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  • 特開-滑材注入システム 図1
  • 特開-滑材注入システム 図2
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  • 特開-滑材注入システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082750
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】滑材注入システム
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/06 20060101AFI20230608BHJP
【FI】
E21D9/06 301L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196648
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】山下 健司
(72)【発明者】
【氏名】東野 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】中本 淳
(72)【発明者】
【氏名】江原 雅洋
【テーマコード(参考)】
2D054
【Fターム(参考)】
2D054FA12
2D054GA13
2D054GA25
2D054GA44
2D054GA63
2D054GA94
(57)【要約】
【課題】滑材の注入状況を把握できる滑材注入システムを提供する。
【解決手段】シールド掘進機のスキンプレート3を貫通する滑材注入孔として機能する滑材注入ノズル21からシールド掘進機と地山との間に滑材を注入する滑材注入システム20であって、滑材の注入前にスキンプレート3の外周面に作用する土水圧を計測するために、滑材注入ノズル21よりも掘削方向の前方側のスキンプレート3の外周面に取り付けられた前方側圧力計22と、滑材の注入後にスキンプレート3の外周面に作用する土水圧を計測するために、滑材注入ノズル21よりも掘削方向の後方側のスキンプレート3の外周面に取り付けられた後方側圧力計23と、前方側圧力計22及び後方側圧力計23の計測値を表示する注入制御装置40(表示部42、注入状況通知部54)とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド掘進機のスキンプレートを貫通する滑材注入孔から前記シールド掘進機と地山との間に滑材を注入する滑材注入システムであって、
前記滑材注入孔よりも掘削方向の前方側の前記スキンプレートの外周面に取り付けられた前方側圧力計と、
前記滑材注入孔よりも前記掘削方向の後方側の前記スキンプレートの外周面に取り付けられた後方側圧力計と、
前記前方側圧力計及び前記後方側圧力計の計測値を表示する注入制御装置と、を具備することを特徴とする滑材注入システム。
【請求項2】
前記滑材注入孔は、前記掘削方向の後方側に前記滑材が噴射されるように、後方側に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の滑材注入システム。
【請求項3】
前記注入制御装置は、前記後方側圧力計の計測値が前記前方側圧力計の計測値より大きく、前記前方側圧力計の計測値に設定された余裕圧を加算した目標土水圧以下となるように、前記滑材の注入圧や注入流量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の滑材注入システム。
【請求項4】
前記滑材注入孔、前記前方側圧力計及び前記後方側圧力計は、前記スキンプレートの円周方向に複数組が設けられ、
