(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082891
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】コミュニケーションシステム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/523 20060101AFI20230608BHJP
G06Q 50/12 20120101ALI20230608BHJP
【FI】
H04M3/523
G06Q50/12
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196880
(22)【出願日】2021-12-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】517021260
【氏名又は名称】Kotozna株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】後藤 玄利
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201BA13
5K201DC07
5K201EC06
5K201ED05
5L049CC23
(57)【要約】
【課題】 スタッフの言語には限りがある状況下でも、ゲストからの様々な言語でのコミュニケーション要求に適切に対応することのできるコミュニケーションシステムを提供する。
【解決手段】 コミュニケーションシステム1は、スタッフ端末4の各々についてスタッフ言語情報と対応可能情報とを取得し、ゲスト対応可能なスタッフ端末4について、ゲスト言語情報がスタッフ言語情報と一致するか否かを判定する。一致する場合には、そのスタッフ端末4とゲスト言語でのコミュニケーションを開始させる。一致しない場合には、ゲスト端末3に選択要求を送信し、ゲスト端末3から機械翻訳コミュニケーション要求を受信したら、スタッフ端末4と機械翻訳によるコミュニケーションを開始させる。ゲスト端末3から、スタッフ言語コミュニケーション要求を受信したら、スタッフ端末4とスタッフ言語でのコミュニケーションを開始させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲストが使用するゲスト端末と、スタッフが使用するスタッフ端末と通信可能なコミュニケーションシステムにおいて、
前記コミュニケーションシステムは、
前記ゲスト端末から、前記ゲストが前記ゲスト端末を操作することにより行われるコミュニケーション要求を受信するとともに、前記ゲスト端末で設定されている言語情報をゲスト言語情報として受信するコミュニケーション要求受信部と、
複数の前記スタッフ端末の各々について、前記スタッフが使用可能な言語として前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報と、当該スタッフがゲスト対応可能であるか否かを示す対応可能情報とを取得するスタッフ情報取得部と、
前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末について、前記ゲスト端末から受信した前記ゲスト言語情報が、前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報のいずれかと一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部で一致すると判定された場合に、前記ゲスト言語情報と一致したスタッフ言語情報が登録されているスタッフ端末に、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させる第1コミュニケーション開始部と、
前記判定部で一致しないと判定された場合に、前記ゲスト端末に、機械翻訳によるコミュニケーションか、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを選択する選択要求を送信する選択要求送信部と、
前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記機械翻訳によるコミュニケーションを要求する機械翻訳コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末と機械翻訳によるコミュニケーションを開始させる第2コミュニケーション開始部と、
前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションを要求するスタッフ言語コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させる第3コミュニケーション開始部と、
を備える、コミュニケーションシステム。
【請求項2】
前記機械翻訳によるコミュニケーションでは、
前記ゲスト端末から入力されたゲスト音声情報が、音声認識により文字化された後、前記スタッフ言語情報として登録されている言語に機械翻訳されて前記スタッフ端末の画面上に表示されるとともに、
前記スタッフ端末から入力されたスタッフ音声情報が、音声認識により文字化された後、前記ゲスト言語情報として設定されている言語に機械翻訳されて前記ゲスト端末の画面上に表示される、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項3】
ゲストが使用するゲスト端末と、スタッフが使用するスタッフ端末と通信可能なコミュニケーションシステムにおいて実行される方法であって、
前記方法は、
前記ゲスト端末から、前記ゲストが前記ゲスト端末を操作することにより行われるコミュニケーション要求を受信するとともに、前記ゲスト端末で設定されている言語情報をゲスト言語情報として受信するステップと、
複数の前記スタッフ端末の各々について、前記スタッフが使用可能な言語として前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報と、当該スタッフがゲスト対応可能であるか否かを示す対応可能情報とを取得するステップと、
