(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082850
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】鍵管理装置、鍵管理システム、及び鍵管理方法
(51)【国際特許分類】
E05B 19/00 20060101AFI20230608BHJP
【FI】
E05B19/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196823
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501079875
【氏名又は名称】グローリーAZシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 弘之
(57)【要約】
【課題】鍵管理装置の収納部に収納可能なホルダよりも多くのホルダを、鍵管理装置による管理対象とする。
【解決手段】鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の収納部と、自装置による管理対象のホルダを登録する登録部と、登録部により登録された管理対象のホルダに対して、ホルダが収納部による収納対象の第1のホルダであること、及び、ホルダが収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報を設定する設定部と、を備える、鍵管理装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の収納部と、
自装置による管理対象のホルダを登録する登録部と、
前記登録部により登録された前記管理対象のホルダに対して、当該ホルダが前記収納部による収納対象の第1のホルダであること、及び、当該ホルダが前記収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報を設定する設定部と、
を備える、鍵管理装置。
【請求項2】
前記ホルダの識別情報を取得する取得部を更に備え、
前記登録部は、前記取得部により取得された前記識別情報を、前記管理対象のホルダの識別情報として登録する、請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項3】
前記登録部は、前記管理対象のホルダとして、前記収納部の個数より多い数のホルダを登録可能である、請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記登録部により登録された前記管理対象のホルダのうち、前記収納部の個数以下の第1の数のホルダに対して、当該ホルダが前記第1のホルダであることを示す前記収納対象情報を設定可能である、請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項5】
他の装置と通信する通信部を備え、
前記通信部は、前記第1の数を前記他の装置へ送信し、
前記設定部は、前記通信部が前記他の装置から受信した情報に基づき、前記第1の数以下のホルダに対して、当該ホルダが前記第1のホルダであることを示す前記収納対象情報を設定する、請求項4に記載の鍵管理装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記登録部により登録された前記管理対象のホルダのうち、当該管理対象のホルダの個数から前記収納部の個数を減じた数以上の第2の数のホルダに対して、当該ホルダが前記第2のホルダであることを示す前記収納対象情報を設定可能である、請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記登録部により登録された前記管理対象のホルダに対して、所定期間毎に前記収納対象情報を設定する、請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項8】
他の装置と通信する通信部を備え、
前記設定部は、前記通信部が前記他の装置から受信した情報に基づき、前記登録部により登録された前記管理対象のホルダに対して、前記所定期間毎に前記収納対象情報を設定する、請求項7に記載の鍵管理装置。
【請求項9】
第1の所定期間内の予め定められた時点で、当該第1の所定期間において前記収納部に収納されているホルダと、当該第1の所定期間の次の第2の所定期間において前記収納部に収納されるべきホルダとの差異を示す差異情報を報知する報知部を更に備える、請求項7に記載の鍵管理装置。
【請求項10】
前記差異情報は、前記第1の所定期間において前記収納部に収納されているホルダの中に、前記第2の所定期間において前記収納部に収納されるべきホルダの何れかが存在しない旨の情報である、請求項9に記載の鍵管理装置。
【請求項11】
前記差異情報は、前記第1の所定期間において前記収納部に収納されているホルダの何れかが、前記第2の所定期間において前記収納部に収納されるべきホルダの中に存在しない旨の情報である、請求項9に記載の鍵管理装置。
【請求項12】
前記所定期間毎に実行される所定処理内で、第1の所定期間について設定された前記収納対象情報を、当該第1の所定期間の次の第2の所定期間について設定された前記収納対象情報に更新する更新部を更に備える、請求項7に記載の鍵管理装置。
【請求項13】
前記更新部は、前記所定処理内で、前記第2の所定期間において前記収納部に収納されるべきホルダのうち、前記第1の所定期間において前記収納部に収納されているホルダに含まれないホルダを収納させるための処理を行う、請求項12に記載の鍵管理装置。
【請求項14】
前記更新部は、前記所定処理内で、前記第1の所定期間において前記収納部に収納されているホルダのうち、前記第2の所定期間において前記収納部に収納されるべきホルダに含まれないホルダを回収させるための処理を行う、請求項12に記載の鍵管理装置。
【請求項15】
前記所定処理内で、前記第1の所定期間において前記収納部に収納されているホルダと、前記第2の所定期間において前記収納部に収納されるべきホルダとの差異を示す差異情報を報知する報知部を更に備える、請求項12に記載の鍵管理装置。
【請求項16】
鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の収納部を有する鍵管理装置と、
前記鍵管理装置による管理対象のホルダの情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記管理対象のホルダの情報に対して、当該ホルダが前記収納部による収納対象の第1のホルダであること、及び、当該ホルダが前記収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報を設定する設定部と、
を備える、鍵管理システム。
【請求項17】
コンピュータが、鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の収納部を有する鍵管理装置による管理対象のホルダを登録する登録ステップと、
コンピュータが、前記登録ステップで登録された前記管理対象のホルダに対して、当該ホルダが前記収納部による収納対象の第1のホルダであること、及び、当該ホルダが前記収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報を設定する設定ステップと、
を含む、鍵管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵管理装置、鍵管理システム、及び鍵管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、鍵を管理する鍵管理部を備える鍵管理機であって、識別情報を有し、鍵と連結するキーホルダと、キーホルダの識別情報を取得する取得部と、取得部により取得された識別情報を有するキーホルダを、管理対象のキーホルダとして登録する登録部と、を具備する鍵管理機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鍵管理装置の収納部に収納可能なホルダよりも多くのホルダを、鍵管理装置による管理対象としたいという要望がある。
本発明の目的は、鍵管理装置の収納部に収納可能なホルダよりも多くのホルダを、鍵管理装置による管理対象とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本発明は、鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の収納部と、自装置による管理対象のホルダを登録する登録部と、登録部により登録された管理対象のホルダに対して、ホルダが収納部による収納対象の第1のホルダであること、及び、ホルダが収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報を設定する設定部と、を備える、鍵管理装置を提供する。
鍵管理装置は、ホルダの識別情報を取得する取得部を更に備え、登録部は、取得部により取得された識別情報を、管理対象のホルダの識別情報として登録する、ものであってよい。
