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  • 特開-組み立て式匣鉢 図1
  • 特開-組み立て式匣鉢 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082822
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】組み立て式匣鉢
(51)【国際特許分類】
   F27D 3/12 20060101AFI20230608BHJP
【FI】
F27D3/12 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196780
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000244176
【氏名又は名称】明智セラミックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】谷口 悠
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 和也
【テーマコード(参考)】
4K055
【Fターム(参考)】
4K055AA05
4K055HA13
4K055HA23
(57)【要約】
【課題】複数枚の側板12と1枚の底板11と1枚の中敷き板13を箱型に組み立てる作業が簡単、迅速に行うことができる組み立て式匣鉢を提供すること。
【解決手段】底板11の嵌合凹部11cの内面に沿って側板12を立設し、底板11と複数枚の側板12で収納空間10aを区画形成する。ついで、収納空間10aに中敷き板13を挿入し、立設した側板12を中敷き板13の端部で底板11の側面11bに押し付けて固定する。複数枚の側板12と1枚の底板11を、箱型を有する匣鉢10に組み立てることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の底板と複数枚の側板を箱型に組み立てた組み立て式匣鉢であって、
底板を上面が開口する浅底の箱型に成形し、
側板を底板の側面の内面に当接させて底板の底面から立設し、
立設した複数の側板で収納空間を区画形成し、
中敷き板を収納空間に挿入して、中敷き板の端部で側板を底板の側面に押し付けて固定したことを特徴とする組み立て式匣鉢。
【請求項2】
底板の底面を正方形に成形し、
矩形の側板を底板の各側面に沿って立設して、底板と4枚の側板で収納空間を区画形成し、
収納空間に正方形の中敷き板を挿入したことを特徴とする請求項1に記載の組み立て式匣鉢。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組み立て式匣鉢に関し、より詳しくは、1枚の底板と複数枚の側板を四角の箱型に組み立てた組み立て式匣鉢に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の組み立て式匣鉢の一形式として、実開平4-74297号公報や、特開2021―119319号公報には、側板の左右両辺のうち一方の辺に凸部を形成し、他方の辺に凹部を形成し、側板の凸部を他の側板の凹部に嵌合して隣接する2枚の側板を連結し、同様にして、4枚の側板で四角の側面を組み立て、組み立てた四角の側面の下部に底板を嵌合して四角の箱型に組み立てた組み立て式匣鉢の構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4-74297号公報
【特許文献2】特開2021―119319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の組み立て式匣鉢は、側板を四角の側面に組み立てるのに、何か所もの凸部と凹部を嵌め合わせなければならない。
また、凸部や凹部が欠け易いため凸部を凹部に嵌め合わせる作業は慎重に行わなければならない。そのため、側板の組み立て作業は面倒で時間を要する。
本発明はかかる点に鑑み、複数枚の側板と1枚の底板を箱型に組み立てる作業が簡単、迅速に行うことができる組み立て式匣鉢を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、1枚の底板と複数枚の側板を箱型に組み立てた組み立て式匣鉢であって、
底板を上面が開口する浅底の箱型に成形し、
側板を底板の側面の内面に当接させて底板の底面から立設し、
立設した複数の側板で収納空間を区画形成し、
中敷き板を収納空間に挿入して、中敷き板の端部で側板を底板の側面に押し付けて固定したことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の組み立て式匣鉢において、底板の底面を正方形に成形し、
矩形の側板を底板の各側面に沿って立設して、底板と4枚の側板で収納空間を区画形成し、
収納空間に正方形の中敷き板を挿入したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る組み立て式匣鉢によれば、側板を底板の側面の内面に当接させて底板の底面から立設し、立設した複数枚の側板で区画形成した収納空間に中敷き板を挿入して、中敷き板の各辺で側板を底板の側面に押し付けて固定することにより、複数枚の側板と1枚の底板を、箱型を有する匣鉢に組み立てることができる。
【0008】
本発明によれば側板に欠け易い凸部や凹部が無く形状が簡素であるので、加工が容易で、低コストで製作できる。
ニアネット成形や母材削り出しで成形する場合、加工代が小さいため材料のロスを減らすことができる。
凸部と凹部を嵌め合わせるような面倒な組み付け作業を要しないので、複数枚の側板と1枚の底板を簡単、迅速に四角の箱型に組み立てることができる。
