aの外周に沿って互いに異なる方向に延びる第1部分溝部323aおよび第2部分溝部323cを有する。一例として、互いに異なる方向は、Y方向とZ方向であってもよく、第1部分溝部313a、323aは、Y方向に延び、第2部分溝部323cは、Y方向に延びることができる。
【0090】
一例として、第1溝部313は、第1接着領域311aの上側、下側、左側、右側、またはこれらの組み合わせにそれぞれ配置され、第2溝部323は、第2接着領域321aの上側、下側、左側、右側、またはこれらの組み合わせにそれぞれ配置される。
【0091】
ここで、第1および第2接着領域311a、321aの上側と下側は、Z方向に上方と下方と定義することができ、第1および第2接着領域311a、321aの左側と右側は、Y方向に両側方と定義することができる。
【0092】
一例として、第1溝部313は、第1フレーム端子310の積層型キャパシタ100に対向する面上からY方向に延びる第1部分溝部313aおよび第3部分溝部313bと、Z方向に延びる第2部分溝部(図示せず)および第4部分溝部(図示せず)とを含むことができ、第2溝部323は、第2フレーム端子320の積層型キャパシタ100に対向する面上からY方向に延びる第1部分溝部323aおよび第3部分溝部323bと、Z方向に延びる第2部分溝部323cおよび第4部分溝部323dとを含むことができる。
【0093】
これによって、第1溝部313は、第1接着領域311aの外周を囲むことができ、第2溝部323は、第2接着領域321aの外周を囲むことができる。
【0094】
第1溝部313は、一末端と他の末端とが互いに連結された閉回路(closed circuit)形状であってもよく、第2溝部323も、一末端と他の末端とが互いに連結された閉回路形状であってもよい。例えば、第1部分溝部313a、323aの一末端は、第2部分溝部323cの一末端と連結され、第2部分溝部323cの他の末端は、第3部分溝部313b、323bの一末端と連結され、第3部分溝部313b、323bの他の末端は、第4部分溝部323dの一末端と連結され、第4部分溝部323dの他の末端は、第1部分溝部313a、323aの他の末端と連結される。
【0095】
また、第1溝部313は、第1接着領域311aの外周と第1マウント部311の周縁との間にのみ位置し、第1マウント部311の周縁までは延びない。同様に、第2溝部323は、第2接着領域321aの外周と第2マウント部321の周縁との間にのみ位置し、第2マウント部321の周縁までは延びない。
【0096】
これによって、第1溝部313は、第1接着領域311aの外周を完全閉回路形態で囲むことができ、第2溝部323は、第2接着領域321aの外周を完全閉回路形態で囲むことができる。第1および第2溝部313、323がそれぞれ第1および第2接着領域311a、321aの外周を完全閉回路(closed circuit)形態で囲む場合、ソルダフラックスの拡散防止効果がより優れることができ、基板実装時、外部から浸透するソルダフラックスの浸透も防止可能である。
【0097】
第1および第2溝部313、323は、凹んで長く掘られた縞形状であってもよい。一例として、第1および第2溝部313、323は、幅に比べて深さがより深い形状であってもよい。ここで、第1および第2溝部313、323の幅は、第1および第2溝部313、323がY方向に延びる場合、Z方向の長さであり、Z方向に延びる場合、Y方向の長さであり、第1および第2溝部313、323の深さは、X方向の長さを意味する。
【0098】
例えば、第1および第2溝部313、323の一辺の長さは、それぞれ対応する第1および第2外部電極131、132の一辺の長さより大きいかまたは等しく、より大きくてもよい。つまり、第1部分溝部313a、323a、第2部分溝部323c、第3部分溝部313b、323bおよび第4部分溝部323dの長さは、それぞれ対応する第1および第2接続部1311、1321の一辺の長さより大きいかまたは等しい。
【0099】
この時、第1および第2接続部1311、1321の一辺の長さは、Y-Z平面上における各辺の長さを意味し、例えば、第1部分溝部313a、323aおよび第3部分溝部313b、323bに対応する第1および第2接続部1311、1321の一辺の長さは、Y方向の長さであってもよく、第2部分溝部323cおよび第4部分溝部323dに対応する第1および第2接続部1311、1321の一辺の長さは、Z方向の長さであってもよい。
【0100】
これによって、第1部分溝部313a、323a、第2部分溝部323c、第3部分溝部313b、323bおよび第4部分溝部323dからなる第1および第2溝部313、323の内面積は、第1および第2接続部1311、1321のY-Z方向の平面の面積より大きく、第1および第2溝部313、323はそれぞれ、第1および第2接続部1311、1321を完全閉回路(closed circuit)形態で囲むことができる。
【0101】