前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末について、前記ゲスト端末から受信した前記ゲスト言語情報が、前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報のいずれかと一致するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップで一致すると判定された場合に、前記ゲスト言語情報と一致したスタッフ言語情報が登録されているスタッフ端末に、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させるステップと、
前記判定するステップで一致しないと判定された場合に、前記ゲスト端末に、機械翻訳によるコミュニケーションか、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを選択する選択要求を送信するステップと、
前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記機械翻訳によるコミュニケーションを要求する機械翻訳コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末と機械翻訳によるコミュニケーションを開始させるステップと、
前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションを要求するスタッフ言語コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させるステップと、
を含む、方法。
【請求項4】
ゲストが使用するゲスト端末と、スタッフが使用するスタッフ端末と通信可能なコミュニケーションシステムのコンピュータで実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記ゲスト端末から、前記ゲストが前記ゲスト端末を操作することにより行われるコミュニケーション要求を受信するとともに、前記ゲスト端末で設定されている言語情報をゲスト言語情報として受信する処理と、
複数の前記スタッフ端末の各々について、前記スタッフが使用可能な言語として前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報と、当該スタッフがゲスト対応可能であるか否かを示す対応可能情報とを取得する処理と、
前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末について、前記ゲスト端末から受信した前記ゲスト言語情報が、前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報のいずれかと一致するか否かを判定する処理と、
前記判定する処理で一致すると判定された場合に、前記ゲスト言語情報と一致したスタッフ言語情報が登録されているスタッフ端末に、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させる処理と、
前記判定する処理で一致しないと判定された場合に、前記ゲスト端末に、機械翻訳によるコミュニケーションか、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを選択する選択要求を送信する処理と、
前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記機械翻訳によるコミュニケーションを要求する機械翻訳コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末と機械翻訳によるコミュニケーションを開始させる処理と、
前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションを要求するスタッフ言語コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させ処理と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲストが使用するゲスト端末と、スタッフが使用するスタッフ端末と通信可能なコミュニケーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ホテルなどの施設で利用する様々なシステムが提案されている。例えば、ホテルの部屋から受付担当者に異なる言語間で要望を連絡する際に利用できるシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムでは、ゲスト(宿泊客)の言語が多様である一方で、スタッフの言語には限りがある(各スタッフはそれぞれ1言語~数言語までしか対応できない)ような状況が想定されていない。一方で、ゲストも複数言語を話することができる場合があり、機械翻訳を介して母国語で話をするよりも、スタッフの言語で直接話をするほうがスムーズにコミュニケーションできる場合がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、スタッフの言語には限りがある状況下でも、ゲストからの様々な言語でのコミュニケーション要求に適切に対応することのできるコミュニケーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコミュニケーションシステムは、ゲストが使用するゲスト端末と、スタッフが使用するスタッフ端末と通信可能なコミュニケーションシステムにおいて、前記コミュニケーションシステムは、前記ゲスト端末から、前記ゲストが前記ゲスト端末を操作することにより行われるコミュニケーション要求を受信するとともに、前記ゲスト端末で設定されている言語情報をゲスト言語情報として受信するコミュニケーション要求受信部と、複数の前記スタッフ端末の各々について、前記スタッフが使用可能な言語として前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報と、当該スタッフがゲスト対応可能であるか否かを示す対応可能情報とを取得するスタッフ情報取得部と、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