登録部は、管理対象のホルダとして、収納部の個数より多い数のホルダを登録可能であってよい。
設定部は、登録部により登録された管理対象のホルダのうち、収納部の個数以下の第1の数のホルダに対して、ホルダが第1のホルダであることを示す収納対象情報を設定可能であってよい。その場合、鍵管理装置は、他の装置と通信する通信部を備え、通信部は、第1の数を他の装置へ送信し、設定部は、通信部が他の装置から受信した情報に基づき、第1の数以下のホルダに対して、ホルダが第1のホルダであることを示す収納対象情報を設定する、ものであってよい。
設定部は、登録部により登録された管理対象のホルダのうち、管理対象のホルダの個数から収納部の個数を減じた数以上の第2の数のホルダに対して、ホルダが第2のホルダであることを示す収納対象情報を設定可能であってよい。
設定部は、登録部により登録された管理対象のホルダに対して、所定期間毎に収納対象情報を設定する、ものであってよい。
その場合、鍵管理装置は、他の装置と通信する通信部を備え、設定部は、通信部が他の装置から受信した情報に基づき、登録部により登録された管理対象のホルダに対して、所定期間毎に収納対象情報を設定する、ものであってよい。
また、鍵管理装置は、第1の所定期間内の予め定められた時点で、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダと、第1の所定期間の次の第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダとの差異を示す差異情報を報知する報知部を更に備える、ものであってよい。その場合、差異情報は、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダの中に、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダの何れかが存在しない旨の情報であってよい。また、差異情報は、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダの何れかが、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダの中に存在しない旨の情報であってよい。
更に、鍵管理装置は、所定期間毎に実行される所定処理内で、第1の所定期間について設定された収納対象情報を、第1の所定期間の次の第2の所定期間について設定された収納対象情報に更新する更新部を更に備える、ものであってよい。その場合、更新部は、所定処理内で、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダのうち、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダに含まれないホルダを収納させるための処理を行う、ものであってよい。また、更新部は、所定処理内で、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダのうち、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダに含まれないホルダを回収させるための処理を行う、ものであってよい。更に、鍵管理装置は、所定処理内で、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダと、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダとの差異を示す差異情報を報知する報知部を更に備える、ものであってよい。
【0006】
また、本発明は、鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の収納部を有する鍵管理装置と、鍵管理装置による管理対象のホルダの情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された管理対象のホルダの情報に対して、ホルダが収納部による収納対象の第1のホルダであること、及び、ホルダが収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報を設定する設定部と、を備える、鍵管理システムも提供する。
【0007】
更に、本発明は、コンピュータが、鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の収納部を有する鍵管理装置による管理対象のホルダを登録する登録ステップと、コンピュータが、登録ステップで登録された管理対象のホルダに対して、ホルダが収納部による収納対象の第1のホルダであること、及び、ホルダが収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報を設定する設定ステップと、を含む、鍵管理方法も提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、鍵管理装置の収納部に収納可能なホルダよりも多くのホルダを、鍵管理装置による管理対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態における鍵管理システムの全体構成例を示すである。
【
図2】本発明の実施の形態における鍵管理装置の外観構成例を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態で用いるホルダ及び鍵の外観構成例を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態における鍵管理装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態における収納情報の一例を示した図である。
【
図6】本発明の実施の形態におけるサーバ装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図7】本発明の実施の形態における鍵情報の一例を示した図である。
【
図8】本発明の実施の形態における予約情報の一例を示した図である。
【
図9】本発明の実施の形態の鍵管理システムにおける鍵登録時の動作例を示したシーケンス図である。
【
図10】本発明の実施の形態の鍵管理システムにおけるサーバ装置の鍵予約時の動作例を示したフローチャートである。
【
図11】本発明の実施の形態の鍵管理システムにおける翌日予約されている鍵の装填時の動作例を示したシーケンス図である。
【
図12】本発明の実施の形態の鍵管理システムにおける当日予約している鍵の貸出時の動作例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[鍵管理システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における鍵管理システム1の全体構成例を示す図である。図示するように、鍵管理システム1は、鍵管理装置10と、サーバ装置40と、端末装置50とを備えている。そして、鍵管理装置10、サーバ装置40、及び端末装置50は、ネットワーク80を介して接続される。
【0011】
鍵管理装置10は、鍵を保持するホルダを着脱可能に収納する装置である。この鍵管理装置10は、管理者又は利用者によって操作される。管理者は、鍵を管理するユーザであり、翌日予約されている鍵を鍵管理装置10に装填したり、翌日予約されていない鍵を鍵管理装置10から回収したりする操作を行う。また、利用者は、鍵の貸出を受けて利用するユーザであり、自身が当日予約している鍵の貸出を鍵管理装置10から受けたり、利用が終わった鍵を鍵管理装置10に返却したりする操作を行う。
サーバ装置40は、鍵やホルダを管理する装置である。サーバ装置40は、鍵の予約を受け付け、その予約状況を管理する処理も行う。
端末装置50は、ユーザが使用する端末装置であり、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等が例示される。ユーザは、鍵の管理者であってもよいし、鍵の利用者であってもよい。
ネットワーク80は、鍵管理装置10、サーバ装置40、及び端末装置50の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネット、公衆回線、LAN(Local Area Network)等である。
【0012】
[鍵管理装置の外観構成]
図2は、本実施の形態における鍵管理装置10の外観構成例を示す図である。
図2に示すように、鍵管理装置10には、装置の前面に、第1の扉21及び第2の扉22がそれぞれ開閉可能に設けられ、第1の扉21にて開閉される鍵収納庫23と、第2の扉22によって開閉されるプリンタ25及び鍵交換部26が設けられている。また、鍵管理装置10は、装置の前面に、表示操作部27と、カードリーダ28とを有する。
【0013】
鍵収納庫23には、複数の収納部24が設けられている。収納部24は、鍵を保持するホルダ31を着脱可能に収納する。
各収納部24には、ホルダ31の取り出しを許可又は禁止できるように錠機構241が設けられている。鍵管理装置10は、各収納部24に対する錠機構241を制御することによって、各ホルダ31の抜き取りの許可又は禁止を制御する。