第1および第2溝部313、323の内面積が第1および第2接続部1311、1321の面積より小さければ、第1および第2接着領域311a、321aの大きさが減少し、第1および第2フレーム端子310、320と積層型キャパシタ100との接合力が低下して構造的耐久性が低下しうる。
【0102】
例えば、積層型キャパシタ100の大きさが3.2mm(X方向)*2.5mm(Y方向)*2.5mm(Z方向)の場合、第1および第2接続部1311、1321のY-Z平面の形状は正方形であり、一辺の長さは2.5mmであり、この時、第1部分溝部313a、323a、第2部分溝部323c、第3部分溝部313b、323bおよび第4部分溝部323dの一辺の長さは2.5mm以上であってもよい。
【0103】
例えば、積層型キャパシタ100の大きさが3.2mm(X方向)*2.5mm(Y方向)*2.0mm(Z方向)の場合、第1および第2接続部1311、1321のY-Z平面の形状は横型長方形であり、横辺の長さは2.5mmであり、縦辺の長さは2.0mmであり、この時、第1部分溝部313a、323aおよび第3部分溝部313b、323bの長さは2.5mm以上であってもよく、第2部分溝部323cおよび第4部分溝部323dの長さは2.0mm以上であってもよい。
【0104】
例えば、第1および第2溝部313、323の平均幅比率は、第1および第2フレーム端子310、320の平均厚さ対比50%以下、例えば、1%~50%、10%~40%、または20%~30%であってもよい。ここで、第1および第2フレーム端子310、320の厚さは、第1および第2マウント部311、321のX方向の厚さであり、例えば、第1および第2溝部313、323の平均幅比率は、第1および第2溝部313、323の平均幅を第1フレームおよび第2フレーム端子310、320の平均厚さで割った後、100をかけて計算することができる。第1および第2溝部313、323の平均幅比率が50%を超える場合、第1および第2フレーム端子310、320の構造的耐久性が低下しうる。ここで、第1および第2溝部313、323の平均幅は、例えば、第1および第2溝部313、323がY方向に沿って延びる場合、Y方向に沿って所定間隔で位置する任意の3個、5個、または10個の位置で測定された第1および第2溝部313、323の幅値の算術平均値であってもよく、第1および第2フレーム端子310、320の平均厚さは、例えば、Y方向および/またはZ方向に沿って所定間隔で位置する任意の3個、5個、または10個の位置で測定された第1および第2フレーム端子310、320の厚さ値の算術平均値であってもよい。
【0105】
例えば、第1および第2溝部313、323の平均深さ比率は、第1および第2フレーム端子310、320の平均厚さ対比50%以下、例えば、1%~50%、10%~40%、または20%~30%であってもよい。ここで、第1および第2フレーム端子310、320の平均厚さは、第1および第2マウント部311、321のX方向の厚さであり、例えば、第1および第2溝部313、323の平均幅比率は、第1および第2溝部313、323の平均深さを第1および第2フレーム端子310、320の平均厚さで割った後、100をかけて計算することができる。ここで、第1および第2溝部313、323の平均深さは、例えば、第1および第2溝部313、323がY方向に沿って延びる場合、Y方向に沿って所定間隔で位置する任意の3個、5個、または10個の位置で測定された第1および第2溝部313、323の深さ値の算術平均値であってもよく、第1および第2フレーム端子310、320の平均厚さは、例えば、Y方向および/またはZ方向に沿って所定間隔で位置する任意の3個、5個、または10個の位置で測定された第1および第2フレーム端子310、320の厚さ値の算術平均値であってもよい。
【0106】
第1および第2溝部313、323の平均深さ比率が50%を超える場合、第1および第2フレーム端子310、320の構造的耐久性が低下しうる。
【0107】
第1および第2溝部313、323が凹んで長く掘られた縞形状を有する場合、第1および第2溝部313、323の内部にソルダフラックスを閉じ込める効果がより優れており、第1および第2溝部313、323に沿ってソルダフラックスを所望の方向に流れ誘導することもできる。
【0108】
一例として、第1および第2溝部313、323はそれぞれ、第1および第2フレーム端子310、320の基材部の平滑な表面の一部分を除去して形成されるか、第1および第2フレーム端子310、320がそれぞれ第1および第2内側メッキ部を含む場合、第1および第2内側メッキ部の上部メッキ部を除去して下部メッキ部が露出した部分であるか、上部メッキ部および下部メッキ部を除去して基材部が露出した部分であってもよい。
一例として、第1および第2フレーム端子310、320の基材部または第1および第2内側メッキ部を除去する方法は、切削または研磨のような機械的加工、レーザトリミングによる加工、水酸化ナトリウムのようなエッチングによる化学的加工などを利用することができ、または第1および第2フレーム端子310、320の基材部に第1および第2溝部313、323を形成するための部分にレジストを塗布した後、第1および第2内側メッキ部を形成した後、レジストを除去する方法を利用することができる。
