(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082867
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】基板搬送装置及び部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20230608BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
H05K13/02 U
H05K13/04 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196844
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祐太
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA02
5E353CC03
5E353DD02
5E353DD06
5E353DD17
5E353EE01
5E353EE04
5E353EE28
5E353EE29
5E353GG01
5E353GG11
5E353GG12
5E353GG22
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5E353GG24
5E353GG25
5E353GG27
5E353GG29
5E353GG31
5E353HH11
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK01
5E353QQ01
5E353QQ17
(57)【要約】
【課題】基板のサイズが変更されても、基板の搬送効率の低下を抑制すること。
【解決手段】基板搬送装置は、搬送路において基板を搬送方向に搬送する。基板搬送装置は、搬送方向における基板サイズを取得する基板サイズ取得部と、基板サイズに基づいて、基板を停止させる空間を示すバッファを搬送路に設定するバッファ設定部と、1枚の基板が1つのバッファに配置されるように、基板の搬送を制御する搬送制御部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路において基板を搬送方向に搬送する基板搬送装置であって、
前記搬送方向における基板サイズを取得する基板サイズ取得部と、
前記基板サイズに基づいて、前記基板を停止させる空間を示すバッファを前記搬送路に設定するバッファ設定部と、
1枚の基板が1つのバッファに配置されるように、前記基板の搬送を制御する搬送制御部と、を備える、
基板搬送装置。
【請求項2】
前記バッファの設定は、前記搬送方向におけるバッファサイズの設定及びバッファ数の設定の少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記搬送路において前記搬送方向に間隔をあけて複数配置される基板センサを備え、
複数の前記基板センサのそれぞれの検出位置は、前記搬送方向における前記搬送路の中心を基準として前記搬送方向に対称に配置される、
請求項1又は請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記バッファ設定部は、少なくとも1つの基板センサの検出位置が1つのバッファに配置されるように前記バッファを設定し、
前記搬送制御部は、前記基板センサの検出信号に基づいて、前記基板を前記バッファに停止させる、
請求項3に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記バッファ設定部により設定された前記バッファに基づいて、前記基板センサの機能が、対象バッファに搬入される基板を検出するインセンサの機能と、搬送される基板の有無を検出したときに基板を減速させる減速センサの機能と、搬送される基板を検出したときに基板を停止させるストップセンサの機能と、対象バッファから搬出される基板を検出するアウトセンサの機能とに切り換えられる、
請求項4に記載の基板搬送装置。
【請求項6】
前記基板は、部品の実装のために停止される生産基板と、待機のために停止される待機基板と、を含み、
前記生産基板をクランプするクランプ装置を備え、
前記生産基板は、前記搬送方向の上流側の端部を示す上流側端部と、前記搬送方向の下流側の端部を示す下流側端部と、を有し、
前記バッファ設定部は、複数の前記基板センサのうち、少なくとも一つの基板センサの検出位置を、前記上流側端部及び前記下流側端部の少なくとも一方が一致したときに前記クランプ装置に前記生産基板をクランプさせるクランプ基準位置に設定し、
前記搬送方向における前記搬送路の中心を基準として、上流側に配置される第1の生産基板のクランプ基準位置と、下流側に配置される第2の生産基板のクランプ基準位置とは、前記搬送方向に対称に配置される、
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の基板搬送装置。
【請求項7】
第1の生産基板のクランプ基準位置は、第1の生産基板の下流側端部に設定され、
第2の生産基板のクランプ基準位置は、第2の生産基板の上流側端部に設定される、
請求項6に記載の基板搬送装置。
【請求項8】
第1の生産基板のクランプ基準位置は、第1の生産基板の上流側端部に設定され、
第2の生産基板のクランプ基準位置は、第2の生産基板の下流側端部に設定される、
請求項6に記載の基板搬送装置。
【請求項9】
第1の基板センサと第2の基板センサとが1つのバッファに配置されるように前記バッファが設定された状態で、前記搬送制御部は、第1の基板センサの検出信号に基づいて前記基板を前記バッファの第1位置に停止させることと、第2の基板センサの検出信号に基づいて前記基板を前記バッファの第2位置に停止させることと、を切り換える、
請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の基板搬送装置。
【請求項10】
実装可能範囲に配置される前記バッファにおいて停止した基板をクランプするクランプ装置と、
前記クランプ装置を制御するクランプ制御部と、を備える、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の基板搬送装置。
【請求項11】
前記クランプ装置は、クランプ範囲を変更するクランプ範囲変更機構を有し、
前記クランプ制御部は、前記バッファ設定部により設定された前記バッファに基づいて、前記クランプ範囲変更機構を制御する、
請求項10に記載の基板搬送装置。
【請求項12】
前記クランプ範囲変更機構は、前記搬送方向における前記搬送路の中心を基準として前記搬送方向に対称に配置される、
請求項11に記載の基板搬送装置。
【請求項13】
前記基板を支持して回転する搬送ベルトを備え、
前記クランプ装置は、
クランプアクチュエータと、
前記クランプアクチュエータが発生する動力により昇降するサポートテーブルと、
前記サポートテーブルに支持された状態で前記サポートテーブルと一緒に昇降する昇降部材と、
前記昇降部材の少なくとも一部との間で前記搬送ベルトに支持された前記基板を挟むクランプ部材と、を有し、
前記搬送ベルトは、前記搬送方向に配置された第1の搬送ベルトと第2の搬送ベルトと、を含み、
前記昇降部材は、前記搬送方向に配置された第1の昇降部材と第2の昇降部材と、を含み、
第1の昇降部材は、第1のプーリを介して第1の搬送ベルトを支持し、
第2の昇降部材は、第2のプーリを介して第2の搬送ベルトを支持し、
前記クランプ範囲変更機構は、前記サポートテーブルに対して第1の昇降部材を昇降させる昇降機構を含み、
前記クランプ部材は、第1の昇降部材及び第2の昇降部材の直上に配置され、
前記サポートテーブルに対する第1の昇降部材の昇降により、前記クランプ範囲が変更される、
請求項11又は請求項12に記載の基板搬送装置。
【請求項14】
前記クランプ制御部は、第1の基板サイズの基板をクランプする場合、第2の昇降部材と一緒に前記サポートテーブルを上昇させるとともに前記サポートテーブルに対して第1の昇降部材が下降するように前記昇降機構を制御し、第1の基板サイズよりも大きい第2の基板サイズの基板をクランプする場合、第2の昇降部材と一緒に前記サポートテーブルを上昇させるとともに前記サポートテーブルに対して第1の昇降部材が上昇するように前記昇降機構を制御する、
請求項13に記載の基板搬送装置。
【請求項15】
第1の基板サイズの基板が第2の昇降部材と前記クランプ部材とに挟まれている状態で、他の基板が第1の搬送ベルトに支持される、
請求項14に記載の基板搬送装置。
【請求項16】
第2の基板サイズの基板が第1の昇降部材及び第2の昇降部材と前記クランプ部材とに挟まれる、
請求項14に記載の基板搬送装置。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の基板搬送装置と、
前記基板搬送装置により実装可能範囲の内側に配置された前記基板に部品を実装する実装ヘッドと、を備える、
部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、基板搬送装置及び部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような基板搬送装置が知られている。特許文献1に開示されている基板搬送装置は、インバッファ、センタバッファ、及びアウトバッファの3つのバッファを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板搬送装置は、バッファにおいて基板を停止させる。基板サイズが大きい場合、3つのバッファのそれぞれに基板を配置することが困難となる可能性がある。その結果、基板の搬送効率が低下する可能性がある。大きい基板サイズの基板に合わせてバッファを大きくしてしまうと、基板搬送装置が大型化してしまう可能性がある。
【0005】
本明細書で開示する技術は、基板のサイズが変更されても、基板の搬送効率の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、基板搬送装置を開示する。基板搬送装置は、搬送路において基板を搬送方向に搬送する。基板搬送装置は、搬送方向における基板サイズを取得する基板サイズ取得部と、基板サイズに基づいて、基板を停止させる空間を示すバッファを搬送路に設定するバッファ設定部と、1枚の基板が1つのバッファに配置されるように、基板の搬送を制御する搬送制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本明細書で開示する技術によれば、基板のサイズが変更されても、基板の搬送効率の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る部品実装装置を模式的に示す平面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る部品実装装置を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る基板搬送装置を模式的に示す側面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るクランプ装置を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るクランプ装置を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る制御装置を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る搬送路が5バッファモードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、
図7に示した生産基板に部品が実装された後の状態の一例を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る搬送路が5バッファモードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。
【
図10】
図10は、
図9に示した生産基板に部品が実装された後の状態の一例を模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る搬送路が4バッファモードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、
図11に示した生産基板に部品が実装された後の状態の一例を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る搬送路が2バッファモードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。
【
図14】
図14は、
図13に示した生産基板に部品が実装された後の状態の一例を模式的に示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る搬送路が2バッファモードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。
【
図16】
図16は、
図15に示した2枚の基板のそれぞれに部品を実装する手順を説明するための図である。
【
図17】
図17は、
図15に示した2枚の基板のそれぞれに部品を実装する手順を説明するための図である。
【
図18】
図18は、
図15に示した2枚の基板のそれぞれに部品を実装する手順を説明するための図である。
【
図19】
図19は、
図15に示した2枚の基板のそれぞれに部品を実装する手順を説明するための図である。
【
図20】
図20は、
図15に示した2枚の基板のそれぞれに部品を実装する手順を説明するための図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る搬送路に延長搬送路が付加された状態の一例を模式的に示す図である。
【
図22】
図22は、
図21に示した2枚の基板のそれぞれに部品を実装する手順を説明するための図である。
【
図23】
図23は、
図21に示した2枚の基板のそれぞれに部品を実装する手順を説明するための図である。
【
図24】
図24は、
図21に示した2枚の基板のそれぞれに部品を実装する手順を説明するための図である。
【
図25】
図25は、
