(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082812
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】アクチュエータ、アクチュエータ装置、ロボット及びアクチュエータ装置のシリーズ
(51)【国際特許分類】
H02K 11/30 20160101AFI20230608BHJP
【FI】
H02K11/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196765
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】マーカート セバスチャン
【テーマコード(参考)】
5H611
【Fターム(参考)】
5H611AA01
5H611BB01
5H611QQ03
(57)【要約】
【課題】使い勝手の良いアクチュエータを提供すること。
【解決手段】ドライバ14によって制御されるアクチュエータ10であって、ドライバ14に設けられるドライバ側コネクタ22に着脱可能に連結されるアクチュエータ側コネクタ18を備え、アクチュエータ側コネクタ18とドライバ側コネクタ22を連結することによりドライバ14と自身を電気的に接続することができるアクチュエータ10。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバによって制御されるアクチュエータであって、
前記ドライバに設けられるドライバ側コネクタに着脱可能に連結されるアクチュエータ側コネクタを備え、
前記アクチュエータ側コネクタと前記ドライバ側コネクタを連結することにより前記ドライバと自身を電気的に接続することができるアクチュエータ。
【請求項2】
前記アクチュエータ側コネクタ及び前記ドライバ側コネクタの一方は凸形状を有するオスコネクタであり、他方は前記凸形状と嵌合する凹形状を有するメスコネクタである請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記アクチュエータは、複数の電気機器を備え、
前記アクチュエータ側コネクタ及び前記ドライバ側コネクタは、前記複数の電気機器のそれぞれに対応し、その対応する前記電気機器への電気的な接続に用いられる複数種類の端子を備える請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のアクチュエータと、
請求項1から3のいずれかに記載のドライバと、を備えるアクチュエータ装置。
【請求項5】
前記アクチュエータと前記ドライバを電気的に接続する第1配線部材を備える請求項4に記載のアクチュエータ装置。
【請求項6】
前記第1配線部材は、前記アクチュエータ側コネクタ及び前記ドライバ側コネクタのそれぞれに個別に連結される一対の第1配線側コネクタを備える請求項5に記載のアクチュエータ装置。
【請求項7】
前記一対の第1配線側コネクタの一方は前記アクチュエータ側コネクタに連結され、他方は前記ドライバ側コネクタに連結され、
前記一方の第1配線側コネクタ及び前記ドライバ側コネクタの組み合わせと、前記他方の第1配線側コネクタ及び前記アクチュエータ側コネクタの組み合わせとの少なくとも一方は同じ部品によって構成される請求項6に記載のアクチュエータ装置。
【請求項8】
前記ドライバとは別の外部機器と前記アクチュエータを電気的に接続する第2配線部材を備える請求項4から7のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項9】
前記ドライバは、他のドライバと連結される連結部を備える請求項4から8のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項10】
前記アクチュエータは、前記アクチュエータ側コネクタが取り付けられるアクチュエータ本体を備え、
前記ドライバは、前記ドライバ側コネクタが取り付けられるドライバ本体を備え、
前記アクチュエータ本体及び前記ドライバ本体のそれぞれは、前記ドライバ側コネクタ及び前記アクチュエータ側コネクタが連結した状態にあるときに互いに接触する接触面を備える請求項4から9のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項11】
前記アクチュエータ本体及び前記ドライバ本体の一方の前記接触面を他方の前記接触面に押し付ける押付部を備える請求項10に記載のアクチュエータ装置。
【請求項12】
前記アクチュエータ本体の前記接触面と前記ドライバ本体の前記接触面とは放熱グリースを介して接触する請求項10または11に記載のアクチュエータ装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載のアクチュエータである第1アクチュエータが組み込まれる第1関節を備えるロボット。
【請求項14】
請求項1から12のいずれかに記載のドライバであり前記第1アクチュエータを制御する第1ドライバを備え、
前記第1ドライバは、前記第1アクチュエータから離れた位置に配置される請求項13に記載のロボット。
【請求項15】
前記第1関節を含む複数の関節と、
前記複数の関節により直列に連結される複数の連結体と、を備え、
前記複数の関節は、請求項1から12のいずれかに記載のアクチュエータである第2アクチュエータが組み込まれる第2関節を含み、
請求項1から12のいずれかに記載のドライバであり前記第2アクチュエータを制御する第2ドライバを備え、
前記第1ドライバ及び前記第2ドライバは、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータから離れた位置において共通の前記連結体に取り付けられる請求項14に記載のロボット。
【請求項16】
前記第1ドライバと前記第2ドライバは互いに連結されている請求項15に記載のロボット。
【請求項17】
アクチュエータ装置のシリーズであって、
請求項1から12のいずれかに記載のアクチュエータ及びドライバである第1アクチュエータ及び第1ドライバを備える第1アクチュエータ装置と、
請求項1から12のいずれかに記載のアクチュエータ及びドライバである第2アクチュエータ及び第2ドライバを備える第2アクチュエータ装置と、を備え、
前記第1アクチュエータは、第1アクチュエータ本体と、前記第1アクチュエータ本体に取り付けられる第1アクチュエータ側コネクタと、を備え、
前記第1ドライバは、第1ドライバ本体と、前記第1ドライバ本体に取り付けられる第1ドライバ側コネクタと、を備え、
前記第2アクチュエータは、第2アクチュエータ本体と、前記第2アクチュエータ本体に取り付けられる第2アクチュエータ側コネクタと、を備え、
前記第2ドライバは、第2ドライバ本体と、前記第2ドライバ本体に取り付けられる第2ドライバ側コネクタと、を備え、
前記第1アクチュエータ本体及び前記第2アクチュエータ本体と前記第1ドライバ本体及び前記第2ドライバ本体との少なくとも一方は構造において相違し、
前記第1アクチュエータ側コネクタ及び前記第2アクチュエータ側コネクタは同じ部品によって構成され、
前記第1ドライバ側コネクタ及び前記第2ドライバ側コネクタは同じ部品によって構成されるアクチュエータ装置のシリーズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、アクチュエータと、アクチュエータを制御するドライバとを備えるアクチュエータ装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のアクチュエータは、ドライバと分離不能に一体化されており、ドライバとの関係で、その使用態様に関して変更の自由度が低い。本願発明者は、このようなアクチュエータに関して使い勝手を良くするうえで、改良の余地があるとの認識を得た。
【0005】
本開示の目的の1つは、使い勝手の良いアクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のアクチュエータは、ドライバによって制御されるアクチュエータであって、前記ドライバに設けられるドライバ側コネクタに着脱可能に連結されるアクチュエータ側コネクタを備え、前記アクチュエータ側コネクタと前記ドライバ側コネクタを連結することにより前記ドライバと自身を電気的に接続することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、使い勝手のよいアクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のアクチュエータの第1使用態様での使用状態を示す模式図である。