また、各収納部24には、ユーザに貸出可能なホルダ31や回収すべきホルダ31を知らせるための発光部242が設けられている。発光部242は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。
更に、各収納部24には、ホルダ31の無線タグ34(後述)から情報を読み取る読取部243が設けられている。読取部243は、収納部24に近接して又は収納部24内に設けられる。読取部243は、例えばRFID(Radio Frequency IDentifier)リーダである。尚、ある収納部24の読取部243で、隣接する収納部24に挿入されるホルダ31の無線タグ34からの電波を誤って取得するのを防止するために、互いに隣接する収納部24の間に電波を遮蔽する遮蔽板等を設けてもよい。
【0014】
プリンタ25は、鍵の交換、挿入、抜き取り等を含む鍵管理装置10の履歴をロール紙等の用紙に印字する。プリンタ25で印字された用紙は、例えば、装置の前面に排出される。
鍵交換部26は、ホルダ31と鍵との連結を解除するもので、鍵交換の権限を有する権限者である例えば管理者のみが利用できる。鍵交換部26は、ホルダ31が挿入される挿入口261と、この挿入口261を開閉するカバー262とを有する。また、鍵交換部26は、挿入口261内の所定の係止解除位置まで挿入されたホルダ31に対してホルダ31本体とリング係止体の係止を解除してリング32(後述)を外せる状態とする解除部材と、管理者によるホルダ31に対しての係止解除を許可すると共に管理者以外によるホルダ31に対しての係止解除を不可とする鍵交換規制部とを有する。鍵交換規制部としては、例えば、ソレノイド等の電気的駆動部でストッパを挿入口261に進退させるストッパ機構を用いるとよい。この場合、鍵交換規制部は、通常はストッパが挿入口261内に進出し、ホルダ31が挿入口261の所定の係止解除位置まで挿入されるのを規制する。一方、鍵交換規制部は、管理者が操作する場合にのみストッパが挿入口261内から退避し、ホルダ31が挿入口261の所定の係止解除位置まで挿入されるのを可能とする。
更に、鍵交換部26は、ホルダ31の無線タグ34から情報を読み取る読取部263が設けられている。読取部263は、鍵交換部26に近接して又は鍵交換部26内に設けられる。読取部263は、例えばRFIDリーダである。
【0015】
表示操作部27は、例えばタッチパネルディスプレイであり、ユーザによる操作を受け付けるとともに、各種情報を表示する。
カードリーダ28は、ユーザが携帯するカードから情報を読み取る読取装置である。カードとしては、例えば、磁気カード、IC(Integrated Circuit)カード等が例示される。ユーザがカードリーダ28にカードを通すと、カードリーダ28は、カードからユーザIDを読み取り、読み取ったユーザIDに基づいてユーザ認証を行う。この認証の結果、ホルダ31を抜き取る権限がユーザに設定されている場合、鍵収納庫23の第1の扉21が解錠されて第1の扉21が開放可能となると共に、権限に対応するホルダ31が抜き取り可能となる。
【0016】
[ホルダ及び鍵の構成]
図3は、本実施の形態で用いるホルダ31及び鍵33の外観構成例を示す図である。
図3に示すように、ホルダ31にはリング32で鍵33が連結されている。
ホルダ31には、無線タグ34が設けられている。無線タグ34は、例えばRFIDタグである。無線タグ34は、ホルダ31を識別する識別情報を有している。ホルダ31に無線タグ34を設けるには、例えば、シールタイプの無線タグ34をホルダ31に貼り付けてもよいし、ホルダ31内に無線タグ34を埋め込んでもよい。
鍵33には、シール35が貼り付けられている。シール35には、例えば管理者により、鍵33を識別する番号である鍵番号が記載してある。
【0017】
[実施の形態の背景]
このような鍵管理装置10を導入する事業者によっては、鍵管理装置10の収納部24の数よりも多い鍵33を管理したいという要望がある。その場合、複数の鍵管理装置10を導入することで管理できる鍵33の数を増やすのが一般的であるが、コスト的なデメリットがある。加えて、複数の鍵管理装置10を設置する分のスペース的なデメリットもある。また、このような事業者には、管理したい鍵の総数は多いが、全ての鍵を毎日使用するわけではなく、日によって異なる鍵を使用するので、鍵管理装置10に収納する鍵を日によって変えればよい、という事情がある場合もある。
そこで、本実施の形態では、鍵管理装置10による管理対象のホルダに対して、鍵管理装置10に収納すべきホルダであること、及び、鍵管理装置10に収納すべきでないホルダであることの少なくとも何れか一方を設定可能とする。これにより、鍵管理装置10の収納部の数以上のホルダを、鍵管理装置10で管理することを可能とする。
【0018】
[鍵管理装置の機能構成]
図4は、本実施の形態における鍵管理装置10の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、鍵管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、扉施錠機構14と、錠機構241と、発光部242と、読取部243と、プリンタ25と、読取部263と、表示操作部27と、カードリーダ28とを含む。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、記憶部12に記憶された動作プログラムに従って、鍵管理装置10の各部(通信部13、扉施錠機構14、錠機構241、発光部242、読取部243、プリンタ25、読取部263、表示操作部27、カードリーダ28等)を制御する。
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、制御部11の動作プログラムを記憶し、また、制御部11の制御処理の際にワーク領域として利用される。動作プログラムには、制御部11が後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部13は、サーバ装置40との間で通信回線を通じた情報通信を行う。
扉施錠機構14は、第1の扉21及び第2の扉22を施錠する機構である。扉施錠機構14は、第1の扉21の施錠及び解錠と、第2の扉22の施錠及び解錠とを、異なる条件を用いて行ってもよい。
錠機構241、発光部242、読取部243、プリンタ25、読取部263、表示操作部27、及びカードリーダ28については、既に
図2を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
【0019】
ここで、制御部11の構成について具体的に説明する。制御部11は、RFID取得部111と、鍵番号取得部112と、ユーザID取得部113と、記憶制御部114と、通信制御部115と、差異情報判定部116と、表示制御部117と、発光制御部118と、精査処理部119とを備える。
RFID取得部111は、読取部243又は読取部263がホルダ31の無線タグ34からRFIDを取得すると、読取部243又は読取部263からこのRFIDを取得する。この場合、ホルダ31を識別する情報であれば、RFID以外の情報を用いてもよいが、以下ではRFIDを用いるものとして説明する。本実施の形態では、ホルダの識別情報を取得する取得部の一例として、RFID取得部111を設けている。
鍵番号取得部112は、表示操作部27が鍵番号を入力する操作を受け付けると、表示操作部27からこの鍵番号を取得する。
【0020】
ユーザID取得部113は、カードリーダ28が利用者のカードからユーザIDを読み取ると、カードリーダ28からこのユーザIDを取得する。また、ユーザID取得部113は、このユーザIDを用いてユーザ認証を行ってもよい。或いは、次のようなユーザ認証を行う手段を設けてもよい。第一に、QRコード(登録商標)をリーダで読み取ることによるユーザ認証である。その場合、QRコードは、利用者に、期間限定なしで付与されるものでもよいし、期間限定付きのワンタイム形式で付与されるものでもよい。第二に、鍵33を受け取る際のユーザ認証時のなりすまし防止のための、指静脈や顔認証等の生体的なユーザ認証や、免許証等での本人確認によるユーザ認証である。
記憶制御部114は、記憶部12に対するデータの書き込み及び記憶部12からのデータの読み出しを制御する。
具体的には、記憶制御部114は、記憶部12に対して、どの収納部24にどのホルダ31が装填されているかを示す収納情報を記憶し、記憶部12から、収納情報を読み出す。
【0021】
通信制御部115は、通信部13を介してサーバ装置40から情報を受信したり、通信部13を介してサーバ装置40へ情報を送信したりする。
具体的には、鍵登録時には、通信制御部115は、鍵番号取得部112が表示操作部27から取得した鍵番号と、RFID取得部111が読取部263から取得したRFIDとを、サーバ装置40へ送信する。ここで、読取部263から取得したRFIDは、鍵交換部26で鍵交換されたホルダ31のRFIDであり、鍵管理装置10で管理する鍵33を保持するホルダ31の識別情報としてサーバ装置40へ送信される。そして、本実施形態では、サーバ装置40へ送信する鍵番号及びRFIDの組の数が、収納部24の個数より多くてもよい。本実施の形態では、自装置による管理対象のホルダを登録する登録部の一例として、通信制御部115のこの機能を設けている。また、識別情報の一例として、RFIDを用いており、取得部により取得された識別情報を、管理対象のホルダの識別情報として登録する登録部の一例として、通信制御部115のこの機能を設けている。更に、本実施の形態では、管理対象のホルダとして、収納部の個数より多い数のホルダを登録可能である登録部の一例として、通信制御部115のこの機能を設けている。