図21に示した2枚の基板のそれぞれに部品を実装する手順を説明するための図である。
【
図26】
図26は、
図21に示した2枚の基板のそれぞれに部品を実装する手順を説明するための図である。
【
図27】
図27は、実施形態に係る搬送路が長尺モードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。
【
図28】
図28は、
図27に示した生産基板に部品が実装された後の状態の一例を模式的に示す図である。
【
図29】
図29は、実施形態に係る搬送路が長尺モードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。
【
図30】
図30は、
図29に示した生産基板に部品が実装された後の状態を模式的に示す図である。
【
図31】
図31は、実施形態に係るクランプ範囲変更機構を模式的に示す図である。
【
図32】
図32は、実施形態に係る搬送路が2バッファモードに設定されているときのクランプ範囲変更機構を模式的に示す図である。
【
図33】
図33は、実施形態に係るクランプ範囲変更機構の変形例を模式的に示す図である。
【
図34】
図34は、実施形態に係るクランプ範囲変更機構の変形例を模式的に示す図である。
【
図35】
図35は、実施形態に係る基板のクランプ方法の一例を模式的に示す図である。
【
図36】
図36は、実施形態に係る基板のクランプ方法の一例を模式的に示す図である。
【
図37】
図37は、実施形態に係る基板のクランプ方法の一例を模式的に示す図である。
【
図38】
図38は、実施形態に係る基板のクランプ方法の一例を模式的に示す図である。
【
図39】
図39は、実施形態に係る基板のクランプ方法の一例を模式的に示す図である。
【
図40】
図40は、実施形態に係る基板のクランプ方法の一例を模式的に示す図である。
【
図41】
図41は、実施形態に係る基板のクランプ方法の一例を模式的に示す図である。
【
図42】
図42は、搬送方向における搬送路の中心よりも上流側の基板のクランプ基準位置が基板の下流側端部に設定され、中心よりも下流側の基板のクランプ基準位置が基板の上流側端部に設定されている状態で、基板に部品が実装されるときの部品実装装置を模式的に示す平面図である。
【
図43】
図43は、搬送方向における搬送路の中心よりも上流側の基板のクランプ基準位置が基板の上流側端部に設定され、中心よりも下流側の基板のクランプ基準位置が基板の下流側端部に設定されている状態で、基板に部品が実装されるときの部品実装装置を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明するが、本明細書で開示する技術は、実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内のX軸に平行な方向をX軸方向とする。X軸に直交する水平面内のY軸に平行な方向をY軸方向とする。X軸及びY軸のそれぞれに直交するZ軸に平行な方向をZ軸方向とする。X軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθX方向とする。Y軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθY方向とする。Z軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθZ方向とする。XY平面は、水平面である。Z軸方向は、上下方向である。
【0011】
[部品実装装置]
図1は、実施形態に係る部品実装装置1を模式的に示す平面図である。
図2は、実施形態に係る部品実装装置1を示すブロック図である。
【0012】
部品実装装置1は、基板Pに部品を実装する。基板Pとして、プリント配線板(PWB:Printed Wiring Board)が例示される。基板Pに部品が実装されることにより、プリント回路板(PCB:Printed Circuit Board)が生産される。
【0013】
図1及び
図2に示すように、部品実装装置1は、部品供給装置2と、基板搬送装置3と、基板センサ4と、実装ヘッド5と、ノズル6と、ヘッド移動装置7と、ノズル移動装置8と、撮像装置9と、ベースフレーム10と、制御装置11とを備える。
【0014】
部品供給装置2は、基板Pに実装される部品を供給する。部品供給装置2は、フィーダバンク12を有する。フィーダバンク12は、複数のテープフィーダ13を支持する。フィーダバンク12において、複数のテープフィーダ13は、X軸方向に配置される。テープフィーダ13は、テープリールから供給されるキャリアテープをY軸方向に搬送する。キャリアテープに複数の部品が保持される。テープフィーダ13は、キャリアテープに保持されている部品が規定の供給位置に配置されるようにキャリアテープを搬送する。キャリアテープが搬送されることにより、複数の部品のそれぞれが規定の供給位置に順次配置される。
【0015】
実施形態において、部品供給装置2は、フィーダバンク12を4個有する。2個のフィーダバンク12は、基板搬送装置3よりも+Y側に配置される。2個のフィーダバンク12は、基板搬送装置3よりも-Y側に配置される。基板搬送装置3よりも+Y側に配置される2個のフィーダバンク12は、X軸方向に間隔をあけて配置される。基板搬送装置3よりも-Y側に配置される2個のフィーダバンク12は、X軸方向に間隔をあけて配置される。
【0016】
基板搬送装置3は、基板Pが搬送される搬送路14を有する。基板搬送装置3は、搬送路14において基板Pを規定の搬送方向に搬送する。実施形態において、基板搬送装置3による基板Pの搬送方向は、X軸方向である。基板搬送装置3は、搬送路14の-X側の端部から+X側の端部に向かって+X方向に基板Pを搬送する。
【0017】
以下の説明において、搬送路14において-X側の端部に近い位置又は接近する方向を適宜、上流側、と称し、搬送路14において+X側の端部に近い位置又は接近する方向を適宜、下流側、と称する。基板搬送装置3は、上流側から下流側に向かって基板Pを搬送する。
【0018】
図3は、実施形態に係る基板搬送装置3を模式的に示す側面図である。
図2及び
図3に示すように、基板搬送装置3は、搬送ベルト15と、プーリ16と、モータ17と、クランプ装置18とを有する。
【0019】
搬送ベルト15は、基板Pを支持する。搬送ベルト15は、リング状である。搬送ベルト15は、無端ベルトである。搬送ベルト15は、プーリ16に掛けられる。搬送ベルト15が回転することにより、搬送ベルト15に支持されている基板PがX軸方向に搬送される。
【0020】
プーリ16は、搬送ベルト15を支持する。プーリ16は、駆動プーリと、従動プーリとを含む。プーリ16は、搬送ベルト15を支持した状態で回転する。
【0021】
モータ17は、搬送ベルト15を回転させる動力を発生する。モータ17は、駆動プーリに接続される。モータ17は、駆動プーリを回転させる。駆動プーリに連動して、搬送ベルト15が回転する。搬送ベルト15に連動して、従動プーリが回転する。搬送ベルト15が回転することにより、搬送ベルト15に支持されている基板PがX軸方向に搬送される。
【0022】
実施形態において、搬送ベルト15は、5個設けられる。5個の搬送ベルト15は、X軸方向に配置される。搬送ベルト15は、5個の搬送ベルト15のうち、最も上流側に配置される第1搬送ベルト15Aと、第1搬送ベルト15Aに次いで上流側に配置される第2搬送ベルト15Bと、第2搬送ベルト15Bに次いで上流側に配置される第3搬送ベルト15Cと、第3搬送ベルト15Cに次いで上流側に配置される第4搬送ベルト15Dと、最も下流側に配置される第5搬送ベルト15Eとを含む。
【0023】
プーリ16は、14個設けられる。プーリ16は、第1搬送ベルト15Aを支持する4個の第1プーリ16Aと、第2搬送ベルト15Bを支持する2個の第2プーリ16Bと、第3搬送ベルト15Cを支持する2個の第3プーリ16Cと、第4搬送ベルト15Dを支持する2個の第4プーリ16Dと、第5搬送ベルト15Eを支持する4個の第5プーリ16Eとを含む。
【0024】
モータ17は、5個設けられる。モータ17は、第1搬送ベルト15Aを回転させる動力を発生する第1モータ17Aと、第2搬送ベルト15Bを回転させる動力を発生する第2モータ17Bと、第3搬送ベルト15Cを回転させる動力を発生する第3モータ17Cと、第4搬送ベルト15Dを回転させる動力を発生する第4モータ17Dと、第5搬送ベルト15Eを回転させる動力を発生する第5モータ17Eとを含む。
【0025】
4個の第1プーリ16Aのうち、1個の第1プーリ16Aが第1モータ17Aに接続される駆動プーリに割り当てられ、他の3個の第1プーリ16Aが従動プーリに割り当てられる。2個の第2プーリ16Bのうち、1個の第2プーリ16Bが第2モータ17Bに接続される駆動プーリに割り当てられ、他の1個の第2プーリ16Bが従動プーリに割り当てられる。2個の第3プーリ16Cのうち、1個の第3プーリ16Cが第3モータ17Cに接続される駆動プーリに割り当てられ、他の1個の第3プーリ16Cが従動プーリに割り当てられる。2個の第4プーリ16Dのうち、1個の第4プーリ16Dが第4モータ17Dに接続される駆動プーリに割り当てられ、他の1個の第4プーリ16Dが従動プーリに割り当てられる。4個の第5プーリ16Eのうち、1個の第5プーリ16Eが第5モータ17Eに接続される駆動プーリに割り当てられ、他の3個の第5プーリ16Eが従動プーリに割り当てられる。
【0026】
クランプ装置18は、搬送ベルト15による搬送が停止された基板Pをクランプする。基板Pがクランプ装置18でクランプされることにより、基板Pの位置が固定される。
【0027】
図4は、実施形態に係るクランプ装置18を模式的に示す図である。
図4に示すように、クランプ装置18は、サポートテーブル19と、クランプアクチュエータ20と、昇降部材21と、クランプ部材22とを有する。
【0028】
サポートテーブル19は、クランプアクチュエータ20が発生する動力により昇降する。クランプアクチュエータ20は、制御装置11に制御される。
【0029】
昇降部材21は、サポートテーブル19に支持された状態で昇降可能である。昇降部材21は、サポートテーブル19と一緒に昇降する。昇降部材21は、基板Pの下面の少なくとも一部を支持することができる。昇降部材21は、Y軸方向に間隔をあけて一対配置される。Y軸方向に配置された一対の昇降部材21のうち、一方の昇降部材21は、基板Pの下面の+Y側の端部を支持し、他方の昇降部材21は、基板Pの下面の-Y側の端部を支持する。Y軸方向に配置される一対の昇降部材21は、一緒に昇降する。
【0030】
クランプ部材22は、昇降部材21の少なくとも一部との間で搬送ベルト15に支持された基板Pを挟む。クランプ部材22の位置は、固定される。クランプ部材22は、移動しない。クランプ部材22は、基板Pの上面の少なくとも一部を支持することができる。クランプ部材22は、Y軸方向に間隔をあけて一対配置される。Y軸方向に配置された一対のクランプ部材22のうち、一方のクランプ部材22は、基板Pの上面の+Y側の端部に対向し、他方のクランプ部材22は、基板Pの上面の-Y側の端部に対向する。
【0031】
図5は、実施形態に係るクランプ装置18を模式的に示す図である。
図5に示すように、クランプアクチュエータ20の駆動によりサポートテーブル19が上昇すると、サポートテーブル19に支持されている昇降部材21がサポートテーブル19と一緒に上昇する。昇降部材21が上昇すると、昇降部材21に支持されている基板Pが昇降部材21と一緒に上昇する。昇降部材21及び基板Pが上昇すると、基板Pは、クランプ部材22と昇降部材21とにより上下方向から挟まれる。これにより、基板Pがクランプ装置18にクランプされ、基板Pの位置が固定される。
【0032】
図4に示すように、サポートテーブル19が下降すると、昇降部材21及び基板Pがサポートテーブル19と一緒に下降する。これにより、クランプ装置18による基板Pのクランプが解除される。搬送ベルト15は、基板Pを搬送することができる。
【0033】
プーリ16は、昇降部材21に支持される。プーリ16は、昇降部材21に支持された状態で回転する。
【0034】
図3に示すように、昇降部材21は、X軸方向に複数配置される。X軸方向に配置される複数の昇降部材21のそれぞれは、別々に昇降可能である。実施形態において、昇降部材21は、X軸方向に7個配置される。昇降部材21は、7個の昇降部材21のうち、最も上流側に配置される第1昇降部材21Aと、第1昇降部材21Aに次いで上流側に配置される第2昇降部材21Bと、第2昇降部材21Bに次いで上流側に配置される第3昇降部材21Cと、第3昇降部材21Cに次いで上流側に配置される第4昇降部材21Dと、第4昇降部材21Dに次いで上流側に配置される第5昇降部材21Eと、第5昇降部材21Eに次いで上流側に配置される第6昇降部材21Fと、最も下流側に配置される第7昇降部材21Gとを含む。
【0035】
4個の第1プーリ16Aのうち、2個の第1プーリ16Aは、第1昇降部材21Aに支持され、2個の第1プーリ16Aは、第2昇降部材21Bに支持される。第1搬送ベルト15Aは、4個の第1プーリ16Aを介して第1昇降部材21A及び第2昇降部材21Bのそれぞれに支持される。
【0036】
2個の第2プーリ16Bは、第3昇降部材21Cに支持される。第2搬送ベルト15Bは、2個の第2プーリ16Bを介して第3昇降部材21Cに支持される。
【0037】
2個の第3プーリ16Cは、第4昇降部材21Dに支持される。第3搬送ベルト15Cは、2個の第3プーリ16Cを介して第4昇降部材21Dに支持される。
【0038】
2個の第4プーリ16Dは、第5昇降部材21Eに支持される。第4搬送ベルト15Dは、2個の第4プーリ16Dを介して第5昇降部材21Eに支持される。
【0039】
4個の第5プーリ16Eのうち、2個の第5プーリ16Eは、第6昇降部材21Fに支持され、2個の第5プーリ16Eは、第7昇降部材21Gに支持される。第5搬送ベルト15Eは、4個の第5プーリ16Eを介して第6昇降部材21F及び第7昇降部材21Gのそれぞれに支持される。
【0040】