【
図2】第1実施形態のアクチュエータの第2使用態様での使用状態を示す模式図である。
【
図3】第1実施形態のアクチュエータの第3使用態様での使用状態を示す模式図である。
【
図4】第1実施形態のアクチュエータを示す模式図である。
【
図5】
図5(A)は、第2実施形態のアクチュエータにドライバを取り付けようとしている途中状態を示す模式図であり、
図5(B)は、アクチュエータにドライバを取り付けた状態を示す模式図である。
【
図6】
図6(A)は、第3実施形態のアクチュエータにドライバを取り付けようとしている途中状態を示す模式図であり、
図6(B)は、アクチュエータにドライバを取り付けた状態を示す模式図である。
【
図7】第4実施形態のロボットを示す模式図である。
【
図8】第5実施形態のロボットを示す模式図である。
【
図9】
図8の範囲Aにある複数のドライバを示す模式図である。
【
図10】
図10(A)は、シリーズに属する第1アクチュエータ装置を示す模式図であり、
図10(B)は、シリーズに属する第2アクチュエータ装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
【0010】
(第1実施形態)第1実施形態のアクチュエータ10を説明する。
図1~
図3を参照する。本実施形態のアクチュエータ10が用いられるアクチュエータ装置12は、アクチュエータ10の他に、アクチュエータ10を制御するドライバ14を備える。アクチュエータ10は、アクチュエータ本体16と、アクチュエータ本体16に取り付けられるアクチュエータ側コネクタ18と、を備える。ドライバ14は、ドライバ本体20と、ドライバ本体20に取り付けられるドライバ側コネクタ22と、を備える。
【0011】
本実施形態のアクチュエータ10は、
図1に示すような、各コネクタ18、22を連結してドライバ14と電気的に接続する第1使用態様で使用可能である。この他にも、アクチュエータ10は、各コネクタ18、22の連結を解除した他の使用態様でも使用可能である。ここでの他の使用態様とは、例えば、次に説明する第2使用態様及び第3使用態様である。第2使用態様において、
図2に示すように、アクチュエータ10は、第1配線部材24を用いてドライバ14と電気的に接続して使用される。第3使用態様において、
図3に示すように、アクチュエータ10は、第2配線部材26を用いてドライバ14とは別の外部機器28と電気的に接続して使用される。
【0012】
第1使用態様及び第2使用態様では、アクチュエータ装置12の提供者(例えば、製造者又は販売者)から提供されたアクチュエータ10及びドライバ14がそのままユーザによって使用される。これに対して、第3使用態様では、アクチュエータ装置12の提供者から提供されたアクチュエータ10及びドライバ14のうちのアクチュエータ10と、ユーザによって準備された外部機器28とが組み合わせて使用される。ユーザは、第1使用態様と他の使用態様(第2使用態様、第3使用態様等)のなかから選択した何れかの使用態様でアクチュエータ10を使用可能である。以下、第1使用態様で使用されるアクチュエータ10及びドライバ14を説明してから、第2使用態様、第3使用態様を順に説明する。
【0013】
(第1使用態様)
図4を参照する。アクチュエータ10の概要を説明する。アクチュエータ10のアクチュエータ本体16は、駆動源40と、アクチュエータ10の外部にある被駆動部材42に駆動源40から伝達された動力を出力する出力部材44と、駆動源40を収容するアクチュエータケーシング46と、を備える。この他に、アクチュエータ本体16は、駆動源40から出力される動力を出力部材44に伝達する動力伝達機構48と、アクチュエータ10の外部にある被支持部材50に支持される支持部材52とを備える。
【0014】
本実施形態のアクチュエータ10は、駆動源40を電動モータ(ロータリーモータ)とする電動アクチュエータである。駆動源40の具体例は特に限定されず、ソレノイド、リニアモータ、エンジン等でもよい。本実施形態の電動モータは三相交流モータであり、不図示のステータ及びロータを備える。本実施形態の出力部材44は、被駆動部材42に動力として回転運動を出力するが、その運動の種類は特に限定されず、直線運動等を出力してもよい。
【0015】
本実施形態の動力伝達機構48は減速機構であり、駆動源40から出力される回転動力を減速のうえ出力部材44に伝達する。減速機構に用いられる伝送要素の具体例は特に限定されず、例えば、歯車、チェーン、ベルト等を用いてもよい。減速機構として歯車機構を用いる場合、その具体例は特に限定されず、遊星歯車機構、直交軸歯車機構、平行軸歯車機構、偏心揺動歯車機構、撓み噛み合い歯車機構等を用いてもよい。
【0016】
本実施形態の支持部材52は、動力伝達機構48を収容するアクチュエータケーシング46とは別のケーシング(減速機ケーシング)であり、出力部材44は歯車機構に用いられるキャリヤである。この他にも、ケーシングを出力部材44とし、キャリヤを支持部材52としてもよい。
【0017】
図1に戻る。この他に、アクチュエータ本体16は、所定の物理量を検出するための第1センサ56及び第2センサ58を備える。本実施形態において、第1センサ56は、出力部材44の回転角度を検出する回転センサ(エンコーダ)であり、第2センサ58は、出力部材44のトルクを検出するトルクセンサである。
【0018】
ドライバ本体20は、アクチュエータ10を制御する制御部60と、制御部60を収容するドライバケーシング62と、を備える。制御部60は、例えば、ドライバIC付き制御基板等によって構成されるマイクロコンピュータである。本実施形態の制御部60は、外部電源から供給される電力を用いて駆動電力を生成し、これを駆動源40に供給して駆動源40を駆動することで、アクチュエータ10を制御可能である。本実施形態の制御部60は、駆動電力として三相交流電力を生成して、これを三相交流モータである駆動源40に供給する。
【0019】
本実施形態の制御部60は、センサ56、58の検出結果に基づいてアクチュエータ10を制御する。制御部60は、例えば、第1センサ56(エンコーダ)から検出結果として出力される検出値が制御目標値に近づくようにアクチュエータ10を制御するフィードバック制御を行う。ここでの検出値、目標値は、本実施形態でいえば出力部材44の回転角度となる。このとき、制御部60は、記憶部に格納された制御パラメータ(比例ゲイン、積分ゲイン等)を読み出し、読み出した制御パラメータを用いてアクチュエータ10を制御する。この他にも、制御部60は、第2センサ58(トルクセンサ)の検出値に基づいて障害物への接触を検出し、その検出結果に基づきアクチュエータ10を制御してもよい。
【0020】
本実施形態の制御部60は、外部の上位コントローラ(不図示)に対して電気的に接続される。上位コントローラは、例えば、スレーブコントローラとして機能する複数のドライバ14を統括的に制御するマスターコントローラである。本実施形態の制御部60は、上位コントローラから出力される制御指令(制御目標値を含む)に従って駆動源40を制御することでアクチュエータ10を制御する。
【0021】
アクチュエータ10は、アクチュエータ側電気機器64A~64Cを備え、ドライバ14はドライバ側電気機器66を備える。アクチュエータ側電気機器64A~64C及びドライバ側電気機器66のいずれも電気を用いて動作する。アクチュエータ側電気機器64A~64Cとドライバ側電気機器66は互いに電気的に接続されるべき対象となる。本実施形態のアクチュエータ10は、第1アクチュエータ側電気機器64Aとしての駆動源40(電動モータ)と、第2アクチュエータ側電気機器64Bとしての第1センサ56と、第3アクチュエータ側電気機器64Cとしての第2センサ58とを備える。本実施形態のドライバ14は、ドライバ側電気機器66として制御部60(マイクロコンピュータ)を備える。
【0022】
アクチュエータ側コネクタ18は、アクチュエータ本体16に対する相対移動を許容する柔軟性を持つ配線部材を介さずにアクチュエータ本体16に取り付けられる。これを実現するうえで、本実施形態のアクチュエータ側コネクタ18は、アクチュエータ本体16のアクチュエータケーシング46に直接又は間接的に取り付けられる(
図2も参照)。ここでの「間接的」とは、例えば、別部材(例えば、回路基板等)を介してアクチュエータケーシング46にアクチュエータ側コネクタ18が取り付けられる場合をいう。アクチュエータ側コネクタ18は、嵌め込み、ねじ、接着、溶着等によりアクチュエータケーシング46に取り付けられる。
【0023】
