(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082723
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/46 20060101AFI20230608BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20230608BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J3/38 110
H02J3/00 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196587
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100210240
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 友幸
(72)【発明者】
【氏名】東海林 和
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066AA03
5G066HA15
5G066HB02
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
(57)【要約】
【課題】VSGモデルによって仮想同期発電機制御がなされる電力変換装置において、VSGモデルの出力周波数変化率を制限する。
【解決手段】同期制御出力Pm_syncからガバナ項の出力を減じて同期制御出力の変化量を求める減算器31と、減算器31の出力を、設定した周波数変化率制限値の範囲内に制限するリミッタ32と、リミッタ32の出力にガバナ項の出力を加算する加算器33を備えた変化率制限処理部30を設け、加算器33の出力と機械入力指令Pmを加算器21で加算し、その加算出力から電気出力Peを減算器22により減算し、減算器22の出力と前記ガバナ項の出力との偏差を積分器24で積分した積分出力に、バッファ26の出力を加算器25で加算して周波数偏差Δωrを求め、前記ガバナ項は、バッファ26に保存した前回の周波数偏差に、乗算器27のガバナゲインKgovを乗算して得る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源系統と分散型電源の共通接続点に、前記分散型電源と連系可能に接続され、VSG(Virtual Synchronous Generators)モデルによって仮想同期発電機制御がなされる電力変換装置であって、
前記VSGモデルは、
前記電源系統の電圧を検出した信号をフィードバックして同期制御を行った結果の同期制御出力と機械入力指令の加算出力から、電力変換装置の出力電力を検出した電気出力を減算する加減算部と、
前記加減算部の出力と、周波数偏差成分の前回値にガバナゲインを乗じたものとの差分を、慣性定数および演算周期で積分して周波数偏差成分を出力する積分項と、
前記積分項から出力された周波数偏差成分の前回値にガバナゲインを乗じるガバナ項と、
前記周波数偏差成分に定格周波数成分を加算して出力周波数とする出力周波数生成部と、
前記加減算部における、前記機械入力に加算される前の同期制御出力に変化率制限処理を施す変化率制限処理部であって、前記同期制御出力から前記ガバナ項の出力を減じて同期制御出力の変化量を求める減算器と、前記減算器で求められた同期制御出力の変化量を、設定した周波数変化率制限値の範囲内に制限するリミッタと、前記リミッタの出力に前記ガバナ項の出力を加算する加算器と、を有した変化率制限処理部と、
を備えていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
電源系統と分散型電源の共通接続点に、前記分散型電源と連系可能に接続され、VSG(Virtual Synchronous Generators)モデルによって仮想同期発電機制御がなされる電力変換装置であって、
前記VSGモデルは、
前記電源系統の電圧を検出した信号をフィードバックして同期制御を行った結果の同期制御出力と機械入力指令を加算した後、該加算出力から、電力変換装置の出力電力を検出した電気出力を減算する加減算部と、
前記加減算部の出力と、周波数偏差成分の前回値にガバナゲインを乗じたものとの差分を、慣性定数および演算周期で積分して周波数偏差成分を出力する積分項と、
前記積分項から出力された周波数偏差成分の前回値にガバナゲインを乗じるガバナ項と、
前記周波数偏差成分に定格周波数成分を加算して出力周波数とする出力周波数生成部と、
前記加減算部における、前記同期制御出力と機械入力指令の加算出力に変化率制限処理を施す変化率制限処理部であって、前記同期制御出力と機械入力指令の加算出力から前記ガバナ項の出力を減じる減算器と、前記減算器の出力を、設定した周波数変化率制限値の範囲内に制限するリミッタと、前記リミッタの出力に前記ガバナ項の出力を加算する加算器と、を有した変化率制限処理部と、
を備えていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