末について、前記ゲスト端末から受信した前記ゲスト言語情報が、前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報のいずれかと一致するか否かを判定する判定部と、前記判定部で一致すると判定された場合に、前記ゲスト言語情報と一致したスタッフ言語情報が登録されているスタッフ端末に、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させる第1コミュニケーション開始部と、前記判定部で一致しないと判定された場合に、前記ゲスト端末に、機械翻訳によるコミュニケーションか、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを選択する選択要求を送信する選択要求送信部と、前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記機械翻訳によるコミュニケーションを要求する機械翻訳コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末と機械翻訳によるコミュニケーションを開始させる第2コミュニケーション開始部と、前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションを要求するスタッフ言語コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させる第3コミュニケーション開始部と、を備えている。
【0007】
この構成によれば、ゲスト端末から受信したゲスト言語情報が、複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報のいずれかと一致した場合には、そのスタッフ端末とゲスト端末との間でコミュニケーションを開始させる。一致しなかった場合には、ゲスト端末で、機械翻訳によるコミュニケーションか、スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを選択させて、複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかとゲスト端末との間で、機械翻訳によるコミュニケーションか、スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを開始させる。このようにして、スタッフの言語には限りがある状況下でも、ゲストからの様々な言語でのコミュニケーション要求に適切に対応することができる。
【0008】
また、本発明のコミュニケーションシステムでは、前記機械翻訳によるコミュニケーションで、前記ゲスト端末から入力されたゲスト音声情報が、音声認識により文字化された後、前記スタッフ言語情報として登録されている言語に機械翻訳されて前記スタッフ端末の画面上に表示されるとともに、前記スタッフ端末から入力されたスタッフ音声情報が、音声認識により文字化された後、前記ゲスト言語情報として設定されている言語に機械翻訳されて前記ゲスト端末の画面上に表示されてもよい。
【0009】
この構成によれば、ゲスト端末から入力されたゲスト音声情報が機械翻訳されてスタッフ端末の画面上に表示されるとともに、スタッフ端末から入力されたスタッフ音声情報が機械翻訳されてゲスト端末の画面上に表示される。このようにして、機械翻訳によるコミュニケーションが適切に行われる。
【0010】
本発明の方法は、ゲストが使用するゲスト端末と、スタッフが使用するスタッフ端末と通信可能なコミュニケーションシステムにおいて実行される方法であって、前記方法は、前記ゲスト端末から、前記ゲストが前記ゲスト端末を操作することにより行われるコミュニケーション要求を受信するとともに、前記ゲスト端末で設定されている言語情報をゲスト言語情報として受信するステップと、複数の前記スタッフ端末の各々について、前記スタッフが使用可能な言語として前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報と、当該スタッフがゲスト対応可能であるか否かを示す対応可能情報とを取得するステップと、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末について、前記ゲスト端末から受信した前記ゲスト言語情報が、前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報のいずれかと一致するか否かを判定するステップと、前記判定するステップで一致すると判定された場合に、前記ゲスト言語情報と一致したスタッフ言語情報が登録されているスタッフ端末に、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させるステップと、前記判定するステップで一致しないと判定された場合に、前記ゲスト端末に、機械翻訳によるコミュニケーションか、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを選択する選択要求を送信するステップと、前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記機械翻訳によるコミュニケーションを要求する機械翻訳コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末と機械翻訳によるコミュニケーションを開始させるステップと、前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションを要求するスタッフ言語コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させるステップと、を含んでいる。
【0011】
この方法によっても、上記のシステムと同様、ゲスト端末から受信したゲスト言語情報が、複数のスタッフ端末から受信したスタッフ言語情報のいずれかと一致した場合には、そのスタッフ端末にゲスト端末とのコミュニケーションを開始させる。一致しなかった場合には、ゲスト端末で、機械翻訳によるコミュニケーションか、スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを選択させて、機械翻訳によるコミュニケーションか、スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを開始させる。このようにして、スタッフの言語には限りがある状況下でも、ゲストからの様々な言語でのコミュニケーション要求に適切に対応することができる。