【0109】
図6は、他の実施例による電子部品を示す部分分解斜視図であり、
図7は、
図6のII-II’線に沿った電子部品の断面図である。
【0110】
本実施例による電子部品は、上記の電子部品と類似しているので、重複する説明は省略し、差異点を中心に説明する。
【0111】
図1および
図2では、1つの積層型キャパシタ100を含む場合を示すのに対し、
図6および
図7では、複数の積層型キャパシタ100、100’を含む場合を示す。
【0112】
一例として、第1および第2積層型キャパシタ100、100’は、Z方向に配列される。この時、第1積層型キャパシタ100の第1面と第2積層型キャパシタ100’の第2面とが対向するように配置される。
【0113】
あるいは、第1および第2積層型キャパシタ100、100’は、X方向に一列配置されてもよく、Y方向に平行に配置されてもよい。また、積層型キャパシタは、3つ以上がZ方向に積層されてもよい。
【0114】
第1積層型キャパシタ100と第2積層型キャパシタ100’は、互いに一定の間隔をおいて配置される。例えば、第1積層型キャパシタ100と第2積層型キャパシタ100’との間の間隔は、Z方向に0.1mm~1.0mmであってもよい。
【0115】
Z方向に最下部に位置する積層型キャパシタ100’は、第1および第2フレーム端子310、320の第1および第2実装部312、322からZ方向に所定距離離れて配置される。
【0116】
第1および第2積層型キャパシタ100、100’は、第1および第2フレーム端子310、320の間に配置される。
【0117】
これによって、電子部品は、第1および第2積層型キャパシタ100、100’と第1および第2フレーム端子310、320との間にそれぞれ配置される複数の第1導電性接着部510、510’および第2導電性接着部520、520’を含む。
【0118】
複数の第1導電性接着部510、510’および第2導電性接着部520、520’も、第1および第2積層型キャパシタ100、100’と対応する位置にZ方向に配列され、互いに一定の間隔をおいて配置される。
【0119】
第1マウント部311は、第1導電性接着部510、510’と接触する領域の外周に第1溝部313、313’を含み、第2マウント部321は、第2導電性接着部520、520’と接触する領域の外周に第2溝部323、323’を含む。第1溝部313、313’および第2溝部323、323’はそれぞれ、第1および第2導電性接着部510、510’、520、520’と接触する領域の少なくとも第1方向の外周に沿って延びる。一例として、第1方向は、誘電体層111が積層される積層方向であるZ方向であってもよい。つまり、第1溝部313、313’および第2溝部323、323’はそれぞれ、第1および第2導電性接着部510、510’、520、520’と接触する領域と第1および第2マウント部311、321の第1方向の周縁との間に位置することができる。
【0120】
一例として、第1溝部313、313’および第2溝部323、323’も、第1導電性接着部510、510’および第2導電性接着部520、520’と対応する位置にZ方向に配列され、互いに一定の間隔をおいて配置される。
【0121】
第1溝部313、313’および第2溝部323、323’はそれぞれ、第1および第2マウント部311、312の第1および第2積層型キャパシタ100、100’に対向する面に位置する。第1および第2マウント部311、312の第1および第2積層型キャパシタ100、100’に対向する面は、第1および第2マウント部311、312の内側面と定義することができる。
【0122】
第1マウント部311の内側面は、第1導電性接着部510、510’と接触する領域である第1接着領域311aを含み、第2マウント部321の内側面は、第2導電性接着部520、520’と接触する領域である第2接着領域321a、321a’を含む。
【0123】
第1溝部313、313’は、第1接着領域311aの外周に配置され、第2溝部323、323’は、第2接着領域321a、321a’の外周に配置される。
【0124】
第1溝部313、313’はそれぞれ、第1接着領域311aの外周に沿って互いに異なる方向に延びる第1部分溝部313a、313a’および第2部分溝部(図示せず)を有し、第2溝部323、323’はそれぞれ、第2接着領域321a、321a’の外周に沿って互いに異なる方向に延びる第1部分溝部323a、323a’および第2部分溝部323c、323c’を有する。一例として、互いに異なる方向は、Y方向とZ方向であってもよく、第1部分溝部313a、313a’、323a、323a’は、Y方向に延び、第2部分溝部323c、323c’は、Z方向に延びることができる。
【0125】
図8は、
図6の第2溝部323、323’の多様な形状を示す図である。
図8は、
図6における第2マウント部321をX方向から眺めた図である。第1溝部313、313’も、
図8に示された第2溝部323、323’のような多様な形状を有することができる。
