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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008270
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】装着型放出装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
A61L9/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111696
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】391060524
【氏名又は名称】有限会社手島通商
(74)【代理人】
【識別番号】100092864
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100098154
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 克彦
(72)【発明者】
【氏名】手島 浩光
(72)【発明者】
【氏名】手島 万里
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA03
4C180AA07
4C180AA13
4C180CA08
4C180CA09
4C180EC01
4C180FF01
4C180FF07
4C180JJ01
4C180MM03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来のものよりも更に高い効果が得られる、抗菌・抗ウイルス成分や芳香成分などを有する物質を放出する装着型放出装置を提供する。
【解決手段】装着型放出装置1は、内部の物質を通孔から放出可能なカートリッジ20と、前記通孔と連通して前記物質を外部に放出する放出口38を有するとともに前記カートリッジ20を交換可能に保持するカートリッジ保持部30と、前記カートリッジ保持部30を人の鼻孔よりも上の位置に装着するための装着部40と、を備え、人の鼻孔よりも上の位置に装着した状態で前記物質を放出させて用いる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁に形成された通孔が封止部材により封止されており、使用時に前記封止部材を除去して開封されることで内部に収容した物質を前記通孔から放出可能なカートリッジと、
前記通孔と連通して前記物質を外部に放出する放出口を有するとともに前記カートリッジを交換可能に保持するカートリッジ保持部と、
前記カートリッジ保持部を人の鼻孔よりも上の位置に装着するための装着部と、を備え、
人の鼻孔よりも上の位置に装着した状態で前記物質を放出させて用いることを特徴とする装着型放出装置。
【請求項2】
前記装着部が人の額の位置に装着するヘッドバンド型であって、
前記カートリッジ保持部が前記装着部の中央に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の装着型放出装置。
【請求項3】
前記装着部がクリップ型であって、
前記クリップ型の装着部が眼鏡,フェイスシールドまたは帽子に係着可能である、
ことを特徴とする請求項1記載の装着型放出装置。
【請求項4】
人に装着した状態において前記放出口が下方向に形成されている、
ことを特徴とする請求項1,2または3記載の装着型放出装置。
【請求項5】
人に装着した状態において前記放出口が左右方向にそれぞれ形成されている、
ことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の装着型放出装置。
【請求項6】
前記カートリッジ保持部と前記装着部とが接続部によって互いに脱着自在に接続されている、
ことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の装着型放出装置。
【請求項7】
前記カートリッジ保持部の内壁側に前記放出口の前記内壁側端縁が突出形成されてなる開封用突起を備え、前記カートリッジ保持部に前記カートリッジを挿入した際に前記開封用突起が前記封止部材を押圧することによって前記封止部材を除去して開封される、
ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載の装着型放出装置。
【請求項8】
前記物質が抗ウイルス性を発揮する物質である、
ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の装着型放出装置。
【請求項9】
前記物質を担持する担体を有し、前記担体が植物加工品である、
ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8記載の装着型放出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の身体に装着して用いる装着型放出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外出中や仕事中などの公共の場において快適な環境を得るために、人が携行するのに適した、抗菌性・抗ウイルス性を有する成分を発したり、芳香を発したりするための人に装着して用いる放出装置が知られており、例えば特開2015-73773号公報(特許文献1)に記載された発明のように首に下げて用いるペンダント型のもの、特開2012-176050号公報(特許文献2)に記載された発明のようにストラップ型、カチューシャ型などのものが知られている。
【0003】
これらの装置によれば、性別や年齢を問わずに装着した人の周囲の空気を改善して快適な環境を得ることが一定程度できると思われるものの、人の呼吸器からは距離が離れてしまうため、抗菌・抗ウイルス効果や芳香効果が減衰してしまい、特に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威に晒され、感染拡大を防止するために通年してマスクが着用されている現代の状況を加味すると、十分な効果があるとは言い難かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-73773号公報
【特許文献2】特開2012-176050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の装着型放出装置よりも更に高い効果を得ることのできる装着型放出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明である装着型放出装置は、
外壁に形成された通孔が封止部材により封止されており、使用時に前記封止部材を除去して開封されることで内部に収容した物質を前記通孔から放出可能なカートリッジと、
前記通孔と連通して前記物質を外部に放出する放出口を有するとともに前記カートリッジを交換可能に保持するカートリッジ保持部と、
前記カートリッジ保持部を人の鼻孔よりも上の位置に装着するための装着部と、を備え、
人の鼻孔よりも上の位置に装着した状態で前記物質を放出させて用いることを特徴とする。
【0007】
上記本発明によれば、カートリッジ式で繰り返し使用可能な装着型放出装置において、そのカートリッジを人の鼻孔よりも上に位置させて内部から物質を放出させる構成としたことによって、人の呼吸器に程近い場所から物質を放出可能とし、例えば物質が空気よりも重い場合には特に効果を高めることのできる装着型放出装置を提供することができる。
【0008】
また、前記装着部が人の額の位置に装着するヘッドバンド型であって、前記カートリッジ保持部が前記装着部の中央に取り付けられている場合、誰でも容易に装着することが可能であるとともにヘッドバンド部のデザイン性に富んだ製品を製造することができる。
【0009】
また、前記装着部がクリップ型であって、前記クリップ型の装着部が眼鏡,フェイスガードまたは帽子に係着可能である場合、装着者が元から使用している眼鏡,拡大鏡,サングラス,フェイスシールド,帽子,ヘルメット,サンバイザーなどの服飾に後付けで容易に取り付けることができる。
【0010】
更に、人に装着した状態において前記放出口が下方向に形成されている場合、最も効率的に人の呼吸器に向けて物質を放出することができる。
【0011】
また、人に装着した状態において前記放出口が左右方向にそれぞれ形成されている場合、比較的広い範囲で人の呼吸器の周囲に向けて物質を放出することができる。
【0012】
更に、前記カートリッジ保持部と前記装着部とが接続部によって互いに脱着自在に接続されている場合、消耗・破損した際の交換が容易となるのみならず、状況に応じて好みの種類の装着部を選んで付け替えて使用することが可能となるほか、好みのデザインからカートリッジ保持部と装着部を選択して使用することもできる。
【0013】
また、前記カートリッジ保持部の内壁側に前記放出口の前記内壁側端縁が突出形成されてなる開封用突起を備え、前記カートリッジ保持部に前記カートリッジを挿入した際に前記開封用突起が前記封止部材を押圧することによって前記封止部材を除去して開封される場合、ただ単純にカートリッジ保持部にカートリッジを取り付けるのみで使用の準備が完了して装着することが可能となるため、特に幅広い年齢において容易に使用することができる。
【0014】
更に、前記物質が、抗ウイルス性を発揮する物質である場合、マスクと併用してウイルス感染予防を可能とした装着型放出装置とすることができる。
【0015】
また、前記物質を担持する担体を有し、前記担体が植物加工品である場合、例えばコーヒー豆、茶葉、木材などの植物を適宜処理して担体とすることで、元々その素材自体が放つ芳香やエッセンスなどを放出対象の物質として利用できる。特に、杉,檜,栃,楠,桜などの木を素材としたウッドチップまたは大鋸屑成形品を利用することで、木材の有効利用を果たしつつ自然由来の香りによるリラックス効果を得たり、抗菌作用・除虫作用などを得たりすることができる。