前記VSGモデルにおける変化率制限処理部の周波数変化率制限値ωratelimは、次の(4)式を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【数4】
(Pinは加減算部の出力、Mは積分項の慣性定数、Kgovはガバナ項におけるガバナゲイン、Δωr(n-1)は周波数偏差成分の前回値)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想同期発電機制御を搭載した電力変換装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1では、電源系統に対する発電機の同期投入に際して、同期対象である電源系統の周波数や位相をフィードバックして発電機回転数を制御することで、発電機の位相を電源系統と同期させる同期制御手法が提案されている。
【0003】
他方、同期発電機の動揺方程式を模擬した仮想同期発電機モデル(VSG(Virtual Synchronous Generators)モデル)制御を行う電力変換装置の先行例に、特許文献2、特許文献3がある。電力変換装置は動揺方程式によって求めた周波数で駆動する発電機のように(仮想発電機)動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-284246号公報
【特許文献2】特開2017-127141号公報
【特許文献3】特許第6386718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明で想定するシステム構成を
図1に、電力変換器内部のVSGモデルを
図2に示す。システム構成は特許文献1と同様に電源系統への同期投入を想定しているが、発電機の代わりとして仮想同期発電機制御を行う電力変換器があり、分散型電源が連系している。
【0006】
図1において、電源系統1の出力側には、遮断器2a,2b,2cを介して分散型電源3、構内負荷4が接続されている。
【0007】
5は、半導体スイッチング素子を備え、仮想同期発電機制御により直流電力を交流電力に変換する電力変換器である。電力変換器5の交流出力側はLCフィルタ部6、変圧器7および遮断器2dを介して、遮断器2aと遮断器2b、2cの共通接続点8に接続されている。
【0008】
9は、電源系統1の系統電圧を計器用変圧器10によって検出した信号(Vsys)をフィードバックして同期制御を行う同期制御部である。
【0009】
11は、LCフィルタ部6の出力電流を変流器12により検出し、それをuvw/dq座標変換器13で座標変換した電流値と、LCフィルタ部6の出力電圧を計器用変圧器14により検出し、それをuvw/dq座標変換器15で座標変換した電圧値とに基づいて、電力変換器5の出力電力を演算して電気出力Peとして出力する出力電力算出部である。
【0010】
16は、座標変換器15から出力される電圧値が電力変換器5の出力電圧指令値|Vac|*となるように制御する電圧制御器(AVR)である。
【0011】
17は、機械入力指令Pm、同期制御部9の出力Pm_syncおよび出力電力算出部11の出力Peを入力とし、後述する
図2の構成によって出力周波数ωrを出力するVSGモデルである。
【0012】
18は、VSGモデル17から出力された出力周波数ωrを積分して位相θrを出力する積分器である。
【0013】
電圧制御器16の出力電圧はdq/uvw座標変換器19で座標変換されることによりuvw相の電圧指令が得られる。
【0014】
20は、前記uvw相の電圧指令とキャリア信号の比較により、電力変換器5の半導体スイッチング素子を制御するゲート信号を生成するPWM変調器である。
【0015】
尚、uvw/dq座標変換器13、15、dq/uvw座標変換器19は、積分器18から出力される位相θrによって各々座標変換がなされる。
【0016】
VSGモデル17の構成を示す
図2において、同期制御の出力Pm_sync(
図1の同期制御部9の出力)と機械入力指令Pmは加算器21により加算され、その加算出力は、減算器22において電気出力Pe(
図1の出力電力算出部11の出力)が減算される。
【0017】
23は、加算器22の加算出力から、後述のガバナ項の出力(周波数偏差成分の前回値にガバナゲインを乗じた出力)を減算する減算器である。
【0018】
24は、減算器23の出力を演算周期Ts/慣性定数Mにより積分する積分器である。
【0019】
積分器24の出力は、加算器25において後述のバッファ26の出力と加算されて周波数偏差Δωrが得られる。
【0020】
バッファ26は、周波数偏差Δωrを1演算回遅延させて周波数偏差成分の前回値を出力する。
【0021】
27は、バッファ26から出力される周波数偏差成分の前回値にガバナゲインKgovを乗じる乗算器であり、乗算器27の出力がガバナ項の出力となる。
【0022】
28は、加算器25から出力される周波数偏差Δωrに、定格周波数を表す1を加算して出力周波数ωrを出力する加算器である。
【0023】