アクチュエータ側コネクタ18は、複数種類のアクチュエータ側端子68A~68Cと、複数種類のアクチュエータ側端子68A~68Cを保持するアクチュエータ側コネクタハウジング70とを備える。アクチュエータ側コネクタハウジング70は、複数種類のアクチュエータ側端子68A~68Cをまとめて一体的に保持している。
【0024】
ドライバ側コネクタ22は、ドライバ本体20に対する相対移動を許容する柔軟性を持つ配線部材を介さずにドライバ本体20に取り付けられる。これを実現するうえで、本実施形態のドライバ側コネクタ22は、ドライバ本体20のドライバケーシング62に直接又は間接的に取り付けられる。ドライバ側コネクタ22は、嵌め込み、ねじ、接着、溶着等によりドライバケーシング62に取り付けられる。
【0025】
ドライバ側コネクタ22は、複数種類のドライバ側端子72A~72Cと、複数種類のドライバ側端子72A~72Cを保持するドライバ側コネクタハウジング74とを備える。ドライバ側コネクタハウジング74は、複数種類のドライバ側端子72A~72Cをまとめて一体的に保持している。
【0026】
各コネクタ18、22の端子68A~68C、72A~72Cの種類数は、ドライバ側電気機器66と電気的に接続すべきアクチュエータ側電気機器64A~64Cの個数と同数となる。本実施形態では、この条件を満たす3個のアクチュエータ側電気機器64A~64Cがあることから、各コネクタ18、22の端子68A~68C、72A~72Cの種類数は3種類となる。複数種類の端子8A~68C、72A~72Cのそれぞれは、複数のアクチュエータ側電気機器64A~64Cのそれぞれに対応しており、その対応するアクチュエータ側電気機器64A~64Cへの電気的な接続に用いられる。本実施形態の複数種類の端子68A~68C、72A~72Cは、第1アクチュエータ側電気機器64A(駆動源40)に対応する複数の第1端子68A、72Aと、第2アクチュエータ側電気機器64B(第1センサ56)に対応する複数の第2端子68B、72Bと、第3アクチュエータ側電気機器64C(第2センサ58)に対応する第3端子68C、72Cとを含む。
【0027】
本実施形態において、第1端子68A、72Aは、駆動源40に使用される電力の伝送に用いられる給電端子となる。各コネクタ18、22につき駆動源40の使用する電力に応じた個数の第1端子68A、72Aが用いられる。本実施形態の駆動源40は三相交流電力を使用するため、各相(U相、V相、W相)毎の電力を給電するために各コネクタ18、22につき計3つの第1端子68A、72Aが用いられる。本実施形態において、第2端子68B、72B及び第3端子68C、72Cは、自身に対応するセンサ56、58に使用される信号の伝送に用いられる信号端子となる。
【0028】
このように、端子68A~68C、72A~72Cは、自身に対応するアクチュエータ側電気機器64A~64Cに使用される電力及び信号のうちの少なくともいずれかの伝送に用いられる。端子68A~68C、72A~72Cを信号の伝送に用いる場合、各端子68A~68C、72A~72Cは、アクチュエータ側電気機器64A~64Cに信号を入力する入力端子又は信号を出力する出力端子のいずれとして用いられていてもよい。また、同じ種類に属する複数の端子68A~68C、72A~72Cのうちの一部を電力の伝送に用いつつ、かつ、残りの端子68A~68C、72A~72Cを信号の伝送に用いてもよい。
【0029】
ドライバ側コネクタ22は、アクチュエータ側コネクタ18に着脱可能に連結される。ドライバ側コネクタ22とアクチュエータ側コネクタ18は、アクチュエータ10とドライバ14の相対移動を許容する柔軟性を持つ配線部材を介さずに直接に連結される。
【0030】
アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22の一方は凸形状76を有するオスコネクタ78となり、他方は凸形状76と嵌合する凹形状80を有するメスコネクタ82となる。本実施形態ではアクチュエータ側コネクタ18がメスコネクタ82であり、ドライバ側コネクタ22がオスコネクタ78である。
【0031】
アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22は、互いに近づく連結方向(
図1の紙面で互いに左右に近づく方向)に相対移動させることで連結される。このとき、オスコネクタ78の凸形状76がメスコネクタ82の凹形状80に差し込まれる。また、アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22は、連結方向とは反対方向である連結解除方向(
図1の紙面で互いに左右に遠ざかる方向)に相対移動させることで連結が解除される。このとき、オスコネクタ78の凸形状76がメスコネクタ82の凹形状80から抜き出される。本実施形態の凸形状76及び凹形状80のそれぞれはアクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22それぞれのコネクタハウジング70、74に設けられる。この他にも、凸形状76及び凹形状80のそれぞれはアクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22それぞれの端子68A~68C、72A~72Cに設けられていてもよい。
【0032】
第1使用態様においては、ドライバ側コネクタ22とアクチュエータ側コネクタ18が連結される。この状態にあるとき、ドライバ側コネクタ22とアクチュエータ側コネクタ18それぞれの端子68A~68C、72A~72Cが導通される。このとき、ドライバ側コネクタ22とアクチュエータ側コネクタ18において共通するアクチュエータ側電気機器64A~64Cに電気的に接続するための端子68A~68C、72A~72Cが互いに接触することで導通される。各コネクタ18、22において互いに導通される端子68A~68C、72A~72Cの組み合わせは特に限定されないものの、例えば、ピン端子とソケット端子の組み合わせであってもよい。
【0033】
第1使用態様において、アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22を連結することにより、アクチュエータ10とドライバ14とが電気的に接続される。詳しくは、このとき、アクチュエータ側電気機器64A~64Cとドライバ側電気機器66とが電気的に接続される。本実施形態では、第1アクチュエータ側電気機器64A(駆動源40)とドライバ側電気機器66(制御部60)とが各コネクタ18、22の第1端子68A、72Aを介して電気的に接続される。また、第2アクチュエータ側電気機器64B(第1センサ56)とドライバ側電気機器66(制御部60)とが各コネクタ18、22の第2端子68B、72Bを介して電気的に接続される。また、第3アクチュエータ側電気機器64C(第2センサ58)とドライバ側電気機器66(制御部60)とが各コネクタ18、22の第3端子68C、72Cを介して電気的に接続される。
【0034】
なお、アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22は、連結解除方向での相対移動を制限することで各コネクタ18、22の離脱を防止する離脱防止構造を備えていてもよい。ここでの離脱防止構造は、例えば、各コネクタ18、22を連結するときに弾性変形することで、離脱方向での相対移動を制限する弾性反発力を付与する弾性部によって構成してもよい。これにより、アクチュエータ10、ドライバ14に振動等が付与されたときでも各コネクタ18、22の離脱を有効に防止できる。
【0035】
(第2使用態様)
図2を参照する。第2使用態様で使用される第1配線部材24を説明する。第1配線部材24は、柔軟性を持つ第1電線90と、第1電線90の両端部に設けられる一対の第1配線側コネクタ92A、92Bと、を備える。
【0036】
一対の第1配線側コネクタ92A、92Bは、アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22のそれぞれに対応して個別に設けられ、その対応するコネクタ18、22に個別に着脱可能に連結される。第1配線側コネクタ92A、92Bは、複数種類の第1配線側端子94A~94Cと、複数種類の第1配線側端子94A~94Cを保持する第1配線側コネクタハウジング96と、を備える。第1配線側コネクタハウジング96は、複数種類の第1配線側端子94A~94Cをまとめて一体的に保持している。
【0037】