【発明の効果】
【0016】
交換可能なカートリッジ式であって人体に装着して用いる放出装置において、カートリッジ保持部を人の鼻孔よりも上に位置させることによって、従来の装着型放出装置よりも人の呼吸器に程近い場所から物質を放出することで更に高い効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明である装着型放出装置の好ましい実施の形態を示す斜視図。
図2図1に示した実施の形態においてカートリッジ保持部の蓋を開けた状態を示す拡大斜視図。
図3図1に示した実施の形態においてカートリッジ装着前の状態を示す拡大斜視図。
図4図2の平面図。
図5図3の平面図。
図6図2に示したA-A線断面図。
図7図1に示した実施の形態におけるカートリッジの封止部材を示す説明図であり、(a)はボール式の封止部材、(b)は破断シール式の封止部材、(c)は剥離シール式の封止部材を示す。
図8】異なる装着部を有する装着型放出装置を示す斜視図。
図9】本発明である装着型放出装置の装飾性を高めた別の実施の形態を示す斜視図。
図10図9に示した実施の形態の装着状態を示す図。
図11】本発明である装着型放出装置の別の実施の形態を示す斜視図。
図12図11に示した実施の形態における部分拡大斜視図。
図13図11に示した実施の形態におけるカートリッジの分解斜視図。
図14図12に示したB-B線断面図。
図15】異なる接続部を有する装着型放出装置を示す断面図。
図16図15に示した装着型放出装置において装着部として眼鏡を用いた状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1乃至図7は本発明である装着型放出装置の好ましい実施の形態を示す図であり、この装着型放出装置1は、物質Mを担持させた担体10と、前記担体10を収容しており使用時に開封されることで前記物質Mを外部に放出可能なカートリッジ20と、前記物質Mを放出する放出口38を有するとともに前記カートリッジ20を交換可能に保持するカートリッジ保持部30と、前記カートリッジ保持部30を人の鼻孔よりも上の位置にあたる額に装着するための装着部40と、前記カートリッジ保持部30と前記装着部40とを接続する接続部50と、を備え、図2に示すように人の額に装着した状態で前記物質Mを放出させて用いるものである。
【0020】
本発明における物質Mは、人体に明らかに有毒である物質を除き、任意の物質を使用可能である。例えば、芳香を放つ物質を用いた場合には、その種類によって装着者に清涼感を与えたり、リラックス効果を与えたりすることができる。また、抗菌性や抗ウイルス性を発揮する物質を用いた場合には、マスクに加えて実施可能な感染症対策として非常に有用である。
【0021】
本実施の形態における物質Mは、抗ウイルス性を有するものであって、装着者の周辺、特に呼吸器周囲の空気に対して抗ウイルス性を発揮することによって感染対策を行うことができるものであるが、更に芳香剤を一定量添加することによって、仮に抗ウイルス性成分が特徴的な臭いを有するものであったとしても、装着者は違和感を感じることなく良い香りを得られて快適な装着性を実現することができる。
【0022】
特に、本実施の形態においては人の額の位置から物質Mを放出させるものとしているため、物質Mを含むガスが空気より重い場合、より効果的に装着者の呼吸器周囲の空気に対して影響を及ぼすことができる。
【0023】
担体10は、物質Mを担持可能かつ大気中に徐々に放出可能な性質を有し、後述するカートリッジ20の通孔24から脱落しない形状の物質であって、その状態は粉末,粒状,球状,ペレット状などの固体、ゲル状体または液体とすることができる。本実施の形態においては、粒状の多孔質体を用いるものである。
【0024】
カートリッジ20は、一端を解放した筒状のカートリッジ本体21と、前記カートリッジ本体21を被蓋して閉鎖するカートリッジ蓋体22と、からなり、その内部に前記担体10を収納している。そして、前記カートリッジ本体21の底面23には外壁との通孔24が貫通形成されているとともに、ボール状の封止部材25によって前記通孔24が閉塞されている。
【0025】
カートリッジ保持部30は、上面開口のケース31と、ヒンジ33により開閉自在に取り付けられて前記ケース31の開口を閉鎖する蓋32と、前記ケース31前面に配置された装飾部材34と、からなる。そして、前記ケース31は、その内壁に形成された前記カートリッジ20を挿入するためのソケット35と、前記ソケット35の周囲に形成されて前記カートリッジ20を取り外す際に左右からつまむように2本の指を挿入できる空間36と、前記ソケット35の底面37に貫通形成された放出口38と、前記ソケット35の底面37から前記放出口38の前記ソケット35側の端縁と連続して突出形成された開封用突起39と、を有する。
【0026】