【0022】
また、鍵予約時には、通信制御部115は、鍵管理装置10が鍵33の貸出のためにホルダ31を収納可能な収納部24の上限数を、事前にサーバ装置40へ送信する。ここで、上限数は、収納部24の個数以下の任意の数とすればよい。本実施の形態では、収納部の個数以下の第1の数の一例として、上限数を用いており、他の装置として、サーバ装置40を用いており、他の装置と通信する通信部の一例として、通信制御部115を設けている。
【0023】
更に、翌日予約されている鍵33の装填時、翌日予約されていない鍵33の回収時、ある日の業務終了時における精査処理の実行時等の任意のタイミングで、通信制御部115は、ホルダ31が収納された収納部24の読取部243からRFID取得部111が取得したRFIDを、サーバ装置40へ送信する。また、通信制御部115は、サーバ装置40へ送信したRFIDと、サーバ装置40で翌日予約されていることが管理されている鍵33を保持するホルダ31のRFIDとの差異情報を、サーバ装置40から受信する。尚、以下では、鍵33は日単位で予約するものとして説明するが、何らかの期間単位で予約するものであれば、その期間は時間であっても週であっても月であってもよい。
そして、通信制御部115は、ある日の業務終了時における精査処理の実行時等の任意のタイミングで、翌日予約されている鍵33の中に、収納部24に装填されていない鍵33があることを、差異情報が示していると判定されれば、収納部24に装填されていない鍵33を追加で装填すべき旨の情報を、例えば端末装置50へ送信してもよい。本実施の形態では、所定期間の一例として、一日を用いており、所定期間毎に実行される所定処理の一例として、精査処理を用いており、第1の所定期間の一例として、ある日を用いており、第2の所定期間の一例として、翌日を用いている。そして、所定期間毎に実行される所定処理内で、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダと、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダとの差異を示す差異情報を報知する報知部の一例として、通信制御部115のこの機能を設けている。
一方、通信制御部115は、ある日の業務終了時における精査処理の実行時等の任意のタイミングで、収納部24に装填されている鍵33の中に、翌日予約されていない鍵33があることを、差異情報が示していると判定されれば、翌日予約されていない鍵33を追加で回収すべき旨の情報を、例えば端末装置50へ送信してもよい。本実施の形態では、所定期間の一例として、一日を用いており、所定期間毎に実行される所定処理の一例として、精査処理を用いており、第1の所定期間の一例として、ある日を用いており、第2の所定期間の一例として、翌日を用いている。そして、所定期間毎に実行される所定処理内で、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダと、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダとの差異を示す差異情報を報知する報知部の一例として、通信制御部115のこの機能を設けている。
【0024】
更にまた、当日予約されている鍵33の貸出時には、通信制御部115は、ユーザID取得部113がカードリーダ28から取得した鍵33の貸出を受けたい利用者のユーザIDを、サーバ装置40へ送信する。そして、通信制御部115は、サーバ装置40でその利用者が当日予約していることが管理されている鍵33を保持するホルダ31のRFIDを、サーバ装置40から受信する。
【0025】
差異情報判定部116は、通信制御部115が通信部13を介してサーバ装置40から受信した差異情報が、予め定められた条件を満たすかどうかを判定する。
具体的には、翌日予約されている鍵33の装填時には、差異情報判定部116は、通信制御部115がサーバ装置40から受信した差異情報が、翌日予約されている鍵33の中に、収納部24に装填されていない鍵33があることを示しているかどうかを判定する。
また、翌日予約されていない鍵33の回収時には、差異情報判定部116は、通信制御部115がサーバ装置40から受信した差異情報が、収納部24に装填されている鍵33の中に、翌日予約されていない鍵33があることを示しているかどうかを判定する。
尚、以下では、差異情報判定部116は、翌日予約されている鍵33の装填時にその装填時の動作を行い、翌日予約されていない鍵33の回収時にその回収時の動作を行うこととして説明するが、所定のタイミングで両方の動作を行うようにしてもよい。
【0026】
表示制御部117は、表示操作部27に対する情報の表示を制御する。
具体的には、表示制御部117は、ある日の予め定められた時刻における翌日予約されている鍵33の装填時に、表示操作部27に対する情報の表示を制御する。その際、表示制御部117は、翌日予約されている鍵33の中に、収納部24に装填されていない鍵33があることを、差異情報が示していると判定されれば、収納部24に装填されていない鍵33の鍵番号を、表示操作部27に表示するように制御する。本実施の形態では、第1の所定期間の一例として、ある日を用いており、第2の所定期間の一例として、翌日を用いている。そして、第1の所定期間内の予め定められた時点で、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダと、第1の所定期間の次の第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダとの差異を示す差異情報を報知する報知部の一例として、表示制御部117のこの機能を設けている。また、本実施の形態では、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダの中に、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダの何れかが存在しない旨の情報である差異情報を報知する報知部の一例として、表示制御部117のこの機能を設けている。
【0027】
また、表示制御部117は、ある日の業務終了時における精査処理の実行時等の任意のタイミングで、表示操作部27に対する情報の表示を制御してもよい。その際、表示制御部117は、翌日予約されている鍵33の中に、収納部24に装填されていない鍵33があることを、差異情報が示していると判定されれば、収納部24に装填されていない鍵33の鍵番号を、表示操作部27に表示するように制御する。本実施の形態では、所定期間の一例として、一日を用いており、所定期間毎に実行される所定処理の一例として、精査処理を用いており、第1の所定期間の一例として、ある日を用いており、第2の所定期間の一例として、翌日を用いている。そして、所定期間毎に実行される所定処理内で、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダと、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダとの差異を示す差異情報を報知する報知部の一例として、表示制御部117のこの機能を設けている。
【0028】
発光制御部118は、収納部24の発光部242の発光を制御する。
具体的には、発光制御部118は、ある日の予め定められた時刻における翌日予約されていない鍵33の回収時に、収納部24の発光部242の発光を制御する。その際、発光制御部118は、収納部24に装填されている鍵33の中に、翌日予約されていない鍵33があることを、差異情報が示していると判定されれば、翌日予約されていない鍵33を保持するホルダ31が収納されている収納部24の発光部242が発光するように制御する。本実施の形態では、第1の所定期間の一例として、ある日を用いており、第2の所定期間の一例として、翌日を用いている。そして、第1の所定期間内の予め定められた時点で、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダと、第1の所定期間の次の第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダとの差異を示す差異情報を報知する報知部の一例として、発光制御部118のこの機能を設けている。また、本実施の形態では、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダの何れかが、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダの中に存在しない旨の情報である差異情報を報知する報知部の一例として、発光制御部118のこの機能を設けている。
【0029】