前記注入制御装置は、各組の前記前方側圧力計及び前記後方側圧力計の計測値を1画面で表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の滑材注入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機と地山との間に滑材を注入する滑材注入システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シールド掘進機と地山との摩擦により発生する振動を抑制するため、シールド掘進機の周辺に、摩擦低減のための滑材を注入している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、滑材を注入する注入孔の前方側に圧力計を設け、計測した土被り圧以上の圧力で滑材を注入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-9566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、滑材の注入状況を把握できないという問題点があった。すなわち、特許文献1では、滑材を土被り圧以上の圧力で注入し、注入圧を管理しているが、注入した滑材がシールド掘進機と地山との間に確実に注入されているか否か確認することができない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消し、滑材の注入状況を把握できる滑材注入システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の滑材注入システムは、シールド掘進機のスキンプレートを貫通する滑材注入孔から前記シールド掘進機と地山との間に滑材を注入する滑材注入システムであって、前記滑材注入孔よりも掘削方向の前方側の前記スキンプレートの外周面に取り付けられた前方側圧力計と、前記滑材注入孔よりも前記掘削方向の後方側の前記スキンプレートの外周面に取り付けられた後方側圧力計と、前記前方側圧力計及び前記後方側圧力計の計測値を表示する注入制御装置と、を具備することを特徴とする。
さらに、本発明の滑材注入システムにおいて、前記滑材注入孔は、前記掘削方向の後方側に前記滑材が噴射されるように、後方側に傾斜していても良い。
さらに、本発明の滑材注入システムにおいて、前記注入制御装置は、前記後方側圧力計の計測値が前記前方側圧力計の計測値より大きく、前記前方側圧力計の計測値に設定された余裕圧を加算した目標土水圧以下となるように、前記滑材の注入圧や注入流量を制御しても良い。
さらに、本発明の滑材注入システムにおいて、前記滑材注入孔、前記前方側圧力計及び前記後方側圧力計は、前記スキンプレートの円周方向に複数組が設けられ、前記注入制御装置は、各組の前記前方側圧力計及び前記後方側圧力計の計測値を1画面で表示しても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、滑材の注入状況を把握でき、注入した滑材がシールド掘進機と地山との間に確実に注入されているか否か確認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る滑材注入システムの実施形態を備えるシールド掘進機の構成を示す構成図である。
図2】本発明に係る滑材注入システムの構成を示すブロック図である。
図3図2に示す表示部に表示される表示画面例を示す図である。
図4】本発明に係る滑材注入システムの周方向の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。
【0010】
本実施形態の滑材注入システム20は、図1に示すシールド掘進機1と地山との間に滑材を注入するシステムである。シールド掘進機1は、筒体状のスキンプレート3と、スキンプレート3の進行方向先端に回転自在に取り付けられたカッターヘッド4とを備えている。なお、シールド掘進機1は、土圧式シールド掘進機として説明するが、泥水式シールド掘進機であっても良い。
【0011】
スキンプレート3の前部には、回転リング5がベアリング等の軸受け部を介して回転自在に支持されている。そして、回転リング5は、連結ビーム6を介してカッターヘッド4が連結されている。スキンプレート3には、回転リング5を回転させる複数のカッター旋回モータ7が装着されている。これにより、カッター旋回モータ7を回転駆動すると、連結ビーム6を介してカッターヘッド4が回転する。
【0012】
スキンプレート3には、カッターヘッド4の後方に位置する鋼板製の隔壁8が設けられ、カッターヘッド4と隔壁8との間にチャンバー2が形成される。チャンバー2は、カッターヘッド4によって掘削された土砂が充満される空間であり、隔壁8は、掘削土砂が充満されるチャンバー2と、作業員が立ち入る機内9とを隔離している。
【0013】
また、シールド掘進機1は、隔壁8を貫通し、カッターヘッド4の前面やチャンバー2に添加材(粘土、ベントナイト、気泡、水溶性高分子など)を供給する掘削添加材注入管10を備えている。添加材は、チャンバー2に充満された土砂に流動性と止水性を付与することを目的に、地山条件に応じたものが用いられる。