第1配線部材24に用いられる第1電線90の個数及び第1配線側端子94A~94Cの種類数は、ドライバ側電気機器66と電気的に接続すべきアクチュエータ側電気機器64A~64Cの個数と同数となる。本実施形態ではこの条件を満たす3個のアクチュエータ側電気機器64A~64Cがあることから、第1電線90の個数は3個となり、第1配線側端子94A~94Cの種類数は3種類となる。複数の第1電線90及び複数種類の第1配線側端子94A~94Cのそれぞれは、複数のアクチュエータ側電気機器64A~64Cのそれぞれに対応しており、その対応するアクチュエータ側電気機器64A~64Cへの電気的な接続に用いられる。第1配線部材24に用いられる複数種類の端子94A~94Cは、アクチュエータ側端子68A~68C及びドライバ側端子72A~72Cと同様、第1アクチュエータ側電気機器64Aに対応する複数の第1端子94Aと、第2アクチュエータ側電気機器64Bに対応する複数の第2端子94Bと、第3アクチュエータ側電気機器64Cに対応する複数の第3端子94Cとを含む。
【0038】
第1電線90は、導電性を持つ複数の第1導線98と、複数の第1導線98を被覆する絶縁性を持つ第1被覆材100とを備える。複数の第1導線98は、自身の第1電線90と対応するアクチュエータ側電気機器64A~64Cへの電気的な接続に用いられる。
【0039】
一対の第1配線側コネクタ92Aのうちの一方の第1配線側コネクタ92Aは、アクチュエータ側コネクタ18と着脱可能に連結され、他方の第1配線側コネクタ92Bは、ドライバ側コネクタ22と着脱可能に連結される。このとき、互いに連結される第1配線側コネクタ92A及びアクチュエータ側コネクタ18において、共通するアクチュエータ側電気機器64A~64Cに電気的に接続するための端子68A~68C、94A~94Cは、互いに接触することで導通される。また、互いに連結される第1配線側コネクタ92B及びドライバ側コネクタ22において、共通するアクチュエータ側電気機器64A~64Cに電気的に接続するための端子72A~72C、94A~94Cは、互いに接触することで導通される。これにより、第1使用態様と同様、アクチュエータ側電気機器64A~64Cとドライバ側電気機器66とが電気的に接続される。
【0040】
ここで、一方の第1配線側コネクタ92A及びドライバ側コネクタ22の第1の組み合わせと、他方の第1配線側コネクタ92B及びアクチュエータ側コネクタ18の第2の組み合わせとの少なくとも一方は同じ部品によって構成される。本実施形態では、第1の組み合わせ及び第2の組み合わせの両方が個別の同じ部品によって構成される。ここでの「同じ部品」とは、物としては別物であるが、言及している二つのコネクタを構成する部品の形状、寸法は勿論のこと、その素材も含めて同じである(設計が同じである)ことを意味する。言及している二つのコネクタが同じコネクタハウジングを用いており、同じ種類数及び同じ個数の端子を用いていることになる。一方の第1配線側コネクタ92A及びドライバ側コネクタ22に関していえば、両者が同じコネクタハウジング74、96を用いており、同じ種類数及び同じ個数の端子72A~72C、94A~94Cを用いていることになる。また、一方の第1配線側コネクタ92Aは、ドライバ側コネクタ22と同じオスコネクタ78となり、他方の第1配線側コネクタ92Bは、アクチュエータ側コネクタ18と同じメスコネクタ82となる。
【0041】
(第3使用態様)
図3を参照する。第3使用態様を説明する。本実施形態の外部機器28は、アクチュエータ10を制御する外部ドライバである。外部機器28は、複数のアクチュエータ側電気機器64A~64Cの少なくともいずれかに対応しており、その対応するアクチュエータ側電気機器64A~64Cと第2配線部材26を用いて電気的に接続することができる。本実施形態の外部機器28は、3つのアクチュエータ側電気機器64A~64Cのうちの一部となる第1アクチュエータ側電気機器64A(駆動源40)、第2アクチュエータ側電気機器64B(第1センサ56)に対応しており、第3アクチュエータ側電気機器64C(第2センサ58)には対応していない。この他にも、外部機器28は、複数のアクチュエータ側電気機器64A~64Cの全てに対応していてもよい。
【0042】
外部機器28は、外部機器本体110と、外部機器本体110にケーブル112を介して取り付けられる外部コネクタ114A、114Bと、を備える。本実施形態の外部機器本体110は、前述した制御部60と同様の機能を持つマイクロコンピュータ(不図示)を含み、アクチュエータ10を制御可能である。ただし、本実施形態の外部機器本体110は、第1センサ56(エンコーダ)の検出値を用いたフィードバック制御を行うことができるものの、第2センサ58(トルクセンサ)の検出値を用いた制御を行うことができない点で、前述した制御部60と異なる。
【0043】
外部コネクタ114A、114Bは、複数種類の外部端子116A、116Bと、複数種類の外部端子116A、116Bを保持する外部コネクタハウジング118とを備える。外部コネクタ114A、114Bは、アクチュエータ側コネクタ18と連結不能である。外部コネクタ114A、114Bは、外部機器28と電気的に接続すべきアクチュエータ側電気機器64A、64Bに対応して設けられ、その対応するアクチュエータ側電気機器64A、64Bと外部機器28との電気的な接続に用いられる。
【0044】
本実施形態の外部コネクタ114A、114Bは、外部機器28と電気的に接続すべき複数のアクチュエータ側電気機器64A、64Bのそれぞれに一対一に対応して設けられる。つまり、本実施形態の外部コネクタ114A、114Bは、第1アクチュエータ側電気機器64Aに一対一に対応する外部コネクタ114Aと、第2アクチュエータ側電気機器64Bに一対一に対応する外部コネクタ114Bとを含む。この他にも、外部コネクタは、外部機器28と電気的に接続すべき複数のアクチュエータ側電気機器64A、64Bの組み合わせに一対一に対応して設けられてもよい。例えば、第1アクチュエータ側電気機器64A及び第2アクチュエータ側電気機器64Bの組み合わせに一対一に対応する一つの外部コネクタのみがあってもよい。この他にも、外部コネクタは、単数のアクチュエータ側電気機器に一対一に対応して設けられるものと、複数のアクチュエータ側電気機器の組み合わせに一対一に対応して設けられるものとの両方を含んでいてもよい。
【0045】
第2配線部材26は、互いに連結不能な外部コネクタ114A、114B及びアクチュエータ側コネクタ18を電気的に接続するアダプタとして機能する。第2配線部材26は、柔軟性を持つ第2電線120と、第2電線120の両端部に設けられる第2配線側コネクタ122とを備える。
【0046】
第2配線側コネクタ122は、アクチュエータ側コネクタ18及び外部コネクタ114A、114Bのそれぞれに対応して個別に設けられ、その対応するコネクタ18、114A、114Bに着脱可能に連結される。第2配線側コネクタ122は、複数種類の第2配線側端子124A、124Bと、複数種類の第2配線側端子124A、124Bを保持する第2配線側コネクタハウジング126と、を備える。
【0047】
第2配線部材26に用いられる第2電線120の個数及び第2配線側端子124A、124Bの種類数は、外部機器28と電気的に接続すべきアクチュエータ側電気機器64A、64Bの個数と同数となる。本実施形態ではこの条件を満たす2個のアクチュエータ側電気機器64A、64Bがあることから、第2電線120の個数は2個となり、第2配線側端子124A、124Bの種類数は2種類となる。複数の第2電線120及び複数種類の第2配線側端子124A、124Bのそれぞれは、外部機器28と電気的に接続すべき複数のアクチュエータ側電気機器64A、64Bのそれぞれに対応しており、その対応するアクチュエータ側電気機器64A、64Bへの電気的な接続に用いられる。
【0048】
第2電線120は、導電性を持つ複数の第2導線128と、複数の第2導線128を被覆する絶縁性を持つ第2被覆材130とを備える。複数の第2導線128は、自身の第2電線120と対応するアクチュエータ側電気機器64A、64Bへの電気的な接続に用いられる。
【0049】
第2配線部材26に用いられる外部コネクタ114A、114Bに対応する第2配線側コネクタ122の個数は、外部コネクタ114A、114Bの個数と同数となる。本実施形態では2個の外部コネクタ114A、114Bがあることから、この第2配線側コネクタ122の個数は2個となる。複数の第2配線側コネクタ122のそれぞれは、複数の外部コネクタ114A、114Bのそれぞれに対応しており、その対応する外部コネクタ114A、114Bに着脱可能に連結される。
【0050】
以上のように、
図2の第1配線部材24は、複数のアクチュエータ側電気機器64A~64Cのそれぞれに対応する個数の第1電線90及び種類数の第1配線側端子94A~94Cを備える。これに対して、