また、発光制御部118は、ある日の業務終了時における精査処理の実行時等の任意のタイミングで、収納部24の発光部242の発光を制御してもよい。その際、発光制御部118は、収納部24に装填されている鍵33の中に、翌日予約されていない鍵33があることを、差異情報が示していると判定されれば、翌日予約されていない鍵33を保持するホルダ31が収納されている収納部24の発光部242が発光するように制御する。本実施の形態では、所定期間の一例として、一日を用いており、所定期間毎に実行される所定処理の一例として、精査処理を用いており、第1の所定期間の一例として、ある日を用いており、第2の所定期間の一例として、翌日を用いている。そして、所定期間毎に実行される所定処理内で、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダと、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダとの差異を示す差異情報を報知する報知部の一例として、発光制御部118のこの機能を設けている。
【0030】
精査処理部119は、一日の業務終了時における精査処理を行う。精査処理には、例えば、一日における鍵管理装置10の使用履歴をチェックする処理等がある。精査処理部119は、この精査処理において、ある日に収納部24に装填されるべき又は装填されるべきでないホルダ31の情報を、翌日に収納部24に装填されるべき又は装填されるべきでないホルダ31の情報へと更新する。本実施の形態では、所定期間の一例として、一日を用いており、所定期間毎に実行される所定処理の一例として、精査処理を用いており、第1の所定期間の一例として、ある日を用いており、第2の所定期間の一例として、翌日を用いており、収納対象情報の一例として、収納部24に装填されるべき又は装填されるべきでないホルダ31の情報を用いている。そして、所定期間毎に実行される所定処理内で、第1の所定期間について設定された収納対象情報を、第1の所定期間の次の第2の所定期間について設定された収納対象情報に更新する更新部の一例として、精査処理部119のこの機能を設けている。
【0031】
また、精査処理部119は、その日にホルダ31が装填されている収納部24と翌日にホルダ31が装填されるべき収納部24との差異情報の取得を、通信制御部115に指示し、その差異情報の判定を差異情報判定部116に指示する。
そして、精査処理部119は、翌日予約されている鍵33の中に、収納部24に装填されていない鍵33があることを、差異情報が示していると、差異情報判定部116により判定されれば、情報を例えば端末装置50に送信するよう、通信制御部115に指示する。ここで、端末装置50は、本部の管理者が使用するものであってもよいし、鍵管理装置10が設置された現場の管理者が使用するものであってもよい。また、送信する情報は、鍵33を追加で装填することが必要である旨の情報であり、装填すべき鍵33の鍵番号を含んでもよい。尚、情報に鍵番号が含まれない場合、管理者は、鍵管理装置10の表示操作部27で鍵番号を確認すればよい。本実施の形態では、所定処理内で、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダのうち、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダに含まれないホルダを収納させるための処理を行う更新部の一例として、精査処理部119を設けている。
一方、精査処理部119は、収納部24に装填されている鍵33の中に、翌日予約されていない鍵33があることを、差異情報が示していると、差異情報判定部116により判定されれば、情報を例えば端末装置50に送信するよう、通信制御部115に指示する。ここで、端末装置50は、本部の管理者が使用するものであってもよいし、鍵管理装置10が設置された現場の管理者が使用するものであってもよい。また、送信する情報は、鍵33を追加で回収することが必要である旨の情報であり、回収すべき鍵33が収納された収納部24の収納部番号を含んでもよい。尚、情報に収納部番号が含まれない場合、管理者は、収納部24の発光部242で収納部番号を確認すればよい。本実施の形態では、所定処理内で、第1の所定期間において収納部に収納されているホルダのうち、第2の所定期間において収納部に収納されるべきホルダに含まれないホルダを回収させるための処理を行う更新部の一例として、精査処理部119のこの機能を設けている。
【0032】
また、記憶部12が記憶する情報について具体的に説明する。記憶部12は、収納情報121を記憶する。
収納情報121は、鍵収納庫23の各収納部24に収納されているホルダ31のRFIDを管理するための情報である。収納情報121の具体的な内容については後述する。
【0033】
[収納情報の具体的内容]
図5は、収納情報121の一例を示した図である。図示するように、収納情報121は、収納部番号と、RFIDとを対応付けたものとなっている。
収納部番号は、収納部24を識別する番号である。ここでは、収納部24の数を10とし、収納部番号として1から10を記憶している。RFIDは、対応する収納部24に収納されたホルダ31から読み取られたRFIDである。
図では、例えば、収納部番号「1」の収納部24に、RFID「01234927」のホルダ31が収納されていることが示されている。尚、収納部番号「2」の収納部24にはホルダ31が収納されていない場合を例にとり、収納部番号「2」に対するRFID欄は空欄としている。
【0034】
[サーバ装置の機能構成]
図6は、本実施の形態におけるサーバ装置40の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、サーバ装置40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43とを含む。
制御部41は、CPU等の演算回路を備え、記憶部42に記憶された動作プログラムに従って、サーバ装置40の各部(通信部43等)を制御する。
記憶部42は、ROM、RAM等を備え、制御部41の動作プログラムを記憶し、また、制御部41の制御処理の際にワーク領域として利用される。動作プログラムには、制御部41が後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部43は、鍵管理装置10及び端末装置50との間で通信回線を通じた情報通信を行う。
【0035】
ここで、制御部41の構成について具体的に説明する。制御部41は、記憶制御部411と、通信制御部412と、予約可否判定部413と、差異情報生成部414とを備える。
記憶制御部411は、記憶部42に対するデータの書き込み及び記憶部42からのデータの読み出しを制御する。
具体的には、記憶制御部411は、記憶部42に対して、鍵33を管理する鍵情報を記憶し、記憶部42から、鍵情報を読み出す。
【0036】
また、記憶制御部411は、記憶部42に対して、鍵33を保持するホルダ31の予約情報を記憶し、記憶部42から、予約情報を読み出す。
ここで、予約情報は、日に対して、予約されている鍵33を設定した情報であってよい。後述するように鍵情報において鍵33にその鍵33を保持するホルダ31が紐付けられているので、予約情報は、日に対して、予約されている鍵33を保持するホルダ31を設定した情報と言うことができる。この場合、本実施の形態では、収納部による収納対象の第1のホルダの一例として、予約されている鍵33を保持するホルダ31を用いており、ホルダが第1のホルダであることを示す収納対象情報の一例として、予約情報を用いている。そして、管理対象のホルダに対して、収納対象情報を設定する設定部の一例として、記憶制御部411を設けている。また、本実施の形態では、所定期間の一例として、一日を用いており、管理対象のホルダに対して、所定期間毎に収納対象情報を設定する設定部の一例として、記憶制御部411を設けている。
その際、予約されている鍵33を保持するホルダ31の数は、鍵管理装置10から受信した上限数以下としてもよい。この場合、本実施の形態では、収納部の個数以下の第1の数の一例として、上限数を用いており、ホルダが第1のホルダであることを示す収納対象情報の一例として、予約情報を用いている。そして、管理対象のホルダのうち、第1の数のホルダに対して、収納対象情報を設定可能である設定部の一例として、記憶制御部411を設けている。
【0037】
また、予約情報は、日に対して、予約されていない鍵33を設定した情報であってもよい。後述するように鍵情報において鍵33にその鍵33を保持するホルダ31が紐付けられているので、予約情報は、日に対して、予約されていない鍵33を保持するホルダ31を設定した情報と言うことができる。この場合、本実施の形態では、収納部による収納対象外の第2のホルダの一例として、予約されていない鍵33を保持するホルダ31を用いており、ホルダが第2のホルダであることを示す収納対象情報の一例として、予約情報を用いている。そして、管理対象のホルダに対して、収納対象情報を設定する設定部の一例として、記憶制御部411を設けている。また、本実施の形態では、所定期間の一例として、一日を用いており、管理対象のホルダに対して、所定期間毎に収納対象情報を設定する設定部の一例として、記憶制御部411を設けている。