【0014】
カッターヘッド4によって掘削された土砂は、泥土としてチャンバー2内に充満され、カッターヘッド4の設けられた練混ぜ棒11によって撹拌された後、スクリューコンベヤ12により後方側に搬出される。
【0015】
滑材注入システム20は、図1及び図2を参照すると、滑材注入ノズル21と、前方側圧力計22と、後方側圧力計23と、流量計24と、注入ポンプ25と、注入制御装置40とを備えている。
【0016】
滑材注入ノズル21は、シールド掘進機1と地山との間に滑材を噴射する噴射装置である。滑材注入ノズル21は、スキンプレート3を貫通し、先端がスキンプレート3の外周面に開口するように取り付けられ、スキンプレート3を貫通する滑材注入孔として機能する。また、滑材注入ノズル21は、シールド掘進機1の掘削方向の後方側に滑材が噴射されるように、後方側に傾斜させて取り付けられている。
【0017】
前方側圧力計22は、スキンプレート3の外周面に作用する土水圧を計測する圧力計であり、滑材注入ノズル21の開口よりも掘削方向の前方側のスキンプレート3の外周面に取り付けられている。従って、前方側圧力計22によって計測される土水圧は、滑材注入ノズル21から噴射される滑材の影響を受けることない、滑材注入前の土水圧となる。換言すると、前方側圧力計22は、滑材注入ノズル21の開口の近傍であって、滑材注入ノズル21から噴射される滑材の影響を受けることない、滑材注入前の土水圧を計測できる位置に配置されている。なお、前方側圧力計22の計測に対して滑材注入ノズル21から噴射される滑材が影響を与えない程度に、前方側圧力計22と滑材注入ノズル21の開口との離間距離が取れていれば、滑材注入ノズル21は、必ずしも後方側に傾斜させなくても良い。
【0018】
後方側圧力計23は、スキンプレート3の外周面に作用する土水圧を計測する圧力計であり、滑材注入ノズル21の開口よりも掘削方向の後方側のスキンプレート3の外周面に取り付けられている。従って、後方側圧力計23によって計測される土水圧は、滑材注入ノズル21から噴射される滑材の影響を受け、滑材注入後の土水圧となる。換言すると、後方側圧力計23は、滑材注入ノズル21の開口の近傍であって、滑材注入ノズル21から噴射される滑材の影響を受け、滑材注入後の土水圧を計測できる位置に配置されている。
【0019】
流量計24は、注入ポンプ25から滑材注入ノズル21に供給される滑材の流量を、注入ポンプ25によってシールド掘進機1と地山との間に注入する滑材の注入量として計測する。
【0020】
注入ポンプ25は、注入制御装置40によるモータの回転制御を受け付け、滑材注入ノズル21を介してシールド掘進機1と地山との間に注入する滑材の注入圧や単位時間当たりの注入量(以下、注入流量と称す)を調整する機能を有している。
【0021】
注入制御装置40は、いわゆるコンピュータで実現され、プログラム制御で動作するCPU等の演算部50と、キーボード等の操作部41と、液晶ディスプレイ等の表示部42と、送受信部43を備え、これらがバス44によって接続されている。送受信部43は、前方側圧力計22、後方側圧力計23及び流量計24における測定結果をそれぞれ受信する機能と、注入ポンプ25の回転を制御する各種制御信号を送受信する機能と、シールド掘進機1の掘進を制御する図示しない掘進制御装置からシールド掘進機1の掘進距離を受信する機能とを有する。
【0022】
また、演算部50は、注入量設定部51と、注入圧設定部52と、注入制御部53と、注入状況通知部54として機能する。
【0023】
注入量設定部51は、シールド掘進機1の掘進距離当たりの滑材の注入量を単位注入量として操作部41から受け付けて設定する。
【0024】
注入圧設定部52は、滑材の注入によって想定される土水圧の上昇分を余裕圧として操作部41から受け付けて設定する。
【0025】
注入制御部53は、送受信部43経由で受信したシールド掘進機1の掘進距離に注入量設定部51に設定された単位注入量を乗算することで、滑材の注入量を算出して設定する。従って、シールド掘進機1の掘進に伴って算出される滑材の注入量が増加する。なお、シールド掘進機1は、カッターヘッド4を回転駆動しながらジャッキ13を既設されたセグメント14に押し付けて前進する。従って、ジャッキ13のストロークがシールド掘進機1の掘進距離となり、注入制御部53は、ジャッキ13の1ストローク毎に滑材の注入量を算出して設定する。