図3の第2配線部材26は、第1配線部材24とは異なり、外部機器28と電気的に接続すべきアクチュエータ側電気機器64A、64Bに対応する個数の第2電線120及び種類数の端子124A、124Bを備えていればよい。また、複数のアクチュエータ側電気機器64A~64Cに対応する複数の第1電線90は分離して束ねていなくてもよいし、結束材で束ねていてもよい。この他にも、複数の第1電線90は、共通する第1被覆材100で個々の第1導線98を被覆することで一体化されていてもよい。第2配線部材26の第2電線120、第2被覆材130に関しても同様である。
【0051】
以上のアクチュエータ装置12の効果を説明する。
【0052】
アクチュエータ10は、ドライバ14のドライバ側コネクタ22と着脱可能に連結されるアクチュエータ側コネクタ18を備えている。よって、各コネクタ18、20を連結した第1使用態様の他に、各コネクタ18、20の連結を解除した他の使用態様でアクチュエータ10を使用することができるようになる。ここでの「他の使用態様」とは、例えば、前述した第2使用対象~第3使用態様のうちのいずれかをいう。ひいては、ユーザの要望に応じて柔軟にアクチュエータ10の使用態様を変更することができ、アクチュエータ10の使い勝手を良くすることができる。
【0053】
例えば、配線部材の使用の回避をユーザが要望する場合、各コネクタ18、20を直接に連結してアクチュエータ10とドライバ14を電気的に接続する第1使用態様で使用することができる。これは、例えば、配線部材の配置スペースを確保し難い状況下においてアクチュエータ10を有効に使用できる点で有利となる。この他にも、提供者から提供されたドライバ14のアクチュエータ10から離れた位置への配置をユーザが要望する場合、第1配線部材24を用いてアクチュエータ10とドライバ14を電気的に接続する第2使用態様で使用することができる。これは、アクチュエータ10の周囲にドライバ14の配置スペースを確保し難い状況下においてアクチュエータ10を有効に使用できる点で有利となる。この他にも、ユーザが自身で準備した外部機器28の使用を要望する場合は第3使用態様で使用することができる。アクチュエータ10の提供者にとっては個々の使用態様毎に専用のアクチュエータ10を用意せずともよくなる利点がある。
【0054】
なお、アクチュエータ10は、ここでの「他の使用態様」として、ユーザが自身で準備した第2配線部材26を用いて外部機器28と電気的に接続する第4使用態様で使用してもよい。また、この他にも、アクチュエータ10は、ユーザが自身で準備した外部機器28を直接に電気的に接続する第5使用態様で使用してもよい。この場合、アクチュエータ側コネクタ18に外部機器28の外部コネクタを直接に連結することで、アクチュエータ側電気機器64A~64Cと外部機器28を電気的に接続すればよい。
【0055】
アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22は互いに嵌合するオスコネクタ78及びメスコネクタ82である。よって、オスコネクタ78とメスコネクタ82の嵌合によってアクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22をしっかりと連結できる。
【0056】
アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22は、複数のアクチュエータ側電気機器64A~64Cのそれぞれに対応する複数種類の端子68A~68Cを備えている。よって、各コネクタ18、22を連結するだけで、複数のアクチュエータ側電気機器64A~64Cのそれぞれとドライバ14を電気的に接続することができる。
【0057】
アクチュエータ装置12は、アクチュエータ10とドライバ14を電気的に接続する第1配線部材24を備える。よって、前述した第1使用態様と第2使用態様のうちユーザが選択した使用態様でアクチュエータ10を使用可能となる。
【0058】
第1配線部材24は、アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22のそれぞれに連結される一対の第1配線側コネクタ92Aを備える。よって、アクチュエータ10及びドライバ14に第1配線部材24を連結するにあたって、アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22とは別に、第1配線部材24に専用のコネクタをアクチュエータ10及びドライバ14に設けずに済む。
【0059】
第1配線側コネクタ92A及びドライバ側コネクタ22の組み合わせと、第1配線側コネクタ92B及びアクチュエータ側コネクタ18との少なくとも一方は同じ部品によって構成される。よって、複数のコネクタ18、22、92A、92Bに用いられる部品を共通化することで、製造コストの削減を図ることができる。
【0060】
アクチュエータ装置12は、ドライバ14とは別の外部機器28とアクチュエータ10を電気的に接続する第2配線部材26を備える。よって、アクチュエータ10の構成を変えることなく、第2配線部材26を用いてドライバ14とは別の外部機器28にアクチュエータ10を電気的に接続することができる。アクチュエータ10の提供者にとっては、ユーザの使用しようとする外部機器28をアクチュエータ10に電気的に接続するうえで、アクチュエータ10の構成を変えることなく、外部機器28に対応した第2配線部材26を準備するだけで済むようになる。ひいては、ユーザの使用しようとする様々な外部機器28に対応するためのカスタマイゼーションを容易に実現することができるようになる。
【0061】
(第2実施形態)前述の通り、アクチュエータ10は、被支持部材50及び被駆動部材42(
図4参照)に接触しており、その内部で発生した熱を熱伝導によって外部に放熱し易い状況にある。これに対して、各コネクタ18、22を用いてアクチュエータ10に取り付けたドライバ14は、通常、外部部材に接触しておらず、その内部で発生した熱を熱伝導によって外部に放熱し難い状況にある。以下、この対策となる工夫点を説明する。
【0062】
図5(A)、
図5(B)を参照する。第2実施形態のアクチュエータ本体16は、アクチュエータ側接触面140を備える。また、本実施形態のドライバ本体20は、アクチュエータ側接触面140と対向するドライバ側接触面142を備える。本実施形態において、アクチュエータ側接触面140はアクチュエータケーシング46に設けられ、ドライバ側接触面142はドライバケーシング62に設けられる。各接触面140、142が設けられる箇所(ここではアクチュエータケーシング46、ドライバケーシング62)は、アルミニウム等の熱伝導率に優れた素材を用いて構成されると好ましい。アクチュエータ本体16及びドライバ本体20それぞれの接触面140、142は、ドライバ側コネクタ22及びアクチュエータ側コネクタ18が連結した状態にあるときに互いに接触する。ここでの「接触」として、本実施形態では、アクチュエータ側接触面140とドライバ側接触面142が直接的に接触する場合を説明する。この「接触」は、この他にも、後述する他の要素(例えば、後述する放熱グリース156)を介して間接的に接触する場合も含まれる。
【0063】
アクチュエータ本体16は、自身の外面部に凹部として設けられるスライドガイド部144と、スライドガイド部144に対して各コネクタ18、22の着脱方向Da(連結方向及び連結解除方向の組み合わせ)にスライド可能に設けられるスライド部146と、を備える。これらは、アクチュエータ側接触面140と同様、アクチュエータケーシング46に設けられ、アクチュエータ側接触面140はスライド部146に設けられる。
【0064】
アクチュエータ装置12は、アクチュエータ側接触面140をドライバ側接触面142に押し付ける押付部148を備える。本実施形態の押付部148は、アクチュエータ本体16とは別体の弾性体であり、スライドガイド部144の底部とスライド部146との間に設けられる。本実施形態の押付部148はバネであるが、その具体例は特に限定されず、ゴム等でもよい。押付部148は、ドライバ側コネクタ22及びアクチュエータ側コネクタ18が連結した状態にあるとき、弾性的に圧縮変形する(
図5(B)参照)。この押付部148の圧縮変形方向は、例えば、各コネクタ18、22を連結するときに互いに近づける連結方向となる。この結果、押付部148は、弾性変形に起因する反発力によって、アクチュエータ側接触面140をドライバ側接触面142に押し付けることができる。
【0065】