その際、予約されていない鍵33を保持するホルダ31の数は、管理対象のホルダ31の数から、鍵管理装置10から受信した上限数を減じた数以上としてもよい。この場合、本実施の形態では、管理対象のホルダの個数から収納部の個数を減じた数以上の第2の数の一例として、管理対象のホルダ31の数から、鍵管理装置10から受信した上限数を減じた数を用いており、ホルダが第2のホルダであることを示す収納対象情報の一例として、予約情報を用いている。そして、管理対象のホルダのうち、第2の数のホルダに対して、収納対象情報を設定する設定部の一例として、記憶制御部411を設けている。
【0038】
更に、予約情報は、日に対して、予約されている鍵33及び予約されていない鍵33を設定した情報であってもよい。後述するように鍵情報において鍵33にその鍵33を保持するホルダ31が紐付けられているので、予約情報は、日に対して、予約されている鍵33を保持するホルダ31及び予約されていない鍵33を保持するホルダ31を設定した情報と言うことができる。この場合、本実施の形態では、ホルダが第1のホルダであること及びホルダが第2のホルダであることを示す収納対象情報の一例として、予約情報を用いている。そして、収納対象情報を設定する設定部の一例として、記憶制御部411を設けている。また、本実施の形態では、管理対象のホルダに対して、所定期間毎に収納対象情報を設定する設定部の一例として、記憶制御部411を設けている。
【0039】
通信制御部412は、通信部43を介して鍵管理装置10から情報を受信したり、通信部43を介して鍵管理装置10へ情報を送信したりする。
具体的には、鍵登録時には、通信制御部412は、表示操作部27に入力された鍵番号と、鍵交換部26の読取部263が読み取ったRFIDとを鍵管理装置10から受信する。
また、鍵予約時には、通信制御部412は、鍵管理装置10が鍵33の貸出のためにホルダ31を収納可能な収納部24の上限数を、事前に鍵管理装置10から受信する。
更に、翌日予約されている鍵33の装填時又は翌日予約されていない鍵33の回収時には、通信制御部412は、ホルダ31が収納された収納部24の読取部243が読み取ったRFIDを、鍵管理装置10から受信する。そして、通信制御部412は、鍵管理装置10から受信したRFIDと、サーバ装置40で翌日予約されていることが管理されている鍵33を保持するホルダ31のRFIDとの差異情報を、鍵管理装置10へ送信する。
更にまた、当日予約されている鍵33の貸出時には、通信制御部412は、カードリーダ28が読み取った鍵33の貸出を受けたい利用者のユーザIDを、鍵管理装置10から受信する。そして、通信制御部412は、サーバ装置40でその利用者が当日予約していることが管理されている鍵33を保持するホルダ31のRFIDを、鍵管理装置10へ送信する。
【0040】
予約可否判定部413は、利用者からの指定された期間における指定された鍵33の予約要求に対して、予約が可能であるかどうかを判定する。具体的には、予約可否判定部413は、指定された期間内の日毎に、既に予約された鍵33の数が、鍵管理装置10から受信した上限数未満であるかどうかを判定する。
差異情報生成部414は、収納部24に装填されているホルダ31のRFIDと、翌日予約されている鍵33を保持するホルダ31のRFIDとの差異情報を生成する。
【0041】
また、記憶部42が記憶する情報について具体的に説明する。記憶部42は、鍵情報421と、予約情報422とを記憶する。
鍵情報421は、鍵33の鍵番号と、その鍵33を保持するホルダ31に設けられた無線タグ34が有するRFIDとを紐付けた情報である。鍵情報421の具体的な内容については後述する。本実施の形態では、鍵管理装置による管理対象のホルダの情報の一例として、鍵情報421を用いている。
予約情報422は、利用者による鍵33の予約状況を示す情報である。予約情報422の具体的な内容についても後述する。
【0042】
図7は、鍵情報421の一例を示した図である。図示するように、鍵情報421は、鍵番号と、鍵名称と、RFIDとを対応付けたものとなっている。
鍵番号は、鍵33を識別する番号である。ここでは、管理対象の鍵33の数を、収納部24の数である10よりも多い30とし、鍵番号として1から30を記憶している。鍵名称は、鍵33を人間が識別し易くするために付与された名称である。ここでは、鍵名称として、鍵33で施錠及び解錠する対象の識別情報が記憶されている。施錠及び解錠する対象とは、例えば、車や、部屋等である。RFIDは、鍵33を保持するホルダ31に付された無線タグ34が有するRFIDである。
図では、例えば、鍵番号「1」の鍵33の鍵名称が「対象1」であり、その鍵33を保持するホルダ31のRFIDが「12345426」であることが示されている。
【0043】
図8は、予約情報422の一例を示した図である。図示するように、予約情報422は、日と、ユーザIDと、鍵番号とを対応付けたものとなっている。
日は、鍵33を予約する対象の日である。ユーザIDは、対応する日に鍵33を予約した利用者を識別する識別情報である。鍵番号は、対応する日に対応する利用者が予約した鍵33の番号である。
図では、例えば、「2021年10月1日」及び「2021年10月3日」に、ユーザID「A」の利用者が鍵番号「1」の鍵33を予約していることが示されている。また、「2021年10月1日」から「2021年10月3日」までの間、ユーザID「B」の利用者が鍵番号「3」の鍵33を予約していることも示されている。
【0044】
[鍵管理システムの動作]
図9は、本実施の形態の鍵管理システム1における鍵登録時の動作例を示したシーケンス図である。尚、管理者は、この動作例に先立ち、鍵番号と鍵名称とを紐付けて鍵情報421に登録しておくものとする。そして、管理者が、表示操作部27に表示された管理者メニュー上で鍵登録のための項目を選択することにより、この動作例は開始する。
まず、管理者は、鍵交換部26にて鍵交換を行う。即ち、ホルダ31と鍵33とを新たに連結する操作を行う。すると、鍵管理装置10では、鍵交換部26の読取部263が、ホルダ31からRFIDを読み取り、RFID取得部111が、読取部263からRFIDを取得する(ステップ131)。
次に、管理者は、表示操作部27に表示された管理者メニュー上で、鍵交換部26でホルダ31に連結した鍵33の鍵番号を入力する操作を行う。尚、管理者は、事前に鍵33に鍵番号を記載したシールを貼っておき、ここではそのシールに記載された鍵番号を入力すればよい。すると、鍵管理装置10では、表示操作部27が、鍵番号を入力する操作を受け付け、鍵番号取得部112が、表示操作部27から鍵番号を取得する(ステップ132)。
その後、鍵管理装置10では、通信制御部115が、通信部13を制御して、ステップ131で取得したRFIDと、ステップ132で取得した鍵番号とを、サーバ装置40へ送信する(ステップ133)。
【0045】
これにより、サーバ装置40では、通信制御部412が、通信部43を制御して、鍵管理装置10から鍵番号とRFIDとを受信する(ステップ431)。
その後、サーバ装置40では、記憶制御部411が、ステップ431で受信した鍵番号にRFIDを紐付けて、鍵情報421に記憶する(ステップ432)。その際、サーバ装置40は、鍵情報421にその鍵番号が登録されていない場合や、鍵情報421においてその鍵番号に既に別のRFIDが紐付けられている場合は、エラーとする。
【0046】
図10は、本実施の形態の鍵管理システム1におけるサーバ装置40の鍵予約時の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作例に先立ち、鍵管理装置10は、鍵33の貸出のためにホルダ31を収納可能な収納部24の上限数を、サーバ装置40へ送信しているものとする。
まず、鍵33を予約したい利用者が、例えば端末装置50を操作して、その利用者のユーザIDと、予約したい鍵33の鍵番号と、鍵33を予約したい期間とを含む予約要求をサーバ装置40へ送信する。尚、予約要求では、鍵番号ではなく、鍵名称で、予約したい鍵33を特定してもよいが、この動作例では、鍵番号で、予約したい鍵33を特定するものとする。これにより、サーバ装置40では、通信制御部412が、通信部43を制御して、ユーザIDと鍵番号と期間とを含む予約要求を受信する(ステップ441)。
【0047】
次に、サーバ装置40では、予約可否判定部413が、ステップ441で受信した予約要求に含まれる期間内の日に着目する(ステップ442)。
そして、予約可否判定部413は、記憶部42に記憶された予約情報422において、ステップ442で着目した日に対して既に記憶されたユーザID及び鍵番号の組の数が、鍵管理装置10から受信した上限数未満であるかどうかを判定する(ステップ443)。
その結果、既に記憶されたユーザID及び鍵番号の組の数が、上限数未満であると判定すれば、予約可否判定部413は、ステップ442で着目した日において予約が可能な旨を記憶する(ステップ444)。
一方、既に記憶されたユーザID及び鍵番号の組の数が、上限数未満でない、つまり、上限数に達していると判定すれば、予約可否判定部413は、ステップ442で着目した日においては予約が不可能な旨を記憶する(ステップ445)。