ここで、周波数や位相のフィードバック制御(同期制御)によって、仮想同期発電機制御を行う電力変換器5の出力周波数を制御し、電源系統1へ同期投入を行う場合を考える。同期制御の内容は、同期対象とVSGモデルの位相差を偏差とした比例制御や比例積分制御、特許文献1のような周波数オフセットと位相制御の複合などが考えられる。同期制御の出力Pm_syncは、VSGモデル17の機械入力指令Pmに加算することで出力周波数を制御する。
【0024】
このときVSGモデルの慣性定数MやガバナゲインKgov、同期制御部の設計によっては、VSGモデル17の出力周波数ωrが急変することで周波数変化率(RoCoF)が大きくなり、電力変換装置に連系している太陽光PCS等の分散型電源(3)が単独運転を誤検出する恐れがある。
【0025】
仮想同期発電機では慣性定数MやガバナゲインKgovを任意のタイミングで自由に変更できるため、パラメータに依らず、周波数変化率を一定以下に抑えながら運転する同期制御が求められる。
【0026】
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、VSGモデルによって仮想同期発電機制御がなされる電力変換装置において、VSGモデルの出力周波数変化率を制限することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記課題を解決するための請求項1に記載の電力変換装置は、
電源系統と分散型電源の共通接続点に、前記分散型電源と連系可能に接続され、VSG(Virtual Synchronous Generators)モデルによって仮想同期発電機制御がなされる電力変換装置であって、
前記VSGモデルは、
前記電源系統の電圧を検出した信号をフィードバックして同期制御を行った結果の同期制御出力と機械入力指令の加算出力から、電力変換装置の出力電力を検出した電気出力を減算する加減算部と、
前記加減算部の出力と、周波数偏差成分の前回値にガバナゲインを乗じたものとの差分を、慣性定数および演算周期で積分して周波数偏差成分を出力する積分項と、
前記積分項から出力された周波数偏差成分の前回値にガバナゲインを乗じるガバナ項と、
前記周波数偏差成分に定格周波数成分を加算して出力周波数とする出力周波数生成部と、
前記加減算部における、前記機械入力に加算される前の同期制御出力に変化率制限処理を施す変化率制限処理部であって、前記同期制御出力から前記ガバナ項の出力を減じて同期制御出力の変化量を求める減算器と、前記減算器で求められた同期制御出力の変化量を、設定した周波数変化率制限値の範囲内に制限するリミッタと、前記リミッタの出力に前記ガバナ項の出力を加算する加算器と、を有した変化率制限処理部と、
を備えていることを特徴とする。
【0028】
請求項2に記載の電力変換装置は、
電源系統と分散型電源の共通接続点に、前記分散型電源と連系可能に接続され、VSG(Virtual Synchronous Generators)モデルによって仮想同期発電機制御がなされる電力変換装置であって、
前記VSGモデルは、
前記電源系統の電圧を検出した信号をフィードバックして同期制御を行った結果の同期制御出力と機械入力指令を加算した後、該加算出力から、電力変換装置の出力電力を検出した電気出力を減算する加減算部と、
前記加減算部の出力と、周波数偏差成分の前回値にガバナゲインを乗じたものとの差分を、慣性定数および演算周期で積分して周波数偏差成分を出力する積分項と、
前記積分項から出力された周波数偏差成分の前回値にガバナゲインを乗じるガバナ項と、
前記周波数偏差成分に定格周波数成分を加算して出力周波数とする出力周波数生成部と、
前記加減算部における、前記同期制御出力と機械入力指令の加算出力に変化率制限処理を施す変化率制限処理部であって、前記同期制御出力と機械入力指令の加算出力から前記ガバナ項の出力を減じる減算器と、前記減算器の出力を、設定した周波数変化率制限値の範囲内に制限するリミッタと、前記リミッタの出力に前記ガバナ項の出力を加算する加算器と、を有した変化率制限処理部と、
を備えていることを特徴とする。
【0029】
請求項3に記載の電力変換装置は、請求項1又は2において、
前記VSGモデルにおける変化率制限処理部の周波数変化率制限値ωratelimは、次の(4)式を満たすように設定されていることを特徴とする。
【0030】
【0031】
(Pinは加減算部の出力、Mは積分項の慣性定数、Kgovはガバナ項におけるガバナゲイン、Δωr(n-1)は周波数偏差成分の前回値)
【発明の効果】
【0032】
(1)請求項1、3に記載の発明によれば、同期制御出力の変化によるVSGモデルの出力周波数変化率が制限され、同期制御中の電力変換装置に連系している分散型電源の単独運転誤検出を防止することができる。
(2)請求項2、3に記載の発明によれば、同期制御出力および機械入力の変化によるVSGモデルの出力周波数変化率が制限され、同期制御中の電力変換装置に連系している分散型電源の単独運転誤検出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明が適用される電力変換装置のシステム構成図。
【
図3】本発明の実施例1によるVSGモデルの構成図。
【