以上のように、アクチュエータ本体16及びドライバ本体20のそれぞれは、コネクタ18、22を用いてアクチュエータ本体16及びドライバ本体20が連結された状態にあるときに互いに接触する接触面140、142を備える。よって、熱伝導によって外部に放熱し難い状況下にあるドライバ本体20の熱を、接触面140、142を通してアクチュエータ本体16に熱伝導によって伝達でき、ドライバ本体20の放熱を促進することができる。
【0066】
図5(B)では、ドライバ本体20からアクチュエータ本体16への熱伝導方向Dbを示す。本実施形態のようにアクチュエータ本体16にスライド部146を設けた場合、ドライバ本体20からアクチュエータ本体16に放熱する過程で、スライド部146とスライドガイド部144の間で熱伝達が起きる。
【0067】
アクチュエータ本体16は、アクチュエータ側接触面140をドライバ側接触面142に押し付ける押付部148を備える。寸法誤差等の誤差の影響によって、各コネクタ18、22が連結された状態にあるときに、アクチュエータ本体16及びドライバ本体20の相対位置が変動した場合を考える。この場合でも、押付部148によって各接触面140、142の一方を他方に押し付けることで、その誤差を吸収することができる。ひいては、誤差の影響を抑制しつつ、ドライバ本体20の放熱の促進のために、アクチュエータ側接触面140及びドライバ側接触面142を安定して接触させることができる。
【0068】
ここまで押付部148は、アクチュエータ本体16とは別体である例を説明した。この他にも、ここで説明した効果を得るうえでは、アクチュエータ本体16そのものの一部を弾性体によって構成し、そのアクチュエータ本体16そのものによって押付部148を構成してもよい。
【0069】
また、ここまで押付部148は、アクチュエータ本体16に設けられ、アクチュエータ側接触面140をドライバ側接触面142に押し付けるものとして説明した。この他に、押付部148は、ドライバ本体20に設けられ、ドライバ側接触面142をアクチュエータ側接触面140に押し付けるものであってもよい。言い換えると、アクチュエータ装置12は、アクチュエータ本体16及びドライバ本体20の一方の接触面を他方の接触面に押し付ける押付部148を備えていてもよいともいえる。ドライバ本体20に押付部148を設ける場合、前述したスライドガイド部144、スライド部146を、アクチュエータ本体16に替えてドライバ本体20に設けてもよい。
【0070】
なお、本実施形態のアクチュエータ装置12は、各コネクタ18、22の連結解除方向(
図5(B)で紙面の上下に互いに離れる方向)での相対移動を制限することでコネクタ18、22の離脱を防止する離脱防止機構150を備える。本実施形態の離脱防止機構150は、ドライバ本体20及びアクチュエータ本体16の一方(ここではドライバ本体20)に設けられた爪部152と、それらの他方(アクチュエータ本体16)に設けられ爪部152が引っ掛けられる爪受け部154との組み合わせである。本実施形態の爪部152は可動式であり、各コネクタ18、22を連結方向(
図5(A)で紙面の上下に互いに近づく方向)に相対移動させるときに爪受け部154との接触を回避する回避位置と、爪受け部154に引っ掛け可能な引っ掛け位置との間を移動可能な可動式である。離脱防止機構150を用いることで、各コネクタ18、22に連結解除方向での押付部148による弾性反発力Faが作用する場合でも、各コネクタ18、22を連結した状態を維持することができる。離脱防止機構150は、この他にもねじを用いて構成されてもよいし、爪部152は可動式でなくともよい。
【0071】
(第3実施形態)
図6(A)、
図6(B)を参照する。本実施形態のアクチュエータ装置12は、第2実施形態と比べて、アクチュエータ側接触面140とドライバ側接触面142との間に半固体状の放熱グリース156が設けられている点において相違する。これら接触面140、142は放熱グリース156を介して接触する。放熱グリース156は、ドライバ側接触面142からアクチュエータ側接触面140への熱伝達を促進するために用いられる。放熱グリース156の具体例は特に限定されず、シリコーンオイル等のオイルと金属粉末等のフィラーとの混合物が用いられていてもよい。
【0072】
放熱グリース156は、ドライバ側コネクタ22及びアクチュエータ側コネクタ18を連結するときに、アクチュエータ側接触面140及びドライバ側接触面142の少なくとも一方に予め塗布されている(
図6(A)参照)。ドライバ側コネクタ22及びアクチュエータ側コネクタ18を連結方向(
図6(A)で紙面の上下に互いに近づく方向)に相対移動させる場合を考える。この場合に、放熱グリース156は、これらの間で広がるようにアクチュエータ側接触面140とドライバ側接触面142との間で潰れ変形する。
【0073】
誤差の影響によって、各コネクタ18、22が連結された状態にあるときに、アクチュエータ側接触面140及びドライバ側接触面142の相対位置が変動した場合を考える。この場合でも、放熱グリース156の変形によって、その誤差を吸収しつつ各接触面140、142を接触させた状態を維持できる。ひいては、誤差の影響を抑制しつつ、ドライバ本体20の放熱の促進のために、アクチュエータ側接触面140及びドライバ側接触面142を安定して接触させることができる。
【0074】
(第4実施形態)
図7を参照する。次に、ここまで説明したアクチュエータ装置12を用いたロボット200を説明する。本実施形態のロボット200は産業用ロボットであるが、その具体例は特に限定されず、サービスロボット等でもよい。本実施形態のロボット200は、関節の個数を6個とする6軸の多関節ロボットである。
【0075】
ロボット200は、複数の関節202A~202Fと、複数の関節202A~202Fにより直列に連結される複数の連結体204A~204Gと、複数の関節202A~202Fのそれぞれに対応する複数のアクチュエータ装置12A~12Fと、を備える。
【0076】
関節202A~202Fは、隣り合う連結体204A~204Gを連結する。複数の関節202A~202Fは、ロボット200の先端側から基端側に向かって1段目関節202A、2段目関節202B、3段目関節202C、4段目関節202D、5段目関節202E、6段目関節202Fを含む。
【0077】
複数の連結体204A~204Gは、ロボット200の最も基端側に配置されるベース204Gと、ベース204Gに支持される複数のリンク204A~204Fと、を備える。複数のリンク204A~204Fは、ロボット200の先端側から基端側に向かって1段目リンク204A、2段目リンク204B、3段目リンク204C、4段目リンク204D、5段目リンク204E、6段目リンク204Fを含む。最も先端側の1段目リンク204Aにはロボットハンド(不図示)が取り付けられる。
【0078】
複数のアクチュエータ装置12A~12Fは、1段目関節202A~6段目関節202Fのそれぞれに対応する1段目アクチュエータ装置12A~6段目アクチュエータ装置12Fを含む。1段目アクチュエータ装置12A~6段目アクチュエータ装置12Fのそれぞれは前述したアクチュエータ装置12であり、前述したアクチュエータ10及びドライバ14を備える。ここでは、複数のアクチュエータ装置12A~12Fを区別するため、名称の冒頭に順序数(1段目、2段目・・・等)を付し、符号の末尾にアルファベット(A、B、C・・・等)を付す。また、アクチュエータ装置12A~12Fを特定する順序数及びアルファベットと同じものをアクチュエータ10及びドライバ14に付すことで、1段目アクチュエータ装置12A~6段目アクチュエータ装置12Fのそれぞれのアクチュエータ10及びドライバ14を区別する。例えば、1段目アクチュエータ装置12Aのアクチュエータ10及びドライバ14は、1段目アクチュエータ10A及び1段目ドライバ14Aとして説明する。
【0079】
アクチュエータ装置12A~12Fのアクチュエータ10A~10Fは、自身に対応する関節202A~202Fに組み込まれる。例えば、1段目アクチュエータ10Aは1段目関節202Aに組み込まれ、2段目アクチュエータ10Bは2段目関節202Bに組み込まれる。アクチュエータ10A~10Fの支持部材52(
図4参照)は、隣り合う連結体204A~204Gのうちの基端側の連結体に取り付けられ、アクチュエータ10の出力部材44(
図4参照)は、隣り合う連結体204A~204Gのうちの先端側の連結体に取り付けられる。例えば、1段目アクチュエータ10Aの支持部材52は、基端側の2段目リンク204Bに取り付けられ、1段目アクチュエータ10Aの出力部材44は、先端側の1段目リンク204Aに取り付けられる。
【0080】
アクチュエータ10A~10Fは、自身に対応する関節202A~202Fにおいて連結される隣り合う連結体204A~204Gを相対回転させることができる。例えば、1段目アクチュエータ10Aは、1段目関節202Aにおいて連結される1段目リンク204Aと2段目リンク204Bとを相対回転させることができる。