その後、予約可否判定部413は、ステップ441で受信した予約要求に含まれる期間内の日がまだあるかどうかを判定する(ステップ446)。
その結果、予約要求に含まれる期間内の日がまだあると判定すれば、予約可否判定部413は、処理をステップ442へ戻す。
一方、予約要求に含まれる期間内の日がもうないと判定すれば、予約可否判定部413は、予約が不可能な旨を記憶した日が1日でもあったかどうかを判定する(ステップ447)。
【0048】
ここで、予約が不可能な旨を記憶した日が1日もないと判定されたとする。すると、記憶制御部411が、記憶部42に記憶された予約情報422において、ステップ441で受信した予約要求に含まれる期間内の全ての日に対して、その予約要求に含まれるユーザID及び鍵番号を記憶する(ステップ448)。
一方、予約が不可能な旨を記憶した日が1日でもあると判定されたとする。すると、通信制御部412が、通信部43を制御して、例えば端末装置50に対し、鍵33を予約できない旨のエラーを通知する(ステップ449)。この場合、利用者は、予約したい鍵33を予約可能な期間を調べて、再度予約要求を送信することになる。
【0049】
図11は、本実施の形態の鍵管理システム1における翌日予約されている鍵33の装填時の動作例を示したシーケンス図である。尚、この動作例に先立ち、管理者は、表示操作部27に表示された管理者メニュー上で、翌日予約されている鍵33を装填するための項目を選択し、翌日予約されている鍵33をバックヤードから取り出して収納部24に装填する。この場合、例えば、翌日予約されている鍵33を装填する期限を予め設定しておき、この期限が過ぎた場合に、アラームを鳴動させて、管理者に鍵33の装填を促してもよい。鍵33が収納部24に装填されると、鍵管理装置10は、収納情報121において、その収納部24の収納部番号に、鍵33を保持するホルダ31のRFIDを紐付けて記憶し、この動作例を開始する。
【0050】
まず、鍵管理装置10では、ホルダ31が装填されている全ての収納部24の読取部243が、ホルダ31からRFIDを読み取り、RFID取得部111が、読取部243からRFIDのセットを取得する(ステップ151)。
次に、通信制御部115が、通信部13を制御して、ステップ151で取得されたRFIDのセットをサーバ装置40へ送信する(ステップ152)。
【0051】
これにより、サーバ装置40では、通信制御部412が、通信部43を制御して、鍵管理装置10からRFIDのセットを受信する(ステップ451)。
次に、サーバ装置40では、記憶制御部411が、記憶部42に記憶された予約情報422において、翌日に対して記憶された鍵番号のセットを取得する(ステップ452)。そして、記憶制御部411は、記憶部42に記憶された鍵情報421において、この鍵番号のセットにそれぞれ紐付けられたRFIDのセットを取得する(ステップ453)。
次いで、サーバ装置40では、差異情報生成部414が、ステップ451で受信したRFIDのセットと、ステップ452で取得したRFIDのセットとの差異情報を生成する(ステップ454)。
その後、サーバ装置40では、通信制御部412が、通信部43を制御して、ステップ453で生成された差異情報を鍵管理装置10へ送信する(ステップ455)。
【0052】
これにより、鍵管理装置10では、通信制御部115が、通信部13を制御して、サーバ装置40から差異情報を受信する(ステップ153)。
次に、鍵管理装置10では、差異情報判定部116が、ステップ153で受信された差異情報が、翌日予約された鍵33の中に、収納部24に装填されていない鍵33があることを示しているかどうかを判定する(ステップ154)。
その結果、翌日予約された鍵33の中に、収納部24に装填されていない鍵33があることを、差異情報が示していると判定されれば、表示制御部117が、収納部24に装填されていない鍵33の鍵番号を、表示操作部27に表示する(ステップ155)。これにより、管理者は、翌日予約されているのに収納部24に装填されていない鍵33をバックヤードから取り出して収納部24に追加で装填することができる。
その後、翌日予約された鍵33が追加で収納部24に装填されたとする。すると、鍵管理装置10では、記憶制御部114が、収納情報121において、収納部番号に、装填された鍵33を保持するホルダ31のRFIDを紐付けて記憶する(ステップ156)。
一方、翌日予約された鍵33の中に、収納部24に装填されていない鍵33があることを、差異情報が示していないと判定されれば、表示制御部117は、鍵番号を表示操作部27に表示しない。また、翌日予約された鍵33が追加で収納部24に装填されることもないので、記憶制御部114は、収納情報121へのRFIDの記憶も行わない。
【0053】
尚、上記では、管理者が鍵33をバックヤードから取り出して収納部24に装填した際に、翌日予約された鍵33が全て収納部24に装填されているかをチェックするようにしたが、これには限らない。例えば、一日の業務終了時の精査処理の実行時等の任意のタイミングで、このような処理を行ってもよい。その場合は、管理者が鍵管理装置10の近くにいないことも考えられるので、ステップ155では、通信制御部115が、収納部24に装填されていない鍵33の鍵番号を、例えば管理者の端末装置50へ送信するとよい。
【0054】
図12は、本実施の形態の鍵管理システム1における当日予約している鍵33の貸出時の動作例を示したシーケンス図である。尚、利用者が、表示操作部27に表示された待機メニュー上で、当日予約している鍵33の貸出を受けるための項目を選択することにより、この動作例は開始する。
まず、利用者が、カードリーダ28にカードを通すと、鍵管理装置10では、ユーザID取得部113が、カードリーダ28からユーザIDを取得して(ステップ161)、ユーザ認証を行う(ステップ162)。
ユーザ認証が成功すると、鍵管理装置10では、通信制御部115が、通信部13を制御して、ステップ161で取得されたユーザIDをサーバ装置40へ送信する(ステップ163)。
【0055】
これにより、サーバ装置40では、通信制御部412が、通信部43を制御して、鍵管理装置10からユーザIDを受信する(ステップ461)。
次に、サーバ装置40では、記憶制御部411が、記憶部42に記憶された予約情報422において、本日に対して、ステップ461で受信されたユーザIDと共に記憶された鍵番号を取得する(ステップ462)。そして、記憶制御部411は、記憶部42に記憶された鍵情報421において、ステップ462で取得された鍵番号に紐付けられたRFIDを取得する(ステップ463)。
その後、サーバ装置40では、通信制御部412が、通信部43を制御して、ステップ463で取得されたRFIDを、鍵管理装置10へ送信する(ステップ464)。
【0056】
これにより、鍵管理装置10では、通信制御部115が、通信部13を制御して、サーバ装置40からRFIDを受信する(ステップ164)。
次に、鍵管理装置10では、記憶制御部114が、記憶部12に記憶された収納情報121において、ステップ164で受信されたRFIDに紐付けられた収納部番号を取得する(ステップ165)。
次いで、鍵管理装置10では、発光制御部118が、ステップ165で取得された収納部番号の収納部24の発光部242を発光させる(ステップ166)。尚、このとき、ホルダ31が抜き取り可能なように、錠機構241が解除される。
これにより、利用者は、当日予約している鍵33を保持するホルダ31が収納された収納部24が分かるので、その収納部24から鍵33を、貸出を受けるために抜き取る。すると、鍵管理装置10では、記憶制御部114が、収納情報121において、その収納部24の収納部番号に紐付けられていたRFIDを削除する(ステップ167)。
【0057】
尚、上記では言及しなかったが、ステップ462でユーザIDと共に記憶された鍵番号が存在しなかった場合、サーバ装置40は、鍵管理装置10へエラーを通知するとよい。
また、上記の動作において予約した期間を超過した鍵33があることが判明した場合、鍵管理装置10は、その旨のメッセージを表示操作部27に表示するようにしてもよい。
【0058】
次に、本実施の形態の鍵管理システム1における当日予約していた鍵33の返却時の動作例について説明する。利用者が、表示操作部27に表示された待機メニュー上で、当日予約していた鍵33を返却するための項目を選択することにより、この動作例は開始する。
この動作例は、
図12のフローチャートのステップ161、ステップ162、及びステップ167を取り出して一部変更したものとなる。
即ち、利用者が、カードリーダ28にカードを通すと、鍵管理装置10では、ユーザID取得部113が、カードリーダ28からユーザIDを取得して、ユーザ認証を行う。ユーザ認証が成功すると、利用者は、空きの収納部24に鍵33を返却するために挿入する。すると、鍵管理装置10では、記憶制御部114が、収納情報121において、その収納部24の収納部番号に、返却した鍵33を保持するホルダ31のRFIDを紐付けて記憶する。
尚、上記では言及しなかったが、鍵管理装置10は、当日予約していた鍵33を最後に返却する利用者が予約期間外でも第1の扉21を開閉可能なように、扉施錠機構14を制御するようにしてもよい。
【0059】