基板センサ4は、搬送路14において搬送される基板Pを検出する。基板センサ4は、基板搬送装置3よりも上方に配置される。基板センサ4は、搬送路14の上方から基板Pを検出する。基板センサ4は、基板Pを非接触で検出する。基板センサ4として、検出光を射出する投光部及び検出光を受光する受光部を有する光学センサが例示される。基板センサ4は、検出位置を有する。基板センサ4の検出位置は、検出光が照射される照射位置を含む。基板センサ4は、検出位置における基板Pの有無を検出する。基板センサ4の位置は、固定される。基板センサ4は、検出位置における基板Pの有無を検出することによって、X軸方向における基板Pの位置を検出することができる。
【0041】
基板センサ4は、搬送路14においてX軸方向に間隔をあけて複数配置される。実施形態において、基板センサ4は、10個設けられる。基板センサ4は、10個の基板センサ4のうち、最も上流側に配置される第1基板センサ4Aと、第1基板センサ4Aに次いで上流側に配置される第2基板センサ4Bと、第2基板センサ4Bに次いで上流側に配置される第3基板センサ4Cと、第3基板センサ4Cに次いで上流側に配置される第4基板センサ4Dと、第4基板センサ4Dに次いで上流側に配置される第5基板センサ4Eと、第5基板センサ4Eに次いで上流側に配置される第6基板センサ4Fと、第6基板センサ4Fに次いで上流側に配置される第7基板センサ4Gと、第7基板センサ4Gに次いで上流側に配置される第8基板センサ4Hと、第8基板センサ4Hに次いで上流側に配置される第9基板センサ4Iと、最も下流側に配置される第10基板センサ4Jとを含む。
【0042】
第1基板センサ4Aの検出位置は、第1搬送ベルト15Aの上流側の端部に設定される。第2基板センサ4Bの検出位置は、第1昇降部材21Aと第2昇降部材21Bとの境界に設定される。第3基板センサ4Cの検出位置は、第1搬送ベルト15Aと第2搬送ベルト15Bとの境界(第2昇降部材21Bと第3昇降部材21Cとの境界)に設定される。第4基板センサ4Dの検出位置は、第2搬送ベルト15Bと第3搬送ベルト15Cとの境界(第3昇降部材21Cと第4昇降部材21Dとの境界)に設定される。第5基板センサ4Eの検出位置は、第3搬送ベルト15Cの上流側の端部に設定される。第6基板センサ4Fの検出位置は、第3搬送ベルト15Cの下流側の端部に設定される。第7基板センサ4Gの検出位置は、第3搬送ベルト15Cと第4搬送ベルト15Dとの境界(第4昇降部材21Dと第5昇降部材21Eとの境界)に設定される。第8基板センサ4Hの検出位置は、第4搬送ベルト15Dと第5搬送ベルト15Eとの境界(第5昇降部材21Eと第6昇降部材21Fとの境界)に設定される。第9基板センサ4Iの検出位置は、第6昇降部材21Fと第7昇降部材21Gとの境界に設定される。第10基板センサ4Jの検出位置は、第5搬送ベルト15Eの下流側の端部に設定される。
【0043】
図3に示すように、複数の基板センサ4のそれぞれの検出位置は、X軸方向における搬送路14の中心CLを基準としてX軸方向に対称に配置される。中心CLよりも上流側に配置されている基板センサ4の数と中心CLよりも下流側に配置されている基板センサ4の数とは、等しい。実施形態において、中心CLよりも上流側には5個の基板センサ4(4A,4B,4C,4D,4E)が配置され、中心CLよりも下流側には5個の基板センサ4(4F,4G,4H,4I,4J)が配置される。X軸方向において、中心CLから第5基板センサ4Eまでの距離Leと中心CLから第6基板センサ4Fまでの距離Lfとは、等しい。X軸方向において、中心CLから第4基板センサ4Dまでの距離Ldと中心CLから第7基板センサ4Gまでの距離Lgとは、等しい。X軸方向において、中心CLから第3基板センサ4Cまでの距離Lcと中心CLから第8基板センサ4Hまでの距離Lhとは、等しい。X軸方向において、中心CLから第2基板センサ4Bまでの距離Lbと中心CLから第9基板センサ4Iまでの距離Liとは、等しい。X軸方向において、中心CLから第1基板センサ4Aまでの距離Laと中心CLから第10基板センサ4Jまでの距離Ljとは、等しい。
【0044】
複数の昇降部材21は、X軸方向における搬送路14の中心CLを基準としてX軸方向に対称に配置される。中心CLよりも上流側に配置されている昇降部材21の数と中心CLよりも下流側に配置されている昇降部材21の数とは、等しい。実施形態において、中心CLよりも上流側には第4昇降部材21Dの半分及び3つの昇降部材21(21A,21B,21C)が配置され、中心CLよりも下流側には第3昇降部材21Cの半分及び3つの昇降部材21(21E,21F,21D)が配置される。X軸方向において、中心CLから第4昇降部材21Dの上流側の端部までの距離と、中心CLから第4昇降部材21Dの下流側の端部までの距離とは、等しい。X軸方向において、中心CLから第3昇降部材21Cまでの距離と中心CLから第5昇降部材21Eまでの距離とは、等しい。X軸方向において、中心CLから第2昇降部材21Bまでの距離と中心CLから第6昇降部材21Fまでの距離とは、等しい。X軸方向において、中心CLから第1昇降部材21Aまでの距離と中心CLから第7昇降部材21Gまでの距離とは、等しい。
【0045】
X軸方向において、第3昇降部材21Cのサイズと第5昇降部材21Eのサイズとは、等しい。X軸方向において、第2昇降部材21Bのサイズと第6昇降部材21Fのサイズとは、等しい。X軸方向において、第1昇降部材21Aのサイズと第7昇降部材21Gのサイズとは、等しい。X軸方向において、第3昇降部材21Cのサイズと第4昇降部材21Dのサイズと第5昇降部材21Eのサイズとは、実質的に等しい。第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7昇降部材21A,21B,21C,21D,21E,21F,21Gのうち、X軸方向のサイズが最も大きい昇降部材21は、第3,第4,第5昇降部材21C,21D,21Eであり、第3,第4,第5昇降部材21C,21D,21Eに次いでX軸方向のサイズが大きい昇降部材21は、第1,第7昇降部材21A,21Gであり、X軸方向のサイズが最も小さい昇降部材21は、第2,第6昇降部材21B,21Fである。
【0046】
複数の搬送ベルト15は、X軸方向における搬送路14の中心CLを基準としてX軸方向に対称に配置される。中心CLよりも上流側に配置されている搬送ベルト15の数と中心CLよりも下流側に配置されている搬送ベルト15の数とは、等しい。実施形態において、中心CLよりも上流側には第3搬送ベルト15Cの半分及び2個の搬送ベルト15(15A,15B)が配置され、中心CLよりも下流側には第3搬送ベルト15Cの半分及び2個の搬送ベルト15(15D,15E)が配置される。X軸方向において、中心CLから第3搬送ベルト15Cの上流側の端部までの距離と、中心CLから第3搬送ベルト15Cの下流側の端部までの距離とは、等しい。X軸方向において、中心CLから第2搬送ベルト15Bまでの距離と中心CLから第4搬送ベルト15Dまでの距離とは、等しい。X軸方向において、中心CLから第1搬送ベルト15Aまでの距離と中心CLから第5搬送ベルト15Eまでの距離とは、等しい。
【0047】
X軸方向において、第1搬送ベルト15Aのサイズと第5搬送ベルト15Eのサイズとは、等しい。X軸方向において、第2搬送ベルト15Bのサイズと第3搬送ベルト15Cのサイズと第4搬送ベルト15Dのサイズとは、実質的に等しい。X軸方向において、第2,第3,第4搬送ベルト15B,15C,15Dのサイズは、第1,第5搬送ベルト15A,15Eのサイズよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0048】
実装ヘッド5は、部品を基板Pに実装する。実装ヘッド5は、部品を着脱可能に保持するノズル6を有する。ノズル6は、実装ヘッド5に複数設けられる。ノズル6は、支持シャフトの下端部に配置される。実装ヘッド5のボディは、支持シャフトを支持する。ノズル6は、支持シャフトを介して、実装ヘッド5のボディに支持される。ノズル6は、部品を吸着して保持する吸着ノズルでもよいし、部品を挟んで保持する把持ノズルでもよい。ノズル6が吸着ノズルである場合、ノズル6に接続される真空システムの作動により、ノズル6は、部品を吸着することができる。ノズル6が把持ノズルである場合、ノズル6を駆動可能なアクチュエータの作動により、ノズル6は、部品を挟むことができる。
【0049】
ヘッド移動装置7は、実装ヘッド5をX軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動する。ヘッド移動装置7は、X軸ガイドレール7Aと、Y軸ガイドレール7Bと、X軸リニアアクチュエータ7Cと、Y軸リニアアクチュエータ7Dとを有する。X軸ガイドレール7Aは、実装ヘッド5をX軸方向にガイドする。Y軸ガイドレール7Bは、X軸ガイドレール7AをY軸方向にガイドする。Y軸ガイドレール7Bは、X軸方向に間隔をあけて一対設けられる。X軸リニアアクチュエータ7Cは、実装ヘッド5をX軸方向に移動させる動力を発生する。X軸リニアアクチュエータ7Cの少なくとも一部は、実装ヘッド5とX軸ガイドレール7Aとの間に配置される。Y軸リニアアクチュエータ7Dは、X軸ガイドレール7AをY軸方向に移動させる動力を発生する。Y軸リニアアクチュエータ7Dの少なくとも一部は、X軸ガイドレール7AとY軸ガイドレール7Bとの間に配置される。
【0050】
ノズル移動装置8は、ノズル6をZ軸方向及びθZ方向に移動する。ノズル移動装置8は、実装ヘッド5に設けられる。ノズル移動装置8は、複数のノズル6のそれぞれに設けられる。ノズル移動装置8は、ノズル6をZ軸方向に移動させる動力を発生するZ軸モータ8Aと、ノズル6をθZ方向に回転させる動力を発生するθZモータ8Bとを有する。
【0051】
ノズル6は、ヘッド移動装置7及びノズル移動装置8により、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及びθZ方向のそれぞれに移動可能である。実装ヘッド5は、ヘッド移動装置7により、部品供給装置2と基板搬送装置3との間を移動可能である。実装ヘッド5は、部品供給装置2においてノズル6で部品を保持して基板搬送装置3に支持されている基板Pに移動する。実装ヘッド5は、基板搬送装置3に支持されている基板Pに部品を実装する。
【0052】
実装ヘッド5は、ヘッド移動装置7により、XY平面内において実装可能範囲23を移動可能である。部品供給装置2において部品が供給される規定の供給位置は、実装可能範囲23の内側に規定される。基板搬送装置3の少なくとも一部は、実装可能範囲23の内側に配置される。基板搬送装置3は、基板Pの少なくとも一部を実装可能範囲23の内側に搬送可能である。実装可能範囲23の内側に配置された基板Pに部品が実装される。実装ヘッド5は、基板搬送装置3により実装可能範囲23の内側に配置された基板Pに部品を実装することができる。実装ヘッド5は、実装可能範囲23の外側に配置された基板Pに部品を実装することができない。
【0053】
実施形態において、実装ヘッド5は、X軸方向に2個配置される。ヘッド移動装置7は、X軸方向に2個配置される。実施形態において、実装可能範囲23は、X軸方向に間隔をあけて2個規定される。実装可能範囲23は、第1実装可能範囲23Aと、第1実装可能範囲23Aよりも下流側に規定された第2実装可能範囲23Bとを含む。上流側の実装ヘッド5は、第1実装可能範囲23Aを移動可能である。下流側の実装ヘッド5は、第2実装可能範囲23Bを移動可能である。
【0054】
第1搬送ベルト15Aの下流側の一部は、第1実装可能範囲23Aの内側に配置される。第2搬送ベルト15Bは、第1実装可能範囲23Aの内側に配置される。第3搬送ベルト15Cは、第1実装可能範囲23Aと第2実装可能範囲23Bとの間に配置される。第4搬送ベルト15Dは、第2実装可能範囲23Bの内側に配置される。第5搬送ベルト15Eの上流側の一部は、第2実装可能範囲23Bの内側に配置される。
【0055】
撮像装置9は、ノズル6に保持されている部品を撮像する。撮像装置9は、XY平面内において部品供給装置2と基板搬送装置3との間に配置される。実装ヘッド5は、部品供給装置2においてノズル6に部品を保持させた後、基板Pに移動する前に、撮像装置9の上方に移動する。撮像装置9は、ノズル6よりも下方からノズル6に保持されている部品を撮像する。撮像装置9により撮像された部品の画像データは、制御装置11に送られる。制御装置11は、部品の画像データに基づいて、ノズル6に保持されている部品が正常か否かを判定する。部品が正常であると判定された場合、実装ヘッド5は、基板Pの上方に移動して、ノズル6に保持されている部品を基板Pに実装する。部品が異常であると判定された場合、実装ヘッド5は、部品を例えば廃棄する。
【0056】
撮像装置9は、XY平面内において実装可能範囲23の内側に配置される。撮像装置9は、第1実装可能範囲23Aに配置される第1撮像装置9Aと、第2実装可能範囲23Bに配置される第2撮像装置9Bとを含む。
【0057】
ベースフレーム10は、部品供給装置2、基板搬送装置3、ノズル6を含む実装ヘッド5、ヘッド移動装置7、ノズル移動装置8、及び撮像装置9のそれぞれを支持する。
【0058】
制御装置11は、部品供給装置2、基板搬送装置3、ノズル6を含む実装ヘッド5、ヘッド移動装置7、及びノズル移動装置8のそれぞれを制御する。
【0059】
[基板搬送装置]
図6は、実施形態に係る制御装置11を示す機能ブロック図である。制御装置11は、コンピュータシステムを含む。制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージを含む記憶装置とを含む。
【0060】
制御装置11は、生産プログラム記憶部24と、基板サイズ取得部25と、バッファ設定部26と、搬送制御部27と、クランプ制御部28とを有する。
【0061】
生産プログラム記憶部24は、部品実装装置1による実装条件を規定する生産プログラムを記憶する。実装条件として、部品が実装される基板Pの種類、基板Pに実装される部品の種類、及び基板Pに実装される部品の数が例示される。実施形態において、実装条件は、部品が実装される基板Pのサイズを含む。基板Pのサイズは、基板搬送装置3による基板Pの搬送方向における基板サイズを含む。すなわち、実施形態において、生産プログラム記憶部24は、基板搬送装置3による基板Pの搬送方向における基板サイズを記憶する。
【0062】
基板サイズ取得部25は、基板搬送装置3による基板Pの搬送方向における基板サイズを取得する。すなわち、基板サイズ取得部25は、X軸方向における基板サイズを取得する。実施形態において、基板サイズ取得部25は、生産プログラム記憶部24からX軸方向における基板サイズを取得する。