このように、装飾部材34をケース31と別に構成して表面に取り付けることによって、例えば美麗な模様やキャラクターの意匠などを付した装飾をすることが可能となり、実用性のみではなくアクセサリーとして用いることもでき、子供向けなど老若男女に向けた商品としての価値を高めることができる。
【0027】
装着部40は、弾性を有する合成樹脂などの素材によって形成されて一部を切り欠いた形状のC字型ヘッドバンド41であり、容易に人の額に装着したり取り外したりすることができる。また、前記カートリッジ保持部30がC字型ヘッドバンド41の中央に配置されている。
【0028】
接続部50は、前記カートリッジ保持部30と前記装着部40との接続または接続解除を任意に行うことができることが望ましく、本実施の形態においては面ファスナー51を用いているが、その他、吸盤や両面テープなども好適である。尚、接着剤などを用いることで前記カートリッジ保持部30と前記装着部40とを解除不能に固定して接続するものとしてもよい。
【0029】
本実施の形態である装着型放出装置1を人の額に装着した状態においては、前記カートリッジ保持部30がC字型ヘッドバンド41の中央に配置されていることによって前記カートリッジ保持部30が前記人の正面に位置するとともに、前記放出口38が下方向に向くように形成されている。そのため、最も効率的に前記人の呼吸器に向けて物質Mを放出することができる。
【0030】
本発明である装着型放出装置1を使用する際には、前記カートリッジ保持部30のソケット35に前記カートリッジ20を挿入するだけで使用の準備が整い(図3および図5参照)、装着部40を人の額に装着することで使用できる。
【0031】
このとき、図7に示したように、前記ソケット35の底面37から立設させて形成した開封用突起39によって、前記カートリッジ20の通孔24を閉塞していたボール状の封止部材25が押圧されて押し上げられることによって自動的に開封する。
【0032】
そして、前記カートリッジ20に収容した担体10に担持させた物質Mを、前記カートリッジ20の通孔24と連通した前記カートリッジ保持部材30の放出口38から外部へと放出するものである。
【0033】
尚、図8(a)に示した本実施の形態におけるボール状の封止部材25以外にも、図8(b)に示したような、前記開封用突起39によって押圧されることによって開封する破断シール式の封止部材26を用いることもできる。また、図8(c)に示したような、ソケット35への挿入前に手動で引き剥がすことによって開封する剥離シール式の封止部材27を用いることもできる。
【0034】
図8は異なる装着部を示す図であり、この図に示した装着型放出装置2のように、装着部40をゴムなどの伸縮可能な素材を用いた環状ヘッドバンド42とすることもできる。また、前記カートリッジ保持部30が環状ヘッドバンド42の中央に配置されている。
【0035】
前記装着型放出装置1と同様に、本実施の形態である装着型放出装置2を人の額に装着した状態においても、前記カートリッジ保持部30が環状ヘッドバンド42の中央に配置されていることによって前記カートリッジ保持部30が前記人の正面に位置するとともに、前記放出口38が下方向に向くように形成されている。
【0036】
図9および図10は本発明である装着型放出装置において、より装飾性を高めた実施の形態を示す図であり、これらの図に示した装着型放出装置3は、カートリッジ保持部30が全体として楕円形を呈するように形成され、その前面には装飾部材34が配置されており、あたかもブローチやペンダントのような装身具と同様の装飾性を持たせることもできる。
【0037】
図11乃至図14は本発明である装着型放出装置の別の形態を示す図であり、この装着型放出装置4は、物質Mを担持させた担体10と、前記担体10を収容しており使用時に開封されることで前記物質Mを外部に放出可能なカートリッジ60と、前記物質Mを放出する放出口78を有するとともに前記カートリッジ60を交換可能に保持するカートリッジ保持部70と、前記カートリッジ保持部70を人の鼻孔よりも上の位置にあたる額に装着するための装着部40と、前記カートリッジ保持部70と前記装着部40とを接続する接続部50と、を備え、人の鼻孔よりも上の位置にあたる額に装着した状態で前記物質Mを放出させて用いるものである点においては前記図1に示した実施の形態と同様であるが、カートリッジ60の形状およびカートリッジ保持部70の形状が異なるものである。
【0038】
カートリッジ60は、一端を解放した筒状のカートリッジ本体61と、前記カートリッジ本体61を被蓋して閉鎖するカートリッジ蓋体62と、からなり、その内部に物質Mを担持させた前記担体10を収納している。そして、前記カートリッジ本体61の底面63に貫通形成された通孔64と、前記カートリッジ蓋体62の頂面65に貫通形成された通孔66と、を有し、開封前の状態においては剥離シール式の封止部材67,67によって前記通孔64および前記通孔66が閉塞されている(図13および図14参照)。
【0039】