【0012】
本発明のプログラムは、ゲストが使用するゲスト端末と、スタッフが使用するスタッフ端末と通信可能なコミュニケーションシステムのコンピュータで実行されるプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータに、前記ゲスト端末から、前記ゲストが前記ゲスト端末を操作することにより行われるコミュニケーション要求を受信するとともに、前記ゲスト端末で設定されている言語情報をゲスト言語情報として受信する処理と、複数の前記スタッフ端末の各々について、前記スタッフが使用可能な言語として前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報と、当該スタッフがゲスト対応可能であるか否かを示す対応可能情報とを取得する処理と、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末について、前記ゲスト端末から受信した前記ゲスト言語情報が、前記スタッフ端末で登録されているスタッフ言語情報のいずれかと一致するか否かを判定する処理と、前記判定する処理で一致すると判定された場合に、前記ゲスト言語情報と一致したスタッフ言語情報が登録されているスタッフ端末に、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させる処理と、前記判定する処理で一致しないと判定された場合に、前記ゲスト端末に、機械翻訳によるコミュニケーションか、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを選択する選択要求を送信する処理と、前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記機械翻訳によるコミュニケーションを要求する機械翻訳コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末と機械翻訳によるコミュニケーションを開始させる処理と、前記ゲスト端末から、前記選択要求に対する応答として、前記スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションを要求するスタッフ言語コミュニケーション要求を受信した場合に、前記複数のスタッフ端末のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末のいずれかに、前記ゲスト端末とのコミュニケーションを開始させ処理と、を実行させる。
【0013】
このプログラムによっても、上記のシステムと同様、ゲスト端末から受信したゲスト言語情報が、複数のスタッフ端末から受信したスタッフ言語情報のいずれかと一致した場合には、そのスタッフ端末にゲスト端末とのコミュニケーションを開始させる。一致しなかった場合には、ゲスト端末で、機械翻訳によるコミュニケーションか、スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを選択させて、機械翻訳によるコミュニケーションか、スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを開始させる。このようにして、スタッフの言語には限りがある状況下でも、ゲストからの様々な言語でのコミュニケーション要求に適切に対応することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スタッフの言語には限りがある状況下でも、ゲストからの様々な言語でのコミュニケーション要求に適切に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態におけるコミュニケーションシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態におけるコミュニケーションシステムの動作説明のためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態のコミュニケーションシステムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、ホテルなどの施設等で多言語のコンタクトセンターシステムとして用いられるコミュニケーションシステムの場合を例示する。以下に説明するコミュニケーションシステムが有する各種の機能は、例えば、コミュニケーションシステムのメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現することができる。
【0017】
本発明の実施の形態のコミュニケーションシステムの構成を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態のコミュニケーションシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、コミュニケーションシステム1は、ネットワーク2を介して、ゲスト(例えば、ホテルに宿泊するゲスト)が使用するゲスト端末3およびスタッフ(例えば、ホテルのスタッフ)が使用するスタッフ端末4と通信可能に接続されている。コミュニケーションシステム1は、例えばクラウドサーバ装置などで構成されており、ゲスト端末3やスタッフ端末4は、スマートフォンなどの端末装置で構成されている。なお、
図1では、説明の便宜上、1つのゲスト端末3と2つのスタッフ端末4が図示されているが、ゲスト端末3の台数は2つ以上でもよく、スタッフ端末4の台数は3つ以上でもよい。
【0018】
図1に示すように、コミュニケーションシステム1は、通信処理部10と、制御部20を備えている。通信処理部10は、コミュニケーション要求受信部11と、スタッフ情報取得部12と、選択要求送信部13を備えている。また、制御部20は、判定部21と、第1コミュニケーション開始部22と、第2コミュニケーション開始部23と、第3コミュニケーション開始部24を備えている。