【0026】
注入制御部53は、流量計24の計測値が設定した滑材の注入量に到達するまで、注入ポンプ25の回転を制御して滑材注入ノズル21から滑材を噴射させ、シールド掘進機1と地山との間に滑材注入させる。また、注入制御部53は、前方側圧力計22の計測値に、注入圧設定部52に設定された余裕圧を加算して値を目標土水圧とし、後方側圧力計23の計測値が前方側圧力計22の計測値より大きく、目標土水圧以下となるように、注入ポンプ25による滑材の注入圧や注入流量を制御する。例えば、後方側圧力計23の計測値が前方側圧力計22の計測値以下となる場合、注入制御部53は、注入ポンプ25による滑材の注入圧の上昇や注入流量の増加によって対応する。また、後方側圧力計23の計測値が目標土水圧を上回る場合、注入制御部53は、注入ポンプ25による滑材の注入圧の下降や、注入流量の減少によって対応する。
【0027】
このように、本実施形態の滑材注入システム20では、注入量設定部51に設定注入量を、注入圧設定部52に余裕圧をそれぞれ設定することで、滑材の注入が前方側圧力計22及び後方側圧力計23の計測値に基づいて自動制御される。なお、設定注入量(L)とジャッキストローク(mm)から単位注入量(L/mm)が算出される。滑材注入システム20は、注入した滑材をシールド掘進機1と地山との間に確実に注入させることができる。
【0028】
注入状況通知部54は、図3(a)に示す注入状況通知画面60を表示部42に表示させ、滑材の注入状況を管理者(シールド掘進機1のオペレーター)に通知する。注入状況通知画面60には、注入制御部53によって設定された注入量が設定注入量として表示される設定注入量表示欄61と、流量計24の計測値が計測注入量として表示される計測注入量表示欄62と、前方側圧力計22の計測値が注入前土水圧として表示される注入前土水圧表示欄63と、前方側圧力計22の計測値に注入圧設定部52に設定された余裕圧を加算した目標土水圧が表示される目標土水圧表示欄64と、後方側圧力計23の計測値が注入後土水圧として表示される注入後土水圧表示欄65と、マニュアルボタン66と、がレイアウトされている。
【0029】
マニュアルボタン66は、滑材の注入制御をマニュアルに切り替えるためのボタンであり、マニュアルボタン66が操作されると、注入状況通知部54は、図3(b)に示すマニュアル操作画面70を表示部42に表示させ、注入制御部53は、マニュアル制御に切り替える。例えば、計測注入量が設定注入量に到達しても注入後土水圧が目標土水圧を大きく下回る場合や、注入後土水圧が目標土水圧を超えてしまった場合等に、管理者は、マニュアル制御に切り替え、滑材の注入を直接制御することができる。
【0030】
マニュアル操作画面70には、計測注入量表示欄62と、注入前土水圧表示欄63と、目標土水圧表示欄64と、注入後土水圧表示欄65が注入状況通知画面60と同様にレイアウトされていると共に、滑材の注入を操作する注入操作欄71と、滑材の注入圧を設定するマニュアル余裕圧設定欄72と、滑材の注入流量を設定するマニュアル注入流量設定欄73と、自動制御ボタン74とがレイアウトされている。
【0031】
注入操作欄71には、滑材の注入の実行と停止とを指示する指示ボタンがレイアウトされている。また、マニュアル余裕圧設定欄72には、滑材の注入圧の上昇と下降とを指示する指示ボタンが、マニュアル注入流量設定欄73には、滑材の注入流量の増加と減少とを指示する指示ボタンがそれぞれレイアウトされている。
【0032】
そして、注入制御部53は、注入操作欄71で注入の実行が指示されると、マニュアル余裕圧設定欄72に設定された注入圧及びマニュアル注入流量設定欄73で設定された注入流量で、注入ポンプ25の回転を制御して滑材注入ノズル21から滑材を噴射させ、シールド掘進機1と地山との間に滑材注入させる。
【0033】
マニュアル操作でも、計測注入量、注入前土水圧、目標土水圧及び注入後土水圧によって注入状況を確認しながら滑材の注入を制御することができる。従って、管理者は、マニュアル操作によって、注入した滑材をシールド掘進機1と地山との間に確実に注入させることができる。
【0034】