図8Aのように、電子部品が複数の第2導電性接着部520、520’を含む場合、第2マウント部321は、第2導電性接着部520、520’とそれぞれ接触する領域である複数の第2接着領域321a、321a’を含み、複数の第2接着領域321a、321a’の外周に沿ってそれぞれ延びた複数の第1部分溝部323a、323a’、第2部分溝部323c、323c’、第3部分溝部323b、323b’および第4部分溝部323d、323d’を含む。
【0126】
この時、第1部分溝部323a、323a’または第3部分溝部323b、323b’と、第2部分溝部323c、323c’または第4部分溝部323d、323d’は、互いに異なる方向に延びる。一例として、互いに異なる方向は、Y方向とZ方向であってもよく、第1部分溝部323a、323a’または第3部分溝部323b、323b’は、Y方向に延び、第2部分溝部323c、323c’または第4部分溝部323d、323d’は、Z方向に延びることができる。
【0127】
図8Bのように、第2マウント部321が複数の第2溝部323、323’を含む場合、第2マウント部321は、複数の第2溝部323、323’を互いに連結する第5部分溝部325をさらに含むことができる。
【0128】
第5部分溝部325も、第2溝部323、323’のように凹んで長く掘られた縞形状であってもよい。
【0129】
第5部分溝部325は、第2フレーム端子320の積層型キャパシタ100、100’に対向する面上からZ方向に延びて、複数の第2溝部323、323’の第2部分溝部323c、323c’または第4部分溝部323d、323d’を互いに連結することができる。
【0130】
以下、発明の具体的な実施例を提示する。ただし、下記記載の実施例は発明を具体的に例示または説明するためのものに過ぎず、これによって発明の範囲が制限されてはならない。
【0131】
[実験例:電子部品の性能試験]
図6に示されているように、2つの積層型キャパシタ(L×W×T=3.2mm×2.5mm×2.5mm)を含み、第1および第2マウント部に複数の第1および第2接着領域それぞれの外周に沿って延びた複数の第1および第2溝部を形成して実施例1の電子部品を製造する。
【0132】
図6にて第1および第2フレーム端子の表面に第1および第2溝部を形成しない電子部品を比較例1の電子部品として製造する。
【0133】
製造された実施例1および比較例1による電子部品に対してフラックス残留物(flux residue)の有無の確認および耐湿負荷試験を進行させて、その結果を表1に示す。使用された積層型キャパシタの大きさはL×W×T=3.2mm×2.5mm×2.5mmであり、各数量は20個である。
【0134】
フラックス残留物の有無の確認は、積層型キャパシタ下部のフラックス残留物の有無をそれぞれのサンプルに関してデジタル顕微鏡で観察する。サンプルを正立させ、第1および第2積層型キャパシタの側面と直交する方向で観察する。その時、観察側の180度対向する側に光源を配置する。第1および第2積層型キャパシタのベース電極層が第1および第2積層型キャパシタの断面から周面または側面側に延びている距離を形成する部分より内側にフラックスが滲んでいるサンプルをNGと判断する。
【0135】
耐湿負荷試験は、温度85℃、湿度85%の環境下、第1および第2積層型キャパシタに定格電圧120%DC電圧を印加し、IRを測定して、初期値対比2000時間後のIR値が30%以下(logで0.5桁数)となったサンプルをNGと判断する。
【0136】
【0137】
表1を参照すれば、実施例1で製造された電子部品の場合、比較例1で製造された電子部品に比べて、積層型キャパシタをフレーム端子に接着のためのソルダリング(soldering)後、ソルダ内に含まれていたフラックスが第1および第2溝部に閉じ込められて、積層型キャパシタ方向への拡散が減少することによって、IR劣化が減少する効果があることが分かる。
【0138】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0139】
100、100’:積層型キャパシタ
110、110’:キャパシタボディ
111:誘電体層
112、113:カバー
121、122:第1および第2内部電極
131、131’:第1外部電極
132、132’:第2外部電極
1311、1321:接続部
1312、1322:バンド部
131a、131a’:第1ベース電極
131b、131b’:第1端子電極
132a、132a’:第2ベース電極
132b、132b’:第2端子電極
310、320:第1および第2フレーム端子
311、321:第1および第2マウント部
312、322:第1および第2実装部
311a:第1接着領域
321a、321a’:第2接着領域
313、313’:第1溝部
323、323’:第2溝部
313a、313a’、323a、323a’:第1部分溝部
323c、323c’:第2部分溝部
313b、313b’、323b、323b’:第3部分溝部
323d、323d’:第4部分溝部
325:第5部分溝部
510、510’:第1導電性接着部
520、520’:第2導電性接着部