【0081】
本実施形態では、複数のアクチュエータ10A~10Fのうちの少なくとも一部のアクチュエータ10A~10Fは、各コネクタ18、22を連結してドライバ14と電気的に接続される第1使用態様で使用される(ここでは一部のコネクタ18、22は図示せず)。本実施形態では、4段目アクチュエータ10D~6段目アクチュエータ10Fが第1使用態様で使用される。また、複数のアクチュエータ10A~10Fのうちの残りのアクチュエータ10A~10Cは、第1配線部材24を用いてドライバ14A~14Cと電気的に接続される第2使用態様で使用される。本実施形態では、1段目アクチュエータ10A~3段目アクチュエータ10Cが第2使用態様で使用される。
【0082】
1段目ドライバ14A~3段目ドライバ14Cは、自身が制御する1段目アクチュエータ10A~3段目アクチュエータ10Cから離れた位置に配置される。1段目ドライバ14A~3段目ドライバ14Cは、自身が制御するアクチュエータ10A~10Cの組み込まれた1段目関節202A~3段目関節202Cのそれぞれよりも基端側にある4段目リンク204Dに取り付けられる。第2使用態様で使用されるアクチュエータ10A~10Cを制御する複数のドライバ14A~14Cは、そのアクチュエータ10A~10Cが組み込まれる連結体204A~204Cよりも基端側にある共通の連結体204Dに取り付けられるともいえる。1段目ドライバ14A~3段目ドライバ14Cは、例えば、ねじ等の固定具を用いて、4段目リンク204Dに直接に取り付けられる。この他にも、後述のように、一つのドライバ14のみを連結体に取り付け、他のドライバ14は一つのドライバ14に連結することで、その一つのドライバ14を介して連結体に取り付けてもよい。
【0083】
4段目ドライバ14D~6段目ドライバ14Fは、自身に対応するアクチュエータ10に対して各コネクタ18、22を連結することで取り付けられる。1段目ドライバ14A~6段目ドライバ14Fは、デイジーチェーン接続、バス接続等によって、上位コントローラ(不図示)に電気的に接続される。
【0084】
ここまで説明したロボット200の効果を説明する。
【0085】
(A)ロボット200には前述した複数の使用態様で使用できるアクチュエータ10A~10Fが用いられる。よって、柔軟に使い方を変更できるアクチュエータ10A~10Fを用いて実際にロボット200を得ることができる。
【0086】
(B)アクチュエータ10A~10Cを制御するドライバ14A~14Cはアクチュエータ10A~10Cから離れた位置に配置される。よって、そのドライバ14A~14Cによって制御されるアクチュエータ10A~10C周りにドライバ14A~14Cの配置スペースを要さずに済む。
【0087】
(C)複数のドライバ14A~14Cは、自身によって制御されるアクチュエータ10A~10Cから離れた位置において共通の連結体204Dに取り付けられる。よって、複数のドライバ14A~14Cによって制御されるアクチュエータ10A~10C周りにドライバ14A~14Cの配置スペースを要さずに済む。また、複数のドライバ14A~14Cの取付相手を一つの連結体204Dにまとめることができ、メンテナンス時の作業性を良くすることができる。
【0088】
この他にも、ドライバ14A~14Cによって制御されるアクチュエータ10A~10Cが組み込まれる関節202A~202Cよりもロボット200の基端側においてドライバ14を連結体204Dに取り付けた場合、ロボット200の重心をロボット200の基端側に近づけることができる。ひいては、ロボット200の最も先端側の1段目リンク204Aを移動させるときに付与すべき荷重を軽減することができる。
【0089】
また、複数のドライバ14をロボット200に組み込むことになるため、複数のドライバ14を外部の制御箱に配置せずともよくなり、制御箱を小型化できる利点もある。また、ロボット200の提供者(販売者等)によって、アクチュエータ10の制御に必要な前述の制御パラメータ(比例ゲイン等)をチューニングしてドライバ14の記憶部に格納しておくことで、ユーザ側でのチューニングを不要にすることができる。
【0090】
(第5実施形態)
図8、
図9を参照する。本実施形態では、第4実施形態と比べて、1段目ドライバ14A~3段目ドライバ14Cの構成において相違する。これらは、他のドライバ14A~14Cと連結される連結部210を備える。詳しくは、ドライバ14A~14Cは、他のドライバ14A~14Cに設けられた連結部210と協働して他のドライバ14A~14Cと連結される連結部210を備える。連結部210は、ドライバ14A~14Cのドライバ本体20(ここではドライバケーシング62)に設けられる。本実施形態において、隣り合うドライバ14の連結に用いられる連結部210は凹凸構造である。一方のドライバ本体20の凹凸構造の凹部212に対して他方のドライバ本体20の凹凸構造の凸部214を圧入を伴い嵌め込むことで、隣り合うドライバ14A~14Cは連結される。この他にも、隣り合うドライバ14A~14Cの連結に用いられる連結部210は、オスコネクタ及びメスコネクタの組み合わせ、異なる極性の磁石の組み合わせ等でもよい。複数のドライバ14A~14Cは、連結部210を用いて同じ方向に並べたうえで連結できてもよいし、異なる方向に並べたうえで連結できてもよい。
【0091】
これにより、アクチュエータ装置12においてアクチュエータ10A~10Cから分離した複数のドライバ14A~14Cをひとまとめにして取り扱うことができる。ひいては、ロボット200等の相手機械への取り付け等のために複数のドライバ14A~14Cを取り扱うときに良好な作業性を得ることができる。
【0092】
次に、アクチュエータ装置のシリーズ(製品群)を説明する。以下に説明するシリーズは、アクチュエータ装置のシリーズを得るための製造方法及び設計方法のそれぞれと捉えることもできる。
【0093】
図10(A)、
図10(B)を参照する。シリーズは、第1アクチュエータ装置12-Aと、第2アクチュエータ装置12-Bとを備える。各アクチュエータ装置12-Aの構成要素(アクチューエータ、ドライバ等)は、前述したアクチュエータ装置12の構成要素と基本的な機能は共通である。以下、第1アクチュエータ装置12-Aと第2アクチュエータ装置12-Bに用いられる前述した内容と共通する構成要素に関して、その名称の冒頭に「第1、第2」と付し、符号の末尾に「-A、-B」と付すことで区別する。
【0094】
第1アクチュエータ装置12-Aは、第1アクチュエータ10-Aと、第1アクチュエータ10-Aを制御する第1ドライバ14-Aと、を備える。第1アクチュエータ10-Aは、第1アクチュエータ本体16-Aと、第1アクチュエータ本体16-Aに取り付けられる第1アクチュエータ側コネクタ18-Aと、を備える。第1ドライバ14-Aは、第1ドライバ本体20-Aと、第1ドライバ本体20-Aに取り付けられる第1ドライバ側コネクタ22-Aと、を備える。
【0095】
第2アクチュエータ装置12-Bは、第2アクチュエータ10-Bと、第2アクチュエータ10-Bを制御する第2ドライバ14-Bと、を備える。第2アクチュエータ10-Bは、第2アクチュエータ本体16-Bと、第2アクチュエータ本体16-Bに取り付けられる第2アクチュエータ側コネクタ18-Bと、を備える。第2ドライバ14-Bは、第2ドライバ本体20-Bと、第2ドライバ本体20-Bに取り付けられる第2ドライバ側コネクタ22-Bと、を備える。
【0096】
第1アクチュエータ本体16-A及び第2アクチュエータ本体16-Bと、第1ドライバ本体20-A及び第2ドライバ本体20-Bとの少なくとも一方は構造において相違する。ここでの構造において相違するとは、言及している二者における特定の構成要素の有無において相違する場合の他に、その構成要素の寸法において相違する場合も含む。寸法において相違する場合とは、言及している二者が相似である場合にも成立する。本実施形態では、第1アクチュエータ本体16-Aと第2アクチュエータ本体16-Bとでアクチュエータケーシング46の寸法において相違し、かつ、第1ドライバ本体20-Aと第2ドライバ本体20-Bとで寸法において相違する例を示す。
【0097】