自動制御ボタン74は、滑材の注入制御を注入制御部53による自動制御に切り替えるためのボタンであり、自動制御ボタン74が操作されると、注入状況通知部54は、注入状況通知画面60を表示部42に表示させ、注入制御部53は、自動制御に切り替える。
【0035】
また、図4に示す滑材注入システム20Aのように、滑材注入ノズル21、前方側圧力計22及び後方側圧力計23は、スキンプレート3の円周方向に複数組を設けることができる。なお、図4に示す例では、3組の滑材注入ノズル21、前方側圧力計22及び後方側圧力計23を天端と左右に配置しているが、組数や配置は適宜設定すると良い。
【0036】
流量計24及び注入ポンプ25は、滑材注入ノズル21、前方側圧力計22及び後方側圧力計23の1組ごとに設け、注入制御装置40Aの注入状況通知部54は、各組の注入状況通知画面60やマニュアル操作画面70を表示部42に1画面で表示させて一元管理すると良い。これにより、滑材の注入位置や注入量・注入流量を一元管理して調整でき、シールド掘進機1の周辺に均等に注入できる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態は、シールド掘進機1のスキンプレート3を貫通する滑材注入孔として機能する滑材注入ノズル21からシールド掘進機1と地山との間に滑材を注入する滑材注入システム20であって、滑材の注入前にスキンプレート3の外周面に作用する土水圧を計測するために、滑材注入ノズル21よりも掘削方向の前方側のスキンプレート3の外周面に取り付けられた前方側圧力計22と、滑材の注入後にスキンプレート3の外周面に作用する土水圧を計測するために、滑材注入ノズル21よりも掘削方向の後方側のスキンプレート3の外周面に取り付けられた後方側圧力計23と、前方側圧力計22及び後方側圧力計23の計測値を表示する注入制御装置40(表示部42、注入状況通知部54)とを備える。
この構成により、シールド掘進機1と地山との間への滑材の注入を、注入前後の土水圧を確認しながら行うことができるため、滑材の注入状況を把握でき、注入した滑材がシールド掘進機1と地山との間に確実に注入されているか否か確認することができる。
【0038】
さらに、本実施形態において、滑材注入ノズル21は、掘削方向の後方側に滑材が噴射されるように、後方側に傾斜している。
この構成により、前方側圧力計22のある前方側に滑材が注入されることなく、後方側圧力計23のある後方側に滑材が注入されるため、滑材の注入前後の土水圧を確認できる。
【0039】
さらに、本実施形態において、注入制御装置40(注入制御部53)は、後方側圧力計23の計測値が前方側圧力計22の計測値より大きく、前方側圧力計22の計測値に設定された余裕圧を加算した目標土水圧以下となるように、前記滑材の注入圧や注入流量を制御する。
この構成により、滑材の注入を自動制御することができる。
【0040】
さらに、本実施形態において、滑材注入ノズル21、前方側圧力計22及び滑材注入ノズル21は、スキンプレート3の円周方向に複数組が設けられ、注入制御装置40(注入状況通知部54)は、各組の前方側圧力計22及び後方側圧力計23の計測値を表示部42に1画面で表示する。
この構成により、滑材の注入位置や注入量・注入流量を一元管理して調整でき、シールド掘進機1の周辺に均等に注入できる。
【0041】
以上、実施形態をもとに本発明を説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0042】
1 シールド掘進機
2 チャンバー
3 スキンプレート
4 カッターヘッド
5 回転リング
6 連結ビーム
7 カッター旋回モータ
8 隔壁
9 機内
10 掘削添加材注入管
11 練混ぜ棒
12 スクリューコンベヤ
13 ジャッキ
14 セグメント
20、20A 滑材注入システム
21 滑材注入ノズル
22 前方側圧力計
23 後方側圧力計
24 流量計
25 注入ポンプ
40、40A 注入制御装置
41 操作部
42 表示部
43 送受信部
44 バス
50 演算部
51 注入量設定部
52 注入圧設定部
53 注入制御部
54 注入状況通知部
60 注入状況通知画面
61 設定注入量表示欄
62 計測注入量表示欄
63 注入前土水圧表示欄
64 目標土水圧表示欄
65 注入後土水圧表示欄
66 マニュアルボタン
70 マニュアル操作画面
71 注入操作欄
72 マニュアル余裕圧設定欄
73 マニュアル注入流量設定欄
74 自動制御ボタン
図1
図2
図3
図4