【0063】
なお、制御装置11に入力装置が接続される場合、基板サイズ取得部25は、入力装置からX軸方向における基板サイズを取得してもよい。入力装置として、コンピュータ用キーボード又はタッチパネルが例示される。部品実装装置1の操作者又は管理者は、入力装置を操作して、X軸方向における基板サイズを制御装置11に入力することができる。
【0064】
バッファ設定部26は、基板サイズ取得部25により取得された基板サイズに基づいて、基板Pを停止させる空間を示すバッファを搬送路14に設定する。バッファの設定は、基板Pの搬送方向におけるバッファサイズの設定及びバッファ数の設定の少なくとも一方を含む。生産予定のプリント配線板の種類により、使用される基板Pの種類が変更される可能性がある。生産予定のプリント配線板の種類により、例えば、基板サイズが変更される可能性がある。基板サイズが変更された場合、バッファ設定部26は、バッファをフレキシブルに設定する。基板サイズが変更された場合、バッファ設定部26は、基板サイズに基づいて、バッファサイズ及びバッファ数をフレキシブルに変更する。
【0065】
搬送制御部27は、バッファ設定部26により設定されたバッファに基づいて、基板Pの搬送を制御する。実施形態において、搬送制御部27は、基板サイズ取得部25により取得された基板サイズ及びバッファ設定部26により設定されたバッファに基づいて、基板Pの搬送を制御する。基板Pの搬送の制御は、モータ17の制御を含む。搬送制御部27は、基板センサ4の検出信号に基づいて、モータ17を制御する。搬送制御部27は、基板センサ4の検出信号に基づいて、基板Pをバッファに停止させる。搬送制御部27は、基板サイズ取得部25により取得された基板サイズの1枚の基板Pが1つのバッファに配置されるように、基板Pの搬送を制御する。実施形態において、搬送制御部27は、1枚の基板Pが1つのバッファにおいて停止するように、基板センサ4の検出信号に基づいて、基板Pの搬送を制御する。
【0066】
クランプ制御部28は、クランプ装置18を制御する。クランプ装置18の制御は、クランプアクチュエータ20の制御を含む。上述のように、搬送制御部27は、バッファ設定部26により設定されたバッファにおいて基板Pが停止するように、モータ17を制御する。クランプ装置18は、実装可能範囲23に配置されるバッファにおいて停止した基板Pをクランプする。クランプ制御部28は、実装可能範囲23に配置されるバッファにおいて停止した基板Pをクランプ装置18にクランプさせる。クランプ装置18により、実装可能範囲23に配置されるバッファにおいて停止された基板Pの位置が固定される。
【0067】
[5バッファモード]
図7は、実施形態に係る搬送路14が5バッファモードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。5バッファモードとは、搬送路14に5個のバッファが設定されるバッファモードをいう。
【0068】
図7に示すように、Y軸方向における基板サイズが小さい場合、バッファ設定部26は、5個のバッファを搬送路14に設定する。
図7に示すように、例えば基板サイズが第5基板センサ4Eの検出位置と第6基板センサ4Fの検出位置との距離JLよりも小さい場合、バッファ設定部26は、5個のバッファを搬送路14に設定する。
【0069】
5バッファモードにおいて、バッファ設定部26は、第1バッファ、第2バッファ、第3バッファ、第4バッファ、及び第5バッファを搬送路14に設定する。バッファ設定部26は、5個のバッファが相互に重複しないように、5個のバッファを搬送路14に設定する。
【0070】
バッファ設定部26は、5個のバッファのうち、少なくとも2個のバッファが実装可能範囲23に配置されるように、バッファを設定する。
図7に示す例において、第1バッファの下流側の一部は、第1実装可能範囲23Aの内側に配置される。第2バッファは、第1実装可能範囲23Aの内側に配置される。第3バッファは、第1実装可能範囲23Aと第2実装可能範囲23Bとの間に配置される。第4バッファは、第2実装可能範囲23Bの内側に配置される。第5バッファの上流側の一部は、第2実装可能範囲23Bの内側に配置される。すなわち、5バッファモードにおいては、5個の搬送ベルト15のそれぞれに対応するように、5個のバッファが設定される。
【0071】
バッファ設定部26は、少なくとも1つの基板センサ4の検出位置が1つのバッファに配置されるように、バッファを設定する。
図7に示す例において、バッファ設定部26は、第1基板センサ4Aの検出位置、第2基板センサ4Bの検出位置、及び第3基板センサ4Cの検出位置が第1バッファに配置され、第4基板センサ4Dの検出位置が第2バッファに配置され、第5基板センサ4Eの検出位置及び第6基板センサ4Fの検出位置が第3バッファに配置され、第7基板センサ4Gの検出位置が第4バッファに配置され、第8基板センサ4Hの検出位置、第9基板センサ4Iの検出位置、及び第10基板センサ4Jの検出位置が第5バッファに配置されるように、5個のバッファを搬送路14に設定する。
【0072】
基板Pは、部品の実装のために停止される生産基板と、待機のために停止される待機基板とを含む。生産基板及び待機基板のそれぞれは、X軸方向の上流側の端部を示す上流側端部と、X軸方向の下流側の端部を示す下流側端部とを有する。クランプ装置18は、生産基板をクランプする。バッファ設定部26は、複数の基板センサ4のうち、少なくとも一つの基板センサ4の検出位置を、クランプ基準位置29に設定する。クランプ基準位置29とは、生産基板の上流側端部及び下流側端部の少なくとも一方が一致したときにクランプ装置18に生産基板をクランプさせる位置をいう。
【0073】
図7に示す例において、5枚の基板P1,P2,P3,P4,P5のうち、基板P2,P4は、生産基板であり、基板P1,P3,P5は、待機基板である。
【0074】
待機基板である基板P1は、第1バッファに停止される。搬送制御部27は、基板P1の下流側端部が第2基板センサ4Bの検出位置を僅かに超えた状態で基板P1が第1バッファで停止するように、モータ17を制御する。基板P1は、第1バッファにおいて、第2バッファに移動することを待機する。
【0075】
生産基板である基板P2は、第1実装可能範囲23Aに重複する第2バッファに停止される。第4基板センサ4Dの検出位置は、基板P2のクランプ基準位置29に設定される。搬送制御部27は、基板P2の下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に一致した状態で基板P2が第2バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第4基板センサ4Dの検出位置を基準に停止した基板P2をクランプ装置18にクランプさせる。基板P2がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により基板P2に部品が実装される。
【0076】
待機基板である基板P3は、第3バッファに停止される。搬送制御部27は、基板P3の下流側端部が第6基板センサ4Fの検出位置に一致した状態で基板P3が第3バッファで停止するように、モータ17を制御する。基板P3は、第3バッファにおいて、第4バッファに移動することを待機する。
【0077】
生産基板である基板P4は、第2実装可能範囲23Bに重複する第4バッファに停止される。第7基板センサ4Gの検出位置は、基板P4のクランプ基準位置29に設定される。搬送制御部27は、基板P4の上流側端部が第7基板センサ4Gの検出位置に一致した状態で基板P4が第4バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第7基板センサ4Gの検出位置を基準に停止した基板P4をクランプ装置18にクランプさせる。基板P4がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により基板P4に部品が実装される。
【0078】
待機基板である基板P5は、第5バッファに停止される。搬送制御部27は、基板P5の下流側端部が第10基板センサ4Jの検出位置に一致した状態で基板P5が第5バッファで停止するように、モータ17を制御する。基板P5は、第5バッファにおいて、搬送路14から搬出されることを待機する。
【0079】
図7に示す例において、X軸方向における搬送路14の中心CLを基準として、上流側に配置される第1の生産基板である基板P2のクランプ基準位置29と、下流側に配置される第2の生産基板である基板P4のクランプ基準位置29とは、X軸方向に対称に配置される。基板P2のクランプ基準位置29は、基板P2の下流側端部に設定され、基板P4のクランプ基準位置29は、基板P4の上流側端部に設定される。
【0080】
図8は、
図7に示した生産基板である基板P2,P4に部品が実装された後の状態の一例を模式的に示す図である。基板P2,P4に部品が実装されることにより、基板P2,P4は、待機基板になる。
図8に示すように、搬送制御部27は、基板P4の下流側端部が第8基板センサ4Hの検出位置に一致した状態で基板P4が停止するように、モータ17を制御する。
【0081】
図9は、実施形態に係る搬送路14が5バッファモードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。
図9は、第3基板センサ4Cの検出位置が基板P2のクランプ基準位置29に設定され、第8基板センサ4Hの検出位置が基板P4のクランプ基準位置29に設定された例を示す。
図7及び
図9に示すように、5バッファモードにおいて、クランプ基準位置29は、変更可能である。
【0082】
搬送制御部27は、基板P2の下流側端部が第3基板センサ4Cの検出位置に一致した状態で基板P2が第2バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第3基板センサ4Cの検出位置を基準に停止した基板P2をクランプ装置18にクランプさせる。搬送制御部27は、基板P4の下流側端部が第8基板センサ4Hの検出位置に一致した状態で基板P4が第4バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第8基板センサ4Hの検出位置を基準に停止した基板P4をクランプ装置18にクランプさせる。
【0083】
図9に示す例において、X軸方向における搬送路14の中心CLを基準として、上流側に配置される第1の生産基板である基板P2のクランプ基準位置29と、下流側に配置される第2の生産基板である基板P4のクランプ基準位置29とは、X軸方向に対称に配置される。基板P2のクランプ基準位置29は、基板P2の上流側端部に設定され、基板P4のクランプ基準位置29は、基板P4の下流側端部に設定される。
【0084】
図10は、
図9に示した生産基板である基板P2,P4に部品が実装された後の状態の一例を模式的に示す図である。基板P2,P4に部品が実装されることにより、基板P2,P4は、待機基板になる。
図10に示すように、搬送制御部27は、基板P2の下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。
【0085】
[4バッファモード]
図11は、実施形態に係る搬送路14が4バッファモードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。4バッファモードとは、搬送路14に4個のバッファが設定されるバッファモードをいう。
【0086】
図11に示すように、5バッファモードで搬送可能な基板Pの基板サイズよりも大きい基板サイズの基板Pが搬送される場合、バッファ設定部26は、4個のバッファを搬送路14に設定する。例えば基板サイズPLが第5基板センサ4Eの検出位置と第6基板センサ4Fの検出位置との距離JLよりも大きい場合、バッファ設定部26は、4個のバッファを搬送路14に設定する。
【0087】
4バッファモードにおいて、バッファ設定部26は、第1バッファ、第2バッファ、第3バッファ、及び第4バッファを搬送路14に設定する。バッファ設定部26は、4個のバッファが相互に重複しないように、4個のバッファを搬送路14に設定する。
【0088】
バッファ設定部26は、4個のバッファのうち、少なくとも2個のバッファが実装可能範囲23に重複するように、バッファを設定する。
図11に示す例において、第1バッファの下流側の一部は、第1実装可能範囲23Aの内側に配置される。第2バッファの上流側の一部は、第1実装可能範囲23Aの内側に配置される。第2バッファの下流側の一部は、第1実装可能範囲23Aと第2実装可能範囲23Bとの間に配置される。第3バッファの上流側の一部は、第1実装可能範囲23Aと第2実装可能範囲23Bとの間に配置される。第3バッファの下流側の一部は、第2実装可能範囲23Bの内側に配置される。第4バッファの上流側の一部は、第2実装可能範囲23Bの内側に配置される。
【0089】
バッファ設定部26は、少なくとも1つの基板センサ4の検出位置が1つのバッファに配置されるように、バッファを設定する。
図11に示す例において、バッファ設定部26は、第1基板センサ4Aの検出位置、第2基板センサ4Bの検出位置、及び第3基板センサ4Cの検出位置が第1バッファに配置され、第4基板センサ4Dの検出位置、第5基板センサ4Eの検出位置、及び第6基板センサ4Fの検出位置が第2バッファに配置され、第7基板センサ4Gの検出位置が第3バッファに配置され、第8基板センサ4Hの検出位置、第9基板センサ4Iの検出位置、及び第10基板センサ4Jの検出位置が第4バッファに配置されるように、4個のバッファを搬送路14に設定する。
【0090】
図11に示す例において、4枚の基板P1,P2,P3,P4のうち、基板P2,P3は、生産基板であり、基板P1,P4は、待機基板である。
【0091】
待機基板である基板P1は、第1バッファに停止される。搬送制御部27は、基板P1の下流側端部が第3基板センサ4Cの検出位置に一致した状態で基板P1が第1バッファで停止するように、モータ17を制御する。基板P1は、第1バッファにおいて、第2バッファに移動することを待機する。
【0092】