【0019】
コミュニケーション要求受信部11は、ゲスト端末3でゲストが所定のコール操作(例えば「スタッフコール」ボタンのクリック操作など)をすることにより行われるコミュニケーション要求を、ゲスト端末3から受信する機能を備えている。また、コミュニケーション要求受信部11は、ゲスト端末3で設定されている言語情報(例えば、日本語)を、そのゲストが普段使用している言語を示すゲスト言語情報として、ゲスト端末3から受信する機能を備えている。
【0020】
スタッフ情報取得部12は、複数のスタッフ端末4の各々について、スタッフが使用可能な言語(例えば、スタッフA:英語、スタッフB:英語と日本語)としてスタッフ端末4で登録されているスタッフ言語情報と、そのスタッフがゲスト対応可能であるか否かを示す対応可能情報とを取得する機能を備えている。対応可能情報は、現時点における対応の可否を示す情報(例えば、スタッフA:対応可、スタッフB:対応不可)でもよく、現時点における対応可能人数を示す情報(例えば、スタッフA:2人、スタッフB:0人)でもよい。対応可能情報は、スタッフ本人がスタッフ端末4を用いて設定してもよく、システム管理者がコミュニケーションシステム1に設定してもよい。また、スタッフ言語情報には、スタッフ本人がスタッフ端末4を用いて登録する言語のほかに、システム管理者が登録する言語(国際的な共通言語。例えば英語)が含まれてもよい。
【0021】
判定部21は、ゲスト端末3からコミュニケーション要求が送信されたときに、複数のスタッフ端末4のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末4について、ゲスト端末3から受信したゲスト言語情報(コミュニケーション要求とともにゲスト端末3から送信される)が、スタッフ端末4で登録されているスタッフ言語情報のいずれかと一致するか否かを判定する機能を備えている。
【0022】
例えば、コミュニケーション要求とともにゲスト端末3から送信されたゲスト言語情報が「日本語」であり、ゲスト対応可能なスタッフが「スタッフA:英語」と「スタッフB:英語と日本語」である場合、判定部21は「一致する:スタッフB」と判定する。一方、コミュニケーション要求とともにゲスト端末3から送信されたゲスト言語情報が「日本語」であり、ゲスト対応可能なスタッフが「スタッフA:英語」と「スタッフC:英語と中国語」である場合、判定部21は「一致しない」と判定する。
【0023】
第1コミュニケーション開始部22は、判定部21で「一致する」と判定された場合に、ゲスト言語情報と一致したスタッフ言語情報が登録されているスタッフ端末4(例えば、スタッフBのスタッフ端末4)に、ゲスト端末3とのコミュニケーションを開始させる機能を備えている。具体的には、第1コミュニケーション開始部22は、ゲスト端末3とスタッフBのスタッフ端末4を接続して、ゲストとスタッフBとの間で、ゲスト言語(例えば日本語)でのコミュニケーション(音声通話やメッセージ送信)を可能にする。
【0024】
選択要求送信部13は、判定部21で「一致しない」と判定された場合に、ゲスト端末3に「機械翻訳によるコミュニケーション」か「スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーション」のいずれかを選択する選択要求を送信する機能を備えている。ゲスト端末3は、選択要求を受信すると「機械翻訳によるコミュニケーション」か「スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーション」のいずれかを選択する選択画面が表示され、ゲストの選択入力を受け付ける。
【0025】
ゲストの選択入力が「機械翻訳によるコミュニケーション」であった場合、ゲスト端末3からコミュニケーションシステム1に、選択要求に対する応答として「機械翻訳によるコミュニケーション」を要求する機械翻訳コミュニケーション要求が送信される。
【0026】
第2コミュニケーション開始部23は、ゲスト端末3からコミュニケーション要求を受信すると、複数のスタッフ端末4のうちゲスト対応可能なスタッフ(スタッフAまたはスタッフC)のスタッフ端末4のいずれかに、ゲスト端末3と機械翻訳によるコミュニケーションを開始させる機能を備えている。具体的には、第2コミュニケーション開始部23は、ゲスト端末3とスタッフAまたはスタッフCのスタッフ端末4を接続して、ゲストとスタッフAまたはスタッフCとの機械翻訳によるコミュニケーション(音声通話やメッセージ送信)を可能にする。
【0027】
機械翻訳によるコミュニケーションでは、ゲスト端末3から入力されたゲスト音声情報(例えば、日本語の音声情報)が、音声認識により文字化された後、スタッフ言語情報として登録されている言語(例えば、英語)に機械翻訳されてスタッフ端末4(例えば、スタッフAのスタッフ端末4)の画面上に表示されるとともに、スタッフ端末4(例えば、スタッフAのスタッフ端末4)から入力されたスタッフ音声情報(例えば、英語の音声情報)が、音声認識により文字化された後、ゲスト言語情報として設定されている言語(例えば、日本語)に機械翻訳されてゲスト端末3の画面上に表示される。
【0028】
ゲストの選択入力が「スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーション」であった場合、ゲスト端末3からコミュニケーションシステム1に、選択要求に対する応答として「スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーション」を要求するスタッフ言語コミュニケーション要求が送信される。この場合、ゲスト端末3では、コミュニケーションに用いるスタッフ言語(対応可能なスタッフのスタッフ言語。システム管理者が登録した国際的な共通言語が含まれてもよい)の選択操作を行うことが可能であり、ゲストに選択されたスタッフ言語情報は、スタッフ言語コミュニケーション要求とともに、ゲスト端末3からコミュニケーションシステム1に送信される。
【0029】