図4】本発明の実施例2によるVSGモデルの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
【実施例0035】
本実施例1では、
図1のシステム構成におけるVSGモデル17を
図3のように構成した。
図3において
図2と同一部分は同一符号をもって示している。
図3において
図2と異なる点は、同期制御出力Pm_syncの入力部と加算器21の一方の入力端との間に、VSGモデル17の出力周波数ωrの変化率を制限する処理を行う変化率制限処理部30を設けた点にあり、その他の部分は
図2と同様に構成されている。
【0036】
前記加算器21および減算器22は本発明の加減算部を構成し、前記バッファ26と乗算器27は本発明のガバナ項を構成し、前記加算器28は本発明の出力周波数生成部を構成している。
【0037】
前記変化率制限処理部30内の31は、同期制御出力Pm_syncから、ガバナ項の出力、すなわち前回の出力周波数の偏差Δωr(バッファ26の出力)にガバナゲインKgovを乗じた値(乗算器27の出力)を減算して、同期制御出力の変化量を求める減算器である。
【0038】
変化率制限処理部30内の32は、減算器31から出力される同期制御出力の変化量が、±M*周波数変化率制限値ωratelimの範囲内であればそのまま入力し、±M*ωratelim外の場合は前記変化量をM*ωratelimに制限するリミッタである。
【0039】
リミッタ32の出力は加算器33において前記ガバナ項の出力(乗算器27の出力)と加算され、加算器33の出力は加算器21において機械入力指令Pmと加算される。
【0040】
加算器21の出力から電気出力Peを減算する減算器22以降の構成、動作は
図2で述べたものと同様であるが、VSGモデルを、解析のために
図5のように単純化して考える。
【0041】
図5において、
図3と同一部分は同一符号をもって示しており、入力Pinは本発明の加減算部の出力、すなわち減算器22の出力を表している。
【0042】
図5において、加算器25から出力される周波数偏差Δωr(n)(nは演算回数)の変化率dωr/dtは、バッファ26に保存されている前回値Δωr(n-1)と入力Pin、演算周期Tsによって、次の(1)式、(2)式のように求められる。
【0043】
【0044】
【0045】
ここで、変化率dωr/dtを周波数変化率制限値ωratelim以下に抑えるためのPin条件を次の(3)式、(4)式で求める。
【0046】
【0047】
【0048】
よって、(4)式を満たすようにPinに制限処理をかけることで、周波数変化率制限値ωratelim以下の周波数変化率に制限することができる。
【0049】
ここで、
図2のVSGモデルに(4)式を適用するとPinは次の(5)式となる。
【0050】
【0051】
変化率dωr/dtを抑えるためには、加算器25から出力される周波数偏差Δωrを直接制限してもよいが、入力の機械入力Pmや電気出力Peは指令変更や系統擾乱時の変動に対応するため、周波数変化率制限の影響を受けたくない場合がある。そこで(4)式を使用した入力制限を用いて、変化率制限の対象としたい項にのみ周波数変化率制限を実施する。
【0052】
以上のように実施例1によれば、同期制御出力Pm_syncのみに(4)式の制限処理を設けることで、同期制御出力の変化によるVSGモデルの周波数変化率が制限される。機械入力Pmや電気出力Peが変化した影響による周波数変化率は制限されない。同期制御からの入力による周波数変化率を一定値未満に制限することにより、同期制御中の電力変換装置に連系している分散型電源(3)の単独運転誤検出を防止することができる。
前記加算器21および減算器22は本発明の加減算部を構成し、前記バッファ26と乗算器27は本発明のガバナ項を構成し、前記加算器28は本発明の出力周波数生成部を構成している。
前記変化率制限処理部40内の41は、加算器21の加算出力である機械入力Pm’から、ガバナ項の出力、すなわち前回の出力周波数の偏差Δωr(バッファ26の出力)にガバナゲインKgovを乗じた値(乗算器27の出力)を減算して、Pm’の変化量を求める減算器である。
変化率制限処理部40内の42は、減算器41の出力(Pm’の変化量)が、±M*周波数変化率制限値ωratelimの範囲内であればそのまま入力し、±M*ωratelim外の場合は前記変化量をM*ωratelimに制限するリミッタである。
以上のように実施例2によれば、機械入力指令Pmと同期制御出力Pm_syncを加算した後(加算器21の出力)に(4)式の変化率制限処理を設けることで、同期制御出力および機械入力指令の変化によるVSGモデルの周波数変化率が制限される。電気出力Peが変化した影響による周波数変化率は制限されない。機械入力および同期制御からの入力による周波数変化率を一定値未満に制限することにより、同期制御中の電力変換装置に連系している分散型電源(3)の単独運転誤検出を防止することができる。
ここで、実施例1と実施例2の選択条件について説明する。同期制御出力Pm_syncの変動が大きい場合には、実施例1を用いるのがよい。機械入力指令Pmまたは機械入力Pm’の変動が大きい場合には、実施例2を用いるのがよい。