生産基板である基板P2は、第1実装可能範囲23Aに重複する第2バッファに停止される。第4基板センサ4Dの検出位置は、基板P2のクランプ基準位置29に設定される。搬送制御部27は、基板P2の下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に一致した状態で基板P2が第2バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第4基板センサ4Dの検出位置を基準に停止した基板P2をクランプ装置18にクランプさせる。基板P2がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により基板P2に部品が実装される。
【0093】
生産基板である基板P3は、第2実装可能範囲23Bに重複する第3バッファに停止される。第7基板センサ4Gの検出位置は、基板P4のクランプ基準位置29に設定される。搬送制御部27は、基板P4の上流側端部が第7基板センサ4Gの検出位置に一致した状態で基板P4が第3バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第7基板センサ4Gの検出位置を基準に停止した基板P4をクランプ装置18にクランプさせる。基板P4がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により基板P4に部品が実装される。
【0094】
待機基板である基板P4は、第4バッファに停止される。搬送制御部27は、基板P4の下流側端部が第10基板センサ4Jの検出位置に一致した状態で基板P4が第4バッファで停止するように、モータ17を制御する。基板P4は、第4バッファにおいて、搬送路14から搬出されることを待機する。
【0095】
図12は、
図11に示した生産基板である基板P2,P3に部品が実装された後の状態を模式的に示す図である。基板P2,P3に部品が実装されることにより、基板P2,P3は、待機基板になる。
図12に示すように、搬送制御部27は、基板P2の下流側端部が第6基板センサ4Fの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。搬送制御部27は、基板P4の下流側端部が第8基板センサ4Hの検出位置に一致した状態で基板P4が停止するように、モータ17を制御する。
【0096】
[2バッファモード]
図13は、実施形態に係る搬送路14が2バッファモードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。2バッファモードとは、搬送路14に2個のバッファが設定されるバッファモードをいう。
【0097】
図13に示すように、4バッファモードで搬送可能な基板Pの基板サイズよりも大きい基板サイズの基板Pが搬送される場合、バッファ設定部26は、2個のバッファを搬送路14に設定する。
図13に示す例において、基板サイズは、実装可能範囲23のX軸方向のサイズよりも小さい。
【0098】
2バッファモードにおいて、バッファ設定部26は、第1バッファ及び第2バッファを搬送路14に設定する。バッファ設定部26は、2個のバッファが相互に重複しないように、2個のバッファを搬送路14に設定する。
【0099】
バッファ設定部26は、2個のバッファのそれぞれが実装可能範囲23に重複するように、バッファを設定する。
図13に示す例において、第1バッファの一部は、第1実装可能範囲23Aの内側に配置される。第2バッファの一部は、第2実装可能範囲23Bの内側に配置される。
【0100】
バッファ設定部26は、少なくとも1つの基板センサ4の検出位置が1つのバッファに配置されるように、バッファを設定する。
図13に示す例において、バッファ設定部26は、第1基板センサ4Aの検出位置、第2基板センサ4Bの検出位置、第3基板センサ4Cの検出位置、第4基板センサ4Dの検出位置、第5基板センサ4Eの検出位置、及び第6基板センサ4Fの検出位置が第1バッファに配置され、第7基板センサ4Gの検出位置、第8基板センサ4Hの検出位置、第9基板センサ4Iの検出位置、及び第10基板センサ4Jの検出位置が第2バッファに配置されるように、2個のバッファを搬送路14に設定する。
【0101】
図13に示す例において、2枚の基板P1,P2のそれぞれが生産基板である。
【0102】
生産基板である基板P1は、第1実装可能範囲23Aに重複する第1バッファに停止される。第4基板センサ4Dの検出位置は、基板P1のクランプ基準位置29に設定される。搬送制御部27は、基板P1の下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に一致した状態で基板P1が第1バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第4基板センサ4Dの検出位置を基準に停止した基板P1をクランプ装置18にクランプさせる。基板P1がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により基板P1に部品が実装される。
【0103】
生産基板である基板P2は、第2実装可能範囲23Bに重複する第2バッファに停止される。第9基板センサ4Iの検出位置は、基板P2のクランプ基準位置29に設定される。搬送制御部27は、基板P2の下流側端部が第9基板センサ4Iの検出位置に一致した状態で基板P2が第2バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第9基板センサ4Iの検出位置を基準に停止した基板P2をクランプ装置18にクランプさせる。基板P2がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により基板P2に部品が実装される。
【0104】
図14は、
図13に示した生産基板である基板P1,P2に部品が実装された後の状態を模式的に示す図である。基板P1,P2に部品が実装されることにより、基板P1,P2は、待機基板になる。
図14に示すように、搬送制御部27は、基板P1の下流側端部が第6基板センサ4Fの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。搬送制御部27は、基板P2の下流側端部が第10基板センサ4Jの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。
【0105】
図15は、実施形態に係る搬送路14が2バッファモードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。
図15に示す例において、基板サイズは、実装可能範囲23のX軸方向のサイズよりも大きい。
【0106】
図15に示す例において、基板P1の一部は第1実装可能範囲23Aの内側に配置されるものの、基板P1の別の一部は第1実装可能範囲23Aの外側に配置されてしまう。また、基板P2の一部は第2実装可能範囲23Bの内側に配置されるものの、基板P2の別の一部は第2実装可能範囲23Bの外側に配置されてしまう。
【0107】
図15に示す例において、第2基板センサ4Bの検出位置及び第4基板センサ4Dの検出位置のそれぞれが、基板P1のクランプ基準位置29に設定される。第7基板センサ4Gの検出位置及び第9基板センサ4Iの検出位置のそれぞれが、基板P2のクランプ基準位置29に設定される。
【0108】
【0109】
図16に示すように、まず、基板P1が待機基板に決定され、基板P2が生産基板に決定される。搬送制御部27は、待機基板である基板P1の下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。また、搬送制御部27は、生産基板である基板P2の下流側端部が第9基板センサ4Iの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。基板P1の下流側の一部が第1実装可能範囲23Aに配置され、基板P2の下流側の一部が第2実装可能範囲23Bに配置される。クランプ制御部28は、第9基板センサ4Iの検出位置を基準に停止した基板P2をクランプ装置18にクランプさせる。基板P2がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第2実装可能範囲23Bに配置された基板P2の下流側の一部に部品が実装される。
【0110】
次に、
図17に示すように、搬送制御部27は、待機基板である基板P1の下流側端部が第6基板センサ4Fの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。また、搬送制御部27は、生産基板である基板P2の上流側端部が第7基板センサ4Gの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。基板P1の上流側の一部が第1実装可能範囲23Aに配置され、基板P2の上流側の一部が第2実装可能範囲23Bに配置される。クランプ制御部28は、第7基板センサ4Gの検出位置を基準に停止した基板P2をクランプ装置18にクランプさせる。基板P2がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第2実装可能範囲23Bに配置された基板P2の上流側の一部に部品が実装される。以上により、基板P2に対する部品の実装が終了する。
【0111】
このように、第7基板センサ4Gと第9基板センサ4Iとが1つのバッファに配置されるように第2バッファが設定された状態で、搬送制御部27は、第9基板センサ4Iの検出信号に基づいて基板P2を第2バッファの第1位置に停止させることと、第7基板センサ4Gの検出信号に基づいて基板P2を第2バッファの第2位置に停止させることと、を切り換える。
【0112】
次に、
図18に示すように、基板P1が生産基板になり、基板P2が待機基板になる。搬送制御部27は、生産基板である基板P1の下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。また、搬送制御部27は、待機基板である基板P2の下流側端部が第10基板センサ4Jの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。基板P1の下流側の一部が第1実装可能範囲23Aに配置され、基板P2の上流側の一部が第2実装可能範囲23Bに配置される。クランプ制御部28は、第4基板センサ4Dの検出位置を基準に停止した基板P1をクランプ装置18にクランプさせる。基板P1がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第1実装可能範囲23Aに配置された基板P1の下流側の一部に部品が実装される。
【0113】
次に、
図19に示すように、搬送制御部27は、生産基板である基板P1の上流側端部が第2基板センサ4Bの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。また、搬送制御部27は、待機基板である基板P2の下流側端部が第10基板センサ4Jの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。基板P1の上流側の一部が第1実装可能範囲23Aに配置され、基板P2の上流側の一部が第2実装可能範囲23Bに配置される。クランプ制御部28は、第2基板センサ4Bの検出位置を基準に停止した基板P1をクランプ装置18にクランプさせる。基板P1がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第1実装可能範囲23Aに配置された基板P1の上流側の一部に部品が実装される。以上により、基板P1に対する部品の実装が終了する。
【0114】
このように、第2基板センサ4Bと第4基板センサ4Dとが1つのバッファに配置されるように第1バッファが設定された状態で、搬送制御部27は、第4基板センサ4Dの検出信号に基づいて基板P1を第1バッファの第1位置に停止させることと、第2基板センサ4Bの検出信号に基づいて基板P1を第1バッファの第2位置に停止させることと、を切り換える。
【0115】
基板P1,P2に部品が実装されることにより、基板P1,P2は、待機基板になる。
図20に示すように、搬送制御部27は、基板P1の下流側端部が第6基板センサ4Fの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。搬送制御部27は、基板P2の下流側端部が第10基板センサ4Jの検出位置に一致した状態で基板P4が停止するように、モータ17を制御する。
【0116】
[2バッファモードにおける延長搬送路の付加]
図21は、実施形態に係る搬送路14に延長搬送路が付加された状態の一例を模式的に示す図である。
図15から
図20に示した基板Pの基板サイズよりも大きい基板サイズの基板Pが搬送される場合、搬送路14に延長搬送路が付加される。X軸方向における搬送路14の中心CLを基準として第1基板センサ4Aよりも上流側の位置に、第1延長基板センサ4Aeの検出位置が配置される。第1基板センサ4Aは、省略されてもよい。また、X軸方向における搬送路14の中心CLを基準として第10基板センサ4Jよりも下流側の位置に、第10延長基板センサ4Jeの検出位置が配置される。第10基板センサ4Jは、省略されてもよい。
【0117】
図21に示す例において、第2基板センサ4Bの検出位置及び第4基板センサ4Dの検出位置のそれぞれが、基板P1のクランプ基準位置29に設定される。第7基板センサ4Gの検出位置及び第9基板センサ4Iの検出位置のそれぞれが、基板P2のクランプ基準位置29に設定される。
【0118】
【0119】
図22に示すように、まず、基板P1及び基板P2のそれぞれが生産基板に決定される。搬送制御部27は、生産基板である基板P1の下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。また、搬送制御部27は、生産基板である基板P2の上流側端部が第7基板センサ4Gの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。基板P1の下流側の一部が第1実装可能範囲23Aに配置され、基板P2の上流側の一部が第2実装可能範囲23Bに配置される。クランプ制御部28は、第4基板センサ4Dの検出位置を基準に停止した基板P1をクランプ装置18にクランプさせる。また、クランプ制御部28は、第7基板センサ4Gの検出位置を基準に停止した基板P2をクランプ装置18にクランプさせる。基板P1がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第1実装可能範囲23Aに配置された基板P1の下流側の一部に部品が実装される。また、基板P2がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第2実装可能範囲23Bに配置された基板P2の上流側の一部に部品が実装される。