第3コミュニケーション開始部24は、ゲスト端末3から、スタッフ言語コミュニケーション要求を受信すると、複数のスタッフ端末4のうちゲスト対応可能なスタッフ(スタッフAまたはスタッフC)のスタッフ端末4のいずれかに、ゲスト端末3とのコミュニケーションを開始させる機能を備えている。具体的には、第3コミュニケーション開始部24は、ゲスト端末3とスタッフAまたはスタッフCのスタッフ端末4を接続して、ゲストとスタッフAまたはスタッフCとの間で、ゲストにより選択されたスタッフ言語(例えば英語)でのコミュニケーション(音声通話やメッセージ送信)を可能にする。
【0030】
以上のように構成されたコミュニケーションシステム1について、
図2のシーケンス図を参照してその動作を説明する。
【0031】
図2に示すように、本実施の形態のコミュニケーションシステム1を使用する場合には、まず、ゲスト端末3で、所定のログイン(例えば、そのゲストが宿泊する部屋に設置されたQRコードの読取り)操作を行った後(S1)、所定のコール操作(例えば「スタッフコール」ボタンのクリック操作など)を行うと(S2)、ゲスト端末3からコミュニケーションシステム1にコミュニケーション要求とゲスト言語情報(例えば、日本語)が送信される(S3)。
【0032】
コミュニケーションシステム1は、複数のスタッフ端末4の各々について、スタッフが使用可能な言語(例えば、スタッフA:英語、スタッフB:英語と日本語、スタッフC:英語と中国語)としてスタッフ端末4で登録されているスタッフ言語情報と、そのスタッフがゲスト対応可能であるか否かを示す対応可能情報(例えば、スタッフA:2人、スタッフB:0人、スタッフC:1人)とを取得する(S4)。そして、ゲスト言語で対応可能なスタッフがいるかの判定が行われる(S5)。
【0033】
例えば、コミュニケーション要求とともにゲスト端末3から送信されたゲスト言語情報が「日本語」であり、ゲスト対応可能なスタッフが「スタッフA:英語」と「スタッフB:英語と日本語」である場合、コミュニケーションシステム1では「一致する:スタッフB」と判定され(S5)、ゲスト言語情報と一致したスタッフ言語情報が登録されているスタッフ端末4(例えば、スタッフBのスタッフ端末4)とゲスト端末3との間で、ゲスト言語(例えば、日本語)でのコミュニケーション(音声通話やメッセージ送信)が開始される(S6)。
【0034】
一方、コミュニケーション要求とともにゲスト端末3から送信されたゲスト言語情報が「日本語」であり、ゲスト対応可能なスタッフが「スタッフA:英語」と「スタッフC:英語と中国語」である場合、コミュニケーションシステム1では「一致しない」と判定され(S5)、コミュニケーションシステム1からゲスト端末3に「機械翻訳によるコミュニケーション」か「スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーション」のいずれかを選択する選択要求が送信される(S7)。
【0035】
ゲスト端末3で「機械翻訳によるコミュニケーション」の選択入力が行われると(S8)、ゲスト端末3からコミュニケーションシステム1に、機械翻訳コミュニケーション要求が送信され(S9)、ゲスト対応可能なスタッフ(スタッフAまたはスタッフC)のスタッフ端末4のいずれかとゲスト端末3との間で、機械翻訳によるコミュニケーション(音声通話やメッセージ送信)が開始される(S10)。
【0036】
一方、ゲスト端末3で「スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーション」の選択入力が行われ、コミュニケーションに用いるスタッフ言語の選択操作が行われると(S11)、スタッフ言語コミュニケーション要求とゲストに選択されたスタッフ言語情報が、ゲスト端末3からコミュニケーションシステム1に送信され(S12)、ゲスト対応可能なスタッフ(スタッフAまたはスタッフC)のスタッフ端末4のいずれかとゲスト端末3との間で、ゲストにより選択されたスタッフ言語(例えば英語)でのコミュニケーション(音声通話やメッセージ送信)が開始される(S13)。
【0037】
このような本実施の形態のコミュニケーションシステム1によれば、ゲスト端末3から受信したゲスト言語情報が、複数のスタッフ端末4のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末4で登録されているスタッフ言語情報のいずれかと一致した場合には、そのスタッフ端末4とゲスト端末3との間でコミュニケーションを開始させる。一致しなかった場合には、ゲスト端末3で、機械翻訳によるコミュニケーションか、スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを選択させて、複数のスタッフ端末4のうちゲスト対応可能なスタッフのスタッフ端末4のいずれかとゲスト端末3との間で、機械翻訳によるコミュニケーションか、スタッフ言語情報として登録されている言語でのコミュニケーションのいずれかを開始させる。このようにして、スタッフの言語には限りがある状況下でも、ゲストからの様々な言語でのコミュニケーション要求に適切に対応することができる。
【0038】
また、本実施の形態では、ゲスト端末3から入力されたゲスト音声情報が機械翻訳されてスタッフ端末4の画面上に表示されるとともに、スタッフ端末4から入力されたスタッフ音声情報が機械翻訳されてゲスト端末3の画面上に表示される。このようにして、機械翻訳によるコミュニケーションが適切に行われる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように、本発明にかかるコミュニケーションシステムは、スタッフの言語には限りがある状況下でも、ゲストからの様々な言語でのコミュニケーション要求に適切に対応することができるという効果を有し、ホテルなどの施設等で多言語のコンタクトセンターシステムとして用いられ、有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 コミュニケーションシステム
2 ネットワーク
3 ゲスト端末
4 スタッフ端末
10 通信処理部
11 コミュニケーション要求受信部
12 スタッフ情報取得部
13 選択要求送信部
20 制御部
21 判定部
22 第1コミュニケーション開始部
23 第2コミュニケーション開始部
24 第3コミュニケーション開始部