繰り返し使用して匣鉢が部分的に損耗しても、損耗した部分の側板もしくは中敷き板を交換すれば他の部材はそのまま使用でき、交換により匣鉢の耐久寿命を延ばすことができる。
部位によって材質を変えることができ、使用目的に適した匣鉢にできる。
側板と中敷き板と底板に分解して保管することにより、匣鉢の形で保管するより保管スペースを大幅に節約できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例に係る組み立て式匣鉢を示す斜視図である。
図2】同組み立て式匣鉢の分解斜視図である。
【実施例0010】
以下に本発明を図面に基づき説明する。図1及び図2には本発明の一実施例に係る組み立て式匣鉢10が示されている。当該匣鉢10は1枚の底板11と同寸で矩形の4枚の側板12及び1枚の中敷き板13から組み立てられている。底板11、各側板12、中敷き板13はいずれもプレス機、CIP、押出機等で所定の形状に成形し、必要に応じて加工したものが使用されている。
【0011】
底板11は正方形の底面11aと4つの側面11bから成り、底が浅く四角い箱型の形状に成形され、底面11aと側面11bで嵌合凹部11cが区画形成されている。この嵌合凹部11cの幅は側板12の幅寸法と、厚み寸法の和となるように成形されている。
中敷き板13は、正方形で、一辺の長さが側板12の幅寸法から側板12の厚み寸法を差し引いた寸法となるように成形されている。
【0012】
本実施例に係る組み立て式匣鉢10の組み立ての手順は以下の通りである。底板11の嵌合凹部11cの内面に沿って側板12を立設し、底板11と4枚の側板12で収納空間10aを区画形成する。ついで、収納空間10aに中敷き板13を挿入し、立設した側板12を中敷き板13の端部で底板11の側面11bに押し付けて固定する。
【0013】
本実施例に係る組み立て式匣鉢10によれば、底板11の嵌合凹部11cの内面に沿って側板12を立設し、底板11と立設した4枚の側板12で区画形成した四角の収納空間10aに中敷き板13を挿入して、中敷き板13の各辺で側板12を底板11の側面11bに押し付けることにより、四角の箱型を有する匣鉢10に組み立てることができる。
【0014】
本実施例に係る組み立て式匣鉢10によれば、側板12に欠け易い凸部や凹部が無く形状が簡素であるので、加工が容易で、低コストで製作できる。
ニアネット成形や母材削り出しで成形する場合、加工代が小さいため材料のロスを減らすことができる。
凸部と凹部を嵌め合わせるような面倒な組み付け作業を要しないので、4枚の側板12と1枚の中敷き板13と1枚の底板11を簡単、迅速に四角の箱型に組み立てることができる。
繰り返し使用して匣鉢10が部分的に損耗しても、損耗した部分の側板12もしくは中敷き板13を交換すれば他の部材はそのまま使用でき、交換により匣鉢10の耐久寿命を延ばすことができる。
部位によって材質を変えることができ、使用目的に適した匣鉢10にできる。
中敷き板13と側板12と底板11に分解して保管することにより、保管スペースを節約できる。
【0015】
底板11の底面形状を正方形に成形したので、同一形状の4枚の側板12で収納空間10aを区画形成でき、側板12の成形に用いる金型の種類が少なく済むので、低コストで製造できる。
【0016】
なお、本実施例では、底板11と側板12と中敷き板13で、断面形状が正方形の収納空間10aを区画形成したが、底板11の底面形状、それに合わせた中敷き板13の形状や側板12の形状を適宜選択することにより、断面形状が円形、長方形、あるいは多角形の収納空間を形成することも可能である。
また、底板11と同じものを収納空間10aの上面開口部に被せれば、蓋として用いることができる。
【符号の説明】
【0017】
10…組み立て式匣鉢
10a…収納空間
11…底板
11a…底面
11b…側面
11c…嵌合凹部
12…側板
13…中敷き板
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2021-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明によれば側板に欠け易い凸部や凹部が無く形状が簡素であるので、加工が容易で、低コストで製作できる。
ニアネット成形や母材削り出しで成形する場合、加工代が小さいため材料のロスを減らすことができる。
凸部と凹部を嵌め合わせるような面倒な組み付け作業を要しないので、複数枚の側板と1枚の底板を簡単、迅速に四角の箱型に組み立てることができる。
繰り返し使用して匣鉢が部分的に損耗しても、損耗した部分の側板、底板もしくは中敷き板を交換すれば他の部材はそのまま使用でき、交換により匣鉢の耐久寿命を延ばすことができる。
部位によって材質を変えることができ、使用目的に適した匣鉢にできる。
側板と中敷き板と底板に分解して保管することにより、匣鉢の形で保管するより保管スペースを大幅に節約できる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本実施例に係る組み立て式匣鉢10によれば、側板12に欠け易い凸部や凹部が無く形状が簡素であるので、加工が容易で、低コストで製作できる。
ニアネット成形や母材削り出しで成形する場合、加工代が小さいため材料のロスを減らすことができる。
凸部と凹部を嵌め合わせるような面倒な組み付け作業を要しないので、4枚の側板12と1枚の中敷き板13と1枚の底板11を簡単、迅速に四角の箱型に組み立てることができる。
繰り返し使用して匣鉢10が部分的に損耗しても、損耗した部分の側板12もしくは中敷き板13や底板11を交換すれば他の部材はそのまま使用でき、交換により匣鉢10の耐久寿命を延ばすことができる。
部位によって材質を変えることができ、使用目的に適した匣鉢10にできる。
中敷き板13と側板12と底板11に分解して保管することにより、保管スペースを節約できる。