【0120】
次に、
図23に示すように、基板P1が生産基板になり、基板P2が待機基板になる。搬送制御部27は、生産基板である基板P1の下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。また、搬送制御部27は、待機基板である基板P2の下流側端部が第10延長基板センサ4Jeの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。基板P1の下流側の一部が第1実装可能範囲23Aに配置され、基板P2の上流側の一部が第2実装可能範囲23Bに配置される。クランプ制御部28は、第4基板センサ4Dの検出位置を基準に停止した基板P1をクランプ装置18にクランプさせる。基板P1がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第1実装可能範囲23Aに配置された基板P1の下流側の一部に部品が実装される。
【0121】
次に、
図24に示すように、基板P1,P2が待機基板になる。搬送制御部27は、待機基板である基板P1の下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。また、搬送制御部27は、待機基板である基板P2の下流側端部が第10延長基板センサ4Jeの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。基板P1の下流側の一部が第1実装可能範囲23Aに配置され、基板P2の上流側の一部が第2実装可能範囲23Bに配置される。
【0122】
次に、
図25に示すように、搬送制御部27は、生産基板である基板P1の上流側端部が第2基板センサ4Bの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。また、搬送制御部27は、待機基板である基板P2が搬送路14から搬出されるように、モータ17を制御する。基板P1の上流側の一部が第1実装可能範囲23Aに配置される。クランプ制御部28は、第2基板センサ4Bの検出位置を基準に停止した基板P1をクランプ装置18にクランプさせる。基板P1がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第1実装可能範囲23Aに配置された基板P1の上流側の一部に部品が実装される。
【0123】
次に、
図26に示すように、搬送制御部27は、生産基板である基板P1の下流側端部が第9基板センサ4Iの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。基板P1の下流側の一部が第2実装可能範囲23Bに配置される。クランプ制御部28は、第9基板センサ4Iの検出位置を基準に停止した基板P1をクランプ装置18にクランプさせる。基板P1がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第2実装可能範囲23Bに配置された基板P1の下流側の一部に部品が実装される。以上により、基板P1に対する部品の実装が終了する。
【0124】
[長尺モード]
図27は、実施形態に係る搬送路14が長尺モードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。長尺モードとは、長尺の基板P1に部品を実装するために搬送路14にバッファが設定されるバッファモードをいう。
図27は、長尺モードが、搬送路14に1個のバッファが設定される1バッファモードである例を示す。
【0125】
図27に示すように、2バッファモードで搬送可能な基板Pの基板サイズよりも大きい基板サイズの基板Pが搬送される場合、バッファ設定部26は、1個のバッファを搬送路14に設定する。
図27に示す例において、基板サイズは、第2基板センサ4Bの検出位置と第7基板センサ4Gの検出位置との距離よりも大きい。
【0126】
1バッファモードにおいて、バッファ設定部26は、第1バッファを搬送路14に設定する。
【0127】
バッファ設定部26は、1個のバッファが第1実装可能範囲23A及び第2実装可能範囲23Bのそれぞれに重複するように、バッファを設定する。
【0128】
バッファ設定部26は、10個の基板センサ4の検出位置の全てが第1バッファに配置されるように、バッファを設定する。
【0129】
第2基板センサ4Bの検出位置と第9基板センサ4Iの検出位置とは、基板P1のクランプ基準位置29に設定される。
【0130】
搬送制御部27は、基板P1の上流側端部が第2基板センサ4Bの検出位置に一致した状態で基板P1が第1バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第2基板センサ4Bの検出位置を基準に停止した基板P1をクランプ装置18にクランプさせる。基板P1がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第1実装可能範囲23Aに配置された基板P1の上流側の一部に部品が実装される。
【0131】
搬送制御部27は、基板P1の下流側端部が第9基板センサ4Iの検出位置に一致した状態で基板P1が第1バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第9基板センサ4Iの検出位置を基準に停止した基板P1をクランプ装置18にクランプさせる。基板P1がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第2実装可能範囲23Bに配置された基板P1の下流側の一部に部品が実装される。以上により、基板P1に対する部品の実装が終了する。
【0132】
図28は、
図27に示した生産基板である基板P1に部品が実装された後の状態を模式的に示す図である。基板P1に部品が実装されることにより、基板P1は、待機基板になる。
図27に示すように、搬送制御部27は、基板P1の下流側端部が第10基板センサ4Jの検出位置に一致した状態で基板P1が停止するように、モータ17を制御する。
【0133】
図29は、実施形態に係る搬送路14が長尺モードに設定された状態の一例を模式的に示す図である。
図29は、搬送路14に延長搬送路が付加され、長尺モードが、延長された搬送路14に2個のバッファが設定される2バッファモードである例を示す。
【0134】
図29に示すように、例えば第2基板センサ4Bの検出位置と第7基板センサ4Gの検出位置との距離よりも大きい基板サイズの基板Pが搬送される場合、搬送路14に延長搬送路が付加される。バッファ設定部26は、2個のバッファを延長された搬送路14に設定する。
【0135】
2バッファモードにおいて、バッファ設定部26は、第1バッファ及び第2バッファを延長された搬送路14に設定する。
【0136】
バッファ設定部26は、第1バッファが第1実装可能範囲23Aに重複し、第2バッファが第2実装可能範囲23Bに重複するように、バッファを設定する。
【0137】
バッファ設定部26は、第1延長基板センサ4Ae、第2基板センサ4B、第3基板センサ4C、第4基板センサ4D、第5基板センサ4E、及び第6基板センサ4Fが第1バッファに配置され、第7基板センサ4G、第8基板センサ4H、第9基板センサ4I、及び第10延長基板センサ4Jeが第2バッファに配置されるように、バッファを設定する。
【0138】
第4基板センサ4Dの検出位置は、基板P1のクランプ基準位置29に設定される。第7基板センサ4Gの検出位置は、基板P2のクランプ基準位置29に設定される。
【0139】
搬送制御部27は、基板P1の下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に一致した状態で基板P1が第1バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第4基板センサ4Dの検出位置を基準に停止した基板P1をクランプ装置18にクランプさせる。基板P1がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第1実装可能範囲23Aに配置された基板P1の下流側の一部に部品が実装される。
【0140】
搬送制御部27は、基板P2の上流側端部が第7基板センサ4Gの検出位置に一致した状態で基板P2が第2バッファで停止するように、モータ17を制御する。クランプ制御部28は、第7基板センサ4Gの検出位置を基準に停止した基板P2をクランプ装置18にクランプさせる。基板P2がクランプ装置18にクランプされた後、実装ヘッド5により第2実装可能範囲23Bに配置された基板P2の上流側の一部に部品が実装される。
【0141】
図30は、
図29に示した生産基板である基板P1,P2に部品が実装された後の状態を模式的に示す図である。基板P1,P2に部品が実装されることにより、基板P1,P2は、待機基板になる。
図30に示すように、搬送制御部27は、基板P1の下流側端部が第6基板センサ4Fの検出位置に一致した状態で基板P1が停止し、基板P2の下流側端部が第10基板センサ4Jの検出位置に一致した状態で基板P2が停止するように、モータ17を制御する。
【0142】
[クランプ範囲変更機構]
図31は、実施形態に係るクランプ範囲変更機構30を模式的に示す図である。
図31に示すように、クランプ装置18は、サポートテーブル19と、クランプアクチュエータ20と、昇降部材21と、クランプ部材22と、クランプ範囲変更機構30とを有する。
【0143】
上述のように、サポートテーブル19は、クランプアクチュエータ20が発生する動力により上下方向に移動する。昇降部材21は、サポートテーブル19に支持された状態で上下方向に移動可能である。
図31には、昇降部材21として、第1昇降部材21A、第2昇降部材21B、及び第3昇降部材21Cが示され、搬送ベルト15として、第1搬送ベルト15A及び第2搬送ベルト15Bが示され、プーリ16として、第1プーリ16A及び第2プーリ16Bが示さている。第1昇降部材21Aと第2昇降部材21Bと第3昇降部材21Cとは、X軸方向に配置される。第1搬送ベルト15Aと第2搬送ベルト15Bとは、X軸方向に配置される。第1昇降部材21A及び第2昇降部材21Bのそれぞれは、第1プーリ16Aを介して第1搬送ベルト15Aを支持する。第3昇降部材21Cは、第2プーリ16Bを介して第2搬送ベルト15Bを支持する。クランプ部材22は、昇降部材21との間で搬送ベルト15に支持された基板Pを挟む。
【0144】
クランプ範囲変更機構30は、クランプ装置18による基板Pのクランプ範囲を変更する。
図31に示す例において、クランプ部材22は、第2昇降部材21B及び第3昇降部材21Cのそれぞれと基板Pをクランプ可能な位置に配置される。すなわち、クランプ部材22は、第2昇降部材21B及び第3昇降部材21Cの直上に配置される。クランプ部材22の上流側の一部は、第2昇降部材21Bの直上に配置され、クランプ部材22の下流側の一部は、第3昇降部材21Cの直上に配置される。第1搬送ベルト15Aの上流側の一部は、第1実装可能範囲23Aの外側に配置され、第1搬送ベルト15Aの下流側の一部は、第1実装可能範囲23Aの内側に配置される。
【0145】
クランプ範囲変更機構30は、サポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bを昇降させる昇降機構31を含む。第2昇降部材21Bは、昇降機構31により、第1昇降部材21A及び第3昇降部材21Cとは別に昇降することができる。サポートテーブル19に対する第2昇降部材21Bの昇降により、クランプ範囲が変更される。
【0146】
図31に示す例において、昇降機構31は、第2昇降部材21Bの下面とサポートテーブル19の上面との間に配置可能なセレクタ部材32を含む。セレクタ部材32が第2昇降部材21Bの下面とサポートテーブル19の上面との間に挿入されることにより、サポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bが上昇する。セレクタ部材32が第2昇降部材21Bの下面とサポートテーブル19の上面との間から抜去されることにより、サポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bが下降する。
【0147】
図31は、搬送路14が5バッファモードに設定されている状態を示す。クランプ制御部28は、バッファ設定部26により設定されるバッファに基づいて、クランプ範囲変更機構30を制御する。バッファ設定部26によりバッファが5バッファモードに設定された場合、クランプ制御部28は、クランプ範囲が小さくなるように、クランプ範囲変更機構30を制御する。クランプ範囲を小さくする場合、クランプ制御部28は、第2昇降部材21Bが下降するように、昇降機構31を制御する。
【0148】
図7等を参照して説明したように、5バッファモードにおいて、生産基板である基板P2は、第2バッファに配置され、待機基板である基板P1は、第1バッファに配置される。クランプ制御部28は、基板P2がクランプ装置18にクランプされ、基板P1がクランプ装置18にクランプされないように、クランプ範囲変更機構30を制御する。
【0149】
第3昇降部材21Cは、第2バッファに配置される。クランプアクチュエータ20の作動によりサポートテーブル19が上昇すると、第3昇降部材21Cがサポートテーブル19と一緒に上昇する。これにより、
図31に示すように、基板P2は、第3昇降部材21Cとクランプ部材22との間に挟まれる。待機基板である基板P1は、第1バッファに配置される。クランプ範囲変更機構30は、第1バッファに配置されている基板P1がクランプ装置18にクランプされないように、サポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bを下降させる。これにより、
図31に示すように、サポートテーブル19が上昇しても、第2昇降部材21Bがクランプ部材22から離れているので、基板P1は、クランプ装置18にクランプされない。