第1アクチュエータ側コネクタ18-A及び第2アクチュエータ側コネクタ18-Bは同じ部品によって構成される。また、第1ドライバ側コネクタ22-A及び第2ドライバ側コネクタ22-Bは同じ部品によって構成される。ここでの「同じ部品」の定義は、前述と同様、言及している二つのコネクタを構成する部品の形状、寸法は勿論のこと、その素材も含めて同じであることを意味する。例えば、第1アクチュエータ側コネクタ18-A及び第2アクチュエータ側コネクタ18-Bに関していえば、両者が同じアクチュエータ側コネクタハウジング70を用いており、同じ種類数及び同じ個数のアクチュエータ側端子68A~68Cを用いていることになる。また、第1ドライバ側コネクタ22-A及び第2ドライバ側コネクタ22-Bに関していえば、両者が同じドライバ側コネクタハウジング74を用いており、同じ種類数及び同じ個数のドライバ側端子72A~72Cを用いていることになる。
【0098】
これにより、複数のアクチュエータ装置12-A、12ーBの間で共通するコネクタ18-A、18-B、22-A、22-Bを使用でき、製造コストの削減を図ることができる。
【0099】
次に、ここまで説明した各構成要素の変形形態を説明する。以下、符号の末尾に「A、B、C」を付した構成要素(アクチュエータ側電気機器等)を総称するときは、これを省略する。
【0100】
第1実施形態においてユーザが選択できるアクチュエータ10の使用態様は、第1使用態様、第2使用態様及び第3使用態様の計3つである例を説明した。この他にも、ユーザが選択できる使用態様は、第1使用態様及び第2使用態様の計2つでもよいし、第1使用態様及び第3使用態様の計2つでもよい。アクチュエータ装置12は、第1配線部材24及び第2配線部材26のうち第1配線部材24のみを備えていてもよいし、第2配線部材26のみを備えていてもよいともいえる。
【0101】
(アクチュエータ)ドライバ14と電気的に接続すべきアクチュエータ側電気機器64の具体例及び個数は特に限定されない。アクチュエータ側電気機器64は、例えば、駆動源40、センサ56、58の他にも、電磁ブレーキ、マイクロコンピュータ等でもよい。また、このアクチュエータ側電気機器64の個数は特に限定されず、単数、二つ、四つ以上のいずれでもよい。また、複数のアクチュエータ側電気機器64を備える場合、残りのアクチュエータ側電気機器64の種類によらず、そのうちの一つは駆動源40(電動モータ)でもよい。
【0102】
駆動源40となる電動モータの種類は特に限定されない。電動モータは、例えば、三相交流モータの他にも、直流モータ、単相交流モータ等でもよい。
【0103】
センサ56、58の種類は特に限定されない。センサ56、58は、例えば、アクチュエータ本体16内の温度を検出する温度センサ等でもよい。
【0104】
(ドライバ)ドライバ14のドライバ本体20はドライバケーシング62を備える例を説明したが、ドライバケーシング62を備えずともよい。これは、例えば、ドライバ本体20が制御部60を構成する制御基板のみによって構成される場合を想定している。
【0105】
ドライバ14の制御部60によるアクチュエータ10の制御方法は特に限定されない。例えば、制御部60は、第2センサ58から出力される出力値(トルク)が制御目標値に近づくようにフィードバック制御を行ってもよい。
【0106】
(コネクタ)アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22の具体例はオスコネクタ78及びメスコネクタ82の組み合わせに限定されない。例えば、アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22の一方をフックとし、他方をフックを受けるフック受けとしてもよい。この場合、各コネクタ18、22の端子68、72は、フックとフック受けの接触箇所に端子を設けられていてもよい。
【0107】
アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22は、複数のアクチュエータ側電気機器64のそれぞれに対応する複数種類の端子68、72を備える例を説明した。この他にも、単数のアクチュエータ側電気機器に対応する一種類の端子のみを備えていてもよい。
【0108】
アクチュエータ10及びドライバ14は、アクチュエータ側コネクタ18及びドライバ側コネクタ22とは別に設けられ、第1配線部材24に連結される専用のコネクタを備えていてもよい。
【0109】
(配線部材)一方の第1配線側コネクタ92A及びドライバ側コネクタ22の組み合わせと、他方の第1配線側コネクタ92B及びアクチュエータ側コネクタ18の組み合わせのそれぞれが個別に異なる部品によって構成されてもよい。例えば、一方の第1配線側コネクタ92Aとドライバ側コネクタ22とでコネクタハウジング及び端子の少なくとも一方を異なる形状としてもよい。この他に、他方の第1配線側コネクタ92Bとアクチュエータ側コネクタ18とでコネクタハウジング及び端子の少なくとも一方を異なる形状としてもよい。
【0110】
(外部機器28)外部機器28の具体例は特に限定されない。外部機器28は、例えば、アクチュエータ10の駆動源40に電気的に接続される電源機器でもよい。また、外部機器28の個数も特に限定されない。外部機器28は、駆動源40に電気的に接続される電源機器と、駆動源40とは別のアクチュエータ側電気機器64に電気的に接続される情報処理機器(マイクロコンピュータを含む)との組み合わせでもよい。この場合、駆動源40と電源機器を電気的に接続する第2配線部材26とは別に、アクチュエータ側電気機器64と情報処理機器を電気的に接続する他の第2配線部材26を用いてもよい。また、アクチュエータ装置12の提供者はアクチュエータ装置12と併せて外部機器28をユーザに提供してもよい。
【0111】
(ロボット)ロボット200の関節202の個数は特に限定されない。例えば、関節202は単数でもよいし、2~5個でもよいし、7個以上でもよい。
【0112】
ドライバ14との関係で複数の使用態様で使用できるアクチュエータ10を対応アクチュエータ10といい、一つの使用態様でしか使用できないアクチュエータを非対応アクチュエータという。非対応アクチュエータとは、例えば、ドライバと分離不能に一体化されていたり、配線部材を用いてはじめてドライバと電気的に接続できるものをいう。
【0113】
このとき、(A)で説明した効果との関係では、少なくとも一つの関節202A~202Fに対応アクチュエータ10が用いられていればよい。例えば、複数の関節202A~202Fのうちの一部の関節202A~202Fのみに対応アクチュエータ10を組み込み、残りの関節202A~202Fに非対応アクチュエータを組み込んでもよい。また、この他にも、ロボット200に用いられる対応アクチュエータ10の全てが第1使用態様又は第2使用態様のいずれかで使用されていてもよい。
【0114】
(B)で説明した効果との関係では、少なくとも一つのドライバ14が対応アクチュエータ10から離れた位置に配置されていればよい。例えば、実施形態とは異なり、複数のドライバ14A~14Fのうちの1段目ドライバ14Aのみが1段目アクチュエータ10A(対応アクチュエータ)から離れた位置に配置されていてもよい。
【0115】
(C)で説明した効果との関係では、複数のドライバ14が自身によって制御される対応アクチュエータ10よりも離れた位置で共通の連結体204に取り付けられていればよく、その取付相手となる連結体204は特に限定されない。
【0116】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0117】
以上の構成要素の任意の組み合わせも有効である。例えば、実施形態に対して他の実施形態の任意の説明事項を組み合わせてもよいし、変形形態に対して実施形態及び他の変形形態の任意の説明事項を組み合わせてもよい。また、第2実施形態で説明した押付部148と第3実施形態で説明した放熱グリース156を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0118】
10…アクチュエータ、10-A…第1アクチュエータ、10-B…第2アクチュエータ、12…アクチュエータ装置、12-A…第1アクチュエータ装置、12-B…第2アクチュエータ装置、14…ドライバ、14-A…第1ドライバ、14-B…第2ドライバ、16…アクチュエータ本体、16-A…第1アクチュエータ本体、16-B…第2アクチュエータ本体、18…アクチュエータ側コネクタ、18-A…第1アクチュエータ側コネクタ、18-B…第2アクチュエータ側コネクタ、20…ドライバ本体、20-A…第1ドライバ本体、20-B…第2ドライバ本体、22…ドライバ側コネクタ、22-A…第1ドライバ側コネクタ、22-B…第2ドライバ側コネクタ、24…第1配線部材、26…第2配線部材、28…外部機器、68A~68C…アクチュエータ側端子、72A~72C…ドライバ側端子、76…凸形状、78…オスコネクタ、80…凹形状、82…メスコネクタ、92A,92B…第1配線側コネクタ。