次に、本実施の形態の鍵管理システム1における翌日予約されていない鍵33の回収時の動作例について説明する。管理者が、表示操作部27に表示された管理者メニュー上で、翌日予約されていない鍵33を回収するための項目を選択し、翌日予約されていない鍵33をバックヤードに回収することにより、この動作例は開始する。
この動作例は、
図11のフローチャートの動作を一部変更したものとなる。
即ち、ステップ151からステップ153までは
図11と同じである。
ステップ154では、差異情報判定部116が、ステップ153で受信された差異情報が、収納部24に装填されている鍵33の中に、翌日予約されていない鍵33があることを示しているかどうかを判定する。
ステップ155では、収納部24に装填されている鍵33の中に、翌日予約されていない鍵33があることを、差異情報が示していると判定されれば、発光制御部118が、翌日予約されていない鍵33を保持するホルダ31が収納されている収納部24の発光部242を発光させる。これにより、管理者は、翌日予約されていないのに収納部24に装填されている鍵33をバックヤードに回収することができる。
その後、翌日予約されていない鍵33が追加で収納部24から回収されたとする。すると、ステップ156では、記憶制御部114が、収納情報121において、回収された鍵33を保持するホルダ31が収納されていた収納部番号に紐付けられたRFIDを削除する。
一方、収納部24に装填されている鍵33の中に、翌日予約されていない鍵33があることを、差異情報が示していないと判定されれば、発光制御部118は、発光部242を発光させない。また、翌日予約されていない鍵33が追加で収納部24から回収されることもないので、記憶制御部114は、収納情報121からのRFIDの削除も行わない。
【0060】
尚、上記では、管理者が鍵33をバックヤードに回収した際に、翌日予約されていない鍵33が全て収納部24から抜き取られているかをチェックするようにしたが、これには限らない。例えば、一日の業務終了時の精査処理の実行時等の任意のタイミングで、このような処理を行ってもよい。その場合は、管理者が鍵管理装置10の近くにいないことも考えられるので、ステップ155では、通信制御部115が、翌日予約されていない鍵33が収納された収納部24の収納部番号を、例えば管理者の端末装置50へ送信するとよい。
【0061】
[変形例]
上記では言及しなかったが、鍵交換部26での鍵交換は、収納部24に収納されるべきホルダ31に対してのみ実行できるようにし、収納部24に収納される必要のないホルダ31に対しては実行できないようにしてもよい。
【0062】
上記では、一日の業務終了時には、翌日予約されている鍵33が収納部24に収納されているものとした。これは、何日か連続で鍵33の貸出を受ける場合でも、毎日の業務終了時に鍵33を鍵管理装置10に戻す必要があることを意味する。しかしながら、長期で貸出を受けている鍵33は、毎日の業務終了時に鍵管理装置10に戻す必要がない運用としてもよい。その場合は、一日の業務終了時に、翌日予約されている鍵33が収納部24に収納されているかは、長期で貸し出している鍵33を除外してチェックするとよい。
一方で、一日の業務終了時のチェックの際に、長期で貸し出している鍵33で鍵管理装置10に収納されていないはずなのに収納されている鍵33があったとする。これは、長期で貸し出していたが、早めに返却された鍵33である可能性がある。そのような場合は、早めに返却された鍵33があることを報知してもよい。そして、このような報知は、他の情報を報知する際の態様とは異なる態様で報知するようにしてもよい。或いは、鍵33は返却された時点で利用終了扱いとする構成でもよい。このような構成の場合、利用者としては、利用期間を短くすることで、レンタル費用を低く抑えることができるというメリットや、重要物である鍵33の管理責任から解放されるといったメリットが得られる。
【0063】
上記では、サーバ装置40のみが予約情報422を保持することとしたが、収納部24に収納されているホルダ31と翌日予約されているホルダ31との照合を迅速に行うために、鍵管理装置10も予約情報422を保持することとしてよい。つまり、サーバ装置40は、予約情報422を鍵管理装置10へ送信し、鍵管理装置10では、通信制御部115が、通信部13を用いて予約情報422を受信し、記憶制御部114が、記憶部12に予約情報422を記憶する、という態様を採用してよい。そして、この態様においても、サーバ装置40は、予約情報422を、日毎に、鍵管理装置10から受信した上限数を超えない範囲で鍵33の予約要求を受け付けることにより、生成してよい。
この場合、サーバ装置40は、他の装置の一例であり、上限数は、第1の数の一例であり、翌日予約されているホルダ31は、収納部による収納対象の第1のホルダの一例であり、予約情報422は、ホルダが第1のホルダであることを示す収納対象情報の一例である。そして、記憶制御部114は、他の装置から受信した情報に基づき、第1の数以下のホルダに対して、ホルダが第1のホルダであることを示す収納対象情報を設定する設定部の一例である。
また、日は、所定期間の一例であり、予約情報422は、ホルダが収納部による収納対象の第1のホルダであること及びホルダが収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報の一例である。そして、記憶制御部114は、他の装置から受信した情報に基づき、管理対象のホルダに対して、所定期間毎に収納対象情報を設定する設定部の一例である。
【0064】
上記では、収納部24を、ホルダ31を挿入することにより収納するタイプのものとして説明したが、これには限らない。収納部24は、例えば特開2021-75852号公報に示されるような、ホルダ31を筐体内に収容することにより収納するタイプのものであってもよい。
上記では、鍵33は、物理鍵を想定して説明したが、物理鍵に限らず、カードキーやデジタルキーであってもよい。
【0065】
上記では、鍵33を管理する鍵管理装置10について説明したが、本発明は、印鑑やUSBメモリ等の物品を管理する物品管理装置にも適用可能である。その場合は、全ての書類における「鍵」は「物品」に読み替えて、発明を捉えればよい。
即ち、本発明は、「物品を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の収納部と、自装置による管理対象のホルダを登録する登録部と、前記登録部により登録された前記管理対象のホルダに対して、当該ホルダが前記収納部による収納対象の第1のホルダであること、及び、当該ホルダが前記収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報を設定する設定部と、を備える、物品管理装置」と捉えればよい。
また、本発明は、「物品を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の収納部を有する物品管理装置と、前記物品管理装置による管理対象のホルダの情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記管理対象のホルダの情報に対して、当該ホルダが前記収納部による収納対象の第1のホルダであること、及び、当該ホルダが前記収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報を設定する設定部と、を備える、物品管理システム」と捉えればよい。
更に、本発明は、「コンピュータが、物品を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の収納部を有する物品管理装置による管理対象のホルダを登録する登録ステップと、コンピュータが、前記登録ステップで登録された前記管理対象のホルダに対して、当該ホルダが前記収納部による収納対象の第1のホルダであること、及び、当該ホルダが前記収納部による収納対象外の第2のホルダであることの少なくとも何れか一方を示す収納対象情報を設定する設定ステップと、を含む、物品管理方法」と捉えればよい。
【0066】
[実施の形態の効果]
本実施の形態では、鍵管理装置10による管理対象のホルダに対して、鍵管理装置10に収納すべきホルダであること、及び、鍵管理装置10に収納すべきでないホルダであることの少なくとも何れか一方を設定可能とした。これにより、鍵管理装置10の収納部の数以上のホルダを、鍵管理装置10で管理することが可能となった。
【符号の説明】
【0067】
1…鍵管理システム、10…鍵管理装置、11…制御部、111…RFID取得部、112…鍵番号取得部、113…ユーザID取得部、114…記憶制御部、115…通信制御部、116…差異情報判定部、117…表示制御部、118…発光制御部、119…精査処理部、12…記憶部、121…収納情報、13…通信部、14…扉施錠機構、24…収納部、241…錠機構、242…発光部、243…読取部、25…プリンタ、26…鍵交換部、263…読取部、27…表示操作部、28…カードリーダ、40…サーバ装置、41…制御部、411…記憶制御部、412…通信制御部、413…予約可否判定部、414…差異情報生成部、42…記憶部、421…鍵情報、422…予約情報、43…通信部、50…端末装置