【0150】
図32は、実施形態に係る搬送路14が2バッファモードに設定されているときのクランプ範囲変更機構30を模式的に示す図である。クランプ制御部28は、バッファ設定部26により設定されるバッファに基づいて、クランプ範囲変更機構30を制御する。バッファ設定部26によりバッファが2バッファモードに設定された場合、クランプ制御部28は、クランプ範囲が大きくなるように、クランプ範囲変更機構30を制御する。クランプ範囲を大きくする場合、クランプ制御部28は、第2昇降部材21Bが上昇するように、昇降機構31を制御する。
図32に示すように、セレクタ部材32が第2昇降部材21Bの下面とサポートテーブル19の上面との間に挿入されることによって、サポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bが上昇する。
【0151】
図13等を参照して説明したように、2バッファモードにおいて、生産基板である基板P1は、第1バッファに配置される。クランプ制御部28は、基板P1がクランプ装置18にクランプされるように、クランプ範囲変更機構30を制御する。
【0152】
2バッファモードにおいて、第1昇降部材21A、第2昇降部材21B、及び第3昇降部材21Cのそれぞれが、第1バッファに配置される。
図32に示すように、基板P1の基板サイズは大きいので、第1バッファにおいて、基板P1の一部は、第2昇降部材21Bの直上に配置され、基板P1の一部は、第3昇降部材21Cの直上に配置される。クランプアクチュエータ20の作動によりサポートテーブル19が上昇すると、第2昇降部材21B及び第3昇降部材21Cがサポートテーブル19と一緒に上昇する。これにより、
図32に示すように、基板P1の一部が第2昇降部材21Bとクランプ部材22との間に挟まれ、基板P1の一部が第3昇降部材21Cとクランプ部材22との間に挟まれる。
【0153】
2バッファモードにおいては、第2昇降部材21Bよりも上流側に待機基板は存在しない。生産基板は第1搬送ベルト15Aの下流側の部分に支持されるものの、待機基板は第1搬送ベルト15Aに支持されない。すなわち、第1バッファに待機基板は存在しない。したがって、
図32に示すように、第1搬送ベルト15Aの一部を持ち上げることができる。
【0154】
このように、
図31を参照して説明したように、クランプ制御部28は、5バッファモードで搬送される小さい基板サイズの基板Pをクランプする場合、第3昇降部材21Cと一緒にサポートテーブル19を上昇させるとともにサポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bが下降するように昇降機構31を制御する。第2搬送ベルト15Bに支持されている基板P2が第3昇降部材21Cとクランプ部材22とに挟まれている状態で、基板P1が第1搬送ベルト15Aに支持される。
図32を参照して説明したように、クランプ制御部28は、2バッファモードで搬送される大きい基板サイズの基板Pをクランプする場合、第3昇降部材21Cと一緒にサポートテーブル19を上昇させるとともにサポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bが上昇するように昇降機構31を制御する。
図32に示すように、大きい基板サイズの基板P1は、第2昇降部材21B及び第3昇降部材21Cとクランプ部材22とに挟まれる。
【0155】
以上、
図31及び
図32を参照しながら、搬送路14の中心CLよりも上流側に設けられているクランプ範囲変更機構30を含むクランプ装置18について説明した。搬送路14の中心CLよりも上流側に設けられているクランプ範囲変更機構30は、
図31に示したように、第3昇降部材21Cが上昇するときに第2昇降部材21Bは上昇させないことにより、クランプ範囲を小さくし、
図32に示したように、第3昇降部材21Cが上昇するときに第2昇降部材21Bも上昇させることにより、クランプ範囲を大きくする。
【0156】
クランプ範囲変更機構30を含むクランプ装置18は、X軸方向における搬送路14の中心CLを基準としてX軸方向に対称に配置される。搬送路14の中心CLよりも下流側に設けられているクランプ範囲変更機構30は、第5昇降部材21Eが上昇するときに第6昇降部材21Fは上昇させないことにより、クランプ範囲を小さくし、第5昇降部材21Eが上昇するときに第6昇降部材21Fも上昇させることにより、クランプ範囲を大きくする。
【0157】
図33は、実施形態に係るクランプ範囲変更機構30の変形例を模式的に示す図である。
図31及び
図32に示した例においては、昇降機構31は、第2昇降部材21Bの下面とサポートテーブル19の上面との間に挿入されるセレクタ部材32を有することとした。
図33に示すように、昇降機構31は、シリンダ(不図示)に移動可能に支持されるセレクタ部材33を有してもよい。シリンダは、搬送レール(不図示)に取り付けられる。搬送レールは、Y軸方向に配置された一対の第3昇降部材21Cの間に配置される。Z軸方向において、第2昇降部材21Bのサイズは、第3昇降部材21Cのサイズよりも小さい。第3昇降部材21Cの上流側の一部は、第2昇降部材21Bの下方に配置される。セレクタ部材33が第2昇降部材21Bの下面と第3昇降部材21Cとの間に挿入されることによって、サポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bが上昇する。セレクタ部材33が第2昇降部材21Bの下面と第3昇降部材21Cとの間から抜去されることによって、サポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bが下降する。
【0158】
図34は、実施形態に係るクランプ範囲変更機構30の変形例を模式的に示す図である。
図31、
図32、及び
図33に示した例においては、第2昇降部材21Bの昇降により、クランプ範囲が変更されることとした。
図34に示すように、クランプ範囲を拡大する場合、第2昇降部材21Bが上昇されずに、サポートテーブル19にサポートピン34が設置されてもよい。サポートピン34は、第3昇降部材21Cよりも上流側で、基板P1の下面を支持する。基板P1の上流側の一部は、サポートピン34とクランプ部材22とに挟まれ、基板P1の下流側の一部は、第3昇降部材21Cとクランプ部材22とに挟まれる。なお、サポートピン34が複数配置され、複数のサポートピン34のうち少なくとも1本のサポートピンが、Y軸方向において、基板P1の下面の中央部を支持してもよい。サポートピン34が基板P1の下面の中央部を支持した場合、基板P1の撓みが抑制される。
【0159】
[基板センサ]
複数の基板センサ4(4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G,4H,4I,4J)のそれぞれの機能は、バッファ設定部26により設定されたバッファに基づいて変更される。基板センサ4の機能として、インセンサの機能、減速センサの機能、ストップセンサの機能、及びアウトセンサの機能が例示される。基板センサ4は、バッファ設定部26により設定されたバッファに基づいて、インセンサとして機能したり、アウトセンサとして機能したり、減速センサとして機能したり、ストップセンサとして機能したりする。
【0160】
インセンサの機能とは、対象バッファに搬入される基板Pを検出する機能という。インセンサが基板Pを検出することにより、搬送制御部27は、対象バッファに対する基板Pの搬入を開始する。
【0161】
減速センサの機能とは、搬送される基板Pの有無を検出したときに基板Pを減速させる機能をいう。減速センサが基板Pの有無を検出することにより、搬送制御部27は、基板Pを減速させる。搬送制御部27は、減速センサの検出位置に基板Pが存在する状態から存在しない状態に変化したときに、基板Pを減速させてもよいし、減速センサの検出位置に基板Pが存在しない状態から存在する状態に変化したときに、基板Pを減速させてもよい。
【0162】
ストップセンサの機能とは、搬送される基板Pを検出したときに基板Pを停止させる機能をいう。ストップセンサが基板Pを検出することにより、搬送制御部27は、基板Pを停止させる。
【0163】
アウトセンサの機能とは、対象バッファから搬出される基板Pを検出する機能という。アウトセンサが基板Pの有無を検出することにより、搬送制御部27は、対象バッファからの基板Pの搬出が完了したことを認識する。
【0164】
1つの基板センサ4が、複数の機能を有してもよい。例えば、
図7を参照して説明した5バッファモードの第2バッファに対して、第3基板センサ4Cは、インセンサ及び減速センサとして機能し、第4基板センサ4Dは、アウトセンサ及びストップセンサとして機能する。
【0165】
また、バッファ設定部26により設定されたバッファに基づいて、機能を発揮しない基板センサ4が存在してもよい。例えば、
図7を参照して説明した5バッファモードにおいて、第9基板センサ4Iは、機能を発揮しない(使用されない)。
【0166】
また、あるバッファに対して機能を発揮する基板センサ4は、そのバッファの内側に配置される基板センサ4でもよいし、そのバッファの外側に配置される基板センサ4でもよい。
【0167】
また、搬送制御部27は、基板センサ4の検出信号に基づいて、対象バッファに基板Pが存在しないと判定した場合、対象バッファよりも上流側に存在する基板Pを対象バッファに搬入させる搬入許可信号を出力することができる。なお、この場合の上流側に存在する基板Pは、搬送路14に設定されたバッファに存在する基板Pでもよいし、基板搬送装置3とは別の装置に存在する基板Pでもよい。
【0168】
また、搬送制御部27は、基板センサ4の検出信号に基づいて、対象バッファに搬出可能な基板Pが存在すると判定した場合、対象バッファに存在する基板Pを下流側の空間に搬出させる搬出許可信号を出力することができる。なお、この場合の下流側の空間とは、搬送路14に設定されたバッファでもよいし、基板搬送装置3の外側の空間でもよい。
【0169】
[クランプ方式]
上述のように、クランプ装置18は、基板Pの上流側端部とクランプ基準位置29とが一致したときに基板Pをクランプするクランプ方式と、基板Pの下流側端部とクランプ基準位置29とが一致したときに基板Pをクランプするクランプ方式とを使い分ける。
【0170】
例えば
図7を参照して説明したように、5バッファモードにおいて、中心CLよりも上流側において生産基板をクランプする場合、クランプ装置18は、基板Pの下流側端部とクランプ基準位置29とが一致したときに基板Pをクランプし、中心CLよりも下流側において生産基板をクランプする場合、クランプ装置18は、基板Pの上流側端部とクランプ基準位置29とが一致したときに基板Pをクランプする。
【0171】
また、
図15を参照して説明したように、2バッファモードにおいて、2枚の生産基板のそれぞれが2回クランプされる場合、1回目のクランプにおいては、クランプ装置18は、基板Pの下流側端部とクランプ基準位置29とが一致したときに基板Pをクランプし、2回目のクランプにおいては、クランプ装置18は、基板Pの上流側端部とクランプ基準位置29とが一致したときに基板Pをクランプする。
【0172】
また、
図27を参照して説明したように、1バッファモードにおいて、1枚の生産基板が2回クランプされる場合において、中心CLよりも上流側において生産基板をクランプする場合、クランプ装置18は、基板Pの上流側端部とクランプ基準位置29とが一致したときに基板Pをクランプし、中心CLよりも下流側において生産基板をクランプする場合、クランプ装置18は、基板Pの下流側端部とクランプ基準位置29とが一致したときに基板Pをクランプする。これにより、長尺の基板が基板搬送装置3の内側に引き込まれ、生産基板に部品が実装される。
【0173】
また、
図29を参照して説明したように、搬送路14が延長された2バッファモードにおいて、2枚の生産基板のそれぞれがクランプされる場合において、中心CLよりも上流側において生産基板をクランプする場合、クランプ装置18は、基板Pの下流側端部とクランプ基準位置29とが一致したときに基板Pをクランプし、中心CLよりも下流側において生産基板をクランプする場合、クランプ装置18は、基板Pの上流側端部とクランプ基準位置29とが一致したときに基板Pをクランプする。
【0174】
[クランプ方法]
図35、
図36、及び
図37のそれぞれは、実施形態に係る基板Pのクランプ方法の一例を模式的に示す図である。
図35、
図36、及び
図37のそれぞれは、
図7を参照して説明したような、5バッファモードの第2バッファにおいて生産基板である基板Pがクランプされる例を示す。
【0175】
図35に示すように、基板Pは、第1バッファにおいて待機する。
【0176】
他の基板Pが第2バッファから第3バッファに搬出された後、搬送制御部27は、第1バッファの基板Pが第2バッファに搬送されるように、モータ17を制御する。
【0177】
図36に示すように、搬送制御部27は、基板Pが第3基板センサ4Cの検出位置を通過して、第3基板センサ4Cの検出位置よりも下流側へ定距離だけ移動した後、基板Pを減速させる。
【0178】
次に、
図37に示すように、搬送制御部27は、基板Pの下流側端部が第4基板センサ4Dの検出位置に配置された後、基板Pを停止させる。クランプ制御部28は、基板Pの下流側端部と第4基板センサ4Dの検出位置とが一致した状態で、第3昇降部材21Cを上昇させて、第3昇降部材21Cとクランプ部材22とで基板Pをクランプする。
図31等を参照して説明したように、クランプ制御部28は、第3昇降部材21Cが上昇するとき、第2昇降部材21Bが上昇しないように、クランプ範囲変更機構30を制御する。
【0179】
図38、
図39、
図40、及び
図41のそれぞれは、実施形態に係る基板Pのクランプ方法の一例を模式的に示す図である。
図38、
図39、
図40、及び
図41のそれぞれは、
図7を参照して説明したような、5バッファモードの第4バッファにおいて生産基板である基板Pがクランプされる例を示す。
【0180】
図38に示すように、基板Pは、第3バッファにおいて待機する。
【0181】
他の基板Pが第4バッファから第5バッファに搬出された後、搬送制御部27は、第3バッファの基板Pが第4バッファに搬送されるように、モータ17を制御する。
【0182】