カートリッジ保持部70は、一端開口で他端がコーン状に形成されたケース71と、ヒンジ73により開閉自在に取り付けられて前記ケース71の開口を閉鎖するコーン状に形成された蓋72と、からなる。そして、前記ケース71は、前記カートリッジ60を挿入するソケット75と、前記ソケット75の底面76と連通して3箇所貫通形成された放出口77と、を有し、前記蓋72は、前記ソケット75の頂面78と連通して3箇所貫通形成された放出口79と、を有する。
【0040】
このように、カートリッジ60の両端にそれぞれ1つの通孔64,66を設け、且つカートリッジ保持部70の両端にそれぞれ3つの放出口77,79を設けたことによって、本実施の形態である装着型放出装置4を人の額に装着した状態においては、前記カートリッジ保持部70が前記人の正面に位置するとともに、前記放出口77,79が左右方向にそれぞれ向くように形成されている。そのため、比較的広い範囲で前記人の呼吸器の周囲に向けて物質Mを放出することができる。
【0041】
図15乃至図16は本発明である装着型放出装置の別の形態を示す図であり、この装着型放出装置5は、クリップ52,52からなる接続部50以外は前記図11乃至図14に示した装着型放出装置4と同様であるため説明を省略する。
【0042】
このように接続部をクリップ52としたことによって、前記カートリッジ保持部70と前記装着部40との接続または接続解除を任意に行うことができ、特に装着部が眼鏡や帽子である場合に適する。
【0043】
図16は装着部40として眼鏡43を用いた状態を示す図であり、この図に示すように、接続部50であるクリップ52,52を眼鏡43のブリッジ部に挟んで係着させて取り付ける形で前記カートリッジ保持部70を容易に接続することが可能となり、装着者が普段から用いている眼鏡を使用することができるため非常に経済的かつ利便性が高い。尚、本明細書における「眼鏡」という用語は、眼鏡,拡大鏡,サングラス,保護メガネ,ゴーグルなど眼鏡型器具を総称するものである。
【0044】
このとき、眼鏡43を用いた装着型放出装置5におけるカートリッジ保持部70および放出口77,79の向きと、前記図10に示したC字型ヘッドバンド41を用いた装着型放出装置4におけるカートリッジ保持部70および放出口77,79の向きは90°ずれたものになっているが、どちらも前記放出口77,79が左右方向にそれぞれ向いているものであって、使用上の支障はない。
【0045】
また、接続部50であるクリップ52,52をフェイスシールドに取り付ける形で前記カートリッジ保持部70を接続するものとしてもよい(図示せず)。ここで言うフェイスシールドとは、眼鏡型やヘッドバンド型の装着部と、透明な板状のシールド部と有し、人の顔面に装着して飛沫防止のために用いる器具を指す。
【0046】
また、接続部50であるクリップ52,52を帽子に係着して取り付ける形で前記カートリッジ保持部70を接続するものとしてもよい(図示せず)。尚、本明細書における「帽子」という用語は、帽子,ヘルメット,サンバイザーなど帽子型器具を総称するものである。
【0047】
本発明の各実施の形態において、物質Mと担体10は別々に製造されて、物質Mを担体10に後から添加することを想定しているが、その他、例えばコーヒー豆、茶葉、木材などの植物を適宜処理して担体とし、元々その素材自体が放つ芳香やエッセンスなどを物質として利用するものとすることもできる。特に、杉,檜,栃,楠,桜などの木を素材としたウッドチップまたは大鋸屑成形品を利用することで、木材の有効利用を果たしつつ自然由来の香りによるリラックス効果を得たり、抗菌作用・除虫作用などを得たりすることができる。
【0048】
以上のとおり、本発明によれば、交換可能なカートリッジ式であって人体に装着して用いる放出装置において、カートリッジ保持部を人の額に位置させることによって、従来の装着型放出装置よりも人の呼吸器に程近い場所から物質を放出することで更に高い効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0049】
1,2,3,4 装着型放出装置、10 担体、20 カートリッジ、21 カートリッジ本体、22 カートリッジ蓋体、23 底面、24 通孔、25 封止部材、26 封止部材、27 封止部材、30 カートリッジ保持部、31 ケース、32 蓋、33 ヒンジ、34 装飾部材、35 ソケット、36 空間、37 底面、38 放出口、39 開封用突起、40 装着部、41 C字型ヘッドバンド、42 環状ヘッドバンド、43 眼鏡、50 接続部、51 面ファスナー、52 クリップ、60 カートリッジ、61 カートリッジ本体、62 カートリッジ蓋体、63 底面、64 通孔、65 頂面、66 通孔、67 封止部材、70 カートリッジ保持部、71 ケース、72 蓋、73 ヒンジ、75 ソケット、76 底面、77 放出口、78 底面、79 放出口、M 物質
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16