図39に示すように、搬送制御部27は、基板Pが第6基板センサ4Fの検出位置を通過した後、基板Pを減速させる。
【0183】
次に、
図40に示すように、搬送制御部27は、基板Pが第7基板センサ4Gの検出位置を通過した後、第4搬送ベルト15Dを逆回転させる。
【0184】
次に、
図41に示すように、搬送制御部27は、基板Pの上流側端部が第7基板センサ4Gの検出位置に配置された後、基板Pを停止させる。クランプ制御部28は、基板Pの上流側端部と第7基板センサ4Gの検出位置とが一致した状態で、第5昇降部材21Eを上昇させて、第5昇降部材21Eとクランプ部材22とで基板Pをクランプする。クランプ範囲変更機構30は、第5昇降部材21Eにも設けられる。クランプ制御部28は、第5昇降部材21Eが上昇するとき、第6昇降部材21Fが上昇しないように、クランプ範囲変更機構30を制御する。
【0185】
[クランプ基準位置の選択]
図7及び
図9を参照して説明したように、クランプ装置18に基板Pをクランプさせるクランプ基準位置29は、選択することができる。
図7に示す例においては、中心CLよりも上流側の基板Pのクランプ基準位置29は、基板Pの下流側端部に設定され、中心CLよりも下流側の基板Pのクランプ基準位置29は、基板Pの上流側端部に設定される。
図9に示す例においては、中心CLよりも上流側の基板Pのクランプ基準位置29は、基板Pの上流側端部に設定され、中心CLよりも下流側の基板Pのクランプ基準位置29は、基板Pの下流側端部に設定される。
【0186】
図42は、搬送方向における搬送路14の中心CLよりも上流側の基板Pのクランプ基準位置29が基板Pの下流側端部に設定され、中心CLよりも下流側の基板Pのクランプ基準位置29が基板Pの上流側端部に設定されている状態で、基板Pに部品が実装されるときの部品実装装置1を模式的に示す平面図である。すなわち、
図42は、
図7の状態を詳細に示した図に相当する。
【0187】
図43は、搬送方向における搬送路14の中心CLよりも上流側の基板Pのクランプ基準位置29が基板Pの上流側端部に設定され、中心CLよりも下流側の基板Pのクランプ基準位置29が基板Pの下流側端部に設定されている状態で、基板Pに部品が実装されるときの部品実装装置1を模式的に示す平面図である。すなわち、
図43は、
図9の状態を詳細に示した図に相当する。
【0188】
図42に示す例において、第1実装可能範囲23Aに配置された基板Pに部品を実装する場合、上流側の実装ヘッド5は、搬送路14の+Y側に配置されている部品供給装置2において部品をノズル6で保持した後、第1撮像装置9Aの上方を通過する。上述のように、第1撮像装置9Aは、ノズル6に保持されている部品を撮像する。実装ヘッド5が第1撮像装置9Aの上方を通過することにより、第1撮像装置9Aは、ノズル6に保持されている部品を撮像することができる。実装ヘッド5は、第1撮像装置9Aの上方を通過した後、基板Pの上方に移動して、基板Pに部品を実装する。
図42に示す例の場合、XY平面内において、第1撮像装置9Aの位置と部品が実装される基板Pの位置とは、離れている。この場合、部品供給装置2から第1撮像装置9Aの上方を経由して基板Pに到達するまでの実装ヘッド5の移動距離が長くなる。実装ヘッド5の移動距離が長くなると、1枚の基板Pに部品を実装し終えるまでの時間が長期化する可能性がある。
【0189】
また、
図42に示す例において、第2実装可能範囲23Bに配置された基板Pに部品を実装する場合、下流側の実装ヘッド5は、搬送路14の-Y側に配置されている部品供給装置2において部品をノズル6で保持した後、基板Pの上方に移動して、基板Pに部品を実装する。
図42に示す例の場合、XY平面内において、部品を供給するテープフィーダ13の位置と部品が実装される基板Pの位置とは、離れている。この場合も、部品供給装置2から基板Pに到達するまでの実装ヘッド5の移動距離が長くなり、1枚の基板Pに部品を実装し終えるまでの時間が長期化する可能性がある。
【0190】
実施形態においては、実装ヘッド5の移動距離が短くなるように、基板Pのクランプ基準位置29が選択される。
【0191】
図43に示すように、中心CLよりも上流側の基板Pのクランプ基準位置29が基板Pの上流側端部に設定されることにより、第1撮像装置9Aの位置と部品が実装される基板Pの位置とが、近づく。そのため、部品供給装置2から第1撮像装置9Aの上方を経由して基板Pに到達するまでの実装ヘッド5の移動距離が短くなる。したがって、1枚の基板Pに部品を実装し終えるまでの時間が長期化することが抑制される。
【0192】
また、
図43に示すように、中心CLよりも下流側の基板Pのクランプ基準位置29が基板Pの下流側端部に設定されることにより、部品を供給するテープフィーダ13の位置と部品が実装される基板Pの位置とが、近づく。そのため、部品供給装置2から基板Pに到達するまでの実装ヘッド5の移動距離が短くなる。したがって、1枚の基板Pに部品を実装し終えるまでの時間が長期化することが抑制される。
【0193】
なお、クランプ基準位置29の選択は、4バッファモードにおいても実施可能である。
【0194】
[効果]
以上説明したように、搬送方向における基板サイズに基づいて、基板Pを停止させる空間を示すバッファが基板搬送装置3の搬送路14に設定される。基板サイズに基づいて、搬送方向におけるバッファサイズ及びバッファ数の少なくとも一つが設定される。基板サイズに基づいてバッファがフレキシブルに設定されることにより、基板搬送装置3は、1つのバッファに1枚の基板Pを配置することができる。そのため、部品が実装される基板Pの基板サイズが変更されても、基板Pの搬送効率の低下が抑制される。基板サイズが小さい基板Pに部品を実装する場合、バッファサイズが小さくなりバッファ数が多くなるようにバッファが設定されることにより、多数の基板Pが搬送路14に配置される。これにより、待機基板と実装可能範囲23との距離が短縮化される。そのため、基板搬送装置3は、先の生産基板に部品が実装された後、待機基板を実装可能範囲23に直ちに移動することができる。基板サイズが大きい基板Pに部品を実装する場合、バッファサイズが大きくなりバッファ数が少なくなるようにバッファが設定されることにより、基板搬送装置3が大型化されることなく、基板Pが搬送される。このように、基板サイズに基づいてバッファがフレキシブルに設定されることにより、基板搬送装置3の大型化が抑制されつつ、基板Pの搬送効率の低下が抑制される。
【0195】
複数の基板センサ4が搬送路14において搬送方向に間隔をあけて複数配置される。複数の基板センサ4のそれぞれの検出位置は、搬送方向における搬送路14の中心CLを基準として搬送方向に対称に配置される。これにより、バッファサイズ及びバッファ数の少なくとも一方が変更されても、基板Pは基板センサ4により検出される。また、基板Pが-X側から+X側に搬送される場合と、基板Pが+X側から-X側に搬送される場合とがある。複数の基板センサ4の検出位置が中心CLを基準として搬送方向に対称に配置されることにより、基板Pの搬送方向が変更されても、搬送制御部27は、基板センサ4の検出信号に基づいて、基板Pの搬送を制御することができる。
【0196】
バッファ設定部26は、少なくとも1つの基板センサ4の検出位置が1つのバッファに配置されるようにバッファを設定する。これにより、搬送制御部27は、基板センサの検出信号に基づいて、基板Pをバッファに停止させることができる。
【0197】
バッファ設定部26により設定されたバッファに基づいて、基板センサ4の機能が、インセンサの機能と、減速センサの機能と、ストップセンサの機能と、アウトバッファの機能とに切り換えられる。これにより、バッファサイズ及びバッファ数の少なくとも一つが変更されても、搬送制御部27は、基板センサの検出信号に基づいて、基板Pを適正に搬送することができる。
【0198】
基板Pは、部品の実装のために停止される生産基板と、待機のために停止される待機基板とを含む。基板搬送装置3は、生産基板をクランプするクランプ装置18を備える。バッファ設定部26は、複数の基板センサ4のうち、少なくとも一つの基板センサ4の検出位置を、クランプ基準位置29に設定する。搬送方向における搬送路14の中心CLを基準として、上流側に配置される第1の生産基板のクランプ基準位置29と、下流側に配置される第2の生産基板のクランプ基準位置29とは、搬送方向に対象に配置される。
【0199】
例えば、
図7を参照して説明したように、第1の生産基板である基板P2のクランプ基準位置29が基板P2の下流側端部に設定され、第2の生産基板である基板P4のクランプ基準位置29が基板P4の上流側端部に設定されることにより、第3バッファで待機する待機基板である基板P3が第4バッファに移動するときの移動距離が短縮される。これにより、1枚の基板Pに部品を実装し終えるまでの時間が短期化される。
【0200】
例えば、
図9を参照して説明したように、第1の生産基板である基板P2のクランプ基準位置29が基板P2の上流側端部に設定され、第2の生産基板である基板P4のクランプ基準位置29が基板P4の下流側端部に設定されることにより、
図43を参照して説明したように、部品を生産基板に実装するときの実装ヘッド5の移動距離が短縮される。これにより、1枚の基板Pに部品を実装し終えるまでの時間が短期化される。
【0201】
例えば
図15を参照して説明したように、第2基板センサ4Bと第4基板センサ4Dとが第1バッファに配置されるようにバッファが設定された状態で、搬送制御部27は、第2基板センサ4Bの検出信号に基づいて、基板P1の上流側端部と第2基板センサ4Bの検出位置とが一致する第1バッファの第1の位置に基板P1を停止させることと、第4基板センサ4Dの検出信号に基づいて、基板P1の下流側端部と第4基板センサ4Dの検出位置とが一致する第1バッファの第2の位置に基板P1を停止させることと、を切り換える。基板P1が第1バッファの第1の位置と第2の位置とのそれぞれに配置されることにより、基板P1の基板サイズが大きくても、基板P1の表面の全域が第1実装可能範囲23Aに配置される。そのため、基板P1の表面の全域に部品が実装される。
【0202】
同様に、第7基板センサ4Gと第9基板センサ4Iとが第2バッファに配置されるようにバッファが設定された状態で、搬送制御部27は、第7基板センサ4Gの検出信号に基づいて、基板P2の上流側端部と第7基板センサ4Gの検出位置とが一致する第2バッファの第1の位置に基板P2を停止させることと、第9基板センサ4Iの検出信号に基づいて、基板P2の下流側端部と第9基板センサ4Iの検出位置とが一致する第2バッファの第2の位置に基板P2を停止させることと、を切り換える。基板P2が第2バッファの第1の位置と第2の位置とのそれぞれに配置されることにより、基板P2の基板サイズが大きくても、基板P2の表面の全域が第2実装可能範囲23Bに配置される。そのため、基板P2の表面の全域に部品が実装される。
【0203】
実装可能範囲23に配置されるバッファにおいて停止した生産基板をクランプするクランプ装置18が設けられる。これにより、生産基板の位置がクランプ装置18に固定された状態で、生産基板に部品が実装される。
【0204】
クランプ装置18は、基板Pに対するクランプ範囲を変更するクランプ範囲変更機構30を有する。クランプ制御部28は、バッファ設定部26により設定されたバッファに基づいて、クランプ範囲変更機構30を制御する。
【0205】
図31を参照して説明したように、基板サイズが小さく、搬送路14が5バッファモードに設定された場合、クランプ制御部28は、第3昇降部材21Cと一緒にサポートテーブル19を上昇させるとともにサポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bが下降するように昇降機構31を制御する。これにより、生産基板である基板P2が第3昇降部材21Cとクランプ部材22とに挟まれている状態で、待機基板である基板P1が第1バッファにおいて第1搬送ベルト15Aに支持される。基板P1は、基板P1の一部がクランプ部材22の下方に配置された状態で待機することができる。
【0206】
図32を参照して説明したように、基板サイズが大きく、搬送路14が2バッファモードに設定された場合、クランプ制御部28は、第3昇降部材21Cと一緒にサポートテーブル19を上昇させるとともにサポートテーブル19に対して第2昇降部材21Bが上昇するように昇降機構31を制御する。これにより、生産基板である基板P1が第2昇降部材21B及び第3昇降部材21Cとクランプ部材22とに挟まれる。
【符号の説明】
【0207】
1…部品実装装置、2…部品供給装置、3…基板搬送装置、4…基板センサ、4A…第1基板センサ、4Ae…第1延長基板センサ、4B…第2基板センサ、4C…第3基板センサ、4D…第4基板センサ、4E…第5基板センサ、4F…第6基板センサ、4G…第7基板センサ、4H…第8基板センサ、4I…第9基板センサ、4J…第10基板センサ、4Je…第10延長基板センサ、5…実装ヘッド、6…ノズル、7…ヘッド移動装置、7A…X軸ガイドレール、7B…Y軸ガイドレール、7C…X軸リニアアクチュエータ、7D…Y軸リニアアクチュエータ、8…ノズル移動装置、8A…Z軸モータ、8B…θZモータ、9…撮像装置、9A…第1撮像装置、9B…第2撮像装置、10…ベースフレーム、11…制御装置、12…フィーダバンク、13…テープフィーダ、14…搬送路、15…搬送ベルト、15A…第1搬送ベルト、15B…第2搬送ベルト、15C…第3搬送ベルト、15D…第4搬送ベルト、15E…第5搬送ベルト、16…プーリ、16A…第1プーリ、16B…第2プーリ、16C…第3プーリ、16D…第4プーリ、16E…第5プーリ、17…モータ、17A…第1モータ、17B…第2モータ、17C…第3モータ、17D…第4モータ、17E…第5モータ、18…クランプ装置、19…サポートテーブル、20…クランプアクチュエータ、21…昇降部材、21A…第1昇降部材、21B…第2昇降部材、21C…第3昇降部材、21D…第4昇降部材、21E…第5昇降部材、21F…第6昇降部材、21G…第7昇降部材、22…クランプ部材、23…実装可能範囲、23A…第1実装可能範囲、23B…第2実装可能範囲、24…生産プログラム記憶部、25…基板サイズ取得部、26…バッファ設定部、27…搬送制御部、28…クランプ制御部、29…クランプ基準位置、30…クランプ範囲変更機構、31…昇降機構、32…セレクタ部材、33…セレクタ部材